(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記リザーバチャンバ内へと下方に延在する前記充填チャンバの前記内方壁部の内部に位置する隔壁を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の用量投薬システム。
前記オーバーフローチャンバは、前記ヒンジに隣接する側において前記オーバーフローチャンバの頂部を閉じるカバーを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の用量投薬システム。
【背景技術】
【0004】
これを目的とした用量投薬システムが、EP1465692に開示されており、これは計量チャンバおよび第2の(オーバーフロー)チャンバを有する。計量チャンバは、噴霧化されるべき物質の容量を規定し、この容量をエーロゾル発生器へと送給するために配置され、一方でその容量を超過して計量チャンバ内に移される物質は、第2のチャンバ内に受けられ保持される。換言すれば、計量チャンバは、液体が第2のチャンバ内へとオーバーフローするまで充填され、計量チャンバ内部の計量された容量のみが、後に噴霧化される。これは、投与用量を変更するためには計量チャンバアセンブリの完全な取替えが必要となるという欠点を有する。さらに、この計量システムは、接着力および粘着力による影響を大幅に受けるため一方のチャンバから他のチャンバへと容易には流れない非常に少量の液体を計量する場合には適さない。
【0005】
さらなる用量投薬システムが、EP1205199およびEP2496293に開示されている。これらは共に、幅広上方部分および幅狭下方部分を有する充填チャンバを有し、幅広下方部分はその底端部を弁により閉じられる。プランジャが、チャンバの長手方向軸に沿って幅広上方端部から充填チャンバ内に挿入される。プランジャが幅狭下方部分に到達すると、プランジャと下方部分の壁部との間にシールが形成され、それにより液体が上方部分内へと上方に変位されることが不可能になる。プランジャを挿入し続けると、下方部分内の液体は、弁を通り押し出され、したがって計量された容量が用量投薬され、その一方で余剰液体は、シール上方の上方部分内に留まる。分注容量は、プランジャの体積および/または挿入度合いを変更することにより変更され得る。プランジャは、用量投薬されるべき液体を能動的に変位させ、したがって少量の粘性液体の分注に伴う問題を解消する。プランジャが引き戻されると、余剰液体は、下方部分に流入することが可能となり、プランジャが再挿入されれば弁を通り押し出され得る。これは、充填チャンバが複数用量の液体で計画的に充填され、用量投薬システムが繰り返し作動されることを前提とされる場合には有利である。しかし、かかる再度の用量投薬が意図されず、ひいては過剰投薬により有害となり得る場合には、これは極めて望ましくない。例えば、少量のみ(供給容積を大幅に下回る)の液体調合物が、新生児、乳児、もしくは小児に対して、または改善しつつある健康状態を有する被験者に対して投与されるように意図される場合がある。例えば、被験者が200μLのみを受けるべきである一方で、液体調合物が1mLまたはそれ以上を収容するアンプルにおいてのみ入手可能である場合がある。EP1205199およびEP2496293の用量投薬システムは、患者に対して意図しない800μLの過剰投薬を可能にしてしまう。
【0006】
WO2015/022436は、オーバーフローチャンバおよびプランジャを共に有する用量投薬システムであって、プランジャが充填チャンバと共にシールを形成し、それによりユーザに対して投与されるべきでない余剰容量の液体が隔離されて、この余剰容量の液体が誤って再度用量投薬されることが不可能となる用量投薬システムを開示している。2つの一般的なタイプの用量投薬システムが開示されている。第1では、充填チャンバは、ダックビル弁などの閉鎖手段によりエーロゾル発生器チャンバから分離される。液体が、充填チャンバ内に移され、充填チャンバにおいて弁により保持される。プランジャが挿入され、それにより液体の一部がオーバーフローチャンバ内へと変位される。次いで、プランジャは、充填チャンバ壁部との間にシールを形成しなければならず、それにより液体に対して圧力を印加して弁を開きエーロゾル発生器チャンバへと計量された容量の液体を供給することが可能となる。第2のタイプの用量投薬システムでは、充填チャンバとエーロゾル発生器との間に弁が存在せず、それにもかかわらず、プランジャと充填チャンバとの間には計量された容量の液体を隔離するためのシールが必要である。しかし、シール手段を形成するこの要件により、プランジャおよび/もしくは充填チャンバが作製される材料に対して要件が課され、ならびに/またはOリングなどの追加の構成要素が必要となる。
【0007】
