(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体に熱結合されるとともに、前記薄いスリット部を通り流れる前記液体接着材を前記塗布温度まで加熱するように構成される、1つ又は複数の追加の加熱素子を更に備える、請求項1に記載の熱交換装置。
前記流体通路は、前記入口と前記薄いスリット部との間の入口部と、前記薄いスリット部と前記出口との間の出口部と、を有し、該入口部及び該出口部は、前記流体流れ方向に沿う長さと、前記流体流れ方向に対して横断方向の、第3の寸法及び第4の寸法を有する輪郭とを有し、前記第3の寸法は前記第4の寸法より大きい、請求項1に記載の熱交換装置。
前記温度センサーはある位置に位置させ、該位置では、前記液体接着材が該位置から前記出口まで流れるのにかかる時間が、前記熱交換装置が、前記流体通路内を流れる前記液体接着材の前記温度を、所望の温度に変化させるのにかかる時間に略等しい、請求項4に記載の熱交換装置。
前記本体は、概ね同心に構成される第1の本体セグメント、第2の本体セグメント、及び第3の本体セグメントを含み、該第2の本体セグメントは、概ね該第1の本体セグメントの径方向内側にあり、該第3の本体セグメントは、概ね該第2の本体セグメントの径方向内側にあり、
前記流体通路の前記薄いスリット部は、前記第1の本体セグメントと前記第2の本体セグメントとの間に画定される、請求項1に記載の熱交換装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に援用されるとともに本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示し、上記で述べた本発明の包括的な説明及び以下で述べる実施形態の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0011】
図面を包括的に参照すると、液体接着材が吐出装置によって吐出される前に、その液体接着材を加熱するのに有用である、例示的な熱交換装置が示されている。詳細には、これらの熱交換装置は、液体接着材を接着用途に好適な塗布温度まで加熱するように構成される。これらの熱交換装置は、薄いスリット部を有する流体通路を備える。この薄いスリット部を通して液体接着材が送られ加熱される。薄いスリット部は、液体接着材が速やかに十分に加熱される領域を呈する。以下の記載から明らかになるように、これらの熱交換装置は、液体接着材をこれらの熱交換装置によって接着用途に向けた塗布温度まで加熱する前までは、より低温に維持することを可能にする。
【0012】
本明細書において用いられるように、液体接着材という用語は、少なくとも2つの一般的なタイプの接着用途に用いられる前に加熱される液体接着材を示す。第1のタイプの液体接着材は、固体又は半固体の未溶融ホットメルト接着材が加熱及び溶融されて、液状のホットメルト接着材を形成するときに作られる。第2のタイプの液体接着材は、室温条件において、液体、すなわち流動するように概ね液状である。
【0013】
図1〜
図3から始めると、熱交換装置10は、通常、入口14及び出口16を有する本体12を備える。入口14は、液体接着材を供給する接着剤供給源18等から液体接着材の流れを受け取るように構成される。接着剤供給源18は、熱交換装置10の上流の構成要素を包括的に含み、例えば、タンク、グリッド、リザーバー、マニホールド、及びホースのうちの任意のもの又は全てを含むことができる。接着剤供給源18は、任意選択的に液体接着材を加熱してもよい。熱交換装置10の本体12の出口16は、熱交換装置10において加熱された液体接着材を吐出装置20に供給するように構成される。
【0014】
本体12には、流体通路22が画定され、流体通路22は入口14と出口16とを接続する。熱交換装置10は、流体通路22を通り流れる液体接着材を加熱するように構成される。流体通路22は、入口部24と、出口部26と、入口部24と出口部26との間に位置する薄いスリット部28とを有する。これらの部分24、26、28の全ては、入口14と出口16との間の流体流れ方向に沿う長さを有する。詳細には、入口部24は長さ30を有し、出口部26は長さ32を有し、薄いスリット部28は長さ34を有する。伝熱工学の法則に基づき、薄いスリット部28は、他の流体流れ部に比較して、単数又は複数の最も高いヌセルト数を有することが理解される。
