(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
清掃ロボットシステムに用いられるベースステーション(1)において、前記ベースステーション(1)は、清掃ロボットシステムの清掃ロボット(2)とは独立して設けられるとともに、前記ベースステーション(1)は、ベースステーション本体(10)と、前記ベースステーション本体(10)に設けられた拭き部材洗浄装置(11)を含み、前記拭き部材洗浄装置(11)は前記清掃ロボット(2)の床面を拭くための拭き部材(2211)を洗浄するために用いられ、
前記拭き部材洗浄装置(11)は、前記拭き部材洗浄装置(11)が前記拭き部材(22111)を洗浄する際に前記拭き部材(22111)を収容するための洗浄槽(111)を含み、
前記拭き部材洗浄装置(11)は、前記拭き部材(22111)を洗浄する洗浄液が液供給構造(113)を介して前記洗浄槽内(111)に供給可能で、かつ前記拭き部材(22111)に噴射する前記液供給構造(113)をさらに含み、および/または、前記拭き部材洗浄装置(11)は前記拭き部材(22111)を洗浄した後の前記洗浄液が液排出構造(114)を介して前記洗浄槽(111)の外部に排出可能な前記液排出構造(114)をさらに含むことを特徴とするベースステーション(1)。
前記拭き部材洗浄装置(11)は、突起部(112)を含む突起構造を含み、前記拭き部材洗浄装置(11)により前記拭き部材(22111)を洗浄する際に、前記突起部(112)は前記拭き部材(22111)に接触し、および/または、前記拭き部材洗浄装置(11)は、洗浄ローラ(118)を含み、前記拭き部材洗浄装置(11)により前記拭き部材(22111)を洗浄する際に、前記洗浄ローラ(118)は前記拭き部材(22111)に接触することを特徴とする請求項1に記載のベースステーション(1)。
前記突起構造は少なくとも2つの突起部(112)を含み、前記少なくとも2つの突起部(112)は放射状に設けられ、および/またはアレイ状に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のベースステーション(1)。
前記拭き部材洗浄装置(11)が前記拭き部材(22111)を洗浄する過程で、前記拭き部材洗浄装置(11)は前記拭き部材(22111)と相対的に回動可能である、および/または、前記拭き部材洗浄装置(11)は前記拭き部材(22111)と相対的に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のベースステーション(1)。
前記ベースステーション(1)は、前記拭き部材(22111)が前記拭き部材洗浄装置(11)に進入する前に前記拭き部材(22111)上のごみを掻き取る、および/または、前記拭き部材洗浄装置(11)が前記拭き部材(22111)を洗浄する際に使用する洗浄液が飛散するのを防ぐためのスクレーパ(117)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のベースステーション(1)。
前記ベースステーション(1)は、ガイド構造は、前記拭き部材洗浄装置(11)に設けられたガイド構造をさらに含み、前記ガイド構造は、前記拭き部材(2211)が前記拭き部材洗浄装置を進出するように、前記拭き部材洗浄装置(11)に対して動くように前記清掃ロボット(2)をガイドすることを特徴とする請求項1に記載のベースステーション(1)。
前記ガイド構造は、前記拭き部材洗浄装置(11)から斜め下方に傾斜して床面まで延びるガイド面(116)を含み、および/または、前記ガイド構造は、上方に突出するガイドホイール(119)を含み、および/または、前記ガイド構造は、前記拭き部材洗浄装置(11)の側方に設けられたガイド板(115)を含むことを特徴とする請求項7に記載のベースステーション(1)。
前記ガイド構造は、前記ガイド面(116)と前記ガイド面(116)に設けられた前記ガイドホイール(119)とを含むことを特徴とする請求項8に記載のベースステーション(1)。
前記ベースステーション(1)は、前記拭き部材(22111)を乾燥するための拭き乾燥装置をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のベースステーション(1)。
前記ベースステーション(1)は、前記ベースステーション本体(10)に設けられた、前記清掃ロボット(2)を充電するための充電装置(14)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のベースステーション(1)。
前記ベースステーション(1)は、前記液供給構造(113)と流体で連通する、前記洗浄槽(111)に前記拭き部材(22111)を洗浄するための前記洗浄液を供給するための洗浄液供給装置(12)をさらに含み、および/または、前記ベースステーション(1)は、前記液排出構造(114)と流体で連通する、前記拭き部材(22111)を洗浄した後の前記洗浄液を収集するための汚水収集装置(13)をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のベースステーション(1)。
前記洗浄液供給装置(12)は、前記洗浄液を蓄積するための第1の蓄積構造(121)と、前記第1の蓄積構造(121)から前記洗浄槽(111)へ流れるように前記洗浄液を駆動する第1の動力装置と、を含み、前記第1の蓄積構造(121)における前記洗浄液が第1の動力装置で加圧された後に、液供給構造(113)を介して洗浄槽(111)に収容された拭き部材22111に噴射され、および/または、前記汚水収集装置(13)は、前記拭き部材(22111)を洗浄した後の前記洗浄液を蓄積するための第2の蓄積構造(131)を含むことを特徴とする請求項14に記載のベースステーション(1)。
前記洗浄液供給装置(12)は、前記第1の蓄積構造(121)または前記洗浄槽(111)に前記拭き部材(22111)を洗浄するのに必要な補助材を供給する補助材供給装置をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のベースステーション(1)。
前記第2の蓄積構造(131)は、前記洗浄槽(111)の下方に設けられるとともに、前記洗浄槽(111)と流体で連通して、または、前記汚水収集装置(13)は、前記拭き部材(22111)を洗浄した後の前記洗浄液を前記第2の蓄積構造(131)に吸引して蓄積・収集する第2の動力装置をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のベースステーション(1)。
清掃ロボット(2)を含み、前記清掃ロボット(2)は、床面を走行させるように前記清掃ロボット(2)を駆動するための走行装置(21)と、床面を清掃するための床面清掃装置(22)とを含み、前記床面清掃装置(22)は、拭き装置(21)を含み、前記拭き装置(21)は、床面を拭くための拭き部材(22111)を含む拭き手段(2211)を含む清掃ロボットシステムにおいて、請求項1〜19のいずれかに記載のベースステーション(1)をさらに含むことを特徴とする清掃ロボットシステム。
前記清掃ロボットシステムは、前記清掃ロボット(2)および/または前記ベースステーション(1)に取り付けられた、前記清掃ロボット(2)の先端および/または後端を突き上げるための突き上げ機構(24)をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の清掃ロボットシステム。
前記清掃ロボット(2)は、前記走行装置(21)の走行ホイール(211)に設けられた、前記走行ホイール(211)と床面との接触を保持するように、前記走行ホイール(211)を前記清掃ロボット(2)のシャーシ(202)と弾性的に接続するための吊り下げ装置を含むことを特徴とする請求項20または21に記載の清掃ロボットシステム。
前記拭き装置(221)は、拭き駆動機構(2212)をさらに含み、前記拭き駆動機構(2212)による駆動作用で、前記拭き手段(2211)の拭き部材(22111)が前記清掃ロボット(2)のシャーシ(202)に対して回動可能であり、および/または、前記拭き手段(2211)の拭き部材(22111)が前記清掃ロボット(2)のシャーシ(202)に対して水平往復移動可能であることを特徴とする請求項20または21に記載の清掃ロボットシステム。
前記拭き装置(221)は、1つの拭き手段(2211)のみを含み、前記拭き駆動機構(2212)による駆動作用で、前記1つの拭き手段(2211)における拭き部材(22111)が前記シャーシ(202)に対して回動および/または水平に往復移動可能であることを特徴とする請求項23に記載の清掃ロボットシステム。
前記拭き装置(221)は、2つの拭き手段(2211)を含み、前記拭き駆動機構(2212)による駆動作用で、前記2つの拭き手段(2211)における拭き部材(22111)が前記シャーシ(202)に対して垂直軸線の回りを回動可能であり、ここで、前記2つの拭き手段(2211)における拭き部材(22111)が前記シャーシ(202)に対して垂直軸線の回りを同一方向または反対方向に回動可能であり、または、前記2つの拭き手段(2211)における拭き部材(22111)が前記シャーシ(202)に対して切換可能に垂直軸線の回りを同一方向または反対方向に回動可能あることを特徴とする請求項23に記載の清掃ロボットシステム。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施例中の図面と結合して、本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。説明する実施例は本発明の全ての実施例ではなく、一部の実施例に過ぎないことは明らかである。以下、少なくとも一つの例示的な実施例に対する記載は、実質的に説明的なものに過ぎず、決して本発明及びその適用または使用について何ら制限するものではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が進歩的な労力を行わずに取得した他の実施例の全ては、本発明の特許請求の範囲に属すべきである。
【0035】
当業者が既に知得している技術、方法および機器については、詳細に検討していないが、適切な場合、前記技術、方法および機器は、登録明細書の一部としてみなされるべきである。
【0036】
本発明の記載中、「第1の」、「第2の」などの語句を使って部品を限定するのは、単に対応する部品を区別しやすくするためであり、別段の言及がない限り、上記の語句は特別な意味を有しないため、本発明の特許請求の範囲を制限するものと理解すべきでない。
【0037】
また、本発明の説明中、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」、「トップ、ボトム」などの方位語が示す方位や位置関係は、通常、清掃ロボットシステムが正常に使用されている状態に基づいて定義されることが理解されるべきである。ここで、清掃ロボットの前進方向を前とし、それに応じて、清掃ロボットの後退方向を後とし、「内、外」の方位語は、各部品自体の輪郭に対する内外を指す。
【0038】
図1〜58は、本発明のベースステーションを含む清掃ロボットシステムの複数の実施例を示す。
