特許第6882959号(P6882959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882959
(24)【登録日】2021年5月11日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】排水ポンプ及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F04D 1/14 20060101AFI20210524BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   F04D1/14
   F24F13/22 222
   F24F1/0007 361F
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-165491(P2017-165491)
(22)【出願日】2017年8月30日
(65)【公開番号】特開2019-44609(P2019-44609A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2019年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】冨田 沙祈子
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 秀剛
(72)【発明者】
【氏名】濱田 正吾
(72)【発明者】
【氏名】日下 直樹
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−189662(JP,A)
【文献】 特開2016−156366(JP,A)
【文献】 実開昭63−105792(JP,U)
【文献】 特開2016−156364(JP,A)
【文献】 特許第3708671(JP,B2)
【文献】 特開2017−106388(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/063969(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/14
F24F 1/0007、13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入口および吐出口を有した筒状のポンプハウジングと、前記ポンプハウジングの内部に回転自在に設けられ前記ポンプハウジング内の流体に遠心力を付与するポンプロータとを備え、前記ポンプロータの回転により前記吸入口から吸入した流体を前記吐出口から排出するようにした排水ポンプであって、
前記ポンプロータは、下方に小羽根と、上方に配置され流体に遠心力を付与しその遠心力により前記吐出口から水を排出する複数の突起片と、前記小羽根と前記突起片との間に形成された底板を有し、前記ポンプハウジングは、排出管が接続される前記吐出口を有した内周面が形成された略円筒状の空間を有し、前記小羽根は、前記ポンプハウジングの前記吸入口内に配置され、前記突起片及び底板は、前記空間内に配置され、
前記ポンプロータの前記底板の外周縁と前記ポンプハウジングの前記空間の内周面との隙間が、前記ポンプロータの前記底板の外径に対して8.5%以上15%以下の大きさに設定されていることを特徴とする排水ポンプ。
【請求項2】
前記ポンプロータの前記突起片は櫛形で前記底板に立設され、前記底板の外径が26mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の排水ポンプ。
【請求項3】
前記ポンプハウジングの内径が70mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の排水ポンプ。
【請求項4】
室内熱交換器、室外熱交換器、絞り装置及び圧縮機を含む冷媒回路を備えた空気調和機であって、
前記室内熱交換器が設けられた室内ユニット内に請求項1乃至のいずれか一項に記載の排水ポンプを備えたことを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空気調和機のドレンパンに溜まったドレン水(結露水)を排水するための排水ポンプ(ドレンポンプ)、この排水ポンプを備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機用排水ポンプとして、例えば特開2017−106388号公報(特許文献1)に開示されたものがある。この種の排水ポンプでは、その性能として高流量化が求められており、特開2017−106388号公報のものでは、ポンプハウジング内のポンプロータにおける軸部12Bの突起(小羽根)12bの形状を改良して排水する流量を増加させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−106388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のものでは、流量は増加できるものの、低揚程時に空気調和機用排水ポンプに振動が生じることがある。この振動が空気調和機用排水ポンプが取り付けられるユニットに伝播しユニットそのものが振動すると騒音の原因となるという問題がある。例えば、図7に示すように、低揚程の場合、ポンプハウジングaに吸入される水量は満水とはならず、水と空気とが混在する。さらに、ポンプロータbの回転により水が回転し、気液境界面cがすり鉢状に傾斜するので、この気液境界面cを突起片dが通過するとき、気泡eが発生する。このため、ポンプハウジングa内での、水と空気とによる回転軸回りの質量分布が大きくばらつき、回転力が振動を発生させる。すなわち、ポンプハウジングa内に多量の気泡eが発生することで、流体が変則的な回転を繰り返し、この流体がポンプハウジングaの内壁や吐出口に当たる衝撃でポンプの振動が生じる。
