【実施例】
【0015】
実施例に係る立ち上がり補助装着具につき、
図1から
図7を参照して説明する。以下、
図4の紙面左側を立ち上がり補助装着具の正面側(前方側)とし、立ち上がり補助装着具を正面から見た左右方向を左右側として説明する。
【0016】
立ち上がり補助装着具10は、膝関節の疾患や人工関節置換術によって膝や足の筋力が著しく低下した人等の運動、特に椅子からの起立、階段登り、歩行時等に生じる立ち上がり動作を補助するものである。
【0017】
本実施例における立ち上がり補助装着具10(以下、単に補助装着具10ともいう)は、
図1に示されるように、使用者の脚の内腿側と外腿側とに配置される一対の立ち上がり補助具1,1と、使用者の上腿部、膝部、下腿部に立ち上がり補助具1,1を固定する固定具2,3,4と、により構成されている。
【0018】
固定具2,3,4は、端部に図示しない孔部とピン等の位置決め機構を備えた長さ調整可能なベルトである。これにより、使用者の体型に合わせて補助装着具10を装着することができるようになっている。尚、固定具2,3,4は、長さ調整可能であればよく、例えば、面ファスナー等を端部に有するベルト等であってもよい。上腿部に固定される固定具2は、金属製のリング2aが使用者の内腿側と外腿側とにそれぞれ配設されている。また、下腿部に固定される固定具4は、上方側に開口するポケット4aが使用者の内腿側と外腿側とにそれぞれ配設されている。
【0019】
次に、
図2及び
図3に基づいて立ち上がり補助具1の構造について説明する。尚、使用者の脚の内腿側と外腿側に配設される立ち上がり補助具1,1は略同一構成であるため、ここでは、使用者の左脚の外腿側に配設される立ち上がり補助具1を例に挙げて説明し、他方の立ち上がり補助具1の説明を省略する。
【0020】
図2及び
図3に示されるように、立ち上がり補助具1は、膝部に取付けられるカム状部材11(取付部材)と、カム状部材11に一端側(下端側)が片持ち固定されるバネ機構12と、カム状部材11に一端側(上端側)が固定される固定プレート13と、を主に備えている。
【0021】
カム状部材11は、一対のプレート11a,11bから構成されており、膝部に装着される固定具3に固定されている。プレート11aは、上端側が右方向から見て前端側から後端側に向けて高くなるよう楕円の一部をなす曲面状に形成されており、下端側が略矩形状に形成された平板状であり、複数の貫通孔11c(本実施例では4箇所)が設けられている。プレート11bには、プレート11aと略同一形状の板状部11mと、該板状部11mの前側の端縁からプレート11a側に突出し上下方向に延びる直線状の突出部11dと、突出部11dから後方向に離間して突出部11dと略同一高さで突出し板状部11mと相似形状のスペーサ部11eと、が形成されている。
【0022】
スペーサ部11eは、プレート11bの下端縁から突出部11dと略平行に直線状に延びる前面部11nと、右方向から見て該前面部11nの上端から板状部11mの後端縁に向けて高くなるよう曲面状に湾曲して延びたカム形状を成す曲面部11f(バネ支持部)と、曲面部11fの後端から板状部11mの後端縁に沿って延びる後面部11pと、を備えている。前面部11nの上端は、突出部11dの上端よりも低い位置に配設されており、曲面部11fは、プレート11bの上端より低い位置に配設されている。すなわち、プレート11a,11bを接続した状態における該プレート11a,11bの上端部は、曲面部11fの側方から立設する一対の壁部11g,11hとなっている。
【0023】
また、スペーサ部11eには、貫通孔11cに対応するネジ孔11jが複数(本実施例では4箇所)設けられており、貫通孔11cとネジ孔11jとには、プレート11a,11bを連結するネジN3が螺合されるようになっている。
【0024】
また、プレート11bには、前側及び左側に開口するように前後方向に延びる切欠部11kが形成されており、切欠部11kには、後述する前後方向に延びる略矩形状の固定用キー部材14が挿入されるようになっている。切欠部11kは、板状部11mの前端からスペーサ部11eの前面部11nを越えるまで前後方向に延びており、切欠部11kの後端に該当するスペーサ部11eには、左右方向に延びるネジ孔11qが形成されている。また、この固定用キー部材14の後端側には、左右方向に貫通する貫通孔11rが設けられており、貫通孔11rは、固定用キー部材14を切欠部11kに挿入した際にネジ孔11qに対応して連続するようになっている。このネジ孔11q及び貫通孔11rには、固定用ネジN1が螺合されるようになっている。
【0025】
