(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、
図1および
図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
【0014】
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(
図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(
図4参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右側には、遊技球の発射強度を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
【0015】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し(例えば、
図2の矢印21参照)、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する(例えば、
図2の矢印22参照)。以下、矢印21に示すように遊技球を発射することを「左打ち」と、矢印22に示すように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0016】
センター飾り8は、表示画面28、ワープ通路31、ステージ32、変動メータ30、大入賞口16を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、3個の7セグメント表示器を左右方向に並べて配置することで構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、特に、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄80(
図18参照)を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄80を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄80の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す演出図柄80の組合せは、例えば「777」「222」等、同じ数字を示す3個の演出図柄80による組合せである。また、大当たり判定の結果がはずれであることを示す演出図柄80の組合せは、「767」「143」等、同じ数字を示す演出図柄80が3個揃わない組合せである。
【0017】
ワープ通路31は、センター飾り8において表示画面28の左下方に設けられる。ワープ通路31は、左打ちされてセンター飾り8の左側を流下する遊技球の一部を、センター飾り8の外側から内側へ案内するための通路である。ワープ通路31は、ワープ入口311と通路部312とワープ出口313とを備える。ワープ入口311は、センター飾り8の左側の略中央に設けられ、センター飾り8の左側を流下する遊技球の一部をワープ通路31へ受け入れ可能である。通路部312は、ワープ入口311から右下方に傾斜しながら延設され、ワープ入口311から進入した遊技球の通路をなす。ワープ出口313は、通路部312においてワープ入口311が設けられる端部とは反対側の端部に設けられ、通路部312を通過した遊技球を、後述のステージ32の上部またはステージ32の前方へ向けて排出する。
【0018】
ステージ32は、ワープ出口313から排出された遊技球を左右方向に転動可能な、略前後方向に延びる面部である。ワープ出口313からステージ32の上部に排出された遊技球は、ステージ32の上部を左右方向に転動した後、ステージ32の前方へ排出される。
【0019】
変動メータ30は、センター飾り8の略中央に配置された、数字の「8」を模った電飾部材である。変動メータ30の上半分の部分は、表示画面28を取り囲むように設けられる。変動メータ30の下半分の部分は、ステージ32を取り囲むように設けられる。
【0020】
大入賞口16は、センター飾り8において表示画面28の右下方に設けられる。大入賞口16は、ソレノイドによって電気的に開閉される開閉部材161を備える。開閉部材161が開放された開放状態の場合にのみ大入賞口16の入口が開放され、遊技球は大入賞口16に入賞できる。大入賞口16の内部には、ソレノイドによって電気的に開閉される開閉部材(図示せず)を備える特定領域162が設けられており、開閉部材が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は特定領域162を通過できる。大入賞口16に入賞した遊技球は、特定領域162または大入賞口16の内部に設けられた非特定領域(図示せず)を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0021】
遊技領域4のうち、変動メータ30の下半分の部分に囲まれた領域の略中央に、第一始動口14が設けられる。第一始動口14の下方であって、変動メータ30の下半分の部分に囲まれた領域の下端部の左右両側に、左アウト口34および右アウト口35が設けられる。第一始動口14には、ワープ通路31を介してセンター飾り8の内側に案内された遊技球の一部が入賞できる。第一始動口14に入賞せずに遊技領域4の変動メータ30の下半分の部分に囲まれた領域を流下する遊技球は、左アウト口34および右アウト口35を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0022】
センター飾り8の右下方には、普通図柄作動ゲート12が設けられる。普通図柄作動ゲート12の左斜め下方に、第二始動口15が設けられている。第二始動口15は、普通電動役物(後述する普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物)としての開閉部材151を備え、開閉部材151が開放された開放状態の場合にのみ第二始動口15の入口が開放され、遊技球は第二始動口15に入賞できる。開閉部材151は、ソレノイドによって電気的に開閉される。なお、第二始動口15は、開閉部材151が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材151が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
【0023】
遊技領域4には、上記以外に、下アウト口36、各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技くぎ等が設けられている。センター飾り8の外側を流下する遊技球のうち、第二始動口15、大入賞口16、およびその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、下アウト口36を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0024】
遊技盤2の右下部には、大当たり判定の結果および保留球数等を表示する図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LEDおよび普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄および第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDおよび第二特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である特別図柄保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である普通図柄保留球数を表示する。
【0025】
図3を参照して、変動メータ30の詳細構成について説明する。
図3に示すように、変動メータ30は、変動メータ30の外周部分を構成する上セグ301、右上セグ302、右下セグ303、下セグ304、左下セグ305、左上セグ306の6個の部材を備える。上セグ301および下セグ304の内部は、それぞれ9個の表示領域に区分されている。右上セグ302、右下セグ303、左下セグ305、左上セグ306の内部は、それぞれ8個の表示領域に区分されている。このようにして、変動メータ30は、
図3において(1)から(50)の番号で示す50個の表示領域を備えている。この50個の表示領域のそれぞれを、以下、「メータ領域」という。なお、
図3における(1)から(50)の番号は、各メータ領域の個別の位置を示すために付しているものであり、実際の変動メータ30の各メータ領域には、(1)から(50)の番号は付されていない。各メータ領域の内部には発光部材(例えばフルカラーLED)が設けられており、各メータ領域は、それぞれ独立して異なる色および点灯態様(点灯・消灯・点滅等)による表示が可能である。以下、各メータ領域に付された(1)から(50)の番号のことを、「領域番号」ともいう。
【0026】
本実施形態のパチンコ機1は、1回の報知演出において、1回または複数回の図柄変動を表示する。パチンコ機1は、後述する予言モードにおいて、図柄変動が1回表示される毎に、変動メータ30の50個のメータ領域のうち、図柄変動に対応する1個のメータ領域の表示態様を、図柄変動が表示される前とは異なる表示態様に変化させる。メータ領域の表示態様の変化は、予言モードの進行の度合いに応じて、(1)から(50)のうち領域番号の小さなメータ領域から順に行われる。以下、(1)の領域番号の付されたメータ領域を「メータ領域(1)」、(2)の領域番号の付されたメータ領域を「メータ領域(2)」のように、各メータ領域を称する。
【0027】
次に、パチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技および普通当たり遊技が設けられている。パチンコ機1では、大当たり判定において「大当たり」と判定されると、大入賞口16の開閉部材161が所定の時間で所定回数開放状態にされる大当たり遊技が行われる。1回の大当たり遊技中に開閉部材161が開放状態にされる回数の合計を、以下、「ラウンド数」という。本実施形態では、大当たり判定において「大当たり」と判定されると、所定ラウンド数(本実施形態では「10」)の大当たり遊技が実行され、最終ラウンドにおいて特定領域162が開放状態とされる。なお、本実施形態では、大入賞口16がセンター飾り8の右部に設けられている(
図2参照)。よって、大当たり遊技中は、右打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。
【0028】
パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球が大入賞口16内の特定領域162を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。パチンコ機1は、特定領域162への遊技球の通過を条件に、大当たり判定において「大当たり」と判定される大当たり確率が約1/300である非確率変動状態と、約1/60である確率変動状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。
【0029】
次いで、普通当たり遊技について説明する。遊技球が普通図柄作動ゲート12を通過すると、普通当たり判定が行われる。普通当たり判定において「当たり」と判定されると、第二始動口15の開閉部材151が所定の時間開放状態にされる普通当たり遊技が行われる。
【0030】
パチンコ機1は、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる割合が通常の割合である非時短状態と、非時短状態よりも開閉部材151が開放状態にされる割合が高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。具体的には、時短状態において普通当たりと判定される確率(本実施形態では99/100)は、非時短状態において普通当たりと判定される確率(本実施形態では4/100)よりも高い。また、普通当たり遊技中の第二始動口15の開閉部材151の最大開放時間は、非時短状態(0.2秒)よりも時短状態(4.2秒)の方が長い。さらに、普通図柄の変動時間は、非時短状態における変動時間(本実施形態では10秒)よりも時短状態における変動時間(本実施形態では2秒)の方が短い。開閉部材151は、当たりを示す普通図柄が確定表示されてから開放される。この結果、時短状態には、第一始動口14よりも第二始動口15に容易に遊技球を入賞させることができる。よって、時短状態中は、右打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。一方、非時短状態においては、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる割合が時短状態よりも低くなるので、遊技者は、第二始動口15よりも第一始動口14に容易に遊技球を入賞させることができる。よって、非時短状態中は、左打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。
【0031】
パチンコ機1は、これらの状態の組合せにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)「確率変動時短状態」(以下、「確変時短状態」という。)、および「非確率変動時短状態」(以下、「非確変時短状態」という。)の三種類の遊技状態を、大当たり遊技の終了後に生起する。ただし、この実施形態に限られず、パチンコ機1は、例えば、「確率変動非時短状態」等を含む四種類以上の遊技状態を生起してもよい。また、パチンコ機1は、二種類以下の遊技状態を生起するものであってもよい。
【0032】
「確率変動時短状態」および「非確率変動時短状態」は、大当たり遊技の終了後に行われた第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和(以下、「判定回数」という。)が規定回数(本実施形態では100回)に達すると終了し、「通常状態」へ移行する。つまり、パチンコ機1の確率変動状態は、当たり判定の回数の和が規定回数に達することで、所謂回数切り確変機能の作動によって終了する。なお、「確率変動時短状態」および「非確率変動時短状態」は、大当たり遊技開始時にも終了する。この場合、規定回数の計数はクリアされる。なお、確率変動状態の継続回数は、本実施形態の100回に限られない。また、本発明の実現は、回数切り確変機能を有する遊技機に限られない。大当たり遊技の終了後に確率変動状態を生起し、次に大当たりと判定されるまで確率変動状態が継続する、所謂ループタイプの遊技機によっても、本発明は実現できる。なお、パチンコ機1は、遊技状態によらず、左打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる遊技領域4の構成を有していてもよい。
【0033】
図4を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、および電源基板42を主に備える。
【0034】
