【文献】
弥富 飛鳥,外2名,「新たなデシカント材料(PEDOT/PSS)の動的吸放湿特性に関する研究 第1報−吸放湿性能とユニット内素材温度の測定−」,日本建築学会大会学術講演梗概集,一般社団法人日本建築学会,2016年 8月,p.1241-1242
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記電気抵抗値検出部によって検出された前記電気抵抗値が所定電気抵抗値以上である場合、前記微細水放出部に異常が有ると判定する異常有無判定部をさらに備えている請求項3に記載の微細水導出装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明による微細水導出装置の一実施形態について説明する。なお、本明細書においては説明の便宜上、
図1における上側および下側をそれぞれ微細水導出装置1の上方および下方とし、同じく左側および右側をそれぞれ微細水導出装置1の左方および右方として説明する。
【0009】
微細水導出装置1は、後述する微細水を導出する装置である。微細水導出装置1は、
図1および
図2に示すように、第一ケーシング10a、送風装置11、微細水放出部12、通電部13、電気抵抗値検出部14、貯水部15、第二ケーシング10b、連通部16、気化部17、蓋部材18、湿度センサ19および制御装置20を備えている。
【0010】
第一ケーシング10aは、第一開口部10cおよび第二開口部10dを有する筒状に設けられ、内側にて空気を流通させるものである。第一ケーシング10aは、軸線方向を上下方向に沿うように配置されている。第一開口部10cは、周側壁の下側に右方に向けて開口するように設けられている。第二開口部10dは、上壁に上方に向けて開口するように設けられている。
【0011】
送風装置11は、第一開口部10cと第二開口部10dとの間に配置されている。送風装置11は、空気を吸込むとともに、吸込んだ空気を送出するファンである。送風装置11は、例えば軸流ファンである。
【0012】
送風装置11は、第一方向に回転駆動することにより、第一開口部10cから第一ケーシング10a内に空気を導入して第一ケーシング10a内の空気を第二開口部10dから導出する。また、送風装置11は、第一方向と逆方向の第二方向に回転駆動することにより、第一ケーシング10a内の空気を第一開口部10cから導出する。
【0013】
微細水放出部12は、第一ケーシング10a内における第一開口部10cと第二開口部10dとの間に配置され、第一ケーシング10a内の空気に、水蒸気が凝結した水滴の大きさより小さい大きさの微細水を放出するものである。微細水放出部12は、具体的には、送風装置11と第一開口部10cとの間に配置されている。
【0014】
微細水放出部12は、
図3に示すように、複数のシート12aおよび複数の電極12bを備えている。微細水放出部12は、複数のシート12aを左右方向に沿って複数並べることにより設けられている。複数のシート12aは、互いに所定距離離れて配置されている。所定距離は、第一ケーシング10a内に導入された空気が流通可能な距離である。
【0015】
シート12aは、シート状の基材(例えば不織布)に、導電性材料を含浸させた後乾燥させることにより設けられている。導電性材料は、非通電状態である場合に被処理流体(例えば空気)に含まれる水を吸着し、通電状態である場合に吸着している水を被処理流体(例えば空気)に放出する導電性高分子を主成分とするものである。導電性高分子は、具体的には、チオフェン系導電性高分子の一つであるPEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸))である。
【0016】
導電性高分子は、電気導電性を有する高分子化合物である。導電性高分子の水の吸着は、導電性高分子が有する親水基との水素結合にて行われる。シート12a(導電性材料)が通電されて、シート12aの温度が上昇することにより、導電性高分子に吸着している水が粒状に放出される。導電性高分子が水を放出する温度である放出温度は、およそ40〜50℃である。また、導電性高分子のうち特にチオフェン系導電性高分子は、水を吸着する速度および水を放出する速度が両方とも速い。
【0017】
さらに、チオフェン系導電性高分子のうち特にPEDOT/PSSは、導電性高分子から放出された水の粒径が比較的小さい。導電性高分子から放出された水の粒径および個数(単位体積あたりの個数)の測定結果について、
図4Aおよび
図4Bを用いて説明する。
図4Aに示す測定結果は、測定可能な水の最小粒径を0.5μmとする測定装置(例えば、位相ドップラ式粒径計測装置(PDA))によって実測されたものである。
【0018】
また、比較対象として、例えばスチーム式加湿器によって水を蒸発させることにより生成された水蒸気が放出されて、この水蒸気が凝結した水滴の粒径および個数を測定する。比較対象として計測された水滴の個数は、
図4Aの一点鎖線にて示すように、粒径5μmをピークとして分布している。これに対して、導電性高分子から放出された水の粒径は、
