特許第6882760号(P6882760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 学校法人北里研究所の特許一覧

特許6882760排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム
<>
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000002
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000003
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000004
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000005
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000006
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000007
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000008
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000009
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000010
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000011
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000012
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000013
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000014
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000015
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000016
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000017
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000018
  • 特許6882760-排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882760
(24)【登録日】2021年5月11日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/00 20060101AFI20210524BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   G01N27/00 H
   G01N27/22 B
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-254033(P2016-254033)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-105787(P2018-105787A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】598041566
【氏名又は名称】学校法人北里研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】根武谷 吾
【審査官】 蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−022688(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0310190(US,A1)
【文献】 特開2016−194518(JP,A)
【文献】 特開2001−021517(JP,A)
【文献】 特表平03−505785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/44、13/42
G01N 27/00−27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつの吸収体と非接触で股間部の前側に配置される複数の電極を含む第一電極群と、
前記おむつの吸収体と非接触で股間部の後ろ側に配置される複数の電極を含む第二電極群と、
前記第一電極群の電極間、及び、前記第二電極群の電極間に交流信号を印加する交流信号印加部と、
前記第一電極群の電極間の電気特性、及び、前記第二電極群の電極間の電気特性を測定する測定部と、
前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記相違が前記所定条件を満たすと判定した場合、報知情報を出力する報知部と、
を備える排泄物検出装置。
【請求項2】
前記測定部は、前記第一電極群の電極間のキャパシタンスを示す電気特性、及び、前記第二電極群の電極間のキャパシタンスを示す電気特性を測定する、
請求項1に記載の排泄物検出装置。
【請求項3】
前記交流信号印加部は、複数の周波数の交流信号の各々を、前記第一電極群の電極間、及び、前記第二電極群の電極間に印加し、
前記測定部は、前記複数の周波数の交流信号の各々について、前記第一電極群の電極間の電気特性、及び、前記第二電極群の電極間の電気特性を測定し、
前記判定部は、前記第一電極群の電極間における周波数の変化による電気特性の変化と、前記第二電極群の電極間における周波数の変化による電気特性の変化との相違が所定条件を満たすか否かを判定する、
請求項2に記載の排泄物検出装置。
【請求項4】
前記測定部は、前記第一電極群の電極間における交流信号の位相回転、及び、前記第二電極群の電極間における交流信号の位相回転を測定する、
請求項2または請求項3に記載の排泄物検出装置。
【請求項5】
前記測定部は、前記第一電極群の電極間のインピーダンスの大きさ、及び、前記第二電極群の電極間のインピーダンスの大きさを測定し、
前記判定部は、前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かの判定に加えてさらに、前記第一電極群の電極間のインピーダンスの大きさが一定の状態が所定時間以上継続した後、前記第二電極群の電極間のインピーダンスが減少したか否かを判定する、
請求項1に記載の排泄物検出装置。
【請求項6】
前記第一電極群及び前記第二電極群のうち少なくともいずれか一方は3つ以上の前記電極を含み、
前記測定部は、前記3つ以上の電極のうち2つの電極を組み合わせた複数の組み合わせの各々について、電極間の電気特性を測定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の排泄物検出装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かの判定に加えてさらに、前記第一電極群におけるインピーダンス値の変化と、前記第二電極群おけるインピーダンス値の変化との時間差に基づいて、排尿と排便とを区別する、
請求項1からのいずれか一項に記載の排泄物検出装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かの判定に加えてさらに、複数の電極群間におけるインピーダンス値の変化の時間差に基づいて、排尿と排便とを区別する、
