特許第6883492号(P6883492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6883492
(24)【登録日】2021年5月12日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】分岐ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20210531BHJP
   H01R 4/70 20060101ALI20210531BHJP
   H01R 4/62 20060101ALI20210531BHJP
   H01R 4/00 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   H01B7/00 305
   H01B7/00
   H01R4/70 D
   H01R4/62 A
   H01R4/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-164507(P2017-164507)
(22)【出願日】2017年8月29日
(65)【公開番号】特開2019-46534(P2019-46534A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2020年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 淳
(72)【発明者】
【氏名】内田 桂
【審査官】 北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−152089(JP,A)
【文献】 特開2017−21894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01R 4/00
H01R 4/62
H01R 4/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幹線ケーブルと、所定の分岐点にて前記幹線ケーブルから分岐するように前記幹線ケーブルに接続された枝線ケーブルと、前記分岐点を覆う防水部材と、を備えた分岐ケーブルであって、
前記幹線ケーブル及び前記枝線ケーブルは、
アルミニウム又はアルミニウム合金を含む材料から構成された複数の素線が束ねられた導体芯線、及び、前記素線よりも標準電極電位が大きい材料から構成され且つ前記導体芯線の外周に接触するように前記導体芯線を覆う導体被覆層、を有する芯線部と、前記芯線部を覆う絶縁層と、を有し、
前記分岐点において、
前記幹線ケーブルの前記導体被覆層と前記枝線ケーブルの前記導体被覆層とが接触するように、前記幹線ケーブル及び前記枝線ケーブルが接続されている、
分岐ケーブル。
【請求項2】
請求項1に記載の分岐ケーブルにおいて、
前記導体被覆層は、
銅、銀、錫、銅合金、銀合金又は錫合金を含む材料から構成された、
分岐ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幹線ケーブルと、幹線ケーブルから分岐された枝線ケーブルと、を備えた分岐ケーブル、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多層建築物の各層に電力を供給する等の目的から、分岐ケーブルが用いられている(例えば、特許文献1,2参照。)。この種の分岐ケーブルでは、軽量化などの観点から、導体として銅を用いた銅電線に代えて、導体としてアルミニウム又はアルミニウム合金を用いたアルミニウム電線が用いられる場合がある。
【0003】
例えば、従来の分岐ケーブルの一つは、幹線ケーブルと、複数の枝線ケーブルと、複数の枝線ケーブルの各々の端末に連結されて分電盤などと接続される端部ケーブルと、を備えている。この従来の分岐ケーブルでは、軽量化の観点から、幹線ケーブル及び枝線ケーブルにはアルミニウム電線が用いられており、分電盤などとの接続箇所における異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)を抑制する観点から、端部ケーブルには銅電線が用いられている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
以下、説明の便宜上、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)を、単に「腐食」と称呼する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−152089号公報
【特許文献2】特開2010−086837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の分岐ケーブルは、その構造上、複数の枝線ケーブルの各々の端末に、端部ケーブルをそれぞれ接続することになる。そのため、枝線ケーブルの数が増えるにつれて、枝線ケーブルの端末に分岐ケーブルを連結する工程数も増え、分岐ケーブルの製造が煩雑となり得る。また、枝線ケーブルと端部ケーブルとの連結点は、通常、銅電線とアルミニウム電線との間の腐食を防ぐべく、樹脂などで封止される。そのため、連結点が肥大化すると共に連結点での曲げが困難となり、建築物等への敷設が煩雑となり得る。このように、従来の分岐ケーブルは、分電盤などにおける腐食を抑制し得るものの、その製造および使用が煩雑となり得る。
