(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882829
(24)【登録日】2021年5月11日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】ショーケースの過着霜防止装置
(51)【国際特許分類】
A47F 3/04 20060101AFI20210524BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20210524BHJP
F25D 21/02 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
A47F3/04 Q
F25D11/00 101E
F25D21/02 B
F25D21/02 F
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-50742(P2017-50742)
(22)【出願日】2017年3月16日
(65)【公開番号】特開2018-153278(P2018-153278A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000213493
【氏名又は名称】中野冷機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088720
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞一
(72)【発明者】
【氏名】藤原 健太
(72)【発明者】
【氏名】萩谷 修太郎
【審査官】
石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−242078(JP,A)
【文献】
特開2002−267295(JP,A)
【文献】
特開平05−272853(JP,A)
【文献】
特開2001−153532(JP,A)
【文献】
特開2013−242079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 1/00−3/14
A47F 11/00−11/10
F25D 11/00−16/00
F25D 21/02
F25D 27/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショーケースにおける商品が陳列される商品陳列庫の庫内温度を検出する庫内温度検出部と、
前記商品陳列庫内に吹出す冷気の吹出温度を検出する吹出温度検出部と、
除霜運転が行われた後のプルダウン時間を検出するプルダウンタイマと、
前記庫内温度検出部により検出された庫内温度と、前記吹出温度検出部により検出された吹出温度と、前記プルダウンタイマにより検出されたプルダウン時間とから前記ショーケースに過着霜が発生する傾向であることを判定する判定部と、
前記判定部が過着霜が発生する傾向であると判定した場合の判定結果を報知する報知部と、
を有することを特徴とするショーケースの過着霜防止装置。
【請求項2】
前記判定部は、検出した前記庫内温度と前記吹出温度と前記プルダウン時間とを、過去の指定した日における前記庫内温度と前記吹出温度と前記プルダウン時間と比較し、その差が一定値以上となった場合に過着霜が発生する傾向であると判定することを特徴とする請求項1記載のショーケースの過着霜防止装置。
【請求項3】
前記判定部は、検出した前記庫内温度と過去の指定した日における前記庫内温度との差、検出した前記吹出温度と過去の指定した日における前記吹出温度との差の少なくとも一方と、検出した前記プルダウン時間と過去の指定した日における前記プルダウン時間との差が一定値以上となった場合に過着霜が発生する傾向であると判定することを特徴とする請求項2記載のショーケースの過着霜防止装置。
【請求項4】
検出した前記庫内温度と過去の指定した日における前記庫内温度との差、検出した前記吹出温度と過去の指定した日における前記吹出温度との差の少なくとも一方が一定値以上になった日と、検出した前記プルダウン時間と過去の指定した日における前記プルダウン時間との差が一定値以上になった日とは、同一の日に限らず異なる日である場合も含まれることを特徴とする請求項3記載のショーケースの過着霜防止装置。
【請求項5】
