(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
図と組み合わせた以下の説明は、本明細書で開示された教示の理解を支援するために提供される。以下の論考は、本発明の教示の具体的な実施および実施形態に焦点を合わせている。これは本発明の教示を説明し易くするためのものであり、本発明の教示の範囲または適用可能性を限定すると解釈されるべきではない。しかしながら、他の実施形態を、本出願で開示されるような教示に基づいて使用することができる。
【0007】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「包含する(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図される。たとえば、要素のリストを含む、方法、物品、もしくは装置は、それらの特徴のみに必ずしも限定されず、明確にリストされないか、または、かかる、方法、物品、もしくは装置に固有の他の特徴を包含してもよい。さらに、それとは反対と明らかに述べられないかぎり、「または(or)」は、「包括的な(or)」を意味し、「排他的な(or)」を意味しない。たとえば、条件AまたはB、は下記のうちのいずれか1つによって満たされる。Aが真(または存在)であり、かつBが偽(または存在しない)である、Aが偽(または存在しない)であり、かつBが真(または存在)である、およびAとBの両方が真である(または存在する)。
【0008】
また、「1つの(aまたはan)」の使用は、本明細書に記載される要素および構成要素を記述するために利用される。これは、便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行なわれるにすぎない。この記述は、明らかにそうではないことを意味していないかぎり、1つ、少なくとも1つまたは単数を包含するものとして読まれるべきであり、あるいは複数を包含し、または逆も同様である。たとえば、単一の項目が本明細書に記載される場合、2つ以上の項目が単一の項目の代わりに使用されてもよい。同様に、2つ以上の項目が本明細書に記載される場合、単一の項目で当該2つ以上の項目を置き換えてもよい。
【0009】
別途定義されないかぎり、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。材料、方法、および実施例は一例にすぎず、限定的であるとは意図されない。本明細書に記載されない範囲で、特定の材料および加工行為に関する多くの詳細は従来的であり、軸受け技術における教本および他の資料中に見出され得る。
【0010】
一般に、本明細書に記載された1つまたは複数の実施形態による軸受けは、略円筒形側壁と、この略円筒形側壁の軸方向端部に配置された湾曲部とを含むことができる。一実施形態では、湾曲部は、略円筒形側壁から延在してもよく、かつ連続してもよい。湾曲部は、略円筒形側壁から軸方向および半径方向の両方に延在することができる。一実施形態では、湾曲部は、軸受けの半径方向最も外側で軸方向最上の位置を形成することができる。
【0011】
本明細書の幾つかの実施形態で説明した湾曲部を有する軸受けは、明細書全体を読んだ後に明らかとなる1つまたは複数の利点を提供することができる。
【0012】
図1を参照すると、軸受け100は、略円筒形側壁102の軸方向の長さだけ離間した第1の軸方向端部104および第2の軸方向端部106を有する略円筒形側壁102と、略円筒形側壁102から延在する湾曲部108とを含むことができる。本明細書で使用するとき、「略円筒形の」とは、形状が軸を中心とする回転体を有する最良適合円筒内に配置されたとき、その最良適合円筒から、任意の位置で15%以下、または任意の位置で10%以下、または任意の位置で5%以下、または任意の位置で4%以下、または任意の位置で3%以下、または任意の位置で2%以下、または任意の位置で1%以下のずれを生じる形状のことを指す。一実施形態では、「略円筒形の」とは、内側部品および外側部品間にアセンブルされたとき、すなわち設置状態にあるときの、略円筒形側壁102を指すことができる。別の実施形態では、「略円筒形の」とは、内側部品および外側部品間のアセンブリ前、すなわち、設置前状態にあるときの、略円筒形側壁102を指すことができる。特定の実施形態では、略円筒形側壁は、2つの長手方向の平面端部を有する軸の周りの回転に対応する形状を有する円筒形側壁であってもよい。特定の実施形態では、円筒形側壁は、たとえば、典型的な機械加工および製造プロセスの間に生じるような、公称表面粗さを有することができる。
【0013】
一実施形態では、湾曲部108は、略円筒形側壁102の第1の軸方向端部104から延在することができる。特定の例では、湾曲部108は、略円筒形側壁102から軸方向および半径方向の両方に延在することができる。一実施形態では、湾曲部108は、略円筒形側壁102と連続してもよい。より特定の実施形態では、湾曲部108は、略円筒形側壁102と連続してもよい。さらに別の実施形態では、湾曲部108および略円筒形側壁102が、単一の連続した材料から形成されるように、軸受け100は一体構造を有することができる。
【0014】
一実施形態では、軸受け100の中心軸118から見たとき、湾曲部108は、通常、湾曲部108と略円筒形側壁102との間の接合部に、またはその接合部に隣接して、最も内側の直径、および最も外側の直径を有することができる。ここで、最も外側の直径は、最も内側の直径の少なくとも101%、または最も内側の直径の少なくとも102%、または最も内側の直径の少なくとも103%、または最も内側の直径の少なくとも104%、または最も内側の直径の少なくとも105%である。中心軸から見える最も外側の直径は、湾曲部108の内側表面114(
図2)が中心軸118からの立面視で見えるような点における最大直径である。
【0015】
一実施形態では、軸受け100は、積層構造を有することができる。より具体的には、
図2を参照して、軸受け100は、低摩擦材料112と結合された基材110を含むことができる。
【0016】
低摩擦材料112は、乾いた鋼表面に対して測定したとき、0.7未満、または0.65未満、または0.6未満、または0.55未満、または0.5未満、または0.45未満、または0.4未満、または0.35未満、または0.3未満、または0.25未満、または0.2未満、または0.15未満、または0.1未満の動摩擦係数を有するように選択することができる。一実施形態では、低摩擦材料112は、0.01よりも大きい動摩擦係数を有することができる。