バネ機構12は、複数のバネ部材12aと、複数のバネ部材12aの他端側(上端側)を収容する筒状の鞘部材12bと、を備えている。バネ部材12aは、金属製の板バネ材であり、上下方向に延設されている。また、各バネ部材12aの一端側(下端側)には、前側及び左側に開口するように前後方向に延びる切欠部12cが形成されており、該バネ部材12aの下端側が突出部11dとスペーサ部11eとの間の隙間に挿入される。
【0026】
バネ部材12aの下端側を突出部11dとスペーサ部11eとの間の隙間に挿入するとともに、バネ部材12aの切欠部12cとプレート11bの切欠部11kとを位置合わせした状態で、切欠部12c及び切欠部11kに固定用キー部材14を挿入し、ネジ孔11q及び貫通孔11rに固定用ネジN1を螺合させることにより、バネ部材12aが固定用キー部材14に干渉され上下方向に離脱不能となる。言い換えれば、バネ機構12がカム状部材11に片持ち固定される。これによれば、固定用ネジN1を緩め、固定用キー部材14を取外せば、バネ部材12aをカム状部材11から取外すことができるため、バネ機構12を構成するバネ部材12aの数量を適宜変更することができる。
【0027】
鞘部材12bは、内径がバネ部材12aの幅寸法よりも若干大きく形成されており、複数のバネ部材12aの他端側(上端側)に外嵌されており、鞘部材12bの内周面に沿ってバネ部材12aをガイドする。つまり、各バネ部材12aは、互いにスライド移動可能に鞘部材12b内に収容されるようになっている。尚、バネ機構12の他端側(鞘部材12b側)は、リング2aに挿入されている。
【0028】
固定プレート13は、上下方向に延びる金属製の板材であり、その一端側(上端側)がプレート11aの側面下部に複数のネジN2により固定されている。固定プレート13の他端側(下端側)は、固定具4のポケット4aに挿入されるようになっている(
図1参照)。つまり、固定具4のポケット4aに挿入されることにより、カム状部材11の移動が規制されている。
【0029】
次に、
図4〜
図6に基づいて起立姿勢と着座姿勢との間の範囲における立ち上がり補助具1の作用について説明する。
【0030】
図4に示されるように、上腿部と下腿部とが略垂直に延びた起立姿勢にあっては、バネ機構12が略鉛直方向に延びるように立設されている。このとき、バネ機構12の上端部(鞘部材12b)は、リング2aの前辺部2bに対して接触点Aで接触しており、バネ機構12の下端部は、曲面部11fに対して支持支点B(スペーサ部11eにおける前面部11nと曲面部11fとの接合点)で支持されており、接触点A及び支持支点B間の距離は寸法L1となっている。尚、バネ機構12の上端部は、リング2aの前辺部2bに接触しているが、バネ機構12を変形させる力がほとんど働いていない状態となっている。
【0031】
図5に示されるように、起立姿勢と着座姿勢との中間姿勢にあっては、上腿部と下腿部との屈曲に伴いリング2aの前辺部2bがバネ機構12の上端部を後方側に押圧するため、バネ機構12の下端部が曲面部11fに沿って湾曲し、バネ機構12の上端部側が後方側に傾倒する。
【0032】
このとき、バネ機構12の下端部は、曲面部11fに対して支持支点Dで支持されている。支持支点Dは、支持支点Bよりもバネ機構12の上端部側に位置しているため、接触点A及び支持支点D間の距離は寸法L1よりも短い寸法L2となっている(L1>L2)。尚、バネ機構12は、カム状部材11に固定されているため、バネ機構12における支持支点Dよりも下端部側は、前面部11n及び曲面部11fに沿って接触している。
【0033】
図6に示されるように、上腿部と下腿部とが略90度屈曲した着座姿勢にあっては、上腿部と下腿部との屈曲に伴いリング2aの前辺部2bがバネ機構12の上端部をさらに後方側に押圧するため、バネ機構12の下端部が曲面部11fに沿ってさらに湾曲し、バネ機構12の上端部側がさらに後方側に傾倒する。
【0034】
このとき、バネ機構12の下端部は、曲面部11fに対して支持支点Fで支持されている。支持支点Fは、支持支点Dよりもバネ機構12の上端部側に位置しているため、接触点A及び支持支点F間の距離は寸法L2よりも短い寸法L3となっている(L2>L3)。尚、バネ機構12は、カム状部材11に固定されているため、バネ機構12における支持支点Fよりも下端部側は、前面部11n及び曲面部11fに接触している。
【0035】
このように、カム状部材11には、バネ機構12の湾曲に伴って異なる支持支点B,D,Fで該バネ機構12を支持するバネ支持部としての曲面部11fが設けられているため、膝部を曲げる度合い(上腿部と下腿部との屈曲角)に応じて、バネ機構12の上端部側の距離(寸法L1>L2>L3)が変化するようになり、膝部を曲げる度合いや使用者の運動能力に応じてバネ機構12による反発力を大きくすることができる。
【0036】
具体的には、
