(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記機能操作部は、前記シートがリラックスポジションとされている際に、前記アームレストの前端よりも前方に配置されることを特徴とする請求項8に記載の車両用操作装置。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用操作装置11を、図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。また、以下の説明では、上下前後左右の各方向を用いるが、左右とは車両10を前方から見た場合の左右である。
【0033】
図1を参照して、本形態の車両用操作装置11が適用される車両10が備えるシート15を説明する。
図1(A)はシート15を示す斜視図であり、
図1(B)はリラックスポジョンとされているシート15を乗員12と共に示す側面図である。
【0034】
図1(A)を参照して、シート15は、乗員12の臀部を下方から支えるシートクッション16と、シートクッション16の後方端部に回動可能に接続して乗員12の背中を後方から支えるシートバック17と、シートバック17の上端に上下方向に移動可能に取り付けられて乗員12の頭部を後方から支えるヘッドレスト18と、を有している。更に、シートバック17の左右方向両側面には、乗員12の腕43を下方から支えるアームレスト19、20が回動可能に接続している。ここで、アームレスト19、20は、シート15の本体とは独立して設けることが可能であり、車両10の床面から伸びる図示しない支持部でアームレスト19、20を支持しても良い。本形態では、アームレスト19、20の形態を、自動運転時における乗員12による手動操作を円滑に行える形状としており、かかる事項は後述する。
【0035】
図1(A)には、車両10の加減速、操舵、シフトチェンジ等の操縦動作を乗員12が自身で行う手動運転時におけるシート15の形態を示しており、このような形態はドライビングポジションと称されている。
【0036】
図1(B)に、車両10の加減速、操舵、シフトチェンジ等の操縦動作を、ここでは図示しない制御装置が自動で行う自動運転時におけるシート15の形態を示す。このようなシート15の形態はリラックスポジションと称される。リラックスポジションにおけるシート15の形態は、ドライビングポジションのものと比較して、シート15全体が後方に移動され、シートバック17が後方に倒れ、更に、シートクッション16の後方部分が上昇している。このようにすることで、リラックスポジションのシート15の上面の形状が平坦面に近くなり、乗員12がシート15の上面に横臥することで、乗員12の疲労度を軽減することができる。更には、乗員12を車両10のステアリングハンドルやアクセルペダル等から遠ざけ、自動運転時の誤動作を防止することができる。ここで、リラックスポジションおよびドライビングポジションは、記憶装置に記憶された情報を呼び出すことでシート15の位置姿勢をアクチュエータで制御するシートメモリを用いて実行されても良い。
【0037】
更に、リラックスポジションでは、乗員12の腕43は、アームレスト20の上面に載置され、これにより自動運転時に乗員12の腕43が疲労することが防止される。本形態では、シート15のアームレスト20の前方近傍に、車両10の上記した操縦動作等の機能をコントロールする機能操作部40が配置されており、アームレスト20および機能操作部40で車両用操作装置11を構成している。車両用操作装置11の構成および動作は後述する。
【0038】
ここで、車両10の自動運転に関して説明する。自動運転状態では、図示しない制御装置が、現在の車両走行状態や外部環境等を常に監視する。そして、制御装置は、ブレーキ、アクセル、ハンドル等の操縦装置を制御し、現在の状況に応じて適切な自動運転を行う。更に、制御装置は、車両10が自動運転状態の際には、モータ等のシート駆動装置を駆動することで、シート15をドライビングポジションからリラックスポジションとする。また、制御装置は、制御装置自身の判断によりまたは乗員12の操作に基づいて、自動運転から手動運転に移行し、その後は乗員12が上記した操縦装置を操作して車両10を操縦する。更に、自動運転から手動運転に移行する際には、制御装置は、シート駆動装置を駆動することで、シート15をリラックスポジションからドライビングポジションとする。
【0039】