請求項1からのいずれか一項に記載の排泄物検出装置。
【請求項9】
おむつの吸収体と非接触で股間部の前側に配置される複数の電極を含む第一電極群の電極間、及び、前記おむつの吸収体と非接触で股間部の後ろ側に配置される複数の電極を含む第二電極群の電極間に交流信号を印加する交流信号印加ステップと、
前記第一電極群の電極間の電気特性、及び、前記第二電極群の電極間の電気特性を測定する測定ステップと、
前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで、前記相違が前記所定条件を満たすと判定した場合、報知情報を出力する報知ステップと、
を含む排泄物検出方法。
【請求項10】
コンピュータに、
おむつの吸収体と非接触で股間部の前側に配置される複数の電極を含む第一電極群の電極間、及び、前記おむつの吸収体と非接触で股間部の後ろ側に配置される複数の電極を含む第二電極群の電極間に交流信号を印加する交流信号印加ステップと、
前記第一電極群の電極間の電気特性、及び、前記第二電極群の電極間の電気特性を測定する測定ステップと、
前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで、前記相違が前記所定条件を満たすと判定した場合、報知情報を出力する報知ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
おむつへの排尿を非接触で検出する方法として、離間した電極間に交流信号を印加して電極間の電気容量の変化を検出する方法がある。例えば、特許文献1には、複数の電極の各々に導電体線維を接続して電極間に交流信号を印加し、電極間の電気インピーダンスを測定するセンサが開示されている。このセンサをおむつの外側、あるいはズボン等の内側に設置することで、尿に接触せずに尿を検出することができ、センサを繰り返して使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−185924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
おむつへの排泄物を検出する際に、排尿があった場合と排便があった場合とを区別して検出することが出来れば、おむつ交換の運用に柔軟性を持たせることができる。例えば、介護対象者がおむつをしている場合、排尿のときは、介護者の負担を軽減する観点からおむつの交換回数を低減させることが考えられる。一方、排便のときは、臭い等を考慮して速やかにおむつを交換することが考えられる。
【0005】
本発明は、排尿の場合と排便の場合とを区別しておむつへの排泄物を検出することができる排泄物検出装置、排泄物検出方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、排泄物検出装置は、おむつの吸収体と非接触で股間部の前側に配置される複数の電極を含む第一電極群と、前記おむつの吸収体と非接触で股間部の後ろ側に配置される複数の電極を含む第二電極群と、前記第一電極群の電極間、及び、前記第二電極群の電極間に交流信号を印加する交流信号印加部と、前記第一電極群の電極間の電気特性、及び、前記第二電極群の電極間の電気特性を測定する測定部と、前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部が、前記相違が前記所定条件を満たすと判定した場合、報知情報を出力する報知部と、を備える。
【0007】
前記測定部は、前記第一電極群の電極間のキャパシタンスを示す電気特性、及び、前記第二電極群の電極間のキャパシタンスを示す電気特性を測定するようにしてもよい。
【0008】
前記交流信号印加部は、複数の周波数の交流信号の各々を、前記第一電極群の電極間、及び、前記第二電極群の電極間に印加し、前記測定部は、前記複数の周波数の交流信号の各々について、前記第一電極群の電極間の電気特性、及び、前記第二電極群の電極間の電気特性を測定し、前記判定部は、前記第一電極群の電極間における周波数の変化による電気特性の変化と、前記第二電極群の電極間における周波数の変化による電気特性の変化との相違が所定条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。
【0009】
前記測定部は、前記第一電極群の電極間における交流信号の位相回転、及び、前記第二電極群の電極間における交流信号の位相回転を測定するようにしてもよい。
【0010】
前記測定部は、前記第一電極群の電極間のインピーダンスの大きさ、及び、前記第二電極群の電極間のインピーダンスの大きさを測定し、前記判定部は、前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かの判定に加えてさらに、前記第一電極群の電極間のインピーダンスの大きさが一定の状態が所定時間以上継続した後、一定の状態から前記第二電極群の電極間のインピーダンスが減少したか否かを判定するようにしてもよい。
【0011】
前記第一電極群及び前記第二電極群のうち少なくともいずれか一方は3つ以上の前記電極を含み、前記測定部は、前記3つ以上の電極のうち2つの電極を組み合わせた複数の組み合わせの各々について、電極間の電気特性を測定するようにしてもよい。
【0016】
前記判定部は、前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かの判定に加えてさらに、前記第一電極群におけるインピーダンス値の変化と、前記第二電極群のおけるインピーダンス値の変化との時間差に基づいて、排尿と排便とを区別するようにしてもよい。
【0017】
前記判定部は、前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かの判定に加えてさらに、複数の電極群間におけるインピーダンス値の変化の時間差に基づいて、排尿と排便とを区別するようにしてもよい。
【0018】
本発明の第の態様によれば、排泄物検出方法は、おむつの吸収体と非接触で股間部の前側に配置される複数の電極を含む第一電極群の電極間、及び、前記おむつの吸収体と非接触で股間部の後ろ側に配置される複数の電極を含む第二電極群の電極間に交流信号を印加する交流信号印加ステップと、前記第一電極群の電極間の電気特性、及び、前記第二電極群の電極間の電気特性を測定する測定ステップと、前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで、前記相違が前記所定条件を満たすと判定した場合、報知情報を出力する報知ステップと、を含む。
【0020】
本発明の第の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、おむつの吸収体と非接触で股間部の前側に配置される複数の電極を含む第一電極群の電極間、及び、前記おむつの吸収体と非接触で股間部の後ろ側に配置される複数の電極を含む第二電極群の電極間に交流信号を印加する交流信号印加ステップと、前記第一電極群の電極間の電気特性、及び、前記第二電極群の電極間の電気特性を測定する測定ステップと、前記第一電極群の電極間の電気特性と前記第二電極群の電極間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで、前記相違が前記所定条件を満たすと判定した場合、報知情報を出力する報知ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、排尿の場合と排便の場合とを区別しておむつへの排泄物を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る排泄物検出装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
