【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1のIP放送システムの構成を示した図である。
図1のように、実施例1のIP放送システムは、FTTH網によりIP放送サービスとIP通信サービスの双方を加入者に提供するシステムであり、IP放送網とIP通信網とが独立して設けられている。ここで、IP放送網とIP通信網が独立しているとは、光ファイバーの心線を別々とするなどして物理的に独立している場合だけでなく、同一心線であっても波長多重などによってIP放送側の光信号とIP通信側の光信号とが互いに干渉することなく送受信が可能な場合も含む。
【0016】
IP放送網は、IP放送装置10と、光増幅器12と、スプリッタ13と、IP放送光端末14と、IP−STB(セットトップボックス)15と、によって構成されている。また、IP通信網は、IP通信装置20と、多重化装置26と、OLT(事業者側光回線終端装置)21と、スプリッタ22と、ONU(加入者側光回線終端装置)23と、HGW(ホームゲートウェイ)24と、によって構成されている。IP放送装置10、多重化装置26、光増幅器12、IP通信装置20、OLT21についてはセンター側に配置され、IP放送光端末14、IP−STB15、ONU23、HGW24については各加入者宅に配置されている。以下、各構成について説明する。
【0017】
(IP放送側の構成)
IP放送装置10は、各加入者のIP放送光端末14へIP放送信号を一方向にブロードキャスト送信する装置である。マルチキャストあるいはユニキャスト送信であってもよい。IP放送信号は、地上波デジタル放送信号、BS・CSデジタル放送信号、多チャンネル放送信号、自主放送信号などのデジタル放送信号をIP方式の信号(電気信号)に変換したものである。IP放送信号には、番組情報信号を随時挿入してもよい。ここで番組情報信号とは、加入者がIP放送の多数のチャンネルの中から所定のチャンネルを選択した際に、IP−STB15を介してIP放送光端末14にその所定のチャンネルをリクエストするための情報をいう。また、チャンネルは、コンテンツ、番組などのあらゆるストリーム信号を意味する。
【0018】
また、IP放送装置10では、IP放送信号は電気信号から光信号に変換して送信している。なお、以下では信号が光信号であるか電気信号であるかを区別するために、かっこ書きでその旨を書き添えることとする。光信号の波長は、たとえば1550nm帯である。また、IP放送装置10は光ファイバーを介して光増幅器12に接続されている。なお、実施例1のIP放送システムでは、大容量の放送サービスを実現できるため、4K・8K放送などの大容量な放送も容易に実現することができる。
【0019】
光増幅器12は、光信号の入力側がIP放送装置10に接続されており、光信号の出力側が光ファイバーを介してスプリッタ13に接続されている。光増幅器12は、入力されたIP放送信号(光信号)を増幅して出力する装置である。たとえばEDFA(エルビウムドープファイバーアンプ)を用いる。その増幅されたIP放送信号(光信号)は、スプリッタ13によって複数に分岐(分配)される。ここで、分岐とは、入力された光信号が複数に分けられることを意味し、それら分けられた各光信号の出力レベルが同一でない場合も含む。一方、分配とは、入力された光信号が複数に分けられ、それら分けられた各光信号の出力レベルが同一であることを意味する。本明細書では、分岐との表現は分配も含むものとする。
【0020】
ここで、実施例1ではIP放送側をIP通信側から独立させているため、IP放送側はIP通信側の規格に縛られない。そのため、スプリッタ13としてIP通信側のスプリッタ22よりも分岐数が多いものを使用したり、伝送距離(センターから加入者宅までの伝送距離のうち最大のもの、より具体的にはIP放送装置10からIP放送光端末14までの伝送距離)を長くすることなどが可能である。たとえば、GE−PONの場合、標準規格では伝送距離は20kmであるが、実施例1のIP放送網の伝送距離は20kmよりも長くすることができる。
【0021】
伝送距離を長くする方法として、たとえば以下の3つの方法があり、これらの方法を複数組み合わせてもよい。1つは、センターから加入者宅までの間に、光増幅器12を2台以上挿入する方法である。他の1つは、分散補償ファイバーを挿入し、光ファイバーの分散補償を行うことで、伝送距離を延ばす方法である。他の1つは、センターから加入者宅までの間に、リピータを光ファイバーに挿入することで、伝送距離を延ばす方法である。ここでリピータは、光信号を電気信号に変換し、再度電気信号を光信号に変換する装置であり、光増幅機能、波形成形機能、タイミング再生機能のうち、少なくとも2つの機能を有した装置である。
【0022】