【0015】
図示の実施形態では、本体12は概ね同心に構成される本体セグメントを含む。この本体セグメントには、第1の本体セグメント40と、第2の本体セグメント42と、第3の本体セグメント44とが含まれる。
図2及び
図3を参照すると、第1の本体セグメント40は概ね、第2の本体セグメント42及び第3の本体セグメント44の双方の径方向外側にある。第2の本体セグメント42は、第1の本体セグメント40の第1の端部46付近で第1の本体セグメント40内に支持される。このように、第2の本体セグメント42は概ね、第1の本体セグメント40の径方向内側にある。
【0016】
第3の本体セグメント44は、第1の本体セグメント40の第2の端部48付近で第1の本体セグメント40内に支持される。第3の本体セグメント44は、第2の本体セグメント42内にも支持される。このように、第3の本体セグメント44は概ね、第1の本体セグメント40及び第2の本体セグメント42の径方向内側にある。
【0017】
第1の本体セグメント40は、略六角形状の外面50を有する。本体12については、第1の本体セグメント40を含めて、他の形状構成が可能であることが理解される。第1の本体セグメント40は、図示のように、第2の本体セグメント42及び第3の本体セグメント44に係合するようにコンター加工(contoured)される内面52も有する。第1の本体セグメント40の外面50と内面52との間に、加熱素子56を収める穴54が形成される。それにより、加熱素子56は本体12に熱結合される。図示の実施形態では、第1の本体セグメント40は、6つまでの加熱素子56を収める6つの穴54を有するが、異なる数の穴及び加熱素子を用いることもできる。加熱素子56を本体12に熱結合するのに、他の構成が可能であることが理解される。本体12の本体セグメント40、42、44を含めて、本体12は、加熱素子56によって生成される熱が、本体12を通して、流体通路22を通り流れる液体接着材まで伝達されるように、伝熱材料で形成してもよい。
【0018】
第2の本体セグメント42は、第1の本体セグメント40の第1の端部46付近に位置する基部60を有する。出口16は基部60にある。また、流体通路22の出口部26は、概ね基部60内に画定される。
【0019】
また、第2の本体セグメント42は、基部60から第1の本体セグメント40の第2の端部48に向かって延在する延在部62を有する。延在部62は、略開放円筒形状であり、外面64及び内面66を有する。延在部62は、末端部68において終端する。
【0020】
第3の本体セグメント44は、略開放円筒形状であり、外面70及び内面72を有する。第3の本体セグメント44は、末端部74において終端する。流体通路22の入口部24は、概ね第3の本体セグメント44の内面72の内側に画定される。
【0021】
流体通路22の薄いスリット部28は、第3の本体セグメント44と第2の本体セグメント42との間、及び第2の本体セグメント42と第1の本体セグメント40との間において、部分的に画定される。詳細には、第3の本体セグメント44の外面70と第2の本体セグメント42の内面66との間に、薄いスリット部28の第1の区間80が画定される。第3の本体セグメント44の末端部74付近で、遷移部82が、入口部24を第1の区間80に接続する。
【0022】
第2の本体セグメント42の外面64と第1の本体セグメント40の内面52との間に、薄いスリット部28の第2の区間84が画定される。第2の本体セグメント42の末端部68の付近で、遷移部86が薄いスリット部28の第1の区間80と第2の区間84とを接続する。
【0023】
薄いスリット部28の第2の区間84は、遷移部88によって流体通路22の出口部26に接続される。したがって、薄いスリット部の長さ34は、概して、第1の区間80及び第2の区間84の長さを含む。
【0024】
したがって、流体通路22は本体12内で迂曲路をたどる。このことは、所与のサイズの本体12について、流体通路22の長さを増大し、また、流体通路22を通り流れる液体接着材をいくらか混合する役目を果たす場合がある。また、流体通路22の長さを増大することにより、流体通路22における液体接着材の滞留時間が増大する場合がある。