【0017】
一実施形態では、低摩擦材料112は、非導電性であってもよく、または略非導電性の特性を有する材料から形成されてもよい。車両用ドアヒンジ・アセンブリのような幾つかの用途では、軸受け100に表面処理および塗装を施すことができる。そのような表面処理および塗装は、帯電した表面に引き付けられる導電性または静電性の流体を利用することができる。軸受けは、一般にドアヒンジ・アセンブリの一部として回転するので、軸受け上の乾燥した流体はドアの回転中にチップまたはフレーク状になり、ミクロおよびマクロ粒子を生じさせ、それらが浮遊したとき、処理される他の表面に着陸して、表面処理を損傷する可能性がある。非導電性の低摩擦材料112の使用により、軸受け100の湾曲部108のみがアセンブリ(たとえば、車両のドアヒンジ)から露出され、湾曲部108の最も外側の表面を、専有的に低摩擦材料112よって形成することができるので、このような損傷を和らげることができる。
【0018】
別の実施形態では、低摩擦材料112は、ポリマー、ガラス、セラミック、金属、合金、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例示的なポリマーは、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、低摩擦材料112は、フルオロポリマーを含む。例示的なフルオロポリマーは、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、PTFE、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのターポリマー(THV)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。フルオロポリマーは、特定の実施形態にしたがって使用される。特定の実施形態では、低摩擦材料112は、Saint−Gobain, Inc.によって販売されているRulon(登録商標)またはRulon(登録商標)LRを含むことができる。別の特定の実施形態では、低摩擦材料112は、Saint−Gobain, Inc.によって販売されるEkonol(登録商標)を含むことができる。
【0019】
さらに、軸受け100は、潤滑を含むことができる。潤滑剤の例としては、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、グラフェン、膨張黒鉛、窒化ホウ素、タルク、フッ化カルシウム、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。さらに、潤滑剤は、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、雲母、ワラストナイト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、カーボンブラック、顔料、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0020】
一実施形態では、基材110は、金属、セラミック、またはポリマーを含むことができる。より特定の実施形態では、基材110は、1008鋼のような鋼を含むことができる。特定の例では、基材110は、比較的柔軟な材料(たとえば、250MPa未満、または200MPa未満、または150MPa未満の弾性率を有する)を含むことができる。特定の例では、比較的柔軟な材料から形成された基材110は、湾曲部108の形成を容易にすることができる。
【0021】
一実施形態では、低摩擦材料112は、軸受け100の低摩擦内側表面114を形成するように、基材110の半径方向内側に配置されてもよい。一実施形態では、軸受け100の中心軸118(
図1)に平行な方向から見たとき、低摩擦材料112および基材110の両方が見えるように、低摩擦材料112は、基材110に沿って、軸受け100の第2の軸方向端部106で終端することができる。別の実施形態では、中心軸118に平行な方向に第2の軸方向端部106から見たとき、基材110および低摩擦材料112の一方だけが見えるように、基材110または低摩擦材料112のいずれか一方が、基材110または低摩擦材料112の他方の周りを少なくとも部分的に包み込むことができる。
【0022】
一実施形態では、基材110は、略円筒形側壁102の外側表面116の少なくとも一部に沿って露出してもよい。すなわち、基材110は、側面視で見たときの外側表面116に沿って見ることができる。さらなる実施形態では、基材110は、略円筒形側壁102の外側表面116の全体に沿って露出してもよい。すなわち、外側表面116は、基材110から形成されてもよい。より特定の実施形態では、低摩擦材料112は、外部位置から側面視で見たときに、略円筒形側壁102に沿って見ることができない。別の実施形態では、さらなる層(図示せず)を基材102上に配置して、外側表面116を形成することができる。さらなる層は、たとえば、外側表面116の腐食を減少させるか、または外側表面116の摩擦係数を減少させることができる。
【0023】
略円筒形側壁102は、中心軸118からの半径方向に測定したときの厚さT
SWを有することができる。一実施形態では、T
SWは、少なくとも0.01mm、または少なくとも0.1mm、または少なくとも0.2mm、または少なくとも0.3mm、または少なくとも0.4mm、または少なくとも0.5mm、または少なくとも0.6mm、または少なくとも0.7mm、または少なくとも0.8mm、または少なくとも0.9mm、または少なくとも1.0mm、または少なくとも1.1mm、または少なくとも1.2mm、または少なくとも1.3mm、または少なくとも1.4mm、または少なくとも1.5mmであってもよい。別の実施形態では、T
SWは、10mm以下、または9mm以下、または8mm以下、または7mm以下、または6mm以下、または5mm以下、または4mm以下、または3mm以上、または2mm以下であってもよい。厚さT
SWは、基材の厚さT
Sと、低摩擦材料の厚さT
LFMとを含むことができる。特定の例では、T
SはT
LFMよりも大きくてもよい。たとえば、T
Sは、少なくとも1.01T
LFM、または少なくとも1.02T
LFM、または少なくとも1.03T
LFM、または少なくとも1.04T
LFM、または少なくとも1.05T
