【文献】
複数のECサイトでターゲットに合わせたサンプル配布ができるサービス、Buynd,[online],ITmediaマーケティング,2012年11月30日,[2020年9月30日検索],URL,http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1211/30/news105.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記サーバは、前記荷物の配送の予約を促す処理を前記外国人旅行客による国際線の航空券の予約の際に実行し、前記ユーザ情報を取得する処理では、前記航空券の予約に必要な情報を前記ユーザ情報として自動的に取得する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の外国人旅行客向け販促物配布システム。
前記サーバは、前記荷物の配送の予約を促す処理を前記外国人旅行客による宿泊先の予約の際に実行し、前記ユーザ情報を取得する処理では、前記宿泊先の予約に必要な情報を前記ユーザ情報として自動的に取得する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の外国人旅行客向け販促物配布システム。
前記サーバには、前記外国人旅行客の個人を特定可能な個人情報に、前記外国人旅行客に既に配布された配布済販促物の販促物IDを関連付ける配布履歴データベースが構築され、
前記サーバは、
前記ユーザ端末から前記個人情報を含むユーザ情報が入力された場合、
前記個人情報に基づいて前記配布済販促物の販促物IDを前記配布履歴データベースから取得する処理と、
前記配布履歴データベースから取得した前記配布済販促物の販促物IDを前記リストから削除する処理と、をさらに実行する
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の外国人旅行客向け販促物配布システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された従来システムは、以下に述べるように幾つかの課題を有している。
【0008】
1つの課題は、外国人旅行客が能動的にサンプルの提供を要求しない限り、サンプルを受け取ることがないことである。外国人旅行客にとって、サンプルを受け取ることは旅行における優先事項として高くはない。よって、サンプル情報を提供するECサイトにアクセスすることも、サンプルを貰うために必要な情報を登録することも、外国人旅行客にとっては面倒に感じるかもしれない。また、サンプルの提供と引き換えに様々な個人情報を登録することに抵抗を感じる者も少なからず存在すると考えられる。つまり、上記従来システムに対して能動的にサンプルの提供を要求する外国人旅行客の数は、そう多くはないと思われる。外国人旅行客にサンプルを提供できないことは、商品を販売したい業者にとっては、新たな顧客の獲得の機会の損失を意味し、外国人旅行客にとっては、購入すれば満足していたかもしれない商品の購入機会の損失を意味する。
【0009】
もう1つの課題は、上記従来システムでは、様々な業者からばらばらにサンプルが送付されることである。例えば宿泊先がホテルの場合、ホテルのスタッフは次々と送り届けられるサンプルを宿泊客毎に管理せねばならず、負担が大きい。利益を享受する業者や外国人旅行客だけでなく、ホテルのような第三者も巻き込むサービスを提供するのであれば、第三者にかける負担を極力低減することはサービスを成功させる上で重要な事柄であると言える。また、各業者のサンプルがばらばらに送付されることは、サンプルを受け取る外国人旅行客にとっても煩わしいことである。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、多くの外国人旅行客に対して高い費用対効果で販促物を配布することができ、しかも販促物を受け取ることに感じる煩わしさを低減することができる外国人旅行客向け販促物配布システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る第1の外国人旅行客向け販促物配布システムは、商品又はサービスを提供する提供業者が外国人旅行客に販促物を配布するための販促物配布システムである。第1の販促物配布システムは、サーバを備える。当該サーバは、外国人旅行客に使用されるユーザ端末、及び運送業者に使用される運送業者端末とネットワークを経由して接続される。また、第1の販促物配布システムには、データベースが構築されている。このデータベースは、ターゲットユーザを絞り込むための予め定義された複数のユーザ分類に、販促物に割り振られた販促物IDを関連付けている。
【0012】
第1の販促物配布システムが備えるサーバは、ユーザ端末との協働により、外国人旅行客に対し、配送元から配送先への荷物の配送の予約を促す処理を実行する。例えば、荷物の配送元は、外国人旅行客が国際線にて来訪する際の到着空港であり、荷物の配送先は、外国人旅行客が宿泊する宿泊先である。また、サーバは、ユーザ端末との協働により、予約完了までの過程において少なくとも国籍を含むユーザ情報を取得する処理を実行する。
【0013】
1つの好ましい例として、サーバは、荷物の配送の予約を促す処理を外国人旅行客による国際線の航空券の予約の際に実行し、ユーザ情報を取得する処理では、航空券の予約に必要な情報をユーザ情報として自動的に取得してもよい。また、別の好ましい例として、サーバは、荷物の配送の予約を促す処理を外国人旅行客による宿泊先の予約の際に実行し、ユーザ情報を取得する処理では、宿泊先の予約に必要な情報をユーザ情報として自動的に取得してもよい。サーバは、ユーザ情報を取得する処理では、パスポート情報を取得してもよいし、年齢と性別の少なくとも一方を取得してもよい。
【0014】
さらに、サーバは、ユーザ端末との協働により、予約完了後に配送予約IDを発行し、外国人旅行客に対し、配送予約IDが記載されたタグの荷物への取り付けを促す処理を実行する。発行された配送予約IDは、ユーザ端末の画面に表示されてもよいし、荷物の配送の予約時に外国人旅行客のメールアドレスがユーザ情報として登録されているのであれば、そのメールアドレスにメールで配送予約IDが送信されてもよい。
【0015】