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動口スイッチ72、および第二始動口スイッチ73に接続している。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動口スイッチ72は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ73は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
【0035】
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、変動メータ30の表示動作および各種電飾ランプの動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
【0036】
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド69、大入賞口開閉ソレノイド70、特定領域開閉ソレノイド71、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75、特定領域スイッチ76、非特定領域スイッチ77および図柄表示部24に接続している。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材151を開閉する。大入賞口開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材161を開閉する。特定領域開閉ソレノイド71は、大当たり遊技の最終ラウンドにおいて大入賞口16内の特定領域162の開閉部材を開閉する。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ76は、特定領域162を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ77は、非特定領域を通過した遊技球を検出する。
【0037】
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
【0038】
図5を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同様であるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(
図10から
図12参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第一始動口14への入賞による第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。本実施形態において、第一始動口14に入賞した遊技球に対して、大当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第一保留球数)は「4」である。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
【0039】
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、および第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。
【0040】
パチンコ機1において、第一特別図柄および第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された第一変動パターンおよび第二変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターンおよび第二変動パターンに従って、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかの変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかの変動開始に同期して、演出図柄80の変動表示を開始する。主基板41は、変動を開始した第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかの変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄または第二特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄停止表示時間に同期して、演出図柄80を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄80による他、各種電飾ランプおよびスピーカ48等によっても、第一変動パターンおよび第二変動パターンと同期した報知演出を実行する。
【0041】
第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(
図10から
図12参照)において使用される。第二大当たり関係情報記憶エリアには、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に、複数の記憶エリアが設けられている。第二始動口15に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第二始動口15への入賞による第二保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。本実施形態において、第二始動口15に入賞した遊技球に対して、大当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第二保留球数)は「4」である。
【0042】
以下の説明では、第一大当たり乱数および第二大当たり乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり乱数ともいう。また、第一変動パターン決定乱数および第二変動パターン決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、変動パターン決定乱数ともいう。また、第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアを総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり関係情報記憶エリアともいう。また、大当たり関係情報記憶エリアに記憶された状態で大当たり判定が保留されている大当たり乱数、および大当たり判定が保留されている大当たり乱数とともに取得されて大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して保留乱数という。保留乱数のうち第一大当たり関係エリアに記憶されている第一保留乱数の数は、第一保留球数に対応する。保留乱数のうち第二大当たり関係エリアに記憶されている第二保留乱数の数は、第二保留球数に対応する。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
【0043】
図6を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。
図6に示すように、変動パターン決定テーブルは、大当たり判定の種別(第一大当たり判定または第二大当り判定)、大当たり判定時の遊技状態(通常状態、確率変動時短状態、または非確率変動時短状態)および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて、複数のテーブルを設けている。それぞれのテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。第一大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。本実施形態において、変動パターン決定テーブルは、後述する予言モード以外の場合に実行される報知演出の変動パターンを決定するために参照される。
【0044】
図7を参照して、ROM53に記憶されているシナリオ変動パターンテーブルについて説明する。
図7に示すように、シナリオ変動パターンテーブルは、後述する予言モード中に実行される報知演出の変動パターンを定めている。予言モード中に行われた大当たり判定の判定結果が「大当たり」の場合、
図7に示す「大当たり変動」の変動パターンが決定される。「大当たり変動」の変動パターンが決定された場合、パチンコ機1は、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する大当たり報知演出において、最大4回の図柄変動を表示する。予言モード中に行われた大当たり判定の判定結果が「はずれ」の場合、
図7に示す「1回変動A」「1回変動B」「2回変動」のうちいずれかの変動パターンが、後述する第一はずれシナリオテーブル(
図8参照)または第二はずれシナリオテーブルに基づいて決定される。
【0045】
シナリオ変動パターンテーブルは、第一はずれシナリオテーブル(
図8参照)または第二はずれシナリオテーブルを構成する変動パターンを格納している。「1回変動A」「1回変動B」のうちいずれかの変動パターンが決定された場合、パチンコ機1は、大当たり判定の判定結果がはずれであることを報知するはずれ報知演出において、1回の図柄変動を表示する。本実施形態において、「1回変動B」の変動パターンの定める特別図柄の変動時間(12秒)は、「1回変動A」の変動パターンの定める特別図柄の変動時間(3秒)よりも長い。「2回変動」の変動パターンが決定された場合、パチンコ機1は、大当たり判定の判定結果がはずれであることを報知するはずれ報知演出において、2回の図柄変動を表示する。
【0046】
図8を参照して、ROM53に記憶されている第一はずれシナリオテーブルについて説明する。
図8に示すように、第一はずれシナリオテーブルは、予言モードにおける30回分のはずれ報知演出の実行順を予め定めるシナリオパターンを、複数パターン格納している。具体的には、パターンAは、1回目のはずれ報知演出の変動パターンを「1回変動A」と、2回目のはずれ報知演出の変動パターンを「2回変動」といったように、1回目から30回目までのはずれ報知演出の変動パターンを規定するシナリオパターンである。パターンBおよびパターンCも同様に、他のシナリオパターンとは異なる順序の30回分のはずれ報知演出の変動パターンを規定している。これにより、パチンコ機1は、シナリオパターンを1つだけ設けている場合と比較して、予言モードにおけるはずれ報知演出の実行順を多様化できる。
【0047】
シナリオパターンは、パターンA〜Cによって規定される30回分のはずれ報知演出が行われると、合計して50回の図柄変動が行われるように構成されている。パターンA〜Cの定める30回分のはずれ報知演出の実行順は、シナリオ変動パターンテーブル(
図7参照)に格納されている変動パターンを用いて構成されている。即ち、予言モードにおいてはずれ報知演出が行われる場合、1回のはずれ報知演出においてシナリオパターンの規定する変動パターンに則した1回または2回の図柄変動が行われる。
【0048】
50回の図柄変動のそれぞれは、変動メータ30の50個のメータ領域のそれぞれに対応付けられる。予言モードが開始されると、図柄変動に応じて上セグ301の左端部に位置する(1)のメータ領域から表示態様の変化が始まる。その後、図柄変動の実行回数に応じて、右上セグ302、右下セグ303、下セグ304、左下セグ305を経て、左上セグ306の上端部に位置する(50)のメータ領域まで順に表示態様が変化される。なお、予言モードにおいて大当たり報知演出が行われる場合は、シナリオ変動パターンテーブルに格納されている「大当たり変動」の変動パターンが決定される。また、予言モードにおいて大当たり報知演出が行われる場合、1回の大当たり報知演出において最大4回の図柄変動が行われる。なお、
図8において、図柄変動の回数に対応するメータ領域を示す対応メータ領域欄が設けられているが、これは、図柄変動の回数と各メータ領域とが対応付けられていることを説明するためのものである。第一はずれシナリオテーブルがROM53に記憶される場合には、第一はずれシナリオテーブルに対応メータ領域欄が設けられていなくてもよい。
【0049】
本実施形態では、予言モードとして、一巡目の予言モードと二巡目の予言モードとが設けられている。一巡目の予言モードは、時短状態の開始に同期して開始される。二巡目の予言モードは、一巡目の予言モードの終了後に、一巡目の予言モードに継続して実行される形で開始される。第一はずれシナリオテーブルは、一巡目の予言モードにおける30回分のはずれ報知演出の実行順を予め定めている。
【0050】
なお、
図8に示すように、パターンA〜Cのいずれも、30回目のはずれ報知演出の変動パターンを「1回変動B」と規定している。これは、30回目のはずれ報知演出の演出時間を「1回変動A」によるものよりも長くすることで、一巡目の予言モードの最後において、後述する予言領域表示演出を実行するための時間を確保するためである。一方、図示しないが、第二はずれシナリオテーブルは、二巡目の予言モードにおける30回分のはずれ報知演出の実行順を予め定めている。第二はずれシナリオテーブルに格納されるシナリオパターンは、30回目のはずれ報知演出の変動パターンが「1回変動A」と規定される他、第一はずれシナリオテーブルのパターンA〜Cと同様に構成される。これは、二巡目の予言モードの最後には予言領域表示演出が実行されないので、30回目のはずれ報知演出の演出時間を長めに確保する必要がないためである。
【0051】
図9から
図16を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(
図9参照)は、割込信号発生回路57(
図4参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0052】
図9に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
【0053】
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート12、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口16、特定領域162、非特定領域、その他入賞口に設けられた各スイッチ(
図4参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
【0054】
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
【0055】
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に大入賞口16の開閉部材161の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる(
図16参照)。
【0056】
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(
図10から
図12参照)。
【0057】
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たり遊技の動作(主に第二始動口15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態中に普通当たりと判定された場合、開閉部材151を、非時短状態中よりも長く開放させる。なお、CPU51は、時短フラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
