特許第6883268号(P6883268)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6883268
(24)【登録日】2021年5月12日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】統合入力デバイスの能動的切断
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/16 20060101AFI20210531BHJP
   H01H 9/18 20060101ALI20210531BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   H01H9/16 D
   H01H9/18 B
   G06F3/02 A
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-544711(P2019-544711)
(86)(22)【出願日】2017年4月25日
(65)【公表番号】特表2020-509485(P2020-509485A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】US2017029254
(87)【国際公開番号】WO2018199914
(87)【国際公開日】20181101
【審査請求日】2019年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ファジン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,メアリ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】ホルダー,ヘレン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】アスレヤ,マドゥ・スーダン
【審査官】 岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−126063(JP,A)
【文献】 特開平11−018184(JP,A)
【文献】 特開2000−184342(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0222609(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02−3/027
H01H 9/00−9/28
H01H 13/00−13/88
H01H 15/00−15/24
H01H 19/00−21/88
H01H 89/00−89/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合入力デバイスを備えるコンピュータデバイスであって、前記統合入力デバイスは、該統合入力デバイスが非活性化されている場合、該統合入力デバイスに対して開接続の状態を表示する金属トレースを含む能動的切断システムを備え、前記金属トレースは、前記統合入力デバイスの前記コンピュータデバイスへの線結合に用いられ、前記金属トレースは、前記能動的切断システムの前記開接続の操作により前記線結合の位置から移動して、ユーザに目視可能なように露出して表示されるものである、コンピュータデバイス。
【請求項2】
前記統合入力デバイスは、カメラを含む、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項3】
前記統合入力デバイスは、マイクロフォンを含む、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項4】
前記統合入力デバイスは、前記能動的切断システムの接続ブロックを、前記金属トレースが目視可能になるまで回転させることによって非活性化される、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項5】
前記統合入力デバイスは、該統合入力デバイスを、第1の位置から第2の位置までスライドさせることによって非活性化される、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項6】
前記線は、前記コンピュータデバイスへのデータ接続を含む、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項7】
前記線は、前記統合入力デバイスへの電力接続を含む、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項8】
前記線は、前記統合入力デバイスを、信号プロセッサからシステムオンチップ(SOC)上の入力線に結合する、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項9】
前記統合入力デバイスが切断されたことをユーザにアラートするデバイスアラータを備える、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項10】
統合入力デバイスであって、
