【文献】
ZHANG Qinqin et al.,"Wide-field imaging of retinal vasculature using optical coherence tomography-based microangiography provided by motion tracking",Journal of Biomedical Optics,2015年 6月23日,Vol. 20, No. 6,pp. 066008-1 - 066008-9
【文献】
CHOI June Woo et al.,"Improved microcirculation imaging of human skin in vino using optical microangiography with a correlation mapping mask",Journal of Biomedical Optics,2014年 3月12日,Vol. 19, No. 3,pp. 036010-1 - 036010-9
【文献】
MAHMUD Sultan Mohammad et al.,"Review of speckle and phase variance optical coherence tomography to visualize microvascular networks",Jounal of Biomedical Optics,2013年 4月24日,Vol. 18, No. 5,pp. 050901-1 - 050901-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この明細書で引用する文献の記載内容や任意の公知技術を実施形態に援用することができる。
【0023】
実施形態は、被検眼の画像を提供する。この画像は、被検眼の実質的に同じ範囲を繰り返しスキャンして得られた複数の2次元データセットから構成された3次元データセットに基づき形成された血管強調画像(アンギオグラム)である。この3次元データセットは、例えば、複数のB断面B1、B2、・・・、Bnをそれぞれ所定回数ずつ(例えば4回ずつ)スキャンして、各B断面Bi(i=1、2、・・・、n)のBスキャン画像を所定枚数ずつ形成し、これらを同じ3次元座標系に埋め込むことによって(更に、それをボクセル化することによって)取得される。このような画像形成技術は既知である。
【0024】
〈第1実施形態〉
第1実施形態に係る眼科装置について説明する。
図1に示す眼科装置1は、被検眼の画像を含む各種情報を表示デバイス2に表示させる。表示デバイス2は眼科装置1の一部であってもよいし、眼科装置1に接続された外部装置であってもよい。
【0025】
眼科装置1は、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む。
【0026】
(制御部10)
制御部10は、眼科装置1の各部を制御する。制御部10はプロセッサを含む。なお、本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。制御部10は、例えば、記憶回路や記憶装置(記憶部20等)に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
【0027】
制御部10は表示制御部11を含む。表示制御部11は、表示デバイス2に情報を表示させるための制御を実行する。
【0028】
(記憶部20)
記憶部20には各種情報が記憶される。本例においては、被検眼にOCTを適用して収集された3次元データセット21が、記憶部20に記憶される。記憶部20は、ハードディスクドライブ等の記憶装置を含む。
【0029】
図示は省略するが、記憶部20には、表示デバイス2にGUIとして表示される画面やダイアログやアイコン等のテンプレートが記憶される。また、記憶部20には、画像データの処理を行うために実行されるプログラムや、GUIに関する制御を行うために実行されるプログラムが記憶される。このようなプログラムを含むソフトウェアと、プロセッサを含むハードウェアとが協働することによって、実施形態に係る処理が実現される。
【0030】
(データ入出力部30)
データ入出力部30は、眼科装置1へのデータの入力と、眼科装置1からのデータの出力とを実行する。なお、データ入出力部30は、データの入力又は出力のみを行う構成であってもよい。データ入出力部30は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、専用線等の通信回線を介してデータの送受信を行うための通信デバイスを含んでいてよい。また、データ入出力部30は、記録媒体からのデータの読み取りと、記録媒体へのデータの書き込みとを行うためのリーダライタを含んでいてよい。また、データ入出力部30は、印刷媒体等に記録された情報を読み取るスキャナや、紙媒体に情報を記録するプリンタなどを含んでいてよい。
【0031】
(データ処理部40)
データ処理部40は、プロセッサを含み、各種のデータ処理を実行する。例えば、データ処理部40は、眼科画像データに対して画像処理を施す。その典型例として、データ処理部40は、3次元コンピュータグラフィクス(3DCG)等のレンダリングを実行することができる。
【0032】
被検眼の3次元OCTスキャン(ボリュームスキャン)により取得された3次元データセット(ボリュームデータ、スタックデータ等)が眼科装置1に入力された場合、データ処理部40は、この3次元データセットに各種のレンダリングを施すことで、Bスキャン画像(縦断面像、軸方向断面像)、Cスキャン画像(横断面像、水平断面像)、プロジェクション画像、シャドウグラムなどを形成することができる。Bスキャン画像やCスキャン画像のような任意断面の画像は、例えば、指定された断面上の画素(ピクセル、ボクセル)を3次元データセットから選択することにより形成される。プロジェクション画像は、3次元データセットを所定方向(Z方向、深さ方向、軸方向)に投影することによって形成される。シャドウグラムは、3次元データセットの一部(例えば特定層に相当する部分データ)を所定方向に投影することによって形成される。Cスキャン画像、プロジェクション画像、シャドウグラムのような、被検眼の正面側を視点とする画像を正面画像と呼ぶ。
【0033】
データ処理部40は、レンダリングの他にも各種の画像処理を実行することが可能である。例えば、特定の組織や組織境界を求めるためのセグメンテーションや、組織のサイズ(層厚、体積等)を求めるためのサイズ解析などがある。セグメンテーションにより特定層(又は特定の層境界)が求められた場合、その特定層が平坦になるようにBスキャン画像や正面画像を再構築することが可能である。そのような画像を平坦化画像と呼ぶ。
【0034】
(血管強調画像について)
眼科装置1により表示される画像として血管強調画像(アンギオグラム)がある。血管強調画像は、OCTデータを解析することで血管に相当する画像領域(血管領域)を特定し、この血管領域の表現態様を変更することでそれを強調した画像である。血管領域の特定には、被検眼の実質的に同じ範囲を繰り返しスキャンして得られた複数のOCTデータが用いられる。実施形態においては、正面画像としての血管強調画像(血管強調正面画像)を表示するために3次元データセットが用いられる。このような3次元データセット(21)が記憶部20に記憶される。
【0035】
血管強調画像を形成するための手法には幾つかの種類がある。そのための典型的な手法を説明する。なお、以下に説明する手法に含まれる複数のステップの一部又は全部をデータ処理部40により行うことができる。また、以下に説明する手法に含まれる複数のステップの一部又は全部を他の装置(コンピュータ、眼科装置等)により行うことができる。
【0036】