前記判定部により過着霜が発生する傾向であると判定された場合、臨時にデフロストを行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のショーケースの過着霜防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースの過着霜防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、冷蔵食品や冷凍食品、生鮮食品などの各種商品を陳列する商品陳列庫を備えたショーケースが設置されている。このようなショーケースでは、冷却器(蒸発器とも呼ばれる)の熱交換機能により空気が冷やされて冷気となり、その冷気によって商品陳列庫内に陳列されている商品が保冷される。
【0003】
冷却器が運転された場合には、冷却器の外周面や冷気が流れるダクト内に霜が付着する。そして、冷却器の外周面に霜が付着した場合には、冷却器の熱交換性能が低下して商品の保冷性能が低下するため、一定の頻度(例えば、1日に数回)でデフロスト(除霜)を行っている。
【0004】
しかしながら、様々な条件(例えば。商品陳列庫内の設定温度、ショーケース周囲の湿度等)によっては、デフロストが十分に行われず、除霜されない霜が次第に大きくなる現象(過着霜)が発生する。
【0005】
過着霜が発生すると、冷却器の熱交換性能が大きく低下して冷気が目的の温度まで低下しなくなり、商品陳列庫内の温度が上昇するとともに商品陳列庫内に陳列されている商品の温度が上昇し、その商品の品質が劣化する。そこで従来から、ショーケースの過着霜を防止するための各種の装置が提案されており、例えば、下記特許文献1、2に記載されたものが知られている。
【0006】
特許文献1には、庫内温度の変化率により過着霜の発生を判定する装置が記載されている。また、特許文献2には、庫内温度検出部の検出温度の変化と吹出温度検出部の検出温度の変化とに基づいて過着霜の発生傾向を知らせる装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−153532号公報
【特許文献2】特開2013−242078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1、2に記載された装置では、いずれも庫内温度が設定温度に上昇した後でないと過着霜の判定ができないため、商品の温度が上昇して商品の品質劣化を招いている。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、過着霜判定の信頼性を向上させることができ、特に、過着霜により商品陳列庫内の温度が設定値に上昇する前であっても過着霜が発生する傾向であることを判定することができるショーケースの過着霜防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るショーケースの過着霜防止装置は、ショーケースにおける商品が陳列される商品陳列庫の庫内温度を検出する庫内温度検出部と、前記商品陳列庫内に吹出す冷気の吹出温度を検出する吹出温度検出部と、除霜運転が行われた後のプルダウン時間を検出するプルダウンタイマと、前記庫内温度検出部により検出された庫内温度と、前記吹出温度検出部により検出された吹出温度と、前記プルダウンタイマにより検出されたプルダウン時間とから前記ショーケースに過着霜が発生する傾向であることを判定する判定部と、前記判定部が過着霜が発生する傾向であると判定した場合の判定結果を報知する報知部と、を有する。
【0011】
また、上述のショーケースの過着霜防止装置において、前記判定部は、検出した前記庫内温度と前記吹出温度と前記プルダウン時間とを、過去の指定した日における前記庫内温度と前記吹出温度と前記プルダウン時間と比較し、その差が一定値以上となった場合に過着霜が発生する傾向であると判定することが好ましい。
【0012】
また、上述のショーケースの過着霜防止装置において、前記判定部は、検出した前記庫内温度と過去の指定した日における前記庫内温度との差、検出した前記吹出温度と過去の指定した日における前記吹出温度との差の少なくとも一方と、検出した前記プルダウン時間と過去の指定した日における前記プルダウン時間との差が一定値以上となった場合に過着霜が発生する傾向であると判定することが好ましい。
【0013】
また、上述のショーケースの過着霜防止装置において、
