(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クロックレーンと前記データレーンとが第1モードに設定された場合、前記インターフェース回路は、前記データレーンにより伝送される前記データ信号に対してクロック再生を行い、前記クロック再生で得られた再生クロック信号に同期して前記データ信号をサンプリングすることで前記受信データを生成し、
前記クロックレーンと前記データレーンとが第2モードに設定された場合、前記インターフェース回路は、前記クロックレーンにより伝送される前記外部クロック信号に同期して前記データ信号をサンプリングすることで前記受信データを生成し、
前記制御回路は、前記クロックレーンと前記データレーンとが第2モードに設定され、かつ、前記第1パケットを前記受信データにおいて検知した場合に、前記内部クロック信号の前記駆動部への出力を開始する
請求項1に記載の表示ドライバ。
前記制御回路は、前記インターフェース回路から受け取った前記受信データにおいて前記第1パケットを検知したとき、前記内部クロック信号の出力の開始後の所定の期間、前記内部クロック信号を前記駆動部に供給するように構成された
請求項1又は2に記載の表示ドライバ。
前記制御回路は、前記インターフェース回路から受け取った前記受信データにおいて水平同期期間の開始を示す第2パケットを検知したとき、所定の期間、前記内部クロック信号を前記駆動部に供給するように構成された
請求項1又は2に記載の表示ドライバ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の表示装置は、液晶表示装置1として構成されており、この液晶表示装置1とホスト4とで例えば携帯機器に組み込まれる表示装置システムが構成される。
【0015】
液晶表示装置1は、液晶表示パネル2と表示ドライバ3とを備えている。液晶表示パネル2は、行列に配置された画素と、複数のゲート線と、複数のソース線とを備えている(ただし、画素、ゲート線、ソース線は、いずれも、
図1には図示されていない)。各画素は、対応するゲート線及びソース線に接続されている。
【0016】
表示ドライバ3は、ホスト4と通信可能に接続されており、ホスト4から受け取ったデータに応答して液晶表示パネル2を駆動する。本実施形態では、表示ドライバ3とホスト4の間の通信に、MIPI−DSIが用いられる。詳細には、表示ドライバ3とホスト4とが、クロックレーンと4つのデータレーンとで接続されている。クロックレーンは、差動クロック信号(外部クロック信号)をホスト4から表示ドライバ3に供給するために用いられ、各データレーンは、差動データ信号をホスト4から表示ドライバ3に供給するために用いられる。各レーンは、差動信号を伝送する一対の信号線を含んでいる。
図1においては、記号DSI_CLKP、DSI_CLKNは、クロックレーンを構成する一対の信号線を示している。また、記号DSI_DATA0P、DSI_DATA0Nは、データレーン“0”を構成する一対の信号線を示しており、記号DSI_DATA1P、DSI_DATA1Nは、データレーン“1”を構成する一対の信号線を示している。同様に、記号DSI_DATA2P、DSI_DATA2Nは、データレーン“2”を構成する一対の信号線を示しており、記号DSI_DATA3P、DSI_DATA3Nは、データレーン“3”を構成する一対の信号線を示している。なお、
図1には、4つのデータレーンが設けられている構成が図示されているが、MIPI−DSI規格では、データレーンの数は1以上4以下であると規定されており、データレーンの数は、4に限定されない。
【0017】
表示ドライバ3は、インターフェース回路11と、制御回路12と、駆動部13と、電源回路14とを備えている。
【0018】
インターフェース回路11は、ホスト4から差動クロック信号及び差動データ信号を受信するレシーバとして動作する。インターフェース回路11は、MIPI−DSIに対応した動作を行うように構成されている。上述のように、MIPI−DSIの規格には、LP(low power)モード及びHS(high speed)モードが規定されている。LPモードとHSモードとの間の切り換えは、クロックレーンとデータレーンとで個別に行われ得る。ただし、クロックレーンがLPモードに設定され、データレーンがHSモードに設定される状態は許容されない。LPモードからHSモードの遷移及びHSモードからLPモードへの遷移は、ホスト4が、クロックレーン又はデータレーンの2本の信号線の電位を、特定のシーケンスで変化させることによって行われる。インターフェース回路11は、クロックレーン及びデータレーンのそれぞれの2本の信号線の電位からクロックレーン及びデータレーンのそれぞれの通信モードの遷移を認識する。
