(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882859
(24)【登録日】2021年5月11日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】運航管理システム
(51)【国際特許分類】
B63B 49/00 20060101AFI20210524BHJP
B63H 21/14 20060101ALI20210524BHJP
B63B 25/16 20060101ALI20210524BHJP
B63H 25/04 20060101ALI20210524BHJP
G01C 21/22 20060101ALI20210524BHJP
F17C 13/02 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
B63B49/00 Z
B63H21/14
B63B25/16 D
B63H25/04 C
G01C21/22
F17C13/02 302
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-133021(P2016-133021)
(22)【出願日】2016年7月5日
(65)【公開番号】特開2018-2011(P2018-2011A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 明洋
【審査官】
結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特許第4247497(JP,B2)
【文献】
特開平8−318899(JP,A)
【文献】
特開2015−74418(JP,A)
【文献】
特開2015−175488(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0324740(US,A1)
【文献】
特開2017−25736(JP,A)
【文献】
HASAN, M. M. Faruque, ZHENG, Alfred Minghan and KARIMI, I. A.,"Minimizing Boil-Off Losses in Liquefied Natural Gas Transportation",Industrial & Engineering Chemistry Research,米国,American Chemical Society,2009年 2月24日,Vol.48 No.21,pp.9571-9580,<DOI:10.1021/ie801975q>
【文献】
DOBROTA, Djordje, LALIC, Branko and KOMAR, Ivan,"Problem of Boil-off in LNG Supply Chain",Transactions on Maritime Science,HR,Faculty of Maritime Studies,2013年 2月,Vol.2 No.2,pp.91-100,<DOI:10.7225/toms.v02.n02.001>
【文献】
古林義弘,"深冷船の非満載時の貨物蒸発率について",日本造船学会論文集,日本,日本造船学会,1986年,第160号,pp.569-578,<DOI:10.2534/jjasnaoe1968.1986.160_569>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 49/00,25/16,
B63H 21/14,25/04,
F17C 13/02,
G08G 3/00,
G01C 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LNGが気化した天然ガスを推進用の燃料とするLNG運搬船であって、前記LNGを貯留するカーゴタンク、前記LNGを前記カーゴタンクの内面に吹き付けるスプレー作業を行うスプレー装置、および船側通信装置、を含むLNG運搬船と、
前記船側通信装置と通信可能な陸側通信装置、および処理装置、を含む陸上設備と、を備え、
前記処理装置は、
海気象データに基づいて、予定バラスト航路を通ったときに前記カーゴタンク内に残存するLNGから発生する自然気化ガスの総量を推定する第1気化ガス量推定部と、
前記海気象データに基づいて、前記予定バラスト航路を通ったときに前記スプレー作業によって気化するスプレー気化ガスの総量を推定する第2気化ガス量推定部と、
推定された前記自然気化ガスの総量と推定された前記スプレー気化ガスの総量とを足し合わせて必要ヒール量を算出するヒール量算出部と、を含み、
前記陸側通信装置は、前記LNG運搬船がラーデン航海中に、前記必要ヒール量を前記船側通信装置へ送信する、運航管理システム。
【請求項2】
前記処理装置は、前記海気象データに基づいて、燃料消費量が最小となる最適バラスト航路を導出する最適航路導出部を含み、
前記予定バラスト航路は、前記最適バラスト航路である、請求項1に記載の運航管理システム。
【請求項3】
前記第1気化ガス量推定部は、前記海気象データに基づいて、前記自然気化ガスの単位時間当たりの発生量を、前記LNG運搬船のローリングおよびピッチングの影響により変化するように求め、バラスト航海期間において前記自然気化ガスの単位時間当たりの発生量を集計することによって、前記自然気化ガスの総量を推定する、請求項1または2に記載の運航管理システム。