接続ブロックを備える本体であって、前記接続ブロックは、外表面上に金属トレースを含み、該金属トレースは、第1の位置において該統合入力デバイスをコンピューティングデバイスに結合する、本体と、
前記接続ブロックであって、該接続ブロックは、前記第1の位置から第2の位置への動きを可能にするように構成され、前記金属トレースは、前記第2の位置において前記統合入力デバイス及び前記コンピューティングデバイスから結合解除される、前記接続ブロック
備え、前記金属トレースは、前記第2の位置においてユーザに目視可能である、統合入力デバイス。
【請求項11】
コンピュータデバイス統合入力デバイスとを切断する方法であって
統合入力デバイスの接続ブロックを、前記コンピュータデバイスと該統合入力デバイスとの接続を破断する動きにより、前記接続に用いられる前記接続ブロックの金属トレースを接続位置から移動し、ユーザに目視可能なように露出して表示させるこ
む方法。
【請求項12】
前記統合入力デバイスの前記接続ブロックの前記動きは、該接続ブロックの回転を含み、前記金属トレースは、該接続ブロックの表面上にある、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記統合入力デバイスの前記接続ブロックの前記動きは、該接続ブロックの、前記金属トレースを露出して表示させる新たな位置へのスライドを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記接続ブロックの逆の動きにより、前記金属トレースを用いて前記統合入力デバイスを再接続することによって、該統合入力デバイスを前記コンピュータデバイスに再結合することを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
スマートフォン及びラップトップ上のカメラは、ユーザの知らない間にオンになって録画を行う可能性があり、また、マイクロフォンは、ユーザの知らない間にアクティブになって録音を行う可能性がある。多くのアプリケーションが、マイクロフォン及びカメラがアクティブであるときを示すことができるが、カメラ及びマイクロフォンの状態の表示は回避される(bypassed)場合がある。さらに、マイクロフォンの事例において、多くのシステムは、マイクロフォンが録音中であるのか否かを表示するステータスLEDを有しておらず、そのため、ユーザは、自身が録音されているのか否かを知る術がない。マイクロフォン、カメラ、又はこれら双方をディスエーブルすると主張し得るシステムレベルアプリケーションが存在し得るものの、マルウェアプログラムを用いて、これらのアプリケーションを回避し、カメラ又はマイクロフォンを動作状態に戻すことができてしまう。
【0002】
以下の詳細な説明において、図面を参照して或る特定の例が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1A】例示のコンピューティングデバイスの図であり、カメラがオン(on)位置及びオフ(off)位置において拡大図で示されている。
図1B】例示のコンピューティングデバイスの図であり、カメラがオン位置及びオフ位置において拡大図で示されている。
図1C】例示のコンピューティングデバイスの図であり、カメラがオン位置及びオフ位置において拡大図で示されている。
図2A】例示のコンピューティングデバイスの図であり、マイクロフォンがオン位置及びオフ位置において拡大図で示されている。
図2B】例示のコンピューティングデバイスの図であり、マイクロフォンがオン位置及びオフ位置において拡大図で示されている。
図2C】例示のコンピューティングデバイスの図であり、マイクロフォンがオン位置及びオフ位置において拡大図で示されている。
図3】例示のスマートフォンの図であり、マイクロフォン素子がオン位置及びオフ位置において拡大図で示されている。
図3B】例示のスマートフォンの図であり、マイクロフォン素子がオン位置及びオフ位置において拡大図で示されている。
図3C】例示のスマートフォンの図であり、マイクロフォン素子がオン位置及びオフ位置において拡大図で示されている。
図4A】マイクロフォンを新たな位置に移動させることによる、このマイクロフォンの、システムオンチップ(system-on-a-chip)マザーボードからの切断の一例の図である。
図4B】マイクロフォンを新たな位置に移動させることによる、このマイクロフォンの、システムオンチップ(system-on-a-chip)マザーボードからの切断の一例の図である。
図5A】信号線を開位置に移動させることによる、マイクロフォンの、システムオンチップマザーボードからの切断の一例の図である。
図5B】信号線を開位置に移動させることによる、マイクロフォンの、システムオンチップマザーボードからの切断の一例の図である。
図6】接続ブロックを開位置に移動させることによる、カメラモジュール602の、SoC404からの切断の一例の図である。
図7】デバイスによる、センサの切断を確認する方法の一例のプロセスフロー図である。