また、車両10が自動運転状態であっても、乗員12による手動操作が必要とされる場合がある。具体的には、上記したように、自動運転時に於いて前方を走行する他車を追い抜くか否か、追い抜く場合は左右のどちらの走行路に車線変更するか、等の乗員の意思決定を必要とする動作は、乗員12が、機能操作部40を操作することで、車両10に指示を与える。また、車両10が目的地付近に自動運転により到着したら、目的地付近の駐車場のどの位置に車両を駐車するかを、乗員12が機能操作部40を操作することで指示する。更に、車両10が自動運転動作を実行している際に、車両10の前方に障害物が存在する等の非常事態が発生した場合は、その非常事態を回避するべく、乗員12が機能操作部40を操作することで、車両10に指示を与える。かかる事項は詳述する。
【0040】
図2を参照して、本形態の車両用操作装置11を詳述する。
図2(A)はシート15を上方から見た上面図であり、
図2(B)はアームレスト20を上方から見た上面図であり、
図2(C)はアームレスト20の先端部付近に於ける断面図であり、
図2(D)はアームレスト20の中央部付近に於ける断面図である。なお、
図2(A)では、シート15に横臥する乗員12を点線で示している。
【0041】
図2(A)を参照して、シート15のシートバック17の左右方向両側面には、上記したようにアームレスト19、20が配設されており、アームレスト19、20は乗員12が腕43を動かしやすい形状を呈している。
【0042】
図2(B)を参照して、アームレスト20の上面には、接触面32と、ガイド面30、31が形成されている。接触面32は、アームレスト20の上面中央部分に形成された水平な平坦面であり、自動運転時には乗員12の腕43や手44は接触面32の上面に載置される。
【0043】
ガイド面30は、アームレスト20の上面の左方部分を左方に向かって下方に傾斜させた傾斜面である。換言すると、ガイド面30は、接触面32の左方端部側辺から、下記する機能操作部40に向かって延在している。後述するように、車両10の機能を操作しようとする乗員12の腕43を、ガイド面30に沿って左方に容易に移動させることができる。同様に、ガイド面31は、アームレスト20の上面の右方部分を右方に向かって下方に傾斜させた傾斜面であり、後述するように、車両10の機能を操作しようとする乗員12の腕43を、ガイド面30に沿って右方に容易に移動させることができる。ここで、ガイド面30、31は、平坦な傾斜面でも良いし、上方に凸状に湾曲する傾斜面でも良いし、下方に凸状に湾曲する傾斜面でも良い。
【0044】
本形態では、接触面32とガイド面30、31とは、連続する面として形成されている。ここで、接触面32とガイド面30、31とは、両者が直接的に連続しても良い。更には、接触面32とガイド面30、31との間に両者を繋ぐ図示しない中継面を形成し、この中継面を経由して接触面32とガイド面30、31とが間接的に連続しても良い。また、接触面32とガイド面30、31とが連続することで形成される連続面は、曲線状であっても良いし、直線状であっても良い。このように、接触面32とガイド面30、31とを連続面として形成することで、乗員12の腕43や手44を、この連続面に沿ってスムーズにスライドさせ、乗員12の手44で容易且つ正確に機能操作部40を操作できる。
【0045】
ここで、
図2(B)に示すように、ガイド面30の上端部は、上面視に於いて、後方に向かって内側に配置される傾斜形状とされており、換言すると、ガイド面30は後方部分が前方部分よりも内側に切れ込んでいる。よって、
図2(C)に示すように、アームレスト20の先端部付近では、ガイド面30の左右方向の幅は狭くなる。また、
図2(D)に示すように、アームレスト20の中央部付近では、ガイド面30の左右方向の幅は広くなる。
【0046】
乗員12は、後述する機能操作部40を操作する際には、その腕43をアームレスト20の後端部付近に規定される回転中心42を中心として、時計回りに回転させて、操作動作を行う。その際、ガイド面30の後方部分が左右方向内側に切れ込んでいることで、乗員12はその腕43をガイド面30に沿ってスライドさせつつ回転させることができる。
【0047】
かかる事項は、ガイド面31に関しても同様であり、
図2(B)に示すように、ガイド面31の上端部は、上面視に於いて、後方に向かって内側に配置される傾斜形状とされている。係る形状により、乗員12が後述する機能操作部41を操作する際に、乗員12はその腕43をガイド面31に沿ってスライド且つ回転させることができる。
【0048】
図2(B)および
