(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6883058
(24)【登録日】2021年5月11日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】作業具
(51)【国際特許分類】
A01D 1/14 20060101AFI20210531BHJP
A01B 1/16 20060101ALI20210531BHJP
B25G 1/01 20060101ALN20210531BHJP
【FI】
A01D1/14
A01B1/16
!B25G1/01 C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-75167(P2019-75167)
(22)【出願日】2019年3月25日
(65)【公開番号】特開2020-156455(P2020-156455A)
(43)【公開日】2020年10月1日
【審査請求日】2020年10月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519386006
【氏名又は名称】河内 正美
(72)【発明者】
【氏名】河内 勲
【審査官】
中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−275526(JP,A)
【文献】
特開2000−107245(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3169304(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3103555(JP,U)
【文献】
実開昭60−094224(JP,U)
【文献】
特開2017−136057(JP,A)
【文献】
実開昭58−164595(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3136686(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0297190(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 1/00 − 1/24
A01D 1/00 − 1/14
A47L 13/36
A61H 23/06
B25G 1/00 − 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の打ち振り動作によって対象物を叩くあるいは打込みを行なう弾性の柄を有する作業具であって、
握り本体と、
前記握り本体に前記弾性の柄の一端を取付けて延設され打ち振り動作により揺動可能な主柄と、
前記主柄の他端側に設けられ打ち振り動作によって対象物を叩く、あるいは打込みを行う重りを兼ねた作用具と、から構成され、
前記主柄の他端側に前記作用具を取付け可能な取付け部を有し、前記主柄に対し重なって配置される弾性変形可能な補助柄と、
前記主柄と前記補助柄双方を固定する位置を変える移動調整可能な固定部材と、を備え、
前記握り本体は、前記主柄と前記補助柄の一端を取付け固定する支持部と、
この支持部に延設され、前記主柄と前記補助柄の少なくとも接合位置にダンパー部材を設けたことを特徴とする作業具。
【請求項2】
前記主柄と前記補助柄を重ね合わせて位置を変更して固定する際に、前記主柄と補助柄の間にクッション材からなるスペース部材を設けることを特徴とする請求項1に記載の作業具。
【請求項3】
前記作用具は重りを兼ねて脱着ができる溝と取付け穴を有し、前記主柄他端側の前記取付け部に取付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業具。
【請求項4】
前記主柄他端側の前記取付け部には作用具として前記主柄に対して脱着可能な草の根切り具または布団たたき具などに取替え可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業具。
【請求項5】
前記作用具を草の根切り具とする場合、先端に草の根切り刃とし、この根切り刃は主柄の延長仮想線と前記刃の延長仮想線のなす曲げ角度が95°〜135°であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布団たたき、肩叩き、土の耕し、芝生の中に生えている草の根切りなどに使用する用途に合せて作用具を簡単に取替え出来る構造とした作用具と、その作用具を取付ける作業具である。特にこの作業具は使用時に手首、指に大きな振動や衝撃が伝わらない、または軽減することを可能にした作業具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、布団たたきとして特許文献1や類似の商品が販売されている、また特許文献2には肩たたきであり類似の特許も多数出願されている、また特許文献3には庭園の軽い耕しや芝生の中の草取り具など販売され使用されている、ここでは特許文献をその一例として述べる。
