(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1は、部品供給部のフィーダベースに他のパーツフィーダとともに装着された清掃部材フィーダから、搭載ヘッド9によって清掃用部材22を取り出して保持した状態でディスペンサユニット6の吐出ノズル46と接する位置に移動させ、清掃用部材22を水平往復動させる所定パターンの清掃動作を搭載ヘッド9に実行させて吐出ノズル46の清掃を行う。これにより、ディスペンサユニット6によるペーストPの塗布を安定させるために必要とされる保守清掃作業を、効率よく適切に行うことができる電子部品実装装置を開示する。
【0008】
特許文献1は、ディスペンサーによって接着剤を吐出して、電子部品の実装を可能とする技術を開示している。
【0009】
しかしながら、近年の電子機器や輸送機器においては、非常に多くの電子部品が実装される。また、電子部品の大きさも非常に小型化や微細化しており、実装基板に吐出するべき接着剤も非常に少量である。また、非常にピンポイントな狭小領域に正確に接着剤を吐出する必要がある。この吐出する領域、吐出量、隣接する吐出領域との間隔の確保などについて、よりシビアな精度が求められるようになっている。
【0010】
このような要望に対して、特許文献1をはじめとした従来技術は、対応できない問題があった。特に、ピンポイントでかつ狭小領域に適切な量の接着剤を吐出することが困難である問題があった。この問題があるために、多数の非常に小型の電子部品を実装するための接着剤を吐出して高速の実装を行うのが難しい問題があった。
【0011】
加えて、従来技術では、吐出するノズル部分の精度が低く、吐出用に充てんされる接着剤が目詰まりを起こしてしまう問題もあった。また、接着剤を吐出する貫通孔の微細化ができていないために、吐出される接着剤の量が多くなりすぎてしまい、小型の電子部品の実装に不向きである問題がある。あるいは、電子部品の実装に適した範囲や場所に最適な量の接着剤を吐出することが困難である問題がある。場合によっては、本来吐出するべき位置に接着剤が吐出できないなどの問題があった。
【0012】
また、ノズルそのものの耐久性も低い問題があった。このため頻繁にノズルや吐出機構を交換しなければならない問題もあった。この問題により、電子部品の実装に係るコストが増加する問題にもつながっていた。
【0013】
本発明は、以上の問題に鑑み、高い精度で狭小領域に最適量の接着剤を吐出できる電子部品接着用ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の電子部品接着用ノズルは、電子部品の実装に必要となる接着剤を吐出する電子部品接着用ノズルであって、
本体部と、
前記本体部の内部に設けられて、前記接着剤が供給される内部空間と、
前記内部空間から前記本体部の先端に向けて設けられた吐出用貫通孔と、を備え、
前記吐出用貫通孔は、前記内部空間からの接着剤が注入される注入入口と、前記内部空間からの接着剤を外部に吐出する吐出出口とを有し、
前記吐出出口の直径は、50μm以下であり、
前記内部空間に供給される前記接着剤は、吐出圧力を受けて、前記注入入口に注入されて前記吐出用貫通孔を通過し、前記吐出出口から吐出さ
れ、
前記本体部は、タングステンを主原料とする超硬合金により形成され、
吐出用貫通孔の内部表面は、コーティング処理もしくは磨き処理による摩擦低下のための表面処理が施されており、
前記電子部品は、前記吐出出口の直径に対応する小型であり、前記吐出出口は、当該小型の電子部品に対応する微細な量および吐出直径の接着剤を吐出する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子部品接着用ノズルは、非常に小型の電子部品に対応する狭小領域に、高い精度で接着剤を吐出できる。このとき、吐出すべき位置、領域、量において最適なレベルで、接着剤を吐出できる。
【0016】
また、高い耐久性を有しているので、繰り返しの使用にも対応できる。結果として、電子部品実装のコストを低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の発明に係る電子部品接着用ノズルは、電子部品の実装に必要となる接着剤を吐出する電子部品接着用ノズルであって、