図4Aの実線にて示すように、計測されていない。すなわち、導電性高分子から放出された水の粒径は、0.5μmより小さいと推定される。
【0019】
図4Bに示す測定結果は、測定可能な水の最小粒径を6nmとする測定装置(走査式モビリティーパーティクルサイザー(TSI社製))によって、実測されたものである。
図4Bに示すように、粒径6〜220nmの範囲内において、導電性高分子から放出された水の粒径が小さくなるにしたがって、水の粒の個数が多くなっている。よって、導電性高分子から放出された水の粒の個数は、
図4Bの破線にて示すように、6nmより小さい粒径をピークとして分布していると推定される。
【0020】
このように、本実施形態の導電性高分子であるPEDOT/PSSは、水蒸気が凝結した水滴の大きさより小さい大きさの粒状の水である微細水を放出する。微細水放出部12は、
非通電状態である場合に水を吸着し、通電状態である場合に非通電状態であるときに吸着した水を微細水として放出する導電性高分子であるPEDOT/PSSを用いて設けられている。
【0021】
電極12bは、シート12aの上下方向の両端部にそれぞれ配置されている。電極12bは、例えば導電性の金属平板によって形成されている。電極12bは、シート12aの端部を挟持して、かしめられることにより、シート12aに電気的に接続されている。
【0022】
通電部13は、微細水放出部12と電気的に接続され、微細水放出部12の通電を行うものである。微細水放出部12の通電が行われた場合、各シート12aひいては導電性材料(導電性高分子)が通電される。通電部13は、
図1乃至
図3に示すように、電線13a、電源13bおよび開閉器13cを備えている。
【0023】
電線13aは、電源13bと各シート12aとを電気的に並列に接続するものである。電線13aは、
図3に示すように、シート12aそれぞれの前端部および後端部に電極12bを介して接続されている。電源13bは、例えば蓄電池である。
【0024】
開閉器13cは、電線13a上に配設され、制御装置20からの制御指令にしたがって電源13bと微細水放出部12とを電気的に接続または遮断することで、微細水放出部12が通電されている通電状態と微細水放出部12が通電されていない非通電状態とを切り替えるものである。
【0025】
開閉器13cは、非作動時に開路とするノーマルオープン型の開閉器である。開閉器13cは、閉路することにより電源13bと微細水放出部12とを電気的に接続する。一方、開閉器13cは、開路することにより、電源13bと微細水放出部12とを電気的に遮断する。
【0026】
電気抵抗値検出部14は、微細水放出部12の電気抵抗値を検出するものである。電気抵抗値検出部14は、複数のシート12aの各々の電気抵抗値を検出する。電気抵抗値検出部14は、複数のシート12aの各々の電極12bに電気的に接続され、複数のシート12aの各々が非通電である場合に、複数のシート12aの各々の電気抵抗値を検出する。電気抵抗値検出部14によって検出された電気抵抗値(以下、検出電気抵抗値とする。)は、制御装置20に送信される。
【0027】
貯水部15は、水Wを貯留するものである。貯水部15は、
図1に示すように、上方を開放する箱状に設けられている。貯水部15は、使用者によって水Wを供給される。
【0028】
第二ケーシング10bは、中空の箱状に形成されている。第二ケーシング10bの側壁の一部が第一ケーシング10aの周側壁の一部と接続されることにより、第二ケーシング10bと第一ケーシング10aとが一体に設けられている。第二ケーシング10bは、側壁に外部に向けて開口する第三開口部10eが設けられている。第二ケーシング10bの内側には、貯水部15が配置されている。
【0029】
連通部16は、第一端を第一ケーシング10aの第二開口部10dと微細水放出部12との間に設けられ、第一ケーシング10aの内側と第二ケーシング10bの内側とを連通するものである。連通部16は、第一ケーシング10aと第二ケーシング10bとを接続する側壁において、第二開口部10dと微細水放出部12との間に設けられた貫通穴である。
【0030】
気化部17は、第二ケーシング10bの内側に配置され、貯水部15に貯留された水Wに接触して水Wの吸収を行うとともに、吸収をした水Wを気化させるものである。気化部17は、吸水性を比較的高く、かつ、通気性を比較的良くするように設けられている。気化部17は、具体的には、例えばレーヨン繊維を用いて形成された不織布を用いて設けられている。
【0031】
気化部17は、下側を貯水部15に貯留された水Wに浸されて配置されている。これにより、貯水部15に貯留された水Wが気化部17に吸収される。また、気化部17は、上側を第二ケーシング10b内の空気と接触するように配置されている。これにより、気化部17に吸収された水Wは、第二ケーシング10b内の空気に接触することによって蒸発する。すなわち、貯水部15に貯留された水Wが、気化部17により気化されることにより、第二ケーシング10b内に放出される。
【0032】
蓋部材18は、第二開口部10dおよび連通部16の一方を覆う板状に設けられたものである。
図1および