図1〜58を参照すると、本発明に係るベースステーション1は、清掃ロボットシステムの清掃ロボット2とは独立して設けられるとともに、当該ベースステーション1は、ベースステーション本体10と、ベースステーション本体10に設けられた拭き部材洗浄装置11を含み、拭き部材洗浄装置11は清掃ロボット2が床面を拭くための拭き部材2211を洗浄するために用いられる。
【0039】
本発明に係るベースステーション1は、その拭き部材洗浄装置11により清掃ロボット2の拭き部材22111に対する洗浄を実現することを可能にし、これにより、当該ベースステーション1を有する清掃ロボットシステムにより拭き部材22111に対する自動洗浄を実現することを可能にし、ユーザは拭き部材22111を頻繁に交換・洗浄する必要がなくなるため、本発明に係るベースステーション1は、ユーザを床面の清掃過程からさらに解放し、ユーザの清掃負担を軽減するのに寄与するだけではなく、拭き部材22111に対するさらに即時的な洗浄が実現され、床面の清掃効果を確保するにも有利である。
【0040】
本発明において、ベースステーション1は、超音波洗浄、ドライクリーニング、水洗などの方式で拭き部材22111に対する洗浄を実現することができるが、ここで、水洗方式が好ましい。水洗方式は、実現されやすいだけでなく、コストがより低く、洗浄効果がよりきれいで、しかも水洗方式で洗浄された拭き部材22111は一定の水分を有するので、拭き部材22111を濡らすステップを別途設けることなく床拭き作業に直接継続して参加することができる。よって、水洗の洗浄方式はユーザの関与をさらに減らすことができるとともに、さらに清掃ロボット2の作業の連続性を確保できる。
【0041】
ベースステーション1に良好な洗浄効果を与えるために、本発明において、拭き部材洗浄装置11と拭き部材22111とを相対的に移動可能に設けることが好ましい。例えば、拭き部材洗浄装置11と拭き部材22111とを相対的に回動可能にしたり、および/または、拭き部材洗浄装置11と拭き部材22111とを相対的に移動可能にしたりすることで、拭き部材洗浄装置11が拭き部材22111を洗浄する過程で、拭き部材22111を拭き部材洗浄装置11に圧着することで、拭き部材洗浄装置11は拭き部材22111に摩擦力を与えることができる。これにより、拭き部材22111の清掃の洗浄性を向上させ、拭き部材洗浄装置11の洗浄効果を改善できる。ここで、拭き部材洗浄装置11と拭き部材22111との相対移動の発生は、拭き部材洗浄装置11と拭き部材22111との一方が移動し、他方が静止していてもよいし、拭き部材洗浄装置11と拭き部材22111とが共に移動するが移動方向および/または移動速度が異なっていてもよい。
【0042】
本発明において、拭き部材洗浄装置11は突起構造を含むように設けられてもよく、突起構造は突起部112を含み、拭き部材洗浄装置11が拭き部材22111を洗浄する際に、突起部112は拭き部材22111に接触する。拭き部材洗浄装置11に突起部112を設けることで、拭き部材22111上の汚水やごみを、拭き部材22111を洗浄する過程で当該突起部112を用いて掻き取り、拭き部材22111に対するさらに徹底的な洗浄を実現することを可能にするばかりではなく、洗浄が完了した拭き部材22111が濡れすぎないように防止する。そのうえ、拭き部材洗浄装置11と拭き部材22111とが相対移動可能な場合には突起部112と拭き部材22111は平面摩擦移動がさらに生じ、拭き部材洗浄装置11と拭き部材22111との摩擦力をさらに増大させ、拭き部材洗浄装置11による拭き部材22111に対する洗浄効果をさらに改善できる。
【0043】
また、清掃ロボット2がベースステーション1に進入しやすいように、本発明に係るベースステーション1は、拭き部材洗浄装置11に設けられたガイド構造をさらに含むように設けられるのが好ましい。当該ガイド構造は、拭き部材22111が拭き部材洗浄装置11を進出するように拭き部材洗浄装置11に対して移動するように清掃ロボット2をガイドするために用いられる。これにより、拭き部材22111を洗浄する必要がある場合に、清掃ロボット2は、当該ガイド構造のガイド作用で、ベースステーション1に進入しやすくするとともに、拭き部材22111を拭き部材洗浄装置11に進入させ、清浄するようにする。清掃が完了すると、清掃ロボット2は、また当該ガイド構造のガイド作用で、ベースステーション1からスムーズに脱出でき、拭き部材22111を拭き部材洗浄装置11から離間させることにより、当該ガイド構造の設置により、清掃ロボット2のベースステーション1への進出をともに容易にすることができ、清掃ロボットシステムの作業効率を向上させるのに寄与することがわかる。ここで、ガイド構造は、ガイド面、ガイド板、およびガイドホイールの少なくとも一つを含んでもよい。
【0044】
以下、
図1〜58に示す清掃ロボットシステムの各実施例を結合して、本発明をさらに説明する。
【0045】
図1〜23は、清掃ロボットシステムの第1の実施例を示す。
【0046】
図1〜23に示すように、当該第1の実施例において、清掃ロボットシステムは、互いに独立して設けられた清掃ロボット2とベースステーション1を含む。ここで、清掃ロボット2は床面に対して拭きを含めた自動清掃を行うために用いられ、ベースステーション1は清掃ロボットに対する充電と清掃ロボット2の拭き部材22111に対する洗浄を行うために用いられる。拭き部材22111はしばらく拭きを行った後で、清掃ロボット2は充電および/または拭き部材22111の洗浄が必要な場合、清掃ロボット2はベースステーション1に自動的に戻って、ベースステーション1で充電および/または拭き部材の洗浄を行うことができる。
【0047】
図6〜20は、当該第1の実施例における清掃ロボット2の構造を示す。
図6〜20に示すように、当該第1の実施例において、清掃ロボット2は、移動清掃機器であり、ケース20、走行装置21、床面清掃装置22およびごみ収集装置23などを含む。
【0048】
ここで、ケース20は、清掃ロボット2の他の構造部材の取付基礎を構成し、他の部材に支持を提供する。
図6〜8からわかるように、この実施例のケース20は、アッパーケース201とシャーシ202を含む。走行装置21、床面清掃装置22およびごみ収集装置23などは、すべてシャーシ202に取り付けられ、アッパーケース201は、シャーシ202の上方に被覆され、アッパーケース201とシャーシ202との間の中空空間内の構造部材を保護するとともに、構造全体の秩序と美観を維持する。
【0049】
走行装置21は、清掃ロボット2が地上を移動するのに駆動力を提供するために用いられ、地上を走行するように清掃ロボット2を駆動する。
図7と
図8からわかるように、この実施例の走行装置21は、シャーシ2の左右両側に対称に設けられた一対の走行ホイール211を含む。走行ホイール211は回動して、清掃ロボット2の地上での前進または後退を実現できる。また、一対の走行ホイール211の差動回動により、清掃ロボット2のステアリングを実現できる。
【0050】
床面清掃装置22は、床面を清掃するために用いられる。この実施例において、床面清掃装置22は、一対の拭き手段2211を含む拭き装置221を含むとともに、拭き手段2211ごとに、圧着ディスク22112と、圧着ディスク22112の下端面に取り付けられた床面を拭くための拭き部材22111を含む。
【0051】
拭き部材22111は、モップ(または雑巾)やスポンジなどの床面を拭くことができる様々な部材でもよく、この実施例に係る拭き部材22111は、モップを選択する。また、拭き部材22111は、圧着ディスク22112と着脱可能に接続されることが好ましい。例えば、この実施例では、拭き部材22111を着脱・交換しやすいように、マジックテープ(登録商標)で拭き部材22111を圧着ディスク22112の下端面に貼り付けることができる。
【0052】
この実施例の拭き部材22111と圧着ディスク22112は共に円形であるが、もちろん、他の実施例において、両者を長方形などの他の形状に設けてもよい。この実施例においては、両者の形状を円形にした利点は、拭き手段2211は屋内の隅などの狭い空間をより清掃しやすく、さらに以下のような回動設置が容易になることである。
【0053】
従来の清掃ロボットによる拭く効果が悪いという課題をさらに解決するため、
図7〜
図12および
図20からわかるように、この実施例に係る拭き手段2211は、シャーシ202に対して回動可能に設けられている。このように、拭き過程において、拭き部材22111と床面との間の相対移動には、清掃ロボット2全体の地上での移動だけでなく、拭き部材22111の床面に対する回転運動もさらに含まれていることにより、拭き部材22111の拭く力を強めるとともに、拭き部材22111の拭く回数を増やし、床面に対し繰り返し拭くことが実現される。さらに拭き部材22111の拭く効果を改善することができる。ここで、特に床面に付着した頑固な汚れをより徹底的に清掃するのに寄与する。また、回転する拭き部材22111は、床面上の大きな粒状物やほこりなどのごみを掃き上げることもできる。すなわち、同時に清掃作用を発揮することができ、当該第1の実施例に係る清掃ロボット2は掃く・拭くの一体化されたロボットとなり、機能がより全面的で、床面の清掃効果がより良く、専用の掃除装置222を設けることなく掃除機能を実現できる。このため、この実施例の清掃ロボット2は掃く・拭くの一体化された機能を有すると同時に、より簡単な構造とより小型の体積を有することができ、清掃ロボットの小型化とスマート化をさらに実現するのに有利である。
【0054】
前述した拭き手段2211のシャーシ202に対する回動は、水平軸線回りの回動でもよく、垂直軸線回りの回動でもよい。この実施例においては、垂直軸線回りの回動とすることが好ましく、垂直軸線の回りを回動する拭き部材22111は、より優れた拭きおよび清掃効果を実現することができるためである。また、拭き装置221が少なくとも2つの拭き手段2211を含む場合に、少なくとも2つの拭き手段2211は、配向が同じでもよく、異なってもよく、さらに、同一方向回動と逆方向回動を切換可能に行ってもよい。即ち、ある期間内に少なくともこの2つの拭き手段2211は逆方向回動して、他の期間内に逆方向回動に変えられる。ここで、対になった拭き手段2211は垂直軸線の回りを逆回動させるように設けられることで、拭き装置221がごみを中央に集める効果も発揮することができ、より良好なごみ収集効果を実現することができる。
【0055】
図20に示すように、この実施例において、2つの拭き手段2211は共に垂直軸線の回りを回動するが、回動方向は逆である。垂直軸線の回りを逆回動することで、2つの拭き手段2211は掃き上げたごみを2つの拭き手段2211の中央に集めることができるので、当該設置により、拭き装置221は拭きおよび清掃機能を実現すると同時に、より良好なごみ収集作用を発揮し、ごみをより十分かつ徹底的に収集しやすい。これにより、この実施例に係る拭き装置221が、この実施例に係るごみ収集装置23と協働してより清潔な清掃効果を実現できる点については、後でさらに詳細に説明する。また、2つの拭き手段2211が垂直軸線の回りを逆回動するように設けられる場合に、2つの拭き手段2211は回転による摩擦力の方向が逆であることにより、互いに相殺することができ、清掃過程で摩擦力のアンバランスが発生することを効果的に回避でき、清掃ロボット2をより安定して予定のルート通りに走行させるのを助ける。