図2】同実施形態に係る電極部材における電極の配置例を示す図である。
図3】同実施形態でのおむつに対する電極の配置例を示す図である。
図4】同実施形態でのズボンにおける電極の配置例を示す図である。
図5】同実施形態でのズボンにおける端子の配置例を示す図である。
図6】同実施形態で、おむつセンサの第一電極群側に水を滴下した場合の、第一電極の電極間におけるインピーダンス率の例を示す図である。
図7】同実施形態で、第二電極群の電極間に模擬便となる歯磨き粉を注入した場合の、第二電極群の電極間のインピーダンス変化率を示す図である。
図8】同実施形態に係る第一電極群におけるインピーダンスの変化の例を示す図である。
図9】同実施形態に係る第二電極群におけるインピーダンスの変化の例を示す図である。
図10】同実施形態における電極配置の例を示す図である。
図11図10に示されるパターン布を折り畳んだ例を示す図である。
図12】同実施形態で、ガード電極を付加する場合の電極配置の例を示す図である。
図13図12に示されるパターン布を折り畳んだ例を示す図である。
図14】同実施形態に係る排泄物検出装置がおむつ交換の要否を判定する処理手順の例を示すフローチャートである。
図15】同実施形態で、第一電極群、第二電極群がそれぞれ3つの電極を備える場合の、電極部材における電極の配置例を示す図である。
図16】同実施形態で、おむつの前側と後ろ側とに共通の電極が設けられる場合の、排泄物検出装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
図17】同実施形態で、おむつの前側と後ろ側とに共通の電極が設けられる場合の、電極部材における電極の配置例を示す図である。
図18】同実施形態で、電極群が3つの電極を備える場合の、電極部材における電極の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る排泄物検出装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図1に示すように、排泄物検出装置1は、排泄物検出装置本体100と、電極部材200とを備える。排泄物検出装置本体100は、交流信号印加部110と、測定部120と、報知部130と、記憶部180と、制御部190とを備える。制御部190は、印加制御部191と、判定部192と、報知制御部193とを備える。電極部材200は、第一電極群210と、第二電極群220とを備える。第一電極群210及び第二電極群220は、それぞれ複数の電極230を備える。
図1では、第一電極群210、第二電極群220のいずれも2つの電極230を備えている場合の例を示している。但し、後述するように第一電極群210が3つ以上の電極230を備えていてもよい。また、第二電極群220が3つ以上の電極230を備えていてもよい。
【0025】
排泄物検出装置1は、おむつに排泄された排泄物を検出する。特に、排泄物検出装置1は、尿(小便)と便(大便)とを区別して検出する。排泄物検出装置1は、排泄物を検出することでおむつ交換の要否を判定する。おむつ交換が必要と判定した場合、排泄物検出装置1は、おむつ交換が必要である旨を報知する。
排泄物検出装置本体100は、おむつの近傍に配置された複数の電極230の間に交流信号を印加し、電極230間における電気特性に基づいて排泄物を検出する。特に、排泄物検出装置本体100は、おむつの前側と後ろ側とでの電気特性の相違に基づいて、尿と便とを区別して検出する。
排泄物検出装置本体100が電極230間に印加する交流信号として、比較的周波数の高い信号を用いることで、尿の場合と便の場合とで電気特性の差が現れ易くなる。例えば、排泄物検出装置本体100が500キロヘルツ(kHz)〜1メガヘルツ(MHz)程度の交流信号を電極230間に印加するようにしてもよい。
【0026】
おむつの前側と後ろ側とでの電気特性の相違を検出するために、シート状の電極部材200に設けられた第一電極群210の電極230がおむつの前側に配置され、第二電極群220の電極230がおむつの後ろ側に配置される。
図2は、電極部材200における電極230の配置例を示す図である。図2の例で、電極部材200は、図1に示された電極230に加えて布240と端子250とを備えている。
【0027】
電極230の各々は、例えば導電性糸を用いて構成され、布240に縫い付けられて配置されている。図2の例では、電極230が2つずつ並んで2組配置されている。2組の電極230のうちの1組が第一電極群210を構成し、他の1組が第二電極群220を構成している。
また、電極230毎に1つの端子250が設けられている。電極230と端子250とは導電性糸で電気的に接続される。さらに、排泄物検出装置本体100からの配線が端子250に接続されることにより、排泄物検出装置本体100と電極230の各々とが電気的に接続される。
【0028】
図3は、おむつに対する電極230の配置例を示す図である。図3では、おむつ910が、おむつ910の前側を図の手前側にして示されている。
図3の例で、布240は、おむつ910の股間部の前側から後ろ側にかけて接するよう配置される。これにより、第一電極群210の電極230がおむつ910の股間部前側に配置され、第二電極群220の電極230がおむつ910の股間部後ろ側に配置される。また、図3のように、おむつ910の外側に電極部材200が配置されることで、電極230の各々はおむつ910の吸収体と非接触に配置される。
ここでいう股間部の前側には、排尿が行われる領域が含まれる。また、股間部の後ろ側には、排便が行われる領域が含まれる。
【0029】
例えば、ズボンなど股間を覆う衣類の内側に布240を縫い付けることで、図3の例のように電極230をおむつ910の股間部に配置することができる。この場合、布240を縫い付ける対象物は、おむつの股間部を覆って着用されるものであればよく、特定のものに限定されない。例えば、布240が部屋着又は寝間着に縫い付けられていてもよいし、パンツに縫い付けられていてもよい。
【0030】
図4は、ズボンにおける電極230の配置例を示す図である。図4では、ズボン920の裏側(内側)が、ズボン920の前側を手前側にして示されている。
布240は、ズボン920の裏側の股間部に縦に縫い付けられている。ズボン920の後ろ側についても図4に示す前側の場合と同様にして、布240をズボン920の裏側の股間部の前側から後ろ側にかけて縦に縫い付ける。これにより、ズボン920の裏側の股間部の前側、後ろ側それぞれに、電極230が2本ずつ縦に配置される。
介護対象者などおむつをしている人がズボン920をはくことで、図3の例のように第一電極群210の電極230がおむつ910の股間部前側に配置され、第二電極群220の電極230がおむつ910の股間部後ろ側に配置される。
【0031】
図5は、ズボンにおける端子250の配置例を示す図である。図5の例では、ズボン920の表側(外側)が、ズボン920の前側を図の手前側にして示されている。
図5の例では、端子250がズボン920の前側に纏めて配置されている。これにより、排泄物検出装置本体100からズボン920の前側のみに配置すればよい。この点で、排泄物検出装置本体100からの配線が邪魔になりにくく、また、排泄物検出装置本体100からの配線を端子250に接続する作業の負荷が比較的軽くて済む。
あるいは、端子250がズボン920の後ろ側に纏めて配置されていてもよい。
【0032】