図2の破線の矢印にて示すように第一位置P1と第二位置P2との間を回動可能に配置されている。蓋部材18は、例えばステッピングモータ(図示なし)によって回動される。
【0033】
蓋部材18が
図1に実線にて示す第一位置P1に位置する場合、蓋部材18によって連通部16が覆われる。この場合、連通部16における空気の流通が遮断されることにより、第一流路が形成される。第一流路は、第一開口部10cと第二開口部10dとを接続する流路である。
【0034】
蓋部材18が
図2に実線にて示す第二位置P2に位置する場合、蓋部材18によって第二開口部10dが覆われる。この場合、第二開口部10dにおける空気の流通が遮断されることにより、第二流路が形成される。第二流路は、第一開口部10cと第三開口部10eとを連通部16を介して接続する流路である。
【0035】
湿度センサ19は、第一ケーシング10a内の湿度を検出するものである。湿度センサ19は、第一ケーシング10a内における送風装置11と第二開口部10dとの間に配置されている。すなわち、湿度センサ19は、第一流路に配置されている。また、湿度センサ19は、第一ケーシング10a内における送風装置11と連通部16との間に配置されている。すなわち、湿度センサ19は、第二流路に配置されている。湿度センサ19は、配置された位置の湿度を検出する。湿度センサ19によって検出された湿度である検出湿度は、制御装置20に送信される。
【0036】
制御装置20は、微細水導出装置1を統括制御するものである。制御装置20は、少なくとも送風装置11を制御する。制御装置20は、
図5に示すように、送風装置駆動制御部20a、記憶部20b、切替制御部20c、水吸着制御部20d、給水要否判定部20e、微細水導出制御部20f、第一異常有無判定部20g、第二異常有無判定部20h(本発明の異常有無判定部に相当)および運転停止制御部20iを備えている。
【0037】
送風装置駆動制御部20aは、湿度センサ19からの検出湿度、水吸着制御部20dからの信号および微細水導出制御部20fからの信号にしたがって、送風装置11を駆動するものである(詳細は後述する)。
【0038】
記憶部20bは、微細水放出部12の電気抵抗値と微細水放出部12に吸着された水の量である吸水量との相関関係を示すマップMを記憶するものである。マップMは、具体的には、シート12aの両電極12b間の電気抵抗値とシート12aの吸水量との相関関係を示している。マップMは、
図6に示すように、電気抵抗値が大きくなるにしたがって、吸水量が小さくなる相関関係を示す。記憶部20bに記憶されているマップMは、切替制御部20cに出力される。
【0039】
切替制御部20cは、マップMを使用して電気抵抗値検出部14によって検出された電気抵抗値(検出電気抵抗値)に対応する吸水量に基づいて、水吸着制御と微細水導出制御との切替を行うものである。水吸着制御は、微細水放出部12に水を吸着させる制御である(詳細は後述する)。微細水導出制御は、微細水放出部12に吸着している水を放出させて、第二開口部10dから微細水を導出する制御である(詳細は後述する)。
【0040】
切替制御部20cは、具体的には、複数のシート12aの各々について、マップMを使用して検出電気抵抗値に対応する吸水量を導出する。そして、複数のシート12aの各々の吸水量の総量を微細水放出部12の吸水量として導出する。
【0041】
水吸着制御が実行されている場合に微細水放出部12の吸水量が第一吸水量以上となったとき、切替制御部20cは、水吸着制御から微細水導出制御へ切替を行う。このとき、切替制御部20cは、水吸着制御を終了する旨の信号を水吸着制御部20dに出力するとともに、微細水導出制御を開始する旨の信号を微細水導出制御部20fに出力する。第一吸水量は、微細水放出部12の飽和吸水量より小さい吸水量に設定されている。
【0042】
一方、微細水導出制御が実行されている場合に微細水放出部12の吸水量が第二吸水量以下となったとき、切替制御部20cは、微細水導出制御から水吸着制御へ切替を行う。このとき、切替制御部20cは、微細水導出制御を終了する旨の信号を微細水導出制御部20fに出力するとともに、水吸着制御を開始する旨の信号を水吸着制御部20dに出力する。第二吸水量は、第一吸水量より小さく、かつ、ゼロより大きい吸水量に設定されている。
【0043】
水吸着制御部20dは、通電部13によって微細水放出部12を非通電状態にし、かつ、貯水部15に貯留された水Wを微細水放出部12に供給することにより、微細水放出部12に水Wを吸着させる水吸着制御を行うものである。水吸着制御部20dは、開閉器13cを開路とすることによって微細水放出部12を非通電状態にする。
【0044】
水吸着制御部20dは、蓋部材18を回動させて第二位置P2に位置させることにより、第二流路を形成する。さらに、水吸着制御部20dは、送風装置11を所定駆動量一定にて第二方向に回転駆動させる旨の信号を送風装置駆動制御部20aに出力する。所定駆動量は、貯水部15に水Wがある場合に、水吸着制御によって微細水放出部12の吸水量が所定時間(例えば2分)内にて第一吸水量以上となる駆動量に設定されている。
【0045】
