(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
DRR画像を作成するときには、仮想的なX線管から仮想的なX線検出器の各画素を結ぶ線分上に複数の計算点を設定し、この計算点に相当するCTデータボクセルにおけるCT値の線積分を求めている。このとき、CTデータの解像度はX線画像と比較して劣っていることから、各計算点におけるCT値は、その計算点の周囲のCTデータボクセルにおけるCT値から補間演算を行うことにより計算している。
【0006】
この補間演算のために、DRR画像の輪郭がぼけるという問題が発生する。また、CTデータの輪郭自体もぼけているために、DRR画像の輪郭がぼけるという問題が発生する。このような問題点に対応するため、位置決めに重要となる骨部に対応するCT値に重みをつけ、骨部を強調することも考えられるが、このような方法では、DRR画像のコントラストを向上させることはできても、エッジ部分のボケを解消することは不可能である。
【0007】
従って、DRR画像においては、例えば、骨部と軟部組織との輪郭を明確に認識することが困難となる。このため、DRR画像とX線画像とを比較して位置ずれを高精度で認識することが困難となる。また、医師等が読影によりDRR画像とX線画像との位置ずれが許容範囲内にあるかを判断する場合においても、読影に長い時間を要することとなる。このような場合には、被検者の位置決め精度が低下するという問題が生ずる。また、被検者に苦痛を与えるだけではなく、高額な放射線治療装置を利用しての放射線治療のスループットが低下するという問題が生ずる。
【0008】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、DRR画像の骨部と軟部組織との間の領域を鮮鋭化することにより、DRR画像とX線画像との位置決めを高精度かつ容易に実行することが可能なDRR画像作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、コンピュータ上にX線撮影系の幾何学的配置を再現して予め収集されたCT画像データに対して仮想的に透視投影を行うことにより、被検者に対して放射線治療を行うときの被検者の位置決め時にX線画像との比較に使用されるDRR画像を作成するDRR画像作成装置であって、前記CT画像データにおける骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する領域に対して、そのCT値が骨部のCT値または軟部組織のCT値と近似するCT値となるよう変換処理を実行する画像処理部を備え、前記画像処理部は、前記CT画像データにおける骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する領域に対して、そのCT値が予め設定されたCT値以上の領域についてはそのCT値が骨部のCT値と近似するCT値となるよう変換処理を実行するとともに、そのCT値が予め設定されたCT値より小さい領域についてはそのCT値が軟部組織のCT値と近似するCT値となる変換処理を実行する。
【0010】
第2の発明は、コンピュータ上にX線撮影系の幾何学的配置を再現して予め収集されたCT画像データに対して仮想的に透視投影を行うことにより、被検者に対して放射線治療を行うときの被検者の位置決め時にX線画像との比較に使用されるDRR画像を作成するDRR画像作成装置であって、前記CT画像データにおける骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する領域に対して、そのCT値が骨部のCT値または軟部組織のCT値と近似するCT値となるよう変換処理を実行する画像処理部を備え、前記画像処理部は、前記CT画像データにおける骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する領域に対して、そのCT値が骨部のCT値または軟部組織のCT値と近似するCT値となるような重みづけ係数を乗算する。
【0011】
第3の発明は、コンピュータ上にX線撮影系の幾何学的配置を再現して予め収集されたCT画像データに対して仮想的に透視投影を行うことにより、被検者に対して放射線治療を行うときの被検者の位置決め時にX線画像との比較に使用されるDRR画像を作成するDRR画像作成装置であって、前記コンピュータ上に再現したX線撮影系の幾何学的配置に対応した線分上に複数の計算点を設定し、前記計算点の周囲のCT値に基づいて補間を行うことにより前記計算点のCT値を演算するとともに、その演算値が前記CT画像データにおける骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する計算点に対してそのCT値が骨部のCT値または軟部組織のCT値と近似するCT値となるよう変換処理を実行し、変換後の各計算点のCT値を用いて前記線分上に位置する前記計算点のCT値を累積することによりDRR画像を作成する画像処理部を備えることを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、前記画像処理部は、前記コンピュータ上に再現したX線撮影系の幾何学的配置に対応した線分上に複数の計算点を設定し、前記計算点の周囲のCT値に基づいて補間を行うことにより前記計算点のCT値を演算するとともに、その演算値が前記CT画像データにおける骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する計算点に対してそのCT値が骨部のCT値または軟部組織のCT値と近似するCT値となるような重みづけ係数を乗算し、重みづけ後の各計算点のCT値を用いて前記線分上に位置する前記計算点のCT値を累積することによりDRR画像を作成する。
