【文献】
日本海水学会誌,1993年,Vol. 47,pp. 320-330
【文献】
African Journal of Biotechnology,2011年,Vol. 10, No. 16,pp. 3143-3148
【文献】
Proc. Indian Acad. Sci. (Chem. Sci.),1984年,Vol. 93, No. 7,pp. 1155-1158
【文献】
Appl. Microbiol. Biotechnol.,2006年,Vol. 72,pp. 1263-1269
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート(PET)を基材としたフィルムが多く使用されている。PETフィルムは、再生して使用されることが多いが、再生処理におけるコーティング剥離にアルカリ処理を行うため、基材PETの加水分解が起こる。この加水分解により生成する成分としては、主にテレフタル酸とエチレングリコールである。また、ポリエステル繊維やポリエステルフィルムの加工、製造工程などから排出される廃液にも、テレフタル酸とエチレングリコールが含まれる。
【0003】
テレフタル酸を含む廃液は、一般的にはその大部分を酸性下で沈降、回収後、残りを中和し、水溶性の塩として廃水処理施設で処理されている。しかし、回収したテレフタル酸は商品価値がないため、廃棄物としてもっぱら焼却されている。
【0004】
また、テレフタル酸を多く含む廃液は、汚泥による処理が行われている。廃液中のテレフタル酸は通常1%以上の高濃度であり、そのまま廃水処理を行うと処理能力を超えてしまう可能性があり、テレフタル酸が残存し、その処理が問題となっている。
【0005】
この点、テレフタル酸を分解する微生物の報告はなされているが(特許文献1,2)、依然としてテレフタル酸高含有液の処理に適した微生物が求められている。
さらに、テレフタル酸は塩で存在するため、生物学的分解には高い塩濃度で生育可能な分解微生物の添加が必要になる。また、テレフタル酸塩が分解されるとアルカリ性となるため、アルカリに強い微生物であることも望まれる。しかし、これまで好塩性、好アルカリ性で、かつ高いテレフタル酸分解能を持った微生物は知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、テレフタル酸を分解することのできる微生物、および該微生物を用いたテレフタル酸の分解方法を提供することを目的とする。特に、テレフタル酸を高濃度で含む廃液の処理に適した微生物、および該微生物を用いた高濃度テレフタル酸含有液の分解方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、テレフタル酸の分解能力が高く、テレフタル酸を高濃度で含む廃液の処理に適した微生物を得ることができ、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は以下に関するが、これらに限定されない。
(1)シュードモナス属に属し、テレフタル酸分解能を有する微生物、または、テレフタル酸分解能を有するその変異株。
(2)前記微生物が通性好アルカリ菌である、(1)記載の微生物。
(3)前記微生物が中度好塩性菌である、(1)または(2)記載の微生物。
(4)前記微生物がテレフタル酸濃度が1%以上においてもテレフタル酸分解能を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の微生物。
(5)前記微生物がシュードモナス属TB−97株(受
託番号NITE
P−02298)である、(1)〜(4)のいずれかに記載の微生物。
(6)シュードモナス属に属し、テレフタル酸分解能を有する微生物またはテレフタル酸分解能を有するその変異株を、テレフタル酸を含む液と接触させる工程を含む、テレフタル酸の分解方法。
(7)テレフタル酸を含む液が活性汚泥による廃液処理液である、(6)記載の分解方法。
(8)テレフタル酸を含む液のテレフタル酸濃度が1%以上である、(6)または(7)記載の分解方法。
(9)テレフタル酸がポリエチレンテレフタレートの加水分解により生じたものである、(6)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)前記微生物が通性好アルカリ菌である、(6)〜(9)のいずれかに記載の分解方法。
(11)前記微生物が中度好塩性菌である、(6)〜(10)のいずれかに記載の分解方法。
(12)前記微生物がシュードモナス属TB−97株(受
託番号NITE
P−02298)である、(6)〜(11)のいずれかに記載の分解方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、テレフタル酸を高濃度で含む溶液の処理に適した微生物を提供することができる。また、本発明では、該微生物を用いた高濃度テレフタル酸含有液の分解方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.テレフタル酸分解微生物
本発明は、シュードモナス属に属し、テレフタル酸分解能を有する微生物、または、テレフタル酸分解能を有するその変異株に関する。
【0013】