【0025】
液体接着材は、以下のように熱交換装置10を通り流れる。最初に、液体接着材は、入口14に入り、流体流れ方向に流体通路22の入口部24に入り、出口16に向かって流れる。液体接着材は、入口部24から、遷移部82を通って、薄いスリット部28の第1の区間80に流れ込む。液体接着材は、第1の区間80から、遷移部86に向かって、薄いスリット部28の第2の区間84に流れ込む。液体接着材は、第2の区間84から、遷移部88を通って、出口部26に流れ込む。最終的に、液体接着材は、出口部26を通り流れ、出口16を通って出る。液体接着材は、薄いスリット部28を含む流体通路22を通り流れる際に加熱される。
【0026】
特に
図3を参照すると、薄いスリット部28の特徴部が更に示されている。再度述べるが、薄いスリット部28は、第1の区間80及び第2の区間84を有する。
図3は、流体通路22における流体流れ方向に対して横断方向の断面図を示している。この図に示されているように、薄いスリット部28の第1の区間80は、第3の本体セグメント44の外面70と第2の本体セグメント42の内面66との間に画定される。また、薄いスリット部28の第2の区間84は、第2の本体セグメント42の外面64と第1の本体セグメント40の内面52との間に画定される。
【0027】
入口部24は、流体流れ方向に対して横断方向の、略円形状の輪郭を有する。この輪郭は、高さ寸法90及び幅寸法92を特徴とする。入口部24の輪郭は略円形であるため、高さ寸法90と幅寸法92とは、略等しい。高さ寸法90と幅寸法92とが等しいか、又は略等しい限り、入口部24について他の形状の輪郭も可能である(これは、例えば、正方形状、矩形状、又は楕円形状の輪郭のとき当てはまる)。
【0028】
出口部26は、
図3には示されていないが、流体流れ方向に対して横断方向の、略円形状の輪郭を有する点において、入口部24と同様である。出口部26も、入口部24に関して上述したように、等しいか、又は略等しい高さ寸法及び幅寸法を特徴とする。
【0029】
また、
図3は、薄いスリット部28の第1の区間80及び第2の区間84が、流体流れ方向に対して横断方向の環形状の輪郭を有することを示している。これらの環形状は、それぞれ、第1の区間80及び第2の区間84の環形状の円周である第1の寸法94、96を特徴とする。これらの環形状は、それぞれ、第1の区間80及び第2の区間84の環形状の径方向厚さである第2の寸法98、100も特徴とする。環形状の円周94、96は、径方向厚さ98、100よりも実質的に大きい。さらに、薄いスリット部の長さ34と、薄いスリット部の第1の区間80及び第2の区間84の長さとは、全て、径方向厚さ98、100よりも実質的に大きい。
【0030】
流体通路22の薄いスリット部28は、熱交換装置10内の、本体12の大表面積部が比較的少量の液体接着材に接触する領域を呈する。このような条件下で、熱は、速やかかつ効果的に本体12から液体接着材に伝達される。詳細には、本体12から伝達される熱は、薄いスリット部28の、それぞれ径方向厚さ98、100の第1の区間80及び第2の区間84を通り流れる全ての量の液体接着材にわたって拡散する。それにより、第1の区間80及び第2の区間84内を流れる液体接着材は均一かつ十分に加熱される。結果として、液体接着材が局所的かつ不均一に加熱される可能性は低く、熱交換装置10は、液体接着材の加熱に対する有利な制御を提供する。
【0031】
図2に示されているように、熱交換装置10は、流体通路22を通り流れる液体接着材の温度、特に出口16から出る液体接着材の温度を測定する温度センサー102を備えることができる。図示の実施形態では、温度センサー102は、本体12の第2の本体セグメント42において、本体12に結合されている。温度センサー102は、液体接着材が熱交換装置10によって少なくとも部分的に加熱された後に、その液体接着材の温度を測定する場所に位置することが有利である。例えば、図示のように、温度センサー102は、薄いスリット部28の第2の区間84を出口部26に接続する遷移部88付近に位置する。液体接着材は、遷移部88に到達するとき、大部分ではなくとも少なくとも部分的に加熱されている。