検出した前記庫内温度と過去の指定した日における前記庫内温度との差、検出した前記吹出温度と過去の指定した日における前記吹出温度との差の少なくとも一方が一定値以上になった日と、検出した前記プルダウン時間と過去の指定した日における前記プルダウン時間との差が一定値以上になった日とは、同一の日に限らず異なる日である場合も含まれることが好ましい。
【0014】
また、上述のショーケースの過着霜防止装置において、前記判定部により過着霜が発生する傾向であると判定された場合、臨時にデフロストを行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
過着霜が発生する傾向である場合は、商品陳列庫の庫内温度が上昇し、商品陳列庫内に吹出す冷気の吹出温度が上昇し、プルダウン時間が延びるので、庫内温度と吹出温度とプルダウン時間とから過着霜が発生する傾向であることを判定することができる。特に、冷却器に霜が着いた場合には、庫内温度や吹出温度が変化しなくてもプルダウン時間が延びる傾向にあるため、プルダウン時間を判定項目に入れることにより過着霜が発生する傾向であることの判定の信頼性を向上させることができる。
【0016】
また、検出した庫内温度と吹出温度とプルダウン時間とを、過去の指定した日における庫内温度と吹出温度とプルダウン時間と比較し、その差が一定値以上となった場合に過着霜が発生する傾向であると判定するので、庫内温度が設定値に上昇したり吹出温度が設定値に上昇したりする前であっても過着霜が発生する傾向であることを判定することができ、過着霜が発生する傾向であることの判定の信頼性を向上させることができる。
【0017】
また、検出した庫内温度と過去の指定した日における庫内温度との差、検出した吹出温度と過去の指定した日における吹出温度との差の少なくとも一方と、検出したプルダウン時間と過去の指定した日におけるプルダウン時間との差が一定値以上となった場合に過着霜が発生する傾向であると判定するので、一つの判定結果に基づく誤判定を防止して判定の信頼性を向上させることができる。
【0018】
また、比較した庫内温度と吹出温度との少なくとも一方が一定値以上になった日と、比較したプルダウン時間が一定値以上になった日とは、同一の日である場合に限らず異なる日である場合も含まれるので、過着霜が発生する傾向であることの判定の信頼性を向上させることができる。
【0019】
また、過着霜が発生する傾向であると判定された場合、臨時にデフロストを行うことにより、過着霜の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】庫内温度検出部が検出した商品陳列庫内の温度の変化を示すグラフである。
【
図3】過着霜が発生する傾向にあることの判定について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1はショーケース1の概略構成図であり、このショーケース1は、断面形状コの字型のショーケース本体2を有し、ショーケース本体2の内部には商品が陳列される商品陳列庫3が設けられている。さらに、このショーケース1は、冷気を生成してその冷気を商品陳列庫3内に吹出すことにより商品陳列庫3内に陳列されている商品を保冷する冷凍機4と、この冷凍機4を制御するための制御装置5とを備えている。
【0022】
商品陳列庫3内には、商品陳列庫3の庫内温度を検出する庫内温度検出部6と、冷凍機4により生成されて商品陳列庫3内に吹出す冷気の温度を検出する吹出温度検出部7とが設けられている。これらの庫内温度検出部6と吹出温度検出部7とは制御装置5に電気的に接続され、検出した温度を制御装置5に出力する。
【0023】
ショーケース本体2の内側には冷凍機4により生成された冷気が流れるダクト(図示せず)が設けられており、ダクト内を流れた冷気がショーケース本体2の上部に設けられた冷気吹出口(図示せず)から下向きに吹出し、吹出した冷気が商品陳列庫3の正面を覆う冷気のエアカーテンを形成する。冷気吹出口の近傍に、吹出温度検出部7が配置されている。
【0024】
冷凍機4は、冷媒を圧縮する圧縮機8と、圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器9と、凝縮された液冷媒が溜められる受液器10と、受液器10からの液冷媒の流れ出しを断続する開閉弁11と、開閉弁11を通過した液冷媒を減圧する減圧弁12と、減圧された液冷媒が気化される冷却器13とを備えており、冷却器13はショーケース本体2のダクト内に配置されている。また、冷却器13には除霜ヒータ14が取付けられており、冷却器13の表面に霜が着いた場合に除霜ヒータ14を運転し、付着した霜を除霜する。