ユーザ端末からユーザ情報が入力され且つ予約が完了した場合、サーバは、ユーザ情報から外国人旅行客が属するユーザ分類を特定する処理を実行する。次に、サーバは、特定したユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベースから取得する処理を実行する。さらに、サーバは、データベースから取得した販促物IDが掲載されたリストを配送予約IDと関連付けて発行する処理を実行する。
【0016】
販促物IDが掲載されたリストが発行された場合、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、配送元での荷物の受け取りを促す処理を実行する。また、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、リストに掲載された販促物IDに対応する販促物をストックから抽出することを促す処理を実行する。荷物の受け取りを促す処理と、販促物のストックからの抽出を促す処理は、どちらが先に行われてもよい。次に、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、抽出された販促物をタグに記載された配送予約IDを手掛かりにして荷物に取り付けることを促す処理を実行する。さらに、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、抽出された販促物が取り付けられた荷物を配送先へ配送することを促す処理を実行する。
【0017】
第1の販促物配布システムによれば、外国人旅行客が荷物の配送の予約をユーザ端末から行う際、サーバは、荷物の配送の予約に関連して少なくとも国籍を含むユーザ情報を取得することができる。サーバは、ユーザ情報を外国人旅行客から取得すると、取得したユーザ情報から外国人旅行客が属するユーザ分類を特定する。次に、サーバは、特定したユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベースから取得し、取得した販促物IDが掲載されたリストを配送予約IDと関連付けて発行する。配送予約IDは、配送予約が完了した際に発行されユーザ端末に表示される。外国人旅行客は、発行された配送予約IDをタグに記載し、そのタグを荷物に取り付ける。運送業者は、外国人旅行客の荷物を配送元で受け取るとともに、サーバが発行したリストに掲載された販促物IDに対応する販促物をストックから抽出する。そして、運送業者は、抽出された販促物をタグに記載された配送予約IDを手掛かりにして荷物に取り付け、抽出された販促物が取り付けられた荷物を配送先へ配送する。
【0018】
第1の販促物配布システムによれば、外国人旅行客が荷物の配送を予約すれば、外国人旅行客が能動的に販促物を要求せずとも、荷物の配送の予約の際に提供されたユーザ情報が利用されて外国人旅行客の属性にあった販促物が自動で抽出される。そして、抽出された販促物は外国人旅行客の荷物に取り付けられて宿泊先へ配送される。よって、本販促物配布システムによれば、外国人旅行客が販促物に接する機会を増やすことができる。このことは、商品やサービスを提供したい業者にとっては、新たな顧客の獲得の機会の増加を意味し、外国人旅行客にとっては、新たな商品やサービスの購入機会の増加を意味する。また、販促物は荷物に取り付けられて配送先に送られるので、ばらばらに送付される販促物を受け取る場合のような煩わしさを外国人旅行客に感じさせることは低減され、配送先のスタッフ等を販促物の取り扱いで困らせることも低減される。
【0019】
第1の販促物配布システムの1つの形態では、サーバは、商品又はサービスを提供する提供業者に使用される提供業者端末とネットワークを経由して接続されている。サーバは、提供業者端末との協働により、提供業者に対してターゲットユーザを指定させる処理を実行する。そして、ターゲットユーザが指定された場合、サーバは、指定されたターゲットユーザに基づいてデータベースにおける販促物IDと複数のユーザ分類との関連付けを設定する処理を実行する。
【0020】
上記の形態によれば、提供業者は、提供業者端末の操作によって販促物を配布したいターゲットユーザを自由に設定することができる。よって、商品やサービスの提供戦略の変更に伴うターゲットユーザの変更にも速やかに追従することができる。
【0021】
第1の販促物配布システムの別の形態では、サーバには、外国人旅行客の個人を特定可能な個人情報に、外国人旅行客に既に配布された配布済販促物の販促物IDを関連付ける配布履歴データベースが構築されている。サーバは、ユーザ端末から個人情報を含むユーザ情報が入力された場合、個人情報に基づいて配布済販促物の販促物IDを配布履歴データベースから取得する処理を実行する。さらに、サーバは、配布履歴データベースから取得した配布済販促物の販促物IDを、販促物IDが掲載されたリストから削除する処理を実行する。
【0022】
上記の形態によれば、既に配布された配布済販促物が再び同じ外国人旅行客に配布されることがないので、提供業者にとっては販促物の無駄を抑えることができる。一方、外国人旅行客にとっては、過去に受け取ったのと同じ販促物を受け取らずに済むという利点がある。
【0023】
第1の販促物配布システムのさらに別の形態では、サーバは、ユーザ端末との協働により、外国人旅行客に対し、荷物の写真をとって送信することを促す処理をさらに実行する。さらに、サーバは、ユーザ端末から荷物の写真が送信された場合、写真に配送予約IDを関連付ける処理を実行する。さらに、サーバは、販促物IDが掲載されたリストが発行された場合、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、タグが付けられていない荷物については写真を手掛かりにして、抽出された販促物を荷物に取り付けることを促す処理を実行する。
【0024】
上記の形態によれば、外国人旅行客がタグを荷物に取り付けるのを忘れた場合やタグがとれてしまった場合であっても、配送予約IDが関連付けられている写真を手掛かりにして誰の荷物かを特定することができる。そして、タグが取り付けられている荷物と同様に、タグが付けられていない荷物についても、抽出された販促物を取り付けることができる。
【0025】