特許文献1に記載の作業具は、布団たたきの握り部から、撓み率の異なる2本のアームを利用して、布団たたき面に時間差を生じさせ、音を軽減できる布団たたきである。
次に特許文献2に記載の作業具は、肩たたきであり、柄をバネ材で形成しその基端をグリップに埋設して、他端に軟質弾性樹脂で形成され頂部に乳頭群を成形された半球状である、バネ材の柄には開口取付け部が設けてあり、開口取付け部に硬さが異なる2ケの半球を合わせた構造である。
また特許文献3に記載の作業具は、草取り具であり、鉄棒をL字状に曲げ刃部を作るか、刃部を溶接した構造であり、草の根元近くに刃部を打込むかまたは押し込み、草取りを行う方法である。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−275526
【特許文献2】実公昭61−9636
【特許文献3】特開2017−136057
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものは、布団たたきの握り部から撓み率の異なるアームを利用して、主アームと補助アームの布団たたき面に時間差を生じさせるスライドストッパー機構を使用しているが握り部は主柄と補助柄の拡動を直接受け使用時に指、手首に大きな振動や衝撃が伝わってしまい、長時間使用できない。
【0005】
特許文献2に記載のものは、肩たたきであり、柄をバネ材で形成、その基端をグリップに埋設され、他端に軟質と硬質の弾性樹脂で形成され頂部に乳頭群を成形した半球状であり、半球状の開口部にはバネ材の取付け部が設けられ、2ケの半球を合わせて取付けた構造であるが、柄及びグリップには振動や衝撃が直接伝わってしまい使用者が限られる。
【0006】
特許文献3に記載のものは、刃部を草の根本近くに打込むか、押込む必要があり、指、手首に大きな打込み力や押込み力が掛かり、また振動や衝撃が掛かるという欠点がある。
【0007】
上記特許文献いずれのものも、健常者が使用するには不都合があまりないのだろうが、障害者や老人が使用するには指、手首に大きな振動や衝撃が掛かるという欠点がある。
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑み、弾性材の主柄と補助柄双方を重ね合わせ移動調整可能な状態で取付け、主柄の弾性率を変えて振動、衝撃伝達の軽減と握り本体の衝撃吸収構造を活かし、健常者から障害者、老人まで広く使用出来る作業具を提供することを目的としている。さらに作業具として草の根切り具または布団たたき具など作用具を取替え、色々な作業に適用できることを可能としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために次に述べるような構成となっている。
【0009】
ここで開示の第1の作業具は、使用者の打ち振り動作によって対象物を叩くあるいは打込みを行なう弾性の柄を有する作業具であって、前記握り本体に前記弾性の柄の一端を取付けて延設され打ち振り動作により揺動可能な主柄と、前記主柄の他端側に設けられ打ち振り動作によって対象物を叩く、あるいは打込みを行う重りを兼ねた作用具と、から構成され、前記主柄の他端側に前記作用具を取付け可能な取付け部を有し、前記主柄に対し重なって配置される弾性変形可能な補助柄と、前記主柄と前記補助柄双方を固定し位置を変える移動調整可能な調整部材とを備え、前記握り本体は、前記主柄と前記補助柄の一端を取付け固定する支持部と、この支持部に延設され前記主柄と前記補助柄の少なくとも接合位置にダンパー部材を設けた作業具である。
【0010】
ここで開示の第2の作業具は、前記主柄と前記補助柄を重ね合わせて位置を変更して固定する際に、前記主柄と補助柄の間にクッション材からなるスペース部材を設ける上記第1に記載の作業具である。
【0011】
ここで開示の第3の作業具は、前記作用具の重りを兼ねて脱着ができる溝と取付け穴を有し、前記主柄他端側の前記取付け部に取付けた上記第1または第2に記載の作業具である。
【0012】
ここで開示の第4の作業具は、前記主柄他端側の前記取付け部に作用具として、前記主柄に対して脱着可能な草の根切り具、または布団たたき具、他の作用具に取替え可能である上記第1または第2に記載の作業具である。
【0013】