本体部と、
前記本体部の内部に設けられて、前記接着剤が供給される内部空間と、
前記内部空間から前記本体部の先端に向けて設けられた吐出用貫通孔と、を備え、
前記吐出用貫通孔は、前記内部空間からの接着剤が注入される注入入口と、前記内部空間からの接着剤を外部に吐出する吐出出口とを有し、
前記吐出出口の直径は、50μm以下であり、
前記内部空間に供給される前記接着剤は、吐出圧力を受けて、前記注入入口に注入されて前記吐出用貫通孔を通過し、前記吐出出口から吐出される。
【0019】
この構成により、非常に微細で最適な量と吐出直径で接着剤を吐出できる。この吐出によって、小型の電子部品を電子基板に高密度に実装することができる。
【0020】
本発明の第2の発明に係る電子部品接着用ノズルでは、第1の発明に加えて、前記本体部は、超硬合金により形成される。
【0021】
この構成により、高い耐久性を実現できる。加えて、吐出用貫通孔の吐出軸の精度も高まり、吐出される接着剤の量や吐出直径の最適化が図られる。
【0022】
本発明の第3の発明に係る電子部品接着用ノズルでは、第1または第2の発明に加えて、前記本体部は、金属紛体の焼結体で形成される。
【0023】
この構成により、本体部の形成が容易となる。また、形成精度も上げることができる。
【0024】
本発明の第4の発明に係る電子部品接着用ノズルでは、第1から第3のいずれかの発明に加えて、前記吐出用貫通孔において、前記吐出出口の直径は、前記注入入口の直径より小さい。
【0025】
この構成により、吐出される接着剤をよりピンポイントな位置に適切な量で吐出することができる。
【0026】
本発明の第5の発明に係る電子部品接着用ノズルでは、前記注入入口の直径は、前記吐出出口の直径よりも10%以上大きい。
【0027】
この構成により、より微細な部位に接着剤を吐出することができる。
【0028】
本発明の第6の発明に係る電子部品接着用ノズルでは、第5の発明に加えて、前記吐出用貫通孔は、前記注入入口から前記吐出出口にかけて次第に内径が小さくなっていく。
【0029】
この構成により、最適な微小位置に確実に接着剤を吐出できる。
【0030】
本発明の第7の発明に係る電子部品接着用ノズルでは、第1から第6のいずれかの発明に加えて、前記吐出出口の直径は、40μm以下である。
【0031】
この構成により、非常に微細な量の接着剤を吐出できる。
【0032】
本発明の第8の発明に係る電子部品接着用ノズルでは、第1から第6のいずれかの発明に加えて、前記吐出出口の直径は、30μm以下である。
【0033】
この構成により、非常に微細な量の接着剤を吐出できる。
【0034】
本発明の第9の発明に係る電子部品接着用ノズルでは、第1から第8のいずれかの発明に加えて、前記吐出用貫通孔は、機械加工で穿孔されて形成される。
【0035】
この構成により、精度の高い吐出用貫通孔を形成できる。
【0036】
本発明の第10の発明に係る電子部品接着用ノズルでは、第1から第9のいずれかの発明に加えて、前記吐出用貫通孔の内部表面は、摩擦低下のための表面処理が施されている。
【0037】
この構成により、吐出用貫通孔において接着剤が目詰まりするなどを防止できる。
【0038】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
【0041】
(全体概要)
図1は、本発明の実施の形態における電子部品接着用ノズル(以下、必要に応じて「ノズル」と略す)の写真である。
図1は、電子部品接着用ノズル1を斜め上から見た状態を示している。すなわち、本体部2の内部に設けられる内部空間3の方向から見た状態を示している。
【0042】
図2は、本発明の実施の形態における電子部品接着用ノズルの横断面図である。電子部品接着用ノズル1を後述する吐出量貫通孔4で切断した状態として示している。
【0043】