【0058】
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当たり判定は、時短状態が生起されているか否かに応じて、それぞれの確率(99/100または4/100)で判定される。
【0059】
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
【0060】
図10から
図12を参照して、特別図柄処理(S14、
図9参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確率変動フラグ、時短フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技状態中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。大当たり遊技状態は、大当たり遊技が開始されて所定のラウンド数の大入賞口16の開放が行われた後、後述の大当たりエンディング時間が経過するまでの期間を含む。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確率変動フラグは、確率変動状態中であるか否かを示すフラグであり、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。時短フラグは、時短状態中であるか否かを示すフラグであり、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。
【0061】
図10に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S41)。第一始動口14に設けられた第一始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、
図9参照)において、第一始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S41:NO)、処理はS51の判断へ移行する。第一始動口14に遊技球が入賞していれば(S41:YES)、第一保留球数が「4」であるか否かが判断される(S42)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」であれば(S42:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS51の判断へ移行する。
【0062】
第一保留球数が「4」でない場合には(S42:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S43)。次いで、各種乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(
図5参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S45)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれRAM52に記憶される。その後、処理はS51の判断へ移行する。
【0063】
次いで、第二始動口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S51)。第二始動口15に設けられた第二始動口スイッチ73が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、
図9参照)において、第二始動口スイッチ73に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S51:NO)、処理はS61(
図11参照)の判断へ移行する。第二始動口15に遊技球が入賞していれば(S51:YES)、第二保留球数が「4」であるか否かが判断される(S52)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「4」であれば(S52:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS61の判断へ移行する。
【0064】
第二保留球数が「4」でない場合には(S52:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S53)。次いで、第二保留球数をサブ制御基板58に通知するための保留球数通知コマンドがRAM52に記憶される(S54)。保留球数通知コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図9参照)において、サブ制御基板58に送信される。
【0065】
次いで、各種乱数が取得され、第二大当たり関係情報記憶エリア(図示せず)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S55)。具体的には、第二大当たり乱数欄には第二大当たり判定カウンタの値(第二大当たり乱数)、第二特別図柄決定カウンタの値(第二特別図柄決定乱数)、第二変動パターン決定カウンタの値(第二変動パターン決定乱数)がそれぞれ記憶される。
【0066】
次いで、S55において新たに記憶された第二保留乱数についての情報を、第二保留乱数に含まれる第二大当たり乱数に対して実際に第二大当たり判定が行われるよりも前に取得(先読み)する乱数先読み処理が行われる(S56)。その後、処理はS61の判断へ移行する。
【0067】
図13を参照して、乱数先読み処理(S56、
図10参照)について詳細に説明する。乱数先読み処理では、S55(
図10参照)において新たに記憶された第二当たり乱数に対して行われる第二大当たり判定の判定結果についての情報が取得される。また、取得された情報に基づいた先読みコマンドが記憶される。
【0068】
図13に示すように、乱数先読み処理が開始されると、S55において新たに記憶された第二保留乱数の情報が、保留乱数先読み情報として取得される(S131)。取得された保留乱数先読み情報のうち、第二大当たり乱数の値が参照される(S132)。
【0069】
次いで、確率変動状態が生起されているか否かに応じた判定テーブルが参照される(S133)。図示しないが、ROM53には、大当たり判定を行うためのテーブルとして、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとが設けられている。低確率判定テーブルは、非確率変動状態中の大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。高確率判定テーブルは、確率変動状態中の大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。S133では、確率変動フラグが「ON」の場合、確率変動状態が生起されていると判断され、高確率判定テーブルが選択される。確率変動フラグが「OFF」の場合、確率変動状態が生起されていないと判断され、低確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルを参照して、S132で参照した第二大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかを示す情報が、大当たり乱数先読み情報として取得される(S134)。
【0070】
次いで、大当たり乱数先読み情報を、サブ制御基板58に通知するための先読みコマンドが作成されて、RAM52に記憶される(S135)。先読みコマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図9参照)において、サブ制御基板58に送信される。処理は、特別図柄処理(
図11参照)へ戻る。
【0071】
図11の説明に戻る。次いで、
図11に示すように、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S61)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S61:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S61:NO)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S62)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、いずれも変動中でないと判断されて(S62:NO)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止状態中であるか否かが判断される(S63)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、いずれも停止表示中でないと判断されて(S63:NO)、処理はS71(
図12参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
【0072】
本実施形態では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。
図12に示すように、まず、第二保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S71)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上である場合には(S71:YES)、第二大当り判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留球数が「0」である場合には(S71:NO)、第一保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S72)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「0」であれば(S72:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0073】
第一保留球数が「1」以上である場合には(S72:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S73)。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア(
図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S75)。
【0074】
次いで、確率変動状態であるか否かに応じた第一大当たり判定が行われる(S76)。S76では、確率変動フラグの状態を参照して、現時点において確率変動状態が生起されているか否かが特定される。確率変動状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、前述の低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが参照されて、S75でシフトされた判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0075】
次いで、第一大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S77)。第一大当たり判定の結果が大当たりの場合(S77:YES)、大当たりであることを示す第一特別図柄が決定される(S78)。図示しないが、ROM53には、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二特別図柄とを決定するための特別図柄決定テーブルが設けられている。特別図柄決定テーブルには、特別図柄に対応する特別図柄決定乱数の乱数値が定義されている。S78の処理では、特別図柄決定テーブルが参照されて、S75でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数と同時に取得された第一特別図柄決定乱数の値に対応する第一特別図柄が決定される。その後、処理はS111へ移行する。第一大当たり判定の結果がはずれの場合(S77:NO)、はずれであることを示す所定の第一特別図柄が決定されて(S80)、処理はS111へ移行する。
【0076】
また、第二大当り判定では、まず第二保留球数が「1」減算される(S93)。次いで、第二保留球数をサブ制御基板58に通知するための保留球数通知コマンドが、RAM52に記憶される(S94)。第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S95)。
【0077】
次いで、確率変動状態であるか否かに応じた第二大当たり判定が行われる(S96)。S96では、確率変動フラグの状態を参照して、現時点において確率変動状態が生起されているか否かが特定される。確率変動状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、前述の低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが参照されて、S95でシフトされた判定エリアに記憶されている第二大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0078】
次いで、第二大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S97)。第二大当たり判定の結果が大当たりの場合(S97:YES)、大当たりであることを示す第二特別図柄が決定される(S98)。具体的には、特別図柄決定テーブル(
図5参照)が参照されて、S95でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数と同時に取得された第二特別図柄決定乱数の値に対応する第二特別図柄が決定される。その後、処理はS111へ移行する。第一大当たり判定の結果がはずれの場合(S97:NO)、はずれであることを示す所定の第二特別図柄が決定されて(S100)、処理はS111へ移行する。
【0079】
次いで、変動パターン決定処理が行われる(S111)。変動パターン決定処理では、ROM53に記憶されている複数の変動パターン決定テーブルのうち、遊技状態および判定結果等に応じた変動パターン決定テーブルが参照されて、一つの変動パターンが決定される。
【0080】
図14を参照して、変動パターン決定処理(S111、
図12参照)について詳細に説明する。変動パターン決定処理は、第一特別図柄および第二特別図柄の変動パターンを決定する処理である。
図14に示すように、変動パターン決定処理が開始されると、時短状態中であるか否かが判断される(S141)。この判断は、時短フラグの状態によって行われる。時短フラグが「OFF」の場合(S141:NO)、処理はS144へ移行する。
【0081】
時短フラグが「ON」の場合(S141:YES)、大当たり判定回数計数カウンタの値を示すHが「60」以下であるか否かが判断される(S142)。大当たり判定回数計数カウンタは、後述する遊技状態移行処理(S128、