LFM、または少なくとも1.1T
LFM、または少なくとも1.2T
LFM、または少なくとも1.3T
LFM、または少なくとも1.4T
LFM、または少なくとも1.5T
LFM、または少なくとも2.0T
LFMであってもよい。より特定の実施形態では、T
Sは、25T
LFM以下、または10T
LFM以下、または5T
LFM以下であり得る。別の特定の例では、T
SはT
LFM未満であってもよい。たとえば、T
LFMは、少なくとも1.01T
S、または少なくとも1.02T
S、または少なくとも1.03T
S、または少なくとも1.04T
S、または少なくとも1.05T
S、または少なくとも1.1T
S、または少なくとも1.2T
S、または少なくとも1.3T
S、または少なくとも1.4T
S、または少なくとも1.5T
S、または少なくとも2.0T
Sであってもよい。より特定の実施形態では、T
LFMは25T
S以下、または10T
S以下、または5T
S以下であってもよい。
【0024】
一実施形態では、中心軸118と平行な方向に測定したときの略円筒形側壁102の軸方向の長さL
SWは、略円筒形側壁102の直径の25%以上、または略円筒形側壁102の直径の50%以上、または略円筒形側壁102の直径の75%以上、または略円筒形側壁102の直径の100%以上、または略円筒形側壁102の直径の125%以上、または略円筒形側壁102の直径の150%以上、または略円筒形側壁102の直径の175%以上、または略円筒形側壁102の直径の200%以上、または略円筒形側壁102の直径の225%以上、または略円筒形側壁102の直径の250%以上、または略円筒形側壁102の直径の275%以上、または略円筒形側壁102の直径の300%以上、または略円筒形側壁102の直径の325%以上であってもよい。別の実施形態では、LSWは、略円筒形側壁102の直径の5000%以下、または略円筒形側壁102の直径の1000%以下、または略円筒形側壁102の直径の500%以下であってもよい。
【0025】
一実施形態では、軸受け100の内側表面114は、略円筒形側壁102の軸方向の長さに沿って測定したとき、均一な内径を有することができる。別の実施形態では、内側表面114は、略円筒形側壁102の軸方向の長さに沿って測定したとき、不均一な直径を有することができる。すなわち、略円筒形側壁102の内径は変化することができる。特定の実施形態では、軸受け100の最も内側の直径は、略円筒形側壁102の第1の軸方向端部104と第2の軸方向端部106との間の位置に配置することができる。
【0026】
内側表面114は、軸受け100を通って延在する内側部品、たとえばシャフトまたはロッドとの接触界面を提供することができる。一実施形態では、内側表面114の有効な使用中の直径が、アセンブリ前の直径と異なるように、略円筒形側壁102は、内側部品を受け入れるとき、弾性的にまたは塑性的に変形してもよい。特定の実施形態では、内側表面114は、アセンブリ前の状態(すなわち、内側部品とのアセンブリ前)の第1の形状と、第1の形状と異なる、使用中の状態(すなわち内側部品とのアセンブリ後)の第2の形状を有することができる。
【0027】
図1を再び参照すると、一実施形態では、軸受け100は、略円筒形側壁102の第1の軸方向端部104と第2の軸方向端部106との間に少なくとも部分的に延在する間隙120をさらに含むことができる。より特定の実施形態では、間隙120は、略円筒形側壁102の軸方向全長に沿って延在することができる。さらにより特定の実施形態では、間隙120は、軸受け100の第1の軸方向端部122と第2の軸方向端部124との間に延在することができる。幾つかの実施形態では、第2の軸方向端部124は、略円筒形側壁100の第2の軸方向端部106に対応することができることに留意されたい。
【0028】
一実施形態では、軸受け100の湾曲部108は、複数のロールまたは複数の略同心の層を含むことができる。たとえば、
図2に示すように、湾曲部108は2層の厚さを含むことができる。すなわち、湾曲部108は、互いに略同軸の2つのロール128およびロール130を含むことができる。一実施形態では、ロール128およびロール130は、湾曲部108の中心焦点132の周りに、または略その周りに延在することができる。さらなる実施形態では、湾曲部108は、少なくとも3つのロール、または少なくとも4つのロール、または少なくとも5つのロール、または少なくとも6つのロールを含むことができる。ロールの数は、材料の選択と厚さによって制限されることがあり得る。一般に、材料がより脆いまたは可撓性が低いほど、湾曲部108に含まれ得るロールの数は少なくなる。同様に、材料の厚さが増加すると、ロールの数は一般に減少する。本明細書に記載の実施形態による軸受け100は、10ロール、または25ロール、またはさらに50ロールを有することができる。
【0029】
幾つかの実施形態では、湾曲部108の最も内側の表面126は、立面視で見たとき略弧状の断面形状を有することができる。特定の実施形態では、最も内側の表面126は、楕円形であってもよく、または楕円形部分を含んでもよい。さらに別の実施形態では、最も内側の表面126は、略円形または卵形であってもよい。
【0030】
一実施形態では、湾曲部108は、軸受け100の周縁の周りに少なくとも部分的に延在するキャビティ134を画定することができる。キャビティ134は、湾曲部108の最も内側の表面126によって画定することができる。別の実施形態では、キャビティ134は、軸受け100の周縁の大部分の周りに延在することができる。さらに別の実施形態では、キャビティ134は、軸受け100の周縁全体にわたって延在することができる。一実施形態では、キャビティ134は、外部部品とのアセンブリ前に見るとき、楕円形の断面形状を有することができる。一実施形態では、キャビティ134は、略トロイダルな空間を画定することができる。さらなる実施形態では、キャビティ134はトロイダルな空間を画定することができる。本明細書で使用される場合、「略トロイダルな空間」とは、最適なトロイダル形状から、任意の所与の場所で5%以下だけ、または任意の所与の場所で4%以下だけ、または任意の所与の場所で3%以下だけ、または任意の所与の場所で2%以下だけ、または任意の所与の場所で1%以下だけずれる空間を指す。
【0031】