【0056】
拭き手段2211の床面に対する回動を実現するために、この実施例に係る拭き装置221は、拭き手段2211とシャーシ202とを接続するとともに、拭き手段2211をシャーシ202に対して回動させる、すなわち、拭き手段2211を床面に対して回動させるように駆動するための拭き駆動機構2212をさらに含む。具体的には、この実施例において、
図8〜12に示すように、拭き駆動機構2212は、ウォームモータと、2つのウォームギア22122と、2つの出力軸22123とを含む。ここで、ウォームモータは2つの拭き手段2211にトルクを供給するために用いられる。2つのウォームギア22122と2つの出力軸22123は、1対1に対応してウォームモータと2つの出力軸22123との間に駆動接続され、それぞれのウォームギア22122はウォームモータにおけるウォームに噛合する。即ち、ウォームギア22122とウォームモータにおけるウォームとでウォームギアウォーム機構が形成されるとともに、2つのウォームギア22122とウォームモータにおけるウォームに噛合して伝動されることによって、2つの出力軸22123に逆方向のトルクを伝達することができる。2つの出力軸22123は、2つのウォームギア22122と2つの拭き手段2211との間に駆動接続されるとともに、2つの出力軸22123と2つの拭き手段2211と1対1に対応して設けられ、逆方向のトルクをそれぞれ2つの拭き手段2211に伝達するために用いられると同時に、2つの出力軸22123がともに縦方向に配置されると、2つの拭き手段2211がウォームモータの駆動作用で、それぞれの出力軸22123回りを回動する。即ち、2つの拭き手段2211の垂直軸線回りの逆方向回動を実現することができる。
【0057】
より具体的には、
図12に示すように、この実施例において、ウォームモータはダブルウォームモータ22121であり、ここで、ダブルウォームモータ22121はトルクを出力するためのウォーム動力機構とし、2つのウォームギア22122と2つの拭き手段2211とは1対1に対応して設けられるとともに、それぞれダブルウォームモータ22121の両側の2つのウォームヘッドと噛合するとともに、2つのウォームギア22122はダブルウォームモータ22121と噛合して伝動される。このように、ダブルウォームモータ22121が回動すると、動力は2つのウォームギア22122に伝達可能でありながら、2つのウォームギア22122を介して2つの出力軸22123に逆方向のトルクが伝達され、2つの出力軸22123を駆動して2つの拭き手段2211を垂直軸線の回りを逆回動させるように連動させ、構造が簡単でコンパクトであり、且つ、伝動効率が高い。
【0058】
また、
図11と
図12からわかるように、この実施例に係る拭き装置221は取付シャーシ2213、アッパーディスク2214およびロウアーディスク2215をさらに含む。拭き駆動機構2212は取付シャーシ2213、アッパーディスク2214およびロウアーディスク2215によりシャーシ202に取り付けられる。ここで、アッパーディスク2214とロウアーディスク2215は互いに係合して1つの中空空間が形成され、拭き駆動機構2212の各部材は当該中空空間に設置されて協働伝動を行い、取付シャーシ2213がシャーシ202に設けられるとともに、ロウアーディスク2215が取付シャーシ2213に取り付けられることによって、拭き駆動機構2212をシャーシ202に取り付ける。また、この実施例に係る拭き駆動機構2212は、出力軸22123とウォームギア22122との間に設けられた軸受22124およびオイルシールリング22125をさらに含み、より円滑な伝動を実現する。
【0059】
また、この実施例において、拭き手段2211は、清掃ロボット2のシャーシ202に揺動可能に接続されている。この設置により、拭き手段2211の拭き部材22111は、床面の凹凸に伴ってシャーシ202に対して揺動することで床面との接触を保持できることによって、この実施例に係る2つの拭き部材22111は床面に常時密着することを確保できる。これは、床面の凹凸による拭き欠落現象を効果的に防止し、様々な床面に対するより徹底的かつ効率的な清掃を確保するだけでなく、清掃ロボット2に地形がより複雑で多様な床面を清掃させるようにし、清掃ロボット2の適用範囲を効果的に拡大できる。
【0060】
具体的には、この実施例に係る拭き手段2211は、垂直軸線の回りを揺動可能なだけでなく、水平軸線の回りを揺動可能である。このように、拭き部材22111は複数の揺動自由度を有しており、拭き部材22111全体と床面との常時の接触を実現するのに有利であり、拭き部材22111が凹凸のある床面によりよく適応し、より清潔な清掃効果を実現できる。
【0061】
ここで、拭き手段2211の垂直軸線回りの揺動を実現するために、この実施例においては、
図12に示すように、拭き手段2211と拭き駆動機構2212の出力軸22123との間に柔軟性接続ブロック2216が設けられ、両者は当該柔軟性接続ブロック2216により接続されている。柔軟性接続ブロック2216は、拭き手段2211および/または拭き駆動機構2212と着脱可能に接続できる。柔軟性のある接続構造として、柔軟性接続ブロック2216は比較的自由に変形できるため、清掃ロボット2が凹凸のある床面に遇うと、柔軟性接続ブロック2216は拭き部材22111から伝達された床面作用力による作用で適応して変形し、拭き手段2211全体がシャーシ202に対して(即ち、床に対して)縦方向に配置された出力軸22123回りに適応して揺動するように連動させ、さらに、床面との接触を保持する。さらに、
図11、
図13、
図15に示すように、それぞれの柔軟性接続ブロック2216は、対応する拭き手段2211に揺動の調整自由度(すなわち、
図13の第1の揺動自由度I)を与えることができ、揺動方式はより多様で、床面にさらに柔軟に適応できる。
【0062】
これからわかるように、出力軸22123と拭き手段2211の間に柔軟性接続ブロック2216を設けることで、柔軟性接続ブロック2216の材料変形を利用して拭き手段2211の垂直軸線回りの揺動を実現できるとともに、床面の凹凸の程度に応じて拭き手段2211の揺動角度を柔軟に調整できることによって、拭き部材22111を床面に常時密着させて拭きを行い、拭く効果をさらに改善できる。
【0063】
なお、この実施例に適用される柔軟性接続構造は、柔軟性接続ブロック2216という1種の形態に限らず、それ自体の材料の変形を利用して拭き手段2211の揺動を実現可能な他の柔軟性接続構造も同様に適用できる。
【0064】
拭き手段2211の水平軸線回りの揺動を実現するために、この実施例において、拭き装置221とシャーシ202との間に水平回動軸2218が設けられ、両者はこの水平回動軸2218を介して接続されている。具体的には、
図12と
図13に示すように、この実施例に係る水平回動軸2218は、シャーシ202と拭き装置221の2つの拭き手段2211の間に接続された伝達軸の中央部の間に接続されている。この水平回動軸2218は、それぞれの拭き手段2211に水平回転自由度(即ち、
図13に示す第2の揺動自由度J)を与えることができ、それぞれの拭き手段2211が床面の凹凸に追従してこの水平回動軸2218回りを揺動できることによって、拭き部材22111が床面に接触することが確保される。
【0065】
これからわかるように、この実施例は、柔軟性接続ブロック2216と水平回動軸2218を同時に設けることで、拭き部材22111に複数の揺動自由度を持たせ、凹凸のある床面により柔軟に適応させることができ、清掃ロボット2が凹凸のある地形に遇っても拭き部材22111を床面に密着させて清掃を行うことができることによって、床面をより清潔に清掃することができる。
【0066】
一方、
図13からわかるように、この実施例において、拭き装置221とシャーシ202との間に水平回動軸2218が設けられているため、拭き装置221と床面との接触が一つの支点に相当する。即ち、この実施例に係る拭き装置221により清掃ロボット2に一つの支点が提供されると同時に、2つの走行ホイール211と床面との接触が2つの支点に相当する。このため、全体的に、この実施例に係る清掃ロボット2と床面との間に3点支持方式が形成されることで、この清掃ロボット2は常に三点で着地が可能となる。このことによって、清掃ロボット2全体の運転安定性を向上させ、清掃効果をさらに確保できる。
【0067】
なお、拭き手段221を床面の凹凸に追従して揺動させる実施形態は、上述した方式(すなわち、
図13に示す方式)に限らず、ここでは、3種の代替の実施形態を提供する。
【0068】
その中の1種の代替方式として、
図16に示すように、さらに水平回動軸2218の設置位置を変えて、水平回動軸2218を走行装置21とシャーシ202との間に設置してもよい。この代替方式に基づいて、走行装置21とシャーシ202との間で回転軸接続方式を採用し、走行装置21全体により清掃ロボット2に1つの支点が提供されると同時に、拭き装置221のそれぞれの柔軟性接続ブロック2216により、それぞれの拭き手段2211に2つの揺動の調整自由度が提供され、拭き装置221が床面に接触したときに2つの支点が床面に接触することに相当しする。すなわち、拭き装置221により、清掃ロボット2に2つの支点が提供され、これからわかるように、この代替方式は依然として拭き部材22111を床面に常時密着させるとともに、清掃ロボット2と床面との間で3点支持方式が形成できる。この代替方式においては、3点支持は前方の2つの支点と後方の1つの支点を含む。一方、
図13に示す方式においては、3点支持は前方の1つの支点と後方の2つの支点を含む。
【0069】
その中の他の2種の代替方式として、
図17と
図18に示すように、この実施例において、さらに前述した柔軟性接続ブロック2216を省略し、拭き装置221とシャーシ202との間にのみ水平回動軸2218を設けたり、走行装置21とシャーシ202との間にのみ水平回動軸2218を設けたりすることも可能である。この2種の代替方式を採用することで、拭き部材22111を床面に常時密着させる効果は、拭き手段2211が同時に垂直軸線の回りを揺動する場合には及ばないものの、依然として拭き部材22111および/または走行装置21がシャーシ202に対して全体的に揺動し、前述した3点支持を形成することを実現できて、構造がより簡単でコストも低い。
【0070】
ごみ収集装置23は、床面清掃装置22に集められたごみを収集するために用いられ、ごみ収集装置23の内部と外部とを連通するための収集口を含み、床面清掃装置22に集められたごみは当該収集口からごみ収集装置23の内部に入る。
【0071】
図7〜9および
図19に示すように、この実施例において、ごみ収集装置23は、集塵箱231、フィルタ233、除塵ファン234、送風機ダクト235および吸塵口236を含む。ここで、集塵箱231は、箱体2313と、箱体2313の先端開口に被着される箱カバー2314と、を含む。吸塵口236は、ごみが当該吸塵口236を介して集塵箱231内に入るように、集塵箱231の下部に設けられて、床面に向けて開口し、除塵ファン234は、ほこりなどのごみが除塵ファン234の作用で吸塵口236から集塵箱231に入るように、送風機ダクト235を介して集塵箱231の内部と流体で連通する。フィルタ233は、集塵箱231の側部に設けられるとともに、除塵ファン234と集塵箱231との流体連通路に位置し(