温度センサー102は、加熱素子56のうちのいずれか1つに対するよりも、(自身の流体通路22に最も近い点において)流体通路22に対して近接していることも留意される。温度センサー102が、接着剤流体流路、すなわち流体通路22に近接することの別の付加的な限定として、センサー102から流体通路22までの最短距離は、流体通路22の全長の1/10未満、好ましくは、流体通路22の全長の1/20未満であるものとする。上述したように、薄いスリット部28は、流体通路22を通り流れる液体接着材の均一で十分な加熱を促進する。結果として、温度センサー102によって取得される温度測定値は、液体接着材が熱交換装置10によって少なくとも部分的に加熱された後の、液体接着材の温度を正確に反映する。温度センサー102は、他の好適な場所に位置させることもできることが理解される。
【0032】
いくつかの実施形態において、温度センサー102は、熱交換装置10が測定された温度値に速やかに応答することができるような場所に位置する。特に、温度センサー102は、流体通路22内を流れる液体接着材の温度を測定するように、ある場所に位置させることができる。この場所では、(1)液体接着材がこの場所から出口16まで流れるのにかかる時間が、(2)流体通路22内を流れる液体接着材の温度を熱交換装置10が所望の温度に変化させるのにかかる時間に略等しい。
【0033】
次に
図4〜
図8を参照すると、アセンブリ110が、熱交換装置112と吐出装置114と吐出装置114を制御する制御装置116とを含む。図示のように、熱交換装置112は、吐出装置114に直接結合される。吐出装置114は、吐出開口118からの液体接着材の流れを制御する内部弁機構を備える。吐出装置114の弁機構は、この弁機構の動作を制御する制御装置116の空気導管120、122に結合される。
【0034】
熱交換装置112は、入口132及び出口134を有する本体130を備える。入口132は、液体接着材を供給する接着剤供給源136等から、液体接着材の流れを受け取るように構成される。接着剤供給源136は、熱交換装置112の上流の構成要素を包括的に含み、例えば、タンク、グリッド、リザーバー、マニホールド、及びホースのうちの任意のもの又は全てを含むことができる。接着剤供給源136は、液体接着材を任意選択的に加熱してもよい。熱交換装置112の出口134は、吐出装置114の入口に直接結合されて、熱交換装置112において加熱された液体接着材を吐出開口118を通して吐出されるよう吐出装置114に直接供給するように構成される。
【0035】
流体通路140は本体130に画定され、流体通路140は入口132と出口134とを接続する。熱交換装置112は、流体通路140を通り流れる液体接着材を加熱するように構成される。流体通路140は、入口部142と、出口部144と、入口部142と出口部144との間の薄いスリット部146とを有する。これらの部分142、144、146の全ては、入口132と出口134との間の流体流れ方向に沿う長さを有する。詳細には、入口部142は長さ148を有し、出口部144は長さ150を有し、薄いスリット部146は長さ152を有する。
【0036】
本体130は、第1の外壁154と、第1の外壁154に概ね対向する第2の外壁156とを有する。また、本体130は、第1の外壁154と第2の外壁156との間に、第1の外壁154及び第2の外壁156から離間(spaced from)して位置するブロック体158も備える。ブロック体158は、第1の外壁154と第2の外壁156とにそれぞれ面する外面160、162を有する。
【0037】
また、本体130は、基部166に概ね対向する頂部164を有し、ブロック体158は、概ね頂部164と基部166との間に位置している。流体通路140の入口132及び入口部142は、概ね頂部164にある。流体通路140の出口134及び出口部144は、概ね基部166にある。
【0038】
ブロック体158の外面160、162間に、加熱素子170を収める穴168が形成される。それにより、加熱素子170は本体130に熱結合される。図示の実施形態では、ブロック体158は、2つまでの加熱素子170を収める2つの穴168を有するが、異なる数の穴及び加熱素子を用いることもできる。加熱素子170を本体130に熱結合する他の構成が可能であることが理解される。