本発明に係る第2の外国人旅行客向け販促物配布システムは、商品又はサービスを提供する提供業者が外国人旅行客に販促物を配布するための販促物配布システムである。第2の販促物配布システムは、サーバを備える。当該サーバは、外国人旅行客に使用されるユーザ端末、及び運送業者に使用される運送業者端末とネットワークを経由して接続される。また、第2の販促物配布システムには、データベースが構築されている。このデータベースは、ターゲットユーザを絞り込むための予め定義された複数のユーザ分類に、販促物に割り振られた販促物IDを関連付けている。
【0026】
第2の販促物配布システムが備えるサーバは、ユーザ端末との協働により、外国人旅行客に対し、来訪後に宿泊する宿泊先の予約を促す処理を実行する。また、サーバは、ユーザ端末との協働により、予約完了までの過程において少なくとも国籍を含むユーザ情報を取得する処理を実行する。1つの好ましい例として、サーバは、宿泊先の予約に必要な情報をユーザ情報として自動的に取得する。サーバは、ユーザ情報を取得する処理では、パスポート情報を取得してもよいし、年齢と性別の少なくとも一方を取得してもよい。
【0027】
ユーザ端末からユーザ情報が入力され且つ予約が完了した場合、サーバは、ユーザ情報から外国人旅行客が属するユーザ分類を特定する処理を実行する。次に、サーバは、特定したユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベースから取得する処理を実行する。さらに、サーバは、データベースから取得した販促物IDが掲載されたリストを外国人旅行客の個人ID及び宿泊先と関連付けて発行する処理を実行する。
【0028】
販促物IDが掲載されたリストが発行された場合、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、リストに掲載された販促物IDに対応する販促物をストックから抽出することを促す処理を実行する。次に、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、抽出された販促物をひとまとめにした販促物セットを作ることを促す処理を実行する。さらに、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、外国人旅行客の宿泊先に外国人旅行客宛で販促物セットを配送することを促す処理を実行する。
【0029】
第2の販促物配布システムによれば、外国人旅行客が宿泊先の予約をユーザ端末から行う際、サーバは、宿泊先の予約に関連して少なくとも国籍を含むユーザ情報を取得することができる。サーバは、ユーザ情報を外国人旅行客から取得すると、取得したユーザ情報から外国人旅行客が属するユーザ分類を特定する。次に、サーバは、特定したユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベースから取得し、取得した販促物IDが掲載されたリストを外国人旅行客の個人ID及び宿泊先と関連付けて発行する。運送業者は、サーバが発行したリストに掲載された販促物IDに対応する販促物をストックから抽出する。そして、運送業者は、抽出された販促物をひとまとめにした販促物セットを作り、外国人旅行客の宿泊先に外国人旅行客宛で販促物セットを配送する。
【0030】
第2の販促物配布システムによれば、外国人旅行客が宿泊先を予約すれば、外国人旅行客が能動的に販促物を要求せずとも、宿泊先の予約の際に提供されたユーザ情報が利用されて外国人旅行客の属性にあった販促物が自動で抽出される。そして、抽出された販促物は外国人旅行客の宿泊先へ外国人旅行客宛で配送される。よって、本販促物配布システムによれば、外国人旅行客が販促物に接する機会を増やすことができる。このことは、商品やサービスを提供したい業者にとっては、新たな顧客の獲得の機会の増加を意味し、外国人旅行客にとっては、新たな商品やサービスの購入機会の増加を意味する。また、販促物はひとまとめにして販促物セットの形で宿泊先に送られるので、ばらばらに送付される販促物を受け取る場合のような煩わしさを外国人旅行客に感じさせることは低減され、宿泊先のスタッフ等を販促物の取り扱いで困らせることも低減される。
【0031】
本発明に係る第3の外国人旅行客向け販促物配布システムは、商品又はサービスを提供する提供業者が外国人旅行客に販促物を配布するための販促物配布システムである。第3の販促物配布システムは、サーバを備える。当該サーバは、外国人旅行客に使用されるユーザ端末、及び運送業者に使用される運送業者端末とネットワークを経由して接続される。また、第3の販促物配布システムには、データベースが構築されている。このデータベースは、ターゲットユーザを絞り込むための予め定義された複数のユーザ分類に、販促物に割り振られた販促物IDを関連付けている。
【0032】
第3の販促物配布システムが備えるサーバは、ユーザ端末との協働により、外国人旅行客に対し、運送業者により或いは運送業者と関係する事業者により提供される移動手段の予約を促す処理を実行する。また、サーバは、ユーザ端末との協働により、予約完了までの過程において少なくとも国籍を含むユーザ情報を取得する処理を実行する。1つの好ましい例として、サーバは、移動手段の予約に必要な情報をユーザ情報として自動的に取得する。サーバは、ユーザ情報を取得する処理では、パスポート情報を取得してもよいし、年齢と性別の少なくとも一方を取得してもよい。
【0033】
ユーザ端末からユーザ情報が入力され且つ予約が完了した場合、サーバは、ユーザ情報から外国人旅行客が属するユーザ分類を特定する処理を実行する。次に、サーバは、特定したユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベースから取得する処理を実行する。さらに、サーバは、データベースから取得した販促物IDが掲載されたリストを外国人旅行客の個人ID及び予約した移動サービスと関連付けて発行する処理を実行する。
【0034】
販促物IDが掲載されたリストが発行された場合、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、リストに掲載された販促物IDに対応する販促物をストックから抽出することを促す処理を実行する。次に、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、抽出された販促物をひとまとめにした