図11参照)においてセットされるカウンタであり、RAM52に記憶される。大当たり判定回数計数カウンタは、前回の大当たり遊技の終了後からの判定回数を計数する。即ち、S142では、大当たり遊技終了後に、時短状態において連続して実行された大当たり判定の回数が60回以下であるか否かが判断される。Hの値が「60」以下の場合(S142:YES)、大当たり判定の判定結果がはずれの場合には、遊技状態移行処理において決定されたシナリオパターンが参照されて、Hの値に応じた変動パターンが決定される(S143)。また、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、シナリオ変動パターンテーブル(
図7参照)が参照されて、「大当たり変動」の変動パターンが決定される(S143)。処理は特別図柄処理(
図12参照)へ戻る。
【0082】
一方、Hの値が「60」よりも大きい場合(S142:NO)、処理はS144へ移行する。次いで、変動パターン決定テーブルが参照されて、遊技状態および大当たり判定の判定結果に応じた変動パターンのうちの一つが、第一変動パターン決定乱数または第二変動パターン決定乱数の値によって決定される(S144)。処理は特別図柄処理(
図12参照)へ戻る。
【0083】
図12の説明に戻る。次いで、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S112)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図9参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S113)。第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S114)、処理はメイン処理へ戻る。
【0084】
また、
図11に示すS62の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であると判断され(S62:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S121)。S113(
図12参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S121:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S122)。このコマンドは、コマンド出力処理(S10、
図9参照)によって中継基板47およびサブ制御基板58に送信され、第一特別図柄または第二特別図柄、および表示画面28の演出図柄80の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S123)。第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶される(S124)。その後、処理はメイン処理へ戻る。一方、S101の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S121:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0085】
また、S113の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S63:YES)、S122においてセットされた特別図柄停止時間カウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S126)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S126:NO)、処理はメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S126:YES)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S127)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S128)、処理はメイン処理へ戻る。
【0086】
図15を参照して、遊技状態移行処理(S128、
図11参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たりと判定された場合には遊技を大当たり遊技へ移行させ、所定の終了条件が成立した場合には時短状態および確率変動状態を終了させるための各種のフラグの制御とが行われる。
【0087】
図15に示すように、遊技状態移行処理が開始されると、まず、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かが判断される(S151)。大当たりの場合(S151:YES)、R数カウンタに所定の値(本実施形態では「10」)がセットされる(S152)。R数カウンタは、大当たり遊技において実行するラウンド数を計数するカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、Hの値が「0」にクリアされる(S153)。次いで、「ON」となっている時短フラグおよび確率変動フラグがあれば、「OFF」とされる(S154)。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が、確率変動状態または時短状態から通常状態へと移行する。
【0088】
次いで、大当たり遊技が開始することを示す大当たり遊技開始コマンドが、RAM52に記憶される(S155)。大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図9参照)において、サブ制御基板58に送信される。また、大当たり遊技状態フラグが「ON」となる(S156)。
【0089】
次いで、第一はずれシナリオテーブル(
図8参照)および第二はずれシナリオテーブルが参照されて、シナリオパターンが決定される(S158)。S158では、一巡目の予言モードにおける30回分のはずれ報知演出の実行順が、第一はずれシナリオテーブルに格納されているシナリオパターンであるパターンA〜Cのうちいずれか一つが選択されることで決定される。また、二巡目の予言モードにおける30回分のはずれ報知演出の実行順が、第二はずれシナリオテーブルに格納されている複数のシナリオパターンのうちいずれか一つが選択されることで決定される。CPU51は、第一はずれシナリオテーブルおよび第二はずれシナリオテーブルからそれぞれ一つのシナリオパターンを選択する。この選択はランダムに行われてもよい。また、第一はずれシナリオテーブルおよび第二はずれシナリオテーブルからのシナリオパターンの選択が、特別図柄決定乱数等の乱数値に応じて行われてもよい。その後、処理は特別図柄処理(
図11参照)へ戻る。
【0090】
一方、大当たり判定の判定結果がはずれの場合(S151:NO)、Hの値に「1」が加算される(S161)。次いで、Hの値が「100」であるか否かが判断される(S162)。Hの値が「100」でない場合(S162:NO)、処理は特別図柄処理(
図11参照)へ戻る。
【0091】
Hの値が「100」の場合(S162:YES)、確率変動状態中であるか否かが判断される(S163)。この判断は、確率変動フラグの状態によって行われる。確率変動フラグが「OFF」の場合(S163:NO)、処理はS165へ移行する。確率変動フラグが「ON」の場合(S163:YES)、確率変動フラグが「OFF」になる(S164)。次いで、時短フラグが「OFF」になり(S165)、処理は特別図柄処理(
図11参照)へ戻る。
【0092】
図16を参照して、特別電動役物処理(S13、
図9参照)の詳細について説明する。まず、特別電動役物処置で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、開放中フラグ、および処理待機中フラグ等が記憶されている。開放中フラグは、大入賞口16が開放状態であるか否かを示すフラグであり、大入賞口16の開閉部材161が開放されている場合に「1」が記憶されて「ON」となり、開閉部材161が開放されていない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。処理待機中フラグは、大入賞口16の入口が閉鎖されてから次の処理が行われるまでの所定の処理時間が経過する前である処理待機中であるか否かを示すフラグであり、処理待機中に「1」が記憶されて「ON」となり、処理時間が経過すると「OFF」になる。なお、処理時間は、遊技球が大入賞口16に入賞してから、特定領域162または非特定領域を通過するまでに必要な時間を勘案して設定されている。
【0093】
図16に示すように、特別電動役物処理が開始されると、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S171)。この判断は、大当たり遊技状態フラグの状態によって行われる。大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合(S171:NO)、処理はメイン処理(
図9参照)へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合(S171:YES)、処理待機中であるか否かが判断される(S172)。この判断は、処理待機中フラグの状態によって行われる。処理待機中フラグが「OFF」の場合(S172:NO)、大当たり遊技において最終ラウンドが終了したか否かが判断される(S173)。この判断は、R数カウンタの値が「0」であるか否かに基づいて行われる。
【0094】
R数カウンタの値が「0」でない場合(S173:NO)、大入賞口16が開放であるか否かが判断される(S174)。この判断は、開放中フラグの状態によって行われる。開放中フラグが「OFF」の場合(S174:NO)、開閉部材161を開放させるための開放コマンドがRAM52に記憶される(S175)。開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図9参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して開放コマンドを受信した大入賞口開閉ソレノイド70は、開閉部材161を開放させる。次いで、所定の開放時間(本実施形態では、29秒)が、開放時間カウンタに記憶される(S176)。次いで、開放中フラグが「ON」となる(S177)。
【0095】
次いで、実行する大当たりラウンドが最終ラウンドであるか否かが判断される(S178)。この判断は、R数カウンタの値が「1」であるか否かに基づいて行われる。R数カウンタの値が「1」でない場合(S178:NO)、処理はS179の判断へ移行する。R数カウンタの値が「1」の場合(S178:YES)、特定領域162の開閉部材を開放させるための特定領域開放コマンドがRAM52に記憶される(S178)。特定領域開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図9参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して特定領域開放コマンドを受信した特定領域開閉ソレノイド71は、最終ラウンド中に、特定領域162の開閉部材を所定時間開放させる。処理はS179の判断へ移行する。
【0096】
次いで、大入賞口16へ遊技球が入賞したか否かが判断される(S179)。大入賞口スイッチ75に対応するフラグが「OFF」となっていれば大入賞口16へ遊技球が入賞していないと判断されて(S179:NO)、処理はS182の判断へ移行する。大入賞口スイッチ75に対応するフラグが「ON」となっていれば大入賞口16へ遊技球が入賞したと判断され(S179:YES)、大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の入賞球数カウンタに「1」が加算される(S181)。処理はS182の判断へ移行する。
【0097】
次いで、大入賞口16への入賞球数が「9」以上であるか否かが判断される(S182)。入賞球数カウンタの値が「9」未満の場合(S182:NO)、開放時間が経過したか否かが判断される(S183)。開放時間が経過していなければ(S183:NO)、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、大当たり遊技状態であり(S171:YES)、処理待機中でなく(S172:NO)、最終ラウンドが終了しておらず(S173:NO)、大入賞口16が開放中である場合(S174:YES)、大入賞口16に9個以上の遊技球が入賞するか、または開放時間が経過するまで、これらの判断が繰り返し実行される(S182:NO、S183:NO)。
【0098】
大入賞口16に9個以上の遊技球が入賞するか(S182:YES)、または開放時間が経過した場合(S183:YES)、開放している大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させるための閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S184)。閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図9参照)において中継基板47に送信される。中継基板47を介して閉鎖コマンドを受信した大入賞口開閉ソレノイド70は、開閉部材161を閉鎖させる。次いで、所定の処理時間が処理時間カウンタに記憶される(S185)。処理待機中フラグが「ON」となる(S186)。開放中フラグが「OFF」とされて(S188)、処理はメイン処理へ戻る。
【0099】
一方、処理待機中フラグが「OFF」の場合(S172:YES)、処理時間カウンタの値に基づいて処理時間が経過したか否かが判断される(S201)。処理時間カウンタの値が「0」でなければ処理時間が経過していないと判断されて(S201:NO)、処理はメイン処理へ戻る。繰り返しメイン処理が行われて処理時間カウンタの値が「0」であれば処理時間が経過したと判断されて(S201:YES)、処理待機中フラグが「OFF」となる(S202)。次いで、R数カウンタの値が「1」減算される(S203)。
【0100】
次いで、R数カウンタの値に基づいて、大当たり遊技において最終ラウンドが終了したか否かが判断される(S204)。R数カウンタの値が「0」でなければ最終ラウンドが終了していないと判断されて(S204:NO)、処理はメイン処理へ戻り、次回以降の特別電動役物処理において、再度大入賞口16の開閉部材161の開閉動作が行われる。
【0101】
R数カウンタの値が「0」であり最終ラウンドが終了したと判断された場合(S204:YES)、大当たりエンディング時間を計測するエンディング時間カウンタに所定のエンディング時間が記憶される(S205)。なお、本実施形態では、大当たり遊技の最終ラウンドが終了してから次の大当たり判定が実行されるまでの間の時間である大当たりエンディング時間に、後述する予言領域表示演出が実行される。次いで、大当たりエンディング時間の開始をサブ制御基板58に通知するためのエンディング開始コマンドがRAM52に記憶され(S206)、処理はメイン処理へ戻る。