これらによって、第二流路が形成され、かつ、送風装置11が第二方向に回転駆動することにより、第三開口部10eから空気が第二ケーシング10b内に導入されて、第二ケーシング10b内に導入された空気が連通部16を介して第一ケーシング10a内に導入される。さらに、第一ケーシング10a内に導入された空気が微細水放出部12を通って第一開口部10cから導出する(
図2の実線の矢印参照)。
【0046】
このとき、気化部17によって気化された貯水部15の水Wが、第三開口部10eから導入された空気とともに第一ケーシング10a内に導入されて、微細水放出部12に供給される。さらに、このとき、微細水放出部12が非通電状態であるため、貯水部15の水Wが微細水放出部12に吸着される。
【0047】
このように、水吸着制御部20dは、送風装置11を第二方向に回転駆動させることにより、気化部17によって気化された水Wを、第二ケーシング10b内から連通部16を介して第一ケーシング10a内に導入して、水Wを微細水放出部12に供給する。また、水吸着制御部20dは、水吸着制御が実行されている場合、その旨の信号を給水要否判定部20eに出力する。
【0048】
給水要否判定部20eは、水吸着制御が実行されている場合、湿度センサ19からの検出湿度に基づいて、貯水部15に給水が必要であるか否かを判定するものである。水吸着制御が実行されている場合において検出湿度が後述する第一所定湿度または第二所定湿度より低いとき、貯水部15に給水が必要であると判定する(詳細は後述する)。給水要否判定部20eは、その判定結果を運転停止制御部20iに出力する。
【0049】
微細水導出制御部20fは、通電部13によって微細水放出部12を通電状態にし、かつ、送風装置11を第一方向に回転駆動させることにより、第一開口部10cから第一ケーシング10a内に導入された空気に、水吸着制御にて微細水放出部12に吸着された水Wを微細水として放出させるとともに、微細水を放出された空気を第二開口部10dから導出する微細水導出制御を行うものである。微細水導出制御部20fは、開閉器13cを閉路とすることによって微細水放出部12を通電状態にする。
【0050】
また、微細水導出制御部20fは、蓋部材18を回動させて第一位置P1に位置させることにより、第一流路を形成する。さらに、微細水導出制御部20fは、送風装置11を第一方向に回転駆動させる旨の信号を送風装置駆動制御部20aに出力する。この場合、送風装置駆動制御部20aは、湿度センサ19からの検出湿度が第一湿度(例えば90%)となるように、送風装置11の駆動量をフィードバック制御する。
【0051】
これらによって、第一流路が形成され、かつ、送風装置11が第一方向に回転駆動することにより、第一開口部10cから第一ケーシング10a内に空気が導入されて、第一ケーシング10a内に導入された空気が微細水放出部12を通って第二開口部10dから導出する(
図1の実線の矢印参照)。
【0052】
このとき、微細水放出部12が通電状態であるため、各シート12aの温度が上昇する。各シート12aの温度が放出温度に到達したとき、各シート12aに吸着されている水Wが微細水として、微細水放出部12を通過する第一ケーシング10a内の空気に放出される。そして、第一ケーシング10a内の空気に放出された微細水は、第一ケーシング10a内の空気とともに第二開口部10dから導出される。また、微細水導出制御部20fは、微細水導出制御が実行されている場合、その旨の信号を第一異常有無判定部20gに出力する。
【0053】
第一異常有無判定部20gは、微細水導出制御が実行されている場合、湿度センサ19からの検出湿度に基づいて、微細水導出装置1に異常があるか否かを判定するものである。微細水導出制御が実行されている場合において検出湿度が後述する第三所定湿度より低いとき、微細水導出装置1に異常があると判定する(詳細は後述する)。第一異常有無判定部20gは、その判定結果を運転停止制御部20iに出力する。
【0054】
第二異常有無判定部20hは、電気抵抗値検出部14によって検出された電気抵抗値(検出電気抵抗値)が所定電気抵抗値以上である場合、微細水放出部12に異常があると判定するものである。所定電気抵抗値は、シート12aの吸水量がゼロである場合の電気抵抗値より大きい電気抵抗値に設定されている。この場合の微細水放出部12の異常は、シート12aの割れや経年劣化である。第二異常有無判定部20hは、その判定結果を運転停止制御部20iに出力する。
【0055】
運転停止制御部20iは、給水要否判定部20eの判定結果および第一,第二異常有無判定部20g,20hの判定結果に基づいて、微細水導出装置1の運転を停止するものである。給水要否判定部20eによって貯水部15に給水が必要であると判定された場合、第一異常有無判定部20gによって微細水導出装置1に異常があると判定された場合、または、第二異常有無判定部20hによって微細水放出部12に異常があると判定された場合、運転停止制御部20iによって微細水導出装置1の運転が停止される。
【0056】
次に、微細水導出装置1の運転が開始されて、上述した制御装置20が水吸着制御および微細水導出制御を実行する場合ついて、
図7乃至
