(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、普段の生活においても用いることができ、裸足歩行を効果的に補助することができる裸足歩行補助具、裸足歩行補助具の調整方法、裸足歩行補助具の調整治具、裸足歩行補助具の案内治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
第1の発明は、装着者の足に装着され、裸足歩行を補助する裸足歩行補助具(1)であって、可撓性を有する板状の材料により構成され、着地時における装着者の足裏を保護する保護部(10)と、装着者の足首の周囲に配置される環状部(20)と、前記環状部(20)と前記保護部(10)とを繋ぐ可撓性を備えた接続部(30)と、を備え、前記環状部(20)及び前記接続部(30)は、前記保護部(10)が地面から離れた状態では、装着者の足裏と前記保護部(10)との間に3mm以上の隙間が空くように、装着者の足への装着具合を調整可能に構成されており、前記保護部(10)の密度は、0.9g/cm
3以下であり、前記保護部(10)の厚さは20mm以下である裸足歩行補助具(1)である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に記載の裸足歩行補助具(1)において、前記接続部(30)は、前記環状部(20)の下方に、前記環状部(20)を1辺とする略三角形状の領域を構成する三角領域(31)と、前記三角領域(31)から前記保護部(10)の側端へ延在して接続する下垂部(32)と、が左右両側に設けられており、前記接続部(30)は、前記環状部(20)から前記保護部(10)の先端へ延在して接続する前延部(33)を備えること、を特徴とする裸足歩行補助具(1)である。
【0009】
第3の発明は、第2の発明に記載の裸足歩行補助具(1)において、前記保護部(10)は、装着者の足裏の略全体を保護できる全長を有しており、前記下垂部(32)が前記保護部(10)に接続する接続位置(10c、10d)は、前記保護部(10)の後端からの長さが全長の30%以上40%以下の範囲内にあること、を特徴とする裸足歩行補助具(1)である。
【0010】
第4の発明は、第1の発明に記載の裸足歩行補助具(1C)において、前記保護部(10C)は、装着者の足裏の前方70%の領域よりも狭い領域のみを保護できる全長を有しており、前記接続部(30)が前記保護部(10C)に接続する接続位置は、前記保護部(10C)の側端及び後端の近傍であり、前記保護部(10C)の先端付近から前記接続位置へと延在する一対の鼻緒状部(40)を備えること、を特徴とする裸足歩行補助具(1C)である。
【0011】
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかに記載の裸足歩行補助具(1)において、前記環状部(20)及び前記接続部(30)は、紐によって構成されており、前記紐の剛性は、全長12cmの紐を片持ちで水平に支持したときに自由端の先端の位置が−3cm以上となる剛性であること、を特徴とする裸足歩行補助具(1)である。
【0012】
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかに記載の裸足歩行補助具(1B)において、前記保護部(10A、10B)は、複数枚が接合されずに重ねて配置されていること、を特徴とする裸足歩行補助具(1B)である。
【0013】
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかに記載の裸足歩行補助具(1)において、装着者の足の指先が前記保護部(10)の先端から突出可能であること、
を特徴とする裸足歩行補助具(1)である。
【0014】
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかに記載の裸足歩行補助具(1)の装着者の足への装着具合を調整する調整方法であって、前記保護部(10)が地面から離れた状態では、装着者の足裏と前記保護部(10)との間に3mm以上の隙間が空くように、前記環状部(20)及び前記接続部(30)が調整されること、を特徴とする裸足歩行補助具(1)の調整方法である。
【0015】
第9の発明は、第8の発明に記載の裸足歩行補助具(1)の調整方法であって、装着者の足裏と前記保護部(10)との間の少なくとも一部に所定の厚さに構成された調整治具(101)を挟んだ状態で前記環状部(20)及び前記接続部(30)が調整されること、を特徴とする裸足歩行補助具(1)の調整方法である。
【0016】
第10の発明は、第9の発明に記載の調整方法に用いる裸足歩行補助具(1)の調整治具(101、102)である。
