【文献】
Sony,Enhanced Coverage Mobility Issues,3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-133821,フランス,3GPP,2013年11月 1日,Section 2.3
【文献】
CATT,Discussion on mobility support for Low Complexity MTC UEs and MTC coverage enhancement,3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134040,フランス,3GPP,2013年11月 2日,Section 2.1.1
【文献】
Huawei, HiSilicon,SIB in "enhanced coverage mode",3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-133920,フランス,3GPP,2013年11月 2日,Section 2.3
【文献】
Huawei, HiSilicon,Cell selection and reselection in coverage,3GPP TSG-RAN WG2♯85 R2-140327,フランス,3GPP,2014年 1月31日,Section 2.3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)に対応する複数のセルの中からセルを、移動局によって、選択または再選択する方法であって、前記移動局は、標準カバレッジモードおよび拡張カバレッジモードをサポートし、前記方法は、
前記複数のセルの中から、前記移動局による選択または再選択のための候補である候補セルを、前記移動局によって、検出するステップであって、前記候補セルは、前記複数のセルのうち、前記移動局によってその後の選択または再選択が成功する可能があるセルであり、前記検出ステップは、前記標準カバレッジモードまたは前記拡張カバレッジモードの何れかを利用する、ステップと、
前記検出ステップによって検出された前記候補セルの中からセルを、前記移動局によって、選択または再選択するステップであって、前記選択または再選択ステップは、前記標準カバレッジモードまたは前記拡張カバレッジモードの何れかを利用する、ステップと、
を含み、
前記標準カバレッジモードを利用する、前記検出ステップが、任意の候補セルを検出することに成功しない場合、または、
前記標準カバレッジモードを利用する、前記選択または再選択ステップが、前記標準カバレッジモードを利用する前記検出ステップによって検出された前記候補セルの中から前記セルを選択または再選択することに成功しない場合、
前記移動局は、前記拡張カバレッジモードを利用する前記検出ステップによって検出された前記候補セルの中から、前記拡張カバレッジモードを利用する前記選択または再選択ステップを行っており、
前記検出ステップおよび、前記選択または再選択ステップは、前記移動局によって、前記候補セルの少なくとも1つが前記検出ステップおよび前記選択または再選択ステップが前記拡張カバレッジモードを利用することをサポートするか否かを示す保存情報に基づいて行われ、
前記選択または再選択ステップが前記標準カバレッジモードを利用する場合、前記選択または再選択ステップは、第1の閾値に対するセル選択基準を、前記候補セルの各々について評価することによって行われ、
前記選択または再選択ステップが前記拡張カバレッジモードを利用する場合、前記選択または再選択ステップは、前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に対する前記セル選択基準を、前記候補セルの各々について評価することによって行われ、
前記保存情報が、前記検出ステップおよび前記選択または再選択ステップが前記拡張カバレッジモードを利用することをサポートする候補セルのみを示す場合、前記移動局は、前記標準カバレッジモードを利用して前記検出ステップおよび前記選択または再選択ステップを行わない、
方法。
前記拡張カバレッジモードを利用する場合、前記検出ステップおよび前記選択または再選択ステップは、前記標準カバレッジモードに対して、参照信号受信電力(RSRP)値が前記移動局で設定された電力閾値を下まわるセルに関して行われることになっている、
請求項1に記載の方法。
前記保存情報は、物理セル識別子(PCI)、RFチャネルの搬送周波数、無線アクセス技術(RAT)、前記RATに対応する帯域および周波数優先度のうちの少なくとも1つをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
選択されたセルに、前記候補セルの少なくとも1つが前記検出ステップおよび前記選択または再選択ステップが前記拡張カバレッジモードを利用することをサポートするか否かを示す情報を送信するように、前記移動局によって、要求するステップと、
前記要求ステップに応じて前記選択されたセルによって送信された前記情報を、前記移動局によって、受信、および保存するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記候補セルの少なくとも1つが前記検出ステップおよび前記選択または再選択ステップが前記拡張カバレッジモードを利用することをサポートするか否かを示す、選択されたセルによって報知される情報を、前記移動局によって、受信および保存するステップ、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記保存情報が、前記検出ステップおよび前記選択または再選択ステップが前記拡張カバレッジモードを利用することをサポートされているか否かを示す、前記候補セルは、前記移動局が前回選択した前記セル、または、前記前回選択されたセルの隣接セルを含む、請求項1に記載の方法。
少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)に対応する複数のセルの中からセルを選択または再選択する移動局であって、前記移動局は、標準カバレッジモードおよび拡張カバレッジモードをサポートし、
前記複数のセルの中から、前記標準カバレッジモードまたは前記拡張カバレッジモードの何れかを利用することによって選択または再選択のための候補である候補セルを検出し、前記候補セルは、前記複数のセルのうち、前記移動局によってその後の選択または再選択が成功する可能があるセルである、検出ユニットと、
前記標準カバレッジモードまたは前記拡張カバレッジモードの何れかを利用することによって検出された前記候補セルの中からセルを選択または再選択する選択または再選択ユニットと、
を備え、
前記標準カバレッジモードを利用する、前記検出ユニットが、任意の候補セルを検出することに成功しない場合、または、
前記標準カバレッジモードを利用する、前記選択または再選択ユニットが、前記標準カバレッジモードを利用して検出された前記候補セルの中から前記セルを選択または再選択することに成功しない場合、
前記選択または再選択ユニットは、前記拡張カバレッジモードを利用する前記検出ユニットによって検出された前記候補セルの中から前記拡張カバレッジモードを利用することによって前記選択または再選択を行い、
前記検出ユニットおよび前記選択または再選択ユニットは、さらに、前記候補セルの少なくとも1つが前記検出ユニットおよび前記選択または再選択ユニットが前記拡張カバレッジモードを利用することをサポートするか否かを示す保存情報に基づいて、前記検出、および前記選択または再選択を行い、
前記選択または再選択ユニットが前記標準カバレッジモードを利用する場合、前記選択または再選択ユニットは、第1の閾値に対するセル選択基準を、前記候補セルの各々について評価し、
前記選択または再選択ユニットが前記拡張カバレッジモードを利用する場合、前記選択または再選択ユニットは、前記第1の閾値よりも低い第2の閾値に対する前記セル選択基準を、前記候補セルの各々について評価し、
前記保存情報が、前記検出ユニットおよび前記選択または再選択ユニットが前記拡張カバレッジモードを利用することをサポートする候補セルのみを示す場合、前記移動局は、前記標準カバレッジモードを利用して前記検出および前記選択または再選択を行わない、
移動局。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)
WCDMA(登録商標)無線アクセス技術に基づく第3世代モバイルシステム(3G)は、世界中で大規模に配備されつつある。この技術を拡張するまたは進化させる第1のステップは、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)および、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)とも呼ばれる、拡張アップリンクを導入し、高い競争力を持つ無線アクセス技術を与えることを必要とする。
【0003】
さらに増加するユーザの需要に備えるために、および新しい無線アクセス技術に対して競争力を持つために、3GPPは、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる新しい移動通信システムを導入した。LTEは、次の10年間のために、高容量音声サポートと同様、高速のデータおよびメディアトランスポートに対するキャリアのニーズを満たすように設計される。高ビットレートを提供する能力は、LTEに対する重要な尺度である。
【0004】
進化型UTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)およびUTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)と呼ばれるLTE(Long Term Evolution)についての作業項目(WI:Work Item)仕様は、リリース8(LTE Rel.8)として完成される。LTEシステムは、低レイテンシおよび低コストでIPベースの機能を提供する、効率的なパケットベースの無線アクセスおよび無線アクセスネットワークを表す。LTEにおいては、所与のスペクトルを使用して柔軟なシステム配置を達成するために、1.4、3.0、5.0、10.0、15.0、および20.0MHzなどのスケーラブルな多数の送信帯域幅が指定される。ダウンリンクにおいて、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)ベースの無線アクセスは、低シンボルレートに起因するマルチパス干渉(MPI)に対するその固有の耐性、CP(Cyclic Prefix)の使用およびさまざまな送信帯域幅配列に対するその親和性のために採用された。SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)ベースの無線アクセスは、ユーザ機器(UE:User Equipment)の制限された送信電力を考慮してピーク・データ・レートの改善よりも広いエリアカバレッジを提供することが優先されたので、アップリンクで採用された。MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)チャネル送信技術を含む、多くの重要なパケット無線アクセス技術が使われ、非常に効率的な制御シグナリング構造がLTE Rel.8/9で達成される。
【0005】
LTEアーキテクチャ
全体的なアーキテクチャは
図1に示され、E−UTRANアーキテクチャのより詳細な表現は、
図2で与えられる。E−UTRANは、ユーザ機器(UE)に向かってE−UTRAのユーザプレーン(PDCP/RLC/MAC/PHY)プロトコル終端および制御プレーン(RRC)プロトコル終端を提供する、eNodeBからなる。eNodeB(eNB)は、物理(PHY)、メディアアクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、およびユーザプレーンヘッダ圧縮および暗号化の機能を含むパケットデータ制御プロトコル(PDCP)レイヤをホストする。eNodeBは、制御プレーンに対応する無線リソース制御(RRC)機能を同様に提供する。eNodeBは、無線リソース管理、アドミッションコントロール、スケジューリング、ネゴシエートされたアップリンクサービス品質(QoS)の施行、セル情報報知、ユーザおよび制御プレーンのデータの暗号化/復号、ならびにダウンリンク/アップリンクのユーザプレーンのパケットヘッダの圧縮/解凍を含む多くの機能を行う。eNodeBは、X2インタフェースを用いて相互に接続される。
