(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
別に定義しない限り、本明細書におけるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味を有する。本明細書に記載のものと同様又は等価な任意の方法及び材料が、本開示の実施又は試験に使用可能であるが、例示的な方法及び材料について以下に説明する。
【0008】
本開示のガラス物品は、表面を含み、任意の形状を有することができる。1つの例において、ガラス物品は、円形、球形、湾曲状、又は平坦であってよい。別の例において、ガラス物品は、比較的厚く(約10cm)ても、比較的薄く(約0.1マイクロメートル)てもよい。更に別の例において、ガラス物品は、約0.5ミリメートル〜約3ミリメートル(例えば、0.5、0.7、1、1.5、2、2.5、又は3ミリメートル)の厚さを有している。1つの実施の形態において、ガラス物品は複数の個別のガラスコンポーネント(例えば、互いに結合又は溶融して、より大きいガラス物品とすることができる、多数の方形ガラス物品)を含んでいる。例示的な実施の形態において、ガラス物品は、ガラス材料で構成され、上面、下面、及び外縁部を有するガラス板20である。本開示のガラス板20は、表面全体にわたり実質的に平坦であり、矩形を有することができる。
【0009】
本開示のガラス物品は、ソータライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、又はアルカリアルミノシリケートガラスから形成することができる。他の適切で入手可能なガラス、及び適用可能な組成は、例えば、米国特許公開第2012/0247063号明細書に開示されており、参照により、その内容が本明細書に援用されるものである。
【0010】
本開示のガラス物品は、少なくとも1つ乃至複数のガラス突起50を有している。1つの実施の形態において、ガラス突起は、レーザー照射処理によって、ガラス物品の表面から成長する。本開示のガラス突起50は、真空断熱ガラス(VIG)窓の平行に対向するガラス板間のスペーサとして用いることができる。VIG窓において、ガラス突起50は、間の真空圧力、外部大気圧、及び外力(例えば、天候)下において、互いに弓形に湾曲する傾向がある、対向するガラス板間の間隔を維持する。VIG窓の平行に対向するガラス板間の間隔は、ガラス突起の高さと実質的に同じである。本開示のガラス突起は、窓を通した熱伝達を最小限に抑制すると共に、個々のガラス突起50の応力、及びこれに相応して、ガラス突起50に接触対向するガラス板の応力を低減するように構成されている。
【0011】
例示的な実施の形態において、ガラス物品(例えば、ガラス板)は、側面曲率半径より大きい、頂面曲率半径を有するガラス突起を含んでいる。即ち、ガラス物品の表面から上方に延びるガラス突起の側面の曲率半径が、頂面の曲率半径より小さい。凸状の側壁より大きい曲率半径を有する凸状の頂面は、ガラス突起50と対向するガラス板との間の接触を最適化することができる。即ち、VIG窓の対向するガラス板間の圧力が増加する(それによって、力がガラス突起に伝達される)と、対向するガラス板が僅かに変形し、ガラス突起の頂面のより広い領域(例えば、ガラス突起の高さの3%)に接触することができる。同様に、VIG窓の対向するガラス板間の圧力が減少すると、対向するガラス板は、ガラス突起の頂面のより狭い領域(例えば、ガラス突起の高さの1%)に接触する。従って、本開示のガラス突起50の頂面に沿った曲率半径は、従来のガラス突起と比較して、利益をもたらす。別の例において、ガラス突起50は、ガラス突起と他の材料との間のスペーサとして機能することができる。更に別の例において、ガラス突起50は審美的効果を有することができる。2600マイクロメートルより大きい頂面曲率半径を有する、従来のガラス突起は、VIG窓の対向するガラス板との接触領域が大きく、より大きい熱伝達領域が可能であり、かつ創出されている。900マイクロメートルより小さい頂面曲率半径を有する、従来のガラス突起は、VIG窓の対向するガラス板との接触領域が小さく、対向するガラス板の狭い接触領域に応力を生じさせ、表面欠陥につながる可能性がある。
【0012】
ガラス突起50は、ガラス物品の本体部23から成長させることができ、ガラス物品を構成するガラス材料で、ガラス物品の表面から凸状に突出するように形成することができる。ガラス突起50は、ガラス物品と実質的に同じガラス組成から構成される。1つの実施の形態において、ガラス物品は、複数の個別のガラスコンポーネントを含み、各ガラスコンポーネントが、少なくとも1つの局所L及び/又は少なくとも1つのガラス突起50を有している。複数のガラス突起50は、僅か20、15、10、又は5個を含む、任意の数のガラス突起を含むことができる。例示的な実施の形態において、ガラス突起50は、ガラス物品上に、互いに規則的に間隔を置いて配置されている。ガラス突起間の間隔は、約1mm(約1/25インチ)〜約25センチメートル(約10インチ)、又は約1センチメートル(約0.4インチ)〜約15センチメートル(約6インチ)であってよい。ガラス突起を互いに近づけて配置することによって、VIG窓の個々の突起に対する応力の集中が抑制される。別の実施の形態において、ガラス突起は、ガラス物品上に、互いに不規則又はランダムに間隔を置いて配置されている。
