特許第6882761号(P6882761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6882761-耕耘爪 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882761
(24)【登録日】2021年5月11日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】耕耘爪
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/10 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   A01B33/10 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-15835(P2017-15835)
(22)【出願日】2017年1月31日
(65)【公開番号】特開2018-121564(P2018-121564A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】蒲田 義明
【審査官】 星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−182652(JP,A)
【文献】 特開2015−077110(JP,A)
【文献】 特開2007−181437(JP,A)
【文献】 特開2006−006284(JP,A)
【文献】 特開2007−209247(JP,A)
【文献】 米国特許第04373590(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/00−33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転爪軸の軸芯方向に取付平面部を向けて装着される取付基部と、該取付基部から連続して外周方向に延び、さらに回転方向と逆方向に向けて湾曲する縦刃部と、該縦刃部から連続して回転方向と逆方向に向けて湾曲するとともに回転爪軸の軸芯方向に向け湾曲された横刃部とが一体となって構成され、前記縦刃部と横刃部は、回転外周側に面した端縁側に刃部を有する耕耘爪において、
該刃部は、前記回転爪軸の軸芯方向視面を側面としたとき、側面視前記縦刃部側から横刃部に向け徐々に刃幅が広くなり、前記横刃部先端で最大幅となり、前記刃部から回転内周側の前記縦刃部及び横刃部の峰縁部側の幅は略同幅で形成され、
前記横刃部と縦刃部の境界線である湾曲開始線は、前記回転爪軸の軸芯を通る取付基部中心線に対し、取付基部の反対側に10度乃至15度角傾いていて、
前記湾曲開始線位置における湾曲開始線方向の峰縁部側の幅に対する刃部の幅寸法は0.7乃至0.9倍であり、
平面視における前記取付基部の面を基準として一方に湾曲する基準面からの前記横刃部先端までの高さは、側面視における前記取付基部中心線から刃部端縁の前記湾曲開始線位置までの水平寸法と略同一であり、刃部端縁の先端と刃部端縁の前記湾曲開始線位置までの垂直方向の寸法の2.5倍乃至2.8倍の寸法であり、折り曲げ内側半径の1.7倍乃至1.9倍の寸法であり、前記横刃部は前記縦刃部から前記湾曲開始線を境に湾曲角度を55度角乃至65度角で湾曲され、前記横刃部の先端側に平面部が形成されていることを特徴とした耕耘爪。
【請求項2】
側面視における回転爪軸の軸芯を通る取付基部中心線を垂直線としたとき、回転爪軸の軸芯から刃部端縁の前記湾曲開始線位置までの垂直線方向の寸法は、前記垂直線から前記湾曲開始線位置までの水平方向の寸法の2.5倍乃至2.7倍の寸法であることを特徴とした請求項1に記載の耕耘爪。
【請求項3】
耕耘爪を取付けた前記回転爪軸の軸芯を中心に回転させたときの回転最外周端部と回転爪軸の軸芯を通る線の法線方向の前記横刃部の最大投影回転幅は、回転最外周半径の0.25乃至0.3倍であることを特徴とした請求項1又は請求項2のいずれかに記載の耕耘爪。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘作業に使用される耕耘爪に係る。
【背景技術】
【0002】
従来の耕耘爪に関する特許文献として、特開2013−230143号公報(特許文献1)や特開2007−74974号公報(特許文献2)の「耕耘爪」が公知である。
【0003】