少なくとも1つのサンプル品を含む販促物セットを作ることを促す処理を実行する。さらに、サーバは、運送業者端末との協働により、運送業者に対し、外国人旅行客の個人IDを手掛かりにして、移動手段に搭乗した外国人旅行客に
少なくとも1つのサンプル品を含む販促物セットを配布することを促す処理とを実行する。
【0035】
第3の販促物配布システムによれば、外国人旅行客が移動手段の予約をユーザ端末から行う際、サーバは、移動手段の予約に関連して少なくとも国籍を含むユーザ情報を取得することができる。サーバは、ユーザ情報を外国人旅行客から取得すると、取得したユーザ情報から外国人旅行客が属するユーザ分類を特定する。次に、サーバは、特定したユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベースから取得し、取得した販促物IDが掲載されたリストを外国人旅行客の個人ID及び予約した移動サービスと関連付けて発行する。運送業者は、サーバが発行したリストに掲載された販促物IDに対応する販促物をストックから抽出する。そして、運送業者は、抽出された販促物をひとまとめにした販促物セットを作り、外国人旅行客の個人IDを手掛かりにして、移動手段に搭乗した外国人旅行客に販促物セットを配布する。
【0036】
第3の販促物配布システムによれば、外国人旅行客が移動手段を予約すれば、外国人旅行客が能動的に販促物を要求せずとも、移動手段の予約の際に提供されたユーザ情報が利用されて外国人旅行客の属性にあった販促物が自動で抽出される。そして、抽出された販促物は外国人旅行客が予約した移動手段において外国人旅行客に配布される。よって、本販促物配布システムによれば、外国人旅行客が販促物に接する機会を増やすことができる。このことは、商品やサービスを提供したい業者にとっては、新たな顧客の獲得の機会の増加を意味し、外国人旅行客にとっては、新たな商品やサービスの購入機会の増加を意味する。また、販促物はひとまとめにして販促物セットの形で外国人旅行客に配布されるので、ばらばらに配布される販促物を受け取る場合のような煩わしさを外国人旅行客に感じさせることは低減される。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、本発明の第1の販促物配布システムによれば、多くの外国人旅行客に対して高い費用対効果で販促物を配布することができ、しかも販促物を受け取ることに感じる煩わしさを低減することができる。また、本発明の第2の販促物配布システムによっても、第1の販促物配布システムと同様の効果を得ることができる。さらに、本発明の第3の販促物配布システムによっても、第1の販促物配布システムと同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、以下に示す実施形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
【0040】
1.荷物配送サービス
1−1.荷物配送サービスの全体像
本発明に係る第1の販促物配布システムは、配送元から配送先へ外国人旅行客の荷物を配送する荷物配送サービスに用いられる。
図1は、本発明の第1実施形態としての荷物配送サービスの全体像を示す図である。
【0041】
本荷物配送サービスによれば、外国人旅行客2は、ある国から他の国へ旅行する際、到着空港22から宿泊先24までの荷物3の配送を出発国において予約することができる。この場合の荷物3の配送元は、外国人旅行客2が国際線にて来訪する際の到着空港22であり、荷物3の配送先は、外国人旅行客2が宿泊する宿泊先24である。配送の対象となる荷物3は、スーツケースやバッグ等の手荷物である。荷物3の配送の予約は、出発空港21からの出発前に、外国人旅行客2が操作するユーザ端末50によりオンラインで行われる。ユーザ端末50は、スマートフォン、タブレット、PC等のネットワーク70に接続可能な機器である。ただし、ユーザ端末50は、外国人旅行客2の所有物である必要はない。例えば、インターネットカフェのPCからネットワーク70に接続して予約を行ってもよい。
【0042】
荷物3の配送の予約は、荷物配送の専用予約サイトで行われてもよいし、他のサイトにおける手続きの中で行われてもよい。例えば、国際線の航空券を予約する際に使用される航空券予約サイトでの手続きの中で、荷物3の配送の予約が行われてもよい。或いは、来訪後の宿泊先を予約する際に使用される宿泊先予約サイトでの予約手続きの中で、荷物3の配送の予約が行われてもよい。専用予約サイト、航空券予約サイト、及び宿泊先予約サイトは、荷物配送サービス提供サーバ(以下、単にサーバという)100に設けられているか、ネットワーク70を構成する他のサーバに設けられている。
【0043】
荷物3の配送の予約に係る処理は、サーバ100にて行われる。サーバ100はデータベース101を含む。荷物3の配送の予約の際には、後述する様々なユーザ情報がサーバ100において取得される。サーバ100の機能の詳細、及びデータベース101の構造の詳細は追って説明する。
【0044】
外国人旅行客2は、荷物3の配送の予約を済ませると、予約サイトから発行される配送予約IDを受け取る。配送予約IDは予約完了時に予約サイトのページ上に表示されてもよいし、外国人旅行客2のメールアドレスにメールで送られてもよい。何れにしても、外国人旅行客2はユーザ端末50において配送予約IDを受け取ることができる。ただし、メールが送信されるユーザ端末は予約時に用いられたユーザ端末とは異なるユーザ端末であってもよい。メールアドレスの登録は予約時に行われる。外国人旅行客2は、荷物配送サービスとの間の連絡手段として、メールアドレスの他に携帯電話番号やチャットIDを登録することもできる。
【0045】
配送予約IDを受け取った外国人旅行客2は、タグ4に配送予約IDを記載し、そのタグ4を荷物3に取り付ける。タグ4は、例えば、出発空港21のカウンターに予め用意されている。タグ4が置かれている場所、タグ4への配送予約IDの記入方法、及びタグ4の荷物への取り付け方法は、配送予約IDが知らされる際に併せて知らされる。予約の完了後、タグ4を付けた荷物3を出発空港21の荷物カウンターに預けるまでの間に、外国人旅行客2は、荷物3の写真を撮ってサーバ100にアップロードすることができる。アップロードされた荷物3の写真は、もしもタグ4が外れてしまった場合における荷物3の識別手段として用いられる。