【0005】
本発明は、高流量を維持しつつも、ポンプハウジングの振動を抑えて、排水ポンプが取り付けられるユニットの静音性を確保できる排水ポンプを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の排水ポンプは、吸入口および吐出口を有した筒状のポンプハウジングと、前記ポンプハウジングの内部に回転自在に設けられ前記ポンプハウジング内の流体に遠心力を付与するポンプロータとを備え、前記ポンプロータの回転により前記吸入口から吸入した流体を前記吐出口から排出するようにした排水ポンプであって、前記ポンプロータは、下方に小羽根と、上方に配置され流体に遠心力を付与しその遠心力により前記吐出口から水を排出する複数の突起片と、前記小羽根と前記突起片との間に形成された底板を有し、前記ポンプハウジングは、排出管が接続される前記吐出口を有した内周面が形成された略円筒状の空間を有し、前記小羽根は、前記ポンプハウジングの前記吸入口内に配置され、前記突起片及び底板は、前記空間内に配置され、前記ポンプロータの前記底板の外周縁と前記ポンプハウジングの前記空間の内周面との隙間が、前記ポンプロータの前記底板の外径に対して8.5%以上15%以下の大きさに設定されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の排水ポンプは、請求項1に記載の排水ポンプであって、前記ポンプロータの前記突起片は櫛形で前記底板に立設され、前記底板の外径が26mm以上であることを特徴とする。
【0008】
請求項3の排水ポンプは、請求項1または2に記載の排水ポンプであって、前記ポンプハウジングの内径が70mm以下であることを特徴とする。
【0010】
請求項5の空気調和機は、室内熱交換器、室外熱交換器、絞り装置及び圧縮機を含む冷媒回路を備えた空気調和機であって、前記室内熱交換器が設けられた室内ユニット内に請求項1乃至4のいずれか一項に記載の排水ポンプを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1乃至4の排水ポンプによれば、ポンプロータの外周縁とポンプハウジングの内周面との隙間が、気泡を分散させる領域として十分な隙間となるので、ポンプロータの回転により発生する気泡がポンプハウジングの内周面に到達するまでに分散させることでポンプハウジングの内周面等に対する衝撃を緩和でき、ポンプハウジングの振動を低減して、排水ポンプが取り付けられるユニットの静音性を確保することができる。
【0012】
請求項5の空気調和機によれば、請求項1乃至4のいずれか一項と同様な作用効果により静音性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の排水ポンプの一部破断正面図である。
図2】蓋ケースを除いた場合の図1のA−A矢視図である。
図3】実施形態に係る排水ポンプの片側クリアランスのポンプロータに対する外径比と振動振幅の実測値を示す図である。
図4】実施形態に係る排水ポンプの振動が低減する作用を説明する図である。
図5】実施形態の排水ポンプに好適な各部の寸法の範囲を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る空気調和機の概略構成を示す図である。
図7】従来の排水ポンプで振動が発生する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の排水ポンプの実施形態を図面を参照して説明する。図1は実施形態の排水ポンプの一部破断正面図、図2は蓋ケースを除いた場合の図1のA−A矢視図である。なお、以下の説明における「上下」の概念は図1の図面における上下に対応する。
【0015】
この実施形態の排水ポンプ100は、ポンプ部10と、モータ部20と、上部カバー30とを備えている。ポンプ部10は、樹脂製で円筒状のポンプハウジング1と、後述の樹脂製のポンプロータ2と、樹脂製で円筒形状の蓋ケース3とを有している。蓋ケース3の外周には取付けアーム31が形成されている。モータ部20は、回路基板やステータを内蔵して樹脂により一体成形された樹脂モールド部201を有している。上部カバー30は薄型で円形蓋状の形状をしており、その外周にはフック301が形成されている。
【0016】
そして、モータ部20の樹脂モールド部201に上部カバー30が嵌合され、上部カバー30のフック301を蓋ケース3の取付けアーム31に係止することにより、モータ部20と上部カバー30が蓋ケース3に取り付け固定されている。なお、フック301と取付アーム31とはスナップフィットとなっている。また、上部カバー30には、当該排水ポンプをユニット天板等に固定するためのブラケット302が形成されており、ブラケット30にはユニット天板等への取付ネジを挿通する挿通孔(図示せず)が設けられている。