図8】センサシステムの切断の目視確認部(visible confirmation)を有するコンピューティングシステムにおいて提示することができるコンポーネントの一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書において記載される例は、マイクロフォン及びカメラ等の統合(integrated)入力デバイス又は統合センサを有するコンピューティングデバイス(本明細書において、コンピュータデバイスとも称される)を提供する。ここで、統合入力デバイスとは、システム内に定置されるものの、デタッチャブル(detachable)とすることができるものである。コンピューティングデバイスは、とりわけ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、オールインワンコンピュータ(all-in-one computers)、又はスマートフォンを含むことができる。
【0005】
本明細書において用いられる場合、デタッチャブルとは、ユーザがセンサを切断するというアクションを取った後には、その統合入力デバイスが依然としてシステムに物理的にアタッチされているものの、これらのデバイスがもはや電気的に接続されていないことを示す語である。これは、例えば、統合入力デバイスを異なる或る位置に移動させることによる、データ線、電力線、又はこれら双方における接続を破断することを含むことができる。
【0006】
さらに、接続状態は、カメラ及びマイクロフォン等の統合入力デバイスがデタッチ状態にある場合、もはやシステムに結合されていないことをユーザが確認することができるように、ユーザにとって目視可能である。本明細書において記載されるシステムにおいて、統合入力デバイスがデタッチ位置に移動した場合、金属トレースが切断された線を形成していることがユーザにとって目視可能である。これは、センサがディスエーブルされていることの能動的フィードバック(positive feedback)を提供する。
【0007】
図1A図1Cは、例示のコンピューティングデバイス100の図であり、カメラ102がオン(on)位置104(図1B)及びオフ(off)位置106(図1C)において拡大図で示されている。カメラ102は、カメラハウジング110の、軸112の周りの回転108によって、オン位置104とオフ位置106との間で移動させることができる。カメラ102が一方の位置にあるのか又は他方の位置にあるのかを確認するために目印(indicia)を含めることができ、これは、例えば、カメラ102がオン位置104にある場合のオン(on)ラベル114、及び、カメラ102がオフ位置106にある場合のオフ(off)ラベル116である。
【0008】
オフ位置106におけるカメラ102のデタッチステータスの能動的確認は、金属トレース118が目視可能であることによってユーザが判定することができる。金属トレース118は、カメラ102を、コンピューティングデバイス100のシステムに接続する線上の導体である。目視可能とすることができる金属トレース118の数は、2つに限定されず、切断されているデータ線又は電力線の数に応じて任意の数とすることができる。いくつかの例では、カメラ102からの信号線のみが切断され、その一方で、電力線が切断されないままに残される。
【0009】
カメラ102への接続がシリアルインターフェースプロトコル(SIP)バスである場合、2つの金属トレース118は、双方ともSIPバスの線とすることができ、これらの線は、カメラ102への信号接続及び電力接続の双方を切断する。他の例では、単一の金属トレース118によって示される単一の信号線を切断することができる。
【0010】
金属トレース118への接続は、金属トレース118が下で回転されると接続を完了するばね端子によって行うことができる。他の例では、センサをデタッチするのに用いられる動き(motion)に応じて、他のタイプの接続を用いることができる。これは、図3A図3Cに関して更に論述される。
【0011】
図2A図2Cは、例示のコンピューティングデバイス100の図であり、マイクロフォン202がオン位置204(図2B)及びオフ位置206(図2C)において拡大図で示されている。同様に付番された要素は、図1に関して記載された要素と同様である。図1に関して記載されたカメラ102と同様に、マイクロフォン202は、マイクロフォンハウジング210の、軸212の周りの回転208によって、オン位置204とオフ位置206との間で移動させることができる。マイクロフォン202がオン位置204にあるとき又はオフ位置206にあるときを示すために、マイクロフォンハウジング210上に目印214を印刷することができる。
【0012】
カメラ102と同様に、オフ位置206におけるマイクロフォン202のデタッチステータスの能動的確認は、1つ以上の金属トレース118が目視可能であることによってユーザに提供することができる。この例では、金属トレース118は、マイクロフォン202を、コンピューティングデバイス100のシステムに接続する線上の導体である。
【0013】
マイクロフォン202及びカメラ102の切断された金属トレース118は、透明表面によって損傷又は腐食から保護することができる。例えば、マイクロフォン202又はカメラ102の、金属トレース118を含む部分を覆うようにガラス又はプラスチックのカバーを配置することができる。これにより、金属トレース118を、コンタミネーション、例えば、マイクロフォン202又はカメラ102が動作状態に戻されたときに接続不良をもたらし得る指先の油分から保護することもできる。
