(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機体フレーム(1)の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置(3)を設け、該刈取前処理装置(3)の後方左側に収穫された穀稈の脱穀を行う脱穀装置(4)を設け、前記刈取前処理装置(3)の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部(5)を設け、該操縦部(5)の下方にエンジンを搭載するエンジンルーム(6)を設けたコンバインにおいて、
前記刈取前処理装置(3)は、穀稈を掻込んで後方に搬送する掻込装置(3A)と、搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置(3B)と、搬送された穀稈を一側に寄せ集めるオーガ装置(3C)と、寄せ集められた穀稈を前記脱穀装置(4)に搬送するフィーダハウス(3D)を備え、
前記フィーダハウス(3D)の枠体(10)の上壁に、ステー(50)に支持された吸塵ファン(40)を設け、
側面視において、前記刈取前処理装置(3)を待機位置に上昇させた場合に、前記吸塵ファン(40)が操縦部(5)のサイドパネル(5B)よりも上方に位置し、
前記吸塵ファン(40)の送風方向を変更可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
前記吸塵ファン(40)を支持する第1回転軸(41A)とステー(50)に設けられた第2回転軸(41B)を自在継手(41C)で連結した請求項1記載のコンバイン。
前記枠体(10)の上壁に開閉自在な蓋カバー(65)を設け、該蓋カバー(65)の左部に左側上方に折曲げた左傾斜部(65A)を形成した請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された技術では、刈取前処理装置のオーガ装置から操縦部に飛来してきた塵埃によって操縦部の操作環境が悪化する恐れがあった。また、吸塵ファンによって操縦部から外部に排出された塵埃が再び操縦部に戻ってくる恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、刈取前処理装置のオーガ装置から操縦部に飛来してきた塵埃を集塵すると共に、操縦部から外部に排出された塵埃が再び操縦部に戻ってくるのを抑制することができるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
請求項1に係る発明は、機体フレーム(1)の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置(3)を設け、該刈取前処理装置(3)の後方左側に収穫された穀稈の脱穀を行う脱穀装置(4)を設け、前記刈取前処理装置(3)の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部(5)を設け、該操縦部(5)の下方にエンジンを搭載するエンジンルーム(6)を設けたコンバインにおいて、
前記刈取前処理装置(3)は、穀稈を掻込んで後方に搬送する掻込装置(3A)と、搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置(3B)と、搬送された穀稈を一側に寄せ集めるオーガ装置(3C)と、寄せ集められた穀稈を前記脱穀装置(4)に搬送するフィーダハウス(3D)を備え、前記フィーダハウス(3D)の枠体(10)の上壁に、ステー(50)に支持された吸塵ファン(40)を設け、側面視において、前記刈取前処理装置(3)を待機位置に上昇させた場合に、前記吸塵ファン(40)が操縦部(5)のサイドパネル(5B)よりも上方に位置し、前記吸塵ファン(40)の送風方向を変更可能に構成したことを特徴とするコンバインである。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記吸塵ファン(40)を支持する第1回転軸(41A)とステー(50)に設けられた第2回転軸(41B)を自在継手(41C)で連結した請求項1記載のコンバインである。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記第1回転軸(41A)が内嵌された第1筒部(53A)と第2回転軸(41B)が内嵌された第2筒部(53B)を扇状の調整プレート(62)で連結し、該調整プレート(62)の基部を、前記第2筒部(53B)に固定し、前記調整プレート(62)の先端部と第1筒部(53A)の間にバネ座金(67)を設け、前記調整プレート(62)の先端部を、前記調整プレート(62)の先端部に形成された円弧状の溝部(62A)に挿入された締結手段(63)で着脱自在に固定した請求項2記載のコンバインである。
【0009】