電極230と端子250との配線には、必要に応じて電磁シールドで被覆された導電性糸を用いる。例えば、図5の例のように端子250がズボン920の前側に纏めて配置されている場合、ズボン920の後ろ側に配置されている第二電極群220の電極230と端子250とを、電磁シールドで被覆された導電性糸で接続する。これにより、排泄物検出装置本体100がおむつ920の股間部後ろ側の電気特性を測定する際に、股間部前側の電気特性の影響を受けにくい。この点で、排泄物検出装置本体100は、おむつ920の股間部後ろ側の電気特性をより高精度に測定することができる。導電性糸を電磁シールドで被覆する場合、例えば、導電性糸をポリエステルで被覆するようにしてもよいが、これに限らない。
【0033】
なお、電極230をおむつ910の股間部に配置する方法は、図4及び図5を参照して説明した布240をズボンに縫い付けて配置する方法に限らない。
例えば、電極230の各々がズボンに直接縫い付けられていてもよい。この場合、布240は不要となる。あるいは、電極230の各々がズボンの生地に編み込まれていてもよい。この場合も布240は不要となる。
あるいは、布240が例えば粘着テープ等でおむつ920の外側に直接貼り付けられていてもよい。
あるいは、電極230がおむつ920に組み込まれていてもよい。例えば、電極230がおむつ920に縫い付けられていてもよい。さらに、おむつ920に、排泄物検出装置本体100との電気的接続用のコネクタが設けられ、おむつ920に組み込まれている電極230の各々と、コネクタとが電気的に接続されていてもよい。
【0034】
交流信号印加部110は、電極230に交流信号を印加する。具体的には、交流信号印加部110は、第一電極群210の2つの電極230間、及び、第二電極群220の2つの電極230間に交流信号を印加する。
測定部120は、交流信号印加部110が交流信号を印加した電極230間における電気特性を測定する。例えば、測定部120は、第一電極群210の2つの電極230間における交流インピーダンス(複素インピーダンス)と、第二電極群220の2つの電極230間における交流インピーダンスとを測定する。さらに例えば、測定部120は、第一電極群210の2つの電極230間のインピーダンスの大きさ及び位相回転と、第二電極群220の2つの電極230間のインピーダンスの大きさ及び位相回転とを測定する。ここでいう位相回転は、交流信号印加部110が電極230間に印加した交流電流の位相に対する、電極230間における交流電圧の位相のずれである。
【0035】
報知部130は、おむつ交換が必要であることを報知する報知情報を出力する。報知部130による報知情報の出力方法としていろいろな方法を用いることができる。例えば、報知部130がスピーカ又はブザーを備え、音声メッセージの出力又はブザー音の出力にて報知情報を出力するようにしてもよい。あるいは、報知部130が無線通信回路を備え、介護者が使用するパソコン(Personal Computer;PC)又はスマートフォン(Smartphone)などおむつ交換者が使用する機器に無線信号にて報知情報を送信するようにしてもよい。
【0036】
記憶部180は、排泄物検出装置1が備える記憶デバイスを用いて構成され、各種情報を記憶する。例えば、記憶部180は、おむつ交換の要否の判定基準を予め記憶しておく。
制御部190は、排泄物検出装置1の各部を制御して各種処理を行う。制御部190は、例えば排泄物検出装置本体100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部180からプログラムを読み出して実行することで構成される。
【0037】
印加制御部191は、交流信号印加部110を制御して、第一電極群210の2つの電極230間、及び、第二電極群220の2つの電極230間に交流信号を印加させる。
判定部192は、測定部120が測定した電気特性に基づいておむつ交換の要否を判定する。具体的には、判定部192は、第一電極群210の電極230間の電気特性と第二電極群220の電極230間の電気特性とを比較して相違が所定条件以上に大きいか否かを判定する。
【0038】
判定部192は、特に、尿によるおむつ交換の要否と、便によるおむつ交換の要否とを判定する。
尿によるおむつ交換の要否について、判定部192は、第一電極群210の電極230間のインピーダンスの大きさが所定の閾値以下か否かを判定する。
ここで、おむつの吸収体が尿を吸収して水分量が増加するほど、電極230間のインピーダンスの大きさが小さくなる。そこで、閾値の値をある程度小さく設定しておくことで、判定部192が、吸収体に尿がある程度以上溜まった状態を検出するようになる。これにより、吸収体に尿がある程度以上溜まってからおむつを交換する運用とすることができ、おむつの交換回数が比較的少なくて済む。おむつの交換回数が比較的少なくて済むことで、おむつ交換者の負担を軽減させることができる。
【0039】
一方、排便があった場合は、便の臭いが周囲の人及びおむつをしている本人に不快感を与えることを考慮して、速やかにおむつを交換することが考えられる。そこで、判定部192は、便の有無を判定することによって排便によるおむつ交換の要否を判定する。判定部192が便を検出した場合(すなわち、便有りと判定した場合)、報知部130が、おむつ交換が必要であることを報知する。
【0040】
判定部192が便を検出する方法として、いろいろな方法を用いることができる。
例えば判定部192が、第一電極群210の電極230間におけるインピーダンスとの大きさと、第二電極群220の電極230間におけるインピーダンスとの大きさとの相違に基づいて、便を検出するようにしてもよい。
ここで、尿の場合はおむつの前側に排尿されるのに対し、便の場合はおむつの後ろ側に排便される。おむつにおける排泄の位置に違いにより、判定部192は、尿と区別して便を検出し得る。具体的には、判定部192は、第二電極群220の電極230間におけるインピーダンスの大きさが、第一電極群210の電極230間におけるインピーダンスの大きさよりも小さいことを検出した場合、便有りと判定する。
この判定では、特に、排尿よりも前に排便が行われた場合、及び、排尿の量が少ない場合に、便を検出することができる。
【0041】
あるいは、判定部192が、第一電極群210の電極230間におけるインピーダンスの変化と、第二電極群220の電極230間におけるインピーダンスの変化との時間差を検出するようにしてもよい。
ここで、排尿の場合、まず吸収体の前側の部分が尿を吸収し、その後、吸収体の後ろ側の部分へ尿がしみて行くことが考えられる。この場合、第一電極群210の電極230間におけるインピーダンスの大きさが小さくなった後、第二電極群220の電極230間におけるインピーダンスの大きさが小さくなる。
【0042】
一方、排便の場合、便が後ろ側にとどまって、第二電極群220の電極230間におけるインピーダンスの大きさのみが小さくなることが考えられる。あるいは、便に水分が多く含まれる場合、まず吸収体の後ろ側の部分が水分を吸収し、その後、吸収体の前側の部分へ水分がしみて行くことが考えられる。この場合、第二電極群220の電極230間におけるインピーダンスの大きさが小さくなった後、第一電極群210の電極230間におけるインピーダンスの大きさが小さくなる。
【0043】
そこで、判定部192は、第一電極群210の電極230間におけるインピーダンスの大きさが所定時間以上変化していない状態から、第二電極群220の電極230間におけるインピーダンスの大きさが小さくなったことを検出した場合、便有りと判定する。
この判定では、排尿よりも前に排便が行われた場合、及び、排尿の量が少ない場合に加えて、排尿が行われてから十分に時間が経過した後に排便が行われた場合も、便を検出することができる。
【0044】
あるいは、判定部192が、第一電極群210の電極230間におけるキャパシタンスと、第二電極群220の電極230間におけるキャパシタンスとの相違に基づいて便の有無を判定するようにしてもよい。