【0007】
しかし、分岐ケーブルの更なる性能向上の観点等から、分岐ケーブルの耐食性を高めつつ、更に分岐ケーブルを製造および使用する際の作業性を高めることが望ましい。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、分岐ケーブルの耐食性の向上と、分岐ケーブルを製造および使用する際の作業性の向上と、を両立可能な分岐ケーブル、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明に係る分岐ケーブルは、下記(1)及び(2)を特徴としている。
(1)
幹線ケーブルと、所定の分岐点にて前記幹線ケーブルから分岐するように前記幹線ケーブルに接続された枝線ケーブルと、前記分岐点を覆う防水部材と、を備えた分岐ケーブルであって、
前記幹線ケーブル及び前記枝線ケーブルは、
アルミニウム又はアルミニウム合金を含む材料から構成された複数の素線が束ねられた導体芯線、及び、前記素線よりも標準電極電位が大きい材料から構成され且つ前記導体芯線の外周に接触するように前記導体芯線を覆う導体被覆層、を有する芯線部と、前記芯線部を覆う絶縁層と、を有し、
前記分岐点において、
前記幹線ケーブルの前記導体被覆層と前記枝線ケーブルの前記導体被覆層とが接触するように、前記幹線ケーブル及び前記枝線ケーブルが接続されている、
分岐ケーブルであること。
(2)
上記(1)に記載の分岐ケーブルにおいて、
前記導体被覆層は、
銅、銀、錫、銅合金、銀合金又は錫合金を含む材料から構成された、
分岐ケーブルであること。
【0010】
上記(1)の構成の分岐ケーブルによれば、幹線ケーブルも枝線ケーブルも、芯線部として、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む材料から構成された複数の素線が束ねられた導体芯線、及び、素線よりも標準電極電位が大きい材料(例えば、一般に銅電線の材料として用いられる銅または銅合金)から構成され且つ導体芯線の外周に接触するように導体芯線を覆う導体被覆層、を有している。更に、幹線ケーブルと枝線ケーブルとの分岐点にて、幹線ケーブル及び枝線ケーブルが、両者の導体被覆層を接触させるように接続されている。加えて、幹線ケーブルと枝線ケーブルとの分岐点は、防水部材に覆われている。
【0011】
よって、分岐点(幹線ケーブルと枝線ケーブルの接触箇所)は防水部材によって外部から隔離されるため、分岐点における腐食を抑制できる。更に、枝線ケーブルと分電盤などとの接続箇所では、導体芯線を覆う導体被覆層(素線よりも標準電極電位が大きい材料製)と分電盤の端子(一般に銅製)とを接触させれば、導体芯線(アルミニウム又はアルミニウム合金製)を分電盤の端子に接触させる場合に比べ、この接続箇所での腐食も抑制できる。加えて、上述した従来の分岐ケーブルのように枝線ケーブルに連結点を設ける必要がないため、従来の分岐ケーブルに比べ、建築物等への敷設が容易である。なお、一般的な銅電線を用いる場合に比べ、導体芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金を含む材料から構成される分、分岐ケーブルの軽量化も可能である。
【0012】
したがって、本構成の分岐ケーブルは、分岐ケーブルの耐食性の向上と、分岐ケーブルを製造および使用する際の作業性の向上と、を両立できる。
【0013】
上記(2)の構成の分岐ケーブルによれば、導体被覆層が、銅、銀、錫、銅合金、銀合金又は錫合金を含む材料を含む材料から構成される。これにより、一般的に入手可能な材料を用いて導体被覆層を構成できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、分岐ケーブルの耐食性の向上と、分岐ケーブルを製造および使用する際の作業性の向上と、を両立可能な分岐ケーブル、を提供できる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施形態に係る分岐ケーブルの使用状態を示す概略図である。
図2図2は、図1の分岐ケーブルを構成する幹線ケーブル及び枝線ケーブルの内部構造を表す模式図である。
図3図3(a)は、図1の分岐ケーブルにおける幹線ケーブルと枝線ケーブルの分岐点(接続箇所)の概略図であり、図3(b)は、この分岐点のA−A断面図である。
図4図4(a)は、図1の分岐ケーブルにおける幹線ケーブルの端末部分の概略図であり、図4(b)は、この端末部分のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る分岐ケーブル100について説明する。
【0018】
図1に示すように、分岐ケーブル100は、幹線ケーブル110と、幹線ケーブル110から分岐するように幹線ケーブル110に接続された複数の(図1では2本の)枝線ケーブル120とを備えている。分岐ケーブル100は、多層建造物(例えば、中高層のビル等)に電力を供給するためのケーブルであり、例えば、多層建築物の階数に対応した本数の枝線ケーブル120を有している。
【0019】
分岐ケーブル100は、幹線ケーブル110の上端部に取り付けられた治具101により、多層建築物の天井壁Lに固定されている。幹線ケーブル110の途中部分は、各階の壁面などに治具(図示省略)によって固定されている。幹線ケーブル110は、電力供給用の電源200に接続されている。
【0020】