【0102】
また、S173の判断においてR数カウンタの値が「0」であり最終ラウンドが終了したと判断された場合(S173:YES)、エンディング時間カウンタの値に基づいて大当たりエンディング時間が経過したか否かが判断される(S191)。エンディング時間カウンタの値が「0」でなければ大当たりエンディング時間が経過していないと判断されて(S191:NO)、処理はメイン処理へ戻る。繰り返しメイン処理が行われて処理時間カウンタの値が「0」であれば処理時間が経過したと判断されて(S191:YES)、大当たり遊技が終了したことをサブ制御基板58に通知するための大当たり遊技終了コマンドがRAM52に記憶される(S192)。大当たり遊技終了コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、サブ制御基板58に送信される。次いで、大当たり遊技状態フラグが「OFF」となる(S193)。
【0103】
次いで、大当たり遊技の最終ラウンドにおいて遊技球が特定領域162を通過したか否かが判断される(S194)。特定領域スイッチ76に対応するフラグが「OFF」となっていれば遊技球が特定領域162を通過していないと判断されて(S194:NO)、処理はS196へ移行する。特定領域スイッチ76に対応するフラグが「ON」となっていれば遊技球が特定領域162を通過したと判断されて(S194:YES)、確率変動フラグが「ON」となる。次いで、時短フラグが「ON」となり(S196)、処理はメイン処理へ戻る。
【0104】
図17から
図19を参照して、本実施形態において変動メータ30を用いて行われる各種の演出について説明する。本実施形態では、予言領域表示演出、予言モード演出および色変化演出の各演出が、変動メータ30を用いて行われる。
【0105】
まず、予言領域表示演出について説明する。予言領域表示演出は、一巡目の予言モードの開始前、および二巡目の予言モードの開始前に行われる。
図17に示すように、予言領域表示演出では、50個のメータ領域のうちいくつかのメータ領域が予言モードの開始前に指定される。そして、指定されたメータ領域が、他のメータ領域とは異なる態様で表示される。
図17は、(7)、(12)、(20)、(27)、(35)、(45)、(49)の7個のメータ領域が予言モードの開始前に指定された様子を示す。この場合、一巡目の予言モードの開始前においては、指定されていないメータ領域は青色で点灯表示され、指定されたメータ領域は黄色で点滅表示される。また、二巡目の予言モードの開始前においては、指定されていないメータ領域はピンク色で点灯表示され、指定されたメータ領域は黄色で点滅表示される。指定されたメータ領域を、指定されていないメータ領域とは異なる色および異なる点灯パターンを用いた特定の表示態様で表示することで、パチンコ機1は、指定されたメータ領域が特定のメータ領域であることを遊技者に視認させることができる。このように、予言モードの開始前の指定に応じて特定の表示態様で表示されるメータ領域を、以下、「予言領域」という。即ち、予言領域表示演出は、予言モードの開始前に予言領域を遊技者に示す演出である。
【0106】
パチンコ機1は、50個のメータ領域のうち、異なる位置および異なる個数の予言領域を含む予言領域の指定パターンを複数備え、複数の指定パターンのうちから1つを選択して予言領域表示演出を行う。この予言領域の指定パターンを、以下、「予言パターン」という。
【0107】
次いで、予言モード演出について説明する。パチンコ機1では、予言モードが開始されると、図柄変動が1回表示される毎に、対応するメータ領域の表示態様が変化する。予言モードにおいて、最大50回の図柄変動が行われる。予言モードにおいて図柄変動が繰り返し行われる度に、メータ領域(1)からメータ領域(50)の表示態様が順に変化する。また、予言モード中において、予言領域表示演出において示された予言領域の特定表示は、予言領域に対応する図柄変動が終了するまで継続して行われる。
【0108】
図18に示すように、予言モードが開始されて1回目の図柄変動が行われると、メータ領域(1)の表示態様が変化する。具体的には、予言モードが開始され、図柄変動が1回も行われていない場合には、変動メータ30は、
図17に示す予言領域表示演出と同じ表示態様を示す。予言モードが開始されて1回目の図柄変動が開始されると、
図18Aに示すように、メータ領域(1)が点滅表示を開始する。なお、
図18Aは、演出図柄80を複数の矢印で示すことで、演出図柄80が変動していることを模式的に示している。この場合、一巡目の予言モードにおいては、青色で点灯表示されていたメータ領域(1)の表示態様が、青色の点滅表示に変化する。また、この場合、二巡目の予言モードにおいては、ピンク色で点灯表示されていたメータ領域(1)の表示態様が、ピンク色の点滅表示に変化する。これにより、パチンコ機1は、現在行われている図柄表示に対応するメータ領域がいずれであるかを遊技者に視認させることができる。
【0109】
図柄変動を開始した演出図柄80は、所定のタイミングで停止表示する。
図18Bは、
図18Aで変動表示していた3つの演出図柄80が、「772」の組合せで停止した場合を示す。この場合、予言モードが開始されて1回目の図柄変動が終了すること同期して、メータ領域(1)の点滅表示が終了し、メータ領域(1)の表示態様は、1回目の図柄変動前および1回目の図柄変動中とは異なるものに変化する。この場合、一巡目の予言モードにおいては、青色で点灯または点滅表示されていたメータ領域(1)の表示態様が、ピンク色の点灯表示に変化する。また、この場合、二巡目の予言モードにおいては、ピンク色で点灯または点滅表示されていたメータ領域(1)の表示態様が、消灯態様に変化する。これにより、パチンコ機1は、図柄変動の終了に応じて、対応するメータ領域の表示態様が変化することを遊技者に視認させることができる。
【0110】
このように、図柄変動が行われる毎に、各メータ領域の表示態様がメータ領域(1)からメータ領域(50)へ向けて順に変化するのに従って、図柄変動に対応するメータ領域が予言領域に対して徐々に近づいていく。メータ領域の変化が予言領域に近づいた場合に、大当たり判定の判定結果のうち特定の判定結果が報知されやすくなる演出が、パチンコ機1が実行する予言モード演出である。なお、本実施形態では、特定の判定結果は「大当たり」である。
【0111】
予言モード演出の詳細について説明する。S158(
図15参照)において第一はずれシナリオテーブル(
図8参照)からパターンAが決定された場合、パターンAに従って、1回の報知演出において1回または2回の図柄変動が行われる。この場合、
図19に示すように、予言モードが開始されてから7回目に実行される報知演出では、「2回変動」の変動パターンに応じて、2回の図柄変動が行われる。7回目の報知演出において2回の図柄変動が行われることに伴い、メータ領域(11)およびメータ領域(12)の表示態様が順に変化する。ここで、7回目の報知演出の実行中に第二始動口15へ遊技球が入賞することで、第二保留球数が最大第二保留球数である「4」に達したとする。この第二保留球数が最大第二保留球数に達する契機となった第二保留乱数に対して、大当たり判定が以降に実行される。この第二保留乱数に対して実行された大当たり判定の判定結果を報知する報知演出は、7回目の報知演出の終了後4回目に実行される報知演出である、予言モードが開始されてから11回目に実行される報知演出となる(
図19上段参照)。
【0112】
前述したように、本実施形態では、「大当たり変動」の変動パターンが決定された場合、大当たり報知演出において、最大4回の図柄変動が行われる。また、はずれ報知演出では1回または2回の図柄変動が行われる。第二保留球数が最大第二保留球数に達している場合、最大第二保留球数に対応する4回の報知演出が以降に実行される。連続した4回の報知演出において行われる図柄変動の回数が最大となるのは、「2回変動」の変動パターンによるはずれ報知演出が3回実行された後に大当たり報知演出が1回行われる場合である。この場合、連続した4回の報知演出において行われる図柄変動の最大回数は、「2回変動」の変動パターンによって2回の図柄変動が行われるはずれ報知演出が3回実行された後に、大当たり報知演出において4回の図柄変動が行われる場合の「10」回である(「2」×3+「4」×1=「10」)。この場合の連続した4回の報知演出において行われる図柄変動の最大回数を、以下、「最大変動回数S」という。言い換えると、第二保留球数が「4」の場合、最大変動回数Sの値は「10」となる。
【0113】
なお、第二保留球数が「3」の場合、連続した3回の報知演出において行われる図柄変動の最大回数は、「2回変動」の変動パターンによるはずれ報知演出が2回実行された後に、大当たり報知演出において4回の図柄変動が行われる場合の「8」回である(「2」×2+「4」×1=「8」)。即ち、第二保留球数が「3」の場合、最大変動回数Sの値は「8」である。第二保留球数が「2」の場合、連続した2回の報知演出において行われる図柄変動の最大回数は、「2回変動」の変動パターンによるはずれ報知演出が1回実行された後に、大当たり報知演出において4回の図柄変動が行われる場合の「6」回である(「2」×1+「4」×1=「6」)。即ち、第二保留球数が「2」の場合、最大変動回数Sの値は「6」である。第二保留球数が「1」の場合、最大変動回数Sの値は大当たり報知演出が行われる場合の「4」である(「4」×1=「4」)。
【0114】
予言モードにおいて第二保留乱数が記憶された場合、記憶された第二保留乱数から大当たり乱数先読み情報が取得される。大当たり乱数先読み情報が「大当たり」を示す情報の場合、パチンコ機1は、「大当たり」を示す大当たり乱数先読み情報を取得した時点における第二保留球数に対応する最大変動回数Sの値に基づいて、予言モード演出を実行するか否かを決定する。具体的には、パチンコ機1は、最大変動回数Sの値に対応するメータ領域の範囲内に予言領域が含まれるか否かに応じて、予言モード演出を実行するか否かを決定する。以下、「大当たり」を示す大当たり乱数先読み情報を「先読み大当たり情報」と、また、「はずれ」を示す大当たり乱数先読み情報を「先読みはずれ情報」という。
【0115】
図19上段に示すように、7回目の報知演出の実行中に第二始動口15へ遊技球が入賞したことを契機として第二保留球数が「4」となり、入賞に対応する第二保留乱数から先読み大当たり情報が取得されたとする。この場合、最大変動回数Sは「10」である。従って、予言モードが開始されてから8回目以降の報知演出において実行される図柄変動に対応する10個のメータ領域の範囲内に、予言保留が含まれるか否かが判断される。即ち、メータ領域(13)からメータ領域(22)までの10個のメータ領域が判断対象となる。予言領域表示演出においてメータ領域(20)が予言領域と指定されている場合、判断対象の10個のメータ領域の範囲内に予言領域が含まれることとなる。よってこの場合、予言モード演出の実行が決定される。
【0116】
予言モード演出の実行が決定された場合、はずれ報知演出においては、シナリオパターンに基づく変動パターンに応じた回数の図柄変動が実行される。
図18下段に示すように、パターンAのシナリオパターンに基づいて、8回目のはずれ報知演出では「2回変動」の変動パターンに応じた2回の図柄変動が行われる。この2回の図柄変動に応じて、メータ領域(13)およびメータ領域(14)の表示態様が変化する。また、9回目および10回目のはずれ報知演出では「1回変動A」の変動パターンに応じた1回の図柄変動がそれぞれ行われる。これらの図柄変動により、メータ領域(15)およびメータ領域(16)の表示態様がそれぞれ変化する。
【0117】
次いで行われる11回目の報知演出は、先読み大当たり情報が取得された第二保留乱数に対する大当たり判定の判定結果を報知する大当たり報知演出である。11回目の報知演出を開始する場合における予言領域までのメータ領域の個数は、予言領域を含めて「4」個である。従って、パチンコ機1は、この大当たり報知演出において4回の図柄変動を実行することを決定する。これにより、この大当たり報知演出における4回の図柄変動に応じて、メータ領域(17)からメータ領域(20)の表示態様が順に変化する。そして、メータ領域(20)に対応する大当たり変動における4回目の図柄変動が終了すると、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示す演出図柄80が確定表示される。このように、パチンコ機1は、大当たり報知演出において実行される図柄変動の回数を、予言領域の配置に応じて調整することで、メータ領域の変化が予言領域に到達することと、大当たりの報知とを同期させることができる。パチンコ機1は、メータ領域の変化が予言領域に到達することで大当たりが得られたかのような印象を遊技者に与えることができる。
【0118】
また、予言モード演出の実行が決定された場合、パチンコ機1は、色変化演出を実行する。
図19下段に示すように、色変化演出では、予言モード演出において図柄変動に応じて表示態様が変化するメータ領域の表示色が、予言領域までの範囲で特定の色に変化される。パチンコ機1は、色変化演出を実行することで、予言領域に対応する図柄変動が行われようとする間の遊技者の期待感を高めることができる。なお、本実施形態では、大当たり乱数先読み情報が先読みはずれ情報の場合においても、所定の条件を満たすことで色変化演出が行われる。これにより、パチンコ機1は、メータ領域の変化が予言領域に近づいていく際に遊技者の期待感を高める機会を増やし、遊技者を大いに楽しませることができる。
【0119】
図20を参照して、サブ制御基板58のROM583に記憶されている予言パターン決定テーブルについて説明する。予言パターン決定テーブルは、後述するサブ制御処理(
図24参照)において用いられるテーブルである。
図20に示すように、予言パターン決定テーブルには、前述の予言パターン、即ち、予言領域の指定パターンが複数格納されている。例えば、予言パターン1は、(7)(12)(20)(27)(35)(45)(49)の各メータ領域を予言領域と指定する予言パターンである。予言パターン2は。(8)(15)(20)(27)(33)(40)(45)(50)の各メータ領域を予言領域と指定する予言パターンである。予言パターン決定テーブルには、予言領域とするメータ領域の個数、および予言領域とするメータ領域の組合せが異なる複数種類の予言パターンを格納できる。パチンコ機1は、これらの複数種類の予言パターンのうちから実行する予言モード毎に1つの予言モードを選択し、選択した予言パターンに対応する予言領域を、予言領域表示演出において特定の表示態様で表示させる。これにより、パチンコ機1は、予言パターンを1つだけ設けている場合と比較して、予言モードが開始される前に様々なパターンで予言領域を指定して遊技者に示すことができる。即ち、パチンコ機1は、予言モードを多様化できる。
【0120】
図21を参照して、変動回数決定テーブルについて説明する。変動回数決定テーブルは、後述する報知演出制御処理(
図26参照)において用いられるテーブルである。