【0013】
図1は、ガラス板20における例示的なガラス突起50の例示的な拡大断面を示す図である。ガラス突起50は、変曲領域35によって接続された、下部領域30と上部領域40とを有している。ガラス突起50は、ガラス板20の表面24から終点13までの高さH50を有している。終点13は、ガラス板20の表面24から最も遠いガラス突起50上の位置である。1つの実施の形態において、終点13は、ガラス突起50上の領域であってよい。例示的な実施の形態において、ガラス突起50の高さH50は、50マイクロメートル〜200マイクロメートル、又は75マイクロメートル〜150マイクロメートル、更には100マイクロメートル〜120マイクロメートルの範囲であってよい。突起の高さH50が低くすぎると、VIG窓の対向する板間の間隙が小さくなり、それによって対向する板間の真空空間の減少及び断熱特性の低下を招くことに留意されたい。加えて、ガラス突起50の高さH50が低いと、密接に配置されたガラス表面間の光の干渉によって、光リングが現れる可能性がある。
【0014】
ガラス突起50の下部領域30は、ガラス板20の表面24から突出し、表面上に一体的に形成されている。下部領域30は、ガラス突起50の高さH50の約5%〜約25%に及ぶことができる高さH30を有している。下部領域30は、体積V1、及び凹状に丸みを帯びた側面31によって規定される直径D1を有している。体積V1は、約9.42×10
5立方マイクロメートル〜約2.51×10
7立方マイクロメートルであってよい。直径D1はガラス突起50の最大径D
Mであってよい。即ち、最大径D
Mは、凹状に丸みを帯びた側面31が終了してガラス板20の表面24と結合する、点AとBとの間の間隔である。最大径D
Mは、約400マイクロメートル〜約800マイクロメートル、更には500マイクロメートル〜700マイクロメートルであってよい。400マイクロメートルより小さい最大径D
Mのガラス突起50は、VIG窓の対向するガラス板間の応力の集中を増加させる750マイクロメートルより小さい、曲率半径の頂面を有することができる。800マイクロメートルより大きい直径D1のガラス突起50は、VIG窓のガラス板間に使用された場合目に見える。
【0015】
下部領域30の凹状に丸みを帯びた側壁31は、曲率半径R1を有している。凹面曲率半径R1は、約25マイクロメートル〜約100マイクロメートルであってよい。曲率半径R1は、開示した範囲内において、ガラス突起50周囲の異なる位置で僅かに変化し得る。曲率半径R1は、ガラス突起50が、開示した直径D1の範囲を超えず、かつ本明細書に開示の頂面曲率半径を維持して、ガラス板20の表面24から突出するように設定される。
図2は、例示的なガラス突起50の拡大断面を示す図である。例示的なガラス突起50の高さH50は、約168マイクロメートルであり、最大径D
Mは約586マイクロメートルである。
図2に示すように、ガラス突起50の1つの凹状に丸みを帯びた側面31に沿った座標C(1マイクロメートル、1マイクロメートル)から座標D(22マイクロメートル、13マイクロメートル)までの曲率半径R1は、約33マイクロメートルである。
【0016】
図1に戻り、ガラス突起50の変曲領域35が、下部領域30と上部領域40とを接続している。上部領域40は、移行部41及び頂部42を有する体積V2を含んでいる。上部領域40は、ガラス突起50の高さH50の約75%〜約95%に及ぶことができる高さH40を有している。体積V2は約1.41×10
7立方マイクロメートル〜約9.55×10
7立方マイクロメートルであってよい。1つの実施の形態において、体積V2は、ガラス突起50の体積V1より大きい。別の実施の形態において、体積V2は体積V1より少なくとも5%大きいが、50%を超えない。別の実施の形態において、体積V2は、ガラス突起50の直径D1の約85%〜約92%に及んでいる。更に別の実施の形態において、上部領域の側方プロファイル(即ち、
図1の断面)は、約0.95〜約0.999の決定係数で、式y=−1.94×10
−8X
4+−5.76×10
−4X
2+168.47を有する4次多項式関数によって示される。この4次多項式関数の係数は、5%まで変動し得る。
図3は、約0.999の決定係数で、本開示の例示的なガラス突起50の上部領域の一部に適合したこの多項式関数を示している。この多項式関数は、ガラス突起50の側方プロファイルに沿った、座標E(55マイクロメートル、78マイクロメートル)から座標F(531マイクロメートル、78マイクロメートル)まで、例示的な突起50の上部領域40の側方プロファイルに適合している。即ち、多項式関数は、ガラス突起50の側方プロファイルの上部領域の少なくとも40%に適合することができるが、60%を超えない。
【0017】