請求項4に係る発明は、前記第1筒部(53A)に、前記第1筒部(53A)に沿って延在する操作レバー(64)を設け、該操作レバー(64)の端部を、前記操縦部(5)に臨ませた請求項3記載のコンバインである。
【0010】
請求項5に係る発明は、前記枠体(10)の上壁に開閉自在な蓋カバー(65)を設け、該蓋カバー(65)の左部に左側上方に折曲げた左傾斜部(65A)を形成した請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0011】
請求項6に係る発明は、平面視において、前記枠体(10)の上壁における右側前部に、前記吸塵ファン(40)を設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0012】
請求項7に係る発明は、前記第2回転軸(41)の右部に第1プーリ(44)を支持し、前記フィーダハウス(3D)の前後方向の中間部に、前記エンジンの出力回転が伝動される左右方向に延在する第3回転軸(13)を設け、前記第3回転軸(13)におけるフィーダハウス(3D)の右壁よりも右側に延出する部位に第2プーリ(43)を支持し、前記第1プーリ(44)と第2プーリ(43)にベルト(45)を巻回した請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、刈取前処理装置(3)は、穀稈を掻込んで後方に搬送する掻込装置(3A)と、搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置(3B)と、搬送された穀稈を一側に寄せ集めるオーガ装置(3C)と、寄せ集められた穀稈を脱穀装置(4)に搬送するフィーダハウス(3D)を備え、フィーダハウス(3D)の枠体(10)の上壁に、ステー(50)に支持された吸塵ファン(40)を設け、側面視において、刈取前処理装置(3)を待機位置に上昇させた場合に、吸塵ファン(40)が操縦部(5)のサイドパネル(5B)よりも上方に位置し、吸塵ファン(40)の送風方向を変更可能に構成したので、刈取前処理装置(3)のオーガ装置(3C)から操縦部(5)に飛来してくる塵埃を集塵ファン(40)で集塵して操縦部(5)の外部に排出することができる。また、吸塵ファン(40)から送風される風の方向を任意に選択でき、例えば、吸塵ファン(40)から送風される風の方向を左側後方に設定した場合には、操縦部(5)の外部に排出された塵埃が操縦部(5)に逆戻りするのを防止することができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、吸塵ファン(40)を支持する第1回転軸(41A)とステー(50)に設けられた第2回転軸(41B)を自在継手(41C)で連結したので、吸塵ファン(40)の送風方向をより容易に変更することができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、第1回転軸(41A)が内嵌された第1筒部(53A)と第2回転軸(41B)が内嵌された第2筒部(53B)を扇状の調整プレート(62)で連結し、調整プレート(62)の基部を、第2筒部(53B)に固定し、調整プレート(62)の先端部と第1筒部(53A)の間にバネ座金(67)を設け、調整プレート(62)の先端部を、調整プレート(62)の先端部に形成された円弧状の溝部(62A)に挿入された締結手段(63)で着脱自在に固定したので、吸塵ファン(40)から送風される風の方向を任意の角度に容易に設定することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の効果に加えて、第1筒部(53A)に、第1筒部(53A)に沿って延在する操作レバー(64)を設け、操作レバー(64)の端部を、操縦部(5)に臨ませたので、操縦部(5)から吸塵ファン(40)から送風される風の方向を任意の角度により容易に設定することができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、枠体(10)の上壁に開閉自在な蓋カバー(65)を設け、蓋カバー(65)の左部に左側上方に折曲げた左傾斜部(65A)を形成したので、蓋カバー(65)に堆積した塵埃を蓋カバー(65)の左傾斜部(65A)に沿って左側上方の遠方に排出することができる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、平面視において、枠体(10)の上壁における右側前部に、吸塵ファン(40)を設けたので、操縦部(5)に飛来してくる塵埃を集塵ファン(40)で集塵して操縦部(5)の外部により効率的に排出することができる。