(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882890
(24)【登録日】2021年5月11日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】超音波トランスデューサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-529951(P2016-529951)
(86)(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公表番号】特表2016-537083(P2016-537083A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】EP2014074553
(87)【国際公開番号】WO2015071387
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年11月7日
(31)【優先権主張番号】61/905,409
(32)【優先日】2013年11月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14150094.2
(32)【優先日】2014年1月3日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ブロック−フィッシャー ジョージ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】サヴォード ベルナード ジョセフ
【審査官】
門 良成
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−222514(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0169110(US,A1)
【文献】
国際公開第2010/053032(WO,A1)
【文献】
国際公開第2005/120360(WO,A1)
【文献】
特開2012−085239(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/111063(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-超音波を放出及び受信するための複数のトランスデューサ素子を含み、前記トランスデューサ素子の各々は可撓メンブレンに接続される第一の電極と、第二の電極とを含むトランスデューサアレイと、
-前記複数のトランスデューサ素子を駆動するために前記トランスデューサアレイに接続され、前記複数のトランスデューサ素子の下に各々配置される複数の集積回路デバイスと
を有し、
-前記第一の電極は互いから分離され、
-前記第一の電極の各々は、交流駆動電圧を前記トランスデューサ素子の各々に供給するために前記集積回路デバイスの各々に結合され、前記第二の電極は互いに電気的に接続されるように単一のメタル層として形成され、前記第二の電極は前記トランスデューサ素子の各々の前記第一及び第二の電極の間にバイアス電圧を供給するために電圧源に接続され、
-前記第一の電極の各々はビアによって前記集積回路デバイスの各々に個別に接続され、前記ビアは前記第二の電極を貫通して供給され、
-前記トランスデューサ素子の各々の前記可撓メンブレンは、スペーサによって各々支持され、
-前記第一の電極の各々を前記集積回路デバイスの各々に接続するための前記ビアは前記スペーサを通じて供給され、
-キャビティが、前記第一の電極の各々及び前記第二の電極の間に各々形成され、
-前記キャビティのボトムにおいて前記第二の電極を有する、
特に超音波イメージングシステムのための超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項2】
前記第一の電極は前記トランスデューサアレイのトップ電極である、請求項1に記載の超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項3】
前記第一の電極は前記可撓メンブレンのトップ面に各々結合される、請求項2に記載の超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項4】
前記第二の電極は、絶縁分離層に付けられるボトム電極であり、前記絶縁分離層は前記集積回路デバイスの表面に付けられる、請求項1に記載の超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項5】
前記第二の電極は剛体電極である、請求項1に記載の超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項6】
前記ビアは前記絶縁分離層を通じて供給される、請求項4に記載の超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項7】