【0046】
出発空港21から国際線に搭乗して到着空港22に着いた外国人旅行客2は、タグ4が付いた荷物3を到着空港22内の所定の荷物預け場所22aに預ける。その後、外国人旅行客2は、荷物3を持ち歩くことなく観光地23を巡ったり買い物をしたりする等して一日を自由に過ごし、宿泊先24へ向かう。宿泊先24、すなわち、荷物3の配送先は、ホテル、旅館、民宿、民泊のどれでもよいし個人の家でもよい。なお、宿泊先24は基本的には到着後の最初の宿泊先であるが、2日目以降の宿泊先であってもよい。
【0047】
出発空港21で荷物預け場所22aに預けられた荷物3は、運送業者8に回収される。運送業者8は、回収した荷物3をそのまま宿泊先24へ届けるのではなく、一旦、販促物センター10に立ち寄る。販促物センター10には、スポンサー企業から託された様々な販促物がストックされている。スポンサー企業は、本荷物配送サービスを支えるスポンサーであって、外国人旅行客2に対して商品やサービスを提供する提供業者である。本荷物配送サービスの提供にかかるコストは、販促物を配布したいスポンサー企業が実質的に負担している。ゆえに、外国人旅行客2は、本荷物配送サービスを無料或いは割安な料金で利用することができたり、次回利用可能な割引クーポンやキャッシュ化可能なポイントバックなど何かしらのメリットを享受できたりする。外国人旅行客2に配布される販促物には、例えば、商品サンプル、クーポン、及びチラシが含まれる。
図1に示す例では、X社11からはビールの商品サンプル15、Y社13からは化粧品の商品サンプル16、Z社14からは商品の割引クーポン17が販促物センター10に納入されている。
【0048】
運送業者8は、販促物センター10において、販促物を抽出してひとつにまとめる作業を行う。どの販促物を一つにまとめるかは、サーバ100から運送業者端末60を介して運送業者8に指示される。運送業者端末60は、スマートフォン、タブレット、PC等のネットワーク70に接続可能な機器である。運送業者8は、指示された販促物のみを販促物センター10内のストックから抽出し、所定のバッグ5に同梱する。バッグ5はビニールバッグでもよいし、紙バッグでもよいし、布バッグでもよい。バッグ5の形態は手提げ状でもよいし、封筒状でもよいし、或いは、風呂敷のようなものでもよい。また、バッグ5それ自体が販促物であってもよい。
図1に示す例では、商品サンプル16と割引クーポン17とがバッグ5に同梱されている。
【0049】
運送業者8は、販促物が入ったバッグ5を荷物3に取り付ける。バッグ5の中の販促物の内容は同一ではなく、外国人旅行客2ごと、つまり、荷物3ごとに異なっている。どのバッグ5をどの荷物3に取り付けるかは、サーバ100から運送業者端末60を介して運送業者8に指示される。販促物が入ったバッグ5の取り付けは、荷物3に取り付けられたタグ4、より詳しくは、タグ4に記載された配送予約IDを手掛かりにして行われる。荷物3の配送の途中でタグ4が外れてしまう場合や、外国人旅行客2がタグ4を取り付けるのを忘れる場合がある。そのような場合、運送業者8は、サーバ100から運送業者端末60に送られる荷物3の写真を手掛かりにしてバッグ5を荷物3に取り付けることができる。なお、販促物を同梱したバッグ5を荷物3に取り付ける代わりに、荷物3と販促物とを一つのバッグに同梱することでもよい。つまり、販促物が1つにまとめられて荷物3に取り付けられているのであれば、その取り付け方には限定はない。
【0050】
運送業者8は、バッグ5が取り付けられた荷物3を各宿泊先24へ配送する。どの荷物3をどこに配送するのかは、サーバ100から運送業者端末60を介して運送業者8に指示される。外国人旅行客2は、宿泊先24に着いたときに宿泊先24のスタッフから荷物3を受け取ることができる。或いは、宿泊先24の所定の荷物置き場に置かれている荷物3を自分で持っていくことができる。なお、上述の説明では、運送業者8は到着空港22で荷物を回収してから販促物センター10に立ち寄っているが、先に販促物センター10に立ち寄って販促物をバッグ5に詰める作業を行い、その後、到着空港22で荷物を回収し、回収した荷物3にバッグ5を取り付けるようにしてもよい。
【0051】
外国人旅行客2が宿泊先24で受け取った荷物3には、販促物が同梱されたバッグ5が取り付けられている。外国人旅行客2は、商品サンプルを試してみたり、クーポンを使って商品やサービスを割安で購入したりすることができる。また、チラシを見て商品を販売している場所やサービスを提供している場所を訪れることができる。つまり、本荷物配送サービスに荷物3の配送を依頼すれば、様々な販促物が入ったバッグ5とともに荷物3が宿泊先24まで配送される。しかも、荷物3の配送にかかるコストは販促物を配布したいスポンサー企業が負担しているので、外国人旅行客2は本荷物配送サービスを無料或いは割安な料金で利用することができる。外国人旅行客2にとって、販促物を受け取ることは、能動的に要求したことではないかもしれないが、本荷物配送サービスの利用の対価として承諾したことである。ゆえに、頼みもしない販促物が勝手に送られてきたならば、外国人旅行客2はその販促物を送ってきた会社やその商品或いはサービス自体に負の印象を持つかもしれないが、本荷物配送サービスではそのような心配はない。
【0052】
本荷物配送サービスを利用することで、外国人旅行客2は、荷物3を持たないで旅行を楽しむことができるだけでなく、様々な販促物に接する機会を増やすことができる。このことは、商品やサービスを提供したい提供業者(企業)にとっては、新たな顧客の獲得の機会の増加を意味し、外国人旅行客2にとっては、新たな商品やサービスの購入機会の増加を意味する。また、販促物は荷物3に取り付けられて配送先に送られるので、ばらばらに送付される販促物を受け取る場合のような煩わしさを外国人旅行客2が感じるおそれは小さいし、宿泊先24のスタッフを販促物の取り扱いで困らせるおそれも小さい。
【0053】
また、本荷物配送サービスでは、予約時に外国人旅行客2のメールアドレスやチャットIDが取得されているので、販促物の配布後、例えば、外国人旅行客2の帰国後に、オンラインで商品やサービスに関するアンケートを送付することや、商品やサービスに関する追加の情報を送付することも可能である。アンケートで得られた情報は、商品やサービスの内容に反映できるだけでなく、販促物を配布するターゲットユーザの属性の設定にも反映することができる。