図21に示すように、変動回数決定テーブルには、大当たり報知演出の実行開始時における予言領域までのメータ領域の個数を、予言領域を含めて計数した個数である領域個数を示すKの値に応じた変動回数パターンが定義されている。変動回数パターンは、大当たり報知演出において実行する図柄変動の回数を定義する。4回パターンは、1回の大当たり報知演出において4回の図柄変動を行うことを定義する変動回数パターンである。3回パターン、2回パターン、1回パターンについても同様に、それぞれ、1回の大当たり報知演出において3回、2回、1回の図柄変動を行うことを定義する変動回数パターンである。パチンコ機1は、領域個数Kの値に応じた変動回数パターンを、変動回数決定テーブルを参照して決定する。
【0121】
変動回数パターン毎に、大当たり報知演出における演出態様が予め定められている。4回パターンが決定された場合、1回の大当たり報知演出において4回の図柄変動が連続して実行される。1回目から3回目の図柄変動では、それぞれ、図柄変動の開始後、演出図柄80が所定時間変動された後、演出図柄80がはずれを示す組合せで停止される。本実施形態では、図柄変動開始から演出図柄80の停止までの所定時間は約2秒である。4回目の図柄変動では、図柄変動の開始後、演出図柄80が所定時間変動された後、演出図柄80が大当たりを示す組合せで確定表示される。なお、本実施形態において、1回の報知演出において複数回の図柄変動が行われる場合において、確定表示以外の演出図柄80の停止を、以下、仮停止ともいうこととして、確定表示による停止と区別する。例えば、4回パターンにおいては、1回目から3回目の図柄変動後の演出図柄80の停止は、仮停止である。
【0122】
3回パターン、2回パターン、1回パターンが決定された場合には、演出態様として定められた回数の図柄変動が行われた後、大当たり報知演出における残りの演出時間において特定演出が行われる。特定演出は、例えば、表示画面28、変動メータ30の各表示態様を特定の態様とすることで、実行中の報知演出において報知される大当たり判定の判定結果が大当たりであることを示唆する演出である。その後、演出図柄80が大当たりを示す組合せで確定表示される。
【0123】
前述の
図19下段を例に、具体的に説明する。予言モードが開始されてから11回目に実行される報知演出は、大当たり報知演出である。この場合、メータ領域(20)が予言領域であるので、大当たり報知演出である11回目の報知演出の開始時に計数される領域個数Kは、メータ領域(17)から予言領域であるメータ領域(20)までの個数を計数した「4」となる。この場合、対応する変動回数パターンは4回パターンである。従って、大当たり報知演出において4回の図柄変動が連続して行われる。1〜3回目の図柄変動は、それぞれ演出図柄80がはずれを示す組合せで仮停止されることで終了する。1〜3回目の図柄変動の実行に応じて、メータ領域(17)〜(19)の表示態様が、図柄変動が実行される前とは異なる表示態様に変化する。次いで、4回目の図柄変動に応じて予言領域であるメータ領域(20)の表示態様が変化される。4回目の図柄変動では、図柄変動の開始後、演出図柄80が所定時間変動された後、演出図柄80が大当たりを示す組合せで確定表示される。従って、パチンコ機1は、予言領域に対応する図柄変動が行われることで大当たりの判定結果が得られたかのような印象を、遊技者に与えることができる。言い換えると、大当たり先読み情報が取得された以降に実行されるはずれ報知演出のそれぞれにおいて実行される図柄変動の回数は、シナリオパターンに規定された変動パターンに基づいて特定可能である。そして、その後に実行される大当たり先読み情報に対応する大当たり報知演出において実行される図柄変動の回数は、変動回数決定テーブルに定義されている変動回数パターンに応じて、1〜4回の間で臨機応変に設定可能である。予言モードにおける報知演出で実行される図柄変動の回数をこのように構成することで、パチンコ機1は、大当たり先読み情報が取得された以降に実行される図柄変動の回数を、予め指定された予言領域に応じて定められる図柄変動の回数と等しい回数に決定できる。
【0124】
図22を参照して、色変化パターン決定テーブルについて説明する。色変化パターン決定テーブルは、後述する色変化演出制御処理(
図25参照)において用いられるテーブルである。
図22に示すように、色変化パターン決定テーブルには、色変化演出を実行するメータ領域の個数に応じた複数の色変化のパターンである変化パターンが定義されている。変化パターンは、予言領域から遠い位置にあるメータ領域から予言領域に向けて、メータ領域を緑、赤、虹のいずれかの表示色で点灯させるか、またはメータ領域の色変化を行わないかを定めている。色変化演出の実行が決定された場合、パチンコ機1は、次回の報知演出で図柄変動に応じて最初に表示態様が変化されるメータ領域から予言領域までに含まれるメータ領域の個数である色変化対象領域数を特定する。特定した色変化対象領域数に応じた色変化パターンが、色変化パターン決定テーブルの参照によって決定される。
【0125】
前述の
図19を例に、具体的に説明する。
図19上段に示すように、「大当たり」を示す大当たり先読み情報が取得された場合において、最大変動回数Sの値に対応するメータ領域の範囲内に予言領域が含まれる場合、予言モード演出の実行が決定される。予言モード演出の実行が決定された場合には、パチンコ機1は、色変化対象領域数を特定する。
図19下段に示すように、7回目の報知演出の実行中に「大当たり」を示す大当たり先読み情報が取得された場合、メータ領域(20)の予言領域を含む色変化対象領域数は、メータ領域(13)〜(20)の個数である8個である。従って、色変化パターン決定テーブルに定められる変化パターンのうち色変化対象領域数に対応する「8個パターン」の含まれる複数の変化パターンから1つの変化パターンが選択される。パチンコ機1は、選択された変化パターンに応じて、予言領域までのメータ領域の表示色を変化させる。これにより、パチンコ機1は、予言領域に対応する図柄変動の実行に向けて、遊技者の期待感を高めることができる。
【0126】
図23から
図30を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理と、本実施形態において実行される予言領域表示演出、予言モード演出および色変化演出の各演出の詳細について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による報知演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、予言領域表示演出、予言モード演出および色変化演出の各演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。
【0127】
まず、サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。サブ制御基板58のRAM582には、予言モードフラグ、色変化開始フラグ等が記憶されている。予言モードフラグは、予言モードが開始される場合に「1」が記憶されて「ON」となり、予言モードが終了すると「0」が記憶されて「OFF」となる。なお、本実施形態では、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されるが、予言モードはこの時短状態特有の遊技モードである。従って、大当たり遊技状態の終了後に予言モードが開始される。また、本実施形態では、大当たり遊技の終了後に生起される時短状態は最大で100回の報知演出が実行される間継続するが、予言モードは時短状態が開始されてから60回の報知演出が実行される間に生起される遊技モードである。一巡目の予言モードは、時短状態が開始されてから30回の報知演出が実行される間、即ち50回の図柄変動が実行される間の遊技モードである。二巡目の予言モードは、一巡目の予言モードに継続して開始される30回の報知演出が実行される間、即ち50回の図柄変動が実行される間の遊技モードである。色変化開始フラグは、色変化演出が開始されることが決定された場合に「1」が記憶されて「ON」となり、色変化演出が決定されると「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0128】
図23に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から保留球数通知コマンドを受信したか否かが判断される(S211)。保留球数通知コマンドを受信していない場合(S211:NO)、処理はS213の判断へ移行する。保留球数通知コマンドを受信した場合(S211:YES)、保留球数通知コマンドによって通知された情報に応じた第二保留球数がRAM582に記憶される(S212)。処理はS213の判断へ移行する。
【0129】
次いで、主基板41から先読みコマンドを受信したか否かが判断される(S213)。先読みコマンドを受信していない場合(S213:NO)、処理はS215の判断へ移行する。先読みコマンドを受信した場合(S213:YES)、色変化演出制御処理が実行されて(S214)、処理はS215の判断へ移行する。
【0130】
図25を参照して、色変化演出制御処理(S214、
図23参照)について詳細に説明する。色変化演出制御処理では、予言モード演出を実行するか否かが決定される。また、色変化演出制御処理では、予言モードが実行される場合に実行される色変化演出の色変化パターンが決定される。
【0131】
図25に示すように、色変化演出制御処理が開始されると、先読みコマンドによって通知された大当たり乱数先読み情報がRAM582に記憶される(S240)。次いで、予言モード中であるか否かが判断される(S241)。この判断は、予言モードフラグの状態によって行われる。予言モードフラグが「OFF」の場合(S241:NO)、処理はサブ制御処理(
図23参照)へ戻る。予言モードフラグが「ON」の場合(S241:YES)、RAM582に記憶されている第二保留球数が参照される(S242)。次いで、S240の処理においてRAM582に記憶された大当たり乱数先読み情報が参照され、参照された大当たり乱数先読み情報が、先読み大当たり情報であるか否かが判断される(S243)。
【0132】
大当たり乱数先読み情報が先読み大当たり情報の場合(S243:YES)、第二保留球数に「1」を加算した値が予言カウンタに記憶される(S244)。予言カウンタは、予言領域に対応する図柄変動の行われる報知演出であるか否かを判断するために計数されるカウンタであり、RAM582に記憶される。予言カウンタの値を、以下、Pと示す。処理はS245の判断へ移行する。例えば、
図28に示すように、パターンAのシナリオパターンが選択されている場合において、予言モードが開始されてから7回目の報知演出においてメータ領域(12)に対応する図柄変動が行われている間に先読み大当たり情報が取得されたとする。
【0133】
次いで、次回の報知演出以降に行われる図柄変動に応じて表示態様が変化される予定のメータ領域において、最大変動回数Sの値に対応するメータ領域の範囲内に予言領域が含まれるか否かが判断される(S245)。この判断において、まず、S242の処理において参照された第二保留球数に対応する最大変動回数Sが算出される。前述のように、第二保留球数が「4」の場合、最大変動回数Sの値は「10」である。第二保留球数が「3」の場合、最大変動回数Sの値は「8」である。第二保留球数が「2」の場合、最大変動回数Sの値は「6」である。第二保留球数が「1」の場合、最大変動回数Sの値は「4」である。
【0134】
現在実行中の報知演出が終了した後に行われる次回の報知演出で最初に表示態様が変化されるメータ領域の領域番号は、例えば、予言モードが開始されてから主基板41から特別図柄停止コマンドを受信した回数に基づいて算出できる。具体的には、第一はずれシナリオテーブル(
図18参照)および第二はずれシナリオテーブルと同様のテーブルをROM583に記憶しておく。そして、CPU581は、予言モードが開始されてから主基板41から特別図柄停止コマンドを受信した回数に基づいて、現在実行中の報知演出が予言モードにおける何回目の報知演出であるかを算出する。現在実行中の報知演出が何回目の報知演出であるかが算出されれば、CPU581は、次回に実行する報知演出が何回目の報知演出であるかを算出できる。次回に実行する報知演出が何回目であるかに応じて前述のテーブルを参照することで、CPU581は、次回の報知演出で最初に表示態様が変化されるメータ領域の領域番号を把握できる。
【0135】
図28の例で説明する。シナリオパターンがパターンAの場合、実行中の7回目の報知演出に対して次回の報知演出となる8回目の報知演出では、メータ領域(13)の表示態様が最初に変化される(
図8も参照)。この時点での第二保留球数を「4」とすると、最大変動回数Sに対応するメータ領域は、メータ領域(13)〜(22)の10個となる。
【0136】
この上で、後述するS226(
図24参照)の処理において決定されている予言パターンが参照される。予言パターンには予言領域に対応するメータ領域の領域番号が指定されているので、CPU581は、最大変動回数Sの値に対応するメータ領域の範囲内に予言領域が含まれるか否かを判断できる。
図28の例では、予言パターン1による予言領域の指定が行われているので、予言領域であるメータ領域(20)が、最大変動回数Sに対応するメータ領域の範囲内に含まれることとなる(
図20も参照)。
【0137】
最大変動回数Sの値に対応するメータ領域の範囲内に予言領域が含まれる場合(S245:YES)、最大変動回数Sの値に対応するメータ領域の範囲内に含まれる予言領域の領域番号が、予言パターンに基づいて取得される(S246)。取得された予言領域の領域番号を、以下、Yと示す。Yの値はRAM582に記憶される。
図28の例では、最大変動回数Sに対応するメータ領域の範囲内に含まれる予言領域の領域番号である(20)が、YとしてRAM582に記憶される。
【0138】
次いで、S245の判断において把握された、次回の報知演出で最初に表示態様が変化されるメータ領域の領域番号が取得される(S247)。取得された次回の報知演出で最初に表示態様が変化されるメータ領域の領域番号を、以下、Xと示す。
図28の例では、次回8回目の報知演出において最初に表示態様が変化されるメータ領域の領域番号である(13)が、Xとして取得される。
【0139】
次いで、「Y−X+1」の演算が行われ、演算によって算出された値が色変化対象領域数とされる。予言領域を含めたメータ領域数を色変化対象領域数とするため、このような演算が行われる。そして、色変化対象領域数に対応する変化パターンが、色変化パターン決定テーブル(
図22参照)のうちから1つ決定される(S248)。
図28の例では、Y(20)からX(13)を減算した結果に「1」を加算することで、演算結果「8」が得られる。従って、色変化決定テーブルの8個パターンテーブルのうちからいずれかの変化パターンが決定される。ここでは、例えば、予言領域を含めた5個のメータ領域を緑色とする変化パターンが決定されたとする。この変化パターンの決定は、色変化対象領域数に対応する変化パターンがランダムに選択されることによって行われてもよいし、変化パターンの決定のための乱数を設けられ、乱数に応じた変化パターンが選択されることによって行われてもよい。決定された変化パターンは、RAM582に記憶される。次いで、色変化開始フラグが「ON」となり(S249)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。一方、最大変動回数Sの値に対応するメータ領域の範囲内に予言領域が含まれない場合(S245:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0140】