まず、被検眼の複数のB断面のそれぞれを繰り返しスキャンすることにより、時系列に並んだ複数のBスキャン画像をB断面ごとに含む3次元データセットが作成される。実質的に同じB断面を繰り返しスキャンするための手法として、固視やトラッキングがある。記憶部20に記憶される3次元データセット21は、この段階の3次元データセットであってよい。
【0037】
次に、複数のBスキャン画像の位置合わせがB断面ごとに実行される。この位置合わせは、例えば、公知の画像マッチング技術を用いて行われる。その典型例として、各Bスキャン画像における特徴領域の抽出と、抽出された複数の特徴領域の位置合わせによる複数のBスキャン画像の位置合わせとを実行することができる。記憶部20に記憶される3次元データセット21は、この段階の3次元データセットであってよい。
【0038】
続いて、位置合わせされた複数のBスキャン画像の間で変化している画像領域を特定する処理が行われる。この処理は、例えば、異なるBスキャン画像の間の差分を求める処理を含む。各Bスキャン画像は、被検眼の形態を表す輝度画像データであり、血管以外の部位に相当する画像領域は実質的に不変であると考えられる。一方、干渉信号に寄与する後方散乱が血流によってランダムに変化することを考慮すると、位置合わせされた複数のBスキャン画像の間で変化が生じた画像領域(例えば、差分がゼロでない画素、又は差分が所定閾値以上である画素)は血管領域であると推定することができる。記憶部20に記憶される3次元データセット21は、この段階の3次元データセットであってよい。
【0039】
このようにして特定された画像領域に、それが血管領域である旨を示す情報を割り当てることができる。それにより、Bスキャン画像としての血管強調画像や、血管強調正面画像を表示するときに、血管領域の画素値を変更してそれを強調表示することが可能となる。記憶部20に記憶される3次元データセット21は、この段階の3次元データセットであってよい。
【0040】
データ処理部40の詳細構成については後述する。
【0041】
(操作部50)
操作部50は、眼科装置1に対してユーザが指示や情報を入力するために使用される。操作部50は、コンピュータに用いられる公知の操作デバイスを含んでよい。例えば、操作部50は、マウスやタッチパッドやトラックボール等のポインティングデバイスを含んでよい。また、操作部50は、キーボードやペンタブレット、専用の操作パネルなどを含んでよい。
【0042】
(データ処理部40の構成例)
図2に示すデータ処理部40Aは、データ処理部40の一例である。本例のデータ処理部40Aは、血管領域抽出部41Aと、層領域特定部42Aと、共通領域特定部43Aと、正面画像形成部44Aと、カラーコーディング部45Aと、画像合成部46Aとを含んでいる。
【0043】
(血管領域抽出部41A)
血管領域抽出部41Aは、被検眼の3次元データセットから血管領域を抽出する。この3次元データセットは、血管強調正面画像を表示するための画像データである。この3次元データセットは、記憶部20に記憶されている3次元データセット21であってよい。
【0044】
例えば、3次元データセット21が、時系列に並んだ複数のBスキャン画像をB断面ごとに含む3次元データセットである場合、血管領域抽出部41A(又は、データ処理部40Aの他の要素)は、前述の要領で、Bスキャン画像の位置合わせと、血管領域の特定とを実行する。更に、血管領域抽出部41A(又は、データ処理部40Aの他の要素)は、特定された血管領域に、その旨を示す情報を割り当てることができる。
【0045】
他の例において、3次元データセット21が、時系列に並んだ複数のBスキャン画像をB断面ごとに含む3次元データセットであって、Bスキャン画像の位置合わせが施された3次元データセットである場合、血管領域抽出部41A(又は、データ処理部40Aの他の要素)は、前述の要領で、血管領域の特定を実行する。更に、血管領域抽出部41A(又は、データ処理部40Aの他の要素)は、特定された血管領域に、その旨を示す情報を割り当てることができる。
【0046】
更に他の例において、3次元データセット21は、時系列に並んだ複数のBスキャン画像をB断面ごとに含む3次元データセットであって、Bスキャン画像の位置合わせと血管領域の特定とが施された3次元データセットであってよい。更に、血管領域抽出部41A(又は、データ処理部40Aの他の要素)は、特定された血管領域に、その旨を示す情報を割り当てることができる。
【0047】
血管領域を示す情報が3次元データセット21に既に付与されている場合、血管領域抽出部41Aは、この情報を参照することで、3次元データセット21内の血管領域を特定し、3次元データセット21から血管領域を抽出することができる。
【0048】
これに対し、血管領域を示す情報が3次元データセット21に付与されていない場合、血管領域抽出部41Aは、3次元データセット21内の血管領域を特定するための処理を実行する。血管領域の特定は、前述のように、複数のBスキャン画像の間で変化している画像領域を探索する処理を含んでよい。或いは、血管領域の特定は、エッジ検出、リージョングローイング等の画像処理を含んでもよい。血管領域抽出部41Aは、特定された血管領域を3次元データセット21から抽出する。
【0049】
なお、「3次元データセットから血管領域を抽出する」処理は、例えば、血管領域を3次元データセットから抜き出す処理、又は、血管領域以外の画像領域を3次元データセットから削除する処理であってよい。3次元データセットから抽出された血管領域を含む画像フレームにおいては、血管領域以外の領域の画素値が既定値(例えば、輝度値=0、R値=G値=B値=0など)に設定される。この既定値は、血管領域の背景に相当する画素値である。
【0050】
(層領域特定部42A)
層領域特定部42Aは、被検眼の3次元データセットにセグメンテーションを適用して複数の層領域を特定する。セグメンテーションは、一般に、画像データを複数の領域に分割する処理であり、本例では、被検眼の特定の組織(組織境界)に相当する画像領域を特定するものである。
【0051】
典型的な例において、3次元データセットは、眼底の3次元OCTスキャンによって取得され、眼底の層構造を表現している。このような3次元データセットには、網膜、脈絡膜、強膜、硝子体などが描出されている。より詳細には、3次元データセットには、内境界膜、神経線維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、網膜色素上皮、ブルッフ膜、脈絡膜、脈絡膜強膜境界、強膜、硝子体などが描出されている。
【0052】
層領域特定部42Aは、このような3次元データセットにおける複数の層領域を特定する。特定される層領域の種別は、予め設定される。或いは、ユーザが所望の層領域を設定できるように構成してもよい。また、特定される層領域の種別を層領域特定部42Aが自動で設定するように構成してもよい。
【0053】
(共通領域特定部43A)
共通領域特定部43Aは、層領域特定部42Aにより特定された複数の層領域のそれぞれについて、この層領域と血管領域抽出部41Aにより抽出された血管領域との共通領域を特定する。
【0054】
典型的には、血管領域抽出部41Aにより処理される3次元データセットと、層領域特定部42Aにより処理される3次元データセットとは、実質的に同じである。つまり、これら3次元データセットは、少なくとも、元のデータは同じである。よって、層領域と血管領域との間の位置合わせを行う必要は無い。
【0055】
血管領域抽出部41Aにより処理される3次元データセットと、層領域特定部42Aにより処理される3次元データセットとが、実質的に異なる場合、これらの間の位置合わせ(画像マッチング)を実行することができる。
【0056】