図2(C)を参照して、本形態では、車両10の機能を操作する機能操作部40を、左右方向に於いてアームレスト20の側方であり、且つ、アームレスト20の上端よりも下方に配置している。更にここでは、機能操作部40を、アームレスト20の前端よりも前方に配置している。機能操作部40は、例えば、車両10のブレーキ、アクセル、ハンドル等の操縦機能を司る操作部である。
【0049】
このようにすることで、
図3に示すように、乗員12は、例えば自動運転時に手動で車両10の機能を操作する際に、腕43(特に前腕)を、アームレスト20の上面である接触面32から、ガイド面30に沿って左方且つ下方にスライドさせ、その手44で容易に機能操作部40を操作することが出来る。また、その際には、
図2(B)に示したように、アームレスト20の後方側に規定された回転中心42に肘を付いた状態で、腕43を時計回りに回転させつつ、ガイド面30に沿って腕43をスライドさせても良い。
【0050】
また、
図2(B)に示したように、機能操作部40が、アームレスト20の前端から離間した前方に配置された場合には、上記したスライド動作を行ってから、乗員12が腕43を前方に伸ばすことにより、乗員12の手44で機能操作部40に接触して操作するようにしても良い。即ち、機能操作部40の位置を、自動運転時にリラックスポジションとされたシート15に横臥した乗員12の手44が不用意には届かず、且つ、操作を所望する乗員12が、横臥した状態のまま、手44を伸ばしたら届くようにする。このようにすることで、自動運転時に乗員12が不必要に機能操作部40を操作して誤動作が発生することを防止できる。更には、乗員12は、ガイド面30に沿って腕43をスライドさせて腕43を前方に伸ばすのみで、手44を機能操作部40の近傍に移動させることができるので、機能操作部40の位置を目視で確認せずとも、所望のタイミングで機能操作部40に手44を伸ばして所定の操作を行うことができる。
【0051】
同様に、機能操作部41は、
図2(B)に示すように平面視ではアームレスト20の前端よりも前方、且つ、右方に配置される。また、
図2(C)および
図2(D)を参照して、機能操作部41は、アームレスト20の上端よりも下方に配置されている。よって、自動運転時に於いて乗員12は、ガイド面31に沿って腕43を右側下方に向かってスライドさせることで、その手44で容易に機能操作部41を操作することが出来る。
【0052】
また、上記した機能操作部40、41は、シート15の形態が自動運転時のリラックスポジションとされている際に、アームレストの前端よりも前方に配置されている。このようにすることで、自動運転時にリラックスポジションとされているシート15に横臥する乗員12は、その腕43や手44をアームレスト20のガイド面30、31に沿ってスライドさせた後に、手44を前方に移動させることで機能操作部40、41に迅速かつ確実に到達させ、車両10の機能を操作することができる。更に、機能操作部40、41を、自動運転時にリラックスポジションとされているシート15に横臥する乗員12の手44から遠ざけ、自動運転時に乗員12の手44が不必要に機能操作部40、41に接触することを防止できる。また、機能操作部40、41は、自動運転時に乗員12が操作する意図を発露させて腕43を伸ばした際に、手44が届く範囲に配置される。
【0053】
また、機能操作部40、41には、それらの位置に即した機能を付与しても良い。例えば、左方に配置された機能操作部40には車両10を左方に車線変更する機能を付与し、右方に配置された機能操作部41には車両10を右方に車線変更する機能を付与する。そのようにすることで、乗員12はより直感的に機能操作部40、41を操作でき、誤操作を抑止することができる。
【0054】
更に、機能操作部40およびガイド面30は、アームレスト20の乗員12と反対側に設けられている。即ち、
図2(A)および
図2(B)に示すように、機能操作部40およびガイド面30は、アームレスト20の乗員12に対して、反対側である左方側(外側)に配置されている。このようにすることで、乗員12の咄嗟な動作を、ガイド面30で補助することができる。例えば、車両10が自動運転状態の際に、車両10の前方に障害物が存在するなどの緊急事態が発生した場合、乗員12は、その反射的動作として、腕43や手44を、乗員12の反対側に形成されたガイド面30に沿ってスライドさせ、手44を機能操作部40に到達させる。これにより、乗員12は、機能操作部40を手44で操作して緊急事態を素早く回避することができる。同時に、操作する意図を発露させて、乗員12の反対側へ腕43を移動させなければ機能操作部40を操作することができないことから、緊急時以外の機能操作部40の誤操作を抑止できる。
【0055】