【0014】
図3A図3Cは、例示のスマートフォン300の図であり、マイクロフォン素子302がオン位置304(図3B)及びオフ位置306(図3C)において拡大図で示されている。同様に付番された要素は、図1に関して記載された要素と同様である。オン位置304において、そのロケーションを確認するために緑線等のインジケータ308を含めることができる。マイクロフォン素子302は、スライドする動き310によってディスエーブルすることができ、これにより、インジケータ308を隠すこと、及び、マイクロフォン素子302をシステムの回路に結合する金属トレース118を露出することの双方を行うことができ、マイクロフォン素子302のデタッチメントが肯定的に確認される。本明細書において記載されるように、金属トレース118は、スライダスイッチに接続された透明カバーによって保護することができ、例えば、透明カバーは、マイクロフォン素子302が係合解除される際に、スマートフォン300のケースからスライドして取り外すことができる。
【0015】
図3A図3Cに示す例において、金属トレース118は、垂直(vertical)な動きにおいて、開口の反対側上の端子から切断することができる。したがって、金属トレース118への接続は、PONG端子(PONG terminals)等のばね付勢端子によって行うことができる。
【0016】
図4A及び図4Bは、マイクロフォン402を新たな位置に移動させることによる、マイクロフォン402の、システムオンチップマザーボードからの切断の一例の図である。この例では、マイクロフォン402は、アナログ対デジタル変換器(ADC)404 に対して結合状態を保ち、その一方で、ADC404とSoC406との間の接続は破断されている。図1A図3Cに対して記載された金属トレース118は、ADC404をSoC406に結合する線408の一部を形成することができる。線408は、ADC404に後置され、例えば低速デジタルバス上にあるので、これらの線は、雑音に関する問題、例えば、接続及び切断の複数のサイクルからの接続不良の結果として引き起こされ得る雑音に関する問題を起こしにくくすることができる。
【0017】
図5A及び図5Bは、信号線を開位置に移動させることによる、マイクロフォンの、システムオンチップマザーボードからの切断の一例の図である。同様に付番された要素は、図1図4A及び図4Cに関して記載された要素と同様である。
【0018】
図4A及び図4Bに関して記載したように、アナログ回路部は、デジタル回路部よりも多くの雑音を生じさせる傾向を有し得るので、それゆえ、切断部は、デジタル信号線上に配置することができる。
【0019】
図5A及び図5Bに示すように、マイクロフォン502は、入力を演算増幅器(オペアンプ(op amp))504に提供することができる。オペアンプ504の出力は、ミクストシグナル(mixed signal)特定用途向け集積回路(ASIC)506に提供することができ、このASICは、ADC404を備える。ASIC506は、パルス符号変調(PCM)信号508を生成することができ、この信号は、金属トレース118を含む接続ブロック510を通してSoC406に提供することができる。本明細書において用いられる場合、接続ブロック510は、とりわけ、カメラの回転ハウジング、マイクロフォンの回転ハウジング、又はマイクロフォン及びスマートフォンのスライドハウジングとすることができる。
【0020】
接続ブロック510を移動させること、例えば、図5Aに示す位置から図5Bに示す位置への回転の動き又はスライドする動きを通して接続ブロック510を移動させることにより、金属トレース118が、ミクストシグナルASIC506とSoC406との間の線から離隔するように移動し、これにより、マイクロフォンがシステムからデタッチされる。さらに、接続ブロック510が移動すると、金属トレース118は、ユーザにとって目視可能になる。
【0021】
図6は、接続ブロック510を開位置に移動させることによる、カメラモジュール602の、SoC404からの切断の一例の図である。同様に付番された要素は、図1及び図4に関して記載された要素と同様である。この例において、カメラモジュール602は、レンズ604とセンサ606とを備える。センサ606は、CMOSセンサ又はCCDセンサとすることができ、これらのセンサは、例えばモバイル産業プロセッサインターフェース(MIPI:Mobile Industry Processor Interface)アライアンスによって提供される仕様に準拠したシリアルデータバスを、離散(discrete)統合信号プロセッサ(ISP:integrated signal processor)608に提供するエレクトロニクスを含むことができる。ISP608は、個々のフレームを記憶するフレームバッファ610に結合することができる。センサ606、ISP608、及びフレームバッファ610は、画像データを搬送して、フレームバッファ610に記憶されるフレームを生成するリアルタイム高速バス接続である。
【0022】