図1に戻り、上部領域40の移行部41は、凸状に丸みを帯びた側面32によって規定される直径D2を有している。直径D2は、ガラス突起50の最大径D
Mの約33%〜約85%に及ぶことができる。凸状に丸みを帯びた側面32は、変曲領域35において、下部領域30から上方に延びる凸状に丸みを帯びた側面31と結合している。凸状に丸みを帯びた側面32は、曲率半径R2を有している。凸面曲率半径R2は、約175マイクロメートル〜約850マイクロメートル、又は約200マイクロメートル〜約500マイクロメートルであってよく、開示した範囲内において、ガラス突起50周囲の異なる位置で僅かに変化し得る。
図4〜6は、例示的なガラス突起50の拡大断面を示す図である。
図4〜6の各々において、ガラス突起50が、移行部41の凸状に丸みを帯びた側壁32の1つに沿って、0.999より大きい決定係数(即ち、rの二乗)で、曲率半径の式に適合している。
図4において、ガラス突起50の凸状に丸みを帯びた側壁31の1つに沿った、座標G(56マイクロメートル、76マイクロメートル)から座標H(64マイクロメートル、84マイクロメートル)までの曲率半径R2は、約483マイクロメートルである。
図5において、ガラス突起50の凸状に丸みを帯びた側壁31の1つに沿った、座標I(115マイクロメートル、130マイクロメートル)から座標J(133マイクロメートル、140マイクロメートル)までの曲率半径R2は、約201マイクロメートルである。
図6において、ガラス突起50の凸状に丸みを帯びた側壁31の1つに沿った、座標K(179マイクロメートル、158マイクロメートル)から座標L(198マイクロメートル、162マイクロメートル)までの曲率半径R2は、約399マイクロメートルである。
【0018】
曲率半径R2は、少なくとも5マイクロメートル又はガラス突起50の高さH50の5%にわたって測定することができる。あるいは、R2はガラス突起50の高さH50の50%以上にわたって測定することができる。凸状に丸みを帯びた側面32間で測定した直径D2は、約132マイクロメートル〜約680マイクロメートルであってよい。移行部41の直径D2は、変曲領域35から頂部42にかけて、約15%〜約65%減少する。
ガラス突起50の全体の直径が、下部領域から移行部41にかけて徐々に減少しているため、直径D2は直径D1より小さい。
【0019】
図1に戻り、頂部42は、直径D3を有し、凸状に丸みを帯びた頂面43によって規定されている。凸状に丸みを帯びた頂面43は、ガラス板20の表面から離間して、ガラス突起50の高さH50を規定している。凸状に丸みを帯びた頂面43は、ガラス突起50の高さH50の約1%〜約3%に及ぶことができる。別の実施の形態において、凸状に丸みを帯びた頂面43は、最大径D
Mの約15%〜35%、又は最大径D
Mの約20%〜約33%に及ぶことができる。凸状に丸みを帯びた頂面43は、移行部41から集結する凸状に丸みを帯びた側面32に結合している。凸状に丸みを帯びた頂面43は、約900マイクロメートル〜約2600マイクロメートル、又は約950マイクロメートル〜約2000マイクロメートルの凸面曲率半径R3を有している。
図7、8は例示的なガラス突起50の拡大断面を示す図である。
図7、8において、ガラス突起は、頂部42の頂面43に沿って、曲率半径の式に適合している。
【0020】
図7において、ガラス突起50の凸状に丸みを帯びた頂面43に沿った、座標M(225マイクロメートル、166マイクロメートル)から座標N(361マイクロメートル、166マイクロメートル)までの半径R3は、約2564マイクロメートルである。座標Mから座標Nまでの半径R3は、ガラス突起50の高さH50の1%に及んでいる。
図8において、ガラス突起50の凸状に丸みを帯びた頂面43に沿った、座標O(211マイクロメートル、163マイクロメートル)から座標P(375マイクロメートル、163マイクロメートル)までの凸面半径R3は、1075マイクロメートルである。座標Oから座標Pまでの半径R3は、ガラス突起50の高さH50の3%に及んでいる。
図7、8において、凸状に丸みを帯びた頂面43は、丸みを帯びた頂面43に沿って、ガラス突起50の側方プロファイルを示すために光走査表面形状測定装置に設けられた限界によって生じた、僅かな不完全性又は「ノイズ」を含んでいる。従って、近似適合曲線は0.55、更には0.85より大きい決定係数(即ち、rの二乗)を有している。別の実施の形態において、凸状に丸みを帯びた頂面43は、終点13又はその周辺に、約3500マイクロメートルを超え、5000マイクロメートル未満の凹面曲率半径R4を有する、僅かに凹状の領域を含んでいる。
【0021】
曲率半径R3は、VIG窓の対向するガラス板間の接触が、個々のガラス突起50及び対向するガラス板の応力を緩和するのに十分であり、かつガラス突起50を介して、対向するガラス板間の接触熱伝達を最小限に抑制するように、制限する曲率半径に設定成されている。曲率半径R3は、成長制限構造体を使用せずに、本開示のレーザー照射処理によって形成することができるものである。成長制限構造体を使用しない、本開示のレーザー照射処理は、従来の方法と比較して、大幅に時間を節約して、頂面に大きい(即ち、900マイクロメートル〜2600マイクロメートルの)曲率半径を有するガラス突起50を成長させることができる。具体的には、レーザー照射によってガラス突起50を成長させる前に、成長制限構造体に対しガラス物品を整列させる必要がない。