【0017】
第11の発明は、第5の発明に記載の裸足歩行補助具(1)の紐の結び方を案内する案内表示(103a)を備え、装着者の足に着用可能な足袋状、又は、靴下状に構成された裸足歩行補助具(1)の案内治具(103)である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、普段の生活においても用いることができ、裸足歩行を効果的に補助することができる裸足歩行補助具、裸足歩行補助具の調整方法、裸足歩行補助具の調整治具、裸足歩行補助具の案内治具を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明による裸足歩行補助具の第1実施形態を示す図である。
なお、
図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
【0022】
第1実施形態の裸足歩行補助具1は、保護部10と、環状部20と、接続部30とを備えている。本実施形態の裸足歩行補助具は、靴を履かずに裸足での歩行を補助するための補助具であり、裸足での使用が最も効果的である。しかし、本実施形態の裸足歩行補助具は、靴下や足袋等を併用することを排除するものではなく、使用者の判断で適宜最適な使用形態で使用することができる。
【0023】
保護部10は、可撓性を有する板状の材料により構成され、着地時における装着者の足裏を保護する機能を有している。また、後述するが、保護部10は、裸足歩行中に装着者の足が地面(床面等も含めて地面と呼ぶ)から離れた状態では、足裏に接触せず、後述の接続部30によって釣られた状態で移動するものである。
【0024】
保護部10の密度は、0.9g/cm
3以下であることが望ましい。また、保護部10の密度は、0.7g/cm
3以下であることがより望ましい。上記密度以下とすることにより、保護部10を軽量にすることができるからである。保護部10の重量が大きくなりすぎると、歩行中に保護部10が接続部30につられた状態において適切な方向に保護部10が進まず、着地時に足を保護できない恐れがあるので、保護部10を軽量にすることは重要である。
保護部10は、例えば、発泡(スポンジ状)ゴムや、発泡(スポンジ状)樹脂等により形成されたシート状の素材を用いて作製することができ、例えば、VIBRAM社製のビブラムシート8338等を用いることができる。
【0025】
また、保護部10の厚さが厚くなりすぎると、地面の凹凸等の各種情報を足裏で感じにくくなるので望ましくないので、保護部10の厚さは、保護部10が単層及び複層の何れの場合であっても、20mm以下であることが望ましく、16mm以下がより望ましく、12mm以下がさらに望ましく、7mm以下であることがさらに望ましく、5.5mm以上6.5mm以下が最も望ましい。また、保護部10に適度な可撓性を持たせる理由は、地面の凹凸等の各種情報を足裏で感じることができるようにするためである。よって、保護部10の可撓性は、自重では曲がらないが地面の凹凸に応じて追随する程度であることが望ましい。
また、保護部10が薄くなりすぎると、足裏の保護効果が低下するので、保護部10の厚さは4mm以上あることが望ましく、より望ましくは、5mm以上である。よって、保護部10の最適な厚さは、5.5mm以上、6.5mm以下である。なお、本実施形態の構成では、保護部10の厚さは、6mmが最適であった。なお、上記の保護部10の好ましい厚さは、本件出願時のVIBRAM社製のビブラムシート8338を用いた場合を例示している。
【0026】
保護部10の上面には、交差する溝が多数並んで設けられることにより、島状の凸部が多数配列されており、滑り止めの効果を発揮しながらも滑らかな触感が得られ、かつ、足裏に刺激を与える部位が独立した島状の部分となることから、地面の凹凸を的確に足裏に伝えることができる。
本実施形態では、保護部10の上面の溝は、前後方向に対して45度傾いた向きで設けており、滑り止め効果をより高めている。
【0027】
保護部10には、紐で形成された環状部20及び接続部30が取り付けられている。
図2は、環状部20及び接続部30をより簡略に模式的に示した図である。
環状部20は、装着者の足首の周囲に配置され、環状に形成されている。本実施形態では、環状部20は、後述の接続部30と同じ1本の可撓性を有する紐で構成されている。環状部20の後部側は、2本の紐が縒られた構成となっており、環状部20が足首からずり落ち、踵から外れることを防止している。
【0028】
接続部30は、環状部20と保護部10とを繋ぐ可撓性を備えた紐で構成されている。
接続部30は、三角領域31と、下垂部32と、前延部33とを備えている。