ここで開示の第5の作業具は、前記作用具を草の根切り具とする場合、主柄の先端を草の根切り刃とし、この根切り刃は主柄の延長仮想線と前記刃の延長仮想線のなす曲げ角度が95°〜135°である上記第1または第2に記載の作業具である。
【発明の効果】
【0014】
以上の構成の作業具は、次に列挙する効果が得られる。
前記第1に開示する作業具では、主柄と補助柄を移動調整可能な固定部材で固定し、主柄の弾性率が変えられる構造であり、また握り本体の支持部に主柄を最端から延設してダンパー部材を設けた握り本体である。 これにより作用具からの振動や衝撃を吸収することで、指、手首に大きな振動や衝撃が掛かるという欠点が低減される為、指、手首に振動や衝撃が伝わりにくくなると言う効果を得られる。
【0015】
さらに前記第2に開示する作業具では、主柄と補助柄を重ね合わせ位置を変更し固定する様にできる、この主柄と補助柄の間にクッション材からなるスペース部材を設ける事で主柄と補助柄の打撃音を防ぐと共に、主柄が撓み易くなりスナップが利きやすく弱い力で打ち振りが出来る為、作用具に打ち振り以上の力を加えられる。
【0016】
さらに前記第3または第4に開示する作業具では、重りを兼ねた作用具に脱着が出来る溝と取付け穴を設けてあり、この作用具の溝と主柄の作用具取付け部を合わせて締結する。これにより草の根切り具または布団たたき具が簡単に取替え可能となり、他の作用具にも使える幅広い作業具にできる効果が得られる。
【0017】
前記第5に開示する作業具では、主柄の作用具取付け部を改造し、主柄に刃部を作り95°〜135°に曲げ込み作用具にすると共に、作用具取付け部に重りを取付け出来る取付け穴を設けて、上下の重りを取付けることで、前記構造を使った安価な草の根切り具に出来る効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】 本発明の一実施例、重りを兼ねた作用具を用い主柄と補助柄を固定部材で固定した作業具を示した斜視図。
【
図2】 本発明の一実施例、重りを兼ねた作用具を用い主柄と補助柄の間にスペース部材を入れ固定部材で固定した作業具を示した斜視図。
【
図3】 本発明の一実施例、主柄と補助柄と支持部材を締結ボルトナットで締結し固定部材のみの作業具を示した上面図。
【
図4】 本発明の一実施例、主柄と補助柄と支持部材を締結ボルトナットで締結し固定部材のみの作業具を示した正面図。
【
図5】 本発明の重りを兼ねた作用具の草の根切り具を組付けた、一実施例を示した上面図。
【
図6】 本発明の重りを兼ねた作用具の草の根切り具を組付けた、一実施例を示した正面図。
【
図7】 本発明の一実施例、草の根切り具の取付け部を示した断面図。
【
図8】 本発明の一実施例、布団たたき具を示した上面図。
【
図9】 本発明の一実施例、布団たたき具を示した正面図。
【
図10】 本発明の一実施例、主柄を曲げ加工し作った草の根切り作用具を示した上面図。
【
図11】 本発明の一実施例、主柄を曲げ加工し作った草の根切り作用具を示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施する為、最良の形態であるいくつかの実施例について説明する。但し、本 発明をこれらの一実施例のみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0020】
図1〜
図2に本発明の一実施例の作業具1の斜視図を示す、また
図3〜
図4に本発明の一実施例の作業具1の上面図及び正面図を示す、この図は使用者の打ち振り動作によって対象物を叩くあるいは打込みを行なうなどの作業を行う、重りを兼ねた作用具9を取付けて使用する弾性材の柄を有する作業具1である。
この作業具1の構成は、握り本体5に弾性の柄の一端を取付けて延設され揺動可能な主柄2と、主柄2に対し重なって配置された弾性変形可能な補助柄3と、また握り本体5は主柄2と補助柄3を支持部5aに締結ボルトナット5cなどで取付けて固定する。
または主柄2と補助柄3を支持部材5eに締結ボルトナット5cなどで取付け固定した支持部5aと、この支持部5aに延設され主柄2と補助柄3の少なくとも接合位置5fにダンパー部材5bを設ける、この事で打ち振り作業を行った時、主柄2と補助柄3が一体で揺動し、ダンパー部材5bが支持部材5eの飛び出しを防げる。
【0021】
また主柄2と補助柄3双方を固定し位置を変えられる移動調整可能な固定部材12を備え、
図1では主柄2と補助柄3を固定部材12で固定している、その事で打ち振り作業を行った時、主柄2と補助柄3が一体で揺動するため補助柄3が主柄2を叩く打撃音を防ぐ効果がある。
さらに固定部材12を、重りを兼ねた作用具9側の位置にして固定すると、弾性撓みを押さえて主柄2が硬くなるため、打ち振り時重りを兼ねた作用具9に直接力が伝わりやすくなる為、健常者は握り本体5を握り打ち振り作業すると、重りを兼ねた作用具9に強い打込み力を掛けて作業ができる。