【0019】
インターフェース回路11の動作は、クロックレーン及びデータレーンが設定される通信モードに応じて切り替えられる。データレーンがLPモードに設定されると、クロックレーンがHSモード、LPモードのいずれに設定されていても、インターフェース回路11は、各データレーンにより伝送される差動データ信号に対してクロック再生を行い、このクロック再生で得られた再生クロック信号に同期して各差動データ信号をサンプリングすることにより差動データ信号で伝送される受信データを受信する。
【0020】
一方、クロックレーンとデータレーンとがいずれもHSモードに設定されると、インターフェース回路11は、クロックレーンで伝送される差動クロック信号に同期して差動データ信号をサンプリングすることにより差動データ信号で伝送される受信データを受信する。インターフェース回路11は、受信した受信データを逐次に出力する。
図1では、インターフェース回路11から出力される受信データが、記号“DSI_DATA”によって示されている。
【0021】
加えて、インターフェース回路11は、クロックレーンがHSモードに設定されている場合には、差動クロック信号をシングルエンド信号に変換することによってクロック信号DSI_CLKを生成し、生成したクロック信号DSI_CLKを出力する。クロック信号DSI_CLKは、クロックレーンで伝送される差動クロック信号に同期しており、同一の周波数を有している。HSモードにおいてクロックレーンによって
伝送される差動クロック信号の周波数は、LPモードにおいて各データレーンにより伝送される差動データ信号のクロック再生によって得られる再生クロック信号の周波数よりも高く、よって、クロック信号DSI_CLKの周波数も該再生クロック信号の周波数より高い。
【0022】
また、インターフェース回路11は、表示ドライバ3からホスト4に差動データ信号を送信するトランスミッタとしても動作する。表示ドライバ3からホスト4への差動データ信号の送信には、信号線DSI_DATA0P、DSI_DATA0Nで構成されるデータレーン“0”が用いられる。表示ドライバ3からホスト4に差動データ信号を送信する場合、データレーン“0”がLPモードに設定され、データレーン“0”を介して表示ドライバ3からホスト4に差動データ信号が送信される。
【0023】
制御回路12は、インターフェース回路11から受け取ったクロック信号DSI_CLKと受信データDSI_DATAとを処理する回路である。制御回路12は、概略的には、下記のように動作する。
【0024】
第1に、制御回路12は、クロック信号DSI_CLKから内部クロック信号INT_CLKを生成する。内部クロック信号INT_CLKは、クロック信号DSI_CLKに同期した信号であり、後述されるように、液晶表示パネル2を駆動する回路群に供給される。
【0025】
第2に、制御回路12は、受信データDSI_DATAに含まれる受信パケットを解析し、受信パケットの内容に応じた様々な動作を行う。例えば、受信パケットがコマンドパケットである場合、制御回路12は、コマンドパケットの内容に応じて、レジスタ回路21への制御データのアクセスを行う。
図1では、レジスタ回路21に書き込まれる制御データが記号“write_DATA”として示されており、レジスタ回路21から読み出される制御データが記号“read_DATA”として示されている。また、受信パケットが画像データを格納している場合、制御回路12は、該受信パケットに格納されている画像データを画像IPコア15に転送する。
図1では、画像IPコア15に転送される画像データが記号“PIXEL_DATA”で示されている。後述されるように、制御回路12は、受信データDSI_DATAに含まれる受信パケットの種別に応じて、内部クロック信号INT_CLKの出力の開始、出力の停止を制御する機能を有している。
【0026】
一実施形態では、制御回路12は、内部クロック生成回路30と、パケット解析回路31と、画素カウンタ32と、OR回路33と、セレクタ34とを備えている。