【0006】
eNodeBは、S1インタフェースを用いてEPC(Evolved Packet Core)に、より具体的にはS1−MMEを用いてMME(Mobility Management Entity)に、およびS1−Uを用いてサービングゲートウェイ(SGW:Serving Gateway)に同様に接続される。S1インタフェースは、MME/サービングゲートウェイとeNodeBとの間の多対多の関係をサポートする。SGWは、ユーザ・データ・パケットをルーティングし、フォワードする一方で、eNodeB間のハンドオーバ中のユーザプレーンに対するモビリティアンカとして、および(S4インタフェースを終端し、2G/3GシステムとPDN GWとの間でトラフィックを中継する)LTEと他の3GPP技術との間のモビリティのためのアンカとしての役割も果たす。アイドル状態のユーザ機器に対して、SGWは、ユーザ機器あてにダウンリンクデータが到着するとき、ダウンリンクのデータパスを終端しページングをトリガする。SGWは、ユーザ機器のコンテキスト、例えばIPベアラサービスのパラメータ、ネットワーク内部のルーティング情報を管理し保存する。SGWは、合法的傍受の場合、ユーザトラフィックの複製を同様に行う。
【0007】
MMEは、LTEアクセスネットワークのための重要な制御ノードである。MMEは、再送を含むアイドルモードのユーザ機器の追跡およびページング手順に対して責任がある。MMEは、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化プロセスに関与し、同様に、初期のアタッチで、およびCN(Core Network)ノード再配置を伴うLTE間ハンドオーバ時に、ユーザ機器のためにSGWを選択する責任がある。MMEは、(HSSと対話することによって)ユーザを認証する責任がある。NAS(Non-Access Stratum)シグナリングは、MMEで終端し、MMEは、ユーザ機器への一時的な識別の生成および配分に対して同様に責任がある。MMEは、サービスプロバイダのPLMN(Public Land Mobile Network)にキャンプするためのユーザ機器の権限をチェックし、ユーザ機器のローミング制限を実施する。MMEは、NASシグナリングのための暗号化/完全性保護に対するネットワークにおける終端点であり、セキュリティキー管理を取り扱う。シグナリングの合法的傍受は、MMEによって同様にサポートされる。MMEは、SGSNからのMMEで終端するS3インタフェースを用いてLTEと2G/3Gアクセスネットワークとの間のモビリティのために制御プレーン機能を同様に提供する。MMEは同様に、ユーザ機器をローミングするためにホームHSSに向かうS6aインタフェースを終端する。
【0008】
LTEにおけるコンポーネントキャリア構造
3GPP LTEシステムのダウンリンク・コンポーネント・キャリアは、いわゆるサブフレームにおいて時間−周波数領域で細分される。3GPP LTEにおいて、各々のサブフレームは、
図3に示されるように2つのダウンリンクスロットに分割され、第1のダウンリンクスロットは、第1のOFDMシンボルの中の制御チャネル領域(PDCCH領域)を含む。各々のサブフレームは、時間領域において所与の数のOFDMシンボル(3GPP LTE(リリース8)では12または14個のOFDMシンボル)からなり、各々のOFDMシンボルは、コンポーネントキャリアの帯域幅全体に及ぶ。したがってOFDMシンボルは、各々、
図4に同じく示されるように、それぞれのN
DLRB*N
RBSC個のサブキャリア上で送信される多くの変調シンボルからなる。
【0009】
例えば3GPP LTE(Long Term Evolution)で使用されるように、例えばOFDMを使う、マルチキャリア通信システムを想定すると、スケジューラによって割り当てることができるリソースの最小単位は、1つの「リソースブロック」である。物理リソースブロック(PRB)は、
図4に例証されるように、時間領域におけるN
DLsymb個の連続的なOFDMシンボル(例えば7個のOFDMシンボル)および周波数領域におけるN
RBSC個の連続的なサブキャリア(例えばコンポーネントキャリアに対して12個のサブキャリア)として定義される。したがって、3GPP LTE(リリース8)において、物理リソースブロックは、時間領域における1つのスロットおよび周波数領域における180kHzに対応する、N
DLsymb*N
RBSC個のリソースエレメントからなる(ダウンリンク・リソース・グリッドに関するさらなる詳細については、例えば、http://www.3gpp.orgで利用可能であり、参照により本明細書に援用される、非特許文献1、第6.2節を参照されたい)。
【0010】
1つのサブフレームは2つのスロットからなり、したがって、いわゆる「標準」CP(normal Cyclic Prefix)が使用されるときサブフレームに14個のOFDMシンボルがあり、いわゆる「拡張」CP(extended CP)が使用されるときサブフレームに12個のOFDMシンボルがある。専門用語のために、以下では、完全なサブフレームに及ぶ同じN
RBSC個の連続的なサブキャリアと同等の時間−周波数リソースを「リソース・ブロック・ペア」、または同等の「RBペア」もしくは「PRBペア」と呼ぶ。
【0011】
用語「コンポーネントキャリア」は、周波数領域におけるいくつかのリソースブロックの組合せを意味する。LTEの将来のリリースにおいては、用語「コンポーネントキャリア」は、もはや使用されず、その代わりに、専門用語は、ダウンリンクリソースおよび任意選択でアップリンクリソースの組合せを意味する「セル」に変更される。ダウンリンクリソースの搬送周波数とアップリンクリソースの搬送周波数との間の関連付けは、ダウンリンクリソース上で送信されるシステム情報で示される。
【0012】
コンポーネントキャリア構造に対する類似した仮定は、後のリリースに同様に適用される。
【0013】
より広い帯域幅をサポートするためのLTE−Aにおけるキャリアアグリゲーション
IMTアドバンストに対する周波数スペクトルは、世界無線通信会議2007(WRC−07)で決められた。IMTアドバンストに対する全体的な周波数スペクトルが決められたが、実際の利用可能な周波数帯域幅は各々の地域または国によって異なる。しかしながら、利用可能な周波数スペクトルのアウトラインに関する決定に従って、無線インタフェースの標準化が3GPP(3rd Generation Partnership Project)において始まった。3GPP TSG RAN#39会合で、「E−UTRA(LTE-Advanced)のさらなる発展(Advancement)」に関する検討項目(Study Item)の記載が承認された。検討項目は、例えばIMTアドバンストに関する要件を満たすための、E−UTRAの進化のために考慮されるべき技術的構成要素をカバーする。
【0014】
LTEアドバンストシステムがサポートすることが可能な帯域幅は100MHzであるが、LTEシステムは20MHzしかサポートすることができない。最近は、無線スペクトルの不足がワイヤレスネットワークの開発におけるボトルネックとなっており、結果として、LTEアドバンストシステムのために十分広いスペクトル帯域を見つけることが難しい。したがって、より広い無線スペクトル帯域を獲得する方法を見つけることは急務であり、1つの可能な答えがキャリアアグリゲーション機能である。
【0015】
キャリアアグリゲーションにおいて、2つ以上のコンポーネントキャリア(コンポーネントキャリア)が、最大100MHzまでのより広い送信帯域幅をサポートするためにアグリゲートされる。LTEシステムのいくつかのセルは、LTEのこれらのセルが異なる周波数帯域にあるとしても、100MHzに十分なだけ広い、LTEアドバンストシステムの1つのより広いチャネルにアグリゲートされる。
【0016】
すべてのコンポーネントキャリアは、少なくとも、アップリンクおよびダウンリンクにおけるコンポーネントキャリアのアグリゲートされる数が同じであるとき、LTE Rel.8/9と互換性があるように設定され得る。ユーザ機器によってアグリゲートされるすべてのコンポーネントキャリアが必ずしもRel.8/9と互換性があるわけではない。既存の機構(例えば禁止(barring))を使用して、Rel−8/9のユーザ機器がコンポーネントキャリアにキャンプするのを防ぐことができる。
【0017】
ユーザ機器は、その能力に応じて、(多数のサービングセルに対応する)1つまたは多数のコンポーネントキャリアを同時に受信または送信することができる。キャリアアグリゲーションのための受信および/または送信能力を持つLTE−A Rel.10のユーザ機器は、多数のサービングセルで同時に受信および/または送信することができるのに対し、LTE Rel.8/9のユーザ機器は、コンポーネントキャリアの構造がRel.8/9仕様に従うならば、単一のサービングセルのみで受信および送信することができる。
キャリアアグリゲーションは、3GPP LTE(リリース8/9)のnumerologyを使用して各コンポーネントキャリアを周波数領域で最大110個のリソースブロックに限定して、連続的なコンポーネントキャリアと非連続的なコンポーネントキャリアの両方に対してサポートされる。
【0018】
同じeNodeB(基地局)から生じ、場合によってはアップリンクおよびダウンリンクで異なる帯域幅の、異なる数のコンポーネントキャリアをアグリゲートするように3GPP LTE−A(リリース10)互換のユーザ機器を設定することが可能である。設定され得るダウンリンク・コンポーネント・キャリアの数は、UE(移動局)のダウンリンクアグリゲーション能力に依存する。反対に、設定され得るアップリンク・コンポーネント・キャリアの数は、UEのアップリンクアグリゲーション能力に依存する。ダウンリンク・コンポーネント・キャリアより多いアップリンク・コンポーネント・キャリアを用いる移動局を設定することが可能ではない場合がある。
【0019】
典型的なTDD配置において、アップリンクおよびダウンリンクにおけるコンポーネントキャリアの数および各々のコンポーネントキャリアの帯域幅は同じである。同じeNodeBから生じるコンポーネントキャリアは同じカバレッジを提供する必要がない。
【0020】
連続的にアグリゲートされるコンポーネントキャリアの中心周波数間の間隔は、300kHzの倍数とすることになっている。これは、3GPP LTE(リリース8/9)の100kHz周波数ラスタと互換性を持ち、同時に、15kHz間隔のサブキャリアの直交性を維持するためである。アグリゲーションシナリオに応じて、n*300kHzの間隔は、連続的なコンポーネントキャリア間に少数の使用されないサブキャリアを挿入することによって容易にすることができる。
【0021】
多数のキャリアのアグリゲーションの性質は、MACレイヤまでしか明らかにされていない。アップリンクおよびダウンリンクの両方に対して、各々のアグリゲートされたコンポーネントキャリアのためにMACで必要とされる1つのHARQエンティティがある。(アップリンクのためのSU−MIMOがない場合)コンポーネントキャリアごとに最大で1つのトランスポートブロックがある。トランスポートブロックおよびその潜在的なHARQ再送は、同じコンポーネントキャリアにマッピングされる必要がある。
【0022】
アクティブ化されたキャリアアグリゲーションを用いたレイヤ2構造は、それぞれダウンリンクおよびアップリンクに関して
図5および
図6に示される。
【0023】