また、光増幅器12とスプリッタ13を多段に複数設けることで、分岐数をさらに増やすことも可能である。
図5は、1つの光増幅器12と1つのスプリッタ13を接続した構成を1単位として、その単位を2段に組み合わせてツリー状に分岐させた構造としたものである。このようにツリー状に分岐させることで、より多くの分岐数を実現できる。なお、
図5は2段の組み合わせであるが、もちろん3段以上の組み合わせでもよい。
【0023】
また、IP放送信号(光信号)の波長には制限がないため、光増幅器12として半導体光増幅器(SOA)を用いることで、分岐数や伝送距離だけでなく、光信号の波長選択の自由度も向上させることができる。たとえば、GE−PONの場合、下り1490nm帯、上り1310nm帯で規格化されているが、実施例1におけるIP放送信号(光信号)の波長はこれら以外の波長を選択することが可能である。
【0024】
IP放送光端末14は、IP放送信号(光信号)を受信してIP放送信号(電気信号)に変換し、所定のチャンネルを抽出して出力する装置であり、各加入者宅に配置されている。複数のチャンネルを抽出して出力してもよく、その場合、たとえば時分割多重して出力する。IP放送光端末14のIP放送信号(光信号)入力側は、光ファイバーを介してスプリッタ13の分岐側と接続されていて、IP放送信号(電気信号)出力側は、IP−STB15と接続されている。また、IP放送光端末14とIP−STB15とは双方向のIP通信を行う。このIP通信はユニキャストで行うが、必ずしもそれに限定されない。たとえば、IP放送光端末14と複数のIP−STB15との間でマルチキャストあるいはブロードキャストの通信を行ってもよい。
【0025】
IP−STB15は、IP放送光端末14およびTV(テレビジョン受信機)16と接続されており、IP放送光端末14との間で双方向のIP通信(たとえばユニキャストなどの通信)を行う。IP−STB15は、IP放送光端末14から所定チャンネルのIP放送信号(電気信号)を受信して、TV16に出力する装置である。IP放送信号(電気信号)をそのまま出力してもよいし、HDMI(登録商標)信号などに変換して出力してもよい。IP放送光端末14とIP−STB15とのIP通信よりそれぞれがどのように動作するかについては、後述のIP放送システムの動作の説明において詳述する。
【0026】
なお、IP放送光端末14とIP−STB15を一体化して1つの装置とした構成としてもよい。同様に、IP−STB15とTV16とを一体して1つの装置としたり、IP放送光端末14とIP−STB15とTV16とを一体化して1つの装置として構成してもよい。また、IP放送を受信する受信機はTV16に限らず、スマートフォンやタブレットなど任意の受信機であってよいし、受信機とIP−STB15との接続は無線であっても有線であってもよい。また、1台のIP−STB15に対して複数の受信機が接続してもよい。
【0027】
(IP通信側の構成)
IP通信装置20は、インターネット、電話、VOD、OTT、VR/AR配信、ゲーム配信などの各種IP通信サービスに対応したIP通信信号を送受信する装置であり、加入者のPC(パーソナルコンピュータ)など各種通信端末との間でユニキャスト通信を行う装置である。各種IP通信サービスのIP通信信号は、多重化装置26によって多重化され、OLT21に出力される。また、OLT21からの上りのIP通信信号は、多重化装置26によって各種IP通信サービスごとに振り分けられ、IP通信装置20の各種IP通信装置に出力される。
【0028】
OLT21は、多重化装置26からの電気信号である下りのIP通信信号を光信号に変換して出力し、スプリッタ22からの光信号である上りのIP通信信号を電気信号に変換して出力するなどの機能を有した装置である。光信号の波長は、たとえば下りが1490nm帯、上りが1310nm帯である。OLT21から出力されたIP通信信号は、スプリッタ22によって複数に分岐(分配)される。
【0029】
なお、実施例1では電気信号を多重化装置26によって多重化した後に、OLT21によって光信号に変換しているが、先に電気信号を光信号に変換した後に多重化してもよく、OLT21には電気信号から光信号、あるいは光信号から電気信号への変換機能がなくてもよく、入出力がともに光信号の場合や電気信号の場合であってもよい。
【0030】
ONU23は、スプリッタ22の分岐側およびHGW24に接続されている。ONU23は、スプリッタ22からの光信号であるIP通信信号を電気信号に変換してHGW24に出力し、HGW24からの電気信号であるIP通信信号を光信号にしてスプリッタ22に出力する装置であり、各加入者宅に配置されている。
【0031】