一実施形態では、キャビティ134は、基材110によって画定されてもよい。すなわち、キャビティ134は、基材110によって境界を定められてもよい。本明細書で使用される場合、「基材によって境界が定められる」とは、物体の側壁または側面が基材によって形成される状態を指す。さらに別の実施形態では、キャビティ134は低摩擦材料112に略接触していなくてもよい。本明細書で使用される「低摩擦材料に略接触しない」とは、1cm
3未満の接触、または0.5cm
3未満の接触、または0.25cm
3未満の接触、または0.1cm
3未満の接触を指す。一実施形態では、キャビティ134は、低摩擦材料112と接触していなくてもよい。そのような実施形態では、トロイダルな空間は、低摩擦材料112ではなく基材110によって完全に境界付けられてもよい。
【0032】
図3を参照して、軸受け100の湾曲部108は、中心軸118(
図1)から半径方向に測定したとき、略円筒形側壁の厚さT
SWよりも大きい、有効材料厚さT
CPを有することができる。たとえば、一実施形態では、T
CPは、少なくともT
SWの101%、または少なくともT
SWの102%、または少なくともT
SWの103%、または少なくともT
SWの104%、または少なくともT
SWの105%、または少なくともT
SWの110%、または少なくともT
SWの120%、または少なくともT
SWの130%、または少なくともT
SWの140%、または少なくともT
SWの150%、または少なくともT
SWの200%、または少なくともT
SWの300%、または少なくともT
SWの400%、または少なくともT
SWの500%であってもよい。一実施形態では、T
CPはT
SWの5000%以下、またはT
SWの1000%以下であってもよい。本明細書で使用される「有効厚さ」とは、設置前、すなわち、設置中に負荷力によって引き起こされる変形の前に、中心軸118に垂直な方向に測定したときの湾曲部の最大半径方向厚さを指す。有効厚さは、キャビティ134の直径に加えて湾曲部内の材料の厚さを含む。通常、湾曲部108の有効厚さは、キャビティ134の焦点132を通って、またはその近くに延在するが、湾曲部108の有効厚さが、キャビティ134の焦点132を通って延在しないし、その近くに延在もしないことも可能である。
【0033】
一実施形態では、キャビティ134は、アセンブリ前に見られる初期形状と、アセンブルされた形状が初期形状とは異なる、アセンブリ後に見られるアセンブルされた形状とを有することができる。
図4および
図5を参照すると、キャビティ134aの初期形状は略円形であるが(
図4)、一方、キャビティ134bのアセンブルされた形状は、アセンブリ後に見たとき、より多角形であり得る(
図5)。すなわち、初期の最も内側の表面126aは略丸く、一方、アセンブルされた最も内側の表面126bは平坦化された部分または略平坦化された部分を有することができる。最も内側の表面126bは、
図5において誇張されており、実際のアセンブリ中に生じる可能性のある状態以上に大幅に平らにした部分を有する。すなわち、最も内側の表面126bの実際の形状は、図示された形状とは異なってもよいが、概して、あまり弧の形状になっていない場合があり得る。
【0034】
アセンブリ中、軸受け100は、外側部品400内に配置されてもよい(
図4)。一実施形態では、軸方向部品500が湾曲部108と接触するように、内側部品(たとえば、シャフトまたはロッド)502を軸受け100に少なくとも部分的に挿入することができ、軸方向部品500を内側部品502の周りに位置決めすることができる。別の実施形態では、軸方向部品500は、内側部品502を含まずに湾曲部108に対して位置決めすることができる。
【0035】
図5に示すアセンブリのような特定のアセンブリでは、湾曲部108は、軸方向の整列状態で部品間の許容値および位置ずれを吸収することができる。一実施形態では、湾曲部108が、たとえば、部品(たとえば、外側部品400および軸方向部品500)の間の軸方向間隔を維持しつつ、つぶれまたは破砕をすることによって、軸方向の位置ずれを吸収することができる。キャビティ134で、容積および軸方向の高さを減少させる可能性のあるつぶれが生じ得る。
【0036】
一実施形態では、キャビティ134は、アセンブリ前に測定したときの第1の容積と、アセンブリ後に測定したときの第2の容積とを有し、第1および第2の容積は互いに異なる。特定の実施形態では、第1の容積は第2の容積より大きくすることができる。特定の実施形態では、第1の容積は、少なくとも0.1cm
3、または少なくとも0.2cm
3、または少なくとも0.3cm
3、または少なくとも0.4cm
3、または少なくとも0.5cm
3、または少なくとも1cm
3、または少なくとも2cm
3であってもよい。さらなる実施形態では、第1の容積は、1,000cm
3以下、または500cm
3以下、または100cm
3以下、または10cm
3以下であってもよい。
【0037】
特定の実施形態では、キャビティ134は気密であってもよい。このようにして、液体と気体の両方を含む外部流体がキャビティ134内に浸透しないようにすることができる。これは、たとえば、キャビティ134をシーリング剤またはシーリング材料でシーリングすることによって達成することができる。特定の実施形態では、キャビティ134は自己シール性を持ってもよい。すなわち、湾曲部108の形成中にキャビティ134をシールすることができる。一実施形態では、製造中に湾曲部108に作用する力が、キャビティ134を効果的にシールすることができる。
【0038】
一実施形態では、キャビティ134は、キャビティ134の外側の外部圧力P
Eに等しい内部圧力P
Iを有することができる。別の実施形態では、P
IはP
Eよりも大きくてもよい。たとえば、P
Iは、P
Eの1.01倍より大きく、またはP
Eの1.05倍より大きく、またはP
Eの1.1倍より大きくてもよい。さらなる実施形態では、P
IはP
E未満であってもよい。たとえば、P
Iは、PEの0.99倍未満、またはP
Eの0.95倍未満、またはP
Eの0.9倍未満であってもよい。キャビティ134の内部圧力P
Iは、特定の用途のために変更することができる。すなわち、軸方向部品500が湾曲部108に甚大な重量(たとえば10,000N)を与える場合、重い部品と共に使用するために、P
IはP
Eよりも大きくてもよい。
【0039】