共通領域特定部43Aは、例えば、層領域に含まれる画素の3次元座標値と、血管領域に含まれる画素の位置3次元座標値とを比較することにより、3次元座標値が共通である層領域の画素と血管領域の画素との組を特定する。
【0057】
それにより、層領域特定部42Aにより特定された複数の層領域のそれぞれについて、この層領域に含まれる血管領域が特定される。換言すると、血管領域抽出部41Aにより抽出された血管領域(血管の3次元的分布)が、層領域特定部42Aにより特定された複数の層領域に対応する複数の部分領域に分割される。
【0058】
(正面画像形成部44A)
正面画像形成部44Aは、共通領域特定部43Aにより特定された複数の共通領域のそれぞれに基づいて正面画像を形成する。この共通領域は、例えば、血管領域抽出部41Aにより抽出された血管領域(つまり、この血管領域を含む画像フレーム)であってよい。この画像フレームは、典型的には、眼底の特定層(1以上の層組織)に相当する3次元画像領域である。正面画像形成部44Aは、この3次元画像領域を所定方向(例えばZ方向)に投影してシャドウグラムを形成する。
【0059】
それにより、層領域特定部42Aにより特定された複数の層領域に対応する複数の正面画像が得られる。典型的には、眼底における異なる複数の深さ範囲に対応する複数の正面画像が得られる。各正面画像には、血管領域抽出部41Aにより抽出された血管領域の一部(対応する共通領域)のみが描出されている。
【0060】
(カラーコーディング部45A)
カラーコーディング部45Aは、正面画像形成部44Aにより形成された複数の正面画像に対して、互いに異なる色情報を割り当てる。
【0061】
例えば、N枚の正面画像G
n(n=1,2,・・・,N)が正面画像形成部44Aにより得られた場合、第1正面画像G
1には第1色を、第2正面画像G
2には第2色を、・・・、第N正面画像G
Nには第N色が、それぞれ割り当てられる。ここで第1色、第2色、・・・、第N色は、それぞれ異なる色である。なお、第n色は、単一の色でなくてよく、2以上の色調を含んでいてもよい。
【0062】
また、第n色の階調は任意である。例えば、一定の階調の第n色を第n正面画像G
nに割り当てることができる。或いは、第n正面画像G
nの各画素(又は、それに含まれる血管領域の各画素)について、その画素値(輝度値)に応じた階調値の第n色を割り当てることができる。ここで、画素値の階調数と第n色の階調数とは、等しくてもよいし、異なってもよい。階調数が異なる場合、公知の階調変換を適用することができる。
【0063】
(画像合成部46A)
画像合成部46Aは、カラーコーディング部45Aにより色情報が割り当てられた複数の正面画像のうちの少なくとも2つを合成する。それにより得られる正面画像を合成正面画像と呼ぶ。2以上の画像を合成する処理は公知である。
【0064】
一般的な画像合成では、合成される2以上の画像の位置合わせが行われる。しかし、本例では、単一の3次元データセットから複数の正面画像が形成されるので、位置合わせを行う必要は無い。
【0065】
合成正面画像は、単一の画像データであってよい。レイヤー表示機能等を利用して2以上の正面画像を重ねて表示する場合、この表示画像が合成正面画像であってよい。
【0066】
典型的な例において、合成正面画像は、層領域に応じてカラーコーディングがなされた眼底血管の画像である。換言すると、合成正面画像は、眼底の深さ位置に応じて色が付された血管の画像である。
【0067】
合成正面画像を形成する処理の例を
図3に示す。本例では、画像合成部46Aは、N枚の正面画像G
n(n=1,2,・・・,N)のうちの任意の2枚の正面画像G
n1及びG
n2を合成する。なお、合成される正面画像の枚数は任意であり、また、合成される正面画像の選択も任意である。
【0068】
説明のために、正面画像G
n1中の血管領域V
n1を点線で示し、且つ、正面画像G
n2中の血管領域V
n2を実線で示す。正面画像G
n1中の血管領域V
n1には第n1色が割り当てられ、且つ、正面画像G
n2中の血管領域V
n2には第n2色が割り当てられている。
【0069】
画像合成部46Aは、正面画像G
n1及びG
n2を合成することにより合成正面画像G
n1+n2を形成する。合成正面画像G
n1+n2には、第n1色で表現された血管領域V
n1と、第n2色で表現された血管領域V
n2とが描出されている。
【0070】
表示制御部11は、合成正面画像G
n1+n2を表示デバイス2に表示させることができる。なお、画像合成部46Aが合成正面画像G
n1+n2を形成する代わりに、次のような表示制御を行うことができる。すなわち、表示制御部11は、表示デバイス2に第1レイヤーと第2レイヤーとを設定し、第1レイヤーに正面画像G
n1を表示させ、且つ、第2レイヤーに正面画像G
n2を表示させることができる。このようにして表示される画像も合成正面画像G
n1+n2に相当する。
【0071】
表示制御部11は、合成正面画像G
n1+n2とともに、各種情報を表示させることができる。合成正面画像G
n1+n2とともに表示される付帯情報は、例えば、血管領域V
n1及びV
n2の位置(深さ位置、深さ範囲)を示す情報を含む。
【0072】
このような位置情報の例としてカラーバーがある。カラーバーは、合成正面画像G
n1+n2に描出されている血管領域V
n1の深さ位置及び血管領域V
n2の深さ位置を、色情報(少なくとも第n1色及び第n2色を含む)として表現した情報である。
【0073】
カラーバーの2つの例を
図4A及び
図4Bに示す。
図4Aに示す例においては、表示制御部11は、合成正面画像G
n1+n2と、カラーバーH
1とを、表示デバイス2の表示画面2aに表示させる。カラーバーH
1は、表示色と眼底の部位との関係を示している。ここで、C/Sは脈絡膜〜強膜を示し、BMはブルッフ膜を示し、RPEは網膜色素上皮層を示し、IS/OSは視細胞内節外節接合部を示し、IPL/INLは内網状層〜内顆粒層を示し、NFL/GCLは神経線維層〜神経節細胞層を示し、ILMは内境界膜を示す。これら部位は、例えば、前述のセグメンテーションによって特定される。
【0074】
図4Bに示す例においては、表示制御部11は、合成正面画像G
n1+n2と、カラーバーH
2とを、表示デバイス2の表示画面2aに表示させる。カラーバーH
2は、表示色と深さ位置(深さ範囲)との関係を示している。ここで、深さ位置は、例えば、眼底表面(網膜表面、内境界膜)を基準として設定される。また、深さ位置(眼底表面からの距離)は、例えば、公知の層厚解析によって求められる。
【0075】
第1実施形態において、記憶部20は記憶部に相当し、血管領域抽出部41Aは第1血管領域抽出部に相当し、層領域特定部42Aは第1層領域特定部に相当し、共通領域特定部43Aは第1共通領域特定部に相当し、正面画像形成部44Aは第1正面画像形成部に相当し、カラーコーディング部45Aは第1カラーコーディング部に相当し、画像合成部46Aは第1画像合成部に相当する。また、表示デバイス2は表示手段に相当し、表示制御部11は表示制御部に相当する。
【0076】
〈第2実施形態〉
第2実施形態に係る眼科装置について説明する。第2実施形態に係る眼科装置は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。第2実施形態と第1実施形態との相違は、データ処理部40の構成である。第2実施形態におけるデータ処理部40の例を
図5に示す。
【0077】
図5に示すデータ処理部40Bは、層領域特定部42Bと、血管領域抽出部41Bと、正面画像形成部44Bと、カラーコーディング部45Bと、画像合成部46Bとを含んでいる。第1実施形態と同様に、被検眼にOCTを適用して取得された3次元データセット21が記憶部20に記憶されている。
【0078】