【発明の効果】
【0013】
第1、第2の発明によれば、CT画像データに対して変換処理(例えば重みづけ処理)を実行することにより、DRR画像の骨部と軟部組織との間の領域を鮮鋭化することができ、DRR画像とX線画像との位置決めを高精度かつ容易に実行することが可能となる。このとき、CT画像データに対して予め変換処理(例えば重みづけ処理)を実行することから、DRR画像を迅速に作成することが可能となる。
【0014】
第3、第4の発明によれば、計算点のCT値の補間演算とともに変換処理(例えば重みづけ処理)を実行することにより、DRR画像の骨部と軟部組織との間の領域を鮮鋭化することができ、DRR画像とX線画像との位置決めを高精度かつ容易に実行することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明に係るDRR作成装置としてのDRR画像作成部を備えたX線透視装置を、放射線照射装置90とともに示す斜視図である。これらのX線透視装置と放射線照射装置90とにより、放射線治療装置が構成される。
【0017】
放射線照射装置90は、カウチとも呼称される検診台29上の被検者に対して放射線照射を行うものであり、治療室の床面に設置された基台91に対して揺動可能に設置されたガントリー92と、このガントリー92に配設された治療ビームを出射するヘッド93とを備える。この放射線照射装置90によれば、ガントリー92が基台91に対して揺動することにより、ヘッド93から照射される治療ビームの照射方向を変更することができる。このため、被検者における腫瘍等の患部に対して様々な方向から治療ビームを照射することが可能となる。
【0018】
この放射線照射装置90とともに使用されるX線透視装置は、被検者の位置決めを行うためのX線透視を実行するものである。すなわち、X線透視装置によって得られたX線透視画像と、CT画像から作成されたDRR画像とを比較することによって、被検者の位置決め(被検者が載せられた検診台29を治療計画時と同じ適切な位置に移動すること)が実行される。
【0019】
このX線透視装置は、第1X線管11a、第2X線管11b、第3X線管11c、第4X線管11d(これらを総称する場合には「X線管11」という)と、第1フラットパネルディテクタ21a、第2フラットパネルディテクタ21b、第3フラットパネルディテクタ21c、第4フラットパネルディテクタ21d(これらを総称する場合には「フラットパネルディテクタ21」という)とを備える。第1X線管11aから照射されたX線は、検診台29上の被検者を透過した後、第1フラットパネルディテクタ21aにより検出される。第1X線管11aと第1フラットパネルディテクタ21aとは、第1X線撮影系を構成する。第2X線管11bから照射されたX線は、検診台29上の被検者を透過した後、第2フラットパネルディテクタ21bにより検出される。第2X線管11bと第2フラットパネルディテクタ21bとは、第2X線撮影系を構成する。第3X線管11cから照射されたX線は、検診台29上の被検者を透過した後、第3フラットパネルディテクタ21cにより検出される。第3X線管11cと第3フラットパネルディテクタ21cとは、第3X線撮影系を構成する。第4X線管11dから照射されたX線は、検診台29上の被検者を透過した後、第4フラットパネルディテクタ21dにより検出される。第4X線管11dと第4フラットパネルディテクタ21dとは、第4X線撮影系を構成する。
【0020】
なお、被検者の位置決めのためのX線撮影を実行するときには、第1X線撮影系、第2X線撮影系、第3X線撮影系、第4X線撮影系のうちの2つのX線撮影系が選択されて使用される。
【0021】
図2は、X線透視装置の主要な制御系を示すブロック図である。
【0022】
このX線透視装置は、論理演算を実行するCPU、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM等を備え、装置全体を制御する制御部30を備える。この制御部30は、上述した第1X線管11a、第2X線管11b、第3X線管11cおよび第4X線管11dと、第1フラットパネルディテクタ21a、第2フラットパネルディテクタ21b、第3フラットパネルディテクタ21cおよび第4フラットパネルディテクタ21dとに接続されている。また、この制御部30は、検診台移動機構28と接続されている。そして、この制御部30は、この発明に係るDRR画像作成装置としてのDRR画像作成部31を備える。
【0023】
また、この制御部30は、上述した放射線照射装置90と、治療計画装置99とに接続されている。なお、制御部30と治療計画装置99とは、病院内の被検者管理システムの院内通信である放射線科情報システム(RIS)を介して接続されてもよい。ここで、治療計画装置99は、放射線治療を行うに先だって、治療計画を作成するためのものである。この治療計画装置においては、CT撮影装置により撮影された被検者Mの3次元CT画像データを記憶している。そして、この3次元CT画像データと被検者Mのその他のデータとに基づいて、被検者Mの治療計画が作成される。