HGW24は、PC(パーソナルコンピュータ)、IP電話、スマートフォン、タブレットなどの各種通信端末と有線あるいは無線で接続されている。図中ではPC25のみを代表して示している。HGW24は、ONU23からの下りのIP通信信号を受信し、各種通信端末に振り分けて送信し、各種通信端末からの上りのIP通信信号を受信して多重化し、ONU23へと送信する。なお、ONU23とHGW24とを一体化して1つの装置として構成してもよい。また、IP放送光端末14、IP−STB15、ONU23、HGW24のうち、任意の2つ以上を一体化して1つの装置として構成してもよい。
【0032】
次に、実施例1のIP放送システムの動作について説明する。まず、IP放送側の動作について説明する。
【0033】
IP放送側においては、IP放送装置10からIP放送光端末14へと一方向のブロードキャスト通信を行い、IP放送光端末14とIP−STB15との間では双方向のユニキャスト通信を行う。具体的には次の通りである。
【0034】
IP放送装置10では、地上波デジタル放送信号やBS・CSデジタル放送信号などの信号を多重化してIP放送信号(電気信号)を生成する。また、IP放送信号(電気信号)に含まれるチャンネルに応じた番組情報信号を随時挿入してもよい。そして、IP放送信号(電気信号)をIP放送信号(光信号)に変換し、光増幅器12によって増幅した後、スプリッタ13に接続された各IP放送光端末14へとIP放送信号(光信号)をブロードキャスト送信する。
【0035】
IP放送光端末14では、スプリッタ13から受信したIP放送信号(光信号)をIP放送信号(電気信号)に変換する。IP放送信号(電気信号)に番組情報信号が挿入されている場合には、その番組情報信号をIP−STB15に送信する。IP−STB15は番組情報信号をTV16に送信し、TV16に番組情報信号に基づく番組表が表示されるようにする。また、IP−STB15は、加入者によってリモコン等によって選択されたチャンネルの情報をIP放送光端末14に送信する。他にも、IP−STB15に選択したチャンネル情報を直接的ないし間接的に入力する手段であれば、有線・無線を問わず任意の手段を採用できる。IP放送光端末14はその選択されたチャンネルの情報を記憶し、IP放送信号(電気信号)からその所定チャンネルのIP放送信号のみを抽出してIP−STB15に送信する。IP−STB15は、所定チャンネルのIP放送信号(電気信号)をTV16に送信し、TV16はIP放送信号(電気信号)に基づいて所定チャンネルの映像を出力する。以上のようにしてセンター側から各加入者へとIP放送が行われる。
【0036】
なお、IP−STB15は複数設けてもよい。複数設ければ、多数のチャンネルを同時視聴することができる。また、IP放送対応のアプリケーションをインストールしたTV、スマートフォン、タブレットなどの受信機を用いれば、IP放送光端末14とユニキャストでIP−STB15と同様にIP通信を行うことで、IP−STB15を介さずに直接IP放送を無線または有線で視聴することができる。
【0037】
次に、IP通信側の動作について説明する。IP通信側の動作については、従来のPON方式によるIP通信と同様である。すなわち、下り通信については、IP通信装置20からの下りのIP通信信号を多重化装置26によって多重化し、その多重化されたIP通信信号(電気信号)をOLT21によって光信号に変換し、スプリッタ22によって分岐(分配)する。そして、各加入者宅のONU23においてスプリッタ22からのIP通信信号(光信号)を電気信号に変換し、HGW24によって各種通信端末に振り分けて出力する。
【0038】
一方、上り通信については、各種通信端末からの上りのIP通信信号(電気信号)をHGW24によって多重化してONU23により光信号に変換する。そして、そのIP通信信号(光信号)をスプリッタ22を介してOLT21により受信し、電気信号に変換して、多重化装置26によって各種サービスごとにIP通信信号を振り分けて出力する。
【0039】
以上、実施例1のIP放送システムでは、IP放送側をIP通信側から独立して設けているため、IP通信側のトラフィックの影響を受けず、IP放送を安定して行うことができる。
【0040】
また、IP放送側はIP通信側の規格に縛られないため、IP放送側とIP通信側とでそれぞれ運用効率を最適化することができる。たとえば、IP放送側は、光増幅器12によってIP通信信号を十分に増幅して送信することができ、RF放送に比べて歪みなどに強いので、IP放送側のスプリッタ13による分岐数を、IP通信側のスプリッタ22による分岐数よりも多くすることができる。すなわち、1つのIP放送装置10当たりの加入者数を、1つのOLT21当たりの加入者数よりも多くすることができ、より効率的なIP放送システムを構築することができる。また、たとえば、IP放送側の伝送距離を、IP通信側の伝送距離よりも長くすることができる。
【0041】