図1では、制御回路12の構成が簡略化して部分的に図示されているが、実際には、制御回路12が、他の回路を含み得ることに留意されたい。
【0027】
内部クロック生成回路30は、クロック信号DSI_CLKから内部クロック信号INT_CLKを生成する。一実施形態では、内部クロック生成回路30は、クロック信号DSI_CLKを分周することによって内部クロック信号INT_CLKを生成する。
【0028】
パケット解析回路31は、受信データDSI_DATAに含まれる受信パケットを解析し、その解析結果に応じた様々な動作を行う。本実施形態では、パケット解析回路31は、下記のように動作する。
【0029】
第1に、パケット解析回路31は、受信データDSI_DATAにおいて特定の種別の受信パケットを検知するとパケット検出信号S
PKT_DETECTをアサートする。本実施形態では、パケット解析回路31は、水平同期パケット(Hsync packet)又はコマンドパケット(command packet)を検知すると、所定の期間、パケット検出信号S
PKT_DETECTをアサートする。水平同期パケット(Hsync packet)とは、水平同期期間の開始を示すパケットであり、コマンドパケットとは、表示ドライバ3の動作を制御するコマンドを格納しているパケットである。水平同期パケット、コマンドパケットは、いずれも、MIPI−DSIの規格に規定されたパケットである。パケット検出信号S
PKT_DETECTがアサートされる期間の長さは、パケット解析回路31によって検知されたパケットの種別に依存して決められていてもよいし、また、コマンドパケットに含まれるコマンドの種別に依存して決められていてもよい。
【0030】
第2に、パケット解析回路31は、受信データDSI_DATAにおいてpacked pixel streamを検知すると、所定の期間、画素データストリーム開始信号S
STR_STARTをアサートする。packed pixel streamとは、画像データのホスト4から表示ドライバ3への伝送の開始を示すパケット(画像データのホスト4から表示ドライバ3への伝送の開始を表示ドライバ3に通知するパケット)であり、MIPI−DSIの規格に規定されている。
【0031】
画素カウンタ32は、各水平同期期間において現時刻が有効表示期間にあるか否かを示す表示期間信号S
DSP_PRDを生成する。詳細には、画素カウンタ32は、画素データストリーム開始信号S
STR_STRRTのアサートに応答して、表示期間信号S
DSP_PRDをアサートすると共に、カウント動作を開始する。カウント動作により、画素カウンタ32が保持するカウント値がカウントアップされる。画素カウンタ32は、カウント値が所定値に到達すると、表示期間信号S
DSP_PRDをネゲートする。
【0032】
OR回路33は、パケット検出信号S
PKT_DETECTと画素データストリーム開始信号S
STR_STARTの論理和を演算し、該論理和に対応する信号レベルを有する出力信号を出力する。OR回路33の出力信号は、内部クロック信号INT_CLKの制御回路12からの出力を許可し、又は、禁止する内部クロックイネーブル信号S
CLK_ENとして用いられる。即ち、OR回路33は、パケット検出信号S
PKT_DETECTと表示期間信号S
DSP_PRDとに応じて内部クロックイネーブル信号S
CLK_ENを生成するクロック制御回路として機能することになる。
【0033】
セレクタ34は、内部クロックイネーブル信号S
CLK_ENに応答して内部クロック信号INT_CLKを出力するクロックゲーティング回路として動作する。詳細には、セレクタ34は、内部クロックイネーブル信号S
CLK_ENがアサートされている場合、内部クロック信号INT_CLKを出力し、内部クロックイネーブル信号S
CLK_ENがネゲートされている場合、内部クロック信号INT_CLKの出力を停止する。内部クロック信号INT_CLKの出力が停止される場合、セレクタ34の出力は、論理“0”に対応する電位(例えば、Low電位又は接地電位)に設定される。
【0034】
駆動部13は、内部クロック信号INT_CLKに同期して動作し、制御回路12から受け取った画像データPIXEL_DATAに応答して液晶表示パネル2を駆動する。本実施形態では、駆動部13は、画像IPコア(intellectual property core)15と、メモリ16と、データラッチ17と、階調電圧選択回路18と、ソースドライバ回路19と、ゲート制御ドライバ20と、レジスタ回路21と、タイミングジェネレータ22とを備えている。