【0017】
ポンプハウジング1は、樹脂成形部品として一体に形成されており、後述の室内熱交換器のドレンパン内に配置される吸入口11と、後述の排出管が接続される吐出口12とを有している。なお、ポンプハウジング1は外周の2箇所に嵌合部1a(図2参照)を有しており、この嵌合部1aを蓋ケース3の底板部32を有する下端部に設けられた図示しない係止部に係止することにより、ポンプハウジング1と蓋ケース3が取り付け固定されている。なお、この嵌合部1aと、嵌合部1aが係止される蓋ケース3の上記係止部とはスナップフィットとなっている。また、ポンプハウジング1と蓋ケース3はOリング10aを介して気密に固定されている。そして、モータ部20におけるモータの出力軸20aが蓋ケース3内を貫通してポンプハウジング1内に延設されている。
【0018】
ポンプハウジング1内には、ポンプロータ2が配設されている。ポンプロータ2は、例えば樹脂材料で一体に形成され、軸線Lを中心とする軸嵌合ハブ21と、この軸嵌合ハブ21の下方に軸線Lの方向に沿って延びる複数(例えば4枚)の板状の小羽根22と、軸嵌合ハブ21と小羽根22との間で略逆円錐状に形成された「底板」としての円錐板23と、この円錐板23に立設され、流体に遠心力を付与する撹拌体を構成する複数の櫛形の突起片24と、を有して構成されている。
【0019】
小羽根22は、吸入口11内に配置され、軸嵌合ハブ21がモータ部20の出力軸20aに固定されている。そして、モータ部20によりポンプロータ2が回転し、吸入口11内で小羽根22が回転することにより、ドレンパンの水が吸入口11内を上昇し、円錐板23と櫛形の突起片24とによりポンプハウジング1内の水が回転し、その遠心力により水が吐出口12から吐出される。なお、蓋ケース3は、底板部32から立設する縦壁を有しており、縦壁は多重構造となっている。この多重構造により内部から外部に通じる通路がラビリンス構造となっており、主に吸入口11内で発生する水掻き音が、外部に漏れるのを低減している。なお本実施形態では二重構造となっている。
【0020】
ポンプハウジング1内の空間S1は、ポンプロータ2の円錐板23の形状に倣った略円錐状の空間となっている。そして、この空間S1内で水が軸線L回りに回転する。ここで、前記図7で説明したように、低揚程の場合、ポンプハウジング1の空間S1内に吸入される水に対して、気液境界面を突起片24が通過するとき、気泡が発生する。そこで、この気泡による振動を低減するために、本実施形態では、ポンプロータ2の円錐板23の外周縁2Aとポンプハウジング1の内周面1Aとの隙間Dを以下のように設定することで、振動の発生を低減するようにしている。なお、この隙間Dを「片側クリアランス」ともいう。
【0021】
図2に示すように、ポンプハウジング1の内周面1Aの内径をP、ポンプロータ2の外周縁2Aの外径をQとすると、上記隙間Dは
D=(P−Q)/2
であり、この隙間Dのポンプロータ2の外径Qに対する比率(百分率)
R=(D/Q)×100[%]
を8.5%以上としている。
【0022】
図3は実施形態の排水ポンプと同様な構造で、ポンプロータ2に対してポンプハウジング1の内径Pを変化させて振動の振幅を測定した実測例を示す図である。この測定は、ポンプロータ2の外径QがQ=φ34[mm]と、Q=φ36[mm]である場合について、片側クリアランスの外径比Rを変化させて、振動の振幅を測定している。横軸は外径比Rで、縦軸は振動の振幅である。なお、振動の振幅とは所定期間の振幅波形の変位の最大値と変位の最少値の差(ピーク間の差)の値をμm(ミクロン)で示している。この図3から判るように、Q=φ34[mm]とQ=φ36[mm]のいずれの場合も、振動の振幅は外径比Rに対して同様な傾向を示し、特に外径比Rが、
R≧8.5[%]
の範囲で振動の振幅が低くなっている。
【0023】
この結果は、後述の範囲においても同様な結果となったことが確認された。
【0024】
図4は実施形態の排水ポンプで振動が低減する作用を説明する図であり、細部部材は省略して図示してある。前記のように、隙間Dの外径比Rを8.5[%]以上とすることで、隙間Dが従来よりも大きくなっている。このため、ポンプロータ2とポンプハウジング1の内周面1Aとの間に気泡を分散させる分散領域Eが形成される。すなわち、ポンプハウジング1内の水は回転する遠心力により、内周面1A寄りの分散領域E側に移動する。このように、ポンプロータ2からポンプハウジング1の内周面1Aまでの距離を拡げることで、ポンプロータ2で発生した気泡Bを分散領域Eで分散させ、気泡Bの数密度を下げてポンプハウジング1の内周面1Aに衝突する気泡Bを減少させることで、ポンプハウジング1への衝撃を緩和することができる。これにより、排水ポンプ100の振動が低減される。
【0025】
このように、本発明の実施形態である排水ポンプは、吸入口11および吐出口12を有した筒状のポンプハウジング1と、このポンプハウジング1の内部に回転自在に設けられポンプハウジング1内の流体に遠心力を付与するポンプロータ2とを備え、ポンプロータ2の回転により吸入口11から吸入した流体を吐出口12から排出するようにした排水ポンプであって、ポンプロータ2の外周縁とポンプハウジング1の内周面との間に、気泡を分散させる分散領域Eが設けられていることを特徴としている。