キャリアアグリゲーションが設定されるとき、移動局は、ネットワークと1つのRRC接続を有するのみである。RRC接続確立/再確立において、1つのセルは、LTE Rel.8/9と同様に、セキュリティ入力(1つのECGI、1つのPCIおよび1つのARFCN)および非アクセス層モビリティ情報(例えばTAI)を提供する。RRC接続確立/再確立の後、そのセルに対応するコンポーネントキャリアは、ダウンリンク・プライマリ・セル(PCell)と呼ばれる。常に1つだけのダウンリンクPCell(DL PCell)および接続状態のユーザ機器ごとに設定される1つのアップリンクPCell(UL PCell)がある。設定されたコンポーネントキャリアのセットの中で、他のセルはセカンダリセル(SCell)と呼ばれ、SCellのキャリアはダウンリンク・セカンダリ・コンポーネント・キャリア(DL SCC)およびアップリンク・セカンダリ・コンポーネント・キャリア(UL SCC)である。ダウンリンクおよびアップリンクPCellの特徴は、以下のとおりである。
【0024】
−各々のSCellに対して、ダウンリンクリソースの使用に加えて、UEによるアップリンクリソースの使用が設定可能であり、したがって、設定されるDL SCCの数は、常にUL SCCの数以上であり、アップリンクリソースのみの使用のためにSCellを設定することはできない。
−アップリンクPCellは、レイヤ1アップリンク制御情報の送信のために使用される。
−SCellと異なり、ダウンリンクPCellは、非アクティブ化できない。
−UEの視点から見ると、各々のアップリンクリソースは、ただ1つのサービングセルに属するのみである。
−設定され得るサービングセルの数は、UEのアグリゲーション能力に依存する。
−再確立は、ダウンリンクSCellがレイリーフェーディング(RLF)を被るときでなく、ダウンリンクPCellがレイリーフェーディング(RLF)を被るときにトリガされる。
−ダウンリンクPCellは、ハンドオーバを用いて(すなわちセキュリティキー変更およびRACH手順を用いて)で変更することができる。
−非アクセス層情報は、ダウンリンクPCellから取得される。
−PCellは、ハンドオーバ手順を用いて(すなわちセキュリティキー変更およびRACH手順を用いて)のみ変更することができる。
−PCellは、PUCCHの送信のために使用される。
【0025】
コンポーネントキャリアの設定および再設定は、RRCによって行うことができる。アクティブ化および非アクティブ化は、MAC制御要素を介して行われる。LTE間ハンドオーバにおいて、RRCは、同様に、ターゲットセルで使用するためにSCellを追加、削除、または再設定することができる。新しいSCellを追加するとき、専用RRCシグナリングが、SCellのシステム情報を送るために使用され、情報は、(ハンドオーバに関してRel−8/9と同様に)送信/受信のために必要である。
【0026】
ユーザ機器がキャリアアグリゲーションを用いて設定されるとき、1対の常にアクティブなアップリンクおよびダウンリンクのコンポーネントキャリアがある。その対のダウンリンク・コンポーネント・キャリアは、同じく「DLアンカキャリア」と呼ぶことができる。同じことがアップリンクにも適用される。
【0027】
キャリアアグリゲーションが設定されるとき、ユーザ機器は、同時に多数のコンポーネントキャリアに渡ってスケジューリングされ得るが、どんなときでも、最大で1つのランダムアクセス手順が進行中であるべきである。キャリアをまたがるスケジューリングは、コンポーネントキャリアのPDCCHが別のコンポーネントキャリアに関するリソースをスケジューリングすることを可能にする。この目的のために、CIFと呼ばれる、コンポーネントキャリア識別フィールドがそれぞれのDCIフォーマットに導入される。
【0028】
アップリンク・コンポーネント・キャリアとダウンリンク・コンポーネント・キャリアとの間の関連付けは、キャリアをまたがらないスケジューリングがあるとき、グラントが適用されるアップリンク・コンポーネント・キャリアを識別することを可能にする。ダウンリンク・コンポーネント・キャリアのアップリンク・コンポーネント・キャリアへの関連付けは、必ずしも1対1である必要はない。換言すれば、2つ以上のダウンリンク・コンポーネント・キャリアが、同じアップリンク・コンポーネント・キャリアにリンクすることができる。同時に、ダウンリンク・コンポーネント・キャリアは、1つのアップリンク・コンポーネント・キャリアにのみリンクすることができる。
【0029】
スモールセル配置シナリオ
移動データに対する爆発的な需要は、携帯電話事業者がより高容量およびユーザエクペリエンスの品質(QoE)向上という困難な要件に応える必要があるようになる方法に変化を引き起こしている。現在、LTE(Long Term Evolution)を使用する第4世代ワイヤレス・アクセス・システムは、3G/3.5Gシステムより低レイテンシおよび高い効率でより高速のアクセスを提案するために、世界的に多くの事業者によって配備されつつある。
【0030】
予想される将来のトラフィック成長は途方もなく大きいので、特にトラフィックの最高容量を生成する高トラフィックエリア(ホット・スポット・エリア)で、容量要件に対処するためのさらなるネットワーク高密度化の必要性が非常に高まっている。ネットワーク高密度化−ネットワークノードの数を増やし、それによってネットワークノードをユーザ局に物理的により近付けること−は、トラフィック容量を改善し、ワイヤレス通信システムの達成可能なユーザ・データ・レートを拡張するための鍵である。
【0031】
マクロ配置の簡単な高密度化に加えて、ネットワーク高密度化は、既存のマクロ・ノード・レイヤのカバレッジの下でそれぞれスモールセルの、補完的な低電力ノードの配置によって達成することができる。このようなヘテロジニアス配置において、低電力ノードは、例えば屋内および屋外のホットスポットの場所で、局所的に非常に高いトラフィック容量および非常に高いユーザスループットを提供する。一方、マクロレイヤは、カバレッジエリア全体にわたってサービスアベイラビリティおよびQoEを保証する。換言すれば、低電力ノードを包含するレイヤは、広いエリアをカバーするマクロレイヤと対照的に、ローカルエリアアクセスを提供するとも言うことができる。
【0032】
ヘテロジニアス配置と同様、それぞれスモールセルの低電力ノードの設置は、LTEの最初のリリース以降、可能であった。この点について、多くのソリューションがLTEの最近のリリース(すなわち、リリース−10/11)で指定されている。より具体的には、これらの最近のリリースは、ヘテロジニアス配置におけるレイヤ間干渉に対処するための追加のツールを導入した。性能をさらに最適化しコスト/エネルギー効率が良い動作を提供するために、スモールセルはさらなる拡張を必要とし、多くの場合、既存のマクロセルと対話し、または既存のマクロセルを補完する必要がある。
【0033】
このような最適化は、LTE−リリース12およびそれ以降のさらなる進化の一部として調査されるはずである。特に低電力ノードおよびヘテロジニアス配置に関連したさらなる拡張は、新しいRel−12検討項目(SI)「E−UTRAおよびE−UTRANのためのスモールセル拡張に関する検討」の傘下で考慮されることになる。これらの活動のいくつかは、低電力レイヤへのマクロ支援および二重レイヤ接続性という異なる形を含む、マクロレイヤと低電力レイヤとの間のさらに高度なインタワーキングの達成に焦点をあてることになる。二重接続性は、デバイスがマクロレイヤおよび低電力レイヤの両方への同時接続を有することを暗示する。
【0034】
MTC(Machine Type Communication)
LTEの配備が進展するにつれて、事業者は、RATの数を最小化することによって全体的なネットワーク保守のコストを減らそうと努力する。この点において、MTC(Machine Type Communication)デバイスは、将来拡張し続ける可能性が高いマーケットである。
【0035】
多くのMTCデバイスは、GSM(登録商標)/GPRSによって十分に対処され得るローエンド(低コスト、低データレート)アプリケーションを目標に定めている。これらのデバイスの低いコストおよびGSM/GPRSの良好なカバレッジのおかげで、MTCデバイスサプライヤがLTE無線インタフェースをサポートするモジュールを使用する動機付けは、ごくわずかしかない。
【0036】
ますます多くのMTCデバイスがフィールドに配置されるにつれて、これにより当然GSM/GPRSネットワークへの依存が増える。このことは、事業者に多数のRATの保守に関して負担をかけるだけでなく、(GSM/GPRSのスペクトル効率が最適でないことを考えると)事業者がそれらのスペクトルから最大の利益を収めるのを妨げることになる。
【0037】
MTCデバイスの数が多くなる可能性が高いことを考えると、サービス提供のためにデバイスが必要とすることになる全体的なリソースは、相応にかなり大きくなり、非効率的に割り当てられる可能性がある(MTCの目的に関するさらなる詳細については、例えば、http://www.3gpp.orgで利用可能であり、参照により本明細書に援用される、非特許文献2の第4節を参照されたい)。
【0038】
LTEのコストを下げる手法は、現在製品のボリュームを主要な理由とみなしている。ボリュームのインパクトは、どのように低コストMTCが開発されるかに応じて、2つの可能な方法で見ることができる。第1に、低コストMTCがメインラインLTEと非常に類似でLTEチップセットに含まれ得る場合、MTCはLTEのボリュームの利益を有する。第2に、LTEに基づく低コストMTCは、メインラインLTEより著しく低コストとすることができる。LTEに基づく低コストMTCは、LTEのボリュームの利益がないように思われるが、サポートされるMTCアプリケーションおよびシナリオの数が潜在的により大きいため、MTCデバイスのボリュームはさらに大きくなり得る。
【0039】
この点において、LTEのコストを下げるための次の手法、すなわち低コストMTCを定義することが論じられ、著しいUEコストインパクトがあることが見いだされる(低コストMTCデバイスに関するさらなる詳細については、例えば、http://www.3gpp.orgで利用可能であり、参照により本明細書に援用される、非特許文献3の第4節を参照されたい)。
【0040】
低コストLTEのためのサポート帯域幅の削減:低コストの1.4MHz(6RB)ダウンリンク帯域幅は、MTCのたいていのアプリケーションシナリオをカバーし得る。しかしながら、複雑度があまり増えないことを考えると、3MHz(15RB)または5MHz(25RB)が考慮され得る。アップリンクが(ダウンリンク受信と比較して)MTCサービス、送信電力削減の可能性、および小さいベースバンド複雑度に対してより大きい要件を持ち得ることを考えると、UEにおける最小送信帯域幅のどんな削減も慎重に正当化されるべきである。
【0041】
変更されたPDCCH(modified PDCCH)は、PDCCHブラインドデコーディングを単純化し多数のMTCデバイスに対して効率的なチャネルアクセスを与える低コストLTEのための設計に関連している。最大帯域幅(例えば、1.4MHz)の削減は、当然PDCCHのブラインドデコーディングを減少させる。HARQコンシダレーション、MAC、RLCおよびRRCプロトコルを含むプロトコル簡略化。低デューティサイクルMTCデバイスと基地局との間のシグナリング削減。カバレッジを維持し複雑度のバランスをとるための送信モード選択肢絞り込み。
【0042】
低コストMTCデバイスに関するさらなる考察は、屋内カバレッジの改善に関連している。多くのアプリケーションは、例えば、アパート地下室で、または1階に近い場合がある屋内の機器で、MTC(Machine Type Communication)デバイスの屋内配置を必要とする。これらのUEは、無線インタフェースで標準的なLTEデバイスより著しく大きい侵入損失(penetration loss)を被ることになる。これは実質的に、屋内カバレッジが容易に利用可能で信頼性が高いものであるべきこと、すなわち既存のカバレッジに関する重要な階段状変化の改善を意味する。
【0043】
さらに、低コストMTCデバイスの電力消費に関して、多くのアプリケーションは、デバイスが最高10年までのバッテリ寿命を持つことを必要とすることが指摘される。この点において、現在利用可能な省電力モードは、想像されるバッテリ寿命を達成するために十分ではないように思われる。この点において、最高10年までのバッテリ寿命を実現するために、例えばシステムにおけるシグナリング交換を最適化することによって、MTCデバイスの電力使用を著しく削減するようにさらなる技術が提案されることが期待される。