ユーザが、噴霧化後に用量投薬システム(EP1465692におけるような)の蓋を開くおよび/またはプランジャ(EP1205199、EP2496293、およびWO2015/022436の実施形態の殆どにおけるような)を除去すると、余剰液体がユーザに対して可視状態になる。結果として、ユーザは、全用量を受けていないと誤解する場合があり、したがって余剰分を使用しようと試みる場合があり、これにより結果的に過剰投薬となる恐れがある。あるいは、ユーザは、正確な用量を受けたと理解し得るが、液体を無駄にしないように後の用量投薬においてこの余剰液体を使用しようと試み、これが不正確な用量投薬を結果的にもたらす、およびさらには汚染をもたらす恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、従来の用量投薬システムの欠点を有さない、特に少量である所定量の液体を正確に分注することが可能な改良された用量投薬システムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、本発明は、吸入デバイスのための用量投薬システムであって、
(a)エーロゾル化されることとなる液体を受けるための充填チャンバであって、外方壁部、ベース、および出口開口を画定する内方壁部を有する充填チャンバと、
(b)エーロゾル発生器に対して液体を供給するためのリザーバチャンバと、
(c)ヒンジ上に取り付けられオーバーフローチャンバを備えるプランジャと、
を備え、
充填チャンバの内方壁部が、ヒンジに隣接する側においてその対向側よりも高く、それにより、充填チャンバが液体で充填され、プランジャがヒンジの周りで枢動されることにより充填チャンバ内に挿入された場合に、液体の一部が、プランジャにより充填チャンバの内方壁部のより低い側を越えて出口開口を経由してリザーバチャンバ内に変位され、残留液体の一部またはすべてが、プランジャにより充填チャンバからオーバーフローチャンバ内へと変位される、用量投薬システム
を提供する。
【0011】
好ましくは、用量投薬システムは、液体がリザーバチャンバ内へと直接供給されるのを防止する、充填チャンバ出口開口の上方に位置するキャップを備える。
【0012】
好ましくは、プランジャは、内方壁部および外方壁部を有し、充填チャンバおよびプランジャの内方壁部および外方壁部の少なくとも一部が、プランジャが充填チャンバ内に完全に挿入された場合にプランジャおよび充填チャンバの内方壁部同士の間に締まり嵌め部が存在するように湾曲状の輪郭を有する。
【0013】
好ましくは、ヒンジは、充填チャンバからの液体の一部の外へのはね散りを引き起こし得るプランジャの急激な挿入を防止するために、プランジャの枢動運動に抵抗する戻り止め機構を備える。
【0014】
好ましくは、充填チャンバの内方壁部の下方側の頂部と、プランジャの内方壁部の頂部とが、プランジャが完全に挿入された場合に同一高さに位置する。
【0015】
好ましくは、隔壁が、充填チャンバの内方壁部の内部に位置し、この隔壁は、より好ましくはヒンジに対して平行であり、さらにより好ましくはリザーバチャンバ内へと下方に垂直に延在する。プランジャが挿入された場合に充填チャンバから変位される液体は、内方壁部の下方部分を越えてリザーバチャンバの対応する側を下方に流れる。内方壁部のより高い部分は、液体が対向側で下方に流れるのを防止し、それにより空気が、リザーバチャンバのその側において上方に変位される。これにより、空気閉塞部の、すなわちリザーバチャンバの底部における気泡トラップ部の形成が防止される。
【0016】
好都合には、キャップは、隔壁の延長部として形成され得る。
【0017】
好ましくは、オーバーフローチャンバは、ヒンジに隣接する側においてオーバーフローチャンバの頂部を閉じるカバーを有する。さらに好ましくは、カバーは、半環状壁部と、好ましくはヒンジに隣接するオーバーフローチャンバの外方壁部からオーバーフローチャンバの対向側に向かって若干下方に傾斜する(プランジャの挿入時に)半環状フロアとを備える。したがって、プランジャが挿入されると、余剰液体は、充填チャンバ内方壁部の下方側を越えて変位され、オーバーフローチャンバの非カバー部分に進入する。充填チャンバ内方壁部のより高い部分は、カバー壁部と共に、液体がカバーフロアの頂部上に流れるのを防止し、または少なくともカバーフロアの頂部上に流れる液体の量を最小限に抑える。それにもかかわらず、カバーフロアの傾斜は、充填チャンバ内方壁部のより高い部分を越えてもしくは回ってまたは充填チャンバ外方壁部を越えて進む液体を、傾斜を下方に戻りオーバーフローチャンバ開口の非カバー部分に向かっておよびオーバーフローチャンバ内へと案内する。さらに、噴霧化の完了後にプランジャが開かれると、カバーフロアはほぼ垂直配向になる。この位置で、カバーは、液体がオーバーフローチャンバから流出するのを防止する。カバーは、プランジャが開位置へと枢動された場合に液体が流出できないように、オーバーフローチャンバの頂部を十分に閉じる。
【0018】