前記トランスデューサ素子は、容量性マイクロマシン加工超音波トランスデューサ素子である、請求項1に記載の超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項8】
前記集積回路デバイスは特定用途向け集積回路である、請求項1に記載の超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項9】
前記トランスデューサ素子は、前記集積回路デバイス上においてモノリシックに形成される、請求項1に記載の超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項10】
前記集積回路デバイス及び前記トランスデューサ素子は、基板上においてモノリシックに集積される、請求項1に記載の超音波トランスデューサアセンブリ。
【請求項11】
超音波を放出及び受信するための請求項1に記載の超音波トランスデューサアセンブリを含む、超音波イメージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波トランスデューサアセンブリ、特に超音波イメージングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波トランスデューサの分野において、特に超音波イメージングシステムの分野において、通常、マイクロマシン加工超音波トランスデューサ素子(CMUTs)を使用することが知られている。 容量性マイクロマシン加工トランスデューサ素子が半導体処理技術によって製作されることができるという事実のために、トランスデューサのサイズは非常に小さな加工寸法に縮小され得る。
【0003】
さらに、トランスデューサ素子の各々への電気的インターフェースとしての役割を果たす、特定用途向け集積回路によってマイクロマシン加工超音波トランスデューサアレイを含む超音波トランスデューサを駆動することは通常知られている。
【0004】
全てのトランスデューサアセンブリを集積するために、トランスデューサアセンブリの全体サイズを減らすため、トランスデューサアレイ及び特定用途向け集積回路を互いに付けるか、又は特定用途向け集積回路のトップ面上に直接トランスデューサアレイを作ることはさらに知られている。 トランスデューサ素子の各々の電極を特定用途向け集積回路に接続するための技術的な労力を減らすために、通常トランスデューサ素子の可撓メンブレンに付けられるトップ電極は互いに各々電気的に接続され、これらの電極にバイアス電圧を印加するために電圧源に接続される。個別の駆動信号をトランスデューサ素子の各々にもたらすため、及び検出され、評価されるべき超音波信号を受信するため、トランスデューサ素子のキャビティのボトムに配置されるトランスデューサ素子の第二の電極はトランスデューサアレイの下で特定用途向け集積回路にそれぞれ個別に接続される。駆動デバイスとしての、特定用途向け集積回路と組み合わされるトランスデューサアレイの不利な点は、トランスデューサ素子のボトム電極及び特定用途向け集積回路のトップメタル層の間に大きな寄生容量が形成されることにある。この寄生容量は、cMUT容量自体の重要な部分になることが可能であり、cMUTデバイスの励振の間、チャージされなければならず、これにより低い全体的な送信効率がもたらされる。さらに、信号受信の際、寄生容量は、所望される受信信号が回路に入力されることをシャントする。このことは、信号受信の際、劣化した信号雑音比をもたらす。
【0005】
トランスデューサアレイ及びドライバ回路の間の寄生容量を減らすために、US2013/0088118 A1は、キャビティ内においてトランスデューサ素子の各々の第一及び第二の電極の間にさらなるフローティング電極を含めることを提案している。 寄生容量を減らすこのソリューションの不利な点は、トランスデューサアレイが複雑な構造を有し、それらのトランスデューサアレイを製造するための技術的な労力が増大させられることにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、特に、低い技術的な労力で増加された送信効率及び増加された受信信号雑音比を有する超音波イメージングシステムのための、改善された超音波トランスデューサアセンブリをもたらすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様によると、
-超音波を放出及び受信するための複数のトランスデューサ素子を含み、トランスデューサ素子の各々は可撓メンブレンに接続される第一の電極及び第二の電極を含むトランスデューサアレイと、
-トランスデューサ素子を駆動するためのトランスデューサアレイに接続される集積回路デバイスと
を有し、
-第一の電極は、交流駆動電圧をトランスデューサ素子の各々に供給するために集積回路デバイスに結合され、第二の電極は互いに電気的に接続され、バイアス電圧をトランスデューサ素子に供給するために電圧源に接続され、
-第一の電極はビアによって集積回路デバイスに各々接続され、ビアは第二の電極を通じて供給される、