【0022】
例示的な実施の形態において、凸面曲率半径R3は、凸面曲率半径R2より大きい。別の実施の形態において、凸面曲率半径R3は、凸面曲率半径R2より約80%〜約300%、又は約100%〜約250%大きい。更に別の実施の形態において、凸面曲率半径R3は、凹面曲率半径R1より大きい。凸状に丸みを帯びた頂面43の弦として測定した直径D3は、直径D2より小さい。直径D3は、約132マイクロメートル〜約264マイクロメートル以下であってよい。直径D3は、終点13又はその周囲に向けて徐々に減少する。
【0023】
移行部41及び頂部42は一体的に形成されている。更に、変曲領域35が、移行部41において、下部領域30と上部領域40とを接続している。変曲領域35は、曲率半径を有さない(即ち、平坦又は表面24に対して垂直な)側面によって規定することができる。1つの実施の形態において、変曲領域35は、二次元領域(例えば、平面)である。別の実施の形態において、変曲領域35は、ガラス突起50の高さH50の約5%以下に及ぶ体積V4である。
【0024】
前述のように、本開示によれば、ガラス突起50は、従来の方法で成長させた従来のガラス突起と異なる。
図9は、本開示の例示的なガラス突起50の拡大断面を示す図である。また、本開示とは異なる方法によって製造された、従来のガラス突起70及び60も示されている。
図9のガラス突起70の拡大断面は、成長制限構造体を含む、従来のレーザー照射方法によって成長させたものである。例えば、米国特許出願公開第2013/0321903A1号明細書は、「実質的に平坦な頂部」有する複数の成長制限突起70を成長させる方法を提案している。
【0025】
図9のガラス突起70を更に
図10〜15に示す。
図10〜15の例示的なガラス突起70は、約128マイクロメートルの高さH70及び約562マイクロメートルのベース直径DB70を有している。
図10に示すように、ガラス突起70は、ガラス突起70の頂面に沿って座標Q(189マイクロメートル、128マイクロメートル)から座標R(401マイクロメートル、128マイクロメートル)まで、約4142マイクロメートルの曲率半径R5を有している。座標Qから座標Rまでの半径R5は、ガラス突起70の高さH70の1%に及んでいる。
図11に示すように、ガラス突起70は、ガラス突起70の頂面に沿って、座標S(170マイクロメートル、125マイクロメートル)から座標T(421マイクロメートル、125マイクロメートル)まで、約3069マイクロメートルの曲率半径R5を有している。座標Sから座標Tまでの半径R5は、ガラス突起70の高さH70の3%に及んでいる。
図12に示すように、ガラス突起70は、ガラス突起70の凹状に丸みを帯びた側面の1つに沿って、座標U(1マイクロメートル、1マイクロメートル)から座標V(32マイクロメートル、14マイクロメートル)まで、約40マイクロメートルの曲率半径R7を有している。
図13に示すように、ガラス突起70は、ガラス突起70の凸状に丸みを帯びた側面の1つに沿って、座標W(53マイクロメートル、58マイクロメートル)から座標X(59マイクロメートル、63マイクロメートル)まで、約4047マイクロメートルの曲率半径R8を有している。
図14に示すように、ガラス突起70は、ガラス突起70の凸状に丸みを帯びた側面の1つに沿って、座標Y(100マイクロメートル、101マイクロメートル)から座標Z(105マイクロメートル、105マイクロメートル)まで、約2977マイクロメートルの曲率半径R8を有している。
図15に示すように、ガラス突起70は、ガラス突起70の凸状に丸みを帯びた側面の1つに沿って、座標AA(150マイクロメートル、120マイクロメートル)から座標BB(160マイクロメートル、124マイクロメートル)まで、約643マイクロメートルの曲率半径R8を有している。
図10〜15において、凸状に丸みを帯びた頂面は、曲率半径R5に沿って、ガラス突起70の側方プロファイルを示すために、光走査表面形状測定装置に設けられた限界によって生じた、僅かな不完全性又は「ノイズ」を含んでいる。
【0026】
再度
図9において、別の従来のレーザー照射方法によって成長させた、半球状のガラス突起60の拡大断面が示されている。
図9のガラス突起60を更に
図16〜21に示す。
図16〜21の例示的なガラス突起60は、約188マイクロメートルの高さH60及び約666マイクロメートルのベース直径DB60を有している。
図16に示すように、ガラス突起60は、ガラス突起60の頂面に沿った座標CC(286マイクロメートル、186マイクロメートル)から座標DD(382マイクロメートル、186マイクロメートル)まで、約680マイクロメートルの曲率半径R6を有している。座標CCから座標DDまでの半径R6は、ガラス突起60の高さH60の1%に及んでいる。