一実施形態では、アセンブリ前の軸方向で測定したときの湾曲部108の初期高さは、アセンブリ後の軸方向で測定したときの湾曲部108のアセンブルされた高さより大きくてもよい。たとえば、アセンブルされた高さは、初期高さの99%以下、または初期高さの98%以下、または初期高さの97%以下、または初期高さの96%以下、または初期高さの95%以下、または初期高さの90%以下、または初期高さの75%以下、または初期高さの50%以下であってもよい。別の実施形態では、アセンブルされた高さは、初期高さの10%以上であってもよい。すなわち、湾曲部108は、設置前と設置後とで比較して、90%を超えてつぶれることはない。
【0040】
図6を参照して、一実施形態では、軸受け100は、略円筒形側壁600に成形されたシート材料から形成することができる。材料は、基材および低摩擦材料を含むように積層されてもよい。略円筒形側壁600の成形は、材料の2つの対向する縁部604および606を互いに向って持ってくることにより行うことができる。略円筒形側壁600は、略円筒形側壁600の軸方向の長さに沿って延在する間隙602を含むことができる。間隙602は、湾曲部の形成に先立って溶接されてもよいし、開いたままであってもよい。一実施形態では、間隙602は、湾曲部の形成前に溶接して閉じてもよい。別の実施形態では、間隙602は、湾曲部の形成後に溶接して閉じてもよい。
【0041】
図7を参照して、略円筒形側壁600の形成後、湾曲部は、略円筒形側壁600を、矢印700によって示される方向に、ダイ702などの要素に向って付勢することによって形成することができる。略円筒形側壁600の軸方向端部704aは、最初に、湾曲部704でダイ702と接触し、軸方向端部704aを曲げる(破線704b、704c、および704dで示す)ことができる。略円筒形側壁600は、適切な湾曲部が十分に形成されるまで、ダイ702に向って付勢することができる。さらに、ロールは、たとえば、略円筒形側壁600の追加の長さをダイ702内に丸めることによって形成することができる。
【0042】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。これらの態様および実施形態のいくつかを以下に説明する。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様および実施形態が単なる例示であり、本発明の範囲を限定しないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙されるいずれか1つまたは複数の実施形態に従うことができる。
【0043】
実施形態1
第1の軸方向端部および第2の軸方向端部を有する略円筒形側壁と、
第1の軸方向端部に配置された湾曲部とを含み、
略円筒形側壁が厚さを有し、湾曲部が有効材料厚さを有し、湾曲部の有効材料厚さが、略円筒形側壁の厚さのn倍であり、nは2,3,4、またはさらに5に等しい、滑り軸受け。
【0044】
実施形態2
略円筒形側壁と、
略円筒形側壁の軸方向端部と連続しかつ軸方向端部から延在する湾曲部とを含み、
滑り軸受けが、基材と低摩擦材料とを含み、低摩擦材料が、軸受けの半径方向最も内側の位置、軸方向最上の位置、および半径方向最も外側の位置に配置される、滑り軸受け。
【0045】
実施形態3
略円筒形側壁と、
略円筒形側壁の軸方向端部と連続しかつ軸方向端部から延在する湾曲部とを含み、
軸受けは、低摩擦材料と基材とを含み、
基材は、略円筒形側壁の半径方向外側表面に沿って露出され、
基材は湾曲部に沿って見えない、滑り軸受け。
【0046】
実施形態4
軸方向端部に、少なくとも3つのロール、少なくとも4つのロール、またはさらに少なくとも5つのロールなどの、少なくとも2つのロールを有する、湾曲部を含む滑り軸受け。
【0047】
実施形態5
略円筒形側壁と、
略円筒形側壁の軸方向端部に連続しかつ軸方向端部から延在し、断面で見たとき、略円筒形側壁に平行な少なくとも2つの接線を有する、湾曲部とを含む、滑り軸受け。
【0048】
実施形態6
略円筒形側壁と、
略円筒形側壁の軸方向端部に連続しかつ軸方向端部から延在し、軸受けの中心軸に平行に測定したとき軸方向の高さを有し、2つの部品を軸方向の高さに対応する距離だけ離間させるように適合する、湾曲部とを含む、滑り軸受け。
【0049】
実施形態7
略円筒形側壁と、
略円筒形側壁の軸方向端部に連続しかつ軸方向端部から延在し、2つの軸方向に整列した部品の間の位置ずれを吸収するために、軸方向の負荷時に軸受けの中心軸に平行な方向に変形するように適合する、湾曲部とを含む、滑り軸受け。
【0050】
実施形態8
穴を有する外側部品と、
穴内に配置された内側部品と、
少なくとも部分的に内側部品および外側部品の間に配置される滑り軸受けであって、略円筒形側壁と、略円筒形側壁の軸方向端部に連続しかつ軸方向端部から延在し、軸受けの中心軸に平行に測定したとき軸方向の高さを有する、湾曲部とを含む、滑り軸受けと、
滑り軸受けによって少なくとも部分的に支持され、外側部品から湾曲部の軸方向の高さに対応する距離だけ離れて配置された軸方向部品とを含む、アセンブリ。
【0051】
実施形態9
滑り軸受けが、第1の軸方向端部および第2の軸方向端部を有する略円筒形側壁を含む、前述の実施形態のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0052】
実施形態10
略円筒形側壁が厚みを有し、湾曲部が有効材料厚さを有し、有効材料厚さが略円筒形側壁の厚さよりも大きい、実施形態9の滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0053】
実施形態11
有効厚さは、略円筒形側壁の厚さの少なくとも101%、または略円筒形側壁の厚さの少なくとも150%、または略円筒形側壁の厚さの少なくとも200%、または略円筒形側壁の厚さの少なくとも500%である、実施形態10の滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0054】
実施形態12
略円筒形側壁が基材と、低摩擦材料とを含む、実施形態9〜11のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0055】
実施形態13低摩擦材料が基材の表面に積層される、実施形態12の滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0056】
実施形態14
低摩擦材料が基材の半径方向内側表面に積層される、実施形態12および13のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0057】