電子部品接着用ノズル1は、本体部2、内部空間3、吐出用貫通孔4を備える。本体部2は、電子部品接着用ノズル1の外形を形成する。この外形によって、他の要素を付随させることで、本体部2は、電子部品接着用ノズル1を構成できる。
【0044】
内部空間3は、本体部2の内部に設けられた空間である。電子部品接着用ノズル1は、接着剤の供給を受けてこれを吐出して、電子基板への電子部品の接着(実装)を実現する。この内部空間3は、接着剤の供給を受ける。すなわち、内部空間3に接着剤が供給(充填)される。内部空間3は、接着剤を受ける空間である。
【0045】
吐出用貫通孔4は、内部空間3から本体部2の先端に向けて設けられた貫通孔である。吐出用貫通孔4は、内部空間3からの接着剤を吐出する。このとき、吐出用貫通孔4は、内部空間3からの接着剤が注入される注入入口41と、この接着剤を外部に吐出する吐出出口42を有している。
【0046】
ここで、吐出出口42の直径は50μm以下である。
【0047】
電子部品接着用ノズル1は、接着剤の供給装置に取り付けられる。また、電子部品を電子基板に実装する実装装置に組み込まれる。このような構成とされた上で、内部空間3に接着剤が供給される。供給装置は、接着剤の供給に合わせてこれを吐出させる吐出圧力を付与する。この吐出圧力を受けた接着剤は、内部空間3から吐出用貫通孔4を通じて外部に吐出される。このとき、内部空間3の接着剤が、注入入口41に注入されて吐出用貫通孔4を通過する。通過した接着剤は、吐出出口42から外部に吐出される。
【0048】
ここで、電子基板に設定された電子部品の接着位置が存在し、吐出出口42は、この接着位置に接着剤を吐出する。そのあとで、接着剤の上に電子部品が載せられて電子部品の実装が完了する。このとき、接着剤は、いわゆる樹脂や高分子素材の接着剤でもよいし、導電性の金属ペーストでもよい。これらは、電子部品の電子基板への実装の仕様によって定められれば良い。
【0049】
吐出用貫通孔4を通じて吐出される接着剤は、吐出出口42から最終的に吐出される。このとき、上述したように、吐出出口42の直径は50μm以下である。このため、非常に微細な量および吐出直径での接着剤を吐出できる。近年の電子部品は、非常に小型化している。半導体集積回路などの電子部品はもとより、各種機能を有するセンサーが小型化している。特に、自動車や輸送機器などは、自動運転などを目的とした様々かつ大量のセンサーを実装する傾向がある。
【0050】
このような状況では、微細な量および吐出直径の接着剤の吐出が求められる。
【0051】
吐出出口42の直径が、50μm以下であることで、求められる微細な量および吐出直径の接着剤の吐出を行うことができる。本発明の電子部品接着用ノズル1を用いることで、微細化している電子部品の実装を実現することができるようになる。
【0052】
次に、各部の詳細やバリエーションについて説明する。
【0053】
(本体部)
本体部2は、超硬合金によって形成されることが好適である。例えば、タングステンを主原料とする超硬合金などが用いられる。タングステンカーバイドがバインダで結合された合金であったり、炭化チタンなどが混合された合金であったりする。
【0054】
本体部2が超硬合金で形成されていることにより、電子部品接着用ノズル1の強度および耐久性が高まる。電子部品接着用ノズル1は、大量の電子部品を接着するために、非常に多くの回数の繰り返し使用を受ける。また、動作間隔も非常に短い。このため、非常な負荷が加わる。接着剤の供給と吐出に加えて、吐出圧力も短間隔で次々と付与される。
【0055】
本体部2が、超硬合金であることで、このような大きな負荷に対しても対応できるようになる。高い耐久性により、負荷の大きな使用に対応できる。
【0056】
また、上述したように、電子部品接着用ノズル1は、微細な量と吐出直径の接着剤を吐出することが求められる。このため、吐出用貫通孔4の内径、吐出軸の高い精度が求められる。吐出用貫通孔4は、本体部2の所定位置を穿孔されて形成されるかあるいは、張り合わせなどで形成されるか、型加工で形成されるかする。
【0057】