【0039】
本体12と同様に、本体130は、穴168内の加熱素子170によって生成される熱が、本体130を通して、流体通路140を通り流れる液体接着材に伝達されるように、伝熱材料で形成してもよい。
【0040】
ブロック体158と、第1の外壁154及び第2の外壁156のうちの少なくとも一方又は双方との間に、流体通路140の薄いスリット部146が画定される。詳細には、第1の外壁154と、ブロック体158の外面160との間に、薄いスリット部146の第1の区間172が画定される。第2の外壁156と、ブロック体158の外面162との間に、薄いスリット部146の第2の区間174が画定される。第1の区間172及び第2の区間174は、流体通路140に沿う予備(alternative)路を呈し、そのため、薄いスリット部の長さ152は、第1の区間172及び第2の区間174のうちのいずれの長さとも略等しい。
【0041】
遷移部176は、流体通路140の入口部142を薄いスリット部146の第1の区間172に接続する。同様に、遷移部178は、流体通路の入口部142を薄いスリット部146の第2の区間174に接続する。遷移部176、178は、本体130の頂部164内に概ね位置する。
【0042】
本体130の他方の端に向かって、遷移部180は、薄いスリット部146の第1の区間172を流体通路140の出口部144に接続する。同様に、遷移部182は、薄いスリット部146の第2の区間174を流体通路140の出口部144に接続する。遷移部180、182は、本体130の基部166内に概ね位置する。
【0043】
液体接着材は、遷移部176、178を通り(薄いスリット部146に入り)、遷移部180、182を通って(薄いスリット部から)流れることは、流体通路140を通り流れる液体接着材をいくらか混合する役目を果たす場合がある。
【0044】
任意選択的に、
図6に示されているように、熱交換装置112は、流体通路140を通り流れる液体接着材を濾過するフィルター190を備えることができる。フィルター190は、流体通路140の出口部144に結合され、流体通路内を流れる液体接着材を濾過する。
【0045】
液体接着材は、以下のように熱交換装置112を通り流れる。最初に、液体接着材は、入口132に入り、流体流れ方向に流体通路140の入口部142に入り、出口134に向かって流れる。液体接着材は、入口部142から、(1)遷移部176を通って、薄いスリット部146の第1の区間172に流れ込むか、又は、(2)遷移部178を通って、薄いスリット部146の第2の区間174に流れ込む。液体接着材は、第1の区間172及び第2の区間174から、遷移部180、182を通って、流体通路140の出口部144に流れ込む。液体接着材は、出口部144に入り、備えられる場合、フィルター190を通り流れる。最終的に、液体接着材は、出口部144を通り流れ、出口134から出て、吐出装置114の入口において直接受け取られる。液体接着材は、薄いスリット部146内を含めて、流体通路140を通り流れる際に加熱される。
【0046】
流体通路140の薄いスリット部146は、熱交換装置112内の本体130の大表面積部が比較的少量の液体接着材に接触する領域を呈する。このような条件下で、上述したように、熱は、速やかかつ効果的に本体130から液体接着材に伝達される。詳細には、本体130から伝達された熱は、薄いスリット部146の第1の区間172及び第2の区間174を通り流れる全ての量の液体接着材にわたって拡散する。それにより、第1の区間172及び第2の区間174内を流れる液体接着材は均一に十分に加熱される。結果として、液体接着材が局所的かつ不均一に加熱される可能性は低く、熱交換装置112は、液体接着材の加熱に対する有利な制御を提供する。
【0047】
図6及び