特許文献1に記載の「耕耘爪」は、「回転爪軸(S)の回転軸線(SO)を法線とする面を側面としたとき、当該側面視における取付け基部(1)の取付け中心を通る鉛直線分から横刃部湾曲開始部(F)の刃縁までの湾曲開始水平距離(L)が、取付基部(1)の取付け中心から耕耘爪の最下縁までの鉛直距離である全縦長さ(C)の略同等長さとされ、当該側面視における取付け基部(1)の取付け中心を通る鉛直線分と直交し、刃縁の最下縁を通る線と横刃部湾曲開始部(F)とのなす折曲角度(α)を略90度とし、平面視にて取付け基部の面を基準として一方向に湾曲する湾曲板の第1湾曲曲率半径(r1)が、前記湾曲開始水平距離(L)の半分以上の長さとされ、平面視にて取付け基部の面を基準として一方向に湾曲する基準面からの全湾曲高さ(H1)が、前記第1湾曲曲率半径(r1)と略同等長さとされ、横刃部湾曲開始部(F)と略90度で交会し、且つ横刃部刃縁の横方向先端位置(O)上又は横刃部刃縁の横方向先端位置(Q)より上方に設けられる横刃先端部湾曲開始部(G)より上方の横刃部(3)が上記横刃部湾曲方向であって平面視にて横刃部中心線と直交する平面方向に第2湾曲曲率半径(r2)にて湾曲した横刃先端部(31)を形成したことを特徴とする耕耘爪。」を提供するものである。
【0004】
特許文献2に記載の「耕耘爪」は、「耕耘爪1は、耕耘爪軸60に取り付けられる取付基部3から連続して延びる縦刃部10及び横刃部20を有し、縦刃部10から横刃部20にかけて回転方向と逆向きに湾曲するとともに、横刃部20が一方側に湾曲してなる。耕耘爪1の最大回転半径Rmとなる位置R2と、最大切削幅H1となる位置L1とは別の位置にある。また最大回転半径Rmとなる位置R2から最大切削幅H1となる位置L1との間の横刃部20の先端面22に最大回転半径Rmの位置R2から延びる直線部25を設け、最大回転半径Rmの位置R2での耕土表面とのなす刃先進入角度を50°〜55°の範囲にする。」を提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−230143号公報
【特許文献2】特開2007−74974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
耕耘作業を効率よく短時間で行うためには、耕耘作業機を装着したトラクタ等の走行機の作業速度を早くする必要がある。しかし、早くすると耕耘抵抗が増加するためトラクタへの負荷が大きくなり、大型のトラクタが必要となる。また、速度が高速になるにつれて耕耘砕土性又は夾雑物のすき込み性が悪化する傾向がある。
【0007】
特許文献1、2記載の「耕耘爪」はいずれも、横刃部湾曲開始線が取付基部の取付け中心を通る鉛直線に対し取付基部側に傾斜あるいは平行となっているため、横刃部面が回転する外側方向を向く傾向となり、耕耘された耕耘土は横刃部から離れにくく耕耘抵抗を増加させる要因となる。また、特許文献2においては、横刃部先端部に第2湾曲曲率半径にて湾曲した横刃先端部を形成しているため、さらに耕耘抵抗を増加させる虞がある。
【0008】
本発明の目的は、耕耘抵抗が少なく耕耘作業速度を早くすることを可能とし、耕耘速度が増加しても砕土性やすき込み性能が低下することがない耕耘爪を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1の耕耘爪は、回転爪軸の軸芯方向に取付平面部を向けて装着される取付基部と、該取付基部から連続して外周方向に延び、さらに回転方向と逆方向に向けて湾曲する縦刃部と、該縦刃部から連続して回転方向と逆方向に向けて湾曲するとともに回転爪軸の軸芯方向に向け湾曲された横刃部とが一体となって構成され、前記縦刃部と横刃部は、回転外周側に面した端縁側に刃部を有する耕耘爪において、
該刃部は、前記回転爪軸の軸芯方向視面を側面としたとき、側面視前記縦刃部側から横刃部に向け徐々に刃幅が広くなり、前記横刃部先端で最大幅となり、前記刃部から回転内周側の前記縦刃部及び横刃部の峰縁部側の幅は略同幅で形成され、
前記横刃部と縦刃部の境界線である湾曲開始線は、前記回転爪軸の軸芯を通る取付基部中心線に対し、取付基部の反対側に10度乃至15度角傾いていて、
前記湾曲開始線位置における湾曲開始線方向の峰縁部側の幅に対する刃部の幅寸法は0.7乃至0.9倍であり、
平面視における前記取付基部の面を基準として一方に湾曲する基準面からの前記横刃部先端までの高さは、側面視における前記取付基部中心線から刃部端縁の前記湾曲開始線位置までの水平寸法と略同一であり、刃部端縁の先端と刃部端縁の前記湾曲開始線位置までの垂直方向の寸法の2.5倍乃至2.8倍の寸法であり、折り曲げ内側半径の1.7倍乃至1.9倍の寸法であり、前記横刃部は前記縦刃部から前記湾曲開始線を境に湾曲角度を55度角乃至65度角で湾曲され、前記横刃部の先端側に平面部が形成されていることを特徴とした耕耘爪である。
【0010】
また、本発明の請求項2の耕耘爪は、側面視における回転爪軸の軸芯を通る取付基部中心線を垂直線としたとき、回転爪軸の軸芯から刃部端縁の前記湾曲開始線位置までの垂直線方向の寸法は、前記垂直線から前記湾曲開始線位置までの水平方向の寸法の2.5倍乃至2.7倍の寸法であることを特徴とした請求項1に記載の耕耘爪である。