特に超音波イメージングシステムのための超音波トランスデューサアセンブリがもたらされる。
【0008】
本発明の更なる態様において、超音波を放出及び受信するためのこの種の超音波トランスデューサアセンブリを含む超音波イメージングシステムがもたらされる。
【0009】
本発明の好ましい実施例は、従属請求項において規定される。請求項に係る方法が、従属請求項において規定されるもの及び請求項に係る装置と類似及び/又は同一の好ましい実施例を持つことは理解されるであろう。
【0010】
本発明は、トランスデューサ素子に対する電気的接続を反転させることによって寄生容量を減らす考えに基づく。これは、第一の電極の各々を駆動するための第二の電極を通じるビアにより、可撓メンブレンに接続されるトランスデューサ素子の各々の第一の電極を集積回路デバイスに接続することによって、並びに必要なバイアス電圧をこれらの第二の電極に供給するため、トランスデューサ素子の第二の電極を互いに、及び共通の電圧源に接続することによってもたらされる。それゆえに、第一の電極は能動電極として使われ、第二の電極が受動電極になるように、集積回路デバイスのドライバ及び/又はレシーバデバイスに接続される。 能動電極がトップ電極になり、ドライバ及び/又はレシーバデバイスが第二の電極を通じて供給されるビアによって能動電極に接続されるため、この構成は能動電極に対する接続部の寄生容量を低減する。それゆえに、トランスデューサアレイの信号雑音比及び全体的な送信効率は大幅に改善されることができる。 更に、トランスデューサアセンブリの全体サイズは減らされる。
【0011】
好ましい実施例において、第一の電極はトランスデューサアレイのトップ電極である。これにより、超音波は、全信号強度が増加されるように直接放出及び受信されるため、低い減衰で超音波は送信及び受信される可能性がもたらされる。
【0012】
第一の電極が可撓メンブレンのトップ面に各々結合されることは更に好ましい。これにより、電極は例えば堆積プロセスによって可撓メンブレンの上に形成されることができるため、トランスデューサ素子を製造するための技術的な労力は減らされる可能性がもたらされる。
【0013】
好ましい実施例において、第二の電極は、絶縁分離層に付けられるボトム電極である。 これにより、集積回路デバイスから絶縁分離されるバイアス電極はもたらされる単なる可能性がもたらされる。
【0014】
好ましい実施例において、ビアは絶縁分離層を通じて供給される。 これにより、それぞれのトランスデューサ素子の下に配置される集積回路のドライバ要素に第一の電極は直接コンタクトされる可能性がもたらされる。
【0015】
好ましい実施例において、第二の電極は剛体電極である。これにより、 剛体電極は、例えば堆積 法によって低い技術的な労力で製造されることができるため、低い技術的な労力でバイアス電極として第二の電極はもたらされる可能性がもたらされる。
【0016】
好ましい実施例において、キャビティは、第一の電極の各々及び第二の電極の各々の間にそれぞれ形成される。これにより、 可撓メンブレンはキャビティ内にたわむことができるため、容易に超音波は送信及び受信される可能性がもたらされる。
【0017】
好ましい実施例において、トランスデューサ素子の可撓メンブレンは各々、スペーサによって支持される。 これにより、可撓メンブレン及び第一の電極はキャビティ内に容易にたわむことができるように、第二の電極までの距離において可撓メンブレンは形成される単純な可能性がもたらされる。
【0018】
第一の電極を集積回路デバイスに接続するためのビアがスペーサにおいて一体化されることは好ましい。 これにより、トランスデューサアレイの全体サイズは減らされる更なる可能性がもたらされる。
【0019】
好ましい実施例において、トランスデューサ素子は、容量性マイクロマシン加工超音波トランスデューサ素子である。 これにより、トランスデューサアレイがシリコンウエハ内又は上においてICプロセスで製造されることができるため、低い技術的な労力及び小さな全体サイズでトランスデューサアレイは形成される可能性がもたらされる。
【0020】
好ましい実施例において、集積回路デバイスは特定用途向け集積回路である。 これにより、特定用途向け集積回路がトランスデューサ素子を駆動して、受信超音波によって信号を受信するように設計されるため、トランスデューサアレイは特定の駆動要素に直接接続される可能性がもたらされる。
【0021】
好ましい実施例において、トランスデューサ素子は、集積回路デバイス上においてモノリシックに形成される。 これにより、低い技術的な労力、及び低減された加工寸法で超音波トランスデューサアセンブリは製造される可能性がもたらされる。
【0022】