【0054】
1−2.荷物配送サービスを実現するためのシステム
次に、本荷物配送サービスを実現するためのシステムについて、
図2乃至
図9を用いて説明する。
図2は、本荷物配送サービスを実現するためのシステムの構成を示す図である。本荷物配送サービスは、サーバ100とユーザ端末50と運送業者端末60とがネットワーク70に接続されてなるシステムによって実現される。このシステムには、本発明の第1の販促物配布システムが含まれている。
【0055】
サーバ100は、その物理的な構成として、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプログラムを記憶した少なくとも1つのメモリを備える。その少なくとも1つのプログラムが少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、少なくとも1つのプロセッサは、予約受付部110、ユーザ情報取得部120、予約処理部130、配送予約ID発行部140、ユーザ分類特定部150、販促物ID取得部160、販促物IDリスト発行部170、販促物IDリスト送信部180、及び配送先情報送信部190として機能する。また、サーバ100には、データベース101が構築されている。
【0056】
予約受付部110は、ユーザ端末50からの荷物3の配送の予約を受け付ける。詳しくは、荷物配送の予約サイト(専用予約サイトだけでなく、OTAの航空券予約サイトや宿泊先予約サイトも含む)にアクセスした外国人旅行客2に対し、荷物3の配送の予約を促す画面をユーザ端末50に表示する。そして、外国人旅行客2がユーザ端末50に入力した予約に関わる情報を予約情報として取得する。予約情報には、例えば、名前、予約日時、到着空港(配送元)、宿泊先(配送先)、配送希望日時、フライト番号、配送する荷物3の個数などの情報が含まれる。
【0057】
ここで、
図3は、ユーザ端末50に表示される予約画面の一例を示している。
図3に示す例では、予約日時、到着空港、フライト番号、及び宿泊先が予約画面に表示されている。荷物配送の予約が航空券予約サイトを経由して行われる場合、予約に必要な情報のうち、例えば、予約日時、到着空港、及びフライト番号については、航空券予約サイトで保存された予約情報を用いて自動入力することもできる。その場合、外国人旅行客2は、自動入力された情報に誤りがないか確認するだけでよい。
【0058】
再び
図2に戻ってサーバ100についての説明を続ける。ユーザ情報取得部120は、予約完了までの過程において、具体的には、外国人旅行客2が予約サイトで行う予約手続きを通じて、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、予約を行った外国人旅行客2が属するユーザ分類を特定するために必要な情報である。ユーザ情報取得部120が取得するユーザ情報として、国籍は必須の情報である。年齢と性別は次に重要な情報であり、フライト番号や、メールアドレスやチャットID等の連絡先はあれば好ましい情報である。これらの情報は、配送の予約に必要な情報として取得することができる。なお、外国人旅行客2が航空券予約サイトで予約を行う場合には、航空券の予約に必要な情報をユーザ情報として自動的に取得することができる。また、外国人旅行客2が宿泊先予約サイトで予約を行う場合には、宿泊先の予約に必要な情報をユーザ情報として自動的に取得することができる。具体的には、航空券や宿泊先の予約ではパスポート情報の入力が要求されるので、入力されたパスポート情報から国籍を含むユーザ情報を自動的に取得することができる。
【0059】
ここで、
図4は、ユーザ端末50に表示されるユーザ情報入力画面の一例を示している。
図4に示す例では、名前、国籍、年齢、及び性別がユーザ情報入力画面に表示されている。荷物配送の予約が航空券予約サイトを経由して行われる場合、名前、国籍、年齢、及び性別の全てについて、航空券予約サイトで保存された予約情報を用いて自動入力することもできる。その場合、外国人旅行客2は、自動入力された情報に誤りがないか確認するだけでよい。
【0060】
再び
図2に戻ってサーバ100についての説明を続ける。予約処理部130は、予約受付部110で受け付けた予約情報を予約管理テーブルに登録する。そして、予約管理テーブルに基づいて荷物3を配送する運送業者8の手配を行う。
【0061】
配送予約ID発行部140は、予約処理部130による予約処理の完了後、外国人旅行客2に対して配送予約IDを発行する。発行された配送予約IDは、ユーザ端末50において予約サイトの画面に表示される。また、予約サイトを閉じた後でも配送予約IDを確認できるように、登録されたメールアドレスに配送予約IDを記載したメールが送信される。配送予約IDを表示する予約サイトの画面やメールには、タグ4が置かれている場所、タグ4への配送予約IDの記入方法、タグ4の荷物への取り付け方法、荷物3の写真のアップロードの方法等の情報が記載されている。或いは、それらが記載されたURLのリンクが貼り付けられている。
【0062】
ここで、
図5は、ユーザ端末50に表示される予約ID表示画面の一例を示している。また、
図6は、荷物3に取り付けられるタグ4の一例を示している。外国人旅行客2は、予約ID表示画面に表示されている配送予約IDを見て、それをタグ4の所定の記載欄に書き込めばよい。なお、タグ4は、例えば到着空港別に色分けされてもよい。
【0063】
再び
図2に戻ってサーバ100についての説明を続ける。ユーザ分類特定部150は、予約処理部130による予約処理の完了後、ユーザ情報取得部120が取得したユーザ情報から外国人旅行客2が属するユーザ分類を特定する。分類されている項目は、例えば国籍、年齢、性別、宿泊先であり、提供業者から提供される商品やサービスに対するターゲットユーザを絞り込むのに有用な項目である。国籍、年齢、及び性別は、商品やサービスに対する消費者の嗜好に強い影響を与える項目である。このうち国籍は、各人の商品やサービスの購入動向との関連性が特に顕著な項目である。宿泊先は、そのランクから外国人旅行客2の所得レベルを推察することができる。所得レベルもまた、商品やサービスに対する消費者の嗜好に強い影響を与える項目である。