到来線又はカメラセンサからのフレームをフレームバッファ610にバッファリングすることにより、データ転送のリアルタイム要件を低減することができる。結果として、ISP608からの出力は、ブロック612に示すように、後処理、例えば、雑音を低減するとともに品質を改善すること、符号化器−復号器(codec)を用いて画像を符号化すること、及び、デバイスにアタッチされたディスプレイに画像を表示することを行うために、低速MIPIを介してSoC404に渡すことができる。したがって、ISP608とSoC404との間に接続ブロック510を配置すること、及び、リアルタイム要件を緩和するためにフレームをバッファリングすることは、システムの信頼度を改善することができる。
【0023】
図7は、デバイスによる、センサの切断を確認する方法700の一例のプロセスフロー図である。方法は、デバイスが、例えば第1の位置から第2の位置への接続ブロックの動きを認識すると、ブロック702において開始する。第1の位置から第2の位置への移動は、とりわけ、接続ブロックの回転、又は接続ブロックのスライドを含むことができる。
【0024】
ブロック704において、その移動に応答して、デバイスは、例えば、データ線、電力線、又はそれら双方をシステム回路部に結合する接続から金属トレースを移動させることによって、センサとシステム回路部との間の接続を破断する。第1の位置では、センサは、システム回路部に接続されており、アクティブである。第2の位置では、センサは、システム回路部からデタッチされており、ディスエーブルされている。
【0025】
ブロック706において、デバイスは、接続ブロック上で、第2の位置において金属トレースを表示することができる。これにより、センサがデタッチされていることをユーザが確認することが可能となり得る。本明細書において記載されるように、接続ブロックは、カメラ又はマイクロフォン等のセンサのハウジングとすることができ、金属トレースは、データ線又は電力線によって用いられる導体とすることができる。
【0026】
図8は、センサシステムの切断の目視確認部を有するコンピューティングシステムにおいて提示することができるコンポーネントの一例のブロック図である。コンピューティングデバイス800は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又は任意の数の他のデバイスとすることができる。コンピューティングデバイス800は、プロセッサ802を備えることができ、このプロセッサは、マイクロプロセッサ、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、マルチスレッドプロセッサ、超低電圧プロセッサ、埋め込みプロセッサ、又は他の任意のタイプのプロセッサとすることができる。プロセッサ802は、プロセッサ802及び他のコンポーネントが単一の集積回路へと形成されるか又は単一の回路基板上で形成されるシステムオンチップの一部とすることができる。
【0027】
プロセッサ802は、バス806を介してシステムメモリ804と通信することができる。所与のシステムメモリ容量を提供するのに、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックRAM等を含む、任意の数のメモリデバイスを用いることができる。
【0028】
マスストレージ808も、バス806を介してプロセッサ802に結合することができる。マスストレージ808を含めることで、情報及びデータの永続的記憶を提供することができる。マスストレージ808は、ソリッドステートドライブ(SSD)を介して実装することができる。マスストレージ808のために用いることができる他のデバイスは、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、マイクロハードドライブ、ハードドライブ等を含む。
【0029】
これらのコンポーネントは、バス806を介して通信することができる。バス806は、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA:industry standard architecture)、拡張ISA(EISA)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI:peripheral component interconnect)、拡張ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCIx)、PCIエクスプレス(PCIe)、又は任意の数の他の技術を含む任意の数の技術を含むことができる。バス806は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ等のSoCベースシステムにおいて用いられるプロプリエタリバスとすることができる。とりわけ、ポイントツーポイントインターフェース及びパワーバス等の他のバスシステムを含めることができる。
【0030】