実施形態15
基材は金属を含み、基材は鋼を含み、基材は1008鋼を含む、実施形態12〜14のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0058】
実施形態16
低摩擦材料は、乾いた鋼表面に対して測定したときの静摩擦係数が、0.9未満、または0.85未満、または0.8未満、または0.75未満、または0.7未満、または0.65未満、または0.6未満、または0.55未満、または0.5未満、または0.45未満、または0.4未満、または0.35未満、または0.3未満、または0.25未満、または0.2未満である、実施形態12〜15のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0059】
実施形態17
低摩擦材料がポリマーを含み、低摩擦材料がPTFEを含み、低摩擦材料がガラス含有材料を含み、低摩擦材料が非導電性材料を含み、低摩擦材料がEkonolを含み、低摩擦材料がRulon(登録商標)を含み、低摩擦材料がRulon(登録商標)LRを含む、実施形態12〜16のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0060】
実施形態18
略円筒形側壁の低摩擦材料は、側面視で見たとき、外部位置から見ることができない、実施形態12〜17のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0061】
実施形態19
基材は、側面視で見たとき、外部位置から見ることができる、実施形態12〜18のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0062】
実施形態20
略円筒形側壁は、半径方向に測定したとき、少なくとも0.1mmの厚さ、または少なくとも0.2mmの厚さ、または少なくとも0.3mmの厚さ、または少なくとも0.4mmの厚さ、または少なくとも0.5mmの厚さ、
または少なくとも0.6mmの厚さ、または少なくとも0.7mmの厚さ、または少なくとも0.8mmの厚さ、または少なくとも0.9mmの厚さ、または少なくとも1.0mmの厚さ、または少なくとも1.5mmの厚さを有する、実施形態9〜19のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0063】
実施形態21
略円筒形側壁は、半径方向に測定したとき、10mm以下の厚さ、または5mm以下の厚さ、または4mm以下の厚さ、または3mm以下の厚さ、または2mm以下の厚さを有する、実施形態9〜20のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0064】
実施形態22
略円筒形側壁の第1の軸方向端部と第2の軸方向端部は、略円筒形側壁の軸方向の長さだけ離間され、略円筒形側壁の軸方向の長さは、略円筒形側壁の直径の25%以上、または略円筒形側壁の直径の50%以上、または略円筒形側壁の直径の75%以上、または略円筒形側壁の直径の100%以上、または略円筒形側壁の直径の150%以上、または略円筒形側壁の直径の200%以上、または略円筒形側壁の直径の500%以上である、実施形態9〜21のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0065】
実施形態23
略円筒形側壁が湾曲部と連続している、実施形態9〜22のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0066】
実施形態24
湾曲部が略円筒形側壁の第1の軸方向端部と連続している、実施形態9〜23のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0067】
実施形態25
軸受けの最も内側の直径は、略円筒形側壁の第1の軸方向端部と第2の軸方向端部との間の位置に配置される、実施形態9〜24のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0068】
実施形態26
略円筒形側壁の内径は、略円筒形側壁の軸方向の長さに沿って測定したとき均一である、実施形態9〜25のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0069】
実施形態27
略円筒形側壁の内径は、略円筒形側壁の軸方向の長さに沿って測定したとき変化する、実施形態9〜25のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0070】
実施形態28
略円筒形側壁の第2の軸方向端部は、軸受けの第2の軸方向端部と一致している、実施形態9〜27のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0071】
実施形態29
略円筒形側壁は、第1の軸方向端部と第2の軸方向端部との間に少なくとも部分的に延在する間隙を含む、実施形態9〜28のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0072】
実施形態30
間隙が第1の軸方向端部から第2の軸方向端部まで全体に延在する、実施形態29の滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0073】
実施形態31
略円筒形側壁が円筒状である、実施形態9〜30のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0074】
実施形態32
湾曲部が略円筒状の軸受けの第1の軸方向端部に配置されている、前述の実施形態のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0075】
実施形態33
湾曲部の一部が軸受けの第1の軸方向端部と一致している、実施形態32の滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0076】
実施形態34
湾曲部は、軸受けの中心軸に平行な方向に測定したとき、軸方向の高さを有し、湾曲部の軸方向の高さは、略円筒形側壁の軸方向の長さよりも小さい、実施形態32および33のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0077】
実施形態35