【0035】
画像IPコア15は、制御回路12から受け取った画像データPIXEL_DATAに対して所定の画像処理を行い、該画像処理によって得られた画像データをメモリ16に格納する。
【0036】
メモリ16は、画像IPコア15から受け取った画像データを一時的に保存する。一実施形態では、メモリ16は、1フレーム画像の画像データを保存するように構成される。データラッチ17は、メモリ16から読み出された画像データをラッチし、階調電圧選択回路18に転送する。一実施形態では、データラッチ17は、液晶表示パネル2の1ラインの画素(一のゲート線に接続された画素)に対応する画像データを同時にラッチするように構成される。階調電圧選択回路18は、データラッチ17から受け取った画像データに対応する階調電圧を選択し、選択した階調電圧をソースドライバ回路19に供給する。ソースドライバ回路19には、液晶表示パネル2の各ソース線に対応する階調電圧が階調電圧選択回路18から供給される。ソースドライバ回路19は、液晶表示パネル2の各ソース線を、階調電圧選択回路18から受け取った階調電圧に対応する電圧に駆動する。
【0037】
ゲート制御ドライバ20は、液晶表示パネル2のゲート線を駆動する。なお、液晶表示パネル2にゲート線を駆動するゲートドライバ回路が内蔵される場合(このようなゲートドライバ回路は、GIP(gate-in-panel)回路と呼ばれることがある)、ゲート制御ドライバ20は、該ゲートドライバ回路を制御する制御信号を液晶表示パネル2に供給してもよい。
【0038】
レジスタ回路21とタイミングジェネレータ22は、内部クロック信号INT_CLKに同期して動作して画像IPコア15、メモリ16、データラッチ17、階調電圧選択回路18、ソースドライバ回路19及びゲート制御ドライバ20を制御する制御部を構成している。詳細には、レジスタ回路21は、コマンドレジスタ21aとパラメータレジスタ21bとを備えている。コマンドレジスタ21aは、表示ドライバ3の動作を制御するコマンドを保持し、パラメータレジスタ21bは、表示ドライバ3の動作を制御する各種のパラメータを保持する。タイミングジェネレータ22は、コマンドレジスタ21aに保持されているコマンドとパラメータレジスタ21bに保持されている各種のパラメータとに応じて表示ドライバ3の各回路(例えば、画像IPコア15、メモリ16、データラッチ17、階調電圧選択回路18、ソースドライバ回路19及びゲート制御ドライバ20)の動作タイミングを制御する。
【0039】
電源回路14は、外部から供給される電源電圧から表示ドライバ3の各回路の動作に用いられる各種の電源電圧を生成し、生成した電源電圧を各回路に供給する。
【0040】
以下では、上記のように構成された本実施形態の表示ドライバ3の動作の概要について説明する。
【0041】
本実施形態では、表示ドライバ3が、各水平同期期間において内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給が不必要な期間に内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給を停止するように構成される。内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給を停止することで、駆動部13の動作が停止し、更に、内部クロック信号INT_CLKを駆動部13に供給するクロックツリー(信号線やバッファ)の電位の変動が起こらなくなるので、表示ドライバ3の消費電力を低減することができる。
【0042】
より具体的には、
図2を参照して、各水平同期期間は、一般に、水平バックポーチ期間(BP)と、有効表示期間と、水平フロントポーチ期間(FP)の3つの期間を含んでいる。有効表示期間においては、画像データの駆動部13への供給が行われるため、内部クロック信号INT_CLKが駆動部13に供給される。この場合、駆動部13は、内部クロック信号INT_CLKに同期して動作する。例えば、駆動部13の画像IPコア15は、内部クロック信号INT_CLKに同期して制御回路12から画像データを受け取り、また、メモリ16は、内部クロック信号INT_CLKに同期して動作して画像IPコア15から出力される画像データを格納する。
【0043】