層領域特定部42Bは、3次元データセット21にセグメンテーションを適用して複数の層領域を特定する。この処理は、例えば、第1実施形態の層領域特定部42Aと同じ要領で実行される。
【0079】
血管領域抽出部41Bは、層領域特定部42Bにより特定された複数の層領域のそれぞれから血管領域を抽出する。この処理は、例えば、第1実施形態の血管領域抽出部41Aと同じ要領で実行される。
【0080】
正面画像形成部44Bは、血管領域抽出部41Bにより抽出された複数の血管領域のそれぞれに基づいて正面画像を形成する。この処理は、例えば、第1実施形態の正面画像形成部44Aと同じ要領で実行される。
【0081】
カラーコーディング部45Bは、正面画像形成部44Bにより形成された複数の正面画像に対して互いに異なる色情報を割り当てる。この処理は、例えば、第1実施形態のカラーコーディング部45Aと同じ要領で実行される。
【0082】
画像合成部46Bは、カラーコーディング部45Bにより色情報が割り当てられた複数の正面画像の少なくとも2つを合成して合成正面画像を形成する。この処理は、例えば、第1実施形態の画像合成部46Aと同じ要領で実行される。
【0083】
このように構成された第2実施形態の眼科装置によれば、
図3に例示された合成正面画像G
n1+n2のような任意の合成正面画像を形成することができる。更に、
図4A及び
図4Bに例示するように、任意の合成正面画像と任意の付帯情報とを表示することが可能である。
【0084】
第2実施形態において、記憶部20は記憶部に相当し、層領域特定部42Bは第2層領域特定部に相当し、血管領域抽出部41Bは第2血管領域抽出部に相当し、正面画像形成部44Bは第2正面画像形成部に相当し、カラーコーディング部45Bは第2カラーコーディング部に相当し、画像合成部46Bは第2画像合成部に相当する。また、表示デバイス2は表示手段に相当し、表示制御部11は表示制御部に相当する。
【0085】
〈第3実施形態〉
第3実施形態に係る眼科装置について説明する。第3実施形態に係る眼科装置は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。第3実施形態と第1実施形態との相違は、データ処理部40の構成である。第3実施形態におけるデータ処理部40の例を
図6に示す。
【0086】
図6に示すデータ処理部40Cは、カラーコーディング部45Cと、血管領域抽出部41Cと、層領域特定部42Cと、共通領域特定部43Cと、正面画像形成部44Cと、画像合成部46Cとを含んでいる。第1実施形態と同様に、被検眼にOCTを適用して取得された3次元データセット21が記憶部20に記憶されている。
【0087】
カラーコーディング部45Cは、3次元データセット21に対して、深さ位置に応じた色情報を割り当てる。
【0088】
例えば、カラーコーディング部45Cは、3次元データセット21が定義されている深さ方向の範囲(つまり、Z方向における3次元データセット21の定義域)を複数の区間に分割し、これら区間に対して互いに異なる色情報を割り当てるように構成される。
【0089】
他の例において、カラーコーディング部45Cは、Z方向における3次元データセット21の定義域に対し、実質的に連続的に変化する色情報(連続的なグラデーションが変化する色情報)を割り当てるように構成される。
【0090】
3次元データセット21に対して色情報を割り当てる方法は、これらに限定されない。一般に、Z方向における位置や範囲を色覚的に識別可能とする方法であれば、その具体的処理内容は任意であってよい。
【0091】
血管領域抽出部41Cは、3次元データセット21から血管領域を抽出する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の血管領域抽出部と同じ要領で実行される。
【0092】
層領域特定部42Cは、3次元データセット21にセグメンテーションを適用して複数の層領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の層領域特定部と同じ要領で実行される。
【0093】
共通領域特定部43Cは、層領域特定部42Cにより特定された複数の層領域のそれぞれについて、その層領域と血管領域抽出部41Cにより特定された血管領域との共通領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の共通領域特定部と同じ要領で実行される。
【0094】
正面画像形成部44Cは、共通領域特定部43Cにより特定された複数の共通領域のそれぞれに基づいて正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の正面画像形成部と同じ要領で実行される。
【0095】
画像合成部46Cは、正面画像形成部44Cにより形成された複数の正面画像の少なくとも2つを、カラーコーディング部45Cにより3次元データセット21に割り当てられた色情報に基づき合成することにより、合成正面画像を形成する。
【0096】
例えば、画像合成部46Cは、画像合成に供される2以上の正面画像のそれぞれについて、その正面画像に対応する色情報を特定する。その具体例として、画像合成部46Cは、その正面画像に対応する層領域の深さ範囲(3次元データセット21における深さ範囲)を特定し、この深さ範囲に割り当てられた色情報を特定するように構成される。ここで、特定された深さ範囲に割り当てられた色情報が複数ある場合、これらの色情報のうちのいずれかを代表色情報として選択することができる。
【0097】
例えば、3次元データセット21に対して段階的な色情報が割り当てられた場合において、特定された深さ範囲に2以上の色情報が割り当てられている場合、画像合成部46Cは、最も深部側の色情報、最も浅部側の色情報、又は、中央に位置する色情報を選択することができる。或いは、画像合成部46Cは、特定された深さ範囲において最も広範囲に割り当てられている色情報を選択することができる。
【0098】
また、特定された深さ範囲に割り当てられている複数の色情報のうちの一部又は全部を利用することも可能である。
【0099】
3次元データセット21に対して連続的な色情報が割り当てられた場合、画像合成部46Cは、特定された深さ範囲におけるいずれかの色情報を選択することができる。例えば、画像合成部46Cは、最も深部側の色情報、最も浅部側の色情報、又は、中央に位置する色情報を選択することができる。また、連続的な色情報の一部又は全部を利用することも可能である。
【0100】
画像合成部46Cは、このような色情報に基づき2枚以上の正面画像を合成することによって合成正面画像を形成する。正面画像の合成は、例えば、前述したいずれかの実施形態の画像合成部と同じ要領で実行される。
【0101】
このように構成された第3実施形態の眼科装置によれば、
図3に例示された合成正面画像G
n1+n2のような任意の合成正面画像を形成することができる。更に、
図4A及び
図4Bに例示するように、任意の合成正面画像と任意の付帯情報とを表示することが可能である。
【0102】
第3実施形態において、記憶部20は記憶部に相当し、カラーコーディング部45Cは第3カラーコーディング部に相当し、血管領域抽出部41Cは第3血管領域抽出部に相当し、層領域特定部42Cは第3層領域特定部に相当し、共通領域特定部43Cは第3共通領域特定部に相当し、正面画像形成部44Cは第3正面画像形成部に相当し、画像合成部46Cは第3画像合成部に相当する。また、表示デバイス2は表示手段に相当し、表示制御部11は表示制御部に相当する。
【0103】
〈第4実施形態〉
第4実施形態に係る眼科装置について説明する。第4実施形態に係る眼科装置は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。第4実施形態と第1実施形態との相違は、データ処理部40の構成である。第4実施形態におけるデータ処理部40の例を