ここで、尿の成分はほとんどが水分であるため、尿のキャパシタンスは非常に大きい。このため排尿の場合は、電極230間におけるキャパシタンスは大きく変化する。一方、便では固形成分によりキャパシタンスが尿よりも小さく、周波数によってインピーダンスが大きくなる。このため、排便の場合は、第一電極群220の電極230間におけるインピーダンスに、尿の場合とは異なる変化が生じる。つまり、便の固形成分は主におむつの後ろ側にとどまり、第二電極群220の電極230間におけるインピーダンスが第一電極群210の電極230間におけるインピーダンスよりも小さくなる。
【0045】
図6は、おむつセンサ(排泄物検出装置)の第一電極群210側に水を50cc滴下した場合の、第一電極210の電極230間におけるインピーダンス率の例を示す図である。図6では、初期状態(時間0)におけるインピーダンスを基準として規格化を行ったインピーダンスをインピーダンス変化率として示している。
図6の例における測定周波数は500kHzである。排尿の際に、第一電極群210側で明確なインピーダンス低下が認められ、排尿の検知が可能であることがわかる。
【0046】
図7は、第二電極群220の電極230間に模擬便となる歯磨き粉50ccを注入した場合の、第二電極群220の電極230間のインピーダンス変化率を示す図である。図7では、初期状態(時間0)におけるインピーダンスを基準として規格化を行ったインピーダンスをインピーダンス変化率として示している。
この電極群220間から生じるインピーダンス変化率は非常に小さい。図7より、排尿後の排便によって第二電極群200の電極230間周辺のインピーダンス変化が増加することがわかる。つまり、第一電極群220の電極230間のインピーダンス変化で排尿を先に検出し、第二電極群220の電極230間のインピーダンス変化で排便の検出が可能であることがわかる。
【0047】
図8は、第一電極群210におけるインピーダンスの変化の例を示す図である。図8に示すグラフの「初期状態」は、水、歯磨き粉のいずれも注入していない状態で第一電極群210の電極230間に生じたインピーダンス変化率を示している。図8では、初期状態におけるインピーダンスを基準として規格化を行ったインピーダンスをインピーダンス変化率として示している。
【0048】
図8の「水注入」は、第一電極群210の電極230間に水50ccを滴下した場合に、第一電極群210の電極230間に生じたインピーダンス変化率を示している。「歯磨き粉注入」は、第一電極群210の電極230間に歯磨き粉50ccを注入した場合に、第一電極群210の電極230間に生じたインピーダンス変化率を示している。「水注入後歯磨き粉注入」は、第一電極群210の電極230間に歯磨き粉50ccを注入してから第二電極群220の電極230間に歯磨き粉50ccを注入した場合に、第一電極群210の電極230間に生じたインピーダンス変化率を示している。
図8に示す結果から、第二電極群220の電極230間に歯磨き粉50ccを注入した際に、第一電極群210の電極230間において、大きなインピーダンス変化率の減少が生じていることがわかる。
【0049】
図9は、第二電極群220におけるインピーダンスの変化の例を示す図である。図9に示すグラフの「初期状態」は、水、歯磨き粉のいずれも注入していない状態での第二電極群220の電極230間に生じたインピーダンス変化率を示している。図9では、初期状態におけるインピーダンスを基準として規格化を行ったインピーダンスをインピーダンス変化率として示している。
【0050】
図9の「水注入」、「歯磨き粉注入」、「水注入後歯磨き粉注入」の各々は、図8の場合と同じ条件下における第二電極群220の電極230間に生じたインピーダンス変化率を示している。
図9の例で、第一電極群210の電極230間に水50ccを滴下した場合は、第二電極群220の電極230間のインピーダンス変化率が減少するものの、歯磨き粉50ccを注入した際にはインピーダンス変化率の増加が認められる。
以上の結果のように、第一電極群210と第二電極群220とを設けることで、排尿と排便とを区別できる。
さらに、周波数を低周波数から高周波数へ変化させて、振幅情報と位相情報とを用いて排尿・排便の時間・量を検出するようにしてもよい。
【0051】
判定部192は、第二電極群220の電極230間におけるキャパシタンスが第一電極群210の電極230間におけるキャパシタンスよりも所定条件以上大きいことを検出した場合、便有りと判定する。
この判定では、排尿よりも前に排便が行われた場合、排尿と同時に排便が行われた場合、排尿後に排便が行われた場合のいずれも、便を検出することができる。
【0052】
特に尿の量が多い場合、判定部192がキャパシタンスに基づいて便を検出することで、インピーダンスの大きさのみに基づいて便を検出する場合よりも高精度に検出を行い得る。ここで、尿のインピーダンスは同量の便のインピーダンスと比較してかなり小さい。このため、尿の量が多い場合、排便によるインピーダンスの減少が排尿によるインピーダンスの減少に隠れてしまい、インピーダンスの大きさのみによる検出では便の検出精度が低下してしまう可能性がある。これに対し、インピーダンスの増加に関しては、上記のように尿の影響はほとんどない。このため、判定部192がキャパシタンスに基づいて便を検出することで、尿の量が多い場合でも比較的高精度に検出を行い得る。
【0053】
キャパシタンスに基づいて便を検出する具体例として、判定部192が、位相回転に基づいて便を検出するようにしてもよい。排便があった場合、便の固形成分がおむつの後ろ側にとどまることで、おむつの後ろ側でキャパシタンスが大きくなる。このため、第二電極群220の電極230間では、電圧の位相に対して電流の位相が進む位相回転が生じる。一方、おむつの前側では、吸収体が尿等の水分を吸収している場合でも水分吸収前とキャパシタンスは、ほとんど変化しない。このため、第一電極群210の電極230間における位相回転はほとんど変化しない。
そこで、判定部192は、第二電極群220の電極230間における位相回転(特に、電圧に対する電流の位相進み)が、第一電極群210の電極230間における位相回転よりも所定の閾値以上大きいことを検出した場合、便有りと判定する。
【0054】
キャパシタンスに基づいて便を検出するもう1つの具体例として、判定部192が、複数の周波数における電気特性に基づいて便を検出するようにしてもよい。周波数が低い信号よりも周波数が高い信号の方が、キャパシタンスの影響を受け易いためインピーダンスが小さくなり位相回転が大きくなる。
そこで、交流信号印加部110が、複数の周波数の交流信号の各々を、第一電極群210の電極230間、及び、第二電極群220の電極230間に印加する。そして、測定部120が、複数の周波数の交流信号の各々について、第一電極群210の電極230間の電気特性、及び、第二電極群220の電極230間の電気特性を測定する。測定部120がインピーダンスの大きさ、及び、位相回転のうちいずれか一方を測定するようにしてもよいし、両方を測定するようにしてもよい。
【0055】
図10は、本実施形態における電極配置の例を示す図である。図5は折り畳み前のセンサユニットであるパターン布を示しており、このパターン布は、布に導電性糸で電極E0〜E4を編み込んで構成されている。A層、B層、C層は、それぞれシールド層、センサ電極層、絶縁層である。すなわち、A層の電極E0は電磁シールドとして機能し、B層の電極E1〜E4は、それぞれセンサ電極として機能する。ここでいうセンサ電極は、排泄物を検出するためのセンサの電極である。
図10に示すようにA層〜C層を一体に構成することで、比較的低コストでセンサユニットを生産することができる。
【0056】
図11は、図10に示されるパターン布を折り畳んだ例を示す図である。図11に示すように、図10のパターン布を折り畳むことで1つのセンサユニットが構成される。