好ましくは、プランジャは、オーバーフローチャンバの頂部を覆う、およびオーバーフローチャンバに対する直接的なアクセスを阻止する蓋を有し、それにより液体は、オーバーフローチャンバ内へと直接的に充填されることが不可能となり、余剰液体は、噴霧化後にユーザには不可視となる。好ましくは、蓋は、ユーザがオーバーフローチャンバにアクセスすることが困難になるように固定される。噴霧化の完了後にオーバーフローチャンバが空にされ洗浄されることを可能にするために、好ましくは、蓋とオーバーフローチャンバの頂部との間に開口が存在する。好ましくは、開口は、液体を注ぎ出すのを容易にするスパウトまたは他の手段を有さずに形成され、それにより、ユーザは、オーバーフローチャンバを空にすることが可能になるが、幾分か扱いにくくなる。これは、余剰液体の再利用が意図されていないことをユーザに対して強調する。
【0019】
代替的には、蓋は、除去可能または開口可能であってもよく、これにより使用後にオーバーフローチャンバの中身を空にし洗浄することが容易になる。例えば、オーバーフローチャンバは、個別に枢動可能であってもよい。好ましくは、オーバーフローチャンバおよび蓋は、蓋が閉じられている場合に蓋がオーバーフローチャンバに対して装着された状態になるようにクリップ形状部を有する。
【0020】
好ましくは、オーバーフローチャンバは、プランジャが挿入された場合に、プランジャが締まり嵌め部を形成し、好ましくは充填チャンバの全体を実質的に占めるように、充填チャンバのサイズおよび形状に対応する。それにもかかわらず、充填チャンバが内方壁部を有する場合には、充填チャンバの内方壁部とプランジャ(挿入された場合)との間に好ましくは小さな間隙が存在し、充填チャンバから変位された液体がこの間隙を通り流れる。好ましくは、間隙は、約0.15mmなど、0.1〜0.2mmの幅である。
【0021】
好ましくは、充填チャンバおよびオーバーフローチャンバは、ほぼ環状の形状である。好ましくは、プランジャは、リザーバチャンバ内に挿入できないように形状設定される。
【0022】
好ましくは、充填チャンバおよびプランジャは、剛性プラスチックなどの剛性材料から作製される。
【0023】
第2の態様では、本発明は、本発明の第1の態様の用量投薬システムを備える吸入デバイスを提供する。
【0024】
好ましくは、吸入デバイスは、相互に着脱自在に連結可能であるエーロゾルヘッドおよびベースユニットを備え、エーロゾルヘッドは、用量投薬システムを備える。さらに好ましくは、エーロゾルヘッドおよびベースユニットは、インターロックすることにより識別システムを提供する相補的な雄特徴部および雌特徴部を有し、例えばベースユニットは、サイズの異なる2つのペグを有し、エーロゾルヘッドは、2つの対応する穴を有する。
【0025】
第3の態様では、本発明は、本発明の第2の態様による吸入デバイスに対して液体を分量するための方法であって、充填チャンバに対してエーロゾル化されることとなる液体を供給するステップと、液体の一部が充填チャンバの内方壁部の下方側を越えてリザーバチャンバ内へと変位され、残留液体の一部またはすべてがオーバーフローチャンバ内に変位されるように、充填チャンバ内にプランジャを挿入するステップとを含む。
【0026】
本発明は、以下の図面を参照としてさらに説明される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1〜
図4(本発明によるものではない)は、用量投薬システムの一般原理を示す。用量投薬システム1は、噴霧化されることとなる液体3を受けるための充填チャンバ10を有する。充填チャンバ10は、外方壁部11、内方壁部12、およびベース13を有し、上方端部にて開口している。
【0031】
外方壁部および内方壁部は、円形である(上方から見た場合)ため、充填チャンバ10は、環状である。内方壁部12の頂部は、出口開口14を形成する。また、内方壁部12は、内部に位置する中央空間15を画定する。中央空間15の下方にはリザーバチャンバ31が存在し、このリザーバチャンバ31は、エーロゾル発生器に液体を供給する。したがって、内方壁部12は、充填チャンバからリザーバチャンバへと液体が流れるのを防止する障壁として機能する。
【0032】
エーロゾル発生器は、例えば振動穿孔膜34であってもよい。この膜34は、膜の退出(エーロゾル)面に、典型的には直径約1μm〜約10μmの多数の穴を有する。圧力平衡、穴形状、および膜に使用される材料の性質は、膜の振動がない場合に、液体がこの膜を通して滲出しないようなものである。しかし、膜の振動により、これらの穴を介したエーロゾル液滴の形成および放出がもたらされる。
【0033】
用量投薬システムは、充填チャンバ内に挿入するためのプランジャ20を有する。プランジャは、外方壁部21と、内方壁部22と、外方壁部および内方壁部を連結するベース23とを有する。これらの壁部およびベースは共に、オーバーフローチャンバ25を形成する。WO2015/022436の用量投薬システムの中の一部とは対照的に、このプランジャは、リザーバチャンバ内には挿入されない(および挿入不可能である)。これは、プランジャがリザーバチャンバ内に過度に押入され膜34と接触状態になるリスクが存在しないため有利である。