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、第2回転軸(41)の右部に第1プーリ(44)を支持し、フィーダハウス(3D)の前後方向の中間部に、エンジンの出力回転が伝動される左右方向に延在する第3回転軸(13)を設け、第3回転軸(13)におけるフィーダハウス(3D)の右壁よりも右側に延出する部位に第2プーリ(43)を支持し、第1プーリ(44)と第2プーリ(43)にベルト(45)を巻回したので、エンジンの出力回転で吸塵ファン(40)を回転させることができ、吸塵ファン(40)を回転させるモータ等を別途に設ける必要がなくなる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜3に示すように、汎用コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置3が設けられ、刈取前処理装置3の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取前処理装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0022】
操縦部5の前部には、操作レバー等が配置されたフロントパネル5Aが設けられ、操縦部5の左部には、走行装置2の走行速度を増減速する変速レバー等が配置されたサイドパネル5Bが設けられている。また、操縦部5の下部には、エンジンを内装するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には、脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側には、穀粒を外部に排出する排出筒8が設けられている。排出筒8は、グレンタンク7の下部に連通され上下方向に延在する縦排出筒と、縦排出筒の上部に連通され前後方向に延在する横排出筒から形成されている。
【0023】
刈取前処理装置3は、圃場の穀稈を起立させながら掻込んで後方に搬送する掻込装置3Aと、後方に搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置3Bと、後方に搬送された穀稈を左側に寄せ集めるオーガ装置3Cと、寄せ集められた穀稈を脱穀装置4に搬送するフィーダハウス3Dから構成されている。
【0024】
図4〜7に示すように、フィーダハウス3Dの枠体10の左右壁の後部には、エンジンの出力回転が伝動される左右方向に延存する回転軸11が架設され、回転軸11の左部には、第1スプロケット11Aが支持されている。枠体10の左壁の前部には、左右方向に延存する支軸12が設けられ、支軸12の左部には、第2スプロケット(図示省略)が回転自在に支持されている。なお、支軸12の左部における第2スプロケットよりも左側部位には、エンジンの出力回転を掻込装置3A等に伝動する第3スプロケット(図示省略)が並設されている。
【0025】
枠体10の左右壁の略中間部には、左右方向に延在する回転軸(請求項における「第3回転軸」)13が架設されている。枠体10の左壁よりも左側に延出した回転軸13の左部には、スプロケット14が支持されている。
【0026】
回転軸13は、左右方向に延在する円筒状の筒体13Aにベアリング13Bを介して内装されている。これにより、枠体10内を移送される穀稈が、回転軸13に絡み付くのを防止することができる。
【0027】
枠体10の左壁よりも左側に延出した回転軸13の左部におけるスプロケット14よりも右側部位には、テンションアーム15のアーム15Aの基部が、回転自在に支持されている。テンションアーム15は、アーム15Aと、アーム15Aの先端部に回転自在に支持されたスプロケット15Bから形成されている。
【0028】
アーム15Aの前後方向の中間部には、バネ等からなる付勢手段16の下部が連結されている。付勢手段16の上部は、枠体10の左壁の上部に固定されている。テンションアーム15は、後上がり姿勢に設けられ、付勢手段16は、後下がり姿勢で設けられ、テンションアーム15のアーム15Aと付勢手段16とは、略90度の交差角度をもって連結されている。
【0029】
枠体10の左壁における前側下部には、アイドラ17が設けられ、枠体10の左壁における回転軸13よりも後側下部には、アイドラ18とアイドラ19が設けられている。
【0030】
第1スプロケット11Aと、スプロケット15Bと、スプロケット14と、第2スプロケットと、アイドラ17と、アイドラ18と、アイドラ19には、チェン20が巻回されている。
【0031】
これにより、エンジンの出力回転を掻込装置3A等に伝動するチェン20を駆動して、回転軸13を回動することができる。また、チェン20の張力は、テンションアーム15によって適正な張力に調整され、チェン20の左右と上下方向への蛇行もアイドラ17〜19によって抑制されている。
【0032】
枠体10の左壁には、スプロケット14、テンションアーム15、チェン20等を覆う、外装カバー21が着脱自在に設けられている。これにより、作業者がチェン20等に接触することを防止することができる。
【0033】