図19では、フィルタ233が送風機ダクト235と集塵箱231との流体連通路に具体的に設置されている)、風中のごみをフィルタ233で濾過して集塵箱231に残し、風は除塵ファン234で吸引され続けるようにする。
【0072】
図19に示すように、除塵ファン234の出口はダブルウォームモータ22121に向かうと、除塵ファン234から流出した風がダブルウォームモータ22121に直接吹き付けられ、ダブルウォームモータ22121を放熱させ、ダブルウォームモータ22121の作動性能を確保し、ダブルウォームモータ22121の作動寿命を延長するのに有利である。
【0073】
ある改良実施例において、吸塵装置全体が清掃ロボット2の前後方向に延びるように、前記拭き駆動機構を吸塵装置の両側に配置する。例えば、ダブルウォームモータ22121を2つのモータに置換し、2つのモータがウォームギアウォーム機構またはギア機構を介して動力を出力するようにしてもよい。このように、2つのモータをそれぞれ吸塵装置の両側に配置しやすく、モータの回転軸が吸塵装置を横切ることで吸塵装置に対して邪魔にならないようにして、吸塵装置の風道をより滑らかにして、吸塵装置の給風抵抗を小さくして、吸塵装置の給風量を大きくして、吸塵装置の吸塵効果を改善することができる。
【0074】
この実施例に係るごみ収集装置23が作動している時、除塵ファン234の駆動風はごみが吸塵口236を介して箱体2313の内部に入るように連動する。ごみはフィルタ233でろ過され、風はフィルタ233を介して送風機ダクト235に入り、除塵ファン234に流れるとともに、最終的に除塵ファン234によって吸引される。
【0075】
これからわかるように、この実施例に係るごみ収集装置23は吸塵装置であり、吸塵口236は収集口として使用されている。この実施例において、ごみ収集装置23として吸塵装置を採用した利点は、ごみ収集装置23がごみに吸引力を加えることができることで、より多くの床面清掃装置22に集められたごみをより早く収集することである。ごみの床面への残留を減らすことができるだけでなく、吸引力の作用で大きな粒子のごみもごみ収集装置23の内部に吸引され得るので、ごみ収集装置23として吸塵装置を採用することは床面をより清潔にするのに有利である。
【0076】
また、前述したように、この実施例において、垂直軸線の回りを逆回動する2つの拭き手段2211が、2つの拭き手段2211の間にごみを集めることができるため、ごみをより便利かつ効率的に収集する。
図7と
図20に示すように、この実施例において、吸塵口236が、この実施例に係る拭き装置221の2つの拭き手段2211の中央部に設けられていることで、吸塵口236は、2つの拭き手段2211の間に位置しており、ごみが集められるルート上にある。このため、ごみ収集装置23がごみをさらに充分に収集でき、より効果的なごみ収集効果を実現できる。ここで、吸塵口236は、2つの拭き手段2211の後方の中央部に設けられてもよいし、2つの拭き手段2211の前方の中央部に設けられてもよい。吸塵口236を2つの拭き手段2211の後方の中央部に設けると、
図36に示すように、ごみがより小さな領域に集められてからごみ収集装置23に収集されるため、吸塵口236は小さく設置できるが、吸塵口236が小さいほど吸引力が大きく、より効果的な収集を実現できる。吸塵口236を2つの拭き手段2211の前方の中央部に設ける利点は、
図7と
図20に示すように、拭きに先立って、ごみ収集を行うことができ、ごみが濡れることなく拭き部材22111に収集される。濡れていないごみは地面への付着力が小さく、より収集されやすいので、吸塵口236を垂直軸線の回りを逆回動する2つの拭き手段2211の前方の中央部に設けることで、ごみ収集の難度を下げることができ、吸塵装置が小さな吸引力を加えればごみに対する収集を実現できるとともに、毛髪などのごみが過湿で収集されにくいという問題が発生するのを効果的に防止できる。このことによって、ごみをより便利で徹底的に収集でき、より清潔なごみ収集効果を実現できる。
【0077】
上述した拭き装置221とごみ収集装置23によると、この実施例に係る清掃ロボット2は、より高品質な床面清掃作業を行うことができる。即ち、作業時、床面に密着する2つの拭き部材2111は、拭き駆動機構2212の駆動作用で垂直軸線の回りを逆回動し、床面上の頑固な汚れを拭く一方、ごみを2つの拭き部材2111の中央部に集め、中央部に集められたごみはごみ収集装置23によって吸引収集される。
【0078】
さらに、
図57と
図58を結合すると、この実施例の改良実施例において、ごみ収集装置23はさらに、ごみ収集装置23の収集口(この実施例では、吸塵口236)から下方に傾斜して地面まで延びるフラップ2311を含んでもよいことが分かる。これにより、当該フラップ2311は、その位置に集まったごみを遮断でき、床面清掃装置22で清掃されたごみが収集口(吸塵口236)で収集できる範囲外に広がることを防止することによって、ごみ収集装置23での収集をより便利にするとともに、ごみが清掃された床面に二次汚染を与えることを防止できる。特に、拭き部材22111が、当該清掃ロボット2のシャーシ202に対して垂直軸線の回りを回動して清掃作業を行う場合に、当該フラップ2311は、集まったごみが拭き部材22111によって収集口(吸塵口236)から離れることを避けることができる。
【0079】
もちろん、この実施例に係る清掃ロボット2は、ごみ収集装置23をオフにして、拭き装置221のみを作動させてもよい。あるいは、さらに拭き装置221を床面上のごみを掃除するための掃除装置222、例えば、ロールブラシに交換し、掃除装置222とごみ収集装置23とを協働させることで単独の床清掃機能を実現してもよい。この実施例に係る拭き装置221と拭き駆動機構2212とが着脱可能に接続されるため、拭き装置221を掃除装置222に交換しやすく、清掃モードの切り替えを実現できる。また、濡れた拭き部材22111を乾いた拭き部材22111に交換することで、この実施例に係る清掃ロボット2にもドライ拭き機能を実現させることができる。同様に、この実施例に係る拭き部材22111は圧着ディスク22112に着脱可能に接続されるため、ドライ拭き部材22111とウェット拭き部材22111を交換しやすく、ドライ拭きとウェット拭きモードの迅速な切り替えを実現できる。
【0080】
また、
図6および
図8〜10に示すように、この実施例において、清掃ロボット2は、衝突感知板25、レーザレーダ26、制御装置27、バッテリ28およびマンマシンインタラクションのためのボタンおよびスクリーンなどのマンマシンインタラクション装置をさらに含む。ここで、衝突感知板25は、清掃ロボット2と障害物との衝突を防止するために用いられる。この実施例において、衝突感知板25は、ケース20の先端に設けられる。レーザレーダ26は地図走査を行うために用いられ、清掃ロボット2の構図と位置決めを実現するために用いられる。この実施例において、レーザレーダ26はアッパーケース201の後部に嵌め込まれ、バッテリ28は、清掃ロボット2に電力を供給するために用いられる。制御装置27は、清掃ロボット2の様々な活動、例えば、センサ信号収集、モータ駆動制御、バッテリ管理、ナビゲーション位置決め、地図作成、スマート障害回避および清掃ルート計画などを制御するために用いられる。
【0081】
さらに、清掃ロボット2の障害乗り越えとベースステーション1の進出を便利にするために、この実施例に係る清掃ロボット2は、突き上げ機構24をさらに含む。突き上げ機構24は、清掃ロボット2の先端および/または後端を突き上げるために用いられ、清掃ロボット2に揚力を与えることができ、清掃ロボット2が地上を走行する過程である程度の高さの障害物(例えば、敷居)を乗り越えることができ、清掃ロボット2の障害乗り越え能力を向上させ、清掃ロボット2の清掃範囲を広げることができるだけでなく、さらに清掃ロボット2がベースステーション1を進出する過程で、清掃ロボット2がベースステーション1をさらに進出しやすくし、特に、ある程度の高さを有するベースステーション1の拭き部材洗浄装置11を進出しやすくする。
【0082】
具体的には、
図7、
図8および
図10に示すように、この実施例において、突き上げ機構24は、清掃ロボット2のシャーシ202に設けられるとともに、シャーシ202の手前に位置し、上下に揺動可能な揺動ロッドを含む。揺動ロッドが下向きになった後、揺動ロッドがシャーシ202から下方にはみ出して載置面(例えば、床面)に支持されることができる。このことによって、清掃ロボット2の先端を突き上げることができ、揺動ロッドが上向きになった後、揺動ロッドが収められ、突き上げが解除され、清掃ロボット2の高さが再び低くなる。これにより、
図21と
図22に示すように、清掃ロボット2が障害を乗り越え、またはベースステーション1に進入する過程で、突き上げ機構24が清掃ロボット2の先端を突き上げて、清掃ロボット2の先端の高さを積極的に上げて、ロボット2が障害を速やかに乗り越えたり、清掃ロボット2がベースステーション1に速やかに入ったりするとともに、拭き部材22111が拭き部材洗浄装置11にスムーズに進入するのを補助することができる。
【0083】
当業者は、突き上げ機構24がシャーシ202に設けられることに限らず、ベースステーション1に設けられてもよいこと、及び、ベースステーション1とシャーシ202にそれぞれ一つの突き上げ機構24を設けてもよいことを理解すべきである。また、突き上げ機構24がシャーシ202に設けられている場合、突き上げ機構24もシャーシ202の前部に設けられることに限らず、シャーシ202の後部に設けられ、清掃ロボット2の後端を突き上げるようにしてもよい。
【0084】
図50〜52は、突き上げ機構24がシャーシ202の後部に設けられた代替実施例を示す。
図50〜52に示すように、この代替実施例では、突き上げ機構24がシャーシ202の後部に設けられる。この場合に、
図52に示すように、清掃ロボット2がベースステーション1に進入する必要がある場合に、突き上げ機構24は作動せず、清掃ロボット2は、それ自体の駆動力およびベースステーション1のガイド構造(例えば、
図52における傾斜したガイド面116)のガイド作用でベースステーション1に直接入り、拭き部材22111を拭き部材洗浄装置11に進入させ、拭き部材22111の洗浄が完了し、清掃ロボット2がベースステーション1から退出する必要がある場合に、突き上げ機構24が作動し、清掃ロボット2の後端を突き上げ、拭き部材22111の後端を拭き部材洗浄装置11のエッジ高さより高くし、さらにベースステーション1から脱出させる。また、この代替実施例において、走行ホイール211に吊り下げ装置が設けられるのが好ましい。当該吊り下げ装置は、走行ホイール211とシャーシ202とを弾性的に接続するために用いられると、走行ホイール211が床面に常時接触したままで、突き上げ機構24が清掃ロボット2の後端を突き上げるときに走行ホイール211は吊り下げ装置の作用があっても床面に密着し、清掃ロボット2に摩擦力を与えることができるので、吊り下げ装置が設けられることで、清掃ロボット2をより効率的にベースステーション1から退出するのを補助することができる。
【0085】
具体的には、
図50と