【0034】
また、このプランジャは、環状であり(上から見た場合に)、充填チャンバのサイズおよび形状に対応するため、プランジャが挿入された場合に締まり嵌め部を形成する。それにもかかわらず、充填チャンバの内方壁部12とプランジャの内方壁部22との間には小さな間隙26が存在し、充填チャンバから変位された液体が、この間隙26を通り流れる。間隙は、約0.15mmなど、0.1〜0.2mmのサイズであってもよい。充填チャンバの内方壁部12の頂部およびプランジャ20の内方壁部22の頂部は、
図3に示すようにプランジャが完全に挿入された場合に、同一高さに位置する。
【0035】
プランジャは、オーバーフローチャンバ25の頂部を覆う蓋27を有する。蓋は、噴霧化後の余剰液体をユーザから隠す。対照的に、上述の既知の用量投薬システムでは、噴霧化後にプランジャが除去されると、この余剰液体はユーザに対して可視状態にある。可視状態にあるこの液体の存在は、ユーザを混乱させる場合があり、ユーザは、この液体が噴霧化されるべきだと考え、したがって充填チャンバ内にこの余剰液体を移し戻そうと、およびしたがって正確な量を超過して用量投薬しようという気持ちにさせられ得る。
【0036】
この用量投薬システムは、以下のように動作する。液体3が、例えばカートリッジまたはアンプルなどから充填チャンバ10内に移される(
図1)。内方壁部12により、液体がリザーバチャンバ31内へと直接流れることが防止される。プランジャ20が挿入されると(
図2)、充填チャンバ10内の液体の一部が、充填チャンバの内方壁部とプランジャの内方壁部との間の間隙26を通り変位され、充填チャンバの内方壁部12を越えて出口開口14を通りリザーバチャンバ31内へと進む。リザーバチャンバ31と充填チャンバの内方壁部12の内部の中央空間15とが、それぞれ液体で充満すると(それぞれ3a、3b)、充填チャンバ10内の残りの液体は、プランジャ20の内方壁部22を越えてオーバーフローチャンバ25内へと変位される。プランジャが完全に挿入されると(
図3)、少量の残留液体(例えば間隙26からの液体)が充填チャンバ内に残っている場合に、この残留液体は、内方壁部12によってリザーバチャンバ31への進入を、およびしたがって誤って噴霧化されることを防止される。リザーバチャンバ31内の液体3aは、中央空間15内の液体3bと共に、噴霧化されるために使用可能である。余剰液体3cは、オーバーフローチャンバ25内に隔離および保持され、噴霧化できない。したがって、この用量投薬システムは、エーロゾル発生器に対して計量された液体容積(3a+3b)を分注する。
【0037】
噴霧化が完了した後に、余剰液体は、オーバーフローチャンバから外へと移される。次いで、用量投薬システムは、次回の使用前に洗滌され得る。プランジャ、充填チャンバ、または用量投薬システム全体は、ネブライザデバイスから除去可能であってもよく、それにより例えば水で洗滌されるおよび/または食器洗浄機内に配置されるなど、ユーザにより洗浄されることが可能となる。
【0038】
図1〜
図3では、プランジャ20は、完全に挿入されると(間隙26から離れるように)、充填チャンバ10の全体を実質的に占め、それにより残留液体は充填チャンバ内に殆どまたは全く残らない。
図4に示す変形例では、プランジャ20は、完全に挿入されると充填チャンバ10の全容積未満を占め、それにより余剰液体3cの一部分が、オーバーフローチャンバ内へと変位されるが、他方の残留部分3dは、充填チャンバ内に留まる。この残留液体3dは、内方壁部12により、噴霧化中にリザーバチャンバ31へ進入するのを防止される。しかし、噴霧化が完了した後に、ユーザは、充填チャンバ内に残る液体3dを見て、この液体3dが噴霧化されているべきなのにされていないと考える場合があるため、これはあまり好ましくない。
【0039】
図1〜
図4の概略図では、プランジャは、単純化のために充填チャンバ内へと下方に線形的に挿入されるものとして示される。しかし、
図5〜
図9に示す本発明の用量投薬システムでは、プランジャは、ヒンジ50を中心とする枢動運動により挿入および除去される。これにより、プランジャは若干の角度をなして挿入される結果となる。その結果、プランジャおよび充填チャンバのそれぞれの壁部の一部が、適切な対合湾曲部として形状設定される。プランジャとヒンジとの間の連結は、プランジャの容易な交換を可能としつつ、また同時にプランジャの紛失を防ぐように設計され得る。
【0040】
図5Aおよび
図5Bは、プランジャ20が充填チャンバ10に挿入される前および後のそれぞれの側面図を示す。
図6Aおよび
図6Bは、対応する断面図を示す。
図7および
図8は、それぞれ正面および上方からの開位置にある(すなわちプランジャの挿入前の)用量投薬システムの図である。