枝線ケーブル120は、幹線ケーブル110との分岐点130にて、幹線ケーブル110と電気的に接続されている。分岐点130における幹線ケーブル110と枝線ケーブル120との接続構造の詳細は、後述される。枝線ケーブル120は、多層建築物の各階に設置された分電盤300に接続されており、幹線ケーブル110を通じて供給された電力を分電盤300に供給するようになっている。
【0021】
図2に示すように、幹線ケーブル110は、複数の素線111aが束ねられた導体芯線111、導体芯線111の外周に接触するように導体芯線111を覆う導体被覆層112、及び、導体被覆層112を覆う絶縁層113を有している。導体芯線111及び導体被覆層112は、幹線ケーブル110の芯線部114を構成している。
【0022】
導体芯線111を覆うように導体被覆層112を設ける具体的手法は、特に限定されない。例えば、いわゆるクラッド線の製造方法と同様、導体芯線111を覆うように筒状の導体被覆層112を押出成形することにより、導体被覆層112を設け得る。また、例えば、導体芯線111を覆うようにテープ状の導体被覆層112を巻き付けることにより、導体被覆層112を設け得る。
【0023】
素線111aは、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む材料から構成されている。一方、導体被覆層112は、素線111aよりも標準電極電位が大きい材料から構成されている。導体被覆層112を構成する材料の例として、銅、銀、錫、銅合金、銀合金又は錫合金を含む材料が挙げられる。
【0024】
図2では幹線ケーブル110の内部構造が図示されているが、枝線ケーブル120も、幹線ケーブル110と同様の内部構造を有している。具体的には、枝線ケーブル120は、複数の素線121aが束ねられた導体芯線121、導体芯線121の外周に接触するように導体芯線121を覆う導体被覆層122、及び、導体被覆層122を覆う絶縁層123を有している。導体芯線121及び導体被覆層122は、枝線ケーブル120の芯線部124を構成している。更に、素線121aは、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む材料から構成されており、導体被覆層122は、素線121aよりも標準電極電位が大きい材料(上記同様の銅など)から構成されている。
【0025】
なお、「標準電極電位」は、材料のイオン化傾向(腐食し易さ)に関連するパラメータであり、標準電極電位が小さいほど、イオン化傾向が大きく腐食し易いことになる。標準電極電位は、例えば、その材料の電極と標準水素電極とを組み合わせて作った電池の標準状態における起電力と定義され得る。アルミニウムの標準電極電位は約−1.67Vであり、錫の標準電極電位は約−0.14Vであり、銅の標準電極電位は約0.52Vであり、銀の標準電極電位は約0.80Vである。アルミニウム合金の標準電極電位は、その組成によって異なるが、一般に上述した錫、銅および銀などの標準電極電位よりも小さい。同様に、錫合金、銅合金および銀合金の標準電極電位は、その組成によって異なるが、一般に上述したアルミニウム及びアルミニウム合金の標準電極電位よりも大きい。
【0026】
本例では、幹線ケーブル110の導体芯線111は、複数の素線111aを撚り合わせた撚り線となっている。しかし、複数の素線111aは、直線状のまま互いに並行するように並べられていてもよい。更に、必要に応じ、絶縁層113を覆うように他の層(例えば、保護用のシース等)が設けられてもよい。枝線ケーブル120についても同様である。
【0027】
図3(a)及び図3(b)に示すように、分岐点130では、幹線ケーブル110の絶縁層113が除去され、幹線ケーブル110の芯線部114が露出している。同様に、枝線ケーブル120の絶縁層123が除去されて、枝線ケーブル120の芯線部124が露出している。分岐点130では、幹線ケーブル110の芯線部114の外周面(即ち、導体被覆層112)と、枝線ケーブル120の芯線部124の外周面(即ち、導体被覆層122)と、が互いに接触した状態にて、圧縮コネクタ140によって押圧されながら固定されている。これにより、幹線ケーブル110の導体芯線111及び導体被覆層112、並びに、枝線ケーブル120の導体芯線121及び導体被覆層122が、電力を伝達可能に接続されることになる。
【0028】
分岐点130には、上述したように接続された幹線ケーブル110の芯線部114と枝線ケーブル120の芯線部124とを覆うように、ポリエチレン等から構成された防水部材150が設けられている。これにより、枝線ケーブル120の芯線部124の端面に露出している導体芯線121と導体被覆層122とに水滴などが接触し、導体芯線121と導体被覆層122との間において異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)が生じることを抑制できる。
【0029】
上述した分岐点130の加工は、多層建築物へ分岐ケーブル100を設置する前に、あらかじめ工場などにおいて行われることが好ましい。加工環境が管理された工場内にて分岐点130の加工を行うことにより、分岐点130における幹線ケーブル110と枝線ケーブル120との確実な電気的接続、及び、分岐点130の確実な防水を図り得る。
【0030】