シュードモナス属に属し、テレフタル酸分解能を有する微生物は、既に公知の微生物であってもよく、新たにスクリーニングされた微生物であってもよい。
テレフタル酸分解菌のスクリーニングの一例を示せば、採取した活性汚泥を生理食塩水で適宜希釈し、得られた希釈液をテレフタル酸0.5〜1.0%含む液体培地に添加し、30℃にて3〜5日培養を行った後に、テレフタル酸量を測定することによりテレフタル酸の減少したサンプルを候補として選ぶことができる。必要であれば二次スクリーニングとして、同様の操作を繰り返してもよい。培養後の液の少量をNB平板培地に塗布し、30℃にて培養して得られたコロニーを候補菌株とする。
【0014】
本発明の微生物は、テレフタル酸分解能を有するシュードモナス属菌であればよい。具体的には、代表例として、平成28年7月25日付けで、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに受領されたシュードモナス属菌TB−97株(受領番号NITE AP−02298
、受託番号NITE P−02298)が挙げられる。シュードモナス属菌の菌学的性質は、例えばバージーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー(BERGEY’S MANUAL of Systematic Bacteriology)(第1巻1984年、第2巻1986年、第3巻1989年、第4巻1989年)に記載されている。
【0015】
更に本発明の微生物は、テレフタル酸を分解する能力を有するシュードモナス属菌であれば、野生株、変異株のいずれでも良い。変異株は、従来からよく用いられている変異剤であるエチルメタンスルホン酸による変異処理、ニトロソグアニジン、メチルメタンスルホン酸などの他の化学物質処理、紫外線照射、或いは変異剤処理なしで得られる、いわゆる自然突然変異によって取得することも可能である。得られた変異株は、テレフタル酸分解能を有する限り、本発明の微生物に含まれる。
【0016】
本発明の微生物は、テレフタル酸が高濃度で含まれていても分解能を有する。例えば、1%以上含む溶液中であっても分解能を有し、3%程度含まれていても1週間程度で完全に分解する能力を有する。
【0017】
さらに、テレフタル酸は通常は塩の形態で存在するが、本発明のテレフタル酸分解菌は高い塩濃度下においても生育可能である。本発明の微生物は、至適生育塩濃度は1〜7%、好ましくは2〜6%である。一般に、塩化ナトリウム濃度1.2〜2.8%を至適条件とする細菌を低度好塩性菌、1.2〜12.8%に至適濃度を持つものを中度好塩性菌と呼び、海洋細菌等に多く知られている。これに従えば、本発明の微生物は中度好塩性菌に分類される。
【0018】
テレフタル酸塩が分解されるとアルカリ性になるため、アルカリに強い微生物であることが好ましい。本発明の微生物は、アルカリ域を含め広範囲のpHで生育可能であり、好ましくはpH6−11の範囲で生育可能である。一般的に好アルカリ菌は、至適生育pHが9以上の微生物であり、pH9以下でも生育可能なものを通性好アルカリ菌と呼ぶ。本発明の微生物の至適pHは10−11であり、通性好アルカリ菌である。
【0019】
シュードモナス属菌TB−97株は、上記性質を全て有する微生物である。
シュードモナス属に属する微生物の培養に用いる培地としては、シュードモナス属に属する微生物が生育できる培地であれば特に制限なく用いることができ、例えば、LB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl)およびNB培地が挙げられるがこれらに限定されない。本発明の微生物の生育に使用する培地は、具体的には、本発明の微生物が資化し得る炭素源、例えばグルコース等、及び本発明の微生物が資化し得る窒素源を含有し、窒素源としては有機窒素源、例えばペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーン・スチープ・リカー等、無機窒素源、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等を含有することができる。さらに所望により、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の陽イオンと硫酸イオン、塩素イオン、リン酸イオン等の陰イオンとからなる塩類を含んでもよい。さらに、ビタミン類、核酸類等の微量要素を含有することもできる。炭素源の濃度は、例えば0.1〜10%程度であり、窒素源の濃度は、種類により異るが、例えば0.01〜5%程度である。また、無機塩類の濃度は、例えば0.001〜1%程度である。
【0020】
本発明の微生物は、菌体を定法により凍結乾燥した粉末状、その粉末と各種ビタミンやミネラル、必要な栄養源、例えば酵母エキス、カザミノ酸、ペプトン等を配合した後に打錠した錠剤等固形状の形態の調製物としてテレフタル酸分解処理に提供しても良い。また、菌株を活性汚泥およびコンポストの成分として利用することもできる。
2.テレフタル酸分解方法
本発明の別の態様は、テレフタル酸分解能を有する微生物を用いたテレフタル酸の分解方法である。
【0021】