【請求項4】
前記第2気化ガス量推定部は、前記海気象データに基づいて、前記カーゴタンクの基準点での温度が所定温度以下に保たれるように前記スプレー作業の時期を決定し、バラスト航海期間において各スプレー作業におけるスプレー気化ガスの発生量を集計することによって、前記スプレー気化ガスの総量を推定する、請求項1〜3の何れか一項に記載の運航管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG(Liquefied Natural Gas)運搬船用の運航管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、船舶と陸上設備との間で情報を通信する運航管理システムが知られている。例えば、特許文献1には、海気象データ等に基づいて陸上設備で最適航路が導出され、その最適航路が陸上設備から船舶に送信される運航管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4247497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、船舶の中には、LNGを貯留するカーゴタンクを含み、そのLNGが気化した天然ガスを推進用の燃料とするLNG運搬船がある。このようなLNG運搬船では、少しでも多くのLNGをアンロードするために、ラーデン航海(ローディング基地からアンローディング基地までの航海)時に、バラスト航海(アンローディング基地からローディング基地までの航海)に必要なLNG量、つまりカーゴタンク内に残すべきヒール量を正確に把握したいという要望がある。
【0005】
そこで、本発明は、ラーデン航海中にバラスト航海に必要なヒール量を正確に算出することができる運航管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の運航管理システムは、LNGが気化した天然ガスを推進用の燃料とするLNG運搬船であって、前記LNGを貯留するカーゴタンク、前記LNGを前記カーゴタンクの内面に吹き付けるスプレー作業を行うスプレー装置、および船側通信装置、を含むLNG運搬船と、前記船側通信装置と通信可能な陸側通信装置、および処理装置、を含む陸上設備と、を備え、前記処理装置は、海気象データに基づいて、予定バラスト航路を通ったときに前記カーゴタンク内に残存するLNGから発生する自然気化ガスの総量を推定する第1気化ガス量推定部と、前記海気象データに基づいて、前記予定バラスト航路を通ったときに前記スプレー作業によって気化するスプレー気化ガスの総量を推定する第2気化ガス量推定部と、推定された前記自然気化ガスの総量と推定された前記スプレー気化ガスの総量とを足し合わせて必要ヒール量を算出するヒール量算出部と、を含み、前記陸側通信装置は、前記LNG運搬船がラーデン航海中に、前記必要ヒール量を前記船側通信装置へ送信する、ことを特徴とする。
【0007】
バラスト航海時には、カーゴタンク内の気相領域の容積が液相領域の容積に比べて格段に大きい。しかも、カーゴタンクにおける気相領域を取り囲む部分の温度は、外気温によって上昇し易いため、LNGをカーゴタンクの内面に吹き付けるスプレー作業を頻繁に行ってカーゴタンクを冷却する必要がある。このため、スプレー作業による気化ガスが多量に発生する。さらに、波や風によって船体が揺れれば、カーゴタンク内のLNGから発生する自然気化ガスの量も変動する。
【0008】
このようなバラスト航海に対して、上記の構成では、海気象データに基づいて予定バラスト航路を通った時の自然気化ガスの総量およびスプレー気化ガスの総量が推定され、これらが足し合わされることによって必要ヒール量が算出される。そのため、必要ヒール量を正確に算出することができる。そして、算出された必要ヒール量はラーデン航海中にLNG運搬船へ送信されるので、LNG運搬船のクルーは、その必要ヒール量を参照してアンロードすべきLNGの量をこれが最大となるように決定することができる。
【0009】
前記処理装置は、前記海気象データに基づいて、燃料消費量が最小となる最適バラスト航路を導出する最適航路導出部を含み、前記予定バラスト航路は、前記最適バラスト航路であってもよい。この構成によれば、算出される必要ヒール量を最も少ない量とすることができる。
【0010】
例えば、前記第1気化ガス量推定部は、前記海気象データに基づいて、前記自然気化ガスの単位時間当たりの発生量を、前記LNG運搬船のローリングおよびピッチングの影響により変化するように求め、バラスト航海期間において前記自然気化ガスの単位時間当たりの発生量を集計することによって、前記自然気化ガスの総量を推定してもよい。
【0011】
例えば、前記第2気化ガス量推定部は、前記海気象データに基づいて、前記カーゴタンクの基準点での温度が所定温度以下に保たれるように前記スプレー作業の時期を決定し、バラスト航海期間において各スプレー作業におけるスプレー気化ガスの発生量を集計することによって、前記スプレー気化ガスの総量を推定してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ラーデン航海中にバラスト航海に必要なヒール量を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る運航管理システムの概略構成図である。