湾曲部は、略円筒形側壁の軸方向の長さの100%以下の軸方向の長さ、または略円筒形側壁の軸方向の長さの90%以下の軸方向の長さ、または略円筒形側壁の軸方向の長さの80%以下の軸方向の長さ、または略円筒形側壁の軸方向の長さの70%以下の軸方向の長さ、または略円筒形側壁の軸方向の長さの60%以下の軸方向の長さ、または略円筒形側壁の軸方向の長さの50%以下の軸方向の長さ、または略円筒形側壁の軸方向の長さの40%以下の軸方向の長さ、または略円筒形側壁の軸方向の長さの30%以下の軸方向の長さ、または略円筒形側壁の軸方向の長さの20%以下の軸方向の長さ、または略円筒形側壁の軸方向の長さの10%以下の軸方向の長さを有する、実施形態32〜34のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0078】
実施形態36
断面立面図で見たとき、湾曲部が略弧状の最も内側の表面を有する、実施形態32〜35のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0079】
実施形態37
湾曲部が複数のロールを有し、複数のロールの少なくとも2つは、互いに略同軸である、実施形態32〜36のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0080】
実施形態38
湾曲部が、少なくとも2つのロール、または少なくとも3つのロール、または少なくとも4つのロール、または少なくとも5つのロールを有する、実施形態32〜37のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0081】
実施形態39
断面で見たとき、湾曲部が略円筒形側壁に平行な少なくとも2つの接線を有する、実施形態32〜38のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0082】
実施形態40
湾曲部が基材と低摩擦材料とを含み、基材および低摩擦材料がお互い積層する、実施形態32〜39のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0083】
実施形態41
低摩擦材料は、湾曲部の軸方向最上の位置および半径方向最も外側の位置に配置される、実施形態40の滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0084】
実施形態42
湾曲部の低摩擦材料が略円筒形側壁の低摩擦材料と連続している、実施形態40および41のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0085】
実施形態43
湾曲部の基材が略円筒形側壁の基材と連続している、実施形態40〜42のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0086】
実施形態44
湾曲部が軸受けの周縁の周りに少なくとも部分的に延在するキャビティを画定し、湾曲部が軸受けの周縁の大部分の周りに延在するキャビティを画定し、湾曲部が軸受けの周縁の周り全体に延在するキャビティを画定する、実施形態32〜43のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0087】
実施形態45
アセンブリ前に見たとき、キャビティが楕円形の断面形状を有する、実施形態44の滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0088】
実施形態46
キャビティが、設置前に初期形状、およびアセンブリ後にアセンブルされた形状を有し、アセンブルされた形状が初期形状とは異なる、実施形態44および45のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0089】
実施形態47
キャビティがアセンブリ前の第1の容積およびアセンブリ後の第2の容積を画定し、第1の容積が第2の容積とは異なる、実施形態44〜46のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0090】
実施形態48
第1の容積が第2の容積よりも大きい、実施形態47の滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0091】
実施形態49
キャビティが気密である、実施形態44〜48のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0092】
実施形態50
キャビティが基材によって画定され、キャビティが基材によって直接に境界付けられ、キャビティが低摩擦材料に接触しない、実施形態44〜49のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0093】
実施形態51
キャビティが略トロイダルな空間を画定し、キャビティがトロイダルな空間を画定する、実施形態44〜50のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0094】
実施形態52
キャビティがキャビティの外側の外部圧力に等しい内部圧力を有し、キャビティがキャビティの外側の外部圧力よりも大きな内部圧力を有し、キャビティがキャビティの外側の外部圧力よりも小さい内部圧力を有する、実施形態44〜51のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0095】
実施形態53
キャビティはシールされ、キャビティは自己シール性である、実施形態44〜52のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0096】
実施形態54
キャビティは、アセンブリ前の軸方向で測定したときの初期高さ、およびアセンブリ後の軸方向で測定したときのアセンブルされた高さを有し、アセンブルされた高さが初期高さよりも低く、アセンブルされた高さが、初期高さの99%以下、または初期高さの98%以下、または初期高さの97%以下、または初期高さの96%以下、または初期高さの95%以下、または初期高さの90%以下、または初期高さの75%以下、または初期高さの50%以下である、実施形態44〜53のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0097】
実施形態55
キャビティは、設置前に計測したとき、少なくとも0.1cm