図7に示されているように、アセンブリ110又は熱交換装置112は、流体通路140を通り流れる液体接着材の温度、特に出口134から出る液体接着材の温度を測定する温度センサー196を備えることができる。図示の実施形態では、温度センサー196は、本体130に、本体130のブロック体158において概ね加熱素子170間に結合されている。温度センサー196は、液体接着材が熱交換装置112によって少なくとも部分的に加熱された後に、その液体接着材の温度を測定する場所に位置することが有利である。例えば、図示のように、温度センサー196は、薄いスリット部146の第1の区間172及び第2の区間174付近の、概ね入口部142と出口部144との間の中間に位置する。液体接着材は、この場所に到達するとき、大部分にではなくとも少なくとも部分的に加熱されている。上述したように、薄いスリット部146は、流体通路140を通り流れる液体接着材の均一で十分な加熱を促進する。結果として、温度センサー196によって取得される温度測定値は、液体接着材が熱交換装置112によって少なくとも部分的に加熱された後の、液体接着材の温度を正確に反映する。温度センサー196は、他の好適な場所に位置させることもできることが理解される。
【0048】
いくつかの実施形態において、温度センサー196は、熱交換装置112が測定された温度値に速やかに応答することができるような場所に位置される。特に、温度センサー196は、流体通路140内を流れる液体接着材の温度を測定するように、ある場所に位置させることができる。この場所では、(1)液体接着材がこの場所から出口134まで流れるのにかかる時間が、(2)流体通路140内を流れる液体接着材の温度を熱交換装置10が所望の温度に変化させるのにかかる時間に略等しい。
【0049】
図8を参照すると、薄いスリット部146の特徴部が更に示されている。
図8は、流体通路140における流体流れ方向に対して横断方向の断面図を示している。ブロック体158は、第1の外壁154と第2の外壁156との間に、第1の外壁154及び第2の外壁156から離間して位置する。第1の外壁154と、ブロック体158の外面160との間に、薄いスリット部146の第1の区間172が画定される。第2の外壁156と、ブロック体158の外面162との間に、薄いスリット部146の第2の区間174が画定される。
【0050】
また、
図8は、薄いスリット部146の第1の区間172及び第2の区間174が、流体流れ方向に対して横断方向の、四辺形状の輪郭を有することを示している。これらの四辺形状は、概ね同様であり、四辺形の幅である第1の寸法192と、四辺形の厚さである第2の寸法194とを特徴とする。四辺形状の幅192は、厚さ194よりも実質的に大きい。さらに、薄いスリット部の長さ152は、厚さ194よりも実質的に大きい。
【0051】
次に
図9及び
図10を参照すると、液体接着剤システム200が、概して、接着剤供給源202と、吐出装置206と、熱交換装置208とを備える。液体接着剤システム200は、任意選択的には、図示のように、接着剤溶融装置204を備えることができる。
【0052】
接着剤供給源202は、吐出装置206によって吐出される液体接着材を供給するように構成される。接着剤溶融装置204は、存在する場合、接着剤供給源202の一部とすることができ、固体又は半固体の未溶融ホットメルト接着材を溶融し、液体接着材を形成するように構成される。
【0053】
吐出装置206は、熱交換装置208を介して接着剤供給源202に結合され、接着用途において液体接着材を吐出するように構成される。詳細には、熱交換装置208は、接着剤供給源202(又は、適切な場合、接着剤溶融装置204)及び吐出装置206に結合される。熱交換装置208は、液体接着材を接着用途に好適な塗布温度まで加熱するように構成される。熱交換装置208は、例えば、上述した熱交換装置10、112のうちのいずれかと同様とすることができる。
【0054】
熱交換装置208が熱交換装置10と同様である場合、
図9に示されているように、液体接着材が被加熱ホース210を通って熱交換装置208から吐出装置206に流れるように、熱交換装置208の出口と吐出装置206の入口との間に被加熱ホース210が延在する。
【0055】
熱交換装置208が熱交換装置112と同様である場合、
図10に示されているように、熱交換装置208の出口は、液体接着材が熱交換装置208から吐出装置206に直接供給されるように、吐出装置206の入口に直接結合される。
【0056】