【0029】
三角領域31は、環状部20の下方設けられており、環状部20を1辺とする略三角形状の領域を構成している。三角領域31は、裸足歩行補助具1の左右両側に設けられている。
【0030】
下垂部32は、三角領域31から保護部10の側端へ延在して保護部10に接続している。下垂部32は、裸足歩行補助具1の左右両側に設けられている。
前延部33は、環状部20から保護部10の先端へ延在して接続している。
【0031】
図3は、保護部10の上面図である。
保護部10には、接続部30が接続される接続孔10a、10b、10c、10dが設けられている。
【0032】
接続孔10a、10bは、前延部33が接続される部位である。本実施形態では、2つの接続孔10a、10bを用いて前延部33を接続したが、1つの接続孔としてもよい。
保護部10の先端から接続孔10bの後端までの長さL2は、保護部10の全長L1の12%以上14%以下であることが望ましい。この寸法とすることにより、装着者の足の指先が前記保護部の先端から突出可能となる。すなわち、着地した状態では、装着者の足の指の腹付近に保護部10の先端が位置する。なお、保護部10の後端の着地時の位置は、長くとも、かかとの後端から突出しないことが望ましい。
【0033】
下垂部32が保護部10に接続する接続位置となる接続孔10c、10dの位置は、保護部10の後端からの長さがL3及びL4が、全長L1の30%以上40%以下の範囲内にあることが望ましい。この寸法とすることにより、下垂部32がバランスよく保護部10を吊り上げることができ、足裏から離れた保護部10の進む方向を適切に制御できるからである。
なお、本実施形態では、L1=259mm、L2=33.2mm、L3=88mm、L4=91mmであり、接続孔10a、10b、10c、10dの直径は6mmである。
【0034】
本実施形態では、上述したように、環状部20及び接続部30は、同じ1本の可撓性を有する紐で構成されている。したがって、環状部20及び接続部30は、紐の結び目等を自由に調整できる。そして、環状部20及び接続部30は、保護部10が地面から離れた状態では、装着者の足裏と保護部10との間に3mm以上の隙間が空くように、装着者の足への装着具合を調整可能に構成されている。
【0035】
図4は、保護部10が着地した状態を示す図である。
図5は、保護部10が地面から離れた状態を示す図である。
図5に示すように、保護部10が地面から離れた状態では、装着者の足裏と保護部10との間の隙間Gが3mm以上空くことが望ましい。これにより、従来の靴やサンダルといった履物を履いた状態とは、全く異なる歩行形態、すなわち、裸足歩行に極めて近い状態を得ることができる。保護部10が地面から浮いた状態(
図5の状態)では、足裏に触れるものがなく、裸足歩行と略同じ状態となる。この状態では、保護部10は、接続部30に吊られた状態で足の移動に追従して移動する。着地時には、先に保護部10が着地し、装着者の感覚としては、裸足で歩いて着地する先に保護部10が置かれていて、その上に着地すると感じることができる。そして、保護部10は、上述したように地面の状態を足裏に十分に伝えることができる可撓性(柔軟性)を備えているので、足裏が適度に保護されながらも、裸足歩行している状態に極めて近い状況を提供することができる。
【0036】
ここで、足が着地する位置に適切に保護部10が先に着地することができるようにするためには、保護部10が勝手な方向に進んだりせずに、足の動作に自然に追従することが必要である。そのためには、先に説明したように保護部10の厚さと重さのバランスを取るための密度設定が重要である。
さらに、環状部20及び接続部30を構成する紐の剛性も重要である。環状部20及び接続部30は、装着者の足に装着されない状態において自立できる程度の剛性を備えている。この環状部20及び接続部30を構成する紐の剛性は、全長12cmの紐を片持ちで水平に支持したときに自由端の先端の位置が−3cm以上となる剛性であることが望ましい。ここで、自由端の先端の位置は、鉛直方向の下方をマイナス側とし、固定端の高さを±0cmとしている。
図6は、環状部20及び接続部30を構成する紐の剛性の評価を説明する図である。
図6に示すように、全長12cmの紐を片持ちで水平に支持したときに自由端の先端の位置が−3cm以上にあるNo.1、No.2のサンプルは、環状部20及び接続部30を構成する紐として十分な剛性を備えている。一方、自由端の先端の位置が−3cmよりも低い位置にあるNo.3のサンプルは、環状部20及び接続部30を構成する紐として十分な剛性を備えていない。