一方、水平バックポーチ期間、水平フロントポーチ期間においては、駆動部13は画像データを処理する必要が無いので、基本的には、内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給は不要である。水平バックポーチ期間、水平フロントポーチ期間は、一般的には、一水平同期期間の20%程度を占めるため、水平バックポーチ期間、水平フロントポーチ期間において内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給を停止することで、相当な消費電力の低減が期待できる。
【0044】
ただし、水平バックポーチ期間、水平フロントポーチ期間においても、制御回路12が受け取った受信データDSI_DATAに含まれる受信パケットの種別によっては、内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給が必要になる場合がある。例えば、制御回路12が受信データDSI_DATAとしてコマンドパケットを受け取った場合、該コマンドパケットに指定されたコマンドを駆動部13のレジスタ回路21のコマンドレジスタ21aに格納すると共に、駆動部13は、該コマンドによって指定された動作を行う必要がある。このような場合、水平バックポーチ期間、水平フロントポーチ期間においても、内部クロック信号INT_CLKが駆動部13に供給される。
【0045】
このような技術的検討に基づき、本実施形態の表示ドライバ3は、各水平同期期間の各時刻における内部クロック信号INT_CLKを駆動部13に供給する必要性の有無を、受信データDSI_DATAに含まれる受信パケットの種別によって判断するように構成されている。本実施形態では、表示ドライバ3の制御回路12は、逐次に受信する受信データDSI_DATAに(1)水平同期パケット(Hsync packet)、(2)コマンドパケット(command packet)、(3)packed pixel streamを検知すると、内部クロック信号INT_CLKを駆動部13に供給するように構成される。上述のように、水平同期パケットは、水平同期期間の開始を示すパケットであり、コマンドパケットとは、表示ドライバ3の動作を制御するコマンドを格納しているパケットである。また、Packed Pixel Streamとは、以後、画像データがホスト4から表示ドライバ3に伝送されることを表示ドライバ3に通知するパケットである。
【0046】
より具体的には、制御回路12は、下記のように動作する。
【0047】
制御回路12は、受信データDSI_DATAにおいて水平同期パケット又はコマンドパケットを検知した場合、所定の期間、内部クロック信号INT_CLKを駆動部13に供給し、その後、内部クロック信号INT_CLKの供給を停止する。内部クロック信号INT_CLKが供給される期間の長さは、パケットの種別(水平同期パケット又はコマンドパケット)に依存して決められていてもよいし、また、コマンドパケットに含まれるコマンドの種別に依存して決められていてもよい。
【0048】
詳細には、制御回路12のパケット解析回路31は、受信データDSI_DATAにおいて水平同期パケット又はコマンドパケットを検知すると、所定の期間、パケット検出信号S
PKT_DETECTをアサートする。パケット検出信号S
PKT_DETECTがアサートされると、OR回路33から出力される内部クロックイネーブル信号S
CLK_ENがアサートされ、セレクタ34は、内部クロック信号INT_CLKの出力を開始する。その後、パケット検出信号S
PKT_DETECTがネゲートされると、内部クロックイネーブル信号S
CLK_ENがネゲートされ、セレクタ34は、内部クロック信号INT_CLKの出力を停止する。制御回路12の各回路のこのような動作により、受信データDSI_DATAにおいて水平同期パケット又はコマンドパケットを検知した場合、所定の期間、内部クロック信号INT_CLKを駆動部13に供給し、その後、内部クロック信号INT_CLKの供給を停止する動作が実現される。
【0049】
また、制御回路12は、受信データDSI_DATAにおいてpacked pixel streamを検知した場合、有効表示期間に相当する長さの期間、内部クロック信号INT_CLKを駆動部13に供給し、その後、内部クロック信号INT_CLKの供給を停止する。
【0050】