【0064】
販促物ID取得部160は、特定されたユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベース101から取得する。データベース101では、予め定義された複数のユーザ分類に、1つ1つの販促物に割り振られた販促物IDが関連付けられている。販促物IDとユーザ分類との関連付けは、販促物を配布したい提供業者が指定するターゲットユーザに基づいて設定される。例えば、ある提供業者が商品Mを販売しており、その商品Mのターゲットユーザが40歳以下の台湾人女性である場合、販促物である商品Mのサンプルがターゲットユーザのみに配布されるように、販促物IDとユーザ分類との関連付けが設定される。提供業者が使用する提供業者端末がネットワーク70を経由してサーバ100に接続されているのであれば、提供業者端末を操作することにより、データベース101における販促物IDと複数のユーザ分類との関連付けを設定或いは変更することができる。
【0065】
ここで、
図7は、データベース101の構造の一例を示している。
図7に示す例では、表の横軸にユーザ分類が並べられ、縦軸に販促物IDとその販促物の内容が並べられている。この例におけるユーザ分類は、国籍、年齢、性別、及び宿泊先である。このデータベース101によれば、中国から来たランクBのホテルに泊まる10代の女性には、A社のサンプル、D社のクーポン、及びG社のチラシが配布されることが分る。また、このデータベース101からは、各販促物IDがどのユーザ分類に対応しているかを見ることによって、提供業者が販促物を配布したいターゲットユーザが分る。例えば、C社サンプル2のターゲットユーザは、国籍が台湾で、21歳から40歳までの女性で、ランクがA又はBの宿泊先に泊まる所得レベルの外国人旅行客である。
【0066】
再び
図2に戻ってサーバ100についての説明を続ける。販促物IDリスト発行部170は、データベース101から取得した販促物IDが掲載された販促物IDリストを配送予約IDと関連付けて発行する。販促物IDリストは、配送予約IDが紐づけされている荷物3に取り付けたい販促物のリスト、つまり、その荷物3の持ち主の外国人旅行客2に渡したい販促物のリストである。
【0067】
販促物IDリスト送信部180は、販促物IDリストを運送業者端末60に送信する。詳しくは、到着空港別、配送エリア別、必要であれば配送時間帯別に販促物IDリストを分類し、配送を担当する運送業者8ごとに販促物IDリストを送信する。なお、販促物IDリストには配送予約IDが記載されていて、これが販促物リストに掲載されている販促物を取り付けるべき荷物3を探す手掛かりとなる。しかし、荷物3には、配送予約IDが記載されたタグ4が付いていない場合もあり得る。このため、販促物IDリスト送信部180は、販促物IDリストとともに、配送予約IDに紐付けされている荷物3の写真も送信する。
【0068】
ここで、
図8は、運送業者端末60に送信される販促物リストの一例を示している。
図8に示す例では、表の横軸に配送予約IDが並べられ、縦軸に販促物IDが並べられている。販促物リストはそのままディスプレイに表示してもよいしプリントアウトしてもよい。
図9は、運送業者端末60に表示される販促物ピッキング指示画面の一例を示している。販促物ピッキング指示画面では、抽出すべき販促物の販促物IDが配送予約IDごとに表示される。
【0069】
再び
図2に戻ってサーバ100についての説明を続ける。配送先情報送信部190は、荷物3の配送先に関する情報を運送業者端末60に送信する。運送業者8は、配送先情報に基づいて、どの荷物3をどの宿泊先24に配送すればよいのかを把握する。配送先情報には、外国人旅行客2が希望する荷物3の配送時間が含まれてもよい。荷物3はタグ4に記載された配送予約IDで特定されるが、タグ4が付いていない荷物3は写真によって特定される。
【0070】
次に、ユーザ端末50と運送業者端末60とについて説明する。ユーザ端末50は、情報入力部51と情報表示部52とを備える。ユーザ端末50がスマートフォンやタブレットであるならば、情報入力部51と情報表示部52はタッチパネルである。ユーザ端末50がPCであるならば、情報入力部51はキーボードやマウスであり、情報表示部52はディスプレイである。なお、ユーザ端末50に配送の予約のためのアプリをインストールし、そのアプリにサーバ100の一部の機能を担わせてもよい。運送業者端末60は、情報表示部61と情報外部出力部62とを備える。情報表示部61はディスプレイであり、情報外部出力部62は、例えば、販促物IDリストを紙に印刷するプリンタである。
【0071】
1−3.システムにおける処理の流れ
次に、本荷物配送サービスを実現するためのシステムにおける処理の流れについて、
図10に示すフローチャートを用いて説明する。フローチャートには、サーバ100における処理の流れと、ユーザ端末50における処理の流れ、運送業者端末60における処理の流れ、サーバ100とユーザ端末50との間での処理の流れ、及び、サーバ100と運送業者端末60との間での処理の流れが矢印線で示されている。ただし、このフローチャートに示す処理の流れは一例であって、一部の処理の順序を入れ替えたり、一部の処理を削除したり、或いは処理を追加したりすることも可能である。
【0072】
ユーザ端末50は、サーバ100に対して予約サイトへのアクセスを行い(ステップS201)、予約情報を送信し(ステップS202)、ユーザ情報を送信し(ステップS203)、さらに、荷物写真を送信する(ステップS204)。サーバ100は、ユーザ端末50から送信された情報に基づいて予約処理を行う(ステップS101)。予約処理の完了後、サーバ100は配信予約IDを発行する(ステップS102)。
【0073】
ユーザ端末50は、サーバ100で発行された配信予約IDを画面に表示する(ステップS205)。また、外国人旅行者2が荷物3に適切にタグ4を取り付けられるように、タグ4の取り付け案内を画面に表示する(ステップS206)。
【0074】