図7に示す。
【0104】
図7に示すデータ処理部40Dは、カラーコーディング部45Dと、層領域特定部42Dと、血管領域抽出部41Dと、正面画像形成部44Dと、画像合成部46Dとを含んでいる。第1実施形態と同様に、被検眼にOCTを適用して取得された3次元データセット21が記憶部20に記憶されている。
【0105】
カラーコーディング部45Dは、3次元データセット21に対して深さ位置に応じた色情報を割り当てる。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態のカラーコーディング部と同じ要領で実行される。
【0106】
層領域特定部42Dは、3次元データセット21にセグメンテーションを適用して複数の層領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の層領域特定部と同じ要領で実行される。
【0107】
血管領域抽出部41Dは、層領域特定部42Dにより特定された複数の層領域のそれぞれから血管領域を抽出する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の血管領域抽出部と同じ要領で実行される。
【0108】
正面画像形成部44Dは、血管領域抽出部41Dにより抽出された複数の血管領域のそれぞれに基づいて正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の正面画像形成部と同じ要領で実行される。
【0109】
画像合成部46Dは、正面画像形成部44Dにより形成された複数の正面画像の少なくとも2つを、カラーコーディング部45Dにより3次元データセット21に対して割り当てられた色情報に基づき合成することによって、合成正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の画像合成部と同じ要領で実行される。
【0110】
このように構成された第4実施形態の眼科装置によれば、
図3に例示された合成正面画像G
n1+n2のような任意の合成正面画像を形成することができる。更に、
図4A及び
図4Bに例示するように、任意の合成正面画像と任意の付帯情報とを表示することが可能である。
【0111】
第4実施形態において、記憶部20は記憶部に相当し、カラーコーディング部45Dは第4カラーコーディング部に相当し、層領域特定部42Dは第4層領域特定部に相当し、血管領域抽出部41Dは第4血管領域抽出部に相当し、正面画像形成部44Dは第4正面画像形成部に相当し、画像合成部46Dは第4画像合成部に相当する。また、表示デバイス2は表示手段に相当し、表示制御部11は表示制御部に相当する。
【0112】
〈第5実施形態〉
第5実施形態に係る眼科装置について説明する。第5実施形態に係る眼科装置は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。第5実施形態と第1実施形態との相違は、データ処理部40の構成である。第5実施形態におけるデータ処理部40の例を
図8に示す。
【0113】
図8に示すデータ処理部40Eは、カラーコーディング部45Eと、血管領域抽出部41Eと、層領域特定部42Eと、共通領域特定部43Eと、正面画像形成部44Eと、画像合成部46Eとを含んでいる。第1実施形態と同様に、被検眼にOCTを適用して取得された3次元データセット21が記憶部20に記憶されている。
【0114】
カラーコーディング部45Eは、3次元データセット21に対して、深さ位置に応じた色情報を割り当てる。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態のカラーコーディング部と同じ要領で実行される。
【0115】
血管領域抽出部41Eは、3次元データセット21から血管領域を抽出する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の血管領域抽出部と同じ要領で実行される。
【0116】
層領域特定部42Eは、3次元データセット21にセグメンテーションを適用して複数の層領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の層領域特定部と同じ要領で実行される。
【0117】
共通領域特定部43Eは、層領域特定部42Eにより特定された複数の層領域のそれぞれについて、その層領域と血管領域抽出部41Cにより特定された血管領域との共通領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の共通領域特定部と同じ要領で実行される。
【0118】
正面画像形成部44Eは、共通領域特定部43Eにより特定された複数の共通領域のそれぞれと、カラーコーディング部45Eにより3次元データセット21に割り当てられた色情報とに基づいて、正面画像を形成する。
【0119】
例えば、正面画像形成部44Eは、複数の層領域に対応する複数の共通領域のそれぞれについて、その共通領域に対応する色情報を特定する。その具体例として、正面画像形成部44Eは、その共通領域に対応する層領域の深さ範囲(3次元データセット21における深さ範囲)を特定し、この深さ範囲に割り当てられた色情報を特定するように構成される。ここで、特定された深さ範囲に割り当てられた色情報が複数ある場合、これらの色情報のうちのいずれかを代表色情報として選択することができる。また、正面画像形成部44Eは、特定された深さ範囲に割り当てられている複数の色情報のうちの一部又は全部を利用するように構成されてもよい。
【0120】
正面画像形成部44Eは、このような色情報と共通領域とに基づいて正面画像を形成することができる。例えば、正面画像形成部44Eは、色情報を共通領域に付与し、色情報が付与された共通領域から正面画像を形成することができる。或いは、正面画像形成部44Eは、共通領域から正面画像を形成し、形成された正面画像に色情報を付与することができる。ここで、共通領域から正面画像を形成する処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の正面画像形成部と同じ要領で実行される。
【0121】
画像合成部46Eは、正面画像形成部44Eにより形成された複数の正面画像の少なくとも2つを合成して合成正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の画像合成部と同じ要領で実行される。
【0122】
このように構成された第5実施形態の眼科装置によれば、
図3に例示された合成正面画像G
n1+n2のような任意の合成正面画像を形成することができる。更に、
図4A及び
図4Bに例示するように、任意の合成正面画像と任意の付帯情報とを表示することが可能である。
【0123】
第5実施形態において、記憶部20は記憶部に相当し、カラーコーディング部45Eは第5カラーコーディング部に相当し、血管領域抽出部41Eは第5血管領域抽出部に相当し、層領域特定部42Eは第5層領域特定部に相当し、共通領域特定部43Eは第5共通領域特定部に相当し、正面画像形成部44Eは第5正面画像形成部に相当し、画像合成部46Eは第5画像合成部に相当する。また、表示デバイス2は表示手段に相当し、表示制御部11は表示制御部に相当する。
【0124】
〈第6実施形態〉
第6実施形態に係る眼科装置について説明する。第6実施形態に係る眼科装置は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。第6実施形態と第1実施形態との相違は、データ処理部40の構成である。第6実施形態におけるデータ処理部40の例を