一方、固定部材12を握り本体5側に移動して固定すると、弾性変形しやすくなり弾性撓みが働きやすく握り本体5を握り打ち振りすると作用具にスナップを利かせた打込みができる為、多少弱い打込み力であっても作業が出来る、その事は指、手首に振動や衝撃が伝わるのを抑えられる。
上記の様に作業者の健康状態に合わせて固定部材12の位置を変え連続作業ができる。
【0022】
また
図2では主柄2と補助柄3の間に移動調整可能なスペース部材11を入れ固定部材12で固定している、スペース部材11を入れる事で打ち振り作業を行った時、補助柄3が主柄2を叩く打撃音を防ぐ効果と同時により弾性撓みしやすくなる、このスペース部材11はゴム材、スポンジ材などがよいが弾性部材であれば良い。
これにより主柄2の弾性変形すなわち弾性撓み易しくなり、打ち振りを行なった時重りを兼ねた作用具9にスナップを活かした力が加わり易くなり1倍以上(1.1〜2倍向上するが、打ち振りスピード、重りの重さ、弾性材の弾性撓み量などによっても変わる)の力が働き、打ち振り力以上の力が働く為、握り本体5のダンパー部材5bと、主柄2のスペース部材11との両部材の相乗効果が働き指、手首に振動や衝撃が緩和されることで、障害者や老人にも使える作業具1にできる。
【0023】
主柄2と補助柄3に用いる弾性材は、弾性を有するコイル材などからスリット加工(長手連続切断)をするこの時両スリット面にバリが発生するのでこのバリが使用を繰り返すことで弾性材の主柄2と補助柄3の寿命を早め、取扱時指などの負傷の原因となる為バリ取り(こばスリ、Rバイト加工と言う事もある)をして使用すると良い。また主柄2と補助柄3は必要な長さで両端部をR面切断またはC面カットすると組付け易くなる。
主柄2と補助柄3共に同一材料とする時、補助柄3の弾性力を減らす為、長穴加工をすると良い、同一材料を使う事はコスト面からもメリットがある。
また弾性材はSUS304CSP―H、SUS301CSP―3/4HかH、板厚0.5〜1.2ミリ、板巾15〜30ミリからなるステンレス鋼材である、こうする事で錆び難く水洗いでき使いやすい作業具となるが、ステンレス鋼材に替えて他の弾性を有する材料であればよい。
【0024】
図1〜
図4に示す本発明の一実施例において、握り本体5は全長100〜150ミリ、端末から70〜110ミリを支持部5a、20〜50ミリをダンパー部材5bとする。
また、
図1〜
図2に示す支持部5aとダンパー部材5bを個別部材として接着などをしても良い。
図3〜
図4に示す様に支持部5aとダンパー部材5bを同一部材で連続体にすると尚良く、同一部材で連続体にする場合、ゴム系素材を使用しダンパー部材5bの中心部に主柄2、補助柄3の通し穴5dを、また支持部5a内部に芯材の支持部材5eを入れる長穴部分を残し外周部を同時成形する、その支持部5aの外周部肉厚は1.5〜3ミリとして、高さ1〜3ミリで、条数1〜5条巾2〜5ミリの滑り止めの凹凸を設けると良い。
また握り本体5は剛性が必要であり、一実施例として支持部5aには剛性のある芯材として支持部材5eを入れ、この支持部材5eと主柄2及び補助柄3を締結ボルトナット5cなどで組み付け固定する、この支持部5aに延設され主柄2と補助柄3の少なくとも接合位置5fにダンパー部材5bを設ける。
上記構造から、握り本体5は揺動させても安定性があり、握り易く、硬すぎない、打ち振り時握り部で滑らない、コスト的にも有利な握り部にできると共に、打ち振り時ダンパー部材5bが支持部材5eの飛び出しを防ぐ構造となる。
このゴム系素材のゴム硬度は40〜60°が良いがこれに限定されない。
【0025】
握り本体5の支持部5a全体をゴム硬度50〜100°、またはプラスチック系、木材、金属材などを使用しても良く、安定性があって滑らない事、硬すぎないこと、コスト的にも有利であることなどを考慮して支持部5a外周部にはゴム系の塗装や、ゴム製のカバーをはめ込む、または接着しても良いが握り本体5を連続体にすることが耐久性、コスト的に優れている。
またダンパー部材5bは指、手首に掛かる振動や衝撃が伝わるのを緩和する必要からゴム系ではゴム硬度40〜60°の物を、プラスチック材ではスポンジ系(例えばウレタンゴム)を使用するとよいが現在色々な商品があり、コスト、耐久性などを考慮して最良の物にしなければならない。
【実施例2】
【0026】
図5〜
図7は本発明の他の一実施例として、重りを兼ねた作用具9である草の根切り具9aの上面図、正面図、断面図である、尚これまで説明した実施例と同じ部材は同じ符号を付して説明する。
図5〜
図6の草の根切り具9aには主柄2に合わせた溝と取付け穴7bが加工してあり、また主柄2には作用具取付け部7があり取付け穴7bが加工してある。