図1中の矢印は、圧縮機8で圧縮された冷媒の流れ方向を示している。
【0025】
制御装置5は、冷凍機4を制御することにより商品陳列庫3内の温度を目的温度に維持して商品陳列庫3内の商品を保冷するためのマイクロコンピュータ構成の装置である。この制御装置5は、プルダウンタイマ15と、各種情報や各種プログラムを記憶する記憶部16と、入力部17と、判定部18と、報知部19とを備えている。
【0026】
プルダウンタイマ15は、圧縮機8の運転を停止するとともに除霜ヒータ14を駆動させる除霜運転が行われた後、商品陳列庫3内の温度を目標温度に戻すための急速冷凍運転(プルダウン)を行った場合において、その急速冷凍運転の時間(プルダウン時間)を検出する。検出したプルダウン時間は、検出した日付と共に記憶部16に記憶される。
【0027】
記憶部16は、冷凍機4を制御するための各種プログラムを記憶しており、さらに、庫内温度検出部6により検出された庫内温度、吹出温度検出部7により検出された検出温度、プルダウンタイマ15により検出されたプルダウン時間を検出した日付と共に記憶し、入力部17から入力された内容を記憶する。なお、この記憶部16としては、メモリやハードディスクドライブなどを用いることができる。
【0028】
入力部17は、操作者により各種の入力が行われる部分である。この入力部17で行われる入力操作としては、冷凍機4を運転する時間、判定部18で判定を行う際に現在検出している庫内温度、吹出温度、プルタイマ時間とを過去の庫内温度、吹出温度、プルタイマと比較する場合における過去の日付が挙げられる。入力部17から入力された内容は、記憶部16に記憶される。
【0029】
判定部18は、庫内温度検出部6により検出された庫内温度と、吹出温度検出部7により検出された吹出温度と、プルダウンタイマ15により検出されたプルダウン時間とを、過去の指定した日における、庫内温度記と吹出温度とプルダウン時間と比較し、その差が一定値以上となった場合に過着霜が発生する傾向であると判定する。過去の指定した日に関しては、1日だけではなく、複数の日(例えば、週単位で4つまで)を指定することができる。
【0030】
より詳しくは、判定部18では、検出した庫内温度と過去の指定した日における庫内温度との差、検出した吹出温度と過去の指定した日における吹出温度との差の少なくとも一方が一定値以上となり、かつ、検出したプルダウン時間と過去の指定した日における前記プルダウン時間との差が一定値以上となった場合に過着霜が発生する傾向であると判定する。なお、ここでいう一定値とは、庫内温度に関しては、過着霜が発生するときの庫内温度と過着霜が発生しないときの庫内温度との差より小さい値であり、吹出温度に関しては、過着霜が発生するときの吹出温度と過着霜が発生しないときの吹出温度より小さい値であり、プルダウン時間に関しては、過着霜が発生するときのプルダウン時間と過着霜が発生しないときのプルダウン時間との差よりも小さい値とされている。
【0031】
また、庫内温度、吹出温度、プルダウン時間の比較結果に関し、庫内温度と吹出温度との少なくとも一方の差が一定値以上となった場合と、プルダウン時間の差が一定値以上になった日とは、同一の日に限らず、異なる日である場合も含まれる。例えば、検出した庫内温度と一週間前の庫内温度との差が一定値以上になり、検出したプルダウン時間と二週間前のプルダウン時間との差が一定値以上となった場合も含まれる。
【0032】
報知部19は、判定部18において過着霜が発生する傾向であると判定された場合に、その旨を報知する装置である。報知の態様としては、アラーム等の警報音を発報させてもよく、又は、ランプを発光させてもよい。特に、ショーケース1の保守点検の担当者に対して報知できる態様であることが望ましい。
【0033】
このような構成において、ショーケース1が運転されている場合には、冷凍機4が駆動されることにより生成された冷気による商品陳列庫3内の商品の保冷が行われ、また、定期的に冷却器13の除霜(デフロスト)が行われる。
図2は、庫内温度検出部6が検出した商品陳列庫3内の温度の変化を示している。Aの範囲において除霜が行われ、Bの範囲でプルダウンが行われ、Cの範囲で商品を保冷するための温度調節が行われる。ここで、A+B+Cが冷凍機4の1サイクルであり、判定部18で判定する場合における庫内温度とは、B+Cの範囲において庫内温度検出部6が所定の間隔(例えば、1分)毎に検出した検出値の積算値を意味している。また、判定部18で判定する場合における吹出温度とは、B+Cの範囲において吹出温度検出部7が所定の間隔(例えば、1分)毎に検出した検出値の積算値を意味する。