【0044】
拡張カバレッジモード(ECモード)
低コストMTCデバイスに対する屋内カバレッジを改善するために、最近の開発は、遅延耐性のあるMTCアプリケーションを動作させるUEに適用可能な拡張カバレッジ(EC)モードに焦点をあてた。この点において、準拠する公称カバレッジに対して特定のUEカテゴリ/タイプのUEのためにLTEカバレッジを拡張することが重要視される(ECモードの目的に関するさらなる詳細については、例えば、http://www.3gpp.orgで利用可能であり、参照により本明細書に援用される、非特許文献4の第4節を参照されたい)。
【0045】
拡張カバレッジモードの主な目的は、3GPPリリース13における最初の導入に見いだすことができるが、以下の能力を持つシステムを提供することである。
【0046】
旧式GPRS(非EGPRS)と比較して20dBの拡張カバレッジ。干渉限定シナリオおよび雑音限定シナリオの両方が考慮されるべきである。
【0047】
上で定義されたUEカテゴリ/タイプおよび遅延耐性のあるMTCアプリケーションを動作させる他のUEのために、それらのそれぞれの公称カバレッジに対して−FDDに対して15dBに対応する−相対的なLTEカバレッジ改善を提供する。
【0048】
130〜500億のマシン・ツー・マシン(M2M)デバイスをサポートするための規模。それらのデバイスは高い割合で、不利なカバレッジ条件を被ることになり(したがって最高20dBまでのカバレッジ改善を必要とし)、セル内の高密度クラスタに配置され得ることが見込まれる。
【0049】
20dB拡張が必要とされ得る不利なカバレッジ条件の場所においても、MTCデバイスが最高10年までのバッテリ寿命を持ち得るように、MTCデバイスの電力消費を旧式GPRS(非EGPRS)と比較して削減する。
【0050】
注目すべきことに、UEの公称カバレッジに対して拡張カバレッジモードでUEに関して15/20dBのカバレッジ拡張を行うことは、UEが極めて低い信号強度を受信可能でなければならないことを意味する。これは、初期走査動作、セル探索およびセル選択動作だけでなく、UEによって行われるその後の通信方式にも当てはまる。
【0051】
拡張カバレッジモードを定義する初期の試みは、無線送信の修正に焦点をあてた。この点において、議論は、カバレッジを改善するための主な技術であるとして繰返し送信に焦点をあてた。繰返しは、カバレッジ改善のためにすべてのチャネルに適用され得る。
【0052】
これらの繰返し送信の例示的な実装は、同じデータが多数のサブフレームにまたがって送信されることを定める。けれども、これらの繰返し送信が、標準カバレッジUEのために必要とされるよりも多くのリソースブロック(時間−周波数)リソースを使用するようになることは、すぐに明らかになるであろう。さらに、修正された送信は、例えば、UEによって行われるセル選択動作を支援しないので、修正された送信の効果は限定的である。
【0053】
RFチャネル走査
無線周波数(RF)チャネルの走査(scanning)は、事前定義されたトリガの上にだけでなく電源投入後にUEによって行われ、セル選択プロセス(例えば初期セル選択)をもたらす動作である。走査動作において、UEは、帯域で最も強い周波数(例えば搬送周波数)を持つRFチャネルのサブセットを識別することを望む。識別される最も強い周波数は通常、セルに対する基地局の送信に対応する。
【0054】
この目的のために、RFチャネルの走査は、UEの能力に応じてさまざまな帯域でUEによって遂行される。UEの能力が複数の無線アクセス技術(RAT)を示す場合、UEは続いて、RATの各々に対応する帯域を走査し得る。UEは、RATに対応する帯域中のRFチャネルが走査される順序について決める。
【0055】
RFチャネルの走査動作は、3GPPによって規格化されない。それにもかかわらず、1つの実装によれば、走査動作が帯域で最も強い周波数を識別するために走査される帯域をより小さい部分に細分するということは、普通の解釈である。
【0056】
例えば、走査動作において、UEは最初に帯域を、より大きいRF受信窓に基づいて走査が行われる、より大きいサブバンドに細分することができる。これは、帯域のロースキャンと呼ぶことができる。さらに、正確な周波数を絞るために、UEは、若干のエネルギーが見いだされた、ロースキャンの結果のサブバンドの1つでファインスキャンを行うことができる。ファインスキャンは、ロースキャン帯域の小さい部分で行われる。
【0057】
UEがオーバラップする帯域を持つ複数のRATをサポートすると仮定すると、走査動作は、ある一定の帯域から始めて、所与の帯域でサポートされるRATを探し、上述のロースキャン、およびファインスキャン機構の適用によって最も強い周波数を識別しようとすることができる。
帯域=1からBまでについて{
RAT_type=1からRまでについて{
各々のBiRjについて、UEは最初に
ロースキャンを行い、そして次に
(UEがどこかに若干のエネルギーを見いだした場合)、
UEが若干のエネルギーを見いだした周波数/帯域エリアの
周りでファインスキャンを行う必要がある。
}
}
【0058】
同期信号検出
同期信号の検出は、走査動作の出力に基づいてUEによって行われる動作である。特に、同期信号は、走査されたRFチャネル、例えば最も強い周波数を持つRFチャネルのサブセットに対して検出される。RFチャネルに対する同期の検出は、セルの識別およびセルを介した送信との同期を可能にする。
【0059】
特に、同期信号は、物理レイヤによって使用されるリソースエレメントのセットに対応するダウンリンク物理信号であるが、上位レイヤから生じる情報を搬送しない。ダウンリンク物理信号は、同期信号および参照信号を含む。この点において、同期信号は、2つの異なるタイプの同期信号、すなわちプライマリ同期信号とセカンダリ同期信号との間でさらに区別される。
【0060】
プライマリ同期信号(PSS)の実装に関して:5msごとにすべてのLTEセルによって送信されるシーケンス。それは、UEがスロット同期および物理レイヤセル識別子(セルID)の一部を取得することを可能にする。3つの異なるシーケンスが、セルIDの168グループの各々の中の3つの異なるセルIDに1対1マッピングで存在する。PSSは、Zadoff−Chu(ZC)シーケンスに基づいている。
【0061】
セカンダリ同期信号(SSS)の実装に関して:SSSは、LTEフレームタイミングを検出し、物理レイヤセル識別子グループを取得するために、UEによって使用される。SSSは、各10msフレームに2度送信される。SSSシーケンスは、M系列として知られる、最大長シーケンスに基づいている。各々のSSSシーケンスは、2つの長さ31の二位相偏移変調(BPSK)によって変調されたシーケンスを、周波数領域で、インタリーブすることによって組み立てられる。これらの2つのコードは、単一の長さ31のM系列の2つの異なる循環シフトである。M系列の循環シフトインデックスは、物理レイヤセル識別子グループの関数から導出される。2つのコードは、各々の無線フレームで第1のSSS送信と第2のSSS送信との間に交替される。これは、UEがSSSのただ1回の観測から10msの無線フレームタイミングを決定することを可能にする。
【0062】
同期信号の定義に関するさらなる詳細については、例えば、http://www.3gpp.orgで利用可能であり、参照により本明細書に援用される、非特許文献5の第6.11節を参照されたい。
【0063】
システム情報受信
システム情報の受信は、走査されたRF信号および検出された同期信号に基づいてUEによって行われる動作である。特に、同期信号を検出すると、UEは、セルを識別し、セルによるダウンリンク送信と同期することができる。したがって、UEは、セルの報知チャネル(BCH)、したがって対応するシステム情報を受信することができる。システム情報に基づいて、UEは、セルが選択および/または再選択に適しているか否か、すなわちセルが候補セルであるか否か検出することができる。
【0064】
システム情報は、MIB(Master Information Block)および多くのSIB(System Information Block)に分割される。MIBは、セルから他の情報を獲得するために必要とされ、BCH上で送信される、限定された数の最も不可欠なそして最も頻繁に送信されるパラメータを含む。SystemInformationBlockType1以外のSIBは、SI(System Information)メッセージで運ばれ、SIメッセージへのSIBのマッピングは、各々のSIBが単一のSIメッセージにのみそしてそのメッセージにたかだか1回含まれるという制限付きで、SystemInformationBlockType1に含まれるschedulingInfoListによって柔軟に設定可能である。
【0065】
同じスケジューリング要件(周期性)を有するSIBだけが、同じSIメッセージにマッピングされ得る。SystemInformationBlockType2は常に、schedulingInfoList中のSIメッセージのリストの最初のエントリに対応するSIメッセージにマッピングされる。同じ周期性で送信される多数のSIメッセージが存在し得る。SystemInformationBlockType1およびすべてのSIメッセージは、DL−SCH上で送信される。
【0066】
特に、マスタ情報ブロックは、ネットワークへのUEの初期のアクセスに不可欠である限定された数の最も頻繁に送信されるパラメータ−すなわちダウンリンクシステム帯域幅、ダウンリンクでHARQ受信通知シグナリングに配分されたリソースのインジケータ、およびシステムフレーム番号(SFN)−を含むシステム情報のブロックである。
【0067】
システム情報ブロックにおいてシステム情報(SI)が報知され、SIB1は、他のSIBの時間領域スケジューリングについての情報と同様、セルがセル選択に適しているか否かを決定するために必要とされるパラメータを包含し、SIB2は、共通および共有チャネル情報を含み、SIB3〜SIB8は、周波数内、周波数間、および無線アクセス技術(RAT)間のセル再選択を制御するために使用されるパラメータを含む。
【0068】
システム情報の定義に関するさらなる詳細については、例えば、http://www.3gpp.orgで利用可能であり、参照により本明細書に援用される、非特許文献6の第6.2.2.7節および第6.3.1節を参照されたい。
【0069】
セル選択
セル選択は、受信されたシステム情報に基づいてUEによって行われる手順である。特に、システム情報は、UEが、セルが選択および/または再選択に適しているか否かを決定することを可能にする。この点において、このような候補セルに対して、UEは、セルにキャンプするためにセル選択動作を行うことができる。
【0070】
用語「キャンプ」または、より正確に「正常キャンプ」は、UEが以下のタスクを行う、UEの状態を意味する:a)システム情報で送られた情報に従ってセルの示されたページングチャネルを選択し監視する、b)関連するシステム情報を監視する、c)セル再選択評価手順のために必要な測定を行う、d)次の場合/トリガでセル再選択評価プロセスを実行する:d1)指定された性能基準を満たすためのUE内部トリガ、b2)セル再選択評価手順のために使用されるBCCH上の情報が修正されたとき。
【0071】
さらに、「正常キャンプ」状態でUEによって行われるべきタスクに加えて、「任意セルにキャンプ」状態で、UEは定期的に、UEによってサポートされるすべてのRATのすべての周波数を試し適当なセルを見つけようと試みることになっている。適当なセルが見つかった場合、UEは、「正常キャンプ」状態に移行することになっており、UEが音声サービスをサポートし、現在のセルがシステム情報で示されるように緊急呼出をサポートしない場合、UEは、適当なセルが見つからなければ、現在のセルからシステム情報で提供される優先度にかかわらず、任意のサポートされるRATの受容可能セルにセル選択/再選択を行うべきである。
【0072】
セル選択にさらに付け加えると、セル選択は一般に、2つのセル選択手順、すなわち初期セル選択と保存情報セル選択手順との間で区別される。
【0073】