図7によれば、起立姿勢から着座姿勢の間の運動範囲における膝部に働くモーメントは、上腿部と下腿部とで成す屈曲角の増加または減少に伴って変化し、特に、着座動作の後半及び起立動作の前半(着座姿勢近傍の範囲)に膝部に働くモーメントが最も大きくなっていることがわかる。尚、
図7は、健常人男性を被験者として、補助装着具10を装着していない状態における上腿部と下腿部とで成す屈曲角と膝部に働くモーメントとの関係の一例を示している。さらに尚、起立姿勢時(上腿部及び下腿部が略垂直を向くとき)を上腿部と下腿部とで成す屈曲角の基準としている。
【0037】
本実施例の立ち上がり補助具1にあっては、膝部に働くモーメントが小さい起立姿勢において、接触点A及び支持支点B間の距離が寸法L1(
図4参照)となる。これによれば、作用点となる接触点Aとバネ機構12の回動中心となる支持支点Bとを結ぶモーメントアームを大きく確保できるので、バネ機構12が湾曲しやすくなり、着座動作がしやすい。
【0038】
また、前述のように、起立姿勢にあっては、バネ機構12の上端部がリング2aの前辺部2bに接触しているが、バネ機構12を変形させる力がほとんど働いていない状態となっているため、バネ機構12の反発力により起立姿勢時にバランスを崩す等の危険を回避することができる。
【0039】
また、起立姿勢から着座姿勢に向かうにつれて、接触点A及び支持支点D間の距離が寸法L2(
図5参照)、接触点A及び支持支点F間の距離が寸法L3(
図6参照)となる。これによれば、上腿部と下腿部とで成す屈曲角の増加に応じて作用点(接触点A)と回動中心(支持支点D,支持支点F)とを結ぶモーメントアームが漸次短くなってバネ機構12が湾曲し難くなり、バネ定数は非線形的に漸増するので、バネ機構12による反発力は膝部を曲げる屈曲角が大きくなるにつれて急激に大きくなる。これによれば、膝部に働くモーメントが最も大きくなる着座姿勢から起立姿勢に移行するときにバネ機構12の反発力が最も大きく働くようにできるため、該バネ機構12の反発力によりその起立動作を効率的に補助できる。
【0040】
また、バネ機構12の反発力により立ち上がり動作を補助する構造であるため、モータなどの動力源を必要とせず、製造コストを抑えることができるばかりか、コンパクト化及び軽量化を実現することができる。
【0041】
また、バネ機構12は、曲面部11fに沿って湾曲して支持されるため、膝部を曲げる度合いに応じてバネ機構12による反発力を円滑に変化させることができる。
【0042】
また、バネ機構12の上端部は、固定具2のリング2aに挿入されているため、膝部を曲げる度合いに応じて、リング2aの前辺部2bとの接触点Aが若干スライドするようになっている。これによれば、バネ機構12を構成する複数のバネ部材12aに座屈が生じにくく、バネ機構12による反発力を円滑に変化させることができる。また、バネ機構12が曲面部11fから離間する方向に弾性変形することを防止できる。尚、実際には、膝部を曲げる度合いに応じて、バネ機構12の上端部とリング2aの前辺部2bとの接触点Aは、バネ機構12の長手方向に若干スライドするが、支持支点B,D,Fの移動量に比べて小さいため、本実施例では、接触点Aがバネ機構12の長手方向に不動となるように図示している。
【0043】
また、バネ機構12は、板状を成す複数のバネ部材12aから構成され、該バネ部材12aは、カム状部材11に対し着脱可能に取付けられている。具体的には、複数のバネ部材12aは、固定用キー部材14と固定用ネジN1とによりカム状部材11に固定されているため、固定用ネジN1を緩め、固定用キー部材14を取外せば、バネ部材12aを取外すことができる。すなわち、バネ機構12を構成するバネ部材12aの数量を適宜変更することができるので、使用者の運動能力や体型などに合わせてバネ機構12の反発力を調整することができる。
【0044】
また、各バネ部材12aの上端部は、鞘部材12b内に収容されている。これによれば、各バネ部材12aを束ねることができるため、ユニット化されたバネ機構12として取り扱いがしやすい。
【0045】
さらに、各バネ部材12aが鞘部材12b内に収容された状態にあっては、各バネ部材12aは、互いにスライド可能となっている。これによれば、バネ機構12を湾曲させたときに、各バネ部材12aが互いに長手方向にスライドして各バネ部材12aの曲率(前側のバネ部材12aと後側のバネ部材12aとの曲率)を揃えることができるため、バネ機構12の反発力を円滑に変化させることができる。
【0046】