【0034】
そして、判定部18においては、庫内温度検出部6により検出された庫内温度と、吹出温度検出部7により検出された吹出温度の変化と、プルダウンタイマ15により検出されたプルダウン時間とを、過去の指定した日における、庫内温度と、吹出温度と、プルダウン時間と比較し、その比較結果に応じて過着霜が発生する傾向であるか否かを判定する。
【0035】
過着霜が発生する傾向であることの判定について、
図3のフローチャートに基づいて説明する。まず、ショーケース1の運転中において、庫内温度と、吹出温度と、プルダウン時間とが検出される(ステップS1)。
【0036】
ついで、検出した庫内温度、吹出温度、プルダウン時間が、過去の指定した日における庫内温度、吹出温度、プルダウン時間と比較される(ステップS2)。
【0037】
そして、検出した庫内温度と過去の指定した日における庫内温度との差、検出した吹出温度と過去の指定した日における吹出温度との差の少なくとも一方が、一定値以上となったか否かが判定される(ステップS3)。
【0038】
ステップS3において、庫内温度と吹出温度との差の少なくとも一方が一定値以上になっていると判定された場合には(ステップS3のYES)、検出したプルダウン時間と過去の指定した日におけるプルダウン時間との差が一定値以上となったか否かが判定される(ステップS4)。
【0039】
ステップS4において、プルダウン時間の差が一定値以上になったと判定された場合には(ステップS4のYES)、ショーケース(特に、冷却器13)1に過着霜が発生する傾向であると判定される(ステップS5)。
【0040】
ステップS5において過着霜が発生する傾向であると判定された場合には、その旨が報知部19から報知される(ステップS6)。この報知が行われることにより、ショーケース1の保守点検の担当者は、過着霜が発生しないようにするための何らかの対策を講じることになる。
【0041】
さらに、ステップS6において報知部19からの報知が行われた場合には、臨時にデフロストが行われる(ステップS7)。この臨時のデフロストにより、過着霜の発生を自動的に未然に防止することができる。
【0042】
本実施形態によれば、過着霜が発生する傾向であることの判定において、現在の庫内温度と吹出温度とプルダウン時間とを、過去の指定した日における庫内温度と吹出温度とプルダウン時間と比較してその差が一定値以上となった場合に過着霜が発生する傾向であると判定しているため、庫内温度や吹出温度が設定値に上昇する前に過着霜が発生する傾向であることを判定することができ、特に、冷却器に霜が着いた場合には、庫内温度や吹出温度が変化しなくても延びる傾向であるプルダウン時間を判定項目に入れていることにより、過着霜が発生する傾向であることの判定の信頼性を向上させることができる。さらに、比較した庫内温度と吹出温度との少なくとも一方が一定値以上になった日と、比較したプルダウン時間が一定値以上になった日とは、同一の日である場合に限らず異なる日である場合も含まれるので、過着霜が発生する傾向であることの判定の信頼性をより一層向上させることができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、ステップ3において、検出した庫内温度と過去の指定した日における庫内温度との差、検出した吹出温度と過去の指定した日における吹出温度との差の少なくとも一方が一定値以上となったか否かを判定し、その判定結果がYESの場合に、ステップ4において、検出したプルダウン時間と過去の指定した日におけるプルダウン時間との差が一定値以上となったか否かが判定する場合を例に挙げて説明している。しかし、これらのステップS3とステップS4との判定については、ステップS4の判定を先に行い、その判定結果がYESの場合にステップS3の判定を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 ショーケース
2 ショーケース本体
3 商品陳列庫
4 冷凍機
5 制御装置
6 庫内温度検出部
7 吹出温度検出部
8 判定部
9 凝縮器
10 受液器
11 開閉弁
12 減圧弁
13 冷却器
14 除霜ヒータ
15 プルダウンタイマ
16 記憶部
17 入力部
18 判定部
19 報知部