【0024】
制御部30におけるDRR画像作成部31は、この発明に係るDDR画像作成装置として機能するものであり、各種の画像処理を実行する画像処理部32を備える。この画像処理部32は、治療計画装置99から取得したCT画像データにおける骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する領域に対して重みづけ処理を実行する重みづけ部33と、コンピュータ上に再現したX線撮影系の幾何学的配置に対応した線分上に複数の計算点を設定し、この計算点の周囲のCT値に基づいて補間を行うことにより計算点のCT値を演算するCT値演算部34と、線分上に位置する計算点の演算後のCT値を累積することによりDRR画像を作成するCT値累積部35とを備える。
【0025】
次に、制御部30におけるDRR画像作成部31によりDRR画像を作成するDRR画像作成動作について説明する。
図3は、DRR画像作成動作を示すフローチャートである。また、
図4は、仮想的な透視撮影によりDRR画像を作成する状態を模式的に示す説明図である。
【0026】
DRR画像を作成するときには、制御部30が治療計画装置99からCT画像データ100を取得する(ステップS11)。このCT画像データ100は、複数の2次元のCT画像データの集合である3次元のボクセルデータである。このCT画像データ100は、例えば、512×512ピクセルの2次元画像が被検者Mを横断する方向(
図4に示す線分L1またはL2に沿った方向)に200枚程度積層された構造を有する。このCT画像データ100は、治療計画の作成時に、図示を省略したCT装置から得たデータに基づいて、治療計画装置99により作成される。
【0027】
次に、このCT画像データ100に対して、
図2に示す重みづけ部33により、CT画像データ100における骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する領域に対して、重みづけ係数を乗算する重みづけ処理を実行する(ステップS12)。
【0028】
図5は、重みづけ処理を行う形態を模式的に示す説明図である。
【0029】
この図において、骨部に相当するCT値を有する領域と、軟部組織に相当するCT値を有する領域との間に、ハッチングを付して示す中間のCT値を有する中間領域が存在する。CT画像においては、骨部に相当する領域のCT値は、例えば、1000〜1500HU(Hounsfield Unit)程度であり、軟部組織に相当する領域のCT値は、例えば、0〜200HU程度である。これに対して、
図5においてハッチングを付して示す中間領域のCT値は、200〜1000HU程度となっている。
【0030】
重みづけ処理の第1の形態としては、
図5(a)に示すように、この図においてハッチングを付した中間領域のCT値に対して、そのCT値が骨部のCT値と近似するCT値となるような重みづけ係数を乗算する。より具体的には、重みづけ計数として、中間領域のCT値に対して、例えば、2.5〜5程度の係数を乗算する。これにより、
図5においてハッチングを付した中間領域のCT値は、骨部のCT値と近似する値となる。これにより、DRR画像の骨部と軟部組織の間のエッジを鮮鋭化することが可能となる。
【0031】
また、重みづけ処理の第2の形態としては、
図5(a)に示すように、この図においてハッチングを付した中間領域のCT値に対して、そのCT値が軟部組織のCT値と近似するCT値となるような重みづけ係数を乗算する。より具体的には、重みづけ計数として、中間領域のCT値に対して、例えば、0.2〜0.4程度の係数を乗算する。これにより、
図5においてハッチングを付した中間領域のCT値は、軟部組織のCT値と近似する値となる。これにより、DRR画像の骨部と軟部組織の間のエッジを鮮鋭化することが可能となる。
【0032】
さらに、重みづけ処理の第3の形態としては、
図5(b)に示すように、この図においてハッチングを付した中間領域について、そのCT値が予め設定されたCT値以上の領域についてはそのCT値が骨部のCT値と近似するCT値となるような重みづけ係数を乗算するとともに、そのCT値が予め設定されたCT値より小さい領域についてはそのCT値が軟部組織のCT値と近似するCT値となるような重みづけ係数を乗算する。より具体的には、中間領域のうちCT値が500HU以上の領域に対しては、例えば、2.5〜5程度の係数を乗算し、中間領域のうちCT値が500HUより小さい領域に対しては、例えば、0.2〜0.4程度の係数を乗算する。これにより、
図5(b)においてハッチングを付した中間領域のうち、骨部側の中間領域のCT値は骨部のCT値と近似する値となり、軟部組織側の中間領域のCT値は軟部組織のCT値と近似する値となる。これにより、DRR画像の骨部と軟部組織の間のエッジを鮮鋭化することが可能となる。
【0033】
以上の重みづけ処理が完了すれば、CT画像データ100に対して仮想的に透視投影を行うことによりDRR画像を作成する。このときには、コンピュータ上に三次元のCT画像データ100を配置する。そして、コンピュータ上にX線撮影系の幾何学的配置であるジオメトリを再現する。この実施形態においては、CT画像データ100を挟んで、両側に、