初期セル選択手順では、どのRFチャネルがE−UTRAキャリアであるかについて、先行する知識が利用可能でない。UEは、適当なセルを見つけるために、その能力に従ってE−UTRA帯域ですべてのRFチャネルを走査することになっている。各々の搬送周波数で、UEはただ最強のセルを探索することのみを必要とする。適当なセルが見つかる時点で、このセルは選択されることになっている。
【0074】
保存情報セル選択手順では、前に受信された測定制御情報要素からまたは前に検出されたセルからの、搬送周波数および任意選択で同様にセルパラメータに関する情報についての保存情報が必要とされる。UEが適当なセルを見つけた時点でUEはそれを選択することになっている。適当なセルが見つからない場合、初期セル選択手順が始められることになっている。
【0075】
特に、セル選択は、セル選択基準Sに基づいてUEによって行われる。候補セルの中のセルに対するセル選択基準Sが満たされるとき、セル選択が行われることになっており、セル選択基準Sが満たされないとき、セル選択は行われないことになっている。
【0076】
セル選択は、そのセルに対する「正常キャンプ」状態への状態遷移に対応する。状態および状態遷移に関するさらなる詳細ならびにRRC_IDLEでUEによって行われる手順は、
図7に示される。
【0077】
セル選択基準Sは、
Srxlev>0かつSqual>0
のとき満たされ、ここで
Srxlev=Q
rxlevmeas−(Q
rxlevmin+Q
rxlevminoffset)−P
compensation−Qoffset
temp
Squal=Q
qualmeas−(Q
qualmin+Q
qualminoffset)−Qoffset
temp
であり、ここで次表のとおりである。
【0078】
【表1】
【0079】
シグナリングされる値QrxlevminoffsetおよびQqualminoffsetは、VPLMN[5]に正常キャンプしている間に、より優先度の高いPLMNの周期的な探索の結果として、セル選択のためにセルが評価されるとき適用されるだけである。より優先度の高いPLMNのこの周期的な探索の間に、UEは、このより優先度の高いPLMNの異なるセルから保存されたパラメータ値を使用してセルのS基準をチェックすることができる。
【0080】
セル選択およびセル再選択手順の定義に関するさらなる詳細については、例えば、http://www.3gpp.orgで利用可能であり、参照により本明細書に援用される、非特許文献7の第5.2.3節および第5.2.4節を参照されたい。
【発明を実施するための形態】
【0094】
以下に、いくつかの実施形態を詳細に解説する。例示的な目的のためだけに、実施形態の大部分は、上の技術的背景の節で部分的に論じた、3GPP LTE(リリース8/9)およびLTE−A(リリース10/11)移動通信システムによる無線アクセス方式に関連して概説される。
【0095】
本開示は、有利には、例えば、上の技術的背景の節で説明したような3GPP LTE−A(リリース12)通信システムなどの移動通信システムで使用され得ることに留意されたい。
【0096】
これらの実施形態は、3GPP LTEおよび/またはLTE−Aで指定された機能に関連した使用のための、および/またはこの機能の拡張のための、実装として説明される。この点において、3GPP LTEおよび/またはLTE−Aという専門用語は、説明全体を通して使われる。さらに、本開示の全容を詳述するために例示的な構成が探求される。
【0097】
解説は、本開示を限定するものとしてではなく、本開示をよりよく理解するための実施形態の単なる一例として解釈されるべきである。当業者は、特許請求の範囲で提示された本開示の一般的原理が異なるシナリオに本明細書で明示的に説明されない方法で適用され得ることに気づくはずである。同様に、さまざまな実施形態の説明的な目的で仮定された以下のシナリオは、開示をそのようなものとして限定するべきではない。
【0098】
例示的な実施形態は、
図8から
図14を参照して説明される。特に、例示的な実施形態は、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかを利用するセル選択および再選択手順に関連している。この点において、セル選択および再選択手順を遂行する、移動局は、標準カバレッジモードおよび拡張カバレッジモードをサポートすると想定される。図面全体を通して、拡張カバレッジモードは影付パターンで示される。
【0099】
換言すれば、さまざまな実施形態の動作または手順は、拡張カバレッジモードを利用して行われる場合、影付パターン塗りつぶしを含むそれぞれの囲み線(例えば
図8、S03参照)で例示される。同様に、塗りつぶしのない囲み線は、標準カバレッジモードを利用することを示す。さらに、部分的に影付パターンで塗りつぶされた囲み線(例えば
図14、S01参照)は、通常カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかが利用されることを示す。
【0100】
本開示の文脈で、用語「標準カバレッジモード」は、背景技術の節に関して指定したように、移動局の動作の標準モードを意味する。この点において、移動局の標準カバレッジモードは、例えば、一般に周知の実装に従って、候補セルの検出、およびその後のセル(再)選択を行うことと理解されなければならない。
【0101】
さらに、用語「拡張カバレッジモード」は、本開示の文脈で、標準カバレッジモードと異なる移動局の動作のモードを意味する。具体的には、動作の拡張カバレッジモードで、移動局は、背景技術の節で拡張カバレッジモードに対して定義された目的、すなわち移動局のために拡張カバレッジを可能にするという目的を達成するように構成される。
【0102】
この点において、本開示の文脈で、「標準カバレッジモード」および「拡張カバレッジモード」は、例えば、候補セルの検出および候補セルの中からのセル選択を行う移動端末の設定に影響を与える。換言すれば、候補セルの検出動作も、選択された候補セルの中からのセル選択または再選択動作も、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードを各々利用する。
【0103】
しかしながら、上記は、標準カバレッジモードへの、または拡張カバレッジモードへの限定として理解されるべきではない。背景技術の節に関して論じたように、拡張カバレッジモードは、セルによるダウンリンク送信、例えば、異なるサブフレームでの繰返しダウンリンク送信に同様に影響を与え得る。この点において、拡張カバレッジモードは、例えば、セルによる繰返しダウンリンク送信をもたらすとき、移動局によってサポートされるだけでなく基地局によって同様にサポートされる動作のモードとして解釈されなければならない。
【0104】
次に、
図8および
図9に示した実施形態を参照して、移動局によって行われるセル選択またはセル再選択をより詳細に論じる。この文脈で、セル選択またはセル再選択は、少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)、例えば、GERAN(GSM/EDGE Radio Access Network)、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)、CDMA2000、WiMAX、および他の技術に対応する複数のセルの中からなされる。
【0105】
この実施形態において、移動局は、標準カバレッジモードおよび拡張カバレッジモードをサポートする。これは、セル選択またはセル再選択が、動作の標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかを利用することを意味する。換言すれば、移動局は、複数のセルの中からセル選択および再選択手順を行うとき、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかに設定される。
【0106】
セル選択およびセル再選択は、移動局によって行われる2つの異なる手順であるが、どちらの手順も複数のセルの中から1つのセルが選択または再選択されるという結果をもたらす。言うまでもなく、セル選択のために移動局はセルを選択する動作を行い、他方、セル再選択のために移動局はセルを再選択する動作を行う。
【0107】
この点において、セル選択およびセル再選択は、異なる状況で移動局によって行われる2つの異なる動作である。セル選択は、現在セルにキャンプしていない(またはアクセスしていない)移動局、または、例えば(RRC)接続解放手順またはRLF(無線リンク障害)の結果として、接続モードから出ている移動局のためのものである。これに対して、セル再選択は、現在セルにキャンプしている(またはアクセスしている)移動局のためのものである。換言すれば、セル選択はセルの中から1つのセルを選択するのに対し、セル再選択はセルの中から潜在的に異なるセルを再選択する。
【0108】
セル選択とセル再選択は異なるが、両方とも同じやり方で標準カバレッジモードおよび拡張カバレッジモードを利用するので、実施形態は2つの動作を区別しない。
【0109】
複数の候補セルの中からセルを選択または再選択するために、これらの候補セルは移動局によって検出される。候補セル(すなわちセル候補)の検出は、複数のセルの中から、その後選択または再選択され得る、あるいは別の表現で言うと、選択または再選択が成功し得る、候補セルを検出することを意味する。換言すれば、複数のセルの中からの、候補セルでないセルは、移動局によるセルのその後の選択または再選択が成功する見込みのないような特性を有する。
【0110】
候補セルの検出のために、移動局が複数のセルの中からその後の選択または再選択に使用され得る候補セルのみを決定するように所定の最低基準を適用することは、この定義に固有のものである。したがって、移動局によって検出される候補セルは、必ずしも複数のセルのすべてではなく所定の基準を満たすセルだけである。
【0111】
候補セルの検出は、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかを利用する。したがって、候補セルの検出は、標準カバレッジモードに設定された移動局による検出に関する候補セルの拡張検出を、拡張カバレッジモードに設定された移動局に対して、もたらすことができる。
それから、検出された候補セルの中から、ある1つの(すなわち単一の)セルが移動局によって選択または再選択される。選択または再選択は、その(すなわち単一の)セルにキャンプする(またはアクセスする)ために、移動局によって行われる。
【0112】
候補セルのすべてが理論上、成功裏に選択または再選択され得るので、候補セルの中からある1つの(すなわち単一の)セルを選択するために、移動局が候補セルの間に絶対的な順位付けを行うことは、この定義に固有のものである。この点において、移動局は、それ自身セル選択または再選択手順を行わなければならない状況にいると分かった時点で、検出された候補セルの中から(単一の)最良の、絶対的順位を付けられた、セルを選択または再選択する。
【0113】
それにもかかわらず、原則として、候補セルは選択または再選択が成功するはずであるように検出されるけれども、第1に検出、そして第2に選択または再選択という、2つの異なる、連続して行われる動作があるという単なる事実により、後者の選択または再選択動作が不成功になることがある。例えば、候補セルの検出に長時間かかる場合、その後の選択または再選択の際に、一部または全部の候補セルはカバレッジ外に移ってしまっていることがある。
【0114】
同様に候補セルの中からのセルの選択または再選択は、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかを利用する。したがって、セルの選択または再選択は、標準カバレッジモードでセル選択または再選択が不成功である候補セルの選択を、拡張カバレッジモードに設定された移動局に対して、もたらすことができる。
【0115】
有利には、拡張カバレッジモードに設定された移動局は、検出動作および選択または再選択動作が、好ましくない参照信号受信電力(RSRP)値、および/または好ましくない参照信号受信品質(RSRQ)値を有するセルに対して行われることを可能にする。さらに、RSRP値および/またはRSRQ値は、例えば、値が標準カバレッジモードに対するそれぞれの電力/品質閾値を下まわる場合、好ましくないとみなされる。