図9は、用量投薬システムの構成要素を示す拡大図である。
【0041】
図6Bで分かるように、充填チャンバの内方壁部およびプランジャの内方壁部は、ヒンジ50付近の領域で湾曲しており51、52、それによりプランジャは、充填チャンバ内に枢動されることが可能となると共に、プランジャが完全に挿入された場合にこれらの内方壁部同士の間に締まり嵌め部も確保する。それにもかかわらず、プランジャは、充填チャンバとの間に耐圧性シールを形成する必要はなく、むしろ意図的に耐圧性シールを形成しないことにより、充填チャンバから変位された液体が流通し得る間隙を提供する。
【0042】
さらに、WO2015/022436の用量投薬システムとは異なりシールの必要性がないことにより、プランジャおよび/または充填チャンバは、可撓性材料から作製される必要もなく、またOリングなどの追加の構成要素を必要ともしない。したがって、用量投薬システムの構造が簡略化される。したがって好都合には、プランジャおよび充填チャンバは、剛性材料、好ましくは剛性プラスチック材料から作製される。
【0043】
この湾曲の結果として、充填チャンバの内方壁部の湾曲部51の底部が、ヒンジに最も近い側で外方壁部11に合流し(
図6Aに図示)、それによりこの領域に充填チャンバのベース13aを効果的に形成もする。これに対応して、プランジャの内方壁部の湾曲部52の底部もまた、ヒンジに最も近い側で外方壁部21と合流し、この領域にプランジャのベース23aを形成する。したがって、プランジャの内方壁部の湾曲部52は、
図7に示すようにプランジャの環状形状中に切取り領域55を形成する。対照的に、充填チャンバの内方壁部53およびプランジャの内方壁部54は、ヒンジの対向側において枢動運動による制約を受けず、したがって直線状であることが可能である。
【0044】
充填チャンバの外方壁部11およびプランジャの外方壁部21は、同一の理由によりヒンジ50から最も遠い位置となるそれらのそれぞれの領域56、57において湾曲状となる。充填チャンバの外方壁部11およびプランジャの外方壁部21はヒンジから遠いため、曲率半径は、それらの内方壁部の湾曲領域51、52よりも外方壁部の湾曲領域56、57においてより大きい。枢動運動には不要であるが、これらの外方壁部は、単純化および外観を理由としてすべての場所において同一の曲率を有し得る。したがって、
図9に示すように、充填チャンバの外方壁部11およびプランジャの外方壁部21は共に、この形状設定の結果としてベースから頂部にかけて直径が小さく増加する湾曲状をなす。
【0045】
プランジャを過度に急激に挿入すると、リザーバチャンバおよびオーバーフローチャンバ内へと着実に変位させる場合とは異なり液体が充填チャンバから外にはね散る恐れがある。これを防止するために、ヒンジは、プランジャの枢動運動に抵抗する戻り止め機構を備えてもよい。戻り止め機構は、枢動運動全体にかけて、またはその後期部分のみにおいてすなわちプランジャが充填チャンバ内の液体と接触状態になるときに動作し得る。戻り止め機構は、例えばばね、またはプランジャに関連付けられたカム従動子および充填チャンバに関連付けられた対応するトラックなどの、プランジャに対して付勢力を印加し得る任意の機構であってもよい。
【0046】
枢動運動により、オーバーフローチャンバは、プランジャが噴霧化後に開位置へと移動されて戻る場合に約90度にわたり回転される。余剰液体がこの位置においてオーバーフローチャンバから流出するのを防止するために、
図6および
図9において見ることのできるカバー61が、ヒンジに隣接する側において内方壁部22と外方壁部21との間に存在する。このカバーは、半環状フロア62および対応する半環状壁部63を備える。
【0047】
オーバーフローチャンバ25が開位置にある場合に(
図6A)、カバーフロア62はほぼ垂直配向にある。カバーフロアは、プランジャが開位置へと枢動されるときに液体が流出することができないようにオーバーフローチャンバを十分に閉鎖しなければならない。例えば、
図9から明らかなように、カバー61は、ヒンジ50に隣接する側においてオーバーフローチャンバ25の頂部を適切に閉鎖して、液体がオーバーフローチャンバから流出するのを防止するが、その一方で他方の側64は覆われない。
【0048】
充填チャンバ内方壁部は、ヒンジに隣接する側の高部16において対向側の低部17よりも高い(
図6および
図9を参照)。したがって、プランジャが挿入されると、余剰液体が、充填チャンバ内方壁部の下方側17を越えて変位され、ヒンジの対向側においてオーバーフローチャンバの開(覆われない)領域64に進入する。また、液体は、充填チャンバ外方壁部とオーバーフローチャンバ外方壁部との間において上方に変位され得る。この液体が用量投薬システムから外に滲出しないことを確保するために、充填チャンバ外方壁部11は、
図6Bに示すようにオーバーフローチャンバ外方壁部21よりも高い。
【0049】