【
図3】予測されるバラスト航海中の、自然気化ガスの単位時間あたりの発生量の経時的変化を示すグラフである。
【
図4】予測されるバラスト航海中の、スプレー気化ガスの発生量の経時的変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に、本発明の一実施形態に係る運航管理システム1を示す。この運航管理システム1は、LNG運搬船2と陸上設備5を含む。
【0015】
LNG運搬船2は、
図2に示すように、船体31と、船体31に搭載された、LNGを貯留する複数のカーゴタンク32を含む。船体31には、カーゴタンク32の後方にブリッジ36が設けられている。本実施形態では、各カーゴタンク32が球形状のモス型タンクである。ただし、カーゴタンク32は、メンブレンタンクであってもよいし、自立角形タンク(SPB)であってもよい。
【0016】
また、LNG運搬船2には、各カーゴタンク32を冷却するためのスプレー装置7が装備されている。このスプレー装置7は、カーゴタンク32の底にそれぞれ配置された複数のポンプ71と、カーゴタンク32の外側に配置された集合管73と、各ポンプ71と集合管73とを接続する吐出管72と、集合管73から各カーゴタンク32内に延びるスプレー管74を含む。そして、スプレー装置7は、カーゴタンク3に貯留されたLNGを、ポンプ71、吐出管72、集合管73およびスプレー管74を介して、カーゴタンク3の内面に吹き付けるスプレー作業を行う。
【0017】
LNG運搬船2は、LNGが気化した天然ガス(BOGともいう)を推進用の燃料とする。具体的に、LNG運搬船2は、スクリュープロペラを駆動する主機35と、カーゴタンク32から主機35へ天然ガスを導く供給ライン33を含む。供給ライン33には、圧縮機34が設けられている。
【0018】
主機35は、天然ガスを燃焼させて動力を得るものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、主機35は、レシプロエンジン、ガスタービンエンジン、ガス焚きボイラと蒸気タービンの組合せなどである。レシプロエンジンは、天然ガスのみを燃焼させるガス専焼エンジンであってもよいし、天然ガスと燃料油の一方または双方を燃焼させる二元燃料エンジンであってもよい。
【0019】
LNG運搬船2のブリッジ36には、
図1に示す船側通信装置21、処理装置22、記憶装置23および表示装置24が設けられている。これらのうち処理装置22、記憶装置23および表示装置24は、操舵室内に配置される。
【0020】
記憶装置23には、海図データや航海計画データ等が予め格納されている。例えば、これらのデータは、図略の入力装置を介して処理装置22に入力され、処理装置22が記憶装置23に格納する。
【0021】
処理装置22は、船速や位置情報(緯度および経度)等の各種センサ(図示せず)で計測される航海実測データを記憶装置23に格納する。また、処理装置22は、記憶装置23に格納された航海実測データを船側通信装置21へ出力するとともに、表示装置24を介して表示する。船側通信装置21は、処理装置22から出力された航海実測データを通信衛星4を介して後述する陸側通信装置51へ送信する。また、船側通信装置21は、陸側通信装置51から後述する最適バラスト航路を含む管理データを受信する。処理装置22は、船側通信装置21が受信した管理データを記憶装置23に格納するとともに、表示装置24を介して表示する。
【0022】
一方、陸上設備5は、陸側通信装置51、処理装置52および記憶装置53を含む。陸側通信装置51は、通信衛星4を介して船側通信装置21と通信可能なものである。
【0023】
記憶装置53には、海図データ、航海日程データ(ラーデン航海の出発日時及び到着日時、バラスト航海の出発日時及び到着日時)等が予め格納されている。例えば、これらのデータは、図略の入力装置を介して処理装置52に入力され、処理装置52が記憶装置53に格納する。
【0024】
処理装置52は、陸側通信装置51が受信した航海実測データを記憶装置53に格納する。また、処理装置52は、インターネット11に接続されており、インターネット11を介して気象庁やNOAA(National Ocean and Atmosphic Administration)等の外部機関12から海気象データを取得し、取得した海気象データを記憶装置53に格納する。記憶装置53は、単一のユニットであってもよいし、航海実測データが格納されるユニットと海気象データが格納されるユニットとに分かれていてもよい。
【0025】
処理装置52は、記憶装置53に格納された海図データ、航海日程データ、航海実測データおよび海気象データを使用して各種の演算を行い、管理データを作成する。例えば、LNG運搬船2がラーデン航海中であれば、管理データには今後の最適ラーデン航路と最適バラスト航路が含まれる。処理装置52は、作成した管理データを記憶装置53に格納するとともに、陸側通信装置51に出力する。陸側通信装置51は、処理装置52から出力された管理データを通信衛星4を介して船側通信装置21へ送信する。
【0026】
次に、陸上設備5の処理装置52について、より詳細に説明する。処理装置52は、最適航路導出部61、第1気化ガス量推定部62、第2気化ガス量推定部63およびヒール量算出部64を含む。