図1に示すX線管11とフラットパネルディテクタ21を配置する。これらのCT画像データ100およびX線管11またはフラットパネルディテクタ21の配置は、
図1に示すX線透視装置で透視を実行するときの被検者MとX線管11とフラットパネルディテクタ21との配置と同じジオメトリとなっている。ここで、ジオメトリとは、撮影対象とX線管およびフラットパネルディテクタの幾何学的配置関係を意味する。
【0034】
この状態で、
図2に示すCT値演算部34により、X線管11と、CT画像データ100の各画素を介してフラットパネルディテクタ21の各画素とを結ぶ多数の線分Lを設定する。なお、
図4においては、説明の便宜上、2本の線分L1、L2を図示している。そして、この線分L上に、各々、複数の計算点を設定する(ステップS13)。この計算点は、例えば、線分L上に1mm毎に設定される。そして、
図2に示すCT値演算部34により、各計算点のCT値を演算する(ステップS14)。このCT値の演算時には、計算点の周囲のCTデータボクセルにおけるCT値を利用した補間が実行される。
【0035】
次に、
図2に示すCT値累積部35により、線分L上の各計算点のCT値を累積する(ステップS15)。この累積値が、線減弱係数の線積分に変換されて、X線の減弱を算出することにより、DRR画像が作成される。
【0036】
作成されたDRR画像は、被検者Mの位置決め時に、X線画像の位置ずれを計算するのに使用される。この位置ずれ量に基づいて、
図2に示す検診台移動機構28により、検診台29が移動され、被検者Mの位置決めが実行される。また、被検者Mの位置決め後には、DRR画像とX線画像との位置ずれが許容範囲内にあるかが、医師等による読影により確認される。このときには、DRR画像として、骨部と軟部組織との間の領域が鮮鋭化されたものが作成されていることから、DRR画像とX線画像との位置決めを高精度に実行することが可能となり、また、医師等による読影も容易なものとなる。
【0037】
次に、制御部30におけるDRR画像作成部31によりDRR画像を作成するDRR画像作成動作の他の実施形態について説明する。
図6は、第2実施形態に係るDRR画像作成動作を示すフローチャートである。
【0038】
上述した第1実施形態においては、CT画像データ100に対して重みづけ処理を実行した後に、重みづけ後のCT画像データに対して仮想的に透視投影を行うことによりDRR画像を作成している。これに対して、この第2実施形態においては、補間を利用したCT値の演算時に、
図2に示す重みづけ部33により、重みづけ処理を実行する構成を採用している。
【0039】
この第2実施形態においては、第1実施形態と同様、最初に、制御部30が治療計画装置99からCT画像データ100を取得する(ステップS21)。そして、
図4に示すように、CT画像データ100に対して仮想的に透視投影を行う。すなわち、
図2に示すCT値演算部34により、X線管11と、CT画像データ100の各画素を介してフラットパネルディテクタ21とを結ぶ多数の線分Lを設定する。そして、この線分L上に、各々、複数の計算点を設定する(ステップS22)。この計算点は、例えば、第1実施形態同様、線分L上に1mm毎に設定される。
【0040】
そして、
図2に示すCT値演算部34により、各計算点のCT値を演算する(ステップS23)。このCT値の演算時には、計算点の周囲のCTデータボクセルにおけるCT値を利用した補間が実行される。このCT値の演算時に、
図2に示す重みづけ部33により、重みづけ処理を実行する(ステップS24)。この重みづけ処理は、第1実施形態同様、CT画像データ100における骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する領域に対して重みづけ係数を乗算する工程であり、上述した3つの形態のいずれかにより実行される。
【0041】
そして、次に、
図2に示すCT値累積部35により、線分L上の各計算点のCT値を累積する(ステップS25)。この累積値が、線減弱係数の線積分に変換されて、X線の減弱を算出することにより、DRR画像が作成される。
【0042】
この第2実施形態においても、DRR画像として、骨部と軟部組織との間の領域が鮮鋭化されたものが作成されていることから、DRR画像とX線画像との位置決めを高精度に実行することが可能となり、また、医師等による読影も容易なものとなる。
【0043】
なお、上述した各実施形態においては重みづけ係数を乗算する処理を行っているが、これに代えて所定の関数やLUT(Look Up Table)を使用して、CT画像データにおける骨部に対応するCT値と軟部組織に対応するCT値との間のCT値を有する領域に対して、そのCT値が骨部のCT値または軟部組織のCT値と近似するCT値となるように処理することもできる。これらを総称して、そのCT値が骨部のCT値または軟部組織のCT値と近似するCT値となるよう変換する処理と定義する。この発明に係るDRR画像作成装置としてのDRR画像作成部31を、X線透視装置の制御部に配設しているが、DRR画像作成装置をX線透視装置から分離した単独の装置として構成してもよい。