充填チャンバ内方壁部のより高い部分16は、カバー壁部63と共に、液体がカバーフロア62の頂部上に流れるのを防止するか、または少なくともカバーフロア62の頂部上に流れる液体の量を最小限に抑える。それにもかかわらず、カバーフロア62は、厳密には水平でなく(閉位置において)、代わりにヒンジ50から離れるように下方へと傾斜する。結果として、充填チャンバ内方壁部のより高い部分を越えてもしくはその周囲をまたは充填チャンバ外方壁部を越えて、カバーフロア62の頂部上へと通過するすべての液体が、開(覆われない)領域64に向かっておよびオーバーフローチャンバ25内へとスロープを下方に戻るように案内される。
【0050】
プランジャ20は、オーバーフローチャンバ25の頂部を覆う固定蓋27を有し、それによりユーザは、誤ってオーバーフローチャンバ内へと直接的に液体を注ぎ込むことが不可能となる。プランジャは、
図5に示すオーバーフローチャンバ出口開口28を有し、このオーバーフローチャンバ出口開口28は、吐水口を有さずに外方壁部の全周囲部に沿って延在する。この出口開口28は、余剰液体が再利用されるように意図されていないことを強調するために、噴霧化の完了後にユーザがオーバーフローチャンバから余剰液体を移し出すことを可能にするが、幾分か扱いにくいものにする。
【0051】
代替的には、蓋は、使用後のオーバーフローチャンバの中身を空にし洗浄することを容易にするために、オーバーフローチャンバから分離可能であってもよい。例えば、蓋およびオーバーフローチャンバは、個別に枢動可能であってもよい。オーバーフローチャンバおよび蓋は、蓋が閉じられた場合に蓋がオーバーフローチャンバに対して装着された状態になるように、クリップ構成体を有してもよい。したがって、噴霧化の完了後に、蓋およびオーバーフローチャンバは共に枢動され、オーバーフローチャンバ内の余剰液体はユーザに対して不可視となる。プランジャが開位置にある場合には、クリップ構成体は、相互に装着解除され得るため、ユーザは蓋を開いて余剰液体を外へ移しオーバーフローチャンバを洗浄することが可能となる。余剰液体を外へ移す前に蓋をクリップ解除しなければならないという行為は、余剰液体が再利用されるように意図されていないことをユーザに思い出させるものとしての役割を果たす。
【0052】
用量投薬システム全体がネブライザから除去可能であることにより、充填チャンバ、オーバーフローチャンバ、およびリザーバチャンバは、例えば水で洗滌されるおよび/または食器洗浄機内に配置されるなど、ユーザによる洗浄が可能となる。
【0053】
図6および
図9に示すように、充填チャンバの内方壁部内の中央空間15は、ヒンジに対して平行でありリザーバチャンバ31内へと下方へ垂直に延在する隔壁35により区分され、それにより中央空間15およびリザーバチャンバ31を2つの部分(15a、31a、および15b、31bのそれぞれ)へと分離させる。しかし、この隔壁は、膜34に至るまで完全には延在しないため、リザーバチャンバは、その底部にて区分されない。充填チャンバの内方壁部が、隔壁の一方の側により高い高部16を有し、他方の側により低い低部17を有するため、プランジャ20が挿入された場合に充填チャンバ10から変位される液体は、内方壁部の下方部分17を越えて、中央空間のおよびリザーバチャンバの対応する側の部分15a、31aを下り、リザーバチャンバ31の底部へと流れる。同時に、空気が、リザーバチャンバおよび中央空間の他方の側の部分31b、15bにおいて上方へと、ならびに内方壁部の高部16を越えて変位される。これにより、空気閉塞部の、すなわちリザーバチャンバの底部における気泡トラップ部の形成が防止される。
【0054】
隔壁35は、リザーバチャンバ31および中央空間15により画定された容積部分を占め、したがって液体により占められ得る自由容積を低減させる。分注される液体の容積は、「リザーバチャンバの容積+充填チャンバ壁部の下方部分までの中央空間の容積−隔壁により占められるこれらの容積」により算出される。したがって、隔壁は、さらなる利点をもたらし、すなわち他の場合に可能である容積よりも小さな液体容積を吐出することが可能となる。隔壁の厚さおよび/または長さは、噴霧化されるべき所望の液体容積にしたがって選択され得る。
【0055】
充填チャンバ内方壁部12の中央空間15は、キャップ37で覆われ得る(
図6、
図8、および
図9を参照)。これは、ユーザがリザーバチャンバ31内へと直接液体を分量するのを防止し、一方で液体が充填チャンバ内へと分量されるのを可能にする。結果として(および充填チャンバとリザーバチャンバとの間に固定障壁が存在するWO2015/022436の用量投薬システムとは異なり)、リザーバチャンバの過誤による過剰充填を防止するための機構(安全プランジャなど)が不要となる。好都合には、キャップ37は、隔壁35の延長部として形成することが可能である。
【0056】
図10は、動作状態にある
図5〜
図9の用量投薬システムを示す。
図10Aでは、プランジャ20は開位置にあり、充填チャンバ10は液体3を収容する。