図17に示すように、ガラス突起60は、ガラス突起60の頂面に沿った座標EE(249マイクロメートル、182マイクロメートル)から座標FF(418マイクロメートル、182マイクロメートル)まで、約656マイクロメートルの曲率半径R6を有している。座標EEから座標FFまでの半径R6は、ガラス突起60の高さH60の3%に及んでいる。
図18に示すように、ガラス突起60は、ガラス突起60の凹状に丸みを帯びた側面の1つに沿った座標GG(6マイクロメートル、1マイクロメートル)から座標HH(31マイクロメートル、12マイクロメートル)まで、約30マイクロメートルの曲率半径R9を有している。
図19に示すように、ガラス突起60は、ガラス突起60の凸状に丸みを帯びた側面の1つに沿った座標II(71マイクロメートル、85マイクロメートル)から座標JJ(77マイクロメートル、93マイクロメートル)まで、約398マイクロメートルの曲率半径R10を有している。
図20に示すように、ガラス突起60は、ガラス突起60の凸状に丸みを帯びた側面の1つに沿った座標KK(143マイクロメートル、148マイクロメートル)から座標LL(149マイクロメートル、152マイクロメートル)まで、約273マイクロメートルの曲率半径R10を有している。
図21に示すように、ガラス突起60は、ガラス突起60の凸状に丸みを帯びた側面の1つに沿った座標MM(223マイクロメートル、176マイクロメートル)から座標NN(229マイクロメートル、180マイクロメートル)まで、約32マイクロメートルの曲率半径R10を有している。
【0027】
従来の方法に従って形成されたガラス突起60及び70に対する、本開示のガラス突起50の様々な曲率半径の比較を以下の表1に示す。表1に示すように、ガラス突起50の半径R1が、ガラス突起60及び70の同様の半径R9及びR7のそれぞれと比較されている。また、ガラス突起50の半径R2が、ガラス突起60及び70の同様の半径R10及びR8のそれぞれと比較されている。更に、ガラス突起50の半径R3が、ガラス突起60及び70の同様の半径R6及びR5のそれぞれと比較されている。
【0029】
ガラス突起50の凸状に丸みを帯びた頂面(ガラス突起の高さH50の1〜3%の頂部)の凸面曲率半径R3である、R3は900〜2600マイクロメートルである。曲率半径R3は、凸状に丸みを帯びた頂面に対向するガラス板からの圧力が増加及び減少する間、VIG窓のガラス突起50と対向するガラス板との間の接触を最適化する。表1に示すように、又前述のように、ガラス突起50の曲率半径R3は、例えば、VIG窓に使用される従来のガラス突起60及び70と比較して、新規であり独創的である。
【0030】
本開示の1つの実施の形態において、ガラス突起50は光誘起吸収によって形成される。光誘起吸収は、ガラス物品を局所的に放射線に曝露(照射)又は放射線で加熱(即ち、レーザー照射)することに起因する、ガラス物品の吸収スペクトルの局所的変化を含んでいる。光誘起吸収は、紫外、近紫外、可視、近赤外、及び/又は赤外波長を含み、これに限定されない波長又は波長範囲における、吸収の変化を伴うことができる。ガラス物品における、光誘起吸収の例には、例えば、カラーセンターの形成、一時的なガラス欠陥の形成、及び永久的なガラス欠陥の形成が含まれるが、これに限定されるものではない。レーザーの照射線量は、レーザーのパワーPと曝露時間との積の関数である。
【0031】
図22は、ガラス物品(例えば、ガラス板20)に、ガラス突起50を形成するのに使用される、例示的なレーザーベースの装置(「装置100」)の概略図である。装置100は、光軸A1に沿って配置されたレーザー110を備えることができる。レーザー110は、光軸A1に沿って、パワーPを有するレーザービーム112を発することができる。例示的な実施の形態において、レーザー110は、電磁スペクトルの紫外(UV)領域で動作する。レーザーの照射線量は、レーザービーム112のパワーPと曝露時間との積の関数である。
【0032】
装置100は、光軸A1に沿って配置され、焦点FPを含む焦点面P
Fを規定する集光光学系120も備えている。例示的な実施形態において、集光光学系120は、光軸に沿って、レーザー110から順に、デフォーカスレンズ124と第1の集光レンズ130との組み合わせ(この組み合わせによって、ビームエキスパンダー131が形成される)、及び第2の集光レンズ132を有している。別の実施の形態において、集光光学系120は、光軸A1に沿って、レーザー110から順に、ビームエキスパンダー及び第2の集光レンズを有している。ビームエキスパンダーは、レーザービーム112の径を2倍又は4倍に増加又は減少させて、調整された径D
Bを有するコリメートレーザービーム112Cを生成するように構成することができる。
【0033】