回転軸11における枠体10の内部に位置する部位には、回転体22が支持され、回転体22の外周部には、左右方向に所定の間隔を隔てて左スプロケット23Aと右スプロケット23Bが並設されている。なお、本明細書では、左スプロケット23Aと右スプロケット23Bを総称して後スプロケット23と言う。
【0034】
枠体10の左右壁の前部には、左右方向に延在する回転軸25が架設され、回転軸25における枠体10の内部に位置する部位には、回転体26が支持され、回転体26の外周部には、左右方向に所定の間隔を隔てて左スプロケット27Aと右スプロケット27Bが並設されている。なお、本明細書では、左スプロケット27Aと右スプロケット27Bを総称して前スプロケット27と言う。
【0035】
左スプロケット23Aと左スプロケット27Aには、左スラットチェン28Aが巻回され、右スプロケット23Bと右スプロケット27Bには、右スラットチェン28Bが巻回されている。また、左スラットチェン28Aと右スラットチェン28Bには、前後方向に所定の間隔を隔てて、略コの字状に形成されたスラット29が架設されている。これにより、オーガ装置3Cからフィーダハウス3Dに搬送されてきた穀稈を後方に効率良く移送して脱穀装置に搬送することができる。なお、本明細書では、左スラットチェン28Aと右スラットチェン28Bを総称してスラットチェン28と言う。
【0036】
図8〜10に示すように、枠体10の上壁における右側前部には、吸塵ファン40が設けられている。これにより、フィーダハウス3Dを上昇させて待機姿勢に位置させた場合には、側面視において、吸塵ファン40が操縦部5のサイドパネル5Bよりも上側に移動するので、吸塵ファン40で操縦部5内に飛散している塵埃を吸塵して操縦部5の外部に塵埃を排出することができ、また、操縦部5内の空気を吸引して対流を起こし操縦部5内の熱気を外部に放出することができる。
【0037】
吸塵ファン40は、枠体10の上壁における前部を覆うように設けられたプレート30に着脱自在に固定されたステー50に支持されている。
【0038】
正面視において、プレート30は、下側が開口された略コの字形状に形成され、プレート30の上下方向に延在する左脚は枠体10の左壁に着脱自在に固定され、プレート30の上下方向に延在する右脚は枠体10の右壁に着脱自在に固定されている。
【0039】
ステー50は、プレート30の上面に着脱自在に取付けられる矩形状の固定部51と、固定部51の上面の右部に形成された上下方向に延在する柱部52と、柱部52の上部に形成された左右方向に延在する円筒状の筒部53を備えている。
【0040】
柱部52を横方向に断面した形状は、左側が開口された略コの字形状に形成されている。これにより、柱部52は、軽量で、剛性が高く、柱部52に生じる変形を防止することができる。
【0041】
正面視において、柱部52の下部は、左下り傾斜に形成、すなわち、下側に向かうにしたがって左方向に延在して形成されている。また、左側面視において、固定部51と柱部52の下部は略三角形状のリブを設けるのが好ましい。これにより、柱部52の下部の剛性を高めて、柱部52の下部の変形をより防止することができる。
【0042】
柱部52の右面の上下方向の中間部には、後述するテンションアーム46を回転自在に支持する左右方向に延在する支軸55が設けられている。
【0043】
筒部53の左部には、吸塵ファン40の外周部を覆うファンカバー56を着脱自在に固定する円形状のプレート57が設けられ、筒部53の右部には、後述するベルトカバー48を支持する支持部58が設けられている。
【0044】
吸塵ファン40の基部は、左右方向に延在する回転軸41の左部に着脱自在に固定されている。回転軸41は、ベアリング42を介して筒部53に回転自在に内嵌されている。
【0045】
フィーダハウス3Dに設けられた回転軸13の右部にはプーリ(請求項における「第2プーリ」)43が支持され、回転軸41の右部にはプーリ(請求項における「第1プーリ」)44が支持され、プーリ43とプーリ44にはベルト45が巻回されている。これにより、エンジンの出力回転を回転軸13、ベルト45等を介して吸塵ファン40に伝動して、吸塵ファン40を回転させることができる。
【0046】
ベルト45の張力は、テンションアーム46によって所定の張力に調整されている。テンションアーム46は、基部が支軸55に回転自在に支持されたアーム46Aと、アーム46Aの先端部に回転自在に支持されたプーリ46Bから形成されている。
【0047】
テンションアーム46のプーリ46Bは、支軸55に装着されたコイルスプリング等の付勢手段47によってベルト45に押圧されている。付勢手段47の上端部は、筒部53に係合され、付勢手段47の下端部は、アーム46Aに係合されている。これにより、ベルト45の張力が適正な張力に維持されて、ベルト45がプーリ44等からの脱落するのを防止することができる。
【0048】