さらに好ましい実施例において、集積回路デバイス及びトランスデューサ素子は、基板上においてモノリシックに集積される。 これにより、ほとんど全部のデバイスが例えばマイクロエレクトロニクスプロセス技術によってモノリシックに形成されることができるため、製造時間及び労力は減らされる更なる可能性がもたらされる。 この実施例のさらなる利点は、トランスデューサ素子が予め製造された集積回路デバイス上に製造されることができることにある。 上記のように、それぞれのトランスデューサ素子にAC駆動信号を供給するために集積回路にトップ電極を接続することによって、及びトランスデューサアレイにDCバイアス電圧を供給するために共通DC電源にボトム電極を接続することによって、トランスデューサ素子の駆動又は励振される電極の間の寄生容量は大幅に低減され得るので、トランスデューサアレイの送信効率及び受信信号雑音比は大幅に改善されることが可能であり、超音波トランスデューサアセンブリから受信される分析情報、例えば画像データの品質は改善され得る。
【0023】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に記述される実施形態から明らかになり、それらを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】超音波イメージングシステムの概略図を示す。
【
図2】最新技術による超音波トランスデューサアレイ及び集積回路デバイスの概略断面図を示す。
【
図3】本発明による超音波トランスデューサアレイ及び集積回路の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は概して、10によって示される超音波イメージングシステムの基本的な設計を例示する。 この図は、超音波イメージングの背景を説明するために用いられる。 請求項に記載の超音波トランスデューサアセンブリがこのような種類のアプリケーションに限定されないことは理解される。
【0026】
超音波イメージングシステム10は、体、例えば患者12の領域又はボリュームをスキャンするために使われる。 超音波システム10はまた、他の領域又はボリューム、例えば動物又は他の生物の体部分をスキャンするために使われてもよいことは理解される。
【0027】
患者をスキャンするために、超音波プローブ14がもたらされる。
図1に示される実施例において、超音波プローブ14は、コンソールデバイス16に接続される。 コンソールデバイス16は、モバイルコンソールとして示される。 しかしながら、このコンソール16は、静止デバイスとして理解されてもよい。 コンソールデバイス16は、ビアとして形成されるインターフェース18を介して、プローブ14に接続される。 さらに、コンソールデバイス16は、ユーザーが超音波イメージングシステム10を制御することを可能にするために入力デバイス20を有し、超音波イメージングシステム10によって生成されるデータ及び画像を表示するためにディスプレイ22を有してもよい。 これによって、超音波プローブ14を介してスキャンされる患者12内におけるボリュームは、超音波イメージングシステム10のユーザーによってコンソールデバイス16上で見られることができる。
【0028】
超音波プローブ14は通常、超音波を送信及び受信するため、及び受信超音波から超音波画像データをもたらすために、以下に記載されるドライバデバイスによって駆動される超音波トランスデューサアレイを有する。
【0029】
図2は、概して24によって示される、最新技術から知られている超音波トランスデューサアセンブリを示す。 超音波トランスデューサアセンブリ24は、容量性マイクロマシン加工超音波トランスデューサ(CMUT)素子として形成される複数のトランスデューサ素子28のトランスデューサアレイ26を有する。トランスデューサアレイ26は、特定用途向け集積回路30のトップ面に接続される。トランスデューサ素子28は、可撓メンブレン32、キャビティ34、並びにトップ電極36及びボトム電極38を有する。 トップ電極36は可撓メンブレン32の上に形成されるか、又はそれに埋め込まれ、ボトム電極38は特定用途向け集積回路30からトランスデューサアレイ26を絶縁分離する絶縁分離層40上のキャビティ28のボトムに形成されるか、又は絶縁分離層40に埋め込まれる。
【0030】
トップ電極36は互いに接続され、DCバイアス電圧をトランスデューサ素子28に供給するために直流電圧源41に接続される。個々のAC信号をトランスデューサ素子28の各々に供給し、トランスデューサ素子28を個別に駆動するため、ボトム電極38は、特定用途向け集積回路30の駆動要素42にそれぞれ個別に接続される。 それゆえに、AC信号をボトム電極38にもたらすことによって、及びボトム電極38から信号を受信することによって、特定用途向け集積回路はトランスデューサ素子28の各々によって超音波を送信及び受信することができる。
【0031】
ビアによって特定用途向け集積回路30に接続されるボトム電極38及び絶縁分離層40は特定用途向け集積回路30の入力及びボトム電極38に平行な寄生容量を持つ。 トランスデューサ素子28の寄生容量は、0.5pFのオーダになることが可能になるので、送信効率及び受信信号雑音比劣化は2dBの範囲内になり得る。これらの寄生容量は、トランスデューサ素子28から受信される受信信号雑音比及び送信効率を低減するので、トランスデューサアセンブリ24の信号品質が減らされる。