また、実施例1のIP放送システムでは、IP放送装置10から各IP放送光端末14への一方向のブロードキャスト通信としており、IP通信から独立している。また、IP放送信号はRF信号と異なり帯域制限がない。そのため、大容量の放送サービスを実現することができる。たとえば、4K・8K放送のチャンネルを含む多数のチャンネルを同時に送信することができる。
【0042】
また、実施例1のIP放送システムでは、IP放送光端末14とIP−STB15間の通信を双方向のユニキャスト通信などとしており、IP放送光端末14からIP−STB15へは所定チャンネルのIP放送信号のみが送信されるため、IP放送をより安定して行うことができる。
【0043】
また、実施例1のIP放送システムでは、既存のRF信号による放送システムのうち、光増幅器12やスプリッタ13、光ファイバー網はそのまま利用することができる。そのため、既存のRF信号による放送システムから実施例1のIP放送システムへの切り替えや追加を容易かつ低コストに行うことができる。
【0044】
なお、実施例1では、IP放送はセンター側から加入者への一方向の通信としているが、双方向の通信としてもよい。その場合、加入者からセンター側への上り通信は、IP放送網を利用してもよいし、後述の実施例3のようにIP通信網を利用してもよい。
【実施例3】
【0049】
実施例3のIP放送システムは、
図3に示すように、実施例1のIP放送システムにおいて、多重化装置26に替えて多重化装置40、IP放送光端末14に替えてIP放送光端末44、ONU23に替えてONU43を用い、IP放送光端末44とONU43とを接続した構成である。
【0050】
多重化装置40は、IP放送装置10、IP通信装置20、光増幅器12、OLT21に接続されている。多重化装置40は、IP放送装置10から入力されたIP放送信号(電気信号)については、光信号に変換して光増幅器12に出力する。IP通信装置20から入力されるIP通信信号(電気信号)については、VODやOTTなどの映像配信サービスの信号はIP放送信号(電気信号)に多重化して光信号に変換し光増幅器12に出力し、電話やインターネットなどの他のサービスの信号はOLT21に出力する。また、OLT21からの上りのIP通信信号(電気信号)は、インターネット、電話、VOD、OTTなど各種サービスごとに振り分けて出力する。なお、実施例3では電気信号の段階でIP通信信号とIP放送信号とを多重化しているが、光信号に変換してから多重化してもよい。
【0051】
IP放送光端末44は、スプリッタ13から受信した信号を光信号から電気信号に変換し、映像配信サービスに関する下りのIP通信信号(電気信号)を含む場合には、IP−STB15あるいはONU43を介してHGW24に出力する。そして、映像配信サービス対応のアプリケーションをインストールしたIP−STB15を介して、受信機、たとえばTV16で映像配信サービスを視聴することができる。映像配信サービスを受信する受信機は、TV16に限らず、スマートフォンやタブレットなど任意の受信機であってもよいし、受信機とIP−STB15との接続は無線であっても有線であってもよい。
【0052】
また、HGW24は、その映像配信サービスに関する下りのIP通信信号(電気信号)をPC25などの各種通信端末に振り分ける。これにより、PC25で映像配信サービスによる映像の視聴をすることができる。また、IP放送対応のアプリケーションをインストールしたTV、スマートフォン、タブレットなどを用いることで、それらとIP放送光端末44とがユニキャストでIP通信を行うことで、直接映像配信サービスによる映像の視聴を行うこともできる。
【0053】
映像配信サービスからの映像データを受信するためには、IP−STB15やPC25などからIP通信装置20に対して映像データの送信をリクエストする必要がある。そのようなIP−STB15やPC25などからの映像配信サービスに関する上りのIP通信信号(電気信号)は、IP放送光端末44またはHGW24を介してONU43に入力される。そして、ONU43においてIP通信信号(電気信号)からIP通信信号(光信号)に変換され、スプリッタ22を介してOLT21に入力される。OLT21において、IP通信信号(光信号)からIP通信信号(電気信号)に変換され、VODやOTTのIP通信装置20に入力される。このようにしてIP通信装置20は映像配信サービスに関する上りのIP通信信号(電気信号)を受信することができ、そのリクエストに応じた映像データを下りのIP通信信号(電気信号)として送信することができる。なお、送信リクエストは、スマートフォンや携帯電話などの電話網等、IP放送網やIP通信網以外の通信網を介して送信してもよい。
【0054】