また、カム状部材11は、曲面部11fの側縁から立設する一対の壁部11g,11hを有しており、バネ機構12の下端部側は、一対の壁部11g,11h間に固定されているため、一対の壁部11g,11hによりバネ機構12がガイドされながら湾曲するようになっている。すなわち、バネ機構12に対して左右方向に力が働いたとしても、一対の壁部11g,11hにガイドされるため、バネ機構12が曲面部11fの側方にはみ出すことがなく、バネ機構12が曲面部11fにより確実に支持されるとともに、バネ機構12が使用者の動作を阻害したり、周囲のものに干渉したりする虞を回避できる。
【0047】
また、補助装着具10は、使用者の脚の内腿側と外腿側とに一対の立ち上がり補助具1,1が配置されるので、起立動作をバランスよく補助することができる。
【0048】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0049】
例えば、前記実施例では、カム状部材11が固定具3,4及び固定プレート13により下腿部に固定される形態を例示したが、これに限られず、カム状部材11は上腿部に固定されていてもよい。尚、固定プレート13は必ずしも設けられていなくてもよい。
【0050】
また、前記実施例では、固定プレート13は、固定具4のポケット4aに回動不能に挿入されていることで、カム状部材11の移動が規制されている形態を例示したが、固定具4のポケット4aに若干の移動が許容されて挿入されていてもよい。これによれば、起立姿勢から着座動作を行う際に、上腿部とともにカム状部材11が固定具3との連結部分の撓みや弾性により若干移動または回動可能となるため、着座動作の初期にバネ機構12の反発力が発生しないようにでき、スムーズに着座動作を行うことができる。尚、カム状部材11が固定具3との連結部分の撓みや弾性により回動しないように、固定具3に剛性を持たせ、固定具3とカム状部材11とがリジッドに固定されていてもよい。
【0051】
尚、固定プレート13は、固定具4のポケット4aに挿入されることに限られず、所定の固定手段により固定具4に対し固定されていてもよい。
【0052】
また、前記実施例では、バネ機構12を構成するバネ部材12aが板バネ材である形態を例示したが、バネ部材は線状であってもよい。また、バネ機構12は、複数のバネ部材12aにより構成されることに限られず、1つのバネ部材12aにより構成されていてもよい。尚、バネ部材の厚みまたは太さ、材質などは適宜変更できる。
【0053】
また、バネ支持部は曲面部11fに限られず、バネ機構12の支持支点を該バネ機構12の湾曲に伴って長手方向の複数点で変更できるものであればよく、例えば、バネ支持部は凹凸形状等に形成されていてもよい。尚、使用者の運動能力などに合わせて特殊な形状としてもよく、この場合、使用者に合わせた反発力のカスタマイズが可能となる。
【0054】
また、前記実施例では、曲面部11fの側縁から立設する一対の壁部11g,11hによりバネ機構12がガイドされることで、曲面部11fに確実に支持されるようになっている形態を例示したが、バネ機構12がバネ支持部に支持されるように案内されるようになっていれば自由に変更してもよい。例えば、バネ機構12の側縁から立設する一対の壁部を設け、曲面部11fに断面視コ字形状のバネ機構12が嵌合することで、該バネ機構12が曲面部11fに支持されるようにガイドされるようになっていてもよい。
【0055】
また、前記実施例では、バネ機構12の上端部を湾曲させる手段として、リング2aを用いる形態を例示したが、これに限られず、膝部の屈曲動作に合わせてバネ機構12を湾曲させることができるものであれば適宜変更できる。尚、バネ機構12を湾曲させる手段は、バネ機構12に座屈応力が生じにくくするために、接触点または接触面がバネ機構12の長手方向にスライド可能となっていることが好ましい。
【0056】
また、バネ機構12は、固定用キー部材14及び固定用ネジN1によりカム状部材11に片持ち固定されるようになっていたが、別段のアタッチメントなどによりバネ機構12がカム状部材11に着脱可能に片持ち固定されるようになっていてもよいし、バネ機構12がカム状部材11に溶接などにより着脱不能に片持ち固定されるようになっていてもよい。
【0057】
また、
図8に示されるように、突出部11dに前後方向(突出部11dの板厚方向)にネジ孔100aを設け、ネジ孔100aに固定用ネジN1’を螺合し、固定用ネジN1’を締め付けることにより、固定用ネジN1’とスペーサ部11eの前面部11nとの間でバネ機構12が狭持されるようになっていてもよい。この場合、前記実施例における切欠部12c、切欠部11k、固定用キー部材14の構成を省略することができる。
【0058】
また、カム状部材11を構成する突出部11d及びスペーサ部11eは、板状部11mに対して別体で設けられていてもよい。
【0059】
また、固定プレート13は一部材で形成される例について説明したが、複数の部材例えば前後に離間する2枚の板により構成されていてもよい。