図9に示す。
【0125】
図9に示すデータ処理部40Fは、カラーコーディング部45Fと、層領域特定部42Fと、血管領域抽出部41Fと、正面画像形成部44Fと、画像合成部46Fとを含んでいる。第1実施形態と同様に、被検眼にOCTを適用して取得された3次元データセット21が記憶部20に記憶されている。
【0126】
カラーコーディング部45Fは、3次元データセット21に対して深さ位置に応じた色情報を割り当てる。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態のカラーコーディング部と同じ要領で実行される。
【0127】
層領域特定部42Fは、3次元データセット21にセグメンテーションを適用して複数の層領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の層領域特定部と同じ要領で実行される。
【0128】
血管領域抽出部41Fは、層領域特定部42Fにより特定された複数の層領域のそれぞれから血管領域を抽出する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の血管領域抽出部と同じ要領で実行される。
【0129】
正面画像形成部44Fは、血管領域抽出部41Fにより抽出された複数の血管領域のそれぞれと、カラーコーディング部45Fにより3次元データセット21に対して割り当てられた色情報とに基づいて、正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の正面画像形成部と同じ要領で実行される。
【0130】
画像合成部46Fは、正面画像形成部44Fにより形成された複数の正面画像の少なくとも2つを合成して合成正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の画像合成部と同じ要領で実行される。
【0131】
このように構成された第6実施形態の眼科装置によれば、
図3に例示された合成正面画像G
n1+n2のような任意の合成正面画像を形成することができる。更に、
図4A及び
図4Bに例示するように、任意の合成正面画像と任意の付帯情報とを表示することが可能である。
【0132】
第6実施形態において、記憶部20は記憶部に相当し、カラーコーディング部45Fは第6カラーコーディング部に相当し、層領域特定部42Fは第6層領域特定部に相当し、血管領域抽出部41Fは第6血管領域抽出部に相当し、正面画像形成部44Fは第6正面画像形成部に相当し、画像合成部46Fは第6画像合成部に相当する。また、表示デバイス2は表示手段に相当し、表示制御部11は表示制御部に相当する。
【0133】
〈第7実施形態〉
第7実施形態に係る眼科装置について説明する。第7実施形態に係る眼科装置は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。第7実施形態と第1実施形態との相違は、データ処理部40の構成である。第7実施形態におけるデータ処理部40の例を
図10に示す。
【0134】
図10に示すデータ処理部40Gは、血管領域抽出部41Gと、層領域特定部42Gと、カラーコーディング部45Gと、共通領域特定部43Gと、正面画像形成部44Gと、画像合成部46Gとを含んでいる。第1実施形態と同様に、被検眼にOCTを適用して取得された3次元データセット21が記憶部20に記憶されている。
【0135】
血管領域抽出部41Gは、3次元データセット21から血管領域を抽出する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の血管領域抽出部と同じ要領で実行される。
【0136】
層領域特定部42Gは、3次元データセット21にセグメンテーションを適用して複数の層領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の層領域特定部と同じ要領で実行される。
【0137】
カラーコーディング部45Gは、層領域特定部42Gにより特定された複数の層領域に対して互いに異なる色情報を割り当てる。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態のカラーコーディング部と同じ要領で実行される。
【0138】
共通領域特定部43Gは、層領域特定部42Gにより特定された複数の層領域のそれぞれについて、その層領域と血管領域抽出部41Gにより特定された血管領域との共通領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の共通領域特定部と同じ要領で実行される。
【0139】
正面画像形成部44Gは、共通領域特定部43Gにより特定された複数の共通領域のそれぞれと、カラーコーディング部45Gにより複数の層領域に割り当てられた色情報とに基づいて、正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の正面画像形成部と同じ要領で実行される。
【0140】
画像合成部46Gは、正面画像形成部44Gにより形成された複数の正面画像の少なくとも2つを合成して合成正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の画像合成部と同じ要領で実行される。
【0141】
このように構成された第7実施形態の眼科装置によれば、
図3に例示された合成正面画像G
n1+n2のような任意の合成正面画像を形成することができる。更に、
図4A及び
図4Bに例示するように、任意の合成正面画像と任意の付帯情報とを表示することが可能である。
【0142】
第7実施形態において、記憶部20は記憶部に相当し、血管領域抽出部41Gは第7血管領域抽出部に相当し、層領域特定部42Gは第7層領域特定部に相当し、カラーコーディング部45Gは第7カラーコーディング部に相当し、共通領域特定部43Gは第7共通領域特定部に相当し、正面画像形成部44Gは第7正面画像形成部に相当し、画像合成部46Gは第7画像合成部に相当する。また、表示デバイス2は表示手段に相当し、表示制御部11は表示制御部に相当する。
【0143】
〈第8実施形態〉
第8実施形態に係る眼科装置について説明する。第8実施形態に係る眼科装置は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。第8実施形態と第1実施形態との相違は、データ処理部40の構成である。第8実施形態におけるデータ処理部40の例を
図11に示す。
【0144】
図11に示すデータ処理部40Hは、層領域特定部42Hと、カラーコーディング部45Hと、血管領域抽出部41Hと、正面画像形成部44Hと、画像合成部46Hとを含んでいる。第1実施形態と同様に、被検眼にOCTを適用して取得された3次元データセット21が記憶部20に記憶されている。
【0145】
層領域特定部42Hは、3次元データセット21にセグメンテーションを適用して複数の層領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の層領域特定部と同じ要領で実行される。
【0146】
カラーコーディング部45Hは、層領域特定部42Hにより特定された複数の層領域に対して互いに異なる色情報を割り当てる。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態のカラーコーディング部と同じ要領で実行される。
【0147】
血管領域抽出部41Hは、層領域特定部42Hにより特定された複数の層領域のそれぞれから血管領域を抽出する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の血管領域抽出部と同じ要領で実行される。