特に、機能操作部40で車両10の安全に関わる操縦機能を操作する場合、緊急時等に於ける乗員12の反射的動作により、上記のようにアームレスト20の反対側に形成されたガイド面30に沿って腕43や手44をスライドさせ、機能操作部40を迅速かつ正確に操作することができる。よって、自動運転状態に於ける緊急時に於いて、乗員12は車両10を安全かつ確実に操舵できる。
【0056】
上記した事項は、
図2(A)を参照して、シート15の右方側に配置されるアームレスト19に関しても同様である。即ち、アームレスト19には上記したガイド面30、31が形成され、アームレスト19の前方には上記した機能操作部40、41が配置される。そして、乗員12は、自動運転時に於いて必要に応じて、右側の腕43を、アームレスト19のガイド面30、31に沿ってスライドさせ、機能操作部40、41を操作することで、車両10の機能を操作する。
【0057】
図4を参照して、上記したアームレスト20の形状を更に説明する。
図4(A)はアームレスト20の他の形態を示す断面図であり、
図4(B)はアームレスト20の更なる他の形態を示す断面図である。
【0058】
図4(A)を参照して、ここでは、ガイド面30の外側(左方側)に下方支持部33が形成されている。下方支持部33の上面は、ガイド面30の外側端部と連続する面として形成され、水平または略水平な平坦面とされる。このような下方支持部33を形成することで、使用状況下に於いて、ガイド面30をスライドする乗員12の腕43または手44を下方支持部33の上面で受け止め、腕43を所定の位置に固定し、機能操作部40の操作を確実且つ容易にすることができる。ここで、下方支持部33の上面は、必ずしも水平な平坦面である必要は無く、外側に向かって上方に傾斜する傾斜面でも良いし、下方に向かって窪む凹状形状でも良い。かかる事項は、アームレスト20の右方部分に於いて、ガイド面31の外側(右方側)に形成される下方支持部34に関しても同様である。
【0059】
図4(B)を参照して、ここでは、ガイド面30の外側(左方側)に外側支持部35が形成されている。外側支持部35は、アームレスト20の左方端部から上方に突出する部位であり、外側支持部35とガイド面30との間には、乗員12の腕43または手44を収容可能な間隙が形成される。このような外側支持部35を形成することで、使用状況下に於いて、ガイド面30をスライドする乗員12の腕43または手44を外側支持部35の内側面で受け止め、腕43や手44を所定の位置に固定して機能操作部40の操作を確実且つ容易にすることができる。また、外側支持部35の内側面の形状は、乗員12の手44の甲の形状に即した湾曲形状(上方部分が内側に向かって湾曲する形状)とすることで、外側支持部35で手44を保持する効果を更に大きくすることができる。かかる事項は、アームレスト20の右方部分に於いて、ガイド面31の外側(右方側)に形成される外側支持部36に関しても同様である。
【0060】
ここで、
図4(A)に示した下方支持部33、34と、
図4(B)に示した外側支持部35、36とは、組み合わしても良い。即ち、下方支持部33、34の左右方向外側に、外側支持部35、36を形成しても良い。
【0061】
図5を参照して、車両用操作装置11の他の形態を説明する。
図5は、車両用操作装置11およびシート15を正面から示す正面図である。ここに示す車両用操作装置11の基本構成は上記した各図を参照して説明したものと同様であり、アームレスト20に形成される接触面32の構成が異なる。ここでは、アームレスト20の外側である左側に形成されるガイド面30、下方支持部33および機能操作部40のみを示している。
【0062】
具体的には、接触面32はアームレスト20の上面全域に渡って形成されている。換言すると、接触面32は、アームレスト20の上面を構成する略平坦な矩形水平面である。接触面32の左端から、左斜め下方に向かって伸びるガイド面30が連続している。ガイド面30の左端には、略水平面である下方支持部33が連続している。このようにすることで、例えば自動運転時に於いて、アームレスト20の上面全域に広く形成される接触面32で、上記した乗員12の腕43や手44を安定して支持することが出来る。
【0063】
自動運転時に乗員12が車両10の機能を操作する際は、ここでは図示しない乗員12は、腕43また手44を、接触面32からガイド面30に沿って左斜め下方に向かってスライドさせ、手44で機能操作部40を操作する。その際、ガイド面30に沿ってスライドした腕43または腕43は、下方支持部33で支持される。
【0064】