実施例3のIP放送システムは、以下のような利点がある。各種IP通信サービスのうち、VODやOTTなどの映像配信サービスは、上り通信は映像データのリクエストなどで通信量は少ないのに対して、下り通信は映像データであり通信量が多い。そのため、トラフィックを軽減したい場合がある。そのような場合に実施例3のIP放送システムが有効であり、映像配信サービスの下りのIP
通信信号をIP放送信号に多重することで、IP通信側のトラフィックを軽減することができる。もちろん、映像配信サービス以外の1つないし複数の所定IP通信サービスについて、実施例3のように下りをIP放送網、上りを他の通信網としてもよい。
【0055】
なお、実施例3のIP放送システムにおいて、実施例2のように告知放送を波長多重で追加する場合、IP告知放送信号の上り通信を実施例3のようにIP通信網を介して送信してもよい(
図6参照)。
【実施例4】
【0056】
実施例4のIP放送システムは、
図4に示すように、IP放送にRF放送を波長多重することで、両者の共存を図ったシステムである。なお、IP通信側の構成は、
図1に示す実施例1のIP放送システムと同様であるため、以下においてその説明は省略し、
図4においても図示を省略する。
【0057】
実施例4のIP放送システムは、実施例1のIP放送システムにおいて、RF放送側の装置であるRF放送装置50、V−ONU51、RF−STB52と、波長多重装置(WDM)53、54とを加えた構成である。RF放送装置50、波長多重装置53はセンター側に配置され、V−ONU51、RF−STB52、波長多重装置54は加入者宅に配置されている。
【0058】
RF放送装置50は、RF放送信号(電気信号)をRF放送信号(光信号)に変換して送信する装置である。RF放送信号(光信号)の波長は、たとえば1550nm帯であって、IP放送信号(光信号)とは異なる波長である。ここで、RF放送信号(光信号)とIP放送信号(光信号)の波長をEDFAにより増幅可能な波長帯域内とすれば、EDFAである光増幅器12によって双方を増幅することができる。具体例を示すと、RF放送信号(光信号)の波長は1555.75nm、IP放送信号(光信号)の波長は1557.36nmである。
【0059】
波長多重装置53は、RF放送装置50、IP放送装置10、光増幅器12に接続されていて、RF放送装置50からのRF放送信号(光信号)と、IP放送装置10からのIP放送信号(光信号)を波長多重して光増幅器12に出力する装置である。
【0060】
波長多重装置54は、スプリッタ13の分岐側、V−ONU51、IP放送光端末14に接続され、スプリッタ13からの波長多重された信号を、RF放送信号(光信号)とIP放送信号(光信号)とに分離し、V−ONU51、IP放送光端末14にそれぞれ出力する装置である。
【0061】
V−ONU51は、波長多重装置54、RF−STB52に接続され、波長多重装置54からのRF放送信号(光信号)をRF放送信号(電気信号)に変換してRF−STB52に出力する装置である。RF−STB52は、V−ONU51、TV16に接続され、V−ONU51からのRF放送信号(電気信号)からリモコン等によって選択された所定チャンネルのRF放送信号を抽出し、TV16に出力する装置である。このようにして、TV16では、所望のチャンネルのRF放送を視聴することができる。
【0062】
RF放送のみを視聴する加入者宅においては、波長多重装置54を設ける必要はない。IP放送信号(光信号)はRF放送信号(光信号)に比べて歪みなどに強いため、IP放送信号(光信号)のレベルをRF放送信号(光信号)に比べて低くすることができる。そのため、IP放送信号(光信号)がRF放送信号(光信号)に影響しないレベルにすれば、V−ONU51において波長多重された信号を直接受信しても、RF放送信号(電気信号)に変換することができる。
【0063】
また、IP放送のみを視聴する加入者宅においても、IP放送光端末14として、IP放送信号(光信号)の波長帯のみを透過させる波長フィルタが内蔵されているものを用いれば、波長多重装置54を設ける必要はない。
【0064】
また、IP放送とRF放送の両者を受信する加入者宅において、IP放送光端末14としてフィルタ内蔵のものを用いれば、波長多重装置54に替えて、スプリッタを設けてもよい。この場合も、IP放送とRF放送の両方を視聴することができる。
【0065】
また、実施例4においても、実施例3のように映像配信サービスなどの下りのIP放送信号の一部をIP放送信号に多重して、トラフィックの軽減を図ってもよい。
【0066】
以上、実施例4のように、IP放送とRF放送とを共存させることができるので、RF放送のシステムからIP放送のシステムへと段階的に移行することができる。
【0067】
なお、実施例1〜4では、光ファイバー網の構成をダブルスター型としているが、スター型、リング型などのネットワークトポロジーであってもよい。