図51に示すように、この代替実施例において、吊り下げ装置は、ばね212と支持具213とを含み、ばね212は水平に設けられ、支持具213は、ばね212と走行ホイール211との間に傾斜して接続されるとともに、支持具213は、ばね212と走行ホイール211に接続される両端間の部分が、清掃ロボット2のケース20に対して回動可能に設けられるようにする。このような構造の設置により、当該吊り下げ装置は、走行ホイール211を床面に接触させるのを保持できるだけでなく、さらにばね212の弾性力で突き上げ機構24を補助して清掃ロボット2の後端を反り上げることができるので、この場合に、突き上げ機構24は小さな突き上げ力だけで清掃ロボット2の後端を突き上げることができるため、突き上げ機構24は小さなモータを選択することができ、コストの削減、取付スペースの節約という目的を実現する。
【0086】
もちろん、吊り下げ装置は、突き上げ機構24と一緒に設けられなくてもよく、吊り下げ装置は走行ホイール211を床面に常時接触させることができるため、吊り下げ装置を単独で設ける場合にも、清掃ロボット2の障害乗り越え能力を高めることができる。
【0087】
図2〜5は、この第1の実施例におけるベースステーション1の構造を示す。この実施例において、ベースステーション1は、拭き部材22111を水洗方式で洗浄する。すなわち、ベースステーション1は拭き部材22111を洗浄することで拭き部材22111を清潔に保つ。
【0088】
図2〜5に示すように、この実施例において、ベースステーション1は、ベースステーション本体10と、拭き部材洗浄装置11と、洗浄液供給装置12と、汚水収集装置13と、充電装置14とを含む。
【0089】
ここで、ベースステーション本体10は、ベースステーション1の他の構成部材の取付基礎を構成する。拭き部材洗浄装置11、洗浄液供給装置12および汚水収集装置13などは全てベースステーション本体10に設けられている。ベースステーション本体10は、それ自体に取り付けられたこれらの構成部材に支持を提供する。
【0090】
図2に示すように、この実施例において、拭き部材洗浄装置11はベースステーション本体10の下方に設けられる一方、洗浄液供給装置12と汚水収集装置13はベースステーション本体10の上方に設けられるとともに、それぞれベースステーション本体10の左右両側に位置し、構造がコンパクトで美観を有する。この実施例に係る拭き部材洗浄装置11は、洗浄液供給装置12と汚水収集装置13と協働させて、一緒に拭き部材22111に対する水洗洗浄を実現するとともに、この実施例に係る拭き手段2211は垂直軸線の回りを回動可能なので、拭き手段2211と拭き部材洗浄装置11は相対回動可能であり、ベースステーション1は摩擦式の水洗洗浄方式を実現できる。洗浄過程で、拭き部材22111は拭き部材洗浄装置11に載せられて回動洗浄され、洗浄液供給装置12から洗浄液が供給されるとともに、汚水収集装置13により洗浄後の汚れた洗浄液を収集する。
【0091】
具体的には、
図4に示すように、この実施例に係る拭き部材洗浄装置11は、洗浄槽111と、複数の突起部112を有する突起構造と、液供給構造113と、液排出構造114とを含む。
【0092】
ここで、洗浄槽111は、拭き部材洗浄装置11が拭き部材22111を洗浄する際に拭き部材22111を収容するために用いられ、洗浄液にも収容空間を提供する。
図3および
図4からわかるように、この実施例において、拭き部材洗浄装置11は、2つの洗浄槽111を含むとともに、それぞれの洗浄槽111の形状および大きさは、この実施例に係る拭き手段221の形状および大きさに合わせてある。ここでは、洗浄槽111の断面形状は円形である。この設置は、洗浄槽111と清掃ロボット2の拭き手段221の形状、大きさ、個数を合わせるためであり、拭き部材2111と洗浄液をより良く収容し、洗浄液の飛散を防止できるだけでなく、ベースステーション1が1つの清掃ロボット2の全ての拭き部材22111を同時に洗浄できるようにし、洗浄効率を向上させることができる。もちろん、洗浄槽111の形状と大きさは、拭き手段2211の具体的な状況に応じて適応して設置してもよく、洗浄槽111の個数は、複数の清掃ロボット2の拭き手段221の合計個数と等しく、1対1に対応して設置されてもよい。このように、ベースステーション1は、複数の清掃ロボット2のすべての拭き部材22111を同時に洗浄でき、洗浄効率がさらに高い。
【0093】
突起構造は、洗浄槽111に収容された拭き部材22111に接触するために用いられる。拭き部材22111の表面全体が突起構造に接触できるため、接触面積が広く、洗浄効率が高く、かつ、突起構造は洗浄過程で汚水を掻き取る効果と摩擦力を強める作用を発揮することができ、洗浄効果をさらに改善できる。
図4に示すように、この実施例において、突起構造が洗浄槽111内に設けられる。ここで、それぞれの突起部112は曲線状の突起部である。即ち、突起部112の断面の延長ルートは曲線状であり、そして、それぞれの洗浄槽111内の複数の突起部112は放射状に配置されている。この実施例に示すこのような突起構造は、拭き部材22111の回転移動方式によりよく適応でき、洗浄過程で突起構造が回転する拭き部材22111とより十分に摩擦でき、より清潔な洗浄効果を実現できる。また、拭き部材22111と突起構造の押圧回転の過程で、拭き部材22111から水が突起部112に押し出され振り切られるため、突起構造のもう1つの作用は拭き部材22111を振り切るという作用である。
【0094】
液供給構造113と液排出構造114は、洗浄液が液供給構造113を介して洗浄槽111に進入するように、且つ、拭き部材22111を洗浄した後の洗浄液が液排出構造114を介して洗浄槽111の外部に排出できるように、ともに洗浄槽111に流体で連通している。
図4に示すように、この実施例において、液供給構造113と液排出構造114とが共に洗浄槽111に設けられているが、もちろん、洗浄槽111と流体で連通していれば、両者は他の位置に設けられてもよい。
【0095】
洗浄液供給装置12は、洗浄槽111に洗浄液を容易に供給するように、液供給構造113を介して洗浄槽111と流体で連通する。汚水収集装置13は、拭き部材22111を洗浄した後の汚れた洗浄液を容易に収集するように、液排出構造114を介して洗浄槽111と流体で連通する。
図3と
図4を結合してわかるように、この実施例において、洗浄液供給装置12は、洗浄液を収容するための第1の蓄積構造121と、第1の動力装置として用いられ、第1の蓄積構造121から洗浄槽111に洗浄液を流すように駆動するための第1の水ポンプ122と、を含む。汚水収集装置13は、汚れた洗浄液を蓄積するための第2の蓄積構造131と、第2の動力装置として用いられ、汚れた洗浄液を第2の蓄積構造131に吸引するための第2の水ポンプ132と、を含む。
【0096】
また、第1の蓄積構造121および第2の蓄積構造131における洗浄液の液位をユーザがすぐに知ることができるように、この実施例において、ベースステーション1は洗浄液の液位を検出するための液位検出装置を含んでもよい。具体的には、この実施例は、
図5に示すように、第1の蓄積構造121と第2の蓄積構造131とにともに液位検出装置が設けられるとともに、それぞれの液位検出装置は、全て第1の導電性シート151と、第2の導電性シート152と、第3の導電性シート153とを含む。ここで、第1の導電性シート151は、環境の容量値を検出するために用いられ、第2の導電性シート152と第3の導電性シート153は、検出すべき洗浄液を収容する蓄積構造に設けられる。すなわち、第1の蓄積構造121と第2の蓄積構造131に設けられるとともに、第2の導電性シート152は洗浄液の液位変化による容量の差を検出するために用いられ、第3の導電性シート153は洗浄液の容量値を検出するために用いられる。異なる液位の液体は導電シートの容量値に影響するため、当該液位検出装置は第1の蓄積構造121および第2の蓄積構造122の洗浄液の液位をリアルタイムに検出できて、第1の蓄積構造121に新たな洗浄液を追加したり、第2の蓄積構造131を直ちに空にしたりすることができる。ここで、第1の導電性シート151と第2の導電性シート152は、測定した液位検出データを校正するために用いられることによって、液位検出結果をより正確にする。具体的な校正過程は以下の式を参照できる。
【0097】
ここで、Hは最終的に取得した液位であり、
C
2は一定の液位があるときに、第2の導電性シート152により測定した容量値であり、
C
20は蓄積構造に液位がないときに、第2の導電性シート152により測定した容量値であり、
C
3は第3の導電性シート153により測定した容量値(液体で被覆されたとき)であり、
C
1は第1の導電性シート151により測定した容量値(空気中で)であり、
γは校正パラメータである。
【0098】
この実施例に係るベースステーション1は、作業過程で、
図23を参照してわかるように、拭き部材22111が洗浄槽111に収容されるとともに、表面全体が突起構造に圧着されて垂直軸線の回りを回転し、第1の蓄積構造121における洗浄液が第1の水ポンプ122で加圧された後に、液供給構造113を介して洗浄槽111に収容された拭き部材22111に噴射される。噴射過程で発生する衝撃力は、洗浄効果のさらなる改善に寄与し、また、洗浄後の汚れた洗浄液は、突起部112によって拭き部材22111から掻き落とされ、拭き部材22111の回転過程で遠心力の作用で拭き部材22111から振り切られ、液排出構造114に流れるとともに、第2の水ポンプ132によって第2の蓄積構造131に吸引される。
【0099】
これからわかるように、洗浄液供給装置12と汚水収集装置13との協働作用で、洗浄水槽111内の洗浄液を比較的きれいに保つことができ、汚れた洗浄液による拭き部材22111への二次汚染の発生を避けることによって、洗浄効果をさらに確保できる。また、拭き部材22111の洗浄過程での回転移動は、遠心脱水の作用を発揮することができ、洗浄後の拭き部材22111の過湿を防止できる。また、拭き部材22111が拭き過程で床面に多くの水が残って、床面の清潔度に影響を与え、さらに滑りなどの安全上の危険を招くことも防止できる一方、清掃ロボット2は拭き部材22111が過湿で木質床などの特殊な床面に適用できないことも防止でき、清掃ロボット2の適用範囲を効果的に拡大できる。これにより、洗浄過程で、適切な回転速度を保持して突起部112と摩擦洗浄されるように拭き部材22111を調整できるとともに、回転速度が速すぎて洗浄液が振り切られないように防止し、洗浄が完了した後、液供給構造113に洗浄液の供給を停止させるとともに、先に低い回転速度である期間に回転させるように拭き部材22111を制御し、大部分の水分を振り切ってから、回転を加速させ、さらに脱水させるように拭き部材22111を制御する。もちろん、具体的な回転速度や脱水程度は、実際の必要に応じて制御できる。
【0100】
この実施例において、洗浄液は水でもよく、水と洗浄剤の混合液でもよく、そのうち、水と洗浄剤の混合液が好ましく、拭き部材22111をよりきれいに洗浄できる。そのうち、水と洗浄剤の混合液を洗浄液として採用する場合に、第1の蓄積構造121は、混合した混合液を直接保管する容器を1つだけ含んでもよい。あるいは、第1の蓄積構造121は、1つの容器に洗浄剤を保管し、もう1つの容器に水を保管するように2つの容器を含んでもよい。この場合に、第1の水ポンプ122でそれぞれの容器から洗浄槽111に直接流すように洗浄剤と水を同時に駆動してもよいし、もう一つの第3の水ポンプを設けるようにしてもよい。即ち、第1の動力手段がさらに第3の水ポンプを含み、第3の水ポンプで先に水と混合するように洗浄剤を駆動してから、第1の水ポンプ122で洗浄槽111に流すように混合した混合液を駆動してもよい。