詳細には、制御回路12のパケット解析回路31は、受信データDSI_DATAにおいてpacked pixel streamを検知すると、所定の期間、画素データストリーム開始信号S
STR_STARTをアサートする。画素カウンタ32は、画素データストリーム開始信号S
STR_STARTのアサートに応答して表示期間信号S
DSP_PRDをアサートすると共に、カウント動作を開始する。表示期間信号S
DSP_PRDがアサートされると、OR回路33から出力される内部クロックイネーブル信号S
CLK_ENがアサートされ、セレクタ34は、内部クロック信号INT_CLKの出力を開始する。このとき、カウント動作により、画素カウンタ32が保持するカウント値がカウントアップされる。なお、画素カウンタ32は、各水平同期期間の開始時にリセットされる。その後、カウント値が所定値に到達すると、画素カウンタ32は、表示期間信号S
DSP_PRDをネゲートする。該所定値は、表示期間信号S
DSP_PRDがアサートされる期間(即ち、内部クロック信号INT_CLKが駆動部13に供給される期間)の長さが、有効表示期間に相当する長さ(例えば、有効表示期間と同一の長さ)になるように決められている。パケット検出信号S
PKT_DETECTがネゲートされると、内部クロックイネーブル信号S
CLK_ENがネゲートされ、セレクタ34は、内部クロック信号INT_CLKの出力を停止する。制御回路12の各回路のこのような動作により、受信データDSI_DATAにおいてpacked pixel streamを検知した場合、有効表示期間に相当する期間、内部クロック信号INT_CLKを駆動部13に供給し、その後、内部クロック信号INT_CLKの供給を停止する動作が実現される。
【0051】
なお、どの種別のパケットが受信データDSI_DATAにおいて検知されたときに内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給が行われるかは、表示ドライバ3の設計に応じて決定されていてもよい。
【0052】
図3は、本実施形態の表示ドライバ3の動作の例を示すタイミングチャートである。
図3には、第k水平同期期間及び第k+1水平同期期間の一部における表示ドライバ3の動作が図示されている。各水平同期期間においては、ホスト4から表示ドライバ3への通信は、HSモードで行われる。即ち、各水平同期期間の全体において、クロックレーン及びデータレーンは、HSモードに設定される。したがって、クロックレーンを介して差動クロック信号がホスト4から表示ドライバ3に供給され続け、また、クロック信号DSI_CLKがインターフェース回路11から制御回路12に供給され続ける。このような動作が行われるのは、各水平同期期間の長さはそれほど長くないため、各水平同期期間においては、HSモードとLPモードとの切り替えを行うのに十分な時間がないことによる。
【0053】
ホスト4から表示ドライバ3への通信を、HSモードで行うことは、消費電力の増大の原因になり得る。しかしながら、以下に述べられるように、本実施形態の表示ドライバ3では、下記のような動作が行われることにより、表示ドライバ3の消費電力が低減されている。
【0054】
各水平同期期間の開始時に、ホスト4は、水平同期パケット(Hsync Packet)をデータ
レーンで伝送される差動データ信号によって表示ドライバ3に送る。表示ドライバ3の制御回路12は、該差動データ信号から得られた受信データDSI_DATAにおいて水平同期パケット51を検知すると、水平同期信号Hsyncをアサートすると共に、内部クロック信号INT_CLKを所定の期間だけ駆動部13に供給する。これにより、駆動部13は、水平同期期間が開始された直後に行うべき動作を内部クロック信号INT_CLKに同期して実行することができる。なお、
図3では、水平同期信号Hsyncがローアクティブの信号であるとして図示されている。
【0055】
続く水平バックポーチ期間においてホスト4がブランキングパケット(blanking packet)やヌルパケット(Null packet)を表示ドライバ3に送信しても、制御回路12は、内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給を開始しない。これは、ブランキングパケット及びヌルパケットは駆動部13の動作に関係が無いためである。ここで、ブランキングパケット、ヌルパケットは、MIPI−DSIの規格に規定されたパケットであり、所定の間隔で受信側に送信することがMIPI−DSIの規格に決められている。