また、液体接着剤システム200は、コントローラー210を備えることができる。図示のように、コントローラー210は、接着剤供給源202及び熱交換装置208に結合される。接着剤溶融装置204が備えられる場合、コントローラー210は、接着剤溶融装置204にも結合することができる。コントローラー210は、熱交換装置208を制御して、液体接着材を塗布温度まで加熱させるように構成される。コントローラー210は、接着剤供給源202(及び、適切な場合、接着剤溶融装置204)を制御して、液体接着材が、熱交換装置208において塗布温度まで加熱される前は接着用途に不適であるように、液体接着材を塗布温度よりも低い温度に維持させるようにも構成される。コントローラー210は1つのコントローラーとして示されているが、コントローラー210は、接着剤供給源202と、熱交換装置208と、接着剤溶融装置204とに対する複数のコントローラーを含み、本明細書に記載されているこれらの要素を制御することができることが理解される。
【0057】
使用の際、ホットメルト接着剤システム200は、接着用途に向けて液体接着材を吐出するように用意される。いくつかの実施形態において、ある供給量の固体又は半固体の未溶融ホットメルト接着材を、接着剤溶融装置204によって溶融し、液体接着材を形成する。これらの実施形態又は他の実施形態において、ある供給量の固体又は半固体の未溶融ホットメルト接着材は、華氏300度未満等、塗布温度未満の温度に加熱してもよい。
【0058】
液体接着材は、接着剤供給源202(又は接着剤溶融装置204)から熱交換装置208に送られる。液体接着材は、熱交換装置208(再び述べるが、熱交換装置10、112のうちのいずれかと同様とすることができる)の流体通路22、140の薄いスリット部28、146を通して送られる。流体通路22、140における液体接着材は、塗布温度まで加熱される。いくつかの実施形態において、特に、ある供給量の固体又は半固体の未溶融ホットメルト接着材を溶融することによって作られる液体接着材の場合、塗布温度は華氏350度よりも高くてもよい。
【0059】
次に、液体接着材は、熱交換装置208から吐出装置206に送られる。次に、吐出装置206は、接着用途に向けて液体接着材を吐出するために用いられる。
【0060】
熱交換装置208が熱交換装置10と同様である場合、液体接着材は、熱交換装置208と吐出装置206との間の被加熱ホース210を通して送られる。
【0061】
塗布温度における液体接着材は、接着用途に好適である。しかし、液体接着材は、熱交換装置208において塗布温度まで加熱される前は塗布温度を下回る温度に維持される。それにより、液体接着材は、熱交換装置において塗布温度まで加熱される前は接着用途に不適である。上述したように、コントローラー210等のコントローラーは、熱交換装置208並びに接着剤供給源202(及び、備えられる場合、接着剤溶融装置204)を制御して、液体接着材が、熱交換装置208において塗布温度まで加熱されるが、熱交換装置208に到達する前は、塗布温度を下回る温度に維持されるように動作させることができる。
【0062】
本明細書に開示されているように、有利には、液体接着材が熱交換装置に到達するまで、塗布温度を下回る温度に液体接着材を維持することにより、液体接着材に対する高温によって引き起こされる劣化の影響を回避することができる。さらに、熱交換装置の上流にあるホットメルト接着剤システムの構成要素(接着剤供給源又は接着剤溶融装置等)をより低い温度で動作させることにより、エネルギーを節約することができる。さらに、流体通路の薄いスリット部を用いることにより、熱交換装置は薄いスリット部を通り流れる液体接着材を均一に十分に加熱する。
【0063】
本発明を本発明の特定の実施形態の記載によって説明し、これらの実施形態をかなり詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲の範囲をそのような詳細に限定するか又はいかようにも制限することは意図しない。本明細書において検討される種々の特徴は、単独で又は任意の組合せで用いてもよい。更なる利点及び変更形態が当業者には容易に明らかとなる。したがって、本発明はそのより広範な態様では、図示及び記載される特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに例示的な例に限定されない。したがって、包括的な発明の概念の範囲又は趣旨から逸脱することなくそのような詳細から逸脱してもよい。