例示的な実施の形態において、デフォーカスレンズ124は、焦点距離fD=−5cmを有し、第1の集光レンズ130は、焦点距離fC1=20cmを有し、第2の集光レンズ132は、焦点距離fC2=3cm及び開口数NAC2=0.5を有している。別の例示的な実施の形態において、デフォーカスレンズ124、並びに第1及び第2の集光レンズ130、132は、溶融シリカで構成され、反射防止(AR)コーティングを備えている。集光光学系120の別の例示的な実施の形態は、レーザービーム112から、集束レーザービーム112Fを生成するように構成されたミラー、又はミラーとレンズ素子との組み合わせを有している。
【0034】
装置100は、レーザー110に電気的に接続され、レーザーの動作を制御するように構成された、レーザーコントローラ、マイクロコントローラ、コンピュータ、マイクロコンピュータ等のコントローラ150も備えている。例示的な実施の形態において、レーザー制御信号SLでレーザー110を「オン」及び「オフ」するのではなく、レーザービーム112の経路にシャッター160を設け、シャッター制御信号SSを用いて、レーザービームを選択的に遮断して、レーザービームを「オン」及び「オフ」するように、コントローラ150に電気的に接続されている。
【0035】
装置100の動作を開始する前に、装置に対しガラス物品を相対配置する。具体的には、ガラス物品の表面が、光軸A1に対し実質的に垂直になるように、光軸A1に沿ってガラス物品を配置する。例示的な実施の形態において、前面22及び後面24を有するガラス板20が、ガラス板の後面24が、焦点面PFからレーザー110に向かう方向(即ち、+Z方向)に、距離D
Fだけ僅かに軸方向にずれるように、光軸A1に対して相対配置される。本開示の方法において、距離D
Fは0.1ミリメートル〜3ミリメートルの範囲であってよい。例示的な実施の形態において、距離D
Fは約1ミリメートル〜約2.5ミリメートルの範囲であってよい。ガラス突起50を形成する更に別の実施の形態において、開口数NAC2=0.3である。別の例示的な実施の形態において、ガラス板20は、0.5mm≦TG≦6mmの範囲の厚さTGを有している。これ等のパラメータを用いて、本開示のガラス突起50をガラス板20から成長させることができる。ガラス突起を形成する従来の方法は、成長制限構造体を使用せずに、750マイクロメートル、又は更には900マイクロメートルの曲率半径を有する(高さの1〜3%の頂部に沿った)頂面を備えたガラス突起を生成することはできない。従って、成長制限構造体を使用すれば、ガラス突起70は、3000マイクロメートルを超える頂面曲率半径R5を有することになる。従って、前述の開口数NAC2及びD
F値によって、新規な幾何学的特性を有するガラス突起50がもたらされる。
【0036】
装置100を動作させる例示的な方法において、コントローラ150からの制御信号SLを介し、レーザー110を起動して、レーザービーム112を生成することができる。シャッター160が使用される場合には、レーザー110を起動した後、コントローラ150からのシャッター制御信号SSを介してシャッターが起動され、レーザービーム112を通すように、「オン」の位置に配置される。次に、レーザービーム112は、集光光学系120によって受光され、その中のデフォーカスレンズ124によって、レーザービームが発散され、デフォーカスレーザービーム112Dが形成される。次に、デフォーカスレーザービーム112Dは、デフォーカスレーザービームから、拡大コリメートレーザービーム112Cを形成するように構成された、第1の集光レンズによって受光される。次に、コリメートレーザービーム112Cは、集束レーザービーム112Fを形成する第2の集光レンズ132によって受光される。集束レーザービーム112Fは、ガラス板を通過して、前述のように、ガラス突起の後面24からD
Fの距離にある、従って、本体部23の外部に存在する焦点FPにおいて、光軸A1に沿ってスポットSを形成する。集束レーザービーム112Fとガラス板20の前面22及び後面24との交点によって規定される範囲内の任意の点を、本明細書において局所Lと呼ぶ。ガラス板20の別の領域にレーザービーム112Fを集束して、別の局所Lを形成することができる。
【0037】
集束レーザービーム112Fが、ガラス板20(局所L)を通過するとき、その一部が前述のガラス板の光誘起吸収によって吸収される。これが、局所Lにおいて、ガラス板20を局部的に加熱する働きをする。光誘起吸収量は比較的少なく、例えば、約3%〜約50%である。ガラス板20の本体部23に、急速な温度変化がガラスの膨張を誘発する限定された膨張ゾーンが形成されるにつれ、ガラス突起が形成され始める。膨張ゾーンは、膨張ゾーンを囲む加熱されない(従って、膨張しない)ガラス領域によって制約されるため、膨張ゾーン内の溶融ガラスは、上方に膨張/流れることによって、内部応力を緩和するように強制され、それによってガラス突起50が形成される。集束レーザービーム112Fが、ガウス分布等の円対称断面強度分布を有する場合には、ガラス板本体23の円形領域に局部的な加熱及びそれに伴うガラスの膨張が生じ、結果として得られるガラス突起50は、実質的に円対称であり得る。
【0038】