A層(シールド層)は、体表面側から見て外側(体と反対側)に配置される。A層は、例えば手をおむつ周辺に這わせた場合などの外乱(ノイズ)を抑制する。
C層(絶縁層)は、センサユニットの中間層に折り畳まれる。このように、C層がA層とB層との間に折り畳まれることで、A層とB層とが絶縁される。これによって、B層はA層に妨げられずにセンサ電極層として機能する。
電極E1〜E4は、いずれも体表面側(体に近い側)に配置される。電極E1及びE3は、いずれも図2の第一電極群210の電極230の例に該当する。電極E2及びE4は、いずれも図2の第二電極群220の電極230の例に該当する。
【0057】
図12は、ガード電極を付加する場合の電極配置の例を示す図である。図12に示されるパターン布には、図10の例の場合のA層〜C層に加えて、さらにD層及びE層が設けられている。それ以外は、図10の場合と同様である。E層の電極E5〜E8も、電極E1〜E4と同様、布に導電性糸で編み込まれている。
D層、E層は、それぞれ絶縁層、ガード電極層である。すなわち、電極E5〜E8はガード電極として機能する。ガード電極(電極E5〜E8)は、図13を参照して後述するように、センサ電極(電極E1〜E4)とシールド(電極E0)との間にセンサ電極、シールドのいずれとも絶縁されて配置される。ガード電極(電極E5〜E8)は、対向するセンサ電極(電極E1〜E4)と同じ電圧を印加されることでアクティブセンサとして機能する。
【0058】
図13は、図12に示されるパターン布を折り畳んだ例を示す図である。図13に示すように、図12のパターン布を折り畳むことで1つのセンサユニットが構成される。
図13の例で、A層、B層、C層の配置は、図11の場合と同様である。図13の例では、A層とC層との間にさらにE層が設けられ、A層とE層との間にD層が設けられている。これにより、E層(ガード電極層)は、C層及びD層の絶縁層によってA層(シールド層)、B層(センサ電極層)のいずれとも絶縁されている。
【0059】
また、E層の電極E5〜E8は、それぞれB層の電極E1〜E4と対向して配置されている。上述したように、ガード電極(電極E5〜E8)は、対向するセンサ電極(電極E1〜E4)と同じ電圧を印加されることでアクティブセンサとして機能する。これにより、センサ電極(電極E1〜E4)における検出感度を向上させることができる。
図12図13を参照して説明したように、センサユニットにシールド層とガード電極層とを設けることで、耐ノイズ性と検出感度向上とを実現することができる。なお、本発明の実施形態における電極の形状及び配置は、図10図13を参照して説明したものに限らず、いろいろな形状及び配置とし得る。
【0060】
判定部192は、測定部120が測定した電気特性について、第一電極群210の電極230間における信号周波数の変化による電気特性の変化の大きさと、第二電極群220の電極230間における信号周波数の変化による電気特性の変化の大きさとを算出する。そして、判定部192は、第二電極群220の電極230間における電気特性の変化の大きさが、第一電極群210の電極230間における電気特性の大きさよりも所定の閾値以上大きいことを検出した場合、便有りと判定する。
【0061】
例えば、交流信号印加部110が、第一周波数の交流信号を、第一電極群210の電極230間、及び、第二電極群220の電極230間に印加する。第一周波数の交流信号として、例えば10キロヘルツ〜100キロヘルツなど比較的低周波の交流信号を用いることができる。また、第二周波数の交流信号として、例えば100キロヘルツ〜1メガヘルツの交流信号など、比較的高周波の交流信号を用いることができる。
【0062】
そして、測定部120は、第一電極群210の電極230間のインピーダンスの大きさを測定する。さらに、交流信号印加部110は、第一周波数よりも高い第二周波数の交流信号を、第一電極群210の電極230間、及び、第二電極群220の電極230間に印加する。そして、測定部120は、第一電極群210の電極230間のインピーダンスの大きさを測定する。
【0063】
判定部192は、第一電極群210の電極230間、及び、第二電極群220の電極230間の各々について、第一周波数の交流信号の場合のインピーダンスの大きさから第二周波数の交流信号の場合のインピーダンスの大きさを減算した変化量を算出する。さらに、判定部192は、第二電極群220の電極230間における変化量から第一電極群210の電極230間における変化量を減算した差を算出する。判定部192は、算出した差を所定の閾値と比較し、差が閾値以上に大きいことを検出した場合、便有りと判定する。
【0064】
報知制御部193は、報知部130を制御して報知情報を出力させる。具体的には、判定部192が便を検出した場合、報知制御部193は報知部130を制御して、おむつ交換が必要であることを報知する報知情報を出力させる。また、判定部192が、第一電極群210の電極230間のインピーダンスの大きさが所定の閾値以下であると判定した場合も、報知制御部193は報知部130を制御して、おむつ交換が必要であることを報知する報知情報を出力させる。これにより、報知部130は、便が検出された場合、及び、おむつに尿がある程度以上溜まった状態が検出された場合に、おむつ交換が必要であることを報知する。
【0065】
次に、図14を参照して排泄物検出装置1の動作について説明する。
図14は、排泄物検出装置1がおむつ交換の要否を判定する処理手順の例を示すフローチャートである。排泄物検出装置1は、例えば図16の処理を10分毎など所定時間毎に繰り返し実行する。
図14の処理で、交流信号印加部110は、第一電極群210の電極230間、及び、第二電極群220の電極230間の各々に交流信号を印加する(ステップS101)。
そして、測定部120は、第一電極群210の電極230間、及び、第二電極群220の電極230間の各々における交流インピーダンスを測定する(ステップS102)。例えば、測定部120は、インピーダンスの大きさ及び位相回転を測定する。
【0066】
判定部192は、測定部120の測定結果に基づいて、おむつ交換が必要な尿吸収量か否かを判定する(ステップS103)。具体的には、判定部192は、第一電極群210の電極230間のインピーダンスの大きさが所定の閾値以上であることを検出した場合、おむつ交換が必要な尿吸収量であると判定する。
おむつ交換が必要な尿吸収量であると判定した場合(ステップS103:YES)、報知部130が報知制御部193の制御に従って、おむつ交換が必要であることを報知する報知情報を出力する(ステップS105)。ステップS105の後、図14の処理を終了する。
【0067】
一方、ステップS103で、おむつ交換が必要な尿吸収量ではないと判定した場合(ステップS103:NO)、判定部192は、便を検出したか否かを判定する(ステップS104)。例えば、判定部192は、第二電極群220の電極230間における位相回転の大きさから第一電極群210の電極230における位相回転の大きさを減算した差が所定の閾値以上であることを検出した場合、便を検出したと判定する。
便を検出したと判定した場合(ステップS104:YES)、ステップS105へ進む。一方、ステップS104で便を検出しなかったと判定した場合(ステップS104:NO)、図14の処理を終了する。
【0068】
以上のように、交流信号印加部110は、第一電極群210の電極230間、及び、第二電極群220の電極230間に交流信号を印加する。測定部120は、第一電極群210の電極230間の電気特性と、第二電極群220の電極230間の電気特性とを測定する。判定部192は、第一電極群210の電極230間の電気特性と、第二電極群220の電極230間の電気特性との相違が所定条件を満たすか否かを判定する。そして、報知部130は、判定部192は、第一電極群210の電極230間の電気特性と、第二電極群220の電極230間の電気特性との相違が所定条件を満たすと判定部192が判定した場合、報知情報を出力する。