【0032】
図3において、本発明による超音波トランスデューサアセンブリが、概略断面図で示され、概して50によって示される。 超音波トランスデューサアセンブリ50は、好ましくは超音波56を放出及び受信するための容量性マイクロマシン加工超音波トランスデューサ素子(CMUT)として形成される、複数のトランスデューサ素子54を持つ超音波トランスデューサアレイ52を有する。 超音波トランスデューサアレイ52は、好ましくは特定用途向け集積回路60である集積回路60のトップ面58上に形成される。 超音波トランスデューサアレイ52は、好ましくはマイクロ製造プロセスによってトップ面58上にモノリシックに形成される。 集積回路60は、以下に記載のように、トランスデューサ素子54を駆動し、トランスデューサ素子54から信号を受信するための複数の駆動及び受信要素62を有する。 そのように形成される超音波トランスデューサアセンブリ50は、超音波56を送信及び受信するための超音波プローブ14において使われてもよい。
【0033】
容量性マイクロマシン加工超音波トランスデューサ素子として形成されるトランスデューサ素子54及び好ましくは特定用途向け集積回路60として形成される集積回路60は、好ましくはマイクロ製造方法、例えばマイクロエレクトロニクス製造技術によって半導体基板である基板上にモノリシックに製造又は形成される。これにより、超音波トランスデューサアセンブリ50のサイズは低減され、超音波トランスデューサアセンブリを製造するための技術的な労力が減らされる可能性がもたらされる。
【0034】
トランスデューサ素子54は好ましくは可撓メンブレン64のトップ面に付けられるか、又はメンブレン64内に埋め込まれる第一の電極66を各々含む可撓メンブレン64を各々有する。 キャビティ68は可撓メンブレン64の下に形成されるので、可撓メンブレン64は、超音波56を放出するために、たわむことができるか、又は励振されることができる。 キャビティ68のボトムにおいて、各々のトランスデューサ素子54は、超音波トランスデューサアレイ52を集積回路60から絶縁分離する絶縁分離層72に結合されるか、又は絶縁分離層72内に埋め込まれる第二の電極70を有する。第一の電極66は可撓電極66、又は可撓メンブレン64に結合される剛体電極の何れかとして形成され、第二の電極70は剛体電極70として形成される。 可撓メンブレン64は、支持要素74又はスペーサ74によって第二の電極70及び絶縁分離層72から分離される。
【0035】
第一の電極は互いから分離されて、ビア76によって集積回路60の駆動要素62にそれぞれ個別に電気的に接続される。 ビア76は支持要素74内に形成される。 代わりに、ビア 76は支持要素74にラテラルに接続されてもよい。
【0036】
ビア 76は、第一の電極66を集積回路60に個別に接続するために、絶縁分離層72及び第二の電極70を通じて更に供給される。 第二の電極70は互いに接続され、DCバイアス電圧をトランスデューサ素子54に供給するために直流電圧源78に接続される。第二の電極70は好ましくは、絶縁分離層72のトップ面上に堆積される単一のメタル層として形成される。 それゆえに、トップ電極66としての第一の電極66は能動電極を形成し、ボトム電極として形成される第二の電極は受動電極になる。 トップ電極66としての能動電極とのこの逆接続によって、能動電極66及び集積回路60の間の寄生容量は概して低減され得るので、トランスデューサ素子54の送信効率及び信号雑音比は改善されることができ、信号及び画質は増やされることができる。
【0037】
キャビティ68は、真空ギャップであってもよい。概して超音波トランスデューサアセンブリ50の感度を増やすため、可撓メンブレン64は、崩壊モードにおいてトランスデューサ素子54を使用するためにDCバイアス電圧によって第二の電極70まで下にたわんでもよい。特定の実施例において、第二の電極70は、更なる絶縁分離層によってカバーされてもよい。
【0038】
本発明は、図面及び上述の記載において詳細に図示されると共に記載されているが、このような図面及び記載は例示的であり、限定的なものでないことは考慮されるべきであり、本発明は開示の実施例に限定されるものではない。
【0039】
開示の実施例に対する他のバリエーションは、図面、開示、及び従属請求項の検討から特許請求の範囲に記載の発明を実施する当業者によって理解され得ると共にもたらされ得る。
【0040】
クレームにおいて、"有する"という語は他の要素若しくはステップを除外せず、不定冠詞"a"若しくは"an"は複数を除外しない。単一の要素若しくは他のユニットがクレームに列挙される複数の項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属クレームに列挙されているという単なる事実はこれら手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0041】
請求項の参照番号は、これらの請求項の保護範囲を限定するものではない。