ガラス板20の別の位置(例えば、局所L)において、前述の処理を繰り返して、ガラス板に、複数(例えば、アレイ状)のガラス突起50を形成することができる。例示的な実施の形態において、装置100は、コントローラ150に電気的に接続され、大きな矢印172で示すように、集束レーザービーム112Fに対し、ガラス板20をX、Y、及びZ方向に移動するように構成されたX−Y−Zステージ170を備えている。これによって、コントローラ150からのステージ制御信号STを介し、ステージ170を選択的に平行移動させ、ガラス板20の異なる位置を照射して、複数のガラス突起50を形成することができる。別の例示的な実施の形態において、ガラス突起50が形成される予定のガラス板20の位置に、集束レーザービーム112Fを選択的に向けることができるように、集光光学系120が走査するように構成されている。
【0039】
本明細書において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別の意味に解釈されない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、a「metal」と言った場合、文脈上明らかに別の意味に解釈されない限り、かかる「metal」を2つ以上有する例を含む。
【0040】
本明細書において、範囲は「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までと表現することができる。かかる範囲が示された場合、これ等の例は、1つの特定の値から、及び/又は別の特定の値まで含んでいる。同様に、先行する「約」を使用することによって、値が近似値として表現されている場合、特定の値が別の態様を形成することが理解されるであろう。更に、範囲の各々の終点は、他方の終点に関連して、及び他方の終点とは無関係に、有意であることが理解されるであろう。
【0041】
特に明記しない限り、本明細書に記載の方法は、そのステップを特定の順序で実行する必要があると解釈されることを意図するものでは全くない。従って、方法クレームが、そのステップが従うべき順序を記述していない場合、又はステップが特定の順序に限定されると、クレーム若しくは明細書に具体的に記述されていない場合、如何なる点においても、順序が推測されることを意図するものでは全くない。
【0042】
本明細書における記述が、特定の方法で機能するように「configured」又は「adapted to」されている、本発明の構成要素を指すことにも留意されたい。この点において、かかる構成要素は、特定の特性又は機能を特定の方法で具体化するように「configured」又は「adapted to」されており、かかる記述は、意図した使用の記述ではなく、構造的記述である。より具体的には、本明細書において、構成要素が「configured」又は「adapted to」されている方法に言及している場合には、構成要素の既存の物理的状態を意味するものであり、従って、構成要素の構造的な特性の明確な記述と解釈されるものである。
【0043】
本発明の精神及び範囲を逸脱せずに、本開示の実施の形態に様々な改良及び変形が可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明の精神及び本質を組み込んだ、本開示の実施の形態の改良、組み合わせ、部分組み合わせ、及び変形が、当業者に想到され得るため、本発明は添付の特許請求の範囲に属するすべてのもの及びその均等物を含むと解釈されるべきである。
【0044】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0045】
実施形態1
ガラス物品において、
ガラス突起を有するガラス表面を備え、前記ガラス突起が、
凹状に丸みを帯びた側面によって規定される直径D1を有する下部領域であって、前記ガラス物品の前記表面から突出し、前記直径D1が、前記ガラス突起の最大径であり、前記凹状に丸みを帯びた側面が、曲率半径R1を有し前記ガラス物品の前記表面に結合して成る、下部領域と、
前記ガラス突起の前記下部領域と前記ガラス突起の上部領域とを接続する変曲領域と、
移行部及び頂部を有する前記上部領域であって、
前記移行部が、凸状に丸みを帯びた側面によって規定される直径D2を有し、前記凸状に丸みを帯びた側面が曲率半径R2を有し、前記直径D2が前記直径D1より小さく、
前記頂部が、凸状に丸みを帯びた頂面によって規定される直径D3を有し、前記凸状に丸みを帯びた頂面が、前記移行部から集結する凸状に丸みを帯びた側面に結合し、前記曲率半径R2より大きい約900マイクロメートル〜約2600マイクロメートルの曲率半径R3を有し、前記直径D3が前記直径D2より小さく、前記凸状に丸みを帯びた頂面が、前記ガラス物品の前記表面から離間して、前記ガラス突起の高さHを規定する、
上部領域と、
を含む、ガラス物品。
【0046】
実施形態2
前記下部領域の前記凹状に丸みを帯びた側面の前記曲率半径R1が、約25マイクロメートル〜約100マイクロメートルである、実施形態1記載のガラス物品。
【0047】
実施形態3