【0148】
正面画像形成部44Hは、血管領域抽出部41Hにより抽出された複数の血管領域のそれぞれと、カラーコーディング部45Hにより複数の層領域に対して割り当てられた色情報とに基づいて、正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の正面画像形成部と同じ要領で実行される。
【0149】
画像合成部46Hは、正面画像形成部44Hにより形成された複数の正面画像の少なくとも2つを合成して合成正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の画像合成部と同じ要領で実行される。
【0150】
このように構成された第8実施形態の眼科装置によれば、
図3に例示された合成正面画像G
n1+n2のような任意の合成正面画像を形成することができる。更に、
図4A及び
図4Bに例示するように、任意の合成正面画像と任意の付帯情報とを表示することが可能である。
【0151】
第8実施形態において、記憶部20は記憶部に相当し、層領域特定部42Hは第8層領域特定部に相当し、カラーコーディング部45Hは第8カラーコーディング部に相当し、血管領域抽出部41Hは第8血管領域抽出部に相当し、正面画像形成部44Hは第8正面画像形成部に相当し、画像合成部46Hは第8画像合成部に相当する。また、表示デバイス2は表示手段に相当し、表示制御部11は表示制御部に相当する。
【0152】
〈第9実施形態〉
第9実施形態に係る眼科装置について説明する。第9実施形態に係る眼科装置は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。第9実施形態と第1実施形態との相違は、データ処理部40の構成である。第9実施形態におけるデータ処理部40の例を
図12に示す。
【0153】
図12に示すデータ処理部40Jは、層領域特定部42Jと、正面画像形成部44Jと、血管領域抽出部41Jと、カラーコーディング部45Jと、画像合成部46Jとを含んでいる。第1実施形態と同様に、被検眼にOCTを適用して取得された3次元データセット21が記憶部20に記憶されている。
【0154】
層領域特定部42Jは、3次元データセット21にセグメンテーションを適用して複数の層領域を特定する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の層領域特定部と同じ要領で実行される。
【0155】
正面画像形成部44Jは、層領域特定部42Jにより特定された複数の層領域のそれぞれに基づいて正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の正面画像形成部と同じ要領で実行される。
【0156】
血管領域抽出部41Jは、正面画像形成部44Jにより形成された複数の正面画像のそれぞれから血管領域を抽出する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の血管領域抽出部と同じ要領で実行される。なお、前述した実施形態では、3次元画像データから血管領域を抽出しているが、第9実施形態では2次元画像データ(正面画像)から血管領域を抽出する。3次元画像データからの画像領域抽出と2次元画像データからの画像領域抽出との間に本質的な相違はない。
【0157】
カラーコーディング部45Jは、血管領域抽出部41Jにより抽出された複数の血管領域に対して互いに異なる色情報を割り当てる。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態のカラーコーディング部と同じ要領で実行される。
【0158】
画像合成部46Jは、カラーコーディング部45Jにより色情報が割り当てられた複数の血管領域の少なくとも2つを合成して合成正面画像を形成する。この処理は、例えば、前述したいずれかの実施形態の画像合成部と同じ要領で実行される。
【0159】
このように構成された第9実施形態の眼科装置によれば、
図3に例示された合成正面画像G
n1+n2のような任意の合成正面画像を形成することができる。更に、
図4A及び
図4Bに例示するように、任意の合成正面画像と任意の付帯情報とを表示することが可能である。
【0160】
第9実施形態において、記憶部20は記憶部に相当し、層領域特定部42Jは第9層領域特定部に相当し、正面画像形成部44Jは第9正面画像形成部に相当し、血管領域抽出部41Jは第9血管領域抽出部に相当し、カラーコーディング部45Jは第9カラーコーディング部に相当し、画像合成部46Jは第9画像合成部に相当する。また、表示デバイス2は表示手段に相当し、表示制御部11は表示制御部に相当する。
【0161】
〈第10実施形態〉
第10実施形態に係る眼科装置について説明する。第10実施形態に係る眼科装置は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。第10実施形態と第1実施形態との相違は、データ処理部40の構成である。第10実施形態におけるデータ処理部40の例を
図13に示す。
【0162】
図13に示すデータ処理部40Kは、第1実施形態と同様に、血管領域抽出部41Aと、層領域特定部42Aと、共通領域特定部43Aと、正面画像形成部44Aと、カラーコーディング部45Aと、画像合成部46Aとを含む。これらに加え、データ処理部40Kは、注目血管領域設定部47を含んでいる。つまり、データ処理部40Kは、第1実施形態のデータ処理部40Aに注目血管領域設定部47を付加したものである。
【0163】
なお、データ処理部40B〜40Jのいずれかに注目血管領域設定部47を付加することもできる。また、データ処理部40A〜40J以外の実施形態に注目血管領域設定部47を付加することも可能である。
【0164】
第10実施形態の記憶部20には、第1実施形態と同様に、被検眼にOCTを適用して取得された3次元データセット21が記憶されている。
【0165】
第10実施形態において、ユーザは、合成正面画像として表示される深さ範囲を任意に変更することができる。すなわち、ユーザは、3次元データセット21の深さレンジ(深さ方向の定義域)のうちから所望の深さ範囲を指定することができる。第10実施形態の眼科装置は、ユーザにより指定された深さ範囲に対応する合成正面画像を形成することができる。
【0166】
深さ範囲の指定は操作部50を用いて行われる。深さ範囲を指定することは、実質的に、正面画像形成部44Aにより形成された複数の正面画像のうちから2以上の正面画像を選択することに相当する。
【0167】
深さ範囲を指定する方法の例を説明する。第1の例において、表示制御部11は、正面画像形成部44Aにより形成された複数の正面画像を並列的に又は順次的に表示デバイス2に表示させる。ユーザは、操作部50を用いて所望の2以上の正面画像を指定することができる。データ処理部40Kは、ユーザが指定した2以上の正面画像から合成正面画像を形成することができる。
【0168】
第2の例において、表示制御部11は、被検眼の部位や組織を示す情報を表示デバイス2に表示させる。例えば、表示制御部11は、眼底の層組織の名称のリストを表示デバイス2に表示させる。ユーザは、表示されたリストから、所望の2以上の名称を指定することができる。データ処理部40Kは、例えばセグメンテーションの結果に基づいて、ユーザが指定した2以上の名称に対応する2以上の正面画像を特定し、特定された2以上の正面画像から合成正面画像を形成することができる。
【0169】
注目血管領域設定部47は、血管領域抽出部41Aにより抽出された血管領域のうちの注目血管領域を設定する。注目血管領域とは、観察や解析において注目される血管に相当する画像領域である。注目血管領域は、手動又は自動で設定される。
【0170】