【0026】
図5は実施形態の排水ポンプにおける好適な数値範囲を示す図であり、横軸はポンプロータ2(円錐板23)の外径Q、縦軸は片側クリアランスD(隙間D)である。3本の傾斜線は凡例に示すように、各外径比Rを示す、
R=8.5[%]
R=15[%]
R=25[%]
の線である。また、縦の線はポンプロータ2の外径Qが
Q=26[mm]
の線である。また、傾きが負の傾斜線はポンプハウジング1の内周面1Aの内径Pが
P=70[mm]
の線である。そして、これらの線で囲われたハッチングを付記した領域が好適な数値の範囲である。
【0027】
すなわち、以下の条件(1)〜(4)を満たす範囲が好適な数値である。
外径比Rが、
8.5[%]≦R≦25[%]…(1)
ポンプロータ2の外径Qが
26[mm]≦Q≦59.8[mm]…(2)
片側クリアランスDが、
2.2[mm]≦D≦11.7[mm]…(3)
ポンプハウジング1の内周面1Aの内径Pが、
30.4[mm]≦P≦70[mm]…(4)
【0028】
外径比Rが25[%]を超えると排水能力が低下するが、上記の条件(1)の範囲で外径比Rが15[%]以下がより好ましい。また、櫛形の突起片24を備えたポンプロータの場合、条件(2)のように、外径Qを26[mm]以上とすることが好ましい。このようにすることで必要とされる外径を有する突起片24の本数を維持できるため排水能力の低下を抑制できる。また、より好ましくは外径Qが30[mm]以上である。また、空気調和機に用いられる排水ポンプにおいては、ブラケット302に設けられる取付ネジの挿通孔(図示せず)の中心円(それぞれの挿通孔の中心によって描かれる円)の直径は一般的に概ね71〜75[mm]程度であり、また、排水ポンプの大型化を抑制する観点からポンプハウジング1の内周面1Aの内径Pは、条件(4)のように70[mm]以下が好ましい。
【0029】
以下に、本発明の一実施形態に係る空気調和機について、図6を参照して説明する。図6は本発明の一実施形態に係る空気調和機の概略構成を示す図である。この空気調和機は、例えば、家屋や商業施設などに設けられるエアコン等として用いられる。
【0030】
この空気調和機は、室内熱交換器110と、室外熱交換器120と、絞り装置130と、圧縮機140と、流路切換弁150とを含む冷凍サイクルを備えている。室内熱交換器110は室内ユニット200内に設けられ、室外熱交換器120と、絞り装置130と、圧縮機140と、流路切換弁150は、室外ユニット300内に設けられている。
【0031】
空気調和機の冷凍サイクルの流路は流路切換弁150により「冷房モード」および「暖房モード」の2通りの流路に切換えられる。冷房モードでは、図6に実線の矢印で示すように、圧縮機140で圧縮された冷媒は流路切換弁150から室外熱交換器120に流入され、絞り装置130に流入される。そして、この絞り装置130で冷媒が膨張され、室内熱交換器110に流入される。この室内熱交換器110に流入された冷媒は、流路切換弁150を介して圧縮機140に流入される。一方、暖房モードでは、図6に破線の矢印で示すように、圧縮機140で圧縮された冷媒は流路切換弁150から室内熱交換器110に流入され、絞り装置130に流入される。そして、この絞り装置130で冷媒が膨張され、室外熱交換器120、流路切換弁150、圧縮機140の順に循環される。
【0032】
冷房モードでは、室外熱交換器120が凝縮器として機能し、室内熱交換器110が蒸発器として機能し、室内の冷房がなされる。また、暖房モードでは、室外熱交換器120が蒸発器として機能し、室内熱交換器110が凝縮器として機能し、室内の暖房がなされる。
【0033】
室内ユニット200は、室内熱交換器110の下方にドレンパン40を備えるとともに、前記実施形態の排水ポンプ100が天板50に取り付けられ、この排水ポンプ100を制御する制御装置210を備えている。排水ポンプ100の吸入口11はドレンパン40内に配置され、インペラの回転により、吸入口11からドレンパン40に溜まったドレン水を吸引し、吸引したドレン水を吐出口12から吐出する。この吐出口12には排出管が接続されており、室内ユニット200(空気調和機)から離れた位置に排水される。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上記の条件(1)〜(4)を満足するような数値の組み合わせで構成されているものは、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1 ポンプハウジング
1A 内周面
11 吸入口
12 吐出口
2 ポンプロータ
2A 外周縁
21 軸嵌合ハブ
22 小羽根
23 円錐板(底板)
24 突起片
3 蓋ケース
L 軸線
10 ポンプ部
20 モータ部
30 上部カバー
100 排水ポンプ
110 室内熱交換器
120 室外熱交換器
130 絞り装置
140 圧縮機
150 流路切換弁
200 室内ユニット
300 室外ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7