これにより、排泄物検出装置1は、排尿と排便とのおむつにおける位置の違いに基づいて、排尿の場合と排便の場合とを区別しておむつへの排泄物を検出することができる。
排泄物検出装置1が、排尿の場合と排便の場合とを区別しておむつへの排泄物を検出することで、おむつ交換の運用に柔軟性を持たせることができる。
【0069】
また、測定部120は、第一電極群210の電極230間のキャパシタンスを示す電気特性、及び、第二電極群220の電極230間のキャパシタンスを示す電気特性を測定する。
これにより、判定部192は、尿と便とのキャパシタンスの相違に基づいて尿と便とを区別して検出することができる。この点で判定部192は検出精度が高くなる。
【0070】
また、交流信号印加部110は、複数の周波数の交流信号の各々を、第一電極群210の電極230間、及び、第二電極群220の電極230間に印加する。測定部120は、複数の周波数の交流信号の各々について、第一電極群210の電極230間の電気特性、及び、第二電極群220の電極230間の電気特性を測定する。そして、判定部192は、第一電極群210の電極230間における周波数の変化による電気特性の変化と、第二電極群220の電極230間における周波数の変化による電気特性の変化との相違が所定条件を満たすか否かを判定する。
これにより、判定部192は、尿と便との周波数特性の相違に基づいて尿と便とを区別して検出することができる。この点で判定部192の検出精度が高くなる。
【0071】
また、測定部120は、第一電極群210の電極230間における交流信号の位相回転、及び、第二電極群220の電極230間における交流信号の位相回転を測定する。
これにより、判定部192は、尿の場合と便の場合とでの交流信号の位相回転の相違に基づいて尿と便とを区別して検出することができる。この点で判定部192の検出精度が高くなる。
【0072】
また、測定部120は、第一電極群210の電極230間のインピーダンスの大きさ、及び、第二電極群220の電極230間のインピーダンスの大きさを測定する。判定部192は、第一電極群210の電極230間のインピーダンスの大きさが所定時間以上継続して一定の状態から第二電極群220の電極230間のインピーダンスが減少したか否かを判定する。
これにより、判定部192は、便によって第二電極群220の電極230間のインピーダンスが減少した場合を、尿が吸収体の後ろ側部分にしみこんだことで第二電極群220の電極230間のインピーダンスが減少した場合と区別して検出することができる。この点で判定部192の検出精度が高くなる。
【0073】
なお、第一電極群210が備える電極230の数は、図2に示す2つに限らず3つ以上であってもよい。第二電極群220が備える電極230の数も、図2に示す2つに限らず3つ以上であってもよい。
図15は、第一電極群210、第二電極群220がそれぞれ3つの電極230を備える場合の、電極部材200における電極230の配置例を示す図である。
【0074】
図15の例では、第一電極群210、第二電極群220のいずれも3つの電極230を備えている点、および、電極部材200が6つの端子250を備える点が、図2の場合と異なる。それ以外は、図2の場合と同様である。
なお、図15では、第一電極群210が備える3つの電極230に231−1、231−2、231−3の符号を付して、これら3つの電極230を区別している。また、第二電極群220が備える3つの電極230に232−1、232−2、232−3の符号を付して、これら3つの電極230を区別している。
【0075】
図15の例の場合、測定部120は、第一電極群210の3つの電極230のうち2つの電極230を組み合わせた複数の組み合わせについて、電極230間の電気特性を測定する。
具体的には、交流信号印加部110が、電極231−1と電極231−2との間に交流信号を印加する。そして、測定部120が、電極231−1と電極231−2との間の交流インピーダンスを測定する。
その後、交流信号印加部110は、電極231−1と電極231−2との間に交流信号の印加を終了し、電極231−2と電極231−3との間に交流信号を印加する。そして、測定部120が、電極231−2と電極231−3との間の交流インピーダンスを測定する。
【0076】
これにより、布240がよれて電極231−1と電極231−2とが接触した場合、判定部192は、電極231−2と電極231−3との間の電気特性を用いて排泄物を検出することができる。また、電極231−2と電極231−3とが接触した場合、判定部192は、電極231−1と電極231−2との間の電気特性を用いて排泄物を検出することができる。
【0077】
第二電極群220についても、交流信号印加部110が、電極232−1と電極232−2との間に交流信号を印加する。そして、測定部120が、電極232−1と電極232−2との間の交流インピーダンスを測定する。
その後、交流信号印加部110は、電極232−1と電極232−2との間に交流信号の印加を終了し、電極232−2と電極232−3との間に交流信号を印加する。そして、測定部120が、電極232−2と電極232−3との間の交流インピーダンスを測定する。
【0078】
これにより、布240がよれて電極232−1と電極232−2とが接触した場合、判定部192は、電極232−2と電極232−3との間の電気特性を用いて排泄物を検出することができる。また、電極232−2と電極232−3とが接触した場合、判定部192は、電極232−1と電極232−2との間の電気特性を用いて排泄物を検出することができる。
【0079】
以上のように、第一電極群210及び第二電極群220のうち少なくともいずれか一方は3つ以上の電極230を含む。そして、測定部120は、3つ以上の電極230のうち2つの電極を組み合わせた複数の組み合わせの各々について、電極230間の電気特性を測定する。
これにより、2つの電極230の組み合わせのうち何れかが接触した場合でも、判定部192は、接触していない電極230間の電気特性を用いて排泄物を検出することができる。この点で、この点で判定部192の検出精度が高くなる。
【0080】
なお、以上では、排泄物検出装置1がおむつの前側、後ろ側それぞれに配置される電極を備える場合について説明したが、おむつの前側と後ろ側とで電極が分かれていなくてもよい。
図16は、おむつ910の前側と後ろ側とに共通の電極が設けられる場合の、排泄物検出装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図16に示すように、排泄物検出装置2は、排泄物検出装置本体100と、電極部材300とを備える。排泄物検出装置本体100は、交流信号印加部110と、測定部120と、報知部130と、記憶部180と、制御部190とを備える。制御部190は、印加制御部191と、判定部192と、報知制御部193とを備える。電極部材300は、電極群310を備える。電極群310は、複数の電極330を備える。
図16では、電極群310が2つの電極330を備えている場合の例を示している。但し、後述するように電極群310が3つ以上の電極330を備えていてもよい。
【0081】
図16の例では、排泄物検出装置本体100の構成は図1の場合と同様であり、排泄物検出装置本体100の各部に図1の場合と同様の符号(100、110、120、130、180、190~193)を付している。