【0101】
拭き部材22111の湿度をさらに制御しやすいように、この実施例に係るベースステーション1は、洗浄済みの拭き部材22111を乾燥する乾燥装置をさらに含んでもよい。清掃ロボット2がベースステーション1から退出した後、拭き部材22111に適度な水分が残ることが確保され、過湿による床面のウェット滑りや、過湿によるカビが発生しないようにする。また、ベースステーション1に乾燥装置を設けることで、乾燥過程をベースステーション1で完了させることができ、ベースステーション1の機能をさらに豊かにすることができるだけでなく、後処理ステップを簡素化し、効率を向上させることができる。
【0102】
また、清掃ロボット2がベースステーション1を進出しやすくするために、ベースステーション1は、拭き部材洗浄装置11に設けられたガイド構造をさらに含んでもよい。当該ガイド構造は、拭き部材22111が拭き部材洗浄装置11を進出するように拭き部材洗浄装置11に対して移動するように清掃ロボット2をガイドするために用いられる。具体的には、
図4に示すように、この実施例において、ベースステーション1は、拭き部材洗浄装置11(具体的には洗浄槽111の縁部)から斜め下方に傾斜して地面まで延びる、ガイド構造としてのガイド面116を含む。このように、当該ガイド面116は、当該ガイド面116に沿って洗浄槽111の縁部の高さまで這い上がるように清掃ロボット2をガイドすることができ、拭き部材22111が洗浄槽111に進入しやすくなる。
図21と
図22に示すように、当該ガイド面116は、前述した清掃ロボット2の突き上げ機構24と協働させて用いられると、清掃ロボット2をベースステーション1をさらに進出させやすく、清掃ロボットシステムの作業効率を向上させることができる。もちろん、ガイド構造はこの実施例に示す構造形式に限らず、ガイド板116および/またはガイドホイール119をさらに含んでもよい。この点については、後で
図24〜35に示す第2の実施例および
図53に示す実施例でさらに説明する。
【0103】
充電装置14は、清掃ロボット2のバッテリ28を充電するために用いられ、ベースステーション1の充電機能を実現する。
図2〜4に示すように、この実施例において、充電装置114がガイド面116に設けられているので、清掃ロボット2がガイド面116に這い上がると、充電装置114が清掃ロボット2を充電できる。充電装置14の充電方式は様々である。例えば、接触式充電方式で、ベースステーション1に設けられた充電シート141と清掃ロボット2に設置された充電コンタクト252(例えば、
図28および
図29に示す)との接触で充電過程を実現してもよい。さらに、例えば、無線充電方式で、清掃ロボット2のシャーシ202に設けられた誘導コイルとベースステーション1のガイド面116に設けられた充電コイルとの協働により、無線充電を実現してもよい。
【0104】
図24〜35は、清掃ロボットシステムの第2の実施例を示す。
【0105】
図24〜
図35に示すように、この第2の実施例は第1の実施例と基本的に同じである。ここで、ベースステーション1は依然として清掃ロボット2を充電し、清掃ロボット2の2つの拭き部材22111を洗浄可能であり、かつ、清掃ロボット2の2つの拭き部材22111は依然として垂直軸線の回りを逆回動可能であり、それぞれの拭き部材22111も依然としてシャーシ202に対して揺動可能である。両者の相違点は主に下記にある。即ち、垂直軸線の回りを逆回動させるように2つの拭き部材22111を駆動する拭き駆動機構2212の具体的な構造が異なり、また、拭き部材22111がシャーシ202に対して揺動する具体的な実現形式が異なる。さらに、ごみ収集装置23の具体的な構造がやや異なり、さらに、ベースステーション1のベースステーション本体10、第1の蓄積構造121、第2の蓄積構造131およびガイド構造の具体的な構造がやや異なる。そこで、以下、この4つの面の相違点に着目して説明する。他の説明しない部分については、第1の実施例を参照して理解できる。他の実施例を紹介する際にも、その相違点のみに着目して紹介する。
【0106】
図27〜34は、この第2の実施例における清掃ロボット2の構造を示す。
【0107】
図28〜31に示すように、この第2の実施例において、拭き駆動機構2212は、依然として、ウォームギアウォーム機構を用いて出力軸22123にトルクを伝達するが、ウォームギアウォーム機構におけるウォームモータは、ダブルウォームモータ22121を用いるものではなく、2つのシングルウォームモータ22121’を用いる。それぞれのシングルウォームモータ22121’は、ウォームギアウォーム機構における2つのウォームギア22122と1対1に対応して噛合して伝動されることで、2組のウォームギアウォームの回転方向を異ならせることで、縦方向に配置された出力軸22123回りを逆回転させるように2つの拭き部材22111を駆動し、清掃ロボット2のヘッドの相対的な動きバランスを確保しながら、拭く効果を改善することができると同時に、掃除作用を発揮し、ごみを中央に収集し、ごみ収集装置23に収集されやすくする。
【0108】
図32a〜
図32cに示すように、拭き手段2211と拭き駆動機構2212との揺動可能な接続を実現するために、さらに拭き手段2211とシャーシ202との揺動可能な接続を実現するために、この第2の実施例において、出力軸22123と拭き手段2211との間に柔軟性接続ブロック2216などの柔軟な接続構造を設けるものではなく、拭き手段2211と拭き駆動機構2212との間の係合関係を隙間嵌合として設ける。具体的には、
図32cに示すように、この第2の実施例において、出力軸22123と圧着ディスク22112との間で隙間嵌合され、出力軸22123と圧着ディスク22112との間の隙間によって、圧着ディスク22112が出力軸22123に対して一定の隙間揺動角度を有することができる。拭き部材22111が圧着ディスク22112に設けられているため、このような拭き手段2211と拭き駆動機構2212との間の隙間で嵌合される嵌合方式は、隙間での動きを利用して拭き手段2211とシャーシ202との揺動可能な接続を実現できて、拭き部材22111は床面の実際の状況に応じてそれ自体の揺動角度を変化させ、床面に適応するという目的を達成することができる。
【0109】
そして、この実施例において、
図32bに示すように、拭き手段2211を着脱しやすくするために、拭き手段2211の圧着ディスク22112と拭き駆動機構2212の出力軸22123との間に、拭き手段2211と拭き接続構造を吸着できる磁気吸着部材2217が設けられている。磁気吸着部材2217を設けることで、圧着ディスク22112と出力軸22123との間の剛性的な接続を回避し、両者の着脱可能な接続を実現できるとともに、磁力吸着により接続を実現するには、拭き手段2211を着脱する必要がある場合に、引き抜きおよび係合だけすればよく、非常に簡単で便利である。もちろん、拭き手段2211と拭き駆動機構2212との着脱可能な接続を実現するには、ねじ接続具、係止具およびフック掛け具などの他の方式の1つまたは複数を採用してもよい。
【0110】
図33および
図34に示すように、この第2の実施例において、ごみ収集装置23は依然として吸塵装置を採用し、吸塵口236は依然として2つの拭き部材22111の前方の中央部に設けられるが、前述した第1の実施例に対して、濾過構造が変わり、フィルタ233を採用する代わりに、HEPAフィルタ233’に置換され、HEPAフィルタ233’で気流中のほこりを濾過するとともに、対応してHEPAフィルタ233’を支持するためのHEPAフィルタホルダ2331’が設けられるとともに、集塵箱231の箱体2313と箱カバー2314との間に濾過ホルダ238が設けられる。HEPAフィルタ233’は当該濾過ホルダ238の外側に設けられ、箱体2313と除塵ファン234の流体で連通する通路にあり、また、箱カバー2314に把手2315が増設され、把手2315は位置決めピン2316で箱カバー2314に取り付けられ、ユーザは集塵箱231を取り出しやすく、集塵箱231内のほこりを直ちに空にすることができる。
【0111】
上述したいくつかの主な相違点に加えて、この第2の実施形態に係る清掃ロボット2は第1の実施例とさらに他の異なる箇所も存在する。
図28に示すように、この第2の実施例において、清掃ロボット2のケース20の構造はやや異なり、アッパーケース201にバッテリ28を取り付けるためのバッテリ取付溝が設けられており、対応して、バッテリ取付溝およびその内部のバッテリ28を遮蔽し、バッテリ28を保護するとともに、全体の整然かつ美観を保持するように、バッテリ取付溝にアッパーケースカバー2011が被覆して設けられる。より着脱および保守しやすくするために、シャーシ202の下部にもロウアーケースカバー2021が増設されており、さらに、衝突感知板25には、レーザレーダ26と協働させて、より良好な走査・位置決めと障害物認識機能を実現するためのカメラ251と、ベースステーション1上の充電シート141に接触してバッテリ28への充電を実現するための充電コンタクト252と、が増設されている。
図25〜26は、この第2の実施例におけるベースステーション1の構造を示す。
【0112】
図25および
図26に示すように、この第2の実施例において、ベースステーション本体10は、支持フレーム101と支持フレームボトムカバー102を含む。ここで、洗浄液供給装置12および汚水収集装置13は支持フレーム101の上部に設けられるとともに、支持フレーム101の左右両側に位置し、支持フレームボトムカバー102は支持フレーム101の底部に設けられる。第1の蓄積構造121と第2の蓄積構造131はともにケース体1211と、ケースカバー1212と、提げ手1213と、係止具1214と、を含む。ここで、ケースカバー1212はケース体1211の頂端開口部に被覆して設けられ、手で提げやすいように提げ手1213はケースカバー1212に設けられ、ケース体1211とケースカバー1212との係止接続を実現するために、係止具1214はケース体1211とケースカバー1212との接続箇所に設けられている。
【0113】
図25および
図26に示すように、この第2の実施例において、洗浄槽111の槽開口に、例えば、スクレーパ117が設けられている。当該スクレーパ117は、洗浄槽111の槽開口に設けられることで、洗浄槽111の高さを高くすることができる。このことによって、洗浄槽111内の洗浄液が、拭き部材洗浄装置11が拭き部材22111を洗浄する過程で洗浄槽111の外に飛散しないように防止し、スクレーパ117が防水柵として機能できる一方、拭き部材22111が洗浄槽111に進入する前に、先に当該スクレーパ117を通過する必要があるため、当該スクレーパ117はさらに拭き部材22111が拭き部材洗浄装置11に進入する前に拭き部材22111上のごみを掻き取ることもできる。床面清掃過程で拭き部材22111に付着したごみが拭き部材22111と共に洗浄槽111内に進入しないように防止することによって、洗浄槽111における液供給構造113および液排出構造114の閉塞を低減できる。ここで、スクレーパ117は柔軟性部材または剛性部材でもよく、スクレーパ117は柔軟性部材、例えば、ゴムのワイパーブレードを採用することが好ましい。拭き部材22111が洗浄槽111に進入したときにスクレーパ117に押圧され、スクレーパ117の掻き止め作用を強める一方、スクレーパ117による拭き部材22111に対する掻き損を減少させることができ、さらにスクレーパ117として柔軟性部材を採用した場合に、拭き部材22111が完全に洗浄槽111内に入った後で、スクレーパ117は自動的に元に戻ることができ、依然として洗浄液の飛散を防止する作用を発揮する。もちろん、スクレーパ117は、洗浄槽111の槽開口に設けられなくてもよい。例えば、洗浄液の飛散および/またはごみを予め掻き取る作用を発揮するものであれば、ガイド面116に設けられてもよい。