バス806は、ローカルネットワーク、ワイドエリアネットワーク又はインターネット等の、クラウド812との通信のために、プロセッサ802を送受信機810に結合することができる。送受信機810は、Bluetooth(登録商標)スペシャルインタレストグループによって規定された、Bluetooth(登録商標)low energy(BLE)標準規格を用いる、IEEE802.15.4標準規格の下での2.4ギガヘルツ(GHz)送信等の、任意の数の周波数及びプロトコルを用いることができる。送受信機810は、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11標準規格に準拠したWi−Fi(商標)通信を実装するのに用いることができるWLANユニットを含むことができる。加えて、例えばセルラ又は他の無線ワイドエリアプロトコルによる、無線ワイドエリア通信は、WWANユニットを介して生じさせることができる。
【0031】
ネットワーク812に有線通信リンクを提供するために、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)814を含めることができる。有線通信リンクは、イーサネットプロトコル接続を提供することもできるし、他のタイプのネットワーク及びインターフェースプロトコルに基づいた有線通信リンクを提供することもできる。
【0032】
バッテリ816は、コンピューティングデバイス800に電力供給することができるが、コンピューティングデバイス800は、電力網に直接結合された電源を用いることができる。バッテリ816は、とりわけ、リチウムイオンバッテリ、金属空気バッテリ(metal-air battery)、又はニッケルカドミウムバッテリとすることができる。バッテリ816を充電し、バッテリ816の充電をモニタリングし、バッテリ816の充電状態をモニタリングするために、コンピューティングデバイス800内にバッテリモニタ/充電器818を含めることができる。
【0033】
バッテリ816を充電するために、バッテリモニタ/充電器818に電力ブロック820を結合することができる。いくつかの例では、電力ブロック820は、例えばコンピューティングデバイス800内のループアンテナを通して、電力を無線で提供する無線電力受信機に置き換えることができる。
【0034】
バス806は、プロセッサ802をディスプレイデバイス822に結合することができる。ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、又はスマートフォン内の統合ディスプレイ等、ディスプレイデバイス822は、コンピューティングデバイス800に組み込むことができる。他の例では、ディスプレイデバイス822は、インターフェースを通してコンピューティングデバイス800に結合された外部デバイスとすることができる。
【0035】
入力デバイス824を、バス806を通してプロセッサ802に結合することができる。入力デバイス824は、ディスプレイデバイス822に関連付けられたタッチスクリーンパネル、コンピューティングデバイス800に組み込まれたキーボード、コンピューティングデバイス800に組み込まれたタッチパッド、外部ポインティングデバイス、例えばコンピューティングデバイス800に接続されたキーボード若しくはマウス、又はこれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0036】
カメラインターフェース826を、バス806を通してプロセッサ802に結合することができる。カメラインターフェース826は、本明細書において記載されるように、接続ブロック510Aを通してカメラ828に結合することができる。接続ブロック510Aは、カメラ828のカメラインターフェース826との線結合から切断することができる金属トレース118を含むことができる。金属トレース118は、切断されると、コンピューティングデバイス800のユーザにとって目視可能となることで、カメラ828が非活性化(deactivated)したことが確認される。本明細書に記載されるように、接続ブロック510Aは、回転するか又は別の方法でアタッチ位置又はデタッチ位置に移動させることができる、カメラ828の本体とすることができる。
【0037】
マイクロフォンインターフェース830を、バス806を通してプロセッサ802に結合することができる。マイクロフォンインターフェース830は、第2の接続ブロック510Bを通してマイクロフォン832に結合することができる。カメラ828をカメラインターフェース826に結合する接続ブロック510Aと同様に、接続ブロック510Bは、マイクロフォン832のマイクロフォンインターフェース830との線結合から切断することができる金属トレース118を含むことができる。
【0038】
第1の接続ブロック510Aが単一の金属トレース118を用いて示され、かつ、第2の接続ブロック510Bが2つの金属トレース118を用いて示されているものの、接続ブロック510A又は510Bのいずれの上にも任意の数の金属トレース118が存在し得る。例えば、単一の金属トレース118を用いてデータ線上の低速デジタル信号を結合解除することができる一方で、2つの金属トレース118を用いてSIPバスの双方の線を結合解除することができる。
【0039】