上記の範囲の剛性を備える材料(紐)によって環状部20及び接続部30を構成することにより、上記隙間Gを設けた状態でも、走ることも可能となる。仮に、上記剛性よりも極端に剛性が低い糸のようなもので環状部20及び接続部30が構成されていると、ゆっくり気を付けながら足を運べば歩けるかもしれないが、速足であったり、走ったりする場合には、保護部10が適切な位置に移動できず、とても歩ける(又は、走れる)状態とはならない。
なお、上記剛性よりも極端に剛性が高い材料で環状部20及び接続部30を構成すると、装用感が悪く、裸足歩行の感触が得られないので、極端に剛性の高い金属ワイヤー等は使用に適さない。
環状部20及び接続部30を構成する紐としては、例えば、ATWOOD社のパラコード(7 Strand Core 550 Paracode、4ミリ)を用いることができる。
【0037】
上述したような適切な隙間Gを確保しながら、歩行時に紐がほどけてしまったりすることが無いように裸足歩行補助具1の調整を行うには、若干の慣れとコツが必要である。そこで、本実施形態では、より簡単に裸足歩行補助具1の調整を行うことができる調整治具101、102と、紐がほどけてしまった場合の結び方を案内する案内治具103とを提供する。
【0038】
図7は、調整治具101、102を使用する状態を示す図である。
調整治具101は、装着者の足裏と保護部10の上面との間に配置される。調整治具101は、狙いとする隙間Gの厚さを有している。例えば、狙いの隙間Gが10mmであれば、10mmの厚さとなっている。
この調整治具101、102を使用する調整方法を説明する。調整治具101は、装着者の足裏と保護部10の上面との間に配置した状態で環状部20及び接続部30の調整を行う。このとき、特に隙間Gを意識する必要はない。その後に調整治具101を取り外せば、狙いの隙間Gに簡単に調整を行うことができる。また、調整治具102は、地面と保護部10との間に配置して使用される。調整時にこの調整治具102を用いることによって、接続部30を構成する紐の移動を保護部10が妨げることを防止でき、調整をより簡単に行うことができる。
【0039】
図8は、調整治具101、102の具体的な形態の一例を示す図である。
調整治具101、102は、例えば、
図8に示すように保護部10と略同様な外形形状とすることができ、接続部30を逃げることができる切り欠きを対応部分に備える形態とすることができる。なお、調整治具101、102の具体的な形態は、
図8の例に限らず、より簡素な形態としてもよい。例えば、装着者の足裏と保護部10の上面との間に配置される調整治具について、複数枚に分割して構成して、裸足歩行補助具を装着したまま挿脱を容易に行えるようにしてもよく、この場合には、より簡単な直方体形状の調整治具として構成してもよい。
【0040】
図9は、案内治具103の一例を示す図である。
案内治具103は、装着者の足に着用可能な足袋状、又は、靴下状に構成されている。
図9には、足袋状の例を示している。なお、靴下状に構成する場合には、少なくとも親指は独立した形態として、前延部33を通せる部位を設けることが望ましい。案内治具103は、裸足歩行補助具1の環状部20及び接続部30を構成する紐の結び方を案内する案内表示103aを備えている。案内表示103aは、紐が通される位置を示すラインと、紐を最初から組み付ける場合の順番を示す番号とを有している。なお、順番を示す番号は、装着者が読み取りやすいように、天地が逆となるように示されている。案内治具103を用いれば、紐がほどけてしまった場合の結び方を案内することができる。また、案内治具103は、足袋状、又は、靴下状に構成されているので、持ち運びも容易である。
【0041】
なお、上記例では、調整治具101、102と、案内治具103とは、それぞれ、別の治具として構成する例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、調整治具101の機能と案内治具103の機能とを適宜組み合わせた構成としてもよい。すなわち、足袋状、又は、靴下状に構成された治具の底部分に狙いの隙間Gに相当する厚みを持たせて構成してもよく、さらに、その表面に案内表示を設けてもよい。
【0042】
以上説明したように、第1実施形態の裸足歩行補助具1によれば、簡単な構成でありながら、普段の生活においても用いることができ、裸足歩行を効果的に補助することができる裸足歩行補助具、裸足歩行補助具の調整方法を提供できる。また、慣れやコツを必要とせずに、簡単に裸足歩行補助具の調整方法を実施できる、裸足歩行補助具の調整治具、裸足歩行補助具の案内治具を提供することができる。
【0043】
(第2実施形態)
図10は、本発明による裸足歩行補助具の第2実施形態を示す図である。