【0114】
また、
図35からわかるように、清掃ロボット2がベースステーション1にさらに進入しやすくするために、この第2の実施例において、ベースステーション1のガイド構造は、拭き部材洗浄装置11の側方に設けられたガイド板115をさらに含み、ガイド面116の傾斜方向に沿ってガイド面116の底部まで延びることが好ましい。当該ガイド板115は、ガイド面116とともに、より正確かつ迅速にベースステーション1の拭き部材洗浄装置11に進入させるように清掃ロボット2の拭き部材22111をガイドすることができる。
図35に示すように、2つの拭き部材22111の回動方向が逆であり、ベースステーション1に進入したとき、もし1つの拭き部材22111がガイド板115に触れた場合に、拭き部材22111とガイド板115との摩擦力fによってルートのずれを訂正し、正しい軌道に沿ってベースステーション1に進入させるように清掃ロボット2を牽引することができる。これからわかるように、当該ガイド板115は清掃ロボット2の進出ルートのずれを訂正する作用も発揮することができる。
【0115】
また、清掃ロボット2をベースステーション1に進入させやすくする方式は、第1の実施例と第2の実施例に示すように、突き上げ機構24とベースステーション1のガイド構造との協働で実現できるほか、もちろん突き上げ機構24を設けずに、掃除ロボット2をガイド構造のガイド作用だけでベースステーションに進入させることを選択してもよい。
図53に示すように、ベースステーション1のガイド構造は、前述したガイド面116を含むだけでなく、ガイド面116に設けられるとともに上方に突出したガイドホイール119をさらに含んでもよい。この場合に、清掃ロボット2は、ベースステーション1に進入する際に、先にガイド面116のガイド作用で、それ自体の走行駆動力でガイドホイール119のある高さに這い上がってから、ガイドホイール119の作用で、清掃ロボット2の先端を反り上げて、拭き手段2211がガイドホイール119を乗り越えて洗浄槽111内に進入するまで、進入過程が完了する。拭き部材22111の洗浄が完了しベースステーション1から退出する必要がある場合に、清掃ロボット2は逆方向に移動して、同じくガイドホイール119とガイド面116の作用で退出過程がスムーズに完了できる。また、上に突出したガイドホイール119が洗浄過程で拭き部材22111と洗浄表面との接触に干渉しないように、
図53からわかるように、清掃ロボット2にガイドホイール119に適合する退避溝203を設け、拭き手段2211がガイドホイール119を乗り越えて洗浄槽111に進入した後に、ガイドホイール119がちょうど退避溝203に嵌め込まれることで、拭き部材22111を洗浄表面に密着させ、洗浄効果を確保できる。
図37は、上述した第1の実施例と第2の実施例のさらなる改善の実施例を示す。
【0116】
図37に示すように、前述した第1の実施例および第2の実施例との主な相違点は、この実施例に係る清掃ロボット2は、拭き装置221が拭き手段2211の後方に設けられたスクレーパ構造2219をさらに含むことである。当該スクレーパ構造2219が拭き手段221から落下するごみおよび/または汚水を掻き止めることができることによって、ごみおよび/または汚水が拭き手段2211によって拭かれた床面に残留しないように防止し、二次清掃を実現できる。当該スクレーパ構造2219は、ワイパーブレードや布条などでもよく、床面への掻き傷を低減するために柔軟性なものが好ましい。もちろん、スクレーパ構造221は、第1の実施例および第2の実施例に示す清掃ロボット2に限らず、本発明に係る他の清掃ロボット2にも適用できる。
【0117】
図38〜41は、清掃ロボットシステムの第3の実施例を示す。
【0118】
図38〜41からわかるように、この第3の実施例と前述した2つの実施例との相違点は、主にこの実施例に係る清掃ロボット2は、拭き装置221が1つの拭き手段2211のみを含むことに対応して、この実施例に係るベースステーション1の拭き部材洗浄装置11も1つの洗浄槽111のみを含むとともに、構造をさらにコンパクトにするために、ベースステーション1の洗浄液供給装置12と汚水収集装置13が上下に重ねて配置されるように変更されるということにある。この実施例に係る清掃ロボット2とベースステーション1はともに規格が小さく、小規模家庭の使用により適応できる。
【0119】
図41からわかるように、この第3の実施例において、拭き手段2211は依然としてシャーシ202に対して垂直軸線の回りを回動するとともに、拭き手段2211の垂直軸線回りの回動を実現するために、
図40に示すように、この実施例に係る拭き駆動機構2212は依然としてウォームモータを用いてトルクを出力するが、この実施例に係るウォームモータは1つのシングルウォームモータ22121’と1つのウォームギア22122のみを含むことで相違している。当該シングルウォームモータ22121’と当該ウォームギア22122との噛合を利用して垂直軸線の回りを回動させるように拭き手段2211を駆動し、床面に対するより効果的な清掃を実現する。
【0120】
このようなシングル拭き手段2211に基づく床面清掃装置22は、十分なごみ収集を実現するために、
図41に示すように、この実施例において、ごみ収集装置23の吸塵口236は拭き手段2211の周縁の外側に設けられている。ごみは拭き部材2211の周縁に沿って回転する拭き手段2211の外側に集められるので、このような配置方式では、収集口である吸塵口236が拭き手段2211によるごみに対する集合ルートにあるので、ごみを集塵箱231に収集しやすい。さらに、この実施例はさらにケース20の一方側の側壁にごみストッパ237が増設されるとともに、吸塵口236が拭き手段2211の周縁と当該ごみストッパ237との間に設けられることで、このごみストッパ237によるごみに対する遮断作用を利用して、ごみをさらに小さな領域に集めることができ、より効果的な収集を実現できる。
【0121】
上記3つの実施例において、洗浄槽111および突起構造の構造は基本的に同じである。ここで、洗浄槽111は断面円形の深槽であり、突起構造は放射状に並ぶ複数の曲線突起部を含む。なお、本発明において、洗浄槽111および突起構造の具体的な構造は、この3つの実施例に示す具体的な構造に限らない。
図48と
図49に示す変形例を例にすると、洗浄槽111は、さらに断面が長方形の浅い皿構造の洗浄皿に設けられてもよいし、突起部112は、さらに直線突起部や折れ線突起部に設けられてもよい。即ち、突起部112の断面の延伸ルートは直線や折れ線としてもよいし、また、複数の突起部112の並ぶ方式は放射状以外の他の方式、例えば、アレイ状を採用してもよく、アレイ状は直線アレイ状(すなわちマトリックス状)、円形アレイ状、あるいはリングアレイ状などでもよい。ここで、直線アレイ状は特に拭き部材22111と拭き部材洗浄装置11が相対的に水平に往復動する場合に適しており、拭き部材22111をよりきれいに洗浄できる。また、それぞれの洗浄槽111において、それぞれの突起部112の形状も異なってもよい。すなわち、複数の突起部112において、曲線突起部、直線突起部、折れ線突起部の任意の組み合わせが含まれてもよく、同様に、それぞれの洗浄槽111における突起部112の並ぶ方式も放射状やアレイ状などの多種の並ぶ方式の任意の組み合わせを採用してもよく、且つ、異なる洗浄槽111における突起部112の形状や並ぶ方式も同一でも異なってもよい。
【0122】
また、別の実施例において、突起部112は、洗浄槽111の底部に設けられる底部突起1121と、洗浄槽111の内側面に形成された側部突起1122とを含む。前記拭き部材洗浄装置11が前記拭き部材22111を洗浄する際に、前記底部突起1121は前記拭き部材22111の底面に相対回動しながら摩擦圧着式に接触し、前記側部突起1122は前記拭き部材22111の側面に相対回動しながら摩擦圧接式に接触する。これにより、底部突起1121によって拭き部材22111の底面を洗浄し、側部突起1122によって拭き部材22111の側面を洗浄できる。
【0123】
もちろん、拭き部材22111の側面を洗浄する方法は他にもある。例えば、2つの拭き部材22111を周縁接触とすることで、2つの拭き部材22111が同じ方向に回転すると、2つの拭き部材22111が中間接触の位置で相対的に動き、互いに摩擦して側面の洗浄が行われる。
【0124】
また、上記3つの実施例において、汚水収集装置13は、全て第2の動力装置の吸引作用で汚れた洗浄液の収集を実現するものである。しかしながら、本発明の他の実施例において、第2の動力装置を設けずに、
図54および
図55に示すように、第2の蓄積構造131を洗浄槽111の下方に直接設けるとともに、第2の蓄積構造131と洗浄槽111とを流体で連通させてもよい。この場合に、汚れた洗浄液は重力の作用で自動的に洗浄槽111から第2の蓄積構造111に流入し、簡単で便利であり、コストが低い。
【0125】
また、拭き部材22111に対するより良好な洗浄効果を実現するとともに、ユーザのさらに多様な使用ニーズ及びより一層の高品質な生活品質の追求を満たすために、本発明に係る洗浄液供給装置12は、拭き部材22111を洗浄するために必要な消毒液、芳香剤およびワックスをかけるためのワックス層などの補助材を供給するための補助材供給装置をさらに含んでもよい。当該補助材供給装置は洗浄槽111に補助材を直接供給することができるし、補助材を第1の蓄積構造121に供給し、補助材を洗浄液と混合してから、一緒に第1の動力装置の駆動作用で洗浄槽111に流すようにすることもできる。
【0126】
なお、本発明の他の実施例において、洗浄液供給装置12および/または汚水収集装置13を省略して、ベースステーション1を水道管および/または排水管が取り付けられた位置付近に直接設けてもよい。このように、ベースステーション1は水道管から供給された水道水を直接利用して拭き部材22111を洗浄でき、洗浄された汚水も排水管を通って直接排出でき、洗浄液供給装置12および/または汚水収集装置13を減らすことができるため、この方式によれば、ベースステーション1の構造をさらに簡単にすることができ、コストもさらに低い。
【0127】
また、上記3つの実施例において、シャーシ202に対して回動させるように拭き手段2211を駆動するための拭き駆動機構2212は、全てウォームギアウォーム機構で2つの出力軸22123に逆方向のトルクを伝達するが、実際には、本発明の他の実施例において、さらに歯車機構で2つの出力軸22123に逆方向のトルクを伝達することもできる。また、正に第1の実施例で説明したように従来の清掃ロボット2による拭く効果が悪いという課題を解決するために、拭き手段2211は、上述した3つの実施例のように、シャーシ202に対して垂直軸線の回りを回動するように設けられるほか、さらに水平軸線の回りを回動するように設けられてもよい。