図16の場合、電極330がおむつの前側と後ろ側とに共通に設けられている点が、図1の場合と異なる。従って、交流信号印加部110は、電極330間に交流信号を印加し、測定部120は、電極330間の電気特性を測定する。そして、判定部192は、おむつの前側と後ろ側とでの電気特性の相違に基づく判定は行わない。図16の場合、判定部192は、電極330間のキャパシタンスに基づいて便を尿と区別して検出する。
それ以外は、図1の例の場合と同様である。
【0082】
図17は、おむつの前側と後ろ側とに共通の電極330が設けられる場合の、電極部材300における電極330の配置例を示す図である。
図17の例では、電極群310が、おむつの前側と後ろ側とに共通の2つの電極330を備えている点、および、電極部材300が2つの端子250を備える点が、図2の場合と異なる。それ以外は、図2の場合と同様である。
【0083】
図16及び図17の例では、測定部120は、電極330間のキャパシタンスを示す電気特性を測定する。そして、判定部192は、測定部120が測定した電気特性が、所定条件以上に大きいキャパシタンスを示しているか否かを判定する。
上述したように、尿と便とではキャパシタンスが異なるので、判定部192は、電極330間のキャパシタンスに基づいて排泄物を検出することで、尿と区別して便を検出することができる。
【0084】
キャパシタンスに基づいて便を検出する具体例として、判定部192が、位相回転に基づいて便を検出するようにしてもよい。上述したように、尿と便とではキャパシタンスの違いにより信号の位相回転が異なる。
そこで、判定部192は、電極330間における位相回転(特に、電圧に対する電流の位相進み)が所定の閾値以上大きいことを検出した場合、便有りと判定する。
【0085】
キャパシタンスに基づいて便を検出するもう1つの具体例として、判定部192が、複数の周波数における電気特性に基づいて便を検出するようにしてもよい。上述したように、尿と便とではキャパシタンスの違いにより周波数特性が異なる。具体的には、尿と便とでは、信号周波数の変化によるインピーダンスの大きさの変化、位相回転の変化のいずれも異なる。
そこで、交流信号印加部110が、複数の周波数の交流信号の各々を、電極330間に印加する。そして、測定部120が、複数の周波数の交流信号の各々について、電極330間の電気特性を測定する。測定部120がインピーダンスの大きさ、及び、位相回転のうちいずれか一方を測定するようにしてもよいし、両方を測定するようにしてもよい。
【0086】
判定部192は、測定部120が測定した電気特性について、電極330間における信号周波数の変化による電気特性の変化が所定の閾値以上に大きいことを検出した場合、便有りと判定する。
【0087】
例えば、交流信号印加部110が、第一周波数の交流信号を電極330間に印加する。そして、測定部120は、電極330間のインピーダンスの大きさを測定する。さらに、交流信号印加部110は、第一周波数よりも高い第二周波数の交流信号を、電極330間に印加する。そして、測定部120は、電極330間のインピーダンスの大きさを測定する。
判定部192は、電極330間における第一周波数の交流信号の場合のインピーダンスの大きさから第二周波数の交流信号の場合のインピーダンスの大きさを減算した変化量を算出する。判定部192は、算出した変化量を所定の閾値と比較し、変化量が閾値以上に大きいことを検出した場合、便有りと判定する。
【0088】
以上のように、交流信号印加部110は、電極330間に交流信号を印加する。測定部120は、電極330間のキャパシタンスを示す電気特性を測定する。判定部192は、測定部120が測定した電気特性が所定条件以上に大きいキャパシタンスを示しているか否かを判定する。そして、報知部130は、測定部120が測定した電気特性が所定条件以上に大きいキャパシタンスを示していると判定部192が判定した場合、報知情報を出力する。
これにより、排泄物検出装置2は、尿と便とのキャパシタンスの違いに基づいて、尿と区別して便を検出することができる。
排泄物検出装置2が、尿と区別して便を検出することで、おむつ交換の運用に柔軟性を持たせることができる。
【0089】
また、交流信号印加部110は、複数の周波数の交流信号の各々を電極330間に印加する。測定部120は、複数の周波数の交流信号の各々について電極330間の電気特性を測定する。
これにより、判定部192は、尿と便との周波数特性の相違に基づいて尿と区別して便を検出することができる。この点で判定部192の検出精度が高くなる。
【0090】
また、測定部120は、電極330間における交流信号の位相回転を測定する。
これにより、判定部192は、尿の場合と便の場合とでの交流信号の位相回転の相違に基づいて尿と便とを区別して検出することができる。この点で判定部192の検出精度が高くなる。
【0091】
なお、電極群310が備える電極330の数は、図17に示す2つに限らず3つ以上であってもよい。
図18は、電極群310が3つの電極330を備える場合の、電極部材300における電極330の配置例を示す図である。
【0092】
図18の例では、電極群310が3つの電極330を備えている点、および、電極部材300が3つの端子250を備える点が、図17の場合と異なる。それ以外は、図17の場合と同様である。
なお、図18では、3つの電極330に330−1、330−2、330−3の符号を付して、これら3つの電極330を区別している。
【0093】
図18の例の場合、測定部120は、3つの電極330のうち2つの電極330を組み合わせた複数の組み合わせについて、電極330間の電気特性を測定する。
具体的には、交流信号印加部110が、電極330−1と電極330−2との間に交流信号を印加する。そして、測定部120が、電極330−1と電極330−2との間の交流インピーダンスを測定する。
その後、交流信号印加部110は、電極330−1と電極330−2との間に交流信号の印加を終了し、電極330−2と電極330−3との間に交流信号を印加する。そして、測定部120が、電極330−2と電極330−3との間の交流インピーダンスを測定する。
【0094】
これにより、布240がよれて電極330−1と電極330−2とが接触した場合、判定部192は、電極330−2と電極330−3との間の電気特性を用いて排泄物を検出することができる。また、電極330−2と電極330−3とが接触した場合、判定部192は、電極330−1と電極330−2との間の電気特性を用いて排泄物を検出することができる。
【0095】
以上のように、電極330の個数は3つ以上である。そして、測定部120は、3つ以上の電極330のうち2つの電極330を組み合わせた複数の組み合わせの各々について、電極330間の電気特性を測定する。
これにより、2つの電極330の組み合わせのうち何れかが接触した場合でも、判定部192は、接触していない電極330間の電気特性を用いて排泄物を検出することができる。この点で、この点で判定部192の検出精度が高くなる。
【0096】
なお、制御部190の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することで各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0097】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1、2 排泄物検出装置
100 排泄物検出装置本体
110 交流信号印加部
120 測定部
130 報知部
180 記憶部
190 制御部
191 印加制御部
192 判定部
193 報知制御部
200、300 電極部材
210 第一電極群
220 第二電極群
230、330 電極
240 布
250 端子
251 前側用端子
252 後ろ側用端子
310 電極群
330 電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18