第2実施形態の裸足歩行補助具1Bは、2枚の保護部10A、10Bを重ねて配置している点が、第1実施形態と異なっている。また、第2実施形態の裸足歩行補助具1Bは、環状部20及び接続部30を構成する紐を2本としている点が、第1実施形態と異なっている。なお、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0044】
第2実施形態の裸足歩行補助具1Bは、2枚の保護部10A、10Bを接合せずに重ねて配置しているので、足裏の保護機能が向上している。よって、第2実施形態の裸足歩行補助具1Bは、未舗装の山道や砂利道等、より路面状況が悪い場合の使用に適した形態である。本実施形態では、第1実施形態の保護部10と同じものを、2枚重ねている。なお、保護部10Aと保護部10Bとのうちの一方の長さや幅を延長した構成としてもよい。2枚の保護部10A、10Bを重ねることにより、保護機能が向上するが、両者を合わせた可撓性には大きな変化がない。したがって、路面の状況は十分に足裏に伝わり、裸足歩行しやすい。仮に、2枚の保護部10A、10Bを重ねたのと同じ厚さの1枚の保護部とした場合には、保護部の可撓性が劣化して、路面の状況を足裏で把握しづらく、裸足歩行に適さない。
また、2枚の保護部10A、10Bを重ねている場合の厚さは、2枚合わせて20mm以下であることが望ましく、12mm以下であることがより望ましい。なお、上記の保護部10A、10Bの好ましい厚さは、本件出願時のVIBRAM社製のビブラムシート8338を用いた場合を例示している。
【0045】
また、同じ材質の保護部材を重ねる形態に限らずに、特性の異なる材料により構成された保護部を重ねてもよい。また、重ねる枚数は、3枚以上としてもよい。3枚重ねる場合には、例えば、中央の保護部には、他の保護部よりも衝撃緩衝性に優れた材料を用いてもよい。
【0046】
また、第2実施形態の裸足歩行補助具1Bは、環状部20及び接続部30を構成する紐を2本としている。これにより、信頼性をより向上することができる。なお、環状部20及び接続部30を構成する紐を2本とすることは、上記2枚の保護部10A、10Bを重ねた構成と組み合わせる必要はなく、それぞれを独立して採用してもよい。
【0047】
以上説明したように、第2実施形態によれば、より過酷な使用状況にも対応することができる、より耐久性の高い裸足歩行補助具1Bを提供できる。
【0048】
(第3実施形態)
図11は、本発明による裸足歩行補助具の第3実施形態を示す図である。
第3実施形態の裸足歩行補助具1Cは、保護部10Cが足裏の前方70%(前後方向の長さで70%)の領域よりも狭い領域しか保護しない形態である。すなわち、第3実施形態の保護部10Cは、その後端の位置が、足指の付け根の母指球:小指球付近となっている。また、本実施形態では、保護部10Cの前方の孔は1つとし、足指が前方にはみ出す形態となる。このような形態とすることにより、かかとへの負荷が少ない(かかとへの荷重が少ない)歩き方を訓練することができる。なお、保護部10Cの材料等は、第1実施形態と同様である。
【0049】
図12は、第3実施形態の環状部20及び接続部30をより簡略に模式的に示した図である。
保護部10Cが上記形態であることに伴い、接続部30が保護部10Cに接続する接続位置は、保護部10Cの側端及び後端の近傍である。
また、第3実施形態の裸足歩行補助具1Cは、第1実施形態の前延部33の代わりに、保護部10Cの先端付近から接続部30が保護部10Cに接続する接続位置へと延在する一対の鼻緒状部40を備えている。
さらに、鼻緒状部40と環状部20とを接続する鼻緒接続部50を備えている。
【0050】
第3実施形態によれば、かかとに頼らない(かかとを着地させない)歩き方を訓練することができる。
【0051】
なお、各実施形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【課題】普段の生活においても用いることができ、裸足歩行を効果的に補助することができる裸足歩行補助具、裸足歩行補助具の調整方法、裸足歩行補助具の調整治具、裸足歩行補助具の案内治具を提供する。
【解決手段】裸足歩行補助具1は、装着者の足に装着され、裸足歩行を補助する裸足歩行補助具であって、可撓性を有する板状の材料により構成され、着地時における装着者の足裏を保護する保護部10と、装着者の足首の周囲に配置される環状部20と、環状部20と保護部10とを繋ぐ可撓性を備えた接続部30と、を備え、環状部20及び接続部30は、保護部10が地面から離れた状態では、装着者の足裏と前記保護部との間に3mm以上の隙間が空くように、装着者の足への装着具合を調整可能に構成されており、保護部10の密度は、0.9g/cm