図10Bでは、プランジャ20は、部分的に閉じられ、充填チャンバ10内に部分的に挿入されており、それによりプランジャ20は、内方壁部17の下方側部を越えて中央空間15a内へと液体3の一部を変位させており、この中央空間15aからこの液体は、リザーバチャンバ31a内へと下方に流れる。空気が、他方の側のリザーバチャンバ31bおよび中央空間15bへと上方に変位される。プランジャが充填チャンバ内へとさらに枢動されると、中央空間およびリザーバチャンバは、
図10Cに示す液体3jで充填される。その後、
図10Dに示すようにプランジャが完全に挿入されるまで残留(すなわち余剰)液体3kが、充填チャンバからプランジャ内方壁部22を越えてオーバーフローチャンバ25内へと変位される。
【0057】
用量投薬システムは、EP2724741において詳細に説明される、
図11に示すネブライザデバイスと共に使用するのに適する。このデバイスは、3つのパーツを、すなわちベースユニット、マウスピース、およびエーロゾルヘッドを備える。ベースユニット100は、1つまたは複数の空気入口開口と、空気出口開口102と、マウスピース200を受けるための溝103と、1つまたは複数のキーロック部材104とを有する。マウスピース200は、ベースユニット100の空気出口開口102に対して装着可能である空気入口開口201と、エーロゾル発生器301を受けるための側方開口202と、エーロゾル出口開口203とを有する。マウスピース200は、ベースユニット100の溝103内に挿入可能である。エーロゾルヘッド300は、エーロゾル発生器301と、ベースユニット100のキーロック部材104に対して相補的である1つまたは複数のキーロック部材303を有する。
図11では、用量投薬システムは、図示されないが、ねじ山328によりエーロゾルヘッド300に対して装着され得る。
【0058】
ベースユニット100、マウスピース200、およびエーロゾルヘッド300は、相互に着脱自在に連結可能である。デバイスは、ベースユニット100の溝103内にマウスピース200を挿入し、次いでマウスピース200上にエーロゾルヘッド300を配置し、エーロゾルヘッドおよびベースユニットの両方に対する緩やかな圧力によりベースユニット100の相補的部材104にエーロゾルヘッド300のキーロック部材303を係合させることによって組み立てられる。エーロゾル発生器301は、キーロック部材との係合時にエーロゾル発生器301がマウスピース200の側方開口202内に挿入されるように、エーロゾルヘッド300内に位置決めされる。これにより、エーロゾル発生器301とマウスピース中の側方開口202との間に、およびベースユニット100の空気出口開口102とマウスピース200の空気入口開口201との間に気密連結部が形成される。ベースユニット100、マウスピース200、およびエーロゾルヘッド300は、これらのステップを逆転させることにより分離され得る。
【0059】
ベースユニット100は、溝103にまたはその付近に位置を有し得る1つまたは複数のくぼみ部106を有してもよく、マウスピース200は、1つまたは複数の位置決め部材204を有してもよい。ベースユニットのこのくぼみ部は、マウスピース200の位置決め部材204に対して相補的である(すなわち、位置決め部材204を受けるように形状設定される)。この文脈において、くぼみ部は、位置決め部材(フランジ、突出部、ノーズ、またはバルジ等であり得る)の「凸状」形状に対して相補的な「凹状」形状を有する、下がり部(例えば凹部、ピット、空洞部、空部、または切欠部等)である。かかるくぼみ部および位置決め部材は共に、ベースユニット内に正確にマウスピースを位置決めする役割を果たす。くぼみ部106および位置決め部材204は、マウスピース200がある特定の様式においてのみベースユニット100のくぼみ部106内に挿入され得ることを確保するために非対称的であってもよい。これは、マウスピース200およびベースユニット100の互いに対する位置および配向が正確になるようにデバイスが組み立てられることを確保する。
【0060】
エーロゾル発生器301は、好ましくは、
図12に示されWO2008/058941において説明されるような圧電部材308および変換器本体306を備える超音波液体アトマイザである。変換器本体306は、例えばステンレス鋼、チタン、またはアルミニウムから作製され、リザーバチャンバ331を囲む。リザーバチャンバ331は、噴霧化されることとなる液体を用量投薬システム(
図12には図示せず)から受けるために用量投薬システムに対して連結される。
【0061】