【0116】
特に
図8および
図9で、実施形態の移動局は、標準カバレッジモードを利用して、候補セルを検出し(ステップS01参照)、その後、標準カバレッジモードを利用して、候補セルの中からセルを選択または再選択する(ステップS02参照)。
【0117】
例えば、移動局に対するセルカバレッジに依存して、候補セルの検出動作または候補セルの中からのある1つの(すなわち単一の)セルの選択もしくは再選択動作のうちの何れかが、標準カバレッジモードで不成功となることがある。換言すれば、「セルが見つからない」は、標準カバレッジモードを利用する検出の不成功または選択もしくは再選択の不成功の何れかに起因し得る。
【0118】
標準カバレッジモードで、移動局が何もセルの検出に成功しないか、またはセルの選択もしくは再選択に成功しないかの何れかの場合に、その後、移動局は、拡張カバレッジモードを利用して候補セルを検出し(ステップS03参照)、そして次に、同様に拡張カバレッジモードを利用して検出された候補セルの中のある1つの(すなわち単一の)セルを、拡張カバレッジモードを利用して、選択または再選択する(ステップS04参照)。
【0119】
この点において、移動局は、たとえ標準カバレッジモードでセル選択および再選択手順を行うことに成功しない場合でも、拡張カバレッジモードでこの手順を行って成功することができる。しかしながら、拡張カバレッジモードにおけるセル選択および再選択手順が同様に不成功である場合、移動局はカバレッジ外状態に進むことができる(ステップS05参照)。
【0120】
選択または再選択動作の例示的な実装によれば、移動局は、拡張カバレッジモードを利用するとき、減少された最小必要RX値(Qrxlevmin)、および/または減少された最小必要品質レベル(Qqualmin)を含む対応するセル選択基準を、候補セルの各々について評価する。それによって、標準カバレッジ外であり拡張カバレッジモードを利用して検出される候補セルの中からのセルの選択または再選択を確実に成功することができる。
【0121】
選択または再選択動作の代替の例示的な実装によれば、移動局は、拡張カバレッジモードを利用するとき、測定されたセルRXレベル値および/または測定されたセル品質値に基づいて候補セルの各々を順位付けすることによって、候補セルの中からセルを選択する。したがって、拡張カバレッジモードで、移動局は、背景技術の節に関して説明したように、セル選択基準Sを決定する手間を省く。その代わりに、移動局は、検出された候補セルの各々に特有の測定値を比較することによって、セル選択または再選択を行う。
【0122】
この実施形態によれば、移動局は、候補セルの検出および検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを、保存情報を使用して決定する。
【0123】
具体的には、保存情報が、移動局で、前に検出された候補セルの少なくとも1つが拡張カバレッジモードを利用する検出およびその後の選択または再選択をサポートすることを示す場合、そのとき初めて移動局は、それに応じて、拡張カバレッジモードで検出および選択または再選択を行う。
【0124】
セルが拡張カバレッジモードをサポートする場合、セルは、拡張カバレッジモードを利用して検出および選択または再選択を行うとき移動局を「サポートする」と理解されるべきである。この点において、保存情報は、同様に、候補セルの少なくとも1つが移動局のその(すなわち同じ)拡張カバレッジモードをサポートするか否かを示す保存情報と表現することができる。
【0125】
保存情報の例示的な実装によれば、同じ保存情報は、前に検出された候補セルの中からの、ある1つのセルが拡張カバレッジモードをサポートするという指示を含むだけでなく、物理セル識別子(PCI)、RFチャネルの搬送周波数、無線アクセス技術(RAT)およびRATに対応する帯域、ならびに拡張カバレッジMTC(Machine Type Communication)に対する周波数優先度のうちの少なくとも1つをこのセルについて同様に(すなわち、さらに)含む。
【0126】
保存情報の代替の例示的な実装によれば、同じ保存情報は、拡張カバレッジモードのサポートを前に検出された候補セルの各々について示すリストを含み、さらに、物理セル識別子(PCI)、RFチャネルの搬送周波数、無線アクセス技術(RAT)、RATに対応する帯域、および拡張カバレッジMTC(Machine Type Communication)に対する周波数優先度のうちの少なくとも1つを候補セルの各々について含む。
【0127】
周波数優先度は、候補セルの各々に対して優先度を示すことができる。候補セル間のこの優先度は、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかで移動局によって行われる、セル選択または再選択動作で使用され得る。1つの実装によれば、拡張カバレッジモードをサポートする候補セルは、標準カバレッジモードをサポートする候補セルと比較して低い周波数優先度を与えられる。それによって、移動局が、拡張カバレッジモードを利用するのと比較して標準カバレッジモードを利用するセル選択および再選択手順を優先することを確実にすることができる。
【0128】
有利には、拡張カバレッジモードは、セルと同様移動局にも電力消費量および周波数利用効率の点で負担が大きいので、保存情報の使用によって、移動局は確実に、候補セルの少なくとも1つが拡張カバレッジモードを同等にサポートするときだけそれぞれの検出および選択または再選択動作を遂行することができる。換言すれば、この保存情報は、移動局において、拡張カバレッジモードが、検出およびその後の選択または再選択動作がセル選択および再選択手順の正常終了の合理的な期待とともに行われる状況においてのみ、利用されるようにすることを可能にする。
【0129】
セル選択および再選択手順のより詳細な実施形態が
図10に示される。具体的には、このより詳細な実施形態は、移動局がその後、前の実施形態に関連して論じた選択または再選択動作を行う、候補セルを検出するために行われる検出動作の実装を例証する。
【0130】
このより詳細な実施形態によれば、移動局による候補セルの検出は、第1に、RFチャネルの走査および識別の動作、次に、同期信号の検出の動作、そしてその後、システム情報を受信する動作を含む。これらの3つの動作はともに、その中から移動局がその後セルを選択または再選択する、候補セルを提供する。
【0131】
しかしながら、移動局によって行われるこれらの3つの動作がただインプランテーションを例証するだけであって、本開示への限定として解釈され得ないことは、強調されるべきである。
【0132】
このより詳細な実施形態において、移動局によって行われる、第1に、RFチャネルの走査および識別の動作、次に、同期信号を検出する動作、そしてその後に、システム情報を受信する動作のひとつひとつは、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかを利用することができる。
【0133】
第1に、移動局は、少なくとも1つのRATに対応する帯域で、RFチャネルを走査し識別する(ステップS01−1、またはS03−1参照)。この点において、帯域に対して、移動局は、各々セルに対応するRFチャネルを識別する。移動局が多数のRATをサポートする場合、移動局は、例えば、ロースキャンまたはファインスキャン動作に従って、RFチャネルを走査および識別するステップを複数のRATに対応する帯域で行う。
【0134】
より詳細には、RFチャネルがセルに対応するか否かを、移動局によって識別するために、移動局は、例示的に、RFチャネルの受信電力(例えばRSRP)を電力閾値と比較する。電力閾値は、移動局および/またはRATに対して前もって決定されてもよく、他の移動局および/またはRATに対する電力閾値と異なってもよい。走査されたRFチャネルの受信電力が電力閾値を下まわらなければ、移動局は、それぞれのRFチャネルをセルとして識別し、その後、そのセルに関して同期信号の検出動作を行う。
【0135】
移動局による、RFチャネルの走査および識別は、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかを利用する。標準カバレッジモードでは、RFチャネルの走査および識別は、拡張カバレッジモードの場合と比較してうまくいかないことがある。換言すれば、拡張カバレッジモードにおける移動局は、セルに対応するRFチャネルを、拡張カバレッジを用いてより良好に識別することができる。
【0136】
例示的に、拡張カバレッジモードを利用するRFチャネルの走査および識別動作は、移動局が、拡張カバレッジモードを利用するとき、改善された(すなわちより良好な)受信感度で走査動作を行うことで、標準カバレッジモードを利用するRFチャネルの走査および識別動作と異なる。改善された受信感度での走査および識別動作は、移動局が、例えば、より低い信号対雑音比(SNR)を補償することを可能にする。
【0137】
有利には、拡張カバレッジモードに設定された移動局は、−とりわけ−参照信号受信電力(RSRP)値が標準カバレッジモードに対して設定された電力閾値より低いセルをセル候補として、検出することが可能になる。
【0138】
それから、移動局は、走査および識別されたRFチャネルを通して送信された同期信号を検出する(ステップS01−2、またはS03−2参照)。同期信号は、セルの識別およびセルのダウンリンク送信との同期を可能にする。換言すれば、走査および識別されたRFチャネルの各々に対する同期信号の検出に基づいて、移動局は、それぞれのセルを識別しそれぞれのセルと同期することが可能である。
【0139】
より具体的には、セルによるダウンリンク送信と移動局の同期は、移動局が例えば報知情報を受信することを可能にする。この報知情報は、それぞれのセルがセル選択または再選択のための候補セルとみなされ得るか否かを識別する、それぞれのセルのシステム情報を含み得る。この点において、同期信号の検出は、前の実施形態の候補セルの検出動作に含まれる、さらなる動作である。
【0140】
移動局による、同期信号の検出は、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかを利用する。標準カバレッジモードでは、同期信号の検出は、拡張カバレッジモードの場合と比較してうまくいかないことがある。換言すれば、拡張カバレッジモードにおける移動局は、セルの識別の改善を可能にする同期信号を、拡張カバレッジを用いてより良好に検出することができる。
【0141】
例示的に、拡張カバレッジモードを利用する同期信号の検出動作は、移動局が、拡張カバレッジモードを利用するとき、拡張された平均化窓を用いて同期信号を検出することで、標準カバレッジモードを利用する同期信号の検出動作と異なる。拡張された平均化窓を用いた検出動作は、移動局が、例えば、より低い信号対雑音比(SNR)を補償することを可能にする。
【0142】
有利には、拡張カバレッジモードに設定された移動局は、−とりわけ−参照信号受信電力(RSRP)値が標準カバレッジモードに対して設定された電力閾値より低いセルをセル候補として、検出することが可能になる。
【0143】
その後、移動局は、同期信号が検出されるセルの各々からシステム情報を受信する(ステップS01−3、またはS03−3参照)。システム情報は、移動局がそれぞれのセルにアクセスし、セルが選択または再選択動作のための候補セルであるか否かを検出することを可能にする。換言すれば、同期信号が検出されるセルの各々に対するシステム情報の受信に基づいて、移動局は、その後のセル選択または再選択のための候補セルを検出する。
【0144】
より具体的には、移動局によって受信されるシステム情報は、例えば、マスタ情報ブロック(MIB)、およびシステム情報ブロック(SIB)を含む。MIB、およびSIBの両方に含まれるシステム情報は、背景技術の節に関して論じられている。有利には、各々のセルは、報知情報としてシステム情報を送信し、それによって、すなわちセルの同期信号の検出に成功した上で、移動局が同じ情報を受信することを可能にする。
【0145】