用いる微生物は、テレフタル酸分解能を有するシュードモナス属菌であればよい。具体的には、代表例として、平成28年7月25日付けで、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに受領されたシュードモナス属菌TB−97株(受領番号NITE AP−02298
、受託番号NITE P−02298)が挙げられる。
【0022】
本発明の分解方法に供されるものは、テレフタル酸を含む液体であれば特に制限はないが、テレフタル酸を多く含む廃液が適している。特に、廃液中のテレフタル酸濃度が1%以上であると、そのまま活性汚泥等による廃水処理を行うと処理能力を超えてしまう可能性があるため、本発明の分解処理方法が効果を発揮する。
【0023】
分解に供される液中のテレフタル酸濃度は、本発明の微生物がテレフタル酸が高濃度で存在しても分解能を有することから、1%以上、好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上である。
【0024】
本発明において分解できるテレフタル酸は、その由来は制限されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)を基材としたフィルムの再生処理におけるコーティング剥離時のアルカリ処理により生成するテレフタル酸、ポリエステル繊維やポリエステルフィルムの加工、製造工程などから排出される廃液中のテレフタル酸などである。
【0025】
分解処理時の温度は、微生物処理に適した温度であり、適宜設定することができるが、例えば25〜45℃、好ましくは30℃〜40℃である。
本発明の分解方法に用いるテレフタル酸分解菌は、高い塩濃度下においても生育可能であり、さらにアルカリ域を含め広範囲のpHで生育可能である。このことから、テレフタル酸を含む廃液処理に非常に適している。
【0026】
上記廃液処理に本発明の分解方法を採用すれば、廃液処理の迅速、効率化が達成される。また、設備面においても、省スペース、低コストを実現することができる。
本発明の分解方法の他の態様では、微生物の増殖過程でテレフタル酸が分解され栄養源として消費されることを利用する、または微生物の有する酵素の作用によりテレフタル酸を分解する作用を利用する、すなわち増殖した後の微生物菌体、例えば休止菌体を利用する方法を挙げることができる。他には、菌体を常法により凍結乾燥した粉末状の、あるいはその粉末と各種ビタミンやミネラル、必要な栄養源、例えば酵母エキス、カザミノ酸、ペプトン等を配合した後に打錠した錠剤等固形状の形態の調製物としてテレフタル酸の分解処理に用いてもよい。
【0027】
微生物の増殖過程でテレフタル酸が分解され栄養源として消費されることを利用する態様では、テレフタル酸を単一の炭素源として、あるいは単一の炭素・窒素源として与えることも、他の炭素源、窒素源とともに与えることもできる。使用し得る培地としては、炭素源としては、テレフタル酸あるいはグルコース等、及び本発明の微生物が資化し得る窒素源を含有し、窒素源としては有機窒素源、例えばペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーン・スチープ・リカー等、無機窒素源、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等を含有することができる。さらに所望により、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等の陽イオンと硫酸イオン、塩素イオン、リン酸イオン等の陰イオンとからなる無類を含んでもよい。さらに、ビタミン類、核酸類等の微量要素を含有することもできる。炭素源の濃度は、例えば0.1〜10%程度であり、窒素源の濃度は、種類により異るが、例えば0.01〜5%程度である。また、無機塩類の濃度は、例えば0.001〜1%程度である。
【0028】
微生物の有する酵素のテレフタル酸を分解する作用を利用する態様、すなわち増殖した後の微生物菌体、例えば休止菌体を利用する態様では、テレフタル酸の分解に際し、該微生物の増殖を伴わないため、緩衝液にテレフタル酸を添加した培地などであっても良いが、その他に窒素源、無機塩、ビタミンなどを添加しても良い。緩衝液としては、例えばリン酸緩衝液が挙げられる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1 テレフタル酸分解菌のスクリーニング
1.分離源
微生物の分離源として、パナック工業(株)において実際にテレフタル酸の廃水処理に使用されている曝気槽由来の活性汚泥を用いた。
【0030】
2.スクリーニング方法
スクリーニング基本培地としては表1に示したDavis改変培地を用いた。炭素源としてはテレフタル酸0.5%を添加している。この培地100mLを500mL容の三角フラスコに入れて綿栓後、滅菌して使用した。ここに、供試活性汚泥をよく振り混ぜた後に1ml加え、30℃、180rpmで4日間振とう培養した。
【0031】
【表1】
【0032】
3.テレフタル酸の検出・定量法
テレフタル酸分解の有無は薄層クロマトにて簡易的に判断した。メルク社製シリカゲル60 F
254に培養液を10μLスポットし、UV照射下でテレフタル酸由来のベンゼン環の紫外吸収による暗紫色のスポットの有無で分解されたかを判定した。
【0033】