【0011】
さらに、本発明の請求項3の耕耘爪は、耕耘爪を取付けた前記回転爪軸の軸芯を中心に回転させたときの回転最外周端部と回転爪軸の軸芯を通る線の法線方向の前記横刃部の最大投影回転幅は、回転最外周半径の0.25乃至0.3倍であることを特徴とした請求項1又は請求項2のいずれかに記載の耕耘爪である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の耕耘爪は、耕耘抵抗が少いため耕耘作業速度を早くすることを可能とし、砕土性やすき込み性能がよい。このため耕耘作業を効率よく行える耕耘作業機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の実施の形態に係る耕耘爪の側面図(a)、及び平面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施の形態に係る耕耘爪を図面に基いて説明する。図1の(a)は、回転自在の回転爪軸1に取り付けた状態の回転爪軸の軸心方向視の耕耘爪の側面図である。耕耘爪は、回転爪軸1に固着して設けられたホルダー11に保持され取り付けられる。本例のホルダー11は、外周方向を向いた耕耘爪を挿入する矩形の孔を有し、耕耘爪を挿入して回転爪軸の軸心方向に貫通した取付孔21にボルトを差し込んで締結する。回転爪軸1は軸心方向に多数のホルダー11が放射状に設けられていて耕耘爪が取付けられ耕耘ロータを構成する。本例の説明においては、耕耘爪の回転爪軸の軸心方向視を側面として説明する。
【0015】
耕耘爪は、板状に形成されていて、回転爪軸1のホルダー11に取り付けられる取付基部2と、該取付基部2に連続して設けられる縦刃部3と、該縦刃部3に連続して設けられる横刃部4とを有し、取付基部2に対し縦刃部3及び横刃部4が、図1の(a)に示す矢印Yで示す回転方向と逆向きに湾曲するように形成されていて、さらに横刃部4は回転爪軸の軸芯1a方向(図1においては手前側)に向け湾曲されて設けられている。
【0016】
縦刃部3及び横刃部4の回転外周側端縁部には連続して刃部5が設けられ、刃部5は側面視縦刃部3から横刃部4に向け徐々に刃幅が広くなり、横刃部4の先端部で最大幅となる。また、前記のように刃幅を広くとっているため、刃先角度が鋭角となり、土壌に刺さり込みやすく耕耘抵抗を軽減できる。
【0017】
刃部5の内側に位置する峰縁部6側の縦刃部3及び横刃部4の幅は、取付基部2側から横刃部4先端部まで略同一幅で形成されていて、厚さは取付基部2側から横刃部4先端部まで徐々に減厚されている。本例においては、取付基部2側が10mm厚程度で、横刃部4先端部で6mm程度の厚さとなっている。
【0018】
図1(a)は、回転爪軸の軸芯1aと取付基部2の中心とを通る取付基部中心線20が垂直になるように配置したものである。この状態で縦刃部3と横刃部4との境界部である湾曲開始線7と刃部5の刃部端縁51との交点Pの位置がほぼ最下端部に位置する。また、湾曲開始線7は、取付基部中心線20に対し、取付基部2と反対側(図1における左側)に傾いている。本例においては12度角傾いていて、10度乃至15度角の傾きが望ましい。湾曲開始線7が取付基部2と反対側に傾斜していることにより、横刃部4に載せられた掘削土壌が耕耘爪の回転により斜め後方に流れやすくなり、抱え込む状態が少なくなるため、耕耘抵抗を低減することができる。また、耕耘土壌を停滞させずに高速で投げ出すように作用するため砕土性が向上する。
【0019】
取付基部2は、断面矩形であり、ホルダー11に挿入される部分は一定の厚さと幅になっている。取付基部2にはボルト等の固定手段を挿通するための取付孔21が取付基部中心線20上に回転爪軸の軸心1a方向と同方向に向け備えられている。取付基部2は、本例のホルダータイプの取付けに限らずフランジタイプの取付けであっても本発明は適用できる。
【0020】
縦刃部3は、取付基部2から連続して形成され、取付基部2の取付け基部中心線20に対し徐々に回転方向Yと逆方向に湾曲している。湾曲は、回転外周側も内周側も取付基部2側の曲率半径が小さく、横刃部4先端側が大きくなるように滑らかに形成されている。これによって耕耘爪への夾雑物等の引っ掛かりがなくなり、すき込み性能が向上する。また、回転外周側の刃部5が取付基部2側から横刃部4方向に徐々に幅が広くなっていて、縦刃部3と横刃部4の全体の幅は、横刃部4先端側が最も広くなっている。横刃部4の湾曲開始線7位置における峰縁部側の幅k2に対する刃部の幅k1寸法は0.7乃至0.9倍である。横刃部4の湾曲成形前の展開形状を2点鎖線で示している。
【0021】