ベルト45の右側、すなわち、操縦部5側には、プーリ43,44、ベルト45を右側から覆うベルトカバー48が設けられている。これにより、操縦者がベルト45等に接触するのを防止して安全性を高めることができる。また、ベルトカバー48の上部は、筒部53の設けられた支持部58に支持されている。
【0049】
図11,12に示すように、回転軸41は、吸塵ファン40が固定された第1回転軸41Aと、プーリ44が固定された第2回転軸41Bと、第1回転軸41Aの右部と第2回転軸41Bの左部を連結するユニバーサルジョイント等の自在継手41Cから形成されている。また、自在継手41Cは、ゴム製のカバー(図示省略)で覆うのが好ましい。これにより、自在継手41Cに付着する塵埃によって自在継手41Cが作動不良に陥るのを防止することができる。
【0050】
筒部53は、第1回転軸41Aがベアリング42を介して内嵌される第1筒部53Aと、第2回転軸41Bがベアリング42を介して内嵌される第2筒部53Bから形成されている。
【0051】
ファンカバー56を固定するプレート57は、第1筒部53Aに設けられ、ベルトカバー48を支持する支持部は第2筒部53Bの右部に設けられている。また、第2筒部53Bは、柱部52の上部に固定されている。
【0052】
これにより、吸塵ファン40が固定された第1回転軸41Aを、自在継手41Cを介して左右方向に延在する第2回転軸41Bに対して、前後方向、上下方向に所定の角度傾斜させることができる。
【0053】
例えば、
図12に示すように、平面視において、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して前方に所定の角度回転させる、すなわち、第1回転軸41Aの左部を右部よりも左側前方に位置させると、第1回転軸41Aに固定された吸塵ファン40の羽根は、前方から後方左側に向かって延在する姿勢になる。これにより、吸塵ファン40から送風される風の方向を、左側から左側前方に向かって送風することができる。なお、
図12中の矢印は、吸塵ファン40から送風される風の方向を示している。
【0054】
図示を省略しているが、平面視において、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して後方に所定の角度回転させる、すなわち、第1回転軸41Aの左部を右部よりも左側後方に位置させると、第1回転軸41Aに固定された吸塵ファン40の羽根は、前方から後方右側に向かって延在する姿勢になる。これにより、吸塵ファン40から送風される風の方向を、左側から左側後方に向かって送風することができ、操縦部5から外部に排出された塵埃を進行方向の後方に向かって排出することができる。
【0055】
また、
図13に示すように、背面視において、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して上方に所定の角度回転させる、すなわち、第1回転軸41Aの左部を右部よりも左側上方に位置させると、第1回転軸41Aに固定された吸塵ファン40の羽根は、下方から上方右側に向かって延在する姿勢になる。これにより、吸塵ファン40から送風される風の方向を、左側から左側上方に向かって送風することができ、操縦部5から外部に排出された塵埃を遠方に排出することができる。なお、
図13中の矢印は、吸塵ファン40から送風される風の方向を示している。
【0056】
図示を省略しているが、平面視において、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して下方に所定の角度回転させる、すなわち、第1回転軸41Aの左部を右部よりも左側下方に位置させると、第1回転軸41Aに固定された吸塵ファン40の羽根は、下方から上方左側に向かって延在する姿勢になる。これにより、吸塵ファン40から送風される風の方向を、左側から左側下方に向かって送風することができる。
【0057】
図14に示すように、第1回転軸41Aが内嵌された第1筒部53Aと第2回転軸41Bが内嵌された第2筒部53Bの前部は、略くの字状の固定用ステー60によって連結されている。これにより、平面視において、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して前方に所定の角度回転させた状態を維持して、吸塵ファン40から送風される風の方向を、左側から左側前方に向かって引続いて送風することができる。
【0058】
また、図示は省略するが、第1回転軸41Aが内嵌された第1筒部53Aと第2回転軸41Bが内嵌された第2筒部53Bの上部を、略くの字状の固定用ステー60により連結することもできる。これにより、背面視において、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して上方に所定の角度回転させた状態を維持して、吸塵ファン40から送風される風の方向を、左側から左側上方に向かって引続いて送風することができる。
【0059】