図42と
図43は、水平軸線の回りを回動する拭き手段2211に基づいた第4実施例に係る清掃ロボットシステムを示す。
【0128】
図42に示すように、この第4の実施例において、清掃ロボット2の拭き手段2211は、水平に回動可能なドラムと、ドラムの外面に設けられた拭き部材22111とを含む。当該拭き手段2211は、拭き駆動機構2212の駆動作用で水平軸線の回りを回動する。このようにしても、拭き部材22111と床面との相対運動を増やし、拭く力を大きくし、拭く回数を多くするとともに、拭きと掃除の作用を同時に発揮することができるので、拭き部材22111による拭く効果も効果的に改善できる。
【0129】
この実施例に係る清掃ロボット2に対して、この実施例は前述した3つの実施例とは異なるベースステーション1を提供している。
図43に示すように、この実施例に係るベースステーション1は、拭き部材洗浄装置11の洗浄槽111に洗浄ローラ118が設けられるとともに、当該洗浄ローラ118で拭き部材22111に対する洗浄が実現される。拭き部材22111を洗浄する過程で、拭き部材22111は洗浄ローラ118に圧着され、洗浄ローラ118に支持されてから、洗浄ローラ118と拭き部材22111との相対回動で拭き部材22111に対する洗浄が実現される。ここで、洗浄ローラ118と拭き部材22111との相対回動は、拭き部材22111が能動的に回動してもよく、洗浄ローラ118が能動的に回動してもよい。或いは、両者はともに能動的に回動するが回動方向および/または回転速度の大きさが異なり、ここで、拭き部材22111が能動的に回動することが好ましい。その理由は、拭き部材22111の能動的な回動は、清掃ロボット2自体の拭き駆動機構2212を利用することで実現でき、ベースステーション1に洗浄ローラ118を駆動する機構を設ける必要があるため、ベースステーション1の構造をより簡単にすることができ、コストを低くし、しかも、拭き部材22111の能動的な回動により、一定の脱水作用を発揮でき、拭き部材22111は洗浄が完了した後に適度な湿度に保つようにすることができるからである。もちろん、洗浄ローラ118を有する拭き部材洗浄装置11も、同様に本発明の他の実施例に適用できる。
【0130】
また、清掃ロボット2の清掃効果をさらに改善するために、この第4実施例において、さらに床面清掃装置22にさらにごみ掻取具を設け、当該ごみ掻取具で床面清掃装置22に付着したごみを掻き取るようにしてもよい。ここで、ごみ掻取具は、ワイパーブレード2312でもよく、ロールブラシ2312’でもよく、
図44と
図45は、それぞれ対応する2種の清掃ロボット2の構造を示す。
【0131】
図44に示す清掃ロボット2において、ごみ掻取具には、清掃ロボット2のケース20に設けられるとともに、回転する拭き部材22111に接触可能なワイパーブレード2312が採用されると、拭き部材22111が回転して床面を清掃する過程で、拭き部材22111がワイパーブレード2312に接触するたびに、ワイパーブレード2312は拭き部材22111に付着したごみを掻き落とすことによって、拭き部材22111をきれいに保つことができ、床面の清潔度が確保できる。
【0132】
図45に示す清掃ロボット2において、ごみ掻取具には、ケース20に設けられるとともに、拭き部材22111と同方向に回転するロールブラシ2312’が採用され、ロールブラシ2312’と拭き部材22111との同方向の接触摩擦でも、拭き部材22111上のごみを掻き落とすこともできる。かつ、このような方式において、ロールブラシ2312’の回転もさらにごみ収集装置23にごみを投げる作用を発揮することができることによって、ごみ収集がさらに便利になる。
【0133】
さらに、
図44と
図45を結合すると、この2種の清掃ロボット2において、ごみ収集装置23は全て、ごみ収集装置23の収集口(吸塵口236)から下方に傾斜して地面まで延びるフラップ2311をさらに含むことが分かる。これにより、当該フラップ2311は、その位置に集まったごみを遮断でき、床面清掃装置22で清掃されたごみが収集口で収集できる範囲外に広がることを防止することによって、ごみ収集装置23での収集をより便利にするとともに、ごみが清掃された床面に二次汚染を与えることを防止できる。特に、拭き部材22111が、当該清掃ロボット2のシャーシ202に対して垂直軸線の回りを回動して清掃作業を行う場合に、当該フラップ2311は、集まったごみが拭き部材22111によって収集口から離れることを避けることができる。さらに、当該フラット2311は、前述したごみ掻取具と協働して、ごみ収集装置23が十分なごみ収集を実現するのにさらに役立つ。もちろん、
図44や
図45に示すごみ掻取具やフラップ2311も、ともに本発明の他の実施例にも適用できる。
【0134】
また、前述した各実施例は、いずれも拭き手段2211がシャーシ202に対して回動する例で本発明を説明したが、実際には、拭き部材22111と床面との相対運動を増やすことで拭き装置221による拭く効果を改善するために、本発明に係る拭き手段2211は、さらにシャーシ202に対して水平往復動可能に設けられてもよい。すなわち、拭き手段2211は床面に対して回動することで拭く効果を改善できるだけでなく、床面に対して水平往復動することで拭く効果を改善できる。
図46と
図47に示す実施例において、拭き手段2211はともにシャーシ202に対して水平往復動が可能である。この場合に、拭き部材22111は床面に対して押動式清掃を行い、床面に対する往復拭きによって汚れやごみを取り除き、手動拭き方式と同様に、拭き装置2211の後部にごみが残るのを減らすことができる。このような拭き手段2211が水平往復動可能な清掃ロボット2によれば、より便利にベースステーション1と協働させて、拭き部材洗浄装置11が拭き部材22111と相対的に移動する過程で拭き部材22111に対する洗浄を実現できる。また、本発明において、清掃ロボット2の拭き手段2211は、シャーシ202に対して回動可能でありながら、シャーシ202に対して水平往復動可能に設けられることができるとともに、床面の清掃過程では、回転拭きを先に行ってから、押動拭きを行うことが好ましく、回転式拭き方式と押動式拭き方式の利点をまとめて、より効果的な床面の清掃を実現できる。
【0135】
また、前述した各実施例において、床面清掃装置22は、全て拭き装置221のみを含む。実際には、本発明の他の実施例において、床面清掃装置21は、床面のごみを掃除するための掃除装置222を同時に含んでもよく、清掃ロボット2が、拭き装置221と専用の掃除装置222とを同時に利用することで床面を清掃でき、より清潔な床面清掃効果が得られる。専用の掃除装置222が設けられる場合に、掃除装置222は、拭き装置221の前方および/または後方に設けられることができる。ここで、拭き装置221の前方に設けられることが好ましく、これにより、「先に掃除、後で拭き」という清掃モードを実現しやすく、掃除装置222でほとんどのごみ(ほこりや大きな粒状物)を先にきれいに掃除してから、拭き装置221で残った掃除しにくいごみ(例えば、頑固な汚れ)などをさらに清掃し、床面の清潔度を向上させる。その中の1つの実施例を
図47に示す。
図47に示すように、この実施例において、床面清掃装置22は、水平往復動の拭き手段2211と、拭き手段2211の前方に設けられるとともに、掃除装置222として用いられるサイドブラシ2221とを含む。吸塵口236は、拭き手段2211とサイドブラシ2221との間に設けられ、三者が協働して床面を清掃する。当業者であれば、掃除装置222がサンドブラシ2221に限らず、各種の掃除装置222が各種の拭き手段2211と協働して使用できることを理解しやすい。
【0136】
さらに、上述した各実施例のさらなる改善として、さらに上述した拭き手段2211の拭き部材22111の周縁に清掃部材(例えば、ブラシ毛や刷毛)を設けることも可能である。これにより、拭き手段2211自体を掃く・拭くの一体化構造にし、掃きと拭きとの機能を兼ね備えることができ、専用の掃除装置222を別途設けなくても、拭き手段2211自体でもごみ(特に毛髪などのごみ)をより十分に集めることができ、より良好な清掃効果を実現できる。且つ、拭き部材22111の周縁に設けられた清掃部材は、さらに拭き手段2211が床面のエッジを清掃する際に床面のエッジに密着でき、拭き装置221の清掃範囲を効果的に広げることができ、室内の隅に対する清掃ロボット2の清掃をより効果的に完了できる。
【0137】
また、上述した各実施例における拭き手段2211のシャーシ202に対する揺動は、全て拭き手段2211と拭き駆動機構2212との揺動可能な接続によって実現されるが、実際には、実現方式はこれに限らない。例えば、さらに拭き駆動機構2212をシャーシ202に揺動可能に接続することで拭き手段2211の揺動を実現してもよい。このとき、拭き手段2211と拭き駆動機構2212とは非揺動接続(例えば、両者が固定接続)となり、実際には、拭き手段2211とシャーシ202とが拭き駆動機構2212を介して接続されると、拭き手段2211は拭き駆動機構2212に揺動可能に接続され、および/または、拭き駆動機構2212はシャーシ202に揺動可能に接続され、いずれも拭き手段2211のシャーシ202に対する揺動が実現できる。さらに、例えば、拭き手段2211がシャーシ202に対して回動および/または水平往復動を行わない場合に、拭き駆動機構2212は、非駆動式の拭き手段2211とシャーシ202とを接続する拭き接続構造に置換できる。この場合に、拭き手段2211のシャーシ202に対する揺動を実現するには、拭き手段2211を当該非駆動式の拭き接続構造に揺動可能に接続し、および/または、当該非駆動式の拭き接続構造をシャーシ202に揺動可能に接続することができる。
【0138】
これからわかるように、本発明において、拭き手段2211とシャーシ202とを接続する拭き接続構造は、駆動式の拭き接続構造(例えば、前述した各実施例における拭き駆動機構2212)でもよく、非駆動式の拭き接続構造(例えば、拭き手段2211とシャーシ202との間に接続された接続軸)でもよい。拭き手段2211とシャーシ202がどのような拭き接続構造に基づいて接続されても、拭き手段2211は全て拭き接続構造を介してシャーシ202と揺動可能に接続されることができ、拭き手段2211を拭き接続構造に揺動可能に接続すればよく、および/または拭き接続構造をシャーシ202に揺動可能に接続すればよい。
【0139】
なお、本発明において、ごみ収集装置23は、上述した各実施例に示す吸塵装置を採用することができるほか、他の構造の形式を採用してもよい。例えば、除塵ファン234や送風機ダクト235などを設けずに、ごみはそれ自体の慣性作用や床面清掃装置22の集合作用でのみ収集口からごみ収集装置23の内部に入るようにしてもよい。この場合に、ごみ収集装置23はごみに対してさらなる作用はせず、塵取りのみとして使用される。
【0140】
上記は本発明の例示的な実施例に過ぎず、本発明を制限することものではない。本発明の精神および原則から外れない範囲内で行った一切の補正、同等な置換および改善などは、全て本発明の保護範囲に含まれるべきである。