【0027】
最適航路導出部61は、記憶装置53に格納された海気象データに基づいて、燃料消費量が最小となる最適航路を導出する。例えば、LNG運搬船2がラーデン航海中であれば、最適航路導出部61は、今後の最適ラーデン航路と最適バラスト航路を導出する。最適バラスト航路は、本発明の予定バラスト航路に相当する。
【0028】
第1気化ガス量推定部62は、記憶装置53に格納された海気象データに基づいて、最適バラスト航路を通ったときにカーゴタンク32内に残存するLNGから発生する自然気化ガスの総量Qnを推定する。具体的に、第1気化ガス量推定部62は、
図3に示すように、海気象データに基づいて自然気化ガスの単位時間当たりの発生量を求め、その自然気化ガスの単位時間当たりの発生量をバラスト航海期間で集計することによって、自然気化ガスの総量Qnを推定する。自然気化ガスの発生量の単位時間は、1時間であってもよいし、12時間(半日)であてもよいし、24時間(1日)であってもよい。
【0029】
より詳しくは、第1気化ガス量推定部62は、海気象データのうちの特に波情報および風情報から、LNG運搬船2が最適バラスト航路を通ったときに、LNG運搬船2がいつどれだけローリングおよびピッチングするかを求める。ついで、第1気化ガス量推定部62は、自然気化ガスの単位時間当たりの発生量を、LNG運搬船2のローリングおよびピッチングの影響により変化するように求める。
【0030】
例えば、自然気化ガスの単位時間当たりの発生量は、まず、船体31の揺れがないときのカーゴタンク内32に残存するLNGから発生する基準発生量を算出し、ついで、この基準発生量に、LNG運搬船2のローリングおよびピッチングの度合いに応じた揺動係数(例えば、1以上)を乗じることによって求めてもよい。例えば、揺動係数は、LNG運搬船2のローリングおよびピッチングの度合が激しくなるほど大きくなってもよいし、同程度のローリングおよびピッチングが継続する場合は、1に近い数値であってもよい。
【0031】
第2気化ガス量推定部63は、記憶装置53に格納された海気象データに基づいて、最適バラスト航路を通ったときにスプレー作業によって気化するスプレー気化ガスの総量Qsを推定する。具体的に、第2気化ガス量推定部63は、
図4に示すように、海気象データに基づいてスプレー作業の時期を決定し、各スプレー作業におけるスプレー気化ガスの発生量をバラスト航海期間で集計することによって、スプレー気化ガスの総量Qsを推定する。
図4では、各スプレー作業におけるスプレー気化ガスの発生量が一定であるが、スプレー作業ごとにスプレー気化ガスの発生量が異なっていてもよい。
【0032】
より詳しくは、第2気化ガス量推定部63は、海気象データのうちの特に気温情報から、カーゴタンク32の基準点(モス型タンクでは、赤道上の点)での温度が所定温度(例えば、−110℃)以下に保たれるようにスプレー作業の時期を決定する。例えば、カーゴタンク32の基準点での温度が所定温度まで上昇したときにスプレー作業が開始されるようにタイムスケジュールを定めてもよい。あるいは、カーゴタンク32の基準点での温度が所定温度に至ることが確実に阻止されるような時間間隔でスプレー作業が開始されるようにタイムスケジュールを定めてもよい。
【0033】
ヒール量算出部64は、第1気化ガス量推定部62で推定された自然気化ガスの総量Qnと第2気化ガス量推定部63で推定されたスプレー気化ガスの総量Qsとを足し合わせて必要ヒール量Qhを算出する(Qh=Qn+Qs)。算出された必要ヒール量Qhは、処理装置52から陸側通信装置51へ出力され、陸側通信装置51は、LNG運搬船2がラーデン航海中に、必要ヒール量Qhを船側通信装置21へ送信する。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の運航管理システム1では、海気象データに基づいて最適バラスト航路を通った時の自然気化ガスの総量Qnおよびスプレー気化ガスの総量Qsが推定され、これらが足し合わされることによって必要ヒール量Qhが算出される。そのため、必要ヒール量Qhを正確に算出することができる。そして、算出された必要ヒール量Qhはラーデン航海中にLNG運搬船2へ送信されるので、LNG運搬船2のクルーは、その必要ヒール量Qhを参照してアンロードすべきLNGの量をこれが最大となるように決定することができる。
【0035】
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0036】
例えば、本発明の予定バラスト航路は、必ずしも燃焼消費量が最小となる最適バラスト航路である必要はなく、例えばアンローディング基地とローディング基地とを最短距離で結ぶ大圏航路であってもよい。ただし、前記実施形態のように予定バラスト航路が最適バラスト航路であれば、算出される必要ヒール量Qhを最も少ない量とすることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 運航管理システム
2 LNG運搬船
21 船側通信装置
32 カーゴタンク
5 陸上設備
51 陸側通信装置
52 処理装置
61 最適航路導出部
62 第1気化ガス量推定部
63 第2気化ガス量推定部
64 ヒール量算出部
7 スプレー装置