このようにして形成される吐出用貫通孔4は、本体部2が超硬合金であることで、高い精度で形成されやすくなる。加えて、超硬合金であることで、形成された後でも、その形状や吐出軸が変形しにくいメリットもある。特に、高い負荷で繰り返し使用される状況では、吐出用貫通孔4の変形などの懸念がある。このような場合でも、本体部2が超硬合金で形成されている場合には、このような変形のリスクを大きく低減できるメリットがある。
【0058】
また、本体部2は、金属紛体の焼結体で形成されることも好適である。このとき、タングステンカーバイドなどの超鋼金属素材の粉末が、他の粉末素材と混合された上で、焼結されて焼結体とされればよい。もちろん、他の金属素材が用いられてもよい。
【0059】
このような金属紛体の焼結体で本体部2が形成されることで、本体部2を高い精度で製造することができる。また、焼結体とする際に、吐出用貫通孔4を設けてもよいし、焼結体となった後で、穿孔などにより吐出用貫通孔4を形成してもよい。いずれの場合でも、焼結体で本体部2が形成されることで、容易な形成ができるようになる。
【0060】
また、焼結体であることで、本体部2の強度や耐久性が高まり、上述のような負荷の高い繰り返し使用に対する耐久性が高まるようになる。加えて、焼結体であることで、本体部2を適切な形状として形成することができる。例えば、
図3のように、先端部が伸びている形状の電子部品接着用ノズル1を製造する必要があることもある。このような場合には、焼結体であることで、形状を高い精度で形成することが可能となる。もちろん、焼結体でなくともこのような形状の本体部2を形成することも可能である。
【0061】
図3は、本発明の実施の形態におけるロングタイプの電子部品接着用ノズルの側面図である。
図3の左側は、ロングタイプの電子部品接着用ノズル1の側面の外形図を示している。
図3の右側は、この内部が分かるような断面図を示している。
図3の左右から分かるとおり、ロングタイプの電子部品接着用ノズル1も、
内部空間3と吐出用貫通孔4が備わり、接着剤を吐出することができる。
【0062】
このようなロングタイプの電子部品接着用ノズル1であることで、より正確かつ高い精度で接着剤を吐出することができる。また、より高密度実装をしなければならない場合に、先端部が伸びていることで、高密度実装に対応して接着剤を吐出することができる。
【0063】
(内部空間)
内部空間3は、本体部2の内部に設けられた空間である。本体部2が形成される際に同時に内部空間3が形成されてもよい。あるいは、本体部2の内部が切削等されることで、内部空間3が形成されてもよい。
【0064】
電子部品接着用ノズル1は、接着剤を供給して吐出圧力を付与する装置に組み合されて使用される。この装置に組み合されると、装置から接着剤がこの内部空間3に供給される。また、この供給に合わせて、装置が内部空間3に吐出圧力を付与する。この付与を受けて、内部空間3は供給された接着剤を、内部空間3に連通する吐出用貫通孔4を通じて吐出する。
【0065】
このとき、内部空間3に連通する吐出用貫通孔4は、内部空間3と注入入口41がつながっている。この注入入口41は、吐出用貫通孔4を通じて、吐出出口42に繋がっている。
【0066】
内部空間3は、本体部2の大きさに合わせた容積を有していればよい。また、吐出する接着剤の量や、その回数に合わせた容積を有していればよい。あるいは、吐出圧力を付与する装置との関係で決定されればよい。
【0067】
(吐出用貫通孔)
吐出用貫通孔4は、内部空間から圧力を受けて入り込む接着剤を、実際に吐出する。吐出する先は、電子部品を実装する電子基板の実装部位である。吐出用貫通孔4は、内部空間4からの接着剤が注入される注入入口41と接着剤が吐出される吐出出口42を備える。
【0068】
内部空間3に供給される接着剤は、吐出圧力を受けて注入入口41に入る。そのまま吐出圧力を受けて接着剤は、吐出出口42から吐出される。この吐出によって接着剤が、実装可能な状態として塗布される。
【0069】
ここで、
図4のように、吐出用貫通孔4において、吐出出口42の直径が注入入口41の直径より大きいことも好適である。
図4は、本発明の実施の形態における電子部品接着用ノズルの断面図である。吐出用貫通孔4の内部構造が分かるように示している。