表示制御部11は、3次元データセット21のレンダリング像を表示デバイス2に表示させる。ユーザは、レンダリング像に描出された血管領域のうちから、注目血管領域を指定することができる。そのための操作は、例えば、ポインティングデバイスによるクリック操作、ドラッグ操作などであってよい。
【0171】
一般に、血管は分岐している。ユーザがある血管領域を注目血管領域として指定すると、注目血管領域設定部47は、例えば、ユーザが指定した位置をシードとしてリージョングローイングを適用する。それにより、指定された位置を含む血管領域の全体(分岐血管も含む)が特定される。注目血管領域設定部47は、このようにして特定された血管全体のうちの一部又は全部を注目血管領域に設定することができる。他の例において、ユーザは、注目血管領域の範囲を指定することができる。
【0172】
表示制御部11は、複数の正面画像のうちから選択された2以上の正面画像に基づき形成された合成正面画像と、当該2以上の正面画像と異なる正面画像に描出された注目血管領域との合成画像を、表示デバイス2に表示させることができる。これを実現するための処理の例を以下に説明する。
【0173】
画像合成部46Aは、前述したいずれかの実施形態と同じ要領で、複数の正面画像のうちから選択された2以上の正面画像に基づいて合成正面画像を形成する。
【0174】
更に、画像合成部46Aは、注目血管領域設定部47から注目血管領域の設定結果を受け、合成正面画像の形成に用いられた2以上の正面画像と異なる正面画像のうちから、注目血管領域設定部47により設定された注目血管領域が描出されている正面画像を選択する。この処理では、例えば、注目血管領域に含まれる画素の3次元座標値と、正面画像に対応する層領域に含まれる画素の3次元座標値とが参照される。
【0175】
これにより、合成正面画像の形成に用いられた2以上の正面画像と異なる正面画像のうちから、1以上の正面画像(注目正面画像と呼ぶ)が選択される。画像合成部46Aは、選択された正面画像のうち、注目血管領域以外の血管領域の画素値を既定値(例えば、輝度値=0、R値=G値=B値=0など)に変更する。この既定値は、正面画像(画像フレーム)の背景に相当する画素値である。これにより、注目血管領域のみが描出された注目正面画像が得られる。
【0176】
画像合成部46Aは、注目血管領域のみが描出された注目正面画像と、2以上の正面画像に基づく合成正面画像とを合成する。表示制御部11は、注目正面画像と合成正面画像との合成画像を表示デバイス2に表示させる。
【0177】
なお、注目血管領域のみが描出された注目正面画像と、2以上の正面画像に基づく合成正面画像とを合成する処理を行わなくてもよい。この場合、例えば、表示制御部11は、表示レイヤー機能を用いて、注目血管領域のみが描出された注目正面画像と、2以上の正面画像に基づく合成正面画像とを、重ねて表示させることができる。或いは、表示制御部11は、表示レイヤー機能を用いて、注目正面画像と上記2以上の正面画像とを重ねて表示させることができる。
【0178】
このような第10実施形態によれば、合成正面画像として表示される深さ範囲を任意に変更することができる。また、注目する血管については、合成正面画像の深さ範囲以外の部分も観察することができる。
【0179】
〈第11実施形態〉
第11実施形態に係る眼科装置について説明する。第11実施形態に係る眼科装置は、被検眼にOCTを適用して3次元データセットを取得する機能を備える。つまり、第1〜第10実施形態に係る眼科装置は、コンピュータ(プロセッサ等のハードウェア、及びソフトウェア)を少なくとも含んでいるが、第1実施形態に係る眼科装置は、コンピュータとOCTスキャナとを少なくとも含むOCT装置である。
【0180】
第11実施形態に係る眼科装置の例を
図14に示す。
図14に示す眼科装置100は、第1実施形態と同様に、制御部10と、記憶部20と、データ入出力部30と、データ処理部40と、操作部50とを含む(
図1を参照)。これらに加え、眼科装置100は、データセット取得部60を含む。なお、データ処理部40は、前述したデータ処理部40A〜40Kのいずれかであってよく、或いは、これら以外の構成を備えていてもよい。
【0181】
データセット取得部60は、OCTを実行するための光学系や駆動系や制御系やデータ処理系を含む。データセット取得部60は、例えばフーリエドメインOCTを実行可能に構成される。フーリエドメインOCTには、スペクトラルドメインOCTと、スウェプトソースOCTとがある。
【0182】
スペクトラルドメインOCTは、広帯域の低コヒーレンス光源と分光器とを用いて、干渉光のスペクトルを空間分割で取得し、それをフーリエ変換することによってデータセットを取得する手法である。
【0183】
スウェプトソースOCTは、波長掃引光源(波長可変光源)と光検出器(バランスドフォトダイオード等)とを用いて、干渉光のスペクトルを時分割で取得し、それをフーリエ変換することによってデータセットを取得する手法である。
【0184】
眼科装置100は、OCT以外のモダリティを含んでいてもよい。そのようなモダリティとして、眼底カメラ、SLO(Scanning Laser Ophthalmoscope)、スリットランプ顕微鏡、眼科手術用顕微鏡などがある。また、眼科装置100は、眼科治療に用いられる装置を含んでいてもよい。眼科治療装置としては、光凝固治療等に使用されるレーザ治療装置などがある。
【0185】
データセット取得部60は、被検眼に対してOCTを実行することにより3次元データセットを取得する。データセット取得部60は、スペクトラルドメインOCT又はスウェプトソースOCTを利用した計測を実行するための構成(光学系、駆動系、制御系等)と、OCTにより収集されたデータに基づいて3次元データセットを形成するための構成とを含む。画像データ形成処理は、例えば従来のOCT技術と同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理を含む。
【0186】
データセット取得部60は、被検眼の3次元領域をスキャンする。そのときのスキャンモードは、例えばラスタースキャン(3次元スキャン)である。このラスタースキャンは、例えば、複数のB断面のそれぞれを所定回数ずつスキャンするように、つまり、複数のB断面を所定回数ずつ順次にスキャンするように実行される。データセット取得部60は、ラスタースキャンにより収集されたデータに基づいて、各B断面について複数の断面像(Bスキャン画像)を形成する。これら断面像を単一の3次元座標系に埋め込むことによりスタックデータが形成される。このスタックデータにおいては、各B断面に所定枚数の断面像が割り当てられている。また、このスタックデータに対して補間処理等を施すことによりボリュームデータ(ボクセルデータ)が形成される。このボリュームデータについても、各B断面に相当する位置に所定数のボクセル群が割り当てられている。スタックデータやボリュームデータは、3次元データセットの例である。
【0187】
データセット取得部60により取得された3次元データセットは、制御部10によって記憶部20に格納される(
図14に示す3次元データセット21A)。眼科装置100は、例えば、前述した第1〜第10実施形態にて説明された処理を3次元データセット21Aに適用する。
【0188】
〈効果〉
第1〜第11実施形態に係る眼科装置によれば、血管強調画像に描出された各種組織の画像領域うちから血管領域を抽出し、抽出された血管領域の合成画像(合成正面画像)にカラーコーディングを施すことができる。したがって、血管以外の組織も描出されていた従来の技術と比較して、眼の血管の3次元的分布を明瞭に把握することが可能である。
【0189】
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。