前記下部領域の前記直径D1が、約400マイクロメートル〜約800マイクロメートルである、実施形態1記載のガラス物品。
【0048】
実施形態4
前記移行部の前記凸状に丸みを帯びた側面の前記曲率半径R2が、前記ガラス突起の前記高さHの少なくとも5%にわたり、約175マイクロメートル〜約950マイクロメートルである、実施形態1記載のガラス物品。
【0049】
実施形態5
前記移行部の前記直径D2が、前記変曲領域から前記頂部にかけて約15%〜約65%減少する、実施形態1記載のガラス物品。
【0050】
実施形態6
前記移行部の前記直径D2が、約132マイクロメートル〜約680マイクロメートルである、実施形態1記載のガラス物品。
【0051】
実施形態7
前記頂部の前記直径D3が、約132マイクロメートル〜約264マイクロメートルである、実施形態1記載のガラス物品。
【0052】
実施形態8
前記ガラス突起の前記高さHが、約50マイクロメートル〜約200マイクロメートルである、実施形態1記載のガラス物品。
【0053】
実施形態9
前記上部領域の側方プロファイルが、下式の多項式関数
y=−1.94×10
−8X
4+−5.76×10
−4X
2+168.47、及び
約0.95〜約0.999の決定係数を有する、実施形態1記載のガラス物品。
【0054】
実施形態10
前記頂部の前記凸状に丸みを帯びた頂面が、凹領域を含む、実施形態1記載のガラス物品。
【0055】
実施形態11
前記下部領域が、前記ガラス突起の前記高さHの約5%〜約25%である、実施形態1記載のガラス物品。
【0056】
実施形態12
前記上部領域が、前記ガラス突起の前記高さHの約75%〜約95%である、実施形態1記載のガラス物品。
【0057】
実施形態13
前記頂部が、前記ガラス突起の前記高さHの約1%〜約3%である、実施形態1記載のガラス物品。
【0058】
実施形態14
表面に形成されたガラス突起を有するガラス板において、前記ガラス突起が、
レーザー光源から、レンズを介して、集束するレーザー光を前記ガラス板の前記表面に照射するステップであって、前記レーザー光が、前記ガラス板の前記レーザー光源と反対側の表面から約1ミリメートル〜約2.5ミリメートル離れた距離に集束し、前記レーザー光によって、前記ガラス板が局部的に加熱され、該板からの前記ガラス突起の成長が誘起される、ステップを含み、ガラス突起成長制限構造体を使用しない方法によって形成され、
凹状に丸みを帯びた側面によって規定される、直径D1を有する体積V1を含む下部領域であって、前記ガラス板の前記表面から突出し、前記直径D1が前記ガラス突起の最大径であり、前記凹状に丸みを帯びた側面が曲率半径R1を有し、前記ガラス板の前記表面に結合して成る下部領域と、
前記ガラス突起の前記下部領域と前記ガラス突起の上部領域とを接続する変曲領域と、
移行部及び頂部を有する体積V2を含む前記上部領域であって、
前記移行部が、凸状に丸みを帯びた側面によって規定される直径D2を有し、前記凸状に丸みを帯びた側面が曲率半径R2を有し、前記直径D2が前記直径D1より小さく、
前記頂部が、凸状に丸みを帯びた頂面によって規定される直径D3を有し、前記凸状に丸みを帯びた頂面が、前記移行部から集結する前記凸状に丸みを帯びた側面に結合し、前記凸状に丸みを帯びた頂面が、前記曲率半径R2より大きい約900マイクロメートル〜約2600マイクロメートルの曲率半径R3を有し、前記直径D3が前記直径D2より小さく、前記凸状に丸みを帯びた頂面が、前記ガラス板の前記表面から離間して、前記ガラス突起の最大の高さHを規定する、
上部領域と、
を含む、ガラス板。
【0059】
実施形態15
前記ガラス突起の前記下部領域の前記体積V1が、約9.42×10
5立方マイクロメートル〜約2.51×10
7立方マイクロメートルである、実施形態14記載のガラス板。
【0060】
実施形態16
前記ガラス突起の前記上部領域の前記体積V2が、約1.41×10
7立方マイクロメートル〜約9.55×10
7立方マイクロメートルである、実施形態14記載のガラス板。
【0061】
実施形態17
前記ガラス突起の前記体積V2が、前記ガラス突起の前記体積V1より大きい、実施形態14記載のガラス板。
【0062】
実施形態18
前記ガラス突起の前記体積V2が、前記直径D1の約85%〜約92%である、実施形態14記載のガラス板。
【0063】
実施形態19
前記凸状に丸みを帯びた頂面の前記曲率半径R3が、前記下部領域の前記凹状に丸みを帯びた側面の前記曲率半径R1より大きい、実施形態14記載の方法。
【0064】
実施形態20
実施例1に記載の物品を製造する方法であって、前記物品がガラス板であって、前記方法が、
前記ガラス板の表面に、レーザー光を一定時間照射して、前記ガラス板を局部的に加熱し、該板から前記ガラス突起の成長を誘起するステップであって、前記レーザー光が、レーザー光源から、レンズを介して、約0.01〜約0.5の開口数で集束し、前記レーザー光が、前記ガラス板の前記レーザー光源と反対側の表面から、約1ミリメートル〜約2.5ミリメートル離れた距離に集束する、ステップを含み、ガラス突起成長制限構造体を使用しない方法。