液体培地中に含まれるテレフタル酸の正確な定量には液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)を用いた。
LC/MSの条件を以下の表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
4.テレフタル酸分解菌の単離
基本培地に活性汚泥を植菌し、4日間培養後に培養液を薄層クロマトにて分析したところ、テレフタル酸がほとんど消失していた。そこで、この培養液1mLを10
−5、10
−6、10
−7に希釈し、2%の寒天を含む基本培地の平板に塗布した。30℃にて3日培養後、生じたコロニーを単離し、NB(nutrient broth)寒天平板培地に移植してコロニーの純粋性を確認した。
【0036】
これらのコロニーから、形状の異なるものを10種類ピックアップし、分解試験に供した。単離した菌をそれぞれ基本培地に植菌し、1日培養後にテレフタル酸分解活性を薄層クロマトにて検定した。その結果、2種のコロニー(No.3,No.6)においてテレフタル酸の分解が確認された。簡易同定の結果これらは同一菌株であったので、No.3株をTB−97株として以降の検討に用いた。
【0037】
実施例2 テレフタル酸分解菌の同定
同定試験は(株)テクノスルガに委託して行った。形態観察、生理学的試験、16SrDNAの配列から総合的に判断した。
1.形状
TB−97株のコロニー形状を
図1に示す。また、
図2に、TB−97株のグラム染色像を示す。
2.生理試験
TB−97株の生理試験の結果を表3および表4に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
3.16srDNAの配列
16srDNAの配列を
図3に、アラインメント結果を
図4に示す。
4.同定
これらの試験結果から、TB−97株はシュードモナスググアネンシス(
Pseusdomonas guguanensis)の基準株(CC-G9A
T)に最も近かったが、両者の系統枝間の距離はやや大きく、かつ硝酸塩を還元する点とウレアーゼ活性を示さない点がシュードモナスググアネンシスの典型性状と異なることから、同種とは言えないと結論付けた。よって、本菌株はシュードモナス属菌ではあるものの、既知のいかなる種とも異なる新種と考えられた。このため暫定的にシュードモナス属菌とした。
【0041】
実施例3 最適塩濃度の検討
NB培地に、塩濃度がそれぞれ0〜8%になるようにNaClを加えた液体培地を作成し上記シュードモナス属菌TB−97株を植菌した。これを24時間振とう培養して生育量を調べた。結果を
図5に示す。
【0042】
この結果から、本菌株の至適生育塩濃度は2〜6%であることが明らかとなった。
一般的にNaCl濃度1.2〜2.8%を至適条件とする細菌を低度好塩性菌、1.2〜12.8%に至適濃度を持つものを中度好塩性菌と呼び、海洋細菌等に多く知られている(Kushner, D. J.: Microbial life in extreme environments p.317, Academic Press (1978))。よって、シュードモナス属菌TB−97株は中度好塩性菌に分類される。調べた範囲ではこの分類に含まれるテレフタル酸分解菌は知られていない。
【0043】
実施例4 pHの検討
テレフタル酸は通常、ナトリウム塩またはカリウム塩の形で排出される。これが分解されると残存するナトリウムイオンやカリウムイオンの影響で培地はアルカリ性になる。このためテレフタル酸分解菌は、テレフタル酸の分解に伴うアルカリ化に耐性を持つことが望ましい。そこで、シュードモナス属菌TB−97株の生育pHを検討した。
【0044】
NB培地のpHをそれぞれ6−12となるように調整した液体培地を作成し、シュードモナス属菌TB−97株を植菌した。これを24時間振とう培養し、生育量を調べた。結果を
図6に示す。
【0045】
シュードモナス属菌TB−97株の生育は、pH6−11の範囲では大きな変化がなく、幅広いpHで生育が可能であることが明らかとなった。
一般的に、好アルカリ菌は至適生育pHが9以上の微生物を指し、このうちpH9以下でも生育可能なものを通性好アルカリ菌と呼ぶ。本菌株の至適pHは10−11であり、これに相当する(Horikoshi, K.: Alkaliphiles: Some Applications of Their Products for Biotechnology." Microbiology and Molecular Biology Reviews 63, 735-750 (1999))。
【0046】
実施例5 高濃度テレフタル酸の分解
300ml容三角フラスコに、基本培地にテレフタル酸濃度を1−4%とした培地30ml入れ、オートクレーブにて滅菌した。ここにシュードモナス属菌TB−97株を植菌し、30℃にて7日間培養してテレフタル酸の分解を継時的に測定した。結果を
図7に示す。尚、テレフタル酸量の測定は、液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)を用いて行った。
【0047】
シュードモナス属菌TB−97株は、テレフタル酸濃度1.5%以下の場合には48時間以内に、テレフタル酸濃度3%では7日以内に完全分解した。また濃度4%でも7日で約88%分解可能であった。