移動局による、システム情報の受信は、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかを利用する。標準カバレッジモードでは、システム情報の受信は、拡張カバレッジモードの場合と比較してうまくいかないことがある。換言すれば、拡張カバレッジモードにおける移動局は、候補セルの検出の改善を可能にするシステム情報を、拡張カバレッジを用いてより良好に受信することができる。
【0146】
例示的に、拡張カバレッジモードを利用するシステム情報の受信動作は、移動局が、拡張カバレッジモードを利用するとき、同じシステム情報の繰返し送信を受信し、その後それらを結合することで、標準カバレッジモードを利用するシステム情報の受信動作と異なる。同じシステム情報の繰返し送信の結合は、移動局が、例えば、より低い信号対雑音比(SNR)を補償することを可能にする。繰返し送信を結合するステップは、ソフト結合技術によって実装され得る。
【0147】
有利には、拡張カバレッジモードに設定された移動局は、−とりわけ−基準単一受信電力(RSRP)値が標準カバレッジモードに対して設定された電力閾値より低いセルをセル候補として、検出することが可能になる。
【0148】
したがって、このより詳細な実施形態による、第1に、RFチャネルの走査および識別の動作、次に、同期信号の検出動作、そしてその後、システム情報を受信する動作は、移動局が後にその中からセルを選択または再選択する候補セルの、移動局による検出を同様にもたらす。セルの選択または再選択(ステップS02またはS04参照)については、
図8および
図9に関連して説明されたそれぞれの前の実施形態を参照されたい。
【0149】
それでも、第1に、RFチャンネルの走査および識別、次に、同期信号の検出、そしてその後、システム情報の受信の形での候補セルの検出、ならびに検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを決定するために、移動局が保存情報にアクセスすることは、このより詳細な実施形態に対して同様に指摘されるべきである。
【0150】
具体的には、保存情報が、移動局で、前に検出された候補セルの少なくとも1つが拡張カバレッジモードを利用する検出およびその後の選択または再選択をサポートすることを示す場合、そのとき初めて移動局は、それに応じて、拡張カバレッジモードで検出および選択または再選択を行う。
【0151】
有利には、拡張カバレッジモードはセルと同様移動局にも電力消費量および周波数利用効率の点で負担が大きいので、保存情報の使用によって、移動局は確実に、候補セルの少なくとも1つが拡張カバレッジモードを同等にサポートするときだけそれぞれの検出および選択または再選択動作を遂行することができる。
【0152】
別のより詳細な実施形態の第1の実施例
セル選択および再選択手順の別のより詳細な実施形態の第1の実施例が
図11に示される。具体的には、このより詳細な実施形態は、後の時点で候補セルの検出および検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを、保存情報を使用して決定することができるように、保存情報が移動局によってどのように取得されるかを例証する。
【0153】
この実施例にさらに付け加えると、移動局は、セルにキャンプしている(またはアクセスしている)と想定される。この点において、セルにキャンプしている(またはアクセスしている)とき移動局が標準カバレッジモードに設定されるかまたは拡張カバレッジモードに設定されるか否かは、しかしながら、重要ではない。さらに、移動局がセル内でアップリンクおよびダウンリンク通信のために設定されることが重要なだけである。
【0154】
この文脈で、移動局は、選択されたセルに、候補セルの少なくとも1つが検出動作および選択または再選択動作が拡張カバレッジモードを利用することをサポートするか否かを示す情報を送信するように要求する(ステップS01参照)。移動局が情報を要求する、選択されたセルは、移動局がキャンプしている(またはアクセスしている)セルとすることができる。
【0155】
要求に応じて、移動局は、その後、候補セルの少なくとも1つが検出動作および選択または再選択動作が拡張カバレッジモードを利用することをサポートするか否かを示す情報を受信する(ステップS02参照)。情報は、移動局が、例えば専用制御メッセージで、情報を要求する、選択されたセルによって送信される。
【0156】
移動局は、情報を受信すると、後の時点で候補セルの検出動作および検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択動作を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを、新しく保存された情報を使用して決定する(ステップS03参照)ために、(前に保存された情報を補足、更新または置換することによって)受信情報を保存する。
【0157】
例示的な実装において、移動局は、前に検出された候補セルの少なくとも1つが拡張カバレッジモードを利用している移動局をサポートするか否かを示す情報を受信するために、この前に検出された候補セルを、要求の中に含む。
【0158】
代替の実装によれば、移動局は、候補セルが少なくとも、移動局がキャンプしている選択されたセルに隣接するセル(すなわち隣接セル)を含むと想定する。したがって、移動局は、要求に以前検出された候補セルについての任意の情報を含めることを省く。この点において、移動局は、選択されたセルに、その隣接セルの少なくとも1つが拡張カバレッジモードをサポートするか否かを示す情報を送信するように要求する。
【0159】
選択されたセルの隣接セルは、移動局の候補セルのサブセットを形成するので、選択されたセルおよびその隣接セルのうちの少なくとも1つが拡張カバレッジモードをサポートするか否かを示す情報は、移動局が、後の時点で候補セルの検出および検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを決定することを同様に可能にする。
【0160】
言うまでもなく、移動局によって受信される保存情報は、候補セルが拡張カバレッジモードをサポートするという指示を含み得るだけでなく、物理セル識別子(PCI)、RFチャネルの搬送周波数、無線アクセス技術(RAT)およびRATに対応する帯域、ならびに拡張カバレッジMTC(Machine Type Communication)に対する周波数優先度のうちの少なくとも1つをこの候補セルに対して同様に(すなわち、さらに)含み得る。
【0161】
別のより詳細な実施形態の第2の実施例
セル選択および再選択手順の別のより詳細な実施形態の第2の実施例が
図12に示される。具体的には、このより詳細な実施形態は、後の時点で候補セルの検出および検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを、保存情報を使用して決定することができるように、保存情報が移動局によってどのように取得されるかを例証する。
【0162】
この実施例にさらに付け加えると、移動局は、セルにキャンプしている(またはアクセスしている)と想定される。この点において、セルにキャンプしている(またはアクセスしている)とき移動局が標準カバレッジモードに設定されるかまたは拡張カバレッジモードに設定されるか否かは、しかしながら、重要ではない。さらに、移動局がセル内でダウンリンク通信(例えば報知情報を受信すること)のために設定されることが重要なだけである。
【0163】
この文脈で、移動局は、候補セルの少なくとも1つが検出動作および選択または再選択動作が拡張カバレッジモードを利用することをサポートするか否かを示す情報を報知情報として受信する(ステップS01参照)。情報は、選択されたセルによって、例えば、選択されたセルによって送信されるシステム情報に含まれるものとして、報知される。
【0164】
移動局は、情報を受信すると、後の時点で候補セルの検出動作および検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択動作を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを、新しく保存された情報を使用して決定する(ステップS02参照)ために、(前に保存された情報を補足、更新または置換することによって)受信情報を保存する。
【0165】
例示的な実装において、移動局は、選択されたセルおよびその隣接セルのうちの少なくとも1つが拡張カバレッジモードをサポートするか否かを示す情報を選択されたセルから受信する。しかしながら、選択されたセルの隣接セルは、少なくとも移動局の候補セルのサブセットを形成するので、選択されたセルの隣接セルの少なくとも1つが拡張カバレッジモードをサポートするか否かを示す情報は、移動局が、後の時点で候補セルの検出および検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを決定することを同様に可能にする。
【0166】
言うまでもなく、この実施例においても、移動局によって受信される保存情報は、候補セルが拡張カバレッジモードをサポートするという指示を含み得るだけでなく、物理セル識別子(PCI)、RFチャネルの搬送周波数、無線アクセス技術(RAT)およびRATに対応する帯域、ならびに拡張カバレッジMTC(Machine Type Communication)に対する周波数優先度のうちの少なくとも1つをこの候補セルに対して同様に(すなわち、さらに)含み得る。
【0167】
別のより詳細な実施形態の第3の実施例
セル選択および再選択手順の別のより詳細な実施形態の第3の実施例は、後の時点で候補セルの検出および検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを、保存情報を使用して決定することができるように、保存情報が移動局によってどのように取得されるかを例証する。
【0168】
この実施例にさらに付け加えると、移動局は、セルのために走査および識別されたRFチャネルに対する同期信号を成功裏に検出していると想定される。しかしながら、移動局がセルのシステム情報を成功裏に受信していることは必要ではない。セルによって検出される同期信号は、移動局がセルを識別しセルによるダウンリンク送信と同期することをすでに可能にする。
【0169】
この文脈で、移動局は、セル上の事前定義された数のダウンリンク送信を受信および結合することによって、このセルが拡張カバレッジモードを利用する検出ステップおよび選択ステップをサポートするか否かを識別する。さらに、移動局は、セルによるダウンリンク送信のためにセルが拡張カバレッジモードを使用するか否かから、セルが拡張カバレッジモードをサポートするか否かを推測する。
【0170】
具体的には、移動局は、セル上の事前定義された数の送信を受信および結合し、それに応じて、受信および結合された送信が同じトランスポートブロックに対応するか否かに基づいて、セルが拡張カバレッジモードを利用する検出ステップおよび選択または再選択ステップをサポートするか否かを示す情報を決定し保存する。
【0171】
この実施例の例示的な実装によれば、同じトランスポートブロックに対応する、セル上の事前定義された数の送信は、システムフレーム番号(SFN)0、8、16、および24における物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信、ならびに/またはSFN32、40、48、および56における物理ダウリンク共有チャネル(PDSCH)送信までである。この例示的な実装のSFNは、しかしながら、ただ実施例として理解されるべきであり、移動局によって行われる決定を限定すると解釈されるべきではない。
【0172】
移動局は、その後の時点で、候補セルの検出動作および検出された候補セルの中からのセルのその後の選択または再選択動作を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを、この新しく保存された情報を使用して決定する。
【0173】
選択および再選択手順の別のより詳細な実施形態が