【0070】
このとき、
図5に示すように、吐出用貫通孔が段階的に吐出出口42に向かうにつれて小さくなっていくことでもよい。
図5は、本発明の実施の形態における電子部品接着用ノズルの断面図である。
図5では、吐出用貫通孔4が2段階の形状を有して、吐出出口42の直径が注入入口41の直径よりも小さい。
【0071】
吐出出口42の直径が、注入入口41の直径より小さいことで、吐出用貫通孔4を通過して吐出される接着剤は、微細な量および吐出直径で吐出されやすくなる。特に、微細な吐出直径で吐出する際に、より高い精度で吐出させることができる。また、吐出する部位へ、より正しく吐出させることができる。
【0072】
また、吐出用貫通孔4は、注入入口41から吐出出口42に向けて次第に内径が小さくなっていく構造を有する。このような構造により、吐出用貫通孔4を移動する過程で、接着剤はより吐出すべき位置に正確に吐出されるようになる。すなわち、狙い通りの位置に吐出されるようになる。
【0073】
加えて、先端にかけて内径が次第に小さくなっていくことで、より微細な量と吐出直径での吐出も可能となる。
【0074】
ここで、注入入口41の直径は、吐出出口42の直径よりも10%以上大きいことも好適である。例えば、注入入口41の直径が50μmであるときに吐出出口42の直径が40μmである。あるいは、注入入口42の直径が40μmであるときに、吐出出口42の直径が30μmである。
【0075】
このような大きさの差があることで、注入入口41から吐出出口42へ移動して吐出される接着剤は、微細な吐出直径で確実に吐出されるようになる。特に、微細な位置に確実に接着剤を吐出することができるようになる。接着剤が入る注入入口41よりも吐出出口42が小さいことで、吐出用貫通孔4を移動する際に、接着剤はより目標となる位置に吐出されやすくなるからである。
【0076】
ここで、吐出出口42の直径は、40μm以下であることも好適である。近年の電子部品の小型化は非常に進んでおり、このような小型の電子部品を電子基板に実装するには、40μm以下の直径の吐出出口42から接着剤が吐出されることが好ましい。
【0077】
吐出出口42の直径が40μm以下であることで、非常に小さな面積の部位に対応する接着剤を吐出できる。
【0078】
さらには、吐出出口42の直径は、30μm以下であることも好適である。更に小型の電子部品の実装において必要となる最適な量と部位への接着剤の吐出を可能とするからである。吐出出口42の直径が30μm以下であることで、より小型の電子部品の実装に適した接着剤の吐出を可能とできる。あるいは、より高密度実装に適した接着剤の吐出が可能である。
【0079】
(吐出用貫通孔のバリエーション)
吐出用貫通孔4は、本体部2において機械加工で穿孔されて形成されることも好適である。本体部2が形成された後で、内部空間3と吐出用貫通孔4が機械加工で形成されてもよい。機械加工によって穿孔されて吐出用貫通孔4が形成されることで、高い精度で吐出用貫通孔4が形成できる。
【0080】
また、上述したように、吐出用貫通孔4は、吐出出口42に向けて次第に細くなっていくことも好適である。このような形状の場合にも、吐出用貫通孔4が機械加工で穿孔されることで実現が容易となる。また、機械加工で形成されることで、耐久性の高い吐出用貫通孔4を実現できる。加えて、非常に微細な直径の吐出用貫通孔4を実現することもできる。
【0081】
吐出用貫通孔4の内部表面は、摩擦低下のための表面処理が施されていることも好適である。この表面処理によって接着剤の吐出がより容易となる。吐出用貫通孔4内部で接着剤が詰まりにくくなり、最適な量と吐出直径での接着剤の吐出が確実に行える。また、目詰まりなどが生じにくいことで、電子部品接着用ノズル1の耐久性や寿命延長に効果的である。
【0082】
摩擦低下の表面処理は、コーティング処理や磨き処理など様々な手段で実現されればよい。
【0083】
以上、実施の形態で説明された電子部品接着用ノズルは、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。