図4(a)及び図4(b)に示すように、幹線ケーブル110の端末部分には、電源200に幹線ケーブル110を接続するための端子115が取り付けられている。端子115の先端部には貫通孔116が設けられており、この貫通孔116にボルト210が挿通された状態にて、端子115が電源200の電源端子220に締結されるようになっている。
【0031】
幹線ケーブル110の端部からは芯線部114が露出している。そして、芯線部114の外周面(即ち、導体被覆層112)と端子115の表面とを押圧接触させるように、端子115の加締片115aによって芯線部114が端子115に加締められている。また、端子115が幹線ケーブル110から分離しないように、幹線ケーブル110の端部(絶縁層113)に対して加締片115bが加締められている。
【0032】
更に、端子115と芯線部114の接続箇所(特に、芯線部114の端面に露出している導体芯線111及び導体被覆層112)を覆うように、防水被覆117が設けられている。これにより、幹線ケーブル110の芯線部114の端面に露出している導体芯線111と導体被覆層112とに水滴などが接触し、導体芯線111と導体被覆層112との間において腐食が生じることを抑制できる。
【0033】
図4では幹線ケーブル110と電源200との接続構造が図示されているが、枝線ケーブル120と分電盤300との接続構造も、同様の構造を有している。具体的には、枝線ケーブル120の端末部分に端子125が取り付けられている。芯線部124の外周面(即ち、導体被覆層122)と端子125の表面とは、押圧接触している。更に、端子125と芯線部124の接続箇所(特に、芯線部124の端面に露出している導体芯線121及び導体被覆層122)を覆うように、防水被覆127が設けられている。これにより、芯線部124の端面に露出している導体芯線121と導体被覆層122との間において腐食が生じることを抑制できる。
【0034】
以上に説明したように、本発明の実施形態に係る分岐ケーブル100によれば、幹線ケーブル110及び枝線ケーブル120は、芯線部114,124として、アルミニウム又はアルミニウム合金を含む材料から構成された複数の素線111a,121aが束ねられた導体芯線111,121、及び、素線111a,121aよりも標準電極電位が大きい材料(銅など)から構成され且つ導体芯線111,121を覆う導体被覆層112,122、を有している。更に、分岐点130にて、幹線ケーブル110及び枝線ケーブル120が、両者の導体被覆層112,122を接触させるように接続されている。
【0035】
分岐点130は防水部材150によって外部から隔離されるため、分岐点130における腐食を抑制できる。更に、枝線ケーブル120と分電盤300などとの接続箇所では、導体芯線121を覆う導体被覆層122と分電盤300の端子(一般に銅製)とを接触させれば、導体芯線121(アルミニウム又はアルミニウム合金製)を分電盤300の端子に接触させる場合に比べ、この接続箇所での腐食も抑制できる。幹線ケーブル110と電源200との接続箇所についても同様である。
【0036】
加えて、上述した従来の分岐ケーブルのように枝線ケーブル120に連結点を設ける必要がないため、従来の分岐ケーブルに比べ、建築物等への敷設が容易である。なお、一般的な銅電線を用いる場合に比べ、導体芯線111,121がアルミニウム又はアルミニウム合金を含む材料から構成される分、分岐ケーブル100の軽量化も可能である。
【0037】
したがって、分岐ケーブル100は、耐食性の向上と、製造および使用する際の作業性の向上と、を両立できる。
【0038】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0039】
ここで、上述した本発明に係る分岐ケーブルの実施形態の特徴をそれぞれ以下(1)及び(2)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
幹線ケーブル(110)と、所定の分岐点(130)にて前記幹線ケーブルから分岐するように前記幹線ケーブルに接続された枝線ケーブル(120)と、前記分岐点を覆う防水部材(150)と、を備えた分岐ケーブル(100)であって、
前記幹線ケーブル(110)及び前記枝線ケーブル(120)は、
アルミニウム又はアルミニウム合金を含む材料から構成された複数の素線(111a,121a)が束ねられた導体芯線(111,121)、及び、前記素線よりも標準電極電位が大きい材料から構成され且つ前記導体芯線の外周に接触するように前記導体芯線を覆う導体被覆層(112,122)、を有する芯線部(114,124)と、前記芯線部を覆う絶縁層(113,123)と、を有し、
前記分岐点(130)において、
前記幹線ケーブルの前記導体被覆層(112)と前記枝線ケーブルの前記導体被覆層(122)とが接触するように、前記幹線ケーブル(110)及び前記枝線ケーブル(120)が接続されている、
分岐ケーブル。
(2)
上記(1)に記載の分岐ケーブルにおいて、
前記導体被覆層(112,122)は、
銅、銀、錫、銅合金、銀合金又は錫合金を含む材料から構成された、
分岐ケーブル。
【符号の説明】
【0040】
100 分岐ケーブル
110 幹線ケーブル
111,121 導体芯線
111a,121a 素線
112,122 導体被覆層
113,123 絶縁層
114,124 芯線部
115,125 端子
117,127 防水被覆
120 枝線ケーブル
130 分岐点
140 圧縮コネクタ
150 防水部材
200 電源
300 分電盤
図1
図2
図3
図4