図9に示すフローチャートを用いて説明する。例えば、微細水を導出するためのスイッチ(図示なし)がオンされた場合、微細水導出装置1の運転が開始される。微細水導出装置1の運転が開始された時点においては、水吸着制御および微細水導出制御が実行されておらず、微細水放出部12が非通電状態である。
【0057】
制御装置20は、
図7に示すように、ステップS102にて、検出電気抵抗値が所定電気抵抗値以上であるか否かを判定する(第二異常有無判定部20h)。例えば、シート12aの経年劣化によりシート12aの電気抵抗値が比較的大きくなったことにより、検出電気抵抗値が所定電気抵抗値以上となった場合、制御装置20は、ステップS102にて「YES」と判定し、ステップS104にて微細水放出部12に異常があると判定する。
【0058】
続けて、制御装置20は、ステップS106にて微細水導出装置1の運転を停止する(運転停止制御部20i)。この場合、制御装置20は、例えば警告ランプ(図示なし)を点滅させることにより、異常がある旨を使用者に知らせる。
【0059】
一方、シート12aの経年劣化が比較的少ないためシート12aの電気抵抗値が比較的小さいことにより、検出電気抵抗値が所定電気抵抗値より小さい場合、制御装置20は、ステップS102にて「NO」と判定し、ステップS108にて水吸着制御を実行する(水吸着制御部20d)。
【0060】
水吸着制御が開始された場合、制御装置20は、
図8に示すように、ステップS202にて第二流路を形成し、ステップS204にて送風装置11を第二方向に駆動させる(水吸着制御部20d)。これらによって、第二ケーシング10b内の空気とともに気化部17によって気化された貯水部15の水Wが、第二流路を通って微細水放出部12に供給される。このとき、第二流路に配置された湿度センサ19によって、第二ケーシング10bから第一ケーシング10aに導入された空気の湿度が検出される。
【0061】
制御装置20は、ステップS206にて、検出湿度が第一所定湿度以上であるか否かを判定する(給水要否判定部20e)。第一所定湿度は、第二ケーシング10b内に気化部17によって気化された水Wが有る場合における第二流路を流れる空気の湿度の範囲のうち比較的低い湿度に設定されている。
【0062】
貯水部15に水Wが無いために気化部17による水Wの気化が行われない場合、第二流路を流れる空気の湿度が比較的低くなる。これにより、検出湿度が第一所定湿度より低い場合、制御装置20は、ステップS206にて「NO」と判定し、ステップS208にて貯水部15に給水が必要である旨の警告を行う。この場合、制御装置20は、例えば警告ランプ(図示なし)を点滅させることにより、貯水部15に給水が必要である旨を使用者に知らせる。
【0063】
続けて、制御装置20は、ステップS210にて検出湿度が第二所定湿度以上であるか否かを判定する(給水要否判定部20e)。第二所定湿度は、第一所定湿度より低く、かつ、第二湿度以上である湿度に設定されている。第二湿度は、水吸着制御が実行された場合、微細水放出部12の吸水量が所定時間内にて第一吸水量以上となる湿度である。
【0064】
貯水部15に水Wが無く、かつ、第三開口部10eから導入される空気の湿度が比較的低い場合、第二流路を流れる空気の湿度が比較的低くなる。これにより、検出湿度が第二所定湿度より低い場合、制御装置20は、ステップS210にて「NO」と判定する。そして、制御装置20は、ステップS212にて変数iをゼロにして、水吸着制御を終了する。変数iは、微細水導出装置1の運転を停止するか否かを判定するための変数である。
【0065】
一方、貯水部15に水Wが無いが第三開口部10eから導入される空気の湿度が比較的高い場合、第二流路を流れる空気の湿度が比較的高くなる。これにより、検出湿度が第二所定湿度以上である場合、制御装置20は、ステップS210にて「YES」と判定し、プログラムをステップS214に進める。
【0066】
また、貯水部15に水Wが有り、第二ケーシング10b内に気化部17によって気化された水Wが有る場合、第二流路を流れる空気の湿度が比較的高くなる。これにより、検出湿度が第一所定湿度以上である場合、制御装置20は、ステップS206にて「YES」と判定し、プログラムをステップS214に進める。
【0067】
制御装置20は、ステップS214にて、微細水放出部12の吸水量を導出する(切替制御部20c)。続けて、制御装置20は、ステップS216にて、微細水放出部12の吸水量が第一吸水量以上であるか否かを判定する(切替制御部20c)。微細水放出部12への水Wの供給時間が比較的短い場合、微細水放出部12の吸水量が比較的少ない。これにより、微細水放出部12の吸水量が第一吸水量より少ない場合、制御装置20は、ステップS216にて「NO」と判定し、プログラムをステップS206に戻して、微細水放出部12への水Wの供給を継続する。
【0068】
微細水放出部12への水Wの供給を継続することにより、微細水放出部12の吸水量が比較的多くなる。これにより、微細水放出部12の吸水量が第一吸水量以上となった場合、制御装置20は、ステップS216にて「YES」と判定し、ステップS218にて変数iを「1」にして、水吸着制御を終了する。