3の内部容積、または少なくとも0.2cm
3の内部容積、または少なくとも0.3cm
3の内部容積、または少なくとも0.4cm
3の内部容積、または少なくとも0.5cm
3の内部容積、または少なくとも1cm
3の内部容積、または少なくとも2cm
3の内部容積を有する、実施形態44〜54のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0098】
実施形態56
湾曲部がアセンブリの許容値を吸収するように、アセンブリ中に変形するように適合される、実施形態32〜55のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0099】
実施形態57
軸受けが内側部品と外側部品との間に配置されるように適合される、前述の実施形態のいずれか1つの滑り軸受けまたはアセンブリ。
【0100】
実施形態58
内側部品および外側部品がヒンジの一部であり、ヒンジがドアヒンジの一部であり、ドアヒンジが車両のドアヒンジの一部である、実施形態57の滑り軸受け。
【0101】
実施形態59
実施形態1〜7および9〜58のいずれか1つの滑り軸受けを含むヒンジ。
【0102】
実施形態60
実施形態1〜7および9〜58のいずれか1つの滑り軸受けを含むドアヒンジ。
【0103】
実施形態61
実施形態1〜7および9〜58のいずれか1つの滑り軸受けを含む車両ドアヒンジ。
【0104】
実施形態62
実施形態1〜7および9〜58のいずれか1つの滑り軸受けを含むスラスト軸受け。
【0105】
実施形態63
シート材料を提供することと、
シート材料を略円筒形側壁に成形することと、
湾曲部を形成するために略円筒形側壁の軸方向端部を湾曲させることとを含む、滑り軸受けを形成する方法。
【0106】
実施形態64
軸方向端部を湾曲させることが、略円筒形側壁の中心軸に平行な方向に略円筒形側壁を付勢することによって実行される、実施形態63の方法。
【0107】
実施形態65
軸方向端部を湾曲させることが、略円筒形側壁をダイに向って付勢することによって実行される、実施形態63および64のいずれか1つの方法。
【0108】
実施形態66
ダイが曲率半径を有する機構を含み、略円筒形側壁が機構に向って付勢される、実施形態65の方法。
【0109】
実施形態67
シート材料を成形することが、シート材料の2つの対向する縁を互いに向って持ってくることによって実行される、実施形態63〜66のいずれか1つの方法。
【0110】
実施形態68
シート材料を成形することが、ダイを使って実行される、実施形態63〜67のいずれか1つの方法。
【0111】
実施形態69
軸方向端部を湾曲させることが、シート材料を略円筒形側壁に成形した後に実行される、実施形態63〜68のいずれか1つの方法。
【0112】
実施形態70
シート材料を形成するために、基材と低摩擦材料とを一緒に積層することをさらに含む、実施形態63〜69のいずれか1つの方法。
【0113】
実施形態71
基材と低摩擦材料を積層することが、シート材料を提供する前に実行される、実施形態70の方法。
【0114】
実施形態72
シート材料を略円筒形側壁に成形することが、間隙によって離間した2つの軸方向に延在する周縁辺を形成するように実行される、実施形態63〜70のいずれか1つの方法。
【0115】
実施形態73
周縁辺同士を溶接することをさらに含む、実施形態72の方法。
【0116】
実施形態74
溶接することが軸方向端部を湾曲させた後に実行される、実施形態73の方法。
【0117】
実施形態75
溶接することが軸方向端部を湾曲させた後に実行される、実施形態73の方法。
【0118】
実施形態76
内側部品と、穴を有する外側部品と、略円筒形側壁および略円筒形側壁と連続しかつ略円筒形側壁から延在する湾曲部を有する滑り軸受けとを提供することと、
サブアセンブリを形成するために、滑り軸受けを外側部品の穴に挿入すること、または内側部品を滑り軸受け内に設置することと、
アセンブリを作るために、サブアセンブリを内側部品および外側部品の他方とともに設置することであって、滑り軸受けの湾曲部が穴を越えて延在し、湾曲部の露出部分が低摩擦材料を含むように、設置することと、
湾曲部の軸方向の高さに対応する軸方向の高さだけ外側部品から、離間している軸方向部品をアセンブリとともに設置することとを含む、滑り軸受けを用いる方法。
【0119】
前述の特徴のすべてが必要だとは限らなく、特定の特徴の一部は必要ではないかもしれない、また、1つまたは複数の特徴が前述されたものに加えて提供されてもよいことに注意されたい。なおさらに、特徴が説明されている順序は必ずしも特徴が備え付けられる順序ではない。
【0120】
別々の実施形態の状況において、明確にするために本明細書に記載されている特定の複数の特徴は、1つの実施形態の中で組み合わせても提供できる。逆に、簡潔にするため1つの実施形態の状況において説明した種々の特徴も、別々に提供したり、任意の副次的な組み合わせで提供したりすることができる。
【0121】
利点、他の長所、および問題に対する解決法を、特定の態様に関して本明細書において前述のとおり説明してきた。しかし、これらの利益、利点、問題の解決法、ならびに、何らかの利益、利点、または解決法を発生させたり、より顕著にしたりすることがある、あらゆる特徴が、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての重要な、必要な、または本質的な特徴として解釈されるものではない。
【0122】
本明細書および本明細書に記載の実施形態の説明は、種々の実施形態の構造の一般的な理解を与えることを意図している。本明細書および説明は、本明細書に記載の構造物または方法に使用する装置および系の構成要素および特徴をすべて網羅的および包括的に記載する役割を果たすことを意図するものではない。単一の実施形態に別の実施形態を組み合わせて行ってもよいし、逆に、簡略のため単一の実施形態の文脈に記載した様々な特徴を、別々に行ってもあるいは任意の副次的な組み合わせで行ってもよい。さらに、数値を範囲で記載する場合は、その範囲内のありとあらゆる数値が含まれる。本明細書を読んで初めて、多くの他の実施形態が当業者に明らかになるかもしれない。本開示の範囲から逸脱しない範囲で構造の置換、論理の置き換えまたは任意の変更を行なえるように、他の実施形態を使用してもよく、本開示から他の実施形態を得てもよい。したがって、本開示は、限定的なものではなく例示的なものと見なすべきである。