草の根切り具9aは、主柄2に重りを兼ねた締結部材9bと、袋ナットなどの締結部材9c、ボルト9dで取付ける、この時重りを兼ねた締結部材9bのネジ穴にボルト9dをねじ込み、その後、締結部材9cで締める事でダブルナット効果があり緩み止めになると共に、主柄2を溝に合わせて取付ける為簡単に位置合わせができる、使用時にズレが生じない構造であり重りを兼ねた締結部材9bが草の根切り具9aの溝に支持部5a巾を合わせてあり、主柄2に密着しカバーをする目的も担っている。
草の根切り具9aは板厚、板巾、材質、重りの重さ、部品形状などから、ばね鋼材などの生材を使い機械加工を行なうと加工しやすくコスト面からもメリットがある、その後熱処理を施して硬度HRC35〜55とする、しかし錆対策が必要でありメッキ、塗装などを行うがこれに限定されない。
【実施例3】
【0027】
また
図8及び
図9はさらに別の実施例の布団たたき具9eである、この布団たたき具9eは、溝付き上部重り9f、下部重り9g、締結部材9c、ボルト9dで取付ける、多少構造は異なるが草の根切り具9aと同様に使用時にズレが生じない、緩まないなどの効果が得られる構造である。
またこの重りを兼ねた作用具9の重さは、使用時の打ち振り作業を行う時、スナップをきかせる為に必要な重さにすることが良いが作業者によって異なるので予備の重りを準備するとよい、また主柄2のスペース部材11の固定位置を調整して使用者の打ち振りに合わせる事が尚よい、しかしこれに限定されない。
【実施例4】
【0028】
図10〜
図11に本発明の一実施例の草の根切り付き作業具20を示す、この草の根切り具は主柄2の先端に刃部20bを設け、主柄2の延長仮想線と刃部20bの延長仮想線のなす曲げ角度20cを95°〜135°とするが100°〜115°であれば打込み易く、深く打ち込め使い勝手が良い、例えば135°の場合には刃部20bを多少上に向けると打込みが出来るが打込みしづらく作業がスムースに出来ない、また曲げ角度20cを95°近くにすると、曲げ角度20cが曲げ戻しされ易くなる。しかしながら作業姿勢などによって異なるのでこれに限定はしない。
また主柄2に作用具取付け部7の取付け穴7bを設け上下重りを取付ける、また上下重りで曲げR部をカバーし使用時に曲げ戻されるのを防ぐ。 また下部重り20dに溝が加工してあり、上部重り20eは溝に殆ど隙間なく入り込み主柄2に密着して締結部材9c、ボルト9dなどで締結する事で取付けが安定し、刃部20bの変形を防ぐ効果があるが、これに限定されない溝なしでも使用できる。
この構造は安価な草の根切り付き作業具20を提供する目的で考案した一例である。
【0029】
さらに、
図10〜
図11に示す根切り具付き作業具20については、類似品を3点程作り芝生の中の草取りテストを行った。
すなわち、主柄2及び補助柄3はSUS304CSP―H、板厚0.8と1.0ミリ、板巾15、20ミリ、全長330ミリ、刃部20刃長を45ミリ、曲げ角度20cを95°〜120°、曲げR3〜4R、上下重り20d、20e合計90〜140グラムでテストした。
本発明の草の根切り具付き作業具20で弾性が働かない状態(剛性のある鉄棒をテープで固定する)にして使った時結果は健常者と障害者では評価が異なるが、障害者は約5分で手首が痛くなった、しかし弾性撓みする状態で草の根切り具付き作業具20を使った時には60分以上痛みが少なく連続作業が出来た。
弾性材の主柄2、補助柄3のスナップを活かした打ち振りと、握り本体5に主柄2と補助柄3の接合する位置にダンパー部材5bを設ける事によりの衝撃吸収の相乗効果があった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の作業具1は、先端部の作用具9を色々と考え作る事で肩たたき具、打ち出しハンマーなどに利用できる。 主柄2と補助柄3との間の固定部材12と、握り部に設けたダンパー部材5bの主構成になり、指、手首に掛かる振動や衝撃が伝わるのを緩和出来る使う人々に優しい弾性材の主柄2を活かした作業具1である。
【符号の説明】
【0031】
1 作業具
2 主柄
3 補助柄
5 握り本体
5a 支持部
5b ダンパー部材
5c 締結ボルトナット
5d 通し穴
5e 支持部材(支持部材が入る長穴部分)
5f 接合する位置
7 作用具取付け部
7b 取付け穴
9 重りを兼ねた作用具
9a 草の根切り具
9b 重りを兼ねた上部重り(締結部材)
9c 締結部材(袋ナット)
9d ボルト
9e 布団たたき具
9f 溝付き上部重り(締結部材)
9g 下部重り
11 スペース部材
12 固定部材
20 草の根切り具付き作業具
20b 刃部
20c 曲げ角度
20d 下部重り
20e 上部重りを兼ねた締結部材