図6を参照して、上記した機能操作部40の位置に関して説明する。
図6(A)、
図6(B)および
図6(C)は、機能操作部40が形成される位置を示す車両10の上面図である。
図6の各図では、アームレスト20の左方前方に機能操作部40のみが配置されるので、アームレスト20の左方部分のみにガイド面30が形成される場合を示している。
【0065】
図6(A)を参照して、機能操作部40は、ドアトリム23に形成されるドア側アームレスト26の前方部分に形成されている。ドア側アームレスト26は、アームレスト20前端の近傍に配置されるので、機能操作部40が配置される部材として好適である。
【0066】
図6(B)を参照して、ここでは、機能操作部40は、インスツルメントパネル22の左方端部を後方に向かって延伸させた後方延出部24の上面に形成されている。
【0067】
図6(C)を参照して、ここでは、アームレスト20の先端部分を、左方側前方に延出させることで前方延出部25を形成し、この前方延出部25の上面に機能操作部40が形成されている。かかる構成にすることで、機能操作部40とアームレスト20との相対的位置を固定し、機能操作部40を安定的に操作することが出来る。
【0068】
上記した事項は、
図2(A)に示した右方側のアームレスト19に関しても同様であり、アームレスト19の近傍に、上記した
図6(A)、
図6(B)または
図6(C)に示した位置に機能操作部41を配置することができる。
【0069】
図7を参照して、上記した機能操作部40の構成を更に詳述する。
図7(A)は機能操作部40に於ける各スイッチの配置等を示す斜視図であり、
図7(B)は機能操作部40を示す断面図である。
【0070】
図7(A)を参照して、機能操作部40は、上方部分が前方に向かって傾斜する当接面50と、当接面50に配設された複数のスイッチ51等から構成されている。当接面50の中央付近には、比較的大型のスイッチ51が配置されている。スイッチ51は、例えば時計回り及び反時計回りに対して回転可能なダイヤル型スイッチであり、乗員12の指で掴むことができる大きさとされている。スイッチ51等を回転または押下することで、乗員12の意思を発揮させなければ誤作動が生じてしまう可能性が高い機能を操作することができ、例えば、車両10の走行速度、操舵方向、車線変更方向、緊急停車、停車位置指定等を操作することが出来る。
【0071】
スイッチ51の周囲には、比較的小型のスイッチ52、53、54、55が配置されている。スイッチ52、53、54、55は、例えば押しボタン型のスイッチであり、押下することで所定の車両10の機能が操作されるファンクションスイッチである。スイッチ52、53、54、55は、それぞれ、乗員12の人差し指、中指、薬指、小指に応じた箇所に配置される。スイッチ52等を押下することで実現される機能としては、例えば、車線変更、加速、減速、ギアチェンジ、車室内の温度設定、車室に走行される空調風の風量設定、これらの機能の取り消し等である。
【0072】
かかる構成のスイッチ51等を当接面50に設けることで、乗員12は、機能操作部40を目視せずとも、腕43を前方に伸ばして手44の各指の先端を当接面50に当接させ、指でスイッチ51等を操作することで、車両10の各機能を操作することが可能となり、より簡易に車両10の機能を操作できるようになる。
【0073】
図7(B)を参照して、当接面50が水平面から傾斜する傾斜角θは、前方に伸ばされた手44の各指がほぼ同時に接触できる程度とされている。例えば、傾斜角θの範囲は40度以上70度以下であり、傾斜角θをこのような範囲にすることで、乗員12がその各指を確実に当接することができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態を示したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0075】
例えば、
図2(B)ではアームレスト20の左右両側にガイド面30、31が形成されたが、ガイド面30およびガイド面31のどちらか一方のみがアームレスト20に形成されても良い。
【0076】
図2(A)では、運転席であるシート15に、本形態の車両用操作装置11を設けたが、運転席以外の前方助手席または後方座席である他のシートに車両用操作装置11を設けても良い。
【0077】
図2(B)を参照して、上記形態では、アームレスト20のガイド面30、31を用いたスライド動作を伴う車両10の機能制御を、自動運転を実行している間に行ったが、このようなスライド動作を伴う機能制御は、手動運転中や車両10の停車中に行っても良い。