また、大当たり乱数先読み情報が先読みはずれ情報の場合(S243:NO)、最大変動回数Sよりも少ない所定の値に対応するメータ領域の範囲内に予言領域が含まれるか否かが判断される(S251)。最大変動回数Sよりも少ない所定の値に対応するメータ領域の範囲内に予言領域が含まれない場合(S251:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。最大変動回数Sよりも少ない所定の値に対応するメータ領域の範囲内に予言領域が含まれる場合(S251:YES)、最大変動回数Sよりも少ない所定の値に対応するメータ領域の範囲を対象としてS246からS249の処理が行われる。その後、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0141】
本実施形態では、最大変動回数Sよりも少ない所定の値として、第二保留球数が「4」の場合、最大変動回数Sよりも少ない「8」個のメータ領域の範囲内に予言領域が含まれるか否かが判断される。第二保留球数が「3」の場合、最大変動回数Sよりも少ない「6」個のメータ領域の範囲内に予言領域が含まれるか否かが判断される。第二保留球数が「2」の場合、最大変動回数Sよりも少ない「4」個のメータ領域の範囲内に予言領域が含まれるか否かが判断される。即ち、先読みはずれ情報の場合の色変化対象領域数を、先読み大当たり情報の場合の色変化対象領域よりも少なく設定している。このように、先読み大当たり情報の場合よりも先読みはずれ情報の場合の色変化対象領域を少なく設定することで、パチンコ機1は、予言領域から遠く離れたメータ領域から表示色変化が開始するほど大当たりへの期待感が高くなるように、色変化演出を構成できる。従って、パチンコ機1は、遊技者に色変化演出に対して遊技者に注目させることができる。なお、パチンコ機1は、第二保留球数が「1」の場合、予言領域が含まれるか否かについて判断しない。
【0142】
図23の説明に戻る。次いで、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S215)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S215:NO)、処理はS217の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S215:YES)、報知演出制御処理が実行されて(S216)、処理はS217の判断へ移行する。
【0143】
図26を参照して、報知演出制御処理(S216、
図23参照)について詳細に説明する。報知演出制御処理では、演出図柄80を用いて大当たり判定の判定結果を報知する報知演出の制御、特に、大当たり報知演出の制御、色変化演出を開始する制御、予言領域表示演出を実行する制御等が行われる。
【0144】
図26に示ように、報知演出制御処理が開始されると、主基板41から受信した変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンが、RAM582に記憶される(S261)。次いで、次いで、予言モード中であるか否かが判断される(S262)。予言モードフラグが「OFF」であれば予言モード中でないと判断されて(S262:NO)、変動パターンに応じて報知演出が制御されて(S279)、処理はサブ制御基板処理(
図23参照)へ戻る。
【0145】
予言モードフラグが「ON」であれば予言モード中であると判断されて(S262:YES)、色変化開始フラグが「ON」であるか否かが判断される(S263)。色変化開始フラグが「OFF」の場合(S263:NO)、処理はS266の判断へ移行する。色変化開始フラグが「ON」の場合(S263:YES)、S248(
図25参照)の処理において決定されてRAM582に記憶された変化パターンが参照され、変化パターンに応じた色変化演出の実行が制御される(S264)。具体的には、CPU581は、変化パターンに定義される表示色で、色変化対象領域のメータ領域の表示色を変化させる制御を行う。
図29の例では、S248の処理において色変化対象領域数が「8」と算出されて、8個パターンのうち予言領域を含めた5個のメータ領域を緑色とする変化パターンが決定されている。この場合、
図29に示すように、変化パターンに従って、メータ領域(16)〜(20)の表示色が緑色に変化される。この場合、例えば予言領域であるメータ領域(20)については、予言領域であることを示す黄色と、変化パターンによる緑色とが交互に点滅させることで、予言領域を示しつつ、色変化演出を合わせて行うことができる。次いで、色変化開始フラグが「OFF」とされ(S265)、処理はS266の判断へ移行する。
【0146】
次いで、予言カウンタの値を示すPが「1」であるか否かが判断される(S266)。前述の予言カウンタのPの値は、S243の処理において第二保留球数に「1」が加算された値とされる。詳細は後述するが、その後、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したことに応じて大当たり判定の判定結果を示す演出図柄80の組合せが確定表示される毎に、Pから「1」が減算される。即ち、Pの値が「1」である場合、報知演出制御処理において制御しようとする報知演出は、先読み大当たり情報の取得された第二保留乱数に対する大当たり報知演出である。
【0147】
予言カウンタの値であるPが「1」の場合(S266:YES)、今回制御する大当たり報知演出において最初に実行される図柄変動に対応するメータ領域から予言領域までの領域個数が算出される(S268)。以下、大当たり報知演出において最初に実行される図柄変動に対応するメータ領域から予言領域までの領域個数の値を、Kと示す。Kの値は、メータカウンタの値に基づいて算出できる。メータカウンタは、予言モード中に図柄変動に応じて、既に表示態様が変化されたメータ領域の個数を計数するカウンタであり、RAM582に記憶される。S268の処理が行われる時点のメータカウンタの値は、今回制御する大当たり報知演出において最初に図柄変動が実行されるメータ領域の番号から、「1」を減算した数に等しくなる。メータカウンタの値を、以下、Mと示す。CPU581は、S246(
図25参照)の処理において記憶されたYの値からMの値を減算することで、Kの値を算出できる。
図29および
図30の例に示すように、予言カウンタの値Pが「1」となる報知演出は、予言モード開始後11回目の報知演出であり、大当たり報知演出である(
図19も参照)。ここで、11回目の報知演出で最初に実行される図柄変動に対応するメータ領域はメータ領域(17)である。Yの値は(20)であり、Mの値は「16」である。従って、CPU851は、「K=20−16=4」と、Kの値を算出できる。
【0148】
次いで、S268で算出された予言領域までの領域個数の値を示すKが、「1」以上且つ「4」以下であるか否かが判断される(S269)。Kの値が「1」以上且つ「4」以下の場合(S269:YES)、ROM583に記憶されている変動回数決定テーブル(
図21参照)が参照されて、Kの値に応じた変動回数パターンが1つ選択される(S271)。
図30に示すように、Kの値が「4」の場合、メータ領域(17)〜(20)の4個のメータ領域が、大当たり報知演出において実行される図柄変動に伴って表示態様が変化される。このメータ領域の表示態様の変化が、予言領域であるメータ領域(20)に到達するときに、対応する図柄変動において大当たりの判定結果を示す演出図柄80の組合せ(
図30では「777」)が確定表示される。このため、パチンコ機1は、メータ領域の表示態様の変化が予言領域に到達することで、大当たりが得られたかのような印象を、遊技者に与えることができる。次いで、S271で選択された変動回数パターンに定義される演出態様に従って、大当たり報知演出が制御される(S272)。処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0149】
一方、Kが、「1」未満であるか、または「4」よりも大きい場合(S269:NO)、Kが「0」以下であるか否かが判断される(S276)。Kが「0」以下であるのは、図柄変動に応じて表示態様が変化するメータ領域の進行が、S246の処理において記憶されたYの値に対応する予言領域を既に追い越した状態である。Kが「0」以下の場合(S276:YES)、変動回数決定テーブルから1回パターンの変動回数パターンが決定され、1回パターンに定義される演出態様に従って、大当たり報知演出が制御される(S277)。処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0150】
パチンコ機1では、メータ領域の進行が予言領域を追い越した状態において、予言領域からできるだけ近い位置にあるメータ領域の表示態様の変化が行われるタイミングで大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知するため、このような処理を行っている。これにより、パチンコ機1は、メータ領域の進行が予言領域を追い越した場合であっても、予言領域を追い越してから早い段階で、大当たりの判定結果が報知される機会を設けることができる。このようにして、パチンコ機1は、メータ領域の進行が予言領域を追い越した場合であっても、一定期間、遊技者の期待感を持続できる。
【0151】
一方、Kが「4」よりも大きいのは、今回制御される大当たり報知演出において4回の図柄変動が実行されても、メータ領域の進行が予言領域まで到達しない場合である。Kが「4」よりも大きい場合(S276:NO)、変動回数決定テーブルから4回パターンの変動回数パターンが決定され、4回パターンに定義される演出態様に従って、大当たり報知演出が制御される(S278)。処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0152】
パチンコ機1では、大当たり報知演出において4回の図柄変動が行われてもメータ領域の進行が予言領域に到達できない場合であっても、できるだけ予言領域から近い位置にあるメータ領域の表示態様の変化が行われるタイミングで大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知するため、このような処理を行っている。これにより、パチンコ機1は、予言領域から数個手前のメータ領域が図柄変動に応じて変化するタイミングで、大当たりの判定結果が報知される場合を設けることができる。従って、パチンコ機1は、メータ領域の進行が予言領域に近づいていく段階において、遊技者の期待感を向上できる。
【0153】
一方、予言カウンタの値を示すPが「1」でない場合(S266:NO)、S261において記憶された変動パターンが「1回変動B」であるか否かが判断される(S273)。変動パターンが「1回変動B」でない場合(S273:NO)、変動パターンに応じた報知演出が制御されて(S279)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0154】
変動パターンが「1回変動B」である場合(S273:YES)、「1回変動B」に応じて図柄変動が1回行われるはずれ報知演出が行われる(S274)。また、このはずれ報知演出において、二巡目の予言モードにおいて指定される予言領域を、二巡目の予言モードの開始前に表示するための予言領域表示演出が実行される(S275)。具体的には、後述するS226において、二巡目の予言モードに対応する予言パターンとして記憶されている予言パターンに従って、予言領域が他のメータ領域とは異なる態様で表示される。その後、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0155】
図23の説明に戻る。次いで、演出制御基板43から演出図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S217)。本実施形態において、予言モードの開始および終了の契機を演出制御基板43に通知する各コマンドが、サブ制御基板58から演出制御基板43へ送信される。これにより、演出制御基板43では、予言モード中であるか否かを把握できる。演出制御基板43は、表示画面28の制御を行うことで、図柄変動に伴う演出図柄80の変動表示および演出図柄80の停止表示を行う。演出制御基板43は、予言モード中に図柄変動を行った後に演出図柄80を仮停止させる際に、サブ制御基板58へ仮停止コマンドを送信することで、演出図柄80を仮停止させたことをサブ制御基板58へ通知する。仮停止コマンドを受信していない場合(S217:NO)、処理はS221の判断へ移行する。
【0156】
仮停止コマンドを受信した場合(S217:YES)、演出図柄80の仮停止が行われた図柄変動に対応するメータ領域の表示態様が前述のように変化される(S218)。次いで、メータカウンタの値Mに「1」が加算されて(S219)、処理はS221の判断へ移行する。
【0157】
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S221)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S221:NO)、処理はS223(
図24参照)の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S221:YES)、確定表示制御処理が行われて(S222)、処理はS223の判断へ移行する。
【0158】
図27を参照して、確定表示制御処理(S222、
図23参照)について詳細に説明する、確定表示制御処理では、演出図柄80の確定表示制御、予言カウンタの制御、予言モードフラグの制御等が行われる。
【0159】
図27に示すように、確定表示制御処理が開始されると、演出図柄80が確定表示される(S281)。具体的には、大当たり判定の判定結果を示す演出図柄80の組合せを確定表示させるためのコマンドが作成され、RAM582に記憶される。記憶されたコマンドは、後述のコマンド出力処理(S235、
図24参照)において演出制御基板43に送信される。
【0160】
次いで、予言モード中であるか否かが判断される(S282)。予言モードフラグが「OFF」であれば予言モード中でないと判断されて(S282:NO)、処理はサブ制御基板処理(
図23参照)へ戻る。予言モードフラグが「ON」であれば予言モード中であると判断されて(S282:YES)、予言カウンタの値であるPが「0」よりも大きいか否かが判断される(S283)。Pが「0」の場合(S283:NO)、処理はS285へ移行する。Pが「0」よりも大きい場合(S283:YES)、Pから「1」が減算される(S284)。
【0161】
図柄変動に対応するメータ領域の表示態様の変化は、演出図柄80の仮停止および確定表示の場合に行われる。このため、演出図柄80の確定表示が行われた図柄変動に対応するメータ領域の表示態様が前述のように変化される(S285)。次いで、メータカウンタの値であるMに「1」が加算される(S285)。処理はS288の判断へ移行する。
【0162】