マスストレージ808は、機能を実施するためにコードモジュールを含むことができる。起動モジュール(booting module)826は、プロセッサ802を起動(boot)するためにスタートアップコードを含むことができる。ユーザとコンピューティングデバイス800との間にインターフェースを提供するとともに、コンピューティングデバイス800内の基本動作を提供するために、オペレーティングシステム828を含めることができる。通信アプリケーション、ワードプロセッシングアプリケーション等の機能を提供するために、アプリケーション830を含めることができる。
【0040】
例えばステータスを示すためにスクリーンの底部においてインジケータを示すアラート発生器(alerter)842を用いて、センサのステータスの追加確認を提供することができる。いくつかの例では、アラート発生器842は、センサのステータスが変化すると、センサが活性化(activated)又はデタッチされていることを示すポップアップボックスを一時的に表示することができる。
【0041】
本技術は種々の変更形態及び代替形態を受け入れる余地があり得る一方で、上述した例は、単に例示として示されているに過ぎない。この技術は、本明細書において開示された特定の例に限定されるようには意図されていないことを理解されたい。実際、本技術は、本技術の範囲内にある全ての代替形態、変更形態、及び均等物を含む。
なお、出願当初の特許請求の範囲の記載は以下の通りである。
請求項1:
統合入力デバイスを備えるコンピュータデバイスであって、前記統合入力デバイスは、該統合入力デバイスが非活性化されている場合、該統合入力デバイスに対して開接続の表示を含む能動的切断システムを備え、前記開接続は、前記統合入力デバイスの該コンピュータデバイスへの線結合上の、目視可能な金属トレースを含む、コンピュータデバイス。
請求項2:
前記統合入力デバイスは、カメラを含む、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
請求項3:
前記統合入力デバイスは、マイクロフォンを含む、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
請求項4:
前記統合入力デバイスは、該統合入力デバイスを、前記金属トレースが目視可能になるまで回転させることによって非活性化される、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
請求項5:
前記統合入力デバイスは、該統合入力デバイスを、第1の位置から第2の位置までスライドさせることによって非活性化される、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
請求項6:
前記線は、前記コンピュータデバイスへのデータ接続を含む、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
請求項7:
前記線は、前記統合入力デバイスへの電力接続を含む、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
請求項8:
前記線は、前記統合入力デバイスを、信号プロセッサからシステムオンチップ(SOC)上の入力線に結合する、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
請求項9:
前記統合入力デバイスが切断されたことをユーザにアラートするデバイスアラート発生器を備える、請求項1に記載のコンピュータデバイス。
請求項10:
統合入力デバイスであって、
接続ブロックを備える本体であって、前記接続ブロックは、外表面上に金属トレースを含み、該金属トレースは、第1の位置において該統合入力デバイスをコンピューティングデバイスに結合する、本体と、
前記接続ブロックであって、該接続ブロックは、前記第1の位置から第2の位置への動きを可能にするように構成され、前記金属トレースは、前記第2の位置において前記統合入力デバイス及び前記コンピューティングデバイスから結合解除される、前記接続ブロックと、
を備える、統合入力デバイス。
請求項11:
前記金属トレースは、前記第2の位置において目視可能である、請求項9に記載の統合入力デバイス。
請求項12:
コンピュータデバイスによって統合入力デバイスを切断する方法であって、
前記統合入力デバイスへの接続を破断する該統合入力デバイスの動きを受信することと、
前記統合入力デバイスの前記接続を含む金属トレースを表示することと、
を含む、方法。
請求項13:
前記統合入力デバイスの前記動きは、該統合入力デバイスの回転を含み、前記金属トレースは、該統合入力デバイスの前記表面上にある、請求項12に記載の方法。
請求項14:
前記統合入力デバイスの前記動きは、該統合入力デバイスの、金属トレースを表示する新たな位置へのスライドを含む、請求項12に記載の方法。
請求項15:
前記統合入力デバイスの逆の動きを認識して、前記金属トレースを用いて前記統合入力デバイスを再接続することによって、該統合入力デバイスを前記コンピュータデバイスに再結合することを含む、請求項12に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8