【0069】
続けて、制御装置20は、
図7に示すように、ステップS110にて変数iが「1」であるか否かを判定する。変数iがゼロである場合、制御装置20は、ステップS110にて「NO」と判定し、ステップS106にて微細水導出装置1の運転を停止する(運転停止制御部20i)。この場合、貯水部15に給水が必要であるため、微細水導出装置1の運転が停止される。一方、変数iが「1」である場合、制御装置20は、ステップS112にて微細水導出制御を実行する(微細水導出制御部20f)。
【0070】
微細水導出制御が開始された場合、制御装置20は、
図9に示すように、ステップS302にて微細水放出部12を通電状態にする(微細水導出制御部20f)。これにより、各シート12aの温度が上昇して放出温度となった場合、微細水放出部12に吸着された水Wが微細水として放出される。
【0071】
さらに、制御装置20は、ステップS304にて第一流路を形成するとともに、ステップS306にて送風装置11を第一方向に駆動させる(微細水導出制御部20f)。これらによって、第一ケーシング10a内の空気とともに微細水放出部12から放出された微細水が、第一流路を通って第二開口部10dから導出される。また、このとき、第一流路に配置された湿度センサ19によって、第二開口部10dから導出される第一ケーシング10a内の空気の湿度が検出される。
【0072】
制御装置20は、ステップS308にて検出湿度が第三所定湿度以上であるか否かを判定する(第一異常有無判定部20g)。第三所定湿度は、上述した第一湿度より低い湿度に設定されている。例えば電線13aの断線等の微細水導出装置1の異常によって微細水放出部12が通電されない場合、微細水放出部12から微細水が放出されないため、第一ケーシング10a内の空気の湿度が比較的低くなる。これにより、検出湿度が第三所定湿度より低い場合、制御装置20は、ステップS308にて「NO」と判定する。そして、制御装置20は、ステップS310にて変数iをゼロにし、ステップS318にて微細水放出部12を非通電状態にして、微細水導出制御を終了する。
【0073】
一方、微細水導出装置1の異常が無く、微細水放出部12から微細水が放出された場合、上述したように、第二開口部10dから導出される空気の湿度が第一所定湿度となるように送風装置11の駆動量が制御される(送風装置駆動制御部20a)。これにより、検出湿度が第三所定湿度以上である場合、制御装置20は、ステップS308にて「YES」と判定し、プログラムをステップS312に進める。
【0074】
制御装置20は、ステップS312にて、微細水放出部12の吸水量を導出する(切替制御部20c)。続けて、制御装置20は、ステップS314にて、微細水放出部12の吸水量が第二吸水量以下であるか否かを判定する(切替制御部20c)。微細水放出部12からの微細水の放出時間が比較的短い場合、微細水放出部12の吸水量が比較的多い。これにより、微細水放出部12の吸水量が第二吸水量より多い場合、制御装置20は、ステップS314にて「NO」と判定し、プログラムをステップS308に戻して、微細水放出部12からの微細水の放出を継続する。
【0075】
微細水放出部12からの微細水の放出を継続することにより、微細水放出部12の吸水量が比較的少なくなる。これにより、微細水放出部12の吸水量が第二吸水量以下となった場合、制御装置20は、ステップS314にて「YES」と判定する。そして、制御装置20は、ステップS316にて変数iを「1」にし、ステップS318にて微細水放出部12を非通電状態にして、微細水導出制御を終了する。
【0076】
続けて、制御装置20は、
図7に示すように、ステップS114にて変数iが「1」であるか否かを判定する。変数iがゼロである場合、制御装置20は、ステップS114にて「NO」と判定し、ステップS106にて微細水導出装置1の運転を停止する(運転停止制御部20i)。この場合、微細水導出装置1に異常があるため、微細水導出装置1の運転が停止される。なお、微細水導出装置1の異常は、送風装置11の故障により、送風が行われない場合も考えられる。
【0077】
一方、変数iが「1」である場合、制御装置20は、ステップS114にて「YES」と判定し、プログラムをステップS108に戻す。このように、制御装置20は、微細水導出装置1の運転を行っている場合、水吸着制御と微細水導出制御とを繰り返し実行する。
【0078】