次いで、Mが「50」であるか否かが判断される(S288)。本実施形態において、一巡目および二巡目の予言モードのそれぞれにおいて、50回の図柄変動がおこなわれる。S288の判断では、一巡目または二巡目の予言モードのいずれかが終了するか否かが判断される。Mが「50」でない場合(S288:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。Mが「50」の場合(S288:YES)、Mの値が「0」にクリアされる(S289)。
【0163】
次いで、Mが「50」に到達することで終了する今回の予言モードが、一巡目の予言モードであるか否かが判断される(S291)。この判断は、予言モードの回数を計数するモード回数カウンタの値であるCに基づいて行われる。モード回数カウンタは、RAM582に記憶される。Cが「0」の場合には1巡目の予言モードが終了したと判断されて(S291:YES)、Cに「1」が加算される(S292)。処理はサブ制御基板処理へ戻る。一方、Cが「1」の場合には既に一巡目の予言モードが終了していることから、二巡目の予言モードが終了したと判断されて(S291:NO)、Cが「0」にクリアされる(S293)。次いで、予言モードフラグが「OFF」とされる(S294)。その後、予言モード終了コマンドが作成され、RAM582に記憶される(S295)。予言モード終了コマンドは、演出制御基板43に二巡目の予言モードが終了したことを通知するためのコマンドである。記憶されたコマンドは、後述のコマンド出力処理(S235、
図24参照)において演出制御基板43に送信される。処理はサブ制御基板処理へ戻る。
【0164】
図24の説明に戻る。次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S223)。大当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S223:NO)、処理はS225の判断へ移行する。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S223:YES)、大当たり遊技演出処理によって所定の大当たり遊技が開始されて(S224)、処理はS225の判断へ移行する。
【0165】
次いで、主基板41からエンディング開始コマンドを受信したか否かが判断される(S225)。エンディング開始コマンドを受信していない場合(S225:NO)、処理はS231の判断へ移行する。エンディング開始コマンドを受信した場合(S225:YES)、ROM583に記憶されている予言パターン決定テーブル(
図20参照)が参照されて、一巡目および二巡目の予言モードのそれぞれに対応する予言パターンが、複数の予言パターンのうちから決定される(S226)。この予言パターンの決定は、予言パターン決定テーブルに含まれる複数の予言パターンのうちからランダムに選択されることによって行われてもよい。また、予言パターンの決定のための乱数が設けられ、乱数に応じた予言パターンが一巡目の予言モードおよび二巡目の予言モードのそれぞれについて決定されてもよい。決定された一巡目の予言モードおよび二巡目の予言モードのそれぞれに対応する予言パターンは、RAM582に記憶される。次いで、決定された一巡目の予言モードに対応する予言パターンに従って、一巡目の予言モードにおいて指定される予言領域を、一巡目の予言モードの開始前に表示するための予言領域表示演出が実行される(S228)。なお、ここで記憶された二巡目の予言モードに対応する予言パターンは、前述のS275(
図26参照)において参照されて、二巡目の予言モードにおいて指定される予言領域を、二巡目の予言モードの開始前に表示するための予言領域表示演出において用いられる。処理はS231の判断へ移行する。
【0166】
次いで、主基板41から大当たり遊技終了コマンドを受信したか否かが判断される(S231)。大当たり遊技終了コマンドを受信していない場合(S231:NO)、処理はS235へ移行する。大当たり遊技終了コマンドを受信した場合(S231:YES)、一巡目の予言モードの開始前に実行される予言領域表示演出を終了する(S232)。次いで、予言モードフラグが「ON」とされる(S233)。次いで、予言モード開始コマンドが作成され、RAM582に記憶される(S234)。予言モード開始コマンドは、演出制御基板43に一巡目の予言モードが開始されることを通知するためのコマンドである。記憶されたコマンドは、後述のコマンド出力処理(S235、
図24参照)において演出制御基板43に送信される。処理はS235へ移行する。
【0167】
次いで、コマンド出力処理が行われる(S235)。コマンド出力処理では、RAM52に記憶された制御コマンドが、演出制御基板43等に出力される。その後処理は、S221(
図23参照)の判断へ戻る。
【0168】
以上説明したように、パチンコ機1では、予言モードにおいて、1回の報知演出において、少なくとも1回または2回の図柄変動が行われる。パチンコ機1では、大当たり遊技終了後の時短状態生起に同期して一巡目の予言モードが開始される。また、一巡目の予言モードの終了を契機として、二巡目の予言モードが開始される。パチンコ機1は、ROM53において第一はずれシナリオテーブルおよび第二はずれシナリオテーブルを記憶する。
図8に示すように、第一はずれシナリオテーブルは、予言モードにおける30回分のはずれ報知演出の実行順を予め定めるシナリオパターンを格納している。シナリオパターンは、30回分のはずれ報知演出が行われると、合計して50回の図柄変動が行われるように構成されている。パチンコ機1は、シナリオパターンに基づいて、予言モードにおけるはずれ報知演出の実行順を定めるので、予言モードを、50回の図柄変動が実行される特定のモードとすることができる。また、パチンコ機1は、パチンコ機1は、パチンコ機1は、予言モードにおける50回の図柄変動のそれぞれに対応する(1)〜(50)の領域番号の付されたメータ領域を備える変動メータ30を有する。予言モードにおいて、図柄変動が1回表示される毎に、変動メータ30の50個のメータ領域のうち、図柄変動に対応する1個のメータ領域の表示態様が、図柄変動が表示される前とは異なる表示態様に順次変化される。このため、パチンコ機1は、予言モードの進行状況を、遊技者にわかりやすく認識させることができる。このようにして、パチンコ機1は、報知演出の実行回数に縛られず、図柄変動の実行回数を主体とした興趣に富む予言モード演出を遊技者に提供できる。
【0169】
第一はずれシナリオテーブルおよび第二はずれシナリオテーブルには、複数パターンのシナリオパターンが記憶されている。また、パチンコ機1は、複数シナリオパターンのうちから一巡目および二巡目の予言モードのそれぞれについて1つのシナリオパターンを決定する。このため、パチンコ機1は、シナリオパターンを1つだけ設けている場合と比較して、予言モードにおけるはずれ報知演出の実行順を多様化できる。従って、パチンコ機1は、予言モードの単調化を防止して、予言モードに対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0170】
シナリオパターンは、シナリオ変動パターンテーブルに定められている「1回変動A」「1回変動B」「2回変動」の各変動パターンを用いて構成されている。「1回変動A」「1回変動B」は、1回の報知演出において1回の図柄変動が行われることを規定する。「2回変動」は、1回の報知演出において2回の図柄変動が行われることを規定する。このため、例えば、「1回変動A」「1回変動B」「2回変動」の実行順を入れ替えたシナリオパターンA〜Cを設けることで、予言モード演出における報知演出の実行パターンに容易に変化を与えることができる。このため、パチンコ機1は、予言モードにおける図柄変動を、報知演出の実行回数に限定されない自由度のある演出として実行できる。従って、パチンコ機1は、予言モードの実現により、図柄変動回数を主体とした従来にない演出効果を遊技者に提供できる。
【0171】
予言モードでは、変動メータ30のメータ領域において、予言モードの開始前の指定に応じた予言領域が、特定の表示態様で示される。予言モード中に先読み大当たり情報が取得された場合、先読み大当たり情報の取得された第二保留乱数に対して実行される大当たり報知演出において実行される図柄変動の回数が決定される。大当たり報知演出において実行される図柄変動の回数は、大当たり報知演出の実行開始時における予言領域までのメータ領域の個数が勘案された領域個数Kが算出されることによって決定される。これにより、パチンコ機1は、予言領域に対応する図柄変動を行うタイミングで、大当たりの報知を実行するといった、従来にない演出の実行を実現できる。
【0172】
本実施形態において、第一始動口14および第二始動口15が、本発明の「始動口」に相当する。
図10のS45およびS55において乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「乱数取得手段」として機能する。
図10のS45およびS55において乱数を記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「乱数記憶手段」として機能する。
図12のS76およびS96において大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「判定手段」として機能する。
図19のS272、S274、S277、S278およびS279において報知演出を制御するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「報知演出実行手段」として機能する。第一はずれシナリオテーブルおよび第二はずれシナリオテーブルを記憶する主基板41のROM53が、本発明の「シナリオ記憶手段」に相当する。
図14のS143においてシナリオパターンを参照して変動パターンを決定する主基板41のCPU51が、本発明の「設定手段」として機能する。[高田1]
【0173】
図24のS226において、一巡目の予言モードおよび二巡目の予言モードのそれぞれに対応する予言パターンを決定するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「指定手段」として機能する。
図13に示す乱数先読み処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「情報取得手段」として機能する。
図26のS271においてKの値に応じた変動回数パターンを決定するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「決定手段」として機能する。
【0174】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、予言モードにおいて第二保留乱数が記憶された場合、記憶された第二保留乱数から大当たり乱数先読み情報が取得されるが、大当たり乱数先読み情報が第一保留乱数からも取得される構成であってもよい。この場合、第一保留乱数のみ、また、第二保留乱数のみ、また、第一保留乱数と第二保留乱数の両方を対象として予言モード演出を実行できる。
【0175】
上記実施形態では、一巡目の予言モードの開始前に行われる予言領域表示演出は大当たりエンディング時間において、二巡目の予言モードの開始前に行われる予言領域表示演出は一巡目の予言モードにおける最終図柄変動中においてそれぞれ行われる。予言領域表示演出のタイミングはこれに限られない。例えば、一巡目の予言モードに先立って行われる予言領域表示演出は、例えば、一巡目の予言モードにおいて最初に行われる図柄変動中に行われてもよい。また、二巡目の予言モードに先立って行われる予言領域表示演出は、例えば、二巡目の予言モードにおいて最初に行われる図柄変動中に行われてもよい。予言領域表示演出は、予言モードに先立って行われておればよく、このような予言モードが開始されてから未だ一度も図柄変動が完了していない間であれば、予言モードの開始前と同様であると解釈できる。
【0176】
上記実施形態では、大当たり遊技終了後の時短状態生起に同期して一巡目の予言モードが開始される。また、一巡目の予言モードの終了を契機として、二巡目の予言モードが開始される。予言モードの開始の契機は上記実施形態に限られない。例えば、二巡目の予言モードが行われなくてもよい。また、予言モードの開始は、小当たり遊技終了後であってもよい。この場合、パチンコ機1は、小当たり遊技の終了を契機として所定回数のはずれ報知演出の変動パターンを規定するシナリオパターンを決定し、決定したシナリオパターンに基づいて予言モードを開始すればよい。このように、パチンコ機1は、予言モードの開始契機を拡張することで、様々な契機で予言モードを設定し、遊技の興趣を向上できる。
【0177】
上記実施形態の色変化演出において表示色が変化されるメータ領域に対応する図柄変動が行われる場合に、「ピュイ」等の特定の効果音が併せて発せられてもよい。特に、S277またはS278(
図26参照)の各処理において制御される大当たり報知演出における図柄変動に対応するメータ領域の表示態様を特定の態様としたり、図柄変動に応じて特定の効果音を発することとしたりすることが好ましい。この場合、パチンコ機1は、予言モードにおいて、予言領域に対応する図柄変動だけでなく、予言領域近傍のメータ領域に対応する図柄変動においても遊技者の興味を惹きつけることができる。また、パチンコ機1は、遊技者に特別感を与えることができる。
【0178】
上記実施形態では、S226(
図24参照)において一巡目の予言モードおよび二巡目の予言モードの双方に対応する予言パターンを一度に決定しているが、予言パターンの決定タイミングはこれに限られない。例えば、パチンコ機1は、S275(
図26参照)の処理の前に二巡目の予言モードに対応する予言パターンを決定し、決定した予言パターンに応じた予言領域表示演出を行ってもよい。
【0179】
上記実施形態では、予言領域表示演出において表示された予言領域が、そのまま予言モードにおいて特定の表示態様で表示されるのみである。例えば、予言モードが開始された後に、予言領域表示演出において表示されていた予言領域に追加して、新たな他の予言領域が追加表示される構成であってもよい。
【0180】
上記実施形態では、S264(
図26参照)の処理において変化パターンに定義される表示色で、色変化対象領域のメータ領域の表示色が変化されるが、メータ領域の表示色の変化の態様はこれに限られない。例えば、変化パターンによって表示色が指定されているメータ領域に対応する図柄変動が開始されるときに、当該メータ領域から予言領域までに含まれる全てのメータ領域の表示色を、当該メータ領域の表示色と同じ色に変化させてもよい。この場合、変化パターンによってメータ領域毎に指定されている表示色が変わるたびに、当該メータ領域から予言領域までの表示色が順次変化するので、遊技者の期待感を効果的に向上させることができる。なお、この場合において、当該メータ領域から予言領域までの表示色を変化させるタイミングは、当該メータ領域の一つ手前のメータ領域に対応する図柄変動の終了時であってもよい。
【0181】
請求項、明細書および図面に記載される全ての要素(例えば、演出装置、図柄表示部、電動役物、入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示画面」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。