図3では、ブランキングパケット及びヌルパケットが、符号52によって参照されており、3つのブランキングパケット又はヌルパケット52が、第k水平同期期間の水平バックポーチ期間に表示ドライバ3に送信される場合の表示ドライバ3の動作が図示されている。
【0056】
その後、画像データの表示ドライバ3への送信を開始するとき、ホスト4は、packed pixel streamをデータ
レーンで伝送される差動データ信号によって表示ドライバ3に送る。表示ドライバ3の制御回路12は、該差動データ信号から得られた受信データDSI_DATAにおいてpacked pixel stream53を検知すると、内部クロック信号INT_CLKを有効表示期間に相当する期間、駆動部13に供給する。制御回路12は、packed pixel stream53に続いてホスト4から送られる画像データを駆動部13に転送する。駆動部13では、画像IPコア15によって転送された画像データに対して画像処理が行われ、画像処理がなされた画像データがメモリ16に格納される。その一方で、メモリ16から読み出された画像データに応答して液晶表示パネル2のソース線が駆動される。このような駆動部13の動作は、内部クロック信号INT_CLKに同期して実行される。
【0057】
有効表示期間が終了すると、制御回路12は、内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給を停止する。
【0058】
その後の水平フロントポーチ期間においてホスト4が、ブランキングパケット(blanking packet)やヌルパケット(Null packet)を表示ドライバ3に送信しても、制御回路12は、内部クロック信号INT_CLKの駆動部13への供給を開始しない。
図3では、3つのブランキングパケット又はヌルパケット52が、第k水平同期期間の水平フロントポーチ期間に表示ドライバ3に送信される場合の表示ドライバ3の動作が図示されている。
【0059】
水平バックポーチ期間又は水平フロントポーチ期間において、ホスト4が表示ドライバ3にコマンドパケット54を送信した場合、制御回路12は、受信データDSI_DATAにおいてコマンドパケットを検知すると、所定の期間、内部クロック信号INT_CLKを駆動部13に供給し、その後、内部クロック信号INT_CLKの供給を停止する。
図3には、第k+1水平同期期間の水平フロントポーチ期間においてコマンドパケット54が表示ドライバ3に送信される場合の表示ドライバ3の動作が図示されている。これにより、駆動部13は、コマンドパケット54に格納されたコマンドに指定された動作を内部クロック信号INT_CLKに同期して実行することができる。
【0060】
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されると解釈してはならない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には自明的であろう。例えば、以上には、本発明が液晶表示パネルを備える液晶表示装置において実施される実施形態が記載されているが、本発明は、他の表示パネル(例えば、OLED(organic light emitting diode)表示パネル)を備える表示装置にも適用され得る。
【0061】
また、以上には、表示ドライバ3とホスト4との間の通信にMIPI−DSIが用いられる実施形態が記述されているが、本発明は、表示ドライバとホストとの間の通信にMIPI−DSIに類似した通信プロトコルを用いるような表示装置システムに適用可能である。例えば、本発明は、表示ドライバとホストとが、
(1)クロックレーンとデータレーンとが第1モードに設定された場合、データレーンにより伝送されるデータ信号に対してクロック再生を行い、該クロック再生で得られた再生クロック信号に同期してデータ信号をサンプリングすることによって表示ドライバがデータ信号で伝送される受信データを受信し、
(2)クロックレーンとデータレーンとが第2モードに設定された場合、クロックレーンにより伝送される外部クロック信号に同期してデータ信号をサンプリングすることによって表示ドライバがデータ信号で伝送される受信データを受信する
ような通信プロトコルを用いる表示装置システム一般に適用可能である。