本実施形態によれば、微細水導出装置1は、第一開口部10cおよび第二開口部10dを有する筒状に設けられ、内側にて空気を流通させる第一ケーシング10aと、第一開口部10cと第二開口部10dとの間に配置され、第一方向に回転駆動することにより、第一開口部10cから第一ケーシング10a内に空気を導入して第一ケーシング10a内の空気を第二開口部10dから導出する送風装置11と、第一ケーシング10a内における第一開口部10cと第二開口部10dとの間に配置され、第一ケーシング10a内の空気に、水蒸気が凝結した水滴の大きさより小さい大きさの微細水を放出する微細水放出部12と、微細水放出部12に電気的に接続され、微細水放出部12の通電を行う通電部13と、水Wを貯留する貯水部15と、送風装置11を少なくとも制御する制御装置20と、を備えている。微細水放出部12は、非通電状態である場合に水Wを吸着し、通電状態である場合に非通電状態であるときに吸着した水Wを微細水として空気に放出する、導電性高分子であるPEDOT/PSSを用いて設けられている。制御装置20は、通電部13によって微細水放出部12を非通電状態にし、かつ、貯水部15に貯留された水Wを微細水放出部12に供給することにより、微細水放出部12に水Wを吸着させる水吸着制御を行う水吸着制御部20dと、通電部13によって微細水放出部12を通電状態にし、かつ、送風装置11を第一方向に回転駆動させることにより、第一開口部10cから第一ケーシング10a内に導入された空気に、水吸着制御にて微細水放出部12に吸着された水Wを微細水として放出させるとともに、微細水を放出された空気を第二開口部10dから導出する微細水導出制御を行う微細水導出制御部20fと、を備えている。
【0079】
これによれば、微細水導出装置1は、水蒸気が凝結した水滴の大きさより小さい大きさの微細水を導出する。水蒸気が凝結した水滴に比べて微細水は、大きさが小さいため対象物に吸収され易い。よって、微細水導出装置1は、水蒸気を導出する従来技術の加湿装置に比べて、対象物の乾燥を抑制することができる。
【0080】
対象物が例えば野菜である場合、野菜の開口した気孔の大きさが直径およそ20μm以下であるため、水蒸気が凝結した水滴と比べて微細水は、野菜の気孔に入り易い。したがって、水蒸気が凝結した水滴と比べて微細水は、野菜に吸収されやすいため、野菜の乾燥が抑制される。
【0081】
また、微細水導出装置1は、微細水放出部12に供給する水Wを貯留する貯水部15を備えているため、貯水部15が備えられていない場合に比べて、比較的長い時間安定させて微細水を導出することができるとともに、対象物の乾燥を抑制するために必要な微細水の量を導出することができる。
【0082】
また、微細水導出装置1は、内側に貯水部15を配置された第二ケーシング10bと、第一端を第一ケーシング10aの第二開口部10dと微細水放出部12との間に設けられ、第一ケーシング10aの内側と第二ケーシング10bの内側とを連通する連通部16と、第二ケーシング10bの内側に配置され、貯水部15に貯留された水Wに接触して水Wの吸収を行うとともに、吸収をした水Wを気化させる気化部17と、をさらに備えている。送風装置11は、第一方向と逆方向の第二方向に回転駆動することにより、第一ケーシング10a内の空気を第一開口部10cから導出する。水吸着制御部20dは、送風装置11を第二方向に回転駆動させることにより、気化部17によって気化された水Wを、第二ケーシング10b内から連通部16を介して第一ケーシング10a内に導入して、水Wを微細水放出部12に供給する。
【0083】
これによれば、水吸着制御が行われている際に、第一ケーシング10a内の空気が第一開口部10cから導出されるため、第一ケーシング10a内の空気が第二開口部10dから導出されない。一方、微細水導出制御が行われている際、第二開口部10dから微細水を含む空気が導出される。よって、第二開口部10dから、所望の空気である微細水を含む空気のみを導出させることができる。したがって、水吸着制御において第二開口部10dから微細水を含む空気以外の空気が導出される場合に比べて、微細水導出装置1の使用感を向上させることができる。
【0084】
また、微細水導出装置1は、微細水放出部12の電気抵抗値を検出する電気抵抗値検出部14をさらに備えている。制御装置20は、微細水放出部12の電気抵抗値と微細水放出部12に吸着された水Wの量である吸水量との相関関係を示すマップMを記憶する記憶部20bと、マップMを使用して電気抵抗値検出部14によって検出された電気抵抗値に対応する吸水量に基づいて、水吸着制御と微細水導出制御との切替を行う切替制御部20cと、をさらに備えている。
【0085】
これによれば、制御装置20は、微細水放出部12の吸水量が少なくなった時に、微細水導出制御から水吸着制御に切り替えることができる。一方、制御装置20は、微細水放出部12の吸水量が飽和量に近づいた時に、水吸着制御から微細水導出制御に切り替えることができる。よって、制御装置20は、水吸着制御と微細水導出制御との切替を効率よく行うことができる。
【0086】
また、制御装置20は、電気抵抗値検出部14によって検出された電気抵抗値(検出電気抵抗値)が所定電気抵抗値以上である場合、微細水放出部12に異常が有ると判定する第二異常有無判定部20hをさらに備えている。
【0087】
これによれば、制御装置20は、微細水放出部12に異常が有ると判定した場合、微細水導出装置1の運転を停止させることができる。よって、制御装置20は、微細水導出装置1の運転を安全に行うことができる。
【0088】
なお、上述した実施形態において、微細水導出装置1の一例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を採用することもできる。例えば、送風装置11は、微細水放出部12と連通部16との間に配置されているが、これに代えて、送風装置11を、第一開口部10cと微細水放出部12との間に配置するようにしても良い。