図13に示される。このより詳細な実施形態は、移動局が標準カバレッジモードで選択されたセルにキャンプしている(またはアクセスする)状態と、移動局が拡張カバレッジモードで選択されたセルにキャンプしている(またはアクセスする)状態との間の状態遷移を例証する。この文脈で、モバイルがセルにキャンプしている(またはアクセスする)状態のうちの何れかが本開示の選択および再選択手順から生じることは、強調されるべきである。換言すれば、セルの選択または再選択は、選択または再選択動作が成功した場合、移動局が同じセルにキャンプする(またはアクセスする)という結果をもたらす。
【0174】
通常、移動局は、標準カバレッジモード(短縮形:標準モード)を利用してセル選択および再選択手順を行い始めるように設定される。したがって、移動局は、さまざまな上記の実施形態で説明したように、標準カバレッジモードを利用して、候補セルを検出する動作を最初に行い、そしてその後、検出された候補セルからセルを選択または再選択する動作を行う。
【0175】
少なくとも1つの候補セルを成功裏に検出し、検出された候補セルの中から「適当な」セルを成功裏に選択または再選択した場合、移動局は、標準カバレッジモードで「適当な」セルにキャンプする(またはアクセスする)と表現される。さらに、本開示の文脈で、セルは、このセルへの選択または再選択動作が成功しているとき「適当である」とみなされることになっている。
【0176】
標準カバレッジモードで、失敗して候補セルを検出しなかったか、または失敗して前に(すなわち成功裏に)検出した候補セルの中からセルを選択または再選択しなかった場合、移動局は、標準カバレッジモードでキャンプする(またはアクセスする)ための「適当な」セルを何も見つけていない(短縮形:「セルが見つからない」)。この状況で、移動局は、セル選択および再選択手順を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを、保存情報を使用して決定する。
【0177】
具体的には、保存情報が、候補セルの少なくとも1つが拡張カバレッジモードを利用する検出動作および選択または再選択動作をサポートすることを示す場合、移動局は、拡張カバレッジモード(短縮形:ECモード)を利用してセル選択および再選択手順を行うように設定される。さらに、保存情報が、候補セルのどれひとつとして拡張カバレッジモードを利用する検出動作および選択または再選択動作をサポートしないことを示す場合、移動局は、カバレッジ外状態にすぐに進むように設定される。
【0178】
したがって、保存情報が、候補セルの少なくとも1つが拡張カバレッジモードをサポートすることを示す場合、移動局は、さまざまな上記の実施形態で説明したように、拡張カバレッジモードを利用して、候補セルを検出する動作を最初に行い、そしてその後、検出された候補セルからセルを選択または再選択する動作を行う。
【0179】
少なくとも1つの候補セルを成功裏に検出し、検出された候補セルの中から「適当な」セルを成功裏に選択または再選択した場合、移動局は、拡張カバレッジモードで「適当な」セルにキャンプする(またはアクセスする)と表現される(短縮形:ECモードでキャンプ)。
【0180】
標準カバレッジモードで、失敗して候補セルを検出しなかったか、または失敗して前に(すなわち成功裏に)検出した候補セルの中からセルを選択または再選択しなかった場合、移動局は、標準カバレッジモードでキャンプする(またはアクセスする)ための「適当な」セルを何も見つけていない(短縮形:「セルが見つからない」)。この状況で、移動局は、セル選択および再選択手順を、拡張カバレッジモードを利用して行うべきか否かを、保存情報を使用して決定する。
【0181】
さまざまな条件は、移動局が標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードでセルにキャンプしているとき選択または再選択手順を再開することをトリガし得る。どちらの場合も移動局は、第1に標準カバレッジモードで、そして第2に拡張カバレッジモードで、説明した動作を続行することになる。
【0182】
例示的に、選択または再選択手順をトリガする条件は、例えば(RRC)接続解放手順またはRLF(無線リンク障害)の結果として接続モードから出ることだけでなく、参照信号受信電力(RSRP)値、および/または好ましくない参照信号受信品質(RSRQ)測定値への改善を含む。
【0183】
さらに重要なことには、移動局は同様に、拡張カバレッジモードを利用してセル選択および再選択手順を行い始めるように設定され得る(短縮形:非標準モードセル選択)。この目的のために、保存情報は、例えば、拡張カバレッジモードを利用する検出動作および選択または再選択動作をサポートする候補セルのみを示す。
【0184】
この点において、保存情報が、拡張カバレッジモードを利用する検出動作および選択または再選択動作をサポートする候補セルのみを示す場合、移動局は、標準カバレッジモードを利用して検出動作も選択または再選択動作も行わないように設定される。
【0185】
例えば、移動局の用途(またはユースケース)に応じて、拡張カバレッジモードのみを利用するように検出動作および選択または再選択動作を制限することは合理的であり得る。この状況で、移動局は、移動局に接続されることになっている加入者識別モジュール(SIM)、または汎用加入者識別モジュール(USIM)の中の、拡張カバレッジモードをサポートする候補セルのみを示す保存情報で事前設定され得る。
【0186】
選択および再選択手順の別のより詳細な実施形態が
図14に示される。このより詳細な実施形態は、従来知られているRRCアイドル状態での選択および再選択手順との拡張カバレッジモードの後方互換性を示す。このより詳細な実施形態において、移動局は、その「保存情報」が、拡張カバレッジ(EC)モードセルだけが利用可能であり標準カバレッジモードでのセル選択および再選択手順が不成功であったことを示さない限り、標準カバレッジモードでキャンプしようとする。
【0187】
図に示されるように、上半分のセル選択または再選択手順、すなわち上半分(すなわち「任意セル選択」と題された囲み線の上)の部分的に影付の囲み線は、移動局が、標準カバレッジモードを利用してまたは拡張カバレッジモードを利用しての何れかで、セルにキャンプする可能性を示す。
【0188】
例えば、「保存情報セル選択」と題されたセル選択および再選択手順(ステップS04参照)は、すべての候補セルがただ拡張カバレッジモードをサポートするだけであることを示してもよく、または、候補セルが、標準カバレッジモードをサポートする少なくとも1つのセルを同様に含むことを示してもよい。後者の場合、移動局は、最初に標準カバレッジモードをサポートするセルにキャンプしようとするためにセル選択および再選択手順を行う。
【0189】
同様に、「初期セル選択」と題されたセル選択および再選択手順(ステップS01参照)は、標準カバレッジモードをサポートするセルが標準カバレッジモードを利用するセル選択および再選択手順で成功裏に選択される場合、移動局が標準カバレッジモードをサポートするセルにキャンプするという結果をもたらすことができ、標準カバレッジモードを利用するセル選択および再選択手順で成功裏に選択されるセルがないとき、移動局が拡張カバレッジ(EC)モードをサポートするセルにキャンプするという結果をもたらすことができる。
【0190】
図の下半分は、(
図14に示されない)受容可能セルさえ利用可能でないとき、「任意セル選択」状態からのキャンプを示す。興味深いことに、移動局は、次のどちらのときでも、任意セル選択に到達し得る。
【0191】
セル選択基準が背景技術の節で定義されたように満たされるけれども、前記セルは、例えば選択されたPLMN(Public Land Mobile Network)、登録されたPLMNまたは等価なPLMNリストのいずれにも属さないので、適当なセルでないとき、または、
どの可能性のある利用可能なセルも標準カバレッジ外の方法でありおよび/または重度の減衰を受けているので、セル検出それ自体ができないときである。
【0192】
この意味で、
図14の拡張カバレッジ(EC)モード部分(下半分)は、受容可能セルキャンプ状態を置換しておらず、むしろ、標準カバレジモードのセルも受容可能セルも見つけられないとき、受容可能セルキャンプ状態と同様に動作する。
【0193】
さらに、この実施形態に関連して、ステップS01、S02およびS04のセル選択および再選択手順が標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードの何れかを同等に利用すること、および、「適当な」セルが成功裏に選択または再選択される場合、移動局は、標準カバレッジモードまたは拡張カバレッジモードのそれぞれを使用して同じ「適当な」セルにキャンプすることが明らかになる。
【0194】
さらに、この実施形態において、拡張カバレッジモードは、ただ「任意セル選択」状態に接続されたセル選択および再選択手順S05およびS06に対して利用されるべきである。「任意セル選択状態」で、移動局は、UEによってサポートされるすべてのRATを試し、拡張カバレッジモードを利用して高品質セルを最初に探索して、キャンプするべき任意のPLMNの受容可能セルを見つけようと試みる。
【0195】
換言すれば、移動局は、「適当な」または「受容可能」セルが見つからないとき、拡張カバレッジモードを利用してキャンプするべきセルを見つけようとする。現在の文脈で、「受容可能」セルは、良好な無線信号品質を有するが権限の問題がある(例えばマイPLMNリストの一部でない)セルである。より具体的には、受容可能セルは3GPP TS 36.304の第4.3章で定義されている。特別な実施例として、受容可能セルは、セル選択または再選択要件を満たすが、
−選択されたPLMN、または
−登録されたPLMN、または
−等価なPLMNリストのPLMN
のいずれの一部でもない。
【0196】
しかしながら、受容可能セルに対しても、背景技術の節で論じたセル選択基準は実行される。したがって、拡張されたカバレッジでの移動局は、「受容可能な」形でセルを検出/セルにキャンプさえしないことになり、それで移動局は拡張カバレッジモードカバレッジを試さなければならない。
【0197】
別の実施形態は、ハードウェアおよびソフトウェア、またはハードウェアのみを使用する、上述のさまざまな実施形態の実装に関連している。これに関連して本開示はユーザ機器(移動局)およびマスタおよびセカンダリeNodeB(基地局)を提供する。ユーザ機器および基地局は、本明細書で説明した方法を行うように適合される。
【0198】
本開示のさまざまな実施形態がコンピューティングデバイス(プロセッサ)を使用して実装または実行され得ることは、さらに認識される。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または他のプログラム可能なロジックデバイスなどとすることができる。加えるに、無線送信機および無線受信器ならびに他の必要なハードウェアは、装置(UE、MeNB、SeNB)の中に備えることができる。本開示のさまざまな実施形態は、これらのデバイスの組合せによって行うことができ、または具現化することができる。
【0199】
さらに、本開示のさまざまな実施形態は、プロセッサによってまたはハードウェアで直接実行される、ソフトウェアモジュールを用いて同様に実装することができる。同様にソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組合せを可能とすることができる。ソフトウェアモジュールは、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどの、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体上に格納され得る。
【0200】
本開示の異なる実施形態の個別の特徴は、個別にまたは任意の組合せで、別の本開示の主題とすることができることにさらに留意されたい。
【0201】
総括的に説明された本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の実施形態で示されたように、本開示に多数の変形形態および/または修正形態がなされ得ることは、当業者に理解されよう。本実施形態はしたがって、あらゆる点で、例示的なものであって制限するものではないとみなされるべきである。