図15に示すように、第1回転軸41Aが内嵌された第1筒部53Aと第2回転軸41Bが内嵌された第2筒部53Bの上部と下部は、上下一対の略扇状の調整プレート62によって連結されている。
【0060】
調整プレート62の基部は、それぞれ第2筒部53Bの上部と下部に固定されている。調整プレート62の先端部には、自在継手41Cの回転支軸を中心とする円弧状の溝部62Aが形成されており、調整プレート62の先端部は、溝部62Aに挿通されたボルト等の締結手段63によって第1筒部53Aの上部と下部に着脱自在に固定されている。これにより、平面視において、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して前方又は後方に所定の角度回転させて、操縦部5に浮遊する塵埃量に応じて吸塵ファン40から送風される風の方向を設定することができる。
【0061】
第1筒部53Aの上部と上側に位置する調整プレート62の下部の間と、第1筒部53Aの下部と下側に位置する調整プレート62の上部の間には、それぞれ上下一対のバネ座金67が設けられている。これにより、バネ座金67の摺動抵抗によって、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して前方又は後方に所定の角度回転させた状態を維持することができる。
【0062】
また、図示は省略するが、前後一対の調整プレート62の基部を第2筒部53Bの前部と後部に固定し、調整プレート62の先端部を、溝部62Aに挿通された締結手段63によって第1筒部53Aの前部と後部に着脱自在に固定することもできる。これにより、背面視において、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して上方又は下方に所定の角度回転させて、操縦部5に浮遊する塵埃量に応じて吸塵ファン40から送風される風の方向を設定することができる。
【0063】
第1筒部53Aの前部と前側に位置する調整プレート62の後部の間と、第1筒部53Aの後部と後側に位置する調整プレート62の前部の間には、それぞれ前後一対のバネ座金67が設けられている。これにより、バネ座金67の摺動抵抗によって、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して上方又は下方に所定の角度回転させた状態を維持することができる。
【0064】
図16,17に示すように、第1回転軸41Aが内嵌された第1筒部53Aに沿って延在する操作レバー64を設け、操作レバー64の先端部は、第1筒部53Aの上部に固定されている。これにより、操縦部5から操作レバー64を操作して、第1回転軸41Aを、第2回転軸41Bに対して所定の角度回転させて、操縦部5に浮遊する塵埃量に応じて吸塵ファン40から送風される風の方向を設定することができる。
【0065】
図10に示すように、フィーダハウス3Dの上壁には、前後方向に所定の間隔を隔てて着脱自在な前蓋カバー(請求項における「蓋カバー」)65と後蓋カバー66が設けられている。これにより、前蓋カバー65と後蓋カバー66を取外して、フィーダハウス3Dの内部に詰まった穀稈を容易に取り除くことができる。
【0066】
前蓋カバー65の左端部には、左側上方に折り曲げられた左傾斜部65Aが形成されている。これにより、吸塵ファン40から送風される風によって前蓋カバー65上に堆積した塵埃を前蓋カバー65の左傾斜部65Aに沿って左側上方の遠方に排出することができる。また、後蓋カバー66の左端部にも左側上方に折り曲げられた左傾斜部を形成するのが好ましい。
【0067】
枠体10の左壁に設けられたスプロケット14、テンションアーム15、チェン20等を覆う外装カバー21の上壁を左上がり傾斜、すなわち、正面視において、外装カバー21の上壁を右側から左側に行くにしたがって上方に形成することが好ましい。これにより、吸塵ファン40から送風される風によって外装カバー21の上壁に堆積した塵埃を、外装カバー21の上壁に沿って左側上方の遠方に排出することができる。
【課題】刈取前処理装置のオーガ装置から操縦部に飛来してきた塵埃を集塵すると共に、エンジンによって加熱された操縦部の空気を外部に排風することができるコンバインを提供する。
【解決手段】刈取前処理装置(3)は、穀稈を掻込んで後方に搬送する掻込装置(3A)と、搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置(3B)と、搬送された穀稈を一側に寄せ集めるオーガ装置(3C)と、寄せ集められた穀稈を脱穀装置(4)に搬送するフィーダハウス(3D)を備え、フィーダハウス(3D)の枠体(10)の上壁に、ステー(50)に支持された吸塵ファン(40)を設け、側面視において、刈取前処理装置(3)を待機位置に上昇させた場合に、吸塵ファン(40)が操縦部(5)のサイドパネル(5B)よりも上方に位置し、吸塵ファン(40)の送風方向を変更可能に構成した。