【0089】
また、上述した実施形態において、貯水部15に貯留された水Wは、気化部17によって気化されることによって第二ケーシング10b内に放出されているが、これに代えて、貯水部15に貯留された水Wをヒータ等によって加熱して蒸発させることにより、第二ケーシング10b内に放出させるようにしても良い。また、貯水部15に貯留された水Wを超音波等によって振動させて霧状にして第二ケーシング10b内に放出するようにしても良い。
【0090】
また、上述した実施形態において、貯水部15は、第二ケーシング10b内に配置されているが、これに代えて、
図10に示す変形例の微細水導出装置21のように、貯水部15を第一ケーシング10a内に配置するようにしても良い。本変形例の場合、貯水部15は、第一ケーシング10a内における第一開口部10cと微細水放出部12との間に配置される。また、本変形例の場合、上述した実施形態の第二ケーシング10b、連通部16および蓋部材18が省略される。
【0091】
さらに、本変形例においては、水吸着制御が実行される場合、送風装置11が第一方向に回転駆動される。これにより、第一開口部10cから空気が第一ケーシング10a内に導入され、第一ケーシング10a内の空気が微細水放出部12を通って第二開口部10dから導出される。このとき、気化部17によって気化された貯水部15の水Wが微細水放出部12に供給される。
【0092】
また、本変形例においては、上述した実施形態の湿度センサ19に加えて、第二の湿度センサ221をさらに備えている。この第二の湿度センサ221は、第一開口部10cから導入される空気の湿度を検出する。第二の湿度センサ221は、第一ケーシング10a内における第一開口部10c近傍に配置される。制御装置20は、第二の湿度センサ221によって検出された湿度に基づいて、上述したフローチャートにおけるステップS206,S210を実行する。
【0093】
また、本変形例においては、気化部17に貯水部15に貯留された水Wを気化させないようにしても良い。この場合、水吸着制御が実行されるとき、気化部17を微細水放出部12のシート12aに直接接触させることにより、貯水部15の水Wを微細水放出部12に供給する。この場合、微細水導出装置1は、気化部17をシート12aに接触させるように移動させる気化部移動部(図示なし)をさらに備える。
【0094】
また、上述した実施形態において、湿度センサ19を省略するようにしても良い。この場合、給水要否判定部20eおよび第一異常有無判定部20gも合わせて省略される。また、この場合、上述したフローチャートにおけるステップS110,S114,S206〜S212,S218,S308,S310,S316についても合わせて省略される。さらに、この場合、微細水導出制御においては、送風装置11は、例えば、上述した所定駆動量一定にて第一方向に回転駆動される。
【0095】
また、上述した実施形態において、切替制御部20cは、微細水放出部12の吸水量に基づいて水吸着制御と微細水導出制御との切替を行っているが、これに代えて、この切替を所定時間(例えば3分)毎に行うようにしても良い。また、微細水導出制御から水吸着制御への切替を、検出湿度が上述した第四所定湿度以下となった時に行うようにしても良い。第四所定湿度は、第一湿度と第三所定湿度との間の湿度である。
【0096】
また、上述した実施形態において、第一ケーシング10aと第二ケーシング10bとが一体に設けられているが、これに代えて、第一ケーシング10aと第二ケーシング10bとを別体に設けるようにしても良い。この場合、連通部16は、管状に設けられる。
【0097】
また、上述した実施形態において、蓋部材18を省略するようにしても良い。また、上述した実施形態において、第三開口部10eを省略するようにしても良い。なお、蓋部材18および第三開口部10eの両方が省略されている場合、水吸着制御においては、第二開口部10dから空気が第一ケーシング10a内に導入されて、第一ケーシング10a内に導入された空気が微細水放出部12を通って第一開口部10cから導出される。このとき、第一ケーシング10a内の圧力が第二ケーシング10b内の圧力に比べて低くなるため、第二ケーシング10b内の気化された水Wを含んだ空気が連通部16を介して第一ケーシング10a内に導入する。これにより、水Wが微細水放出部12に供給される。
【0098】
また、上述した実施形態において、貯水部15には、水Wが貯留されているが、これに代えて、貯水部15に貯留された水Wに薬剤やアロマオイル等を混合させるようにしても良い。
【0099】
また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、送風装置11、微細水放出部12、貯水部15および各開口部10c,10d,10eの配置位置、各ケーシング10a,10bおよびシート12aの形状、水吸着制御と微細水導出制御との切替のタイミング、並びに、送風装置11の駆動量等を変更しても良い。