圧電部材308は、好ましくは環状の単層または複層セラミックであり、好ましくは50〜200kHzレンジの周波数にて長手方向モードで変換器本体306を振動させる。結果として、ミクロンレベルの長手方向変位または変形が、変換器本体306の対称軸に対して平行な方向において発生する。変換器本体306は、応力集中ゾーン306cとしての役割を果たす比較的大きな壁厚を有する圧電部材308に近い領域と、変形増幅ゾーン306dとしての役割を果たす比較的小さな壁厚を有する前出の領域の下流の領域とを有する。この構成では、圧電部材308により引き起こされる変換器本体306の振動または変形が増幅される。好ましくは、圧電部材308は、応力集中ゾーン306cの高さにまたは応力集中ゾーン306cに隣接して位置する。変形増幅ゾーン306dにおける変換器本体306の内径は、壁厚の相違が異なる外径に対応するように、応力集中ゾーン306cにおけるものと同一であってもよい。代替的には、変換器本体306の外径は、一定であってもよく、一方で内径は、2つのゾーンの位置において異なる。
【0062】
穿孔膜334が、変換器本体306の下流端部306bに位置決めされる。それらの穴は、電鋳またはレーザドリル加工により形成されてもよく、開口は、通常は約1μm〜約10μmの範囲内である。膜が振動しない状態では、圧力平衡、穴形状、および膜に使用される材料の性質は、液体が膜を通り滲出しないようなものである。しかし、膜の振動により、これらの穴を介したエーロゾル液滴の形成および放出がもたらされる。膜は、プラスチック、シリコン、セラミック、またはより好ましくは金属から作製されてもよく、膠剤接着、ろう付け、圧着、またはレーザ溶接などの様々な手段によりエーロゾル発生器301の下流端部306bに対して固着され得る。任意には、膜は、その中央領域にドーム部を少なくとも部分的に形成し、このドーム部は、発生期のエーロゾル液滴の噴霧を分散させ、したがって液滴凝集リスクを軽減する。
【0063】
治療オペレーションが完了すると、エーロゾルヘッドキーロック部材303は、ベースユニットの相補的部材104から係合解除されて、エーロゾル発生器301は、マウスピースの側方開口202から除去可能となる。
【0064】
患者は、2つの(またはそれ以上の)異なる薬物を受けることができ、これは、分注されることとなる異なる容積の液体と、液滴サイズ、治療時間等の異なるエーロゾル化パラメータとを一般的に必要とする。したがって、患者が、それぞれ異なる薬物に対して適合化された2つの(またはそれ以上の)異なる噴霧化デバイスを有し得る。第1のエーロゾルヘッドは、適切な用量の液体を分注するように設計された用量投薬システムを有し、第1のベースユニットは、第1の薬物に関する適切なエーロゾル化パラメータを実現するように構成される。同様に、第2のエーロゾルヘッドおよびベースユニットが、第2の薬物を分注およびエーロゾル化するように構成される。識別システムが、エーロゾルヘッドおよびベースユニットの正確な組み合わせを患者が使用することを確実にするために設けられ得る。識別システムは、例えばRFIDタグ、電気接触子、または機械的インターロックに基づくものであることが可能である。
【0065】
単純な機械式識別システムは、例えばエーロゾルヘッド上の1つまたは複数の空洞部/穴と、ベースユニット上の対応する突出部/ペグなどの、エーロゾルヘッドおよびベースユニットの上の相補的雄雌特徴部からなる。これらは、所定個数の位置および/またはサイズおよび/または形状から選択された1つまたは複数の位置および/またはサイズおよび/または形状で存在し得る。好都合には、これらの相補的特徴部は、キーロック部材104、303の上に位置するまたはそれらの一部として形成されることが可能である。代替的には、相補的特徴部は、エーロゾルヘッドおよびベースユニットの他の部分上に位置してもよい。
【0066】
図13は、エーロゾルヘッド300上の複数の(例えば5つの)候補穴位置と、ベースユニット100上の対応する候補ペグ位置とを有する一例の識別システムを示す。各穴およびペグは、所与数の候補位置に対して可能なバリエーション数を最大化するために、大きいまたは小さいのいずれかであることが可能である。各バリエーションにおいて、2つの穴340が存在し、一方が大きく他方が小さい。ベースユニット100は、2つのペグ140を有し、やはり一方が大きく他方が小さい。穴およびペグの位置およびサイズが合致すると(
図13A)、エーロゾルヘッドが、ベースユニットとインターロックし嵌着する(
図13C)。このシステムの利点は、ペグおよび穴が可視状態にあり、そのためエーロゾルヘッドおよびベースユニットが共に嵌着するすなわち相補的であるか否かをユーザが容易に判断できる点である。それにもかかわらず、ユーザが、ベースユニットに対して不正確なエーロゾルヘッドを使用しようと試みると、ペグは穴に合致しない(
図13B)。この場合に、ペグ140は、ベースユニット100から若干離れた位置にエーロゾルヘッド300を保持して、それぞれのキーロック部材同士が相互にインターロックするのを防ぐ。したがって、識別システムは、エーロゾルヘッドおよびベースユニットの正確な組み合わせに関する強力な視覚的サインと、さらに不正確な組み合わせが形成されるのを防止するフェールセーフ機構との両方を提供する。