横刃部4は、縦刃部3から湾曲開始線7を境に滑らかに連続して形成されていて、図1においては手前側に湾曲している。取付基部中心線20から刃部端縁51と湾曲開始線7との交点位置Pまでの水平寸法Bと、図1の(b)に示す取付基部2の図1における裏面側面である基準面Dからの横刃部4先端までの湾曲高さHは、略同一であり、刃部端縁51の先端と刃部端縁51の湾曲開始線7位置までの垂直方向の寸法Xの2.5倍乃至2.8倍の寸法であり、それぞれの長さの差が最大10mm以内であることが望ましい。また、湾曲高さHは、折り曲げ内側半径r1の1.7乃至1.9倍の寸法である。従って、横刃部4の先端側には平面部が形成されている。湾曲角度θは、55度角乃至65度角が望ましい。横刃部4の先端側に平面部が形成されていることによって、土離れが良く、横刃部4の面に載せられた土壌が遠方に飛ばされやすく、湾曲角度との相乗効果によって砕土性が向上する。
【0022】
耕耘爪を取付けた状態で回転爪軸1を回転させたときの最外端に位置する回転最外周端部50は、横刃部4の刃部端縁51の略中間部に位置する。回転最外周端部50と回転爪軸の軸芯1aを結んだ線、即ち回転外周半径Raは最大回転半径である。回転最外周端部50における法線方向の横刃部4の最大投影回転幅raは、回転外周半径Raの0.25乃至0.3倍に形成されている。また、取付基部中心線20を垂直線としたとき、回転爪軸の軸芯1aから刃部端縁51の湾曲開始線7位置Pまでの垂直線方向の寸法Aは、垂直線から湾曲開始線7位置Pまでの水平方向の寸法Bの2.5倍乃至2.7倍の寸法であるように形成されている。これらの関係寸法によって形成された耕耘爪は、耕耘負荷を軽減して効率よく耕耘動力が作用し高速での耕耘が可能となる。
【0023】
耕耘爪の作用について説明する。耕耘爪が取付けられた回転爪軸1を回転すると、耕耘爪の縦刃部3の刃部端縁51により土を切断して土に食い込む。そして順次横刃部4側の刃部5によって切断されていく。縦刃部3によって切断された土壌の側方側は、横刃部4で斜め横方向に移動させられ、さらに、横刃部4の接線方向に回転力によって投げ出され移動される。この間、耕耘爪は、回転しているため横刃部4の土壌は、回転方向後方側の先端側に順次押されて移動して飛ばされる。そして、飛ばされた土壌は、回転爪軸1の上方外周を覆うカバー(図示せず)にぶつけられ土壌はこなれて粉砕される。このように、土壌に適度の圧力を作用させ横方向への移動を効率よく行うため土壌が短時間に細かく破砕される。
【0024】
縦刃部3及び横刃部4の回転外周側端縁側に設けた刃部5は、縦刃部3から横刃部4に向け徐々に刃幅が広くなり、横刃部4の先端部で最大幅となっていることにより、刃の断面角度がより鋭角となっていて、小さい動力で土に食い込むことができる。また、横刃部4の先端側が広くなった形状となるため、切断された土壌をより多くとらえて飛散させる。飛散させる土壌が多いほど細かく破砕される確率が多くなり、耕耘速度を早くした場合でも砕土性能の低下が抑えられる。
【0025】
取付基部中心線20から刃部端縁51と湾曲開始線7との交点位置Pまでの水平寸法Bと、横刃部4先端までの湾曲高さHは、略同一に設けられていて、即ち、縦刃部3と横刃部4の長さの比率は略同等に設けられている。このことによって、縦刃部3の長さを短めに設定し、横刃部4に作用する負荷による曲げモーメントを小さくして、高速作業において縦刃部3に発生する負荷を軽減している。また、湾曲高さHは、折り曲げ内側半径r1の1.7乃至1.9倍の寸法であり、先端部には平面部が形成される。平面部が形成されていることによって、横刃部4の面に載せられた土壌が誘導され遠方に飛ばされやすく、湾曲角度との相乗効果によって砕土性が向上する。湾曲角度θは、55度角乃至65度角に形成されていて、湾曲角度θが小さいと横刃部4に載せられた耕耘土が逃げて飛散又は移動させられにくいため、砕土性能が低下する。また、湾曲角度θが大きくなると耕耘土が抱え込まれやすくなるため耕耘動力が増加する。
【0026】
縦刃部3及び横刃部4の回転外周側端縁側に設けた刃部5は、取付基部2の取付け基部中心線20に対し徐々に回転方向Yと逆方向に湾曲していて、湾曲は、回転外周側も内周側も取付基部2側の曲率半径が小さく、横刃部4先端側が大きくなるように滑らかに形成されている。このことにより、回転爪軸1の回転により耕耘土に含まれる夾雑物が刃部端縁に引っ掛からずに土中に移動され埋め込まれやすくなり、すき込み性能が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
この発明は、トラクタ等の走行機後方に装着されて耕耘作業を行う耕耘作業機の耕耘爪に適用できる。
【符号の説明】
【0028】
1 回転爪軸
2 取付基部
20 取付基部中心線
3 縦刃部
4 横刃部
5 刃部
50 回転最外周端部
51 刃部端縁
6 峰縁部
7 湾曲開始線
図1