配信予約IDの発行後、サーバ100は、ユーザ情報に基づいてユーザ分類を特定し(ステップS103)、ユーザ分類に基づいてデータベース101から販促物IDを取得し(ステップS104)、販促物IDリストを発行する(ステップS105)。次に、サーバ100は、販促物IDリストを運送業者端末60に送信するとともに(ステップS106)、荷物3の写真を運送業者端末60に送信し(ステップS107)、さらに、荷物の配送先情報も運送業者端末60に送信する(ステップS108)。
【0075】
運送業者端末60は、サーバ100から情報が送信されると、荷物写真を画面に表示し(ステップS301)、販促物IDリストを画面に表示し(ステップS302)、荷物3の配送先を画面に表示する(ステップS303)。運送業者8は運送業者端末60の操作によって、表示内容の切り替えを行うことができる。
【0076】
1−4.荷物配送サービスの変形例
図11は、上述の荷物配送サービスの変形例の全体像を示す図である。この変形例では、荷物3は外国人旅行客2の宿泊先31から、その翌日に外国人旅行客2が宿泊する宿泊先32へと配送される。つまり、上述の荷物配送サービスが外国人旅行客2の滞在1日目における荷物3の配送に利用されるサービスであるのに対し、この変形例は滞在2日目以降における荷物3の配送に利用されるサービスである。
【0077】
この変形例では、外国人旅行客2は宿泊先31を出発する前に、例えば、出発日の当日以前に、宿泊先31から次の宿泊先32までの荷物3の配送を予約することができる。荷物3の配送の予約は、外国人旅行客2が操作するユーザ端末50よりオンラインで行われる。荷物3の配送の予約は、荷物配送の専用予約サイトで行われてもよいし、他のサイトにおける手続きの中で行われてもよい。例えば、来訪後の宿泊先を予約する際に使用される宿泊先予約サイトでの予約手続きの中で、滞在2日目以降の荷物3の配送の予約が行われてもよい。
【0078】
外国人旅行客2は、荷物3の配送の予約を済ませると、予約サイトから発行される配送予約IDを受け取る。配送予約IDを受け取った外国人旅行客2は、タグ4に配送予約IDを記載し、そのタグ4を荷物3に取り付ける。タグ4は、例えば、宿泊先31のカウンターや宿泊する部屋に予め用意されている。予約の完了後、タグ4を付けた荷物3を宿泊先のカウンターに預けるまでの間に、外国人旅行客2は、荷物3の写真を撮ってサーバ100にアップロードすることができる。アップロードされた荷物3の写真は、もしもタグ4が外れてしまった場合における荷物3の識別手段として用いられる。
【0079】
以降のサービスの流れは、
図1を用いて説明した荷物配送サービスのそれと同様である。荷物3を預けた後、外国人旅行客2は、荷物3を持ち歩くことなく観光地23を巡ったり買い物をしたりする等して一日を自由に過ごし、宿泊先32へ向かう。その間に、荷物3は運送業者8によって宿泊先31から回収され、途中で、販促物が入ったバッグ5が取り付けられる。そして、バッグ5が取り付けられた荷物3は次の宿泊先32まで配送される。
【0080】
上述の荷物配送サービスのさらなる変形例として、荷物3の配送元は、外国人旅行客2が宿泊した宿泊先であり、荷物3の配送先は、外国人旅行客2が帰国する際の出発空港であってもよい。本発明に係る第1の販促物配布システムは、外国人旅行客2の滞在最終日における荷物3の配送に利用される荷物配送サービスにも適用可能である。この場合、帰路に就いている外国人旅行客2に販促物を配布することになるが、帰路であっても、例えば、次回旅行時や帰国後の購買・消費活動に寄与することが考えられる。また、チャットなどを用いてアンケートを取得する場合には、往路において販促物を配布する場合と同等の効果を期待できる。
【0081】
2.宿泊予約サービス
2−1.宿泊予約サービスの全体像
本発明に係る第2の販促物配布システムは、外国人旅行客が来訪後に宿泊する宿泊先を予約する宿泊予約サービスに用いられる。
図12は、本発明の第2実施形態としての宿泊予約サービスの全体像を示す図である。
【0082】
本宿泊予約サービスによれば、外国人旅行客2は、来訪後の宿泊先の予約をユーザ端末50よりオンラインで行う。宿泊先の予約は、宿泊予約サービス提供サーバ(以下、単にサーバという)200上の宿泊先予約サイトで行われる。サーバ200はデータベース201を含む。宿泊先の予約の際には、後述する様々なユーザ情報がサーバ200において取得される。宿泊先の予約を完了させた外国人旅行客2は、出発空港21から国際線に搭乗する。到着空港22に着いた外国人旅行客2は、買い物、観光、ビジネス等それぞれの目的を果たして宿泊先24へ向かう。
【0083】
一方、販促物センター10では、販促物をひとまとめにした販促物セット6を作る作業が行われる。運送業者8は、販促物センター10において、販促物を抽出してひとつにまとめる作業を行う。どの販促物をひとつにまとめるかは、サーバ200から運送業者端末60を介して運送業者8に指示される。運送業者8は、指示された販促物のみを販促物センター10内のストックから抽出し、バッグに同梱することによって販促物セット6を作る。販促物セット6は販促物がひとまとめにされたものであればよいので、販促物をバッグに同梱する以外にも、販促物を紐やテープで束ねるのでもよい。
【0084】
運送業者8は、宿泊先24に外国人旅行客2宛で販促物セット6を配送する。どの販促物セット6をどこに配送するのかは、サーバ200から運送業者端末60を介して運送業者8に指示される。外国人旅行客2は、宿泊先24に着いたときに宿泊先24のスタッフから販促物セット6を受け取る。
【0085】
外国人旅行客2が宿泊先24で受け取った販促物セット6には、様々な販促物が含まれている。つまり、本宿泊予約サービスを利用して外国人旅行客2が宿泊先を予約すれば、外国人旅行客2が能動的に販促物を要求せずとも、様々な販促物がひとまとめにされた販促物セット6が自動で宿泊先24まで配送される。
【0086】
本宿泊予約サービスを利用することで、外国人旅行客2は、様々な販促物に接する機会を増やすことができる。このことは、商品やサービスを提供したい提供業者(企業)にとっては、新たな顧客の獲得の機会の増加を意味し、外国人旅行客2にとっては、新たな商品やサービスの購入機会の増加を意味する。また、販促物はひとまとめにされて宿泊先24に送付されるので、ばらばらに送付される販促物を受け取る場合のような煩わしさを外国人旅行客2が感じるおそれは小さいし、宿泊先24のスタッフを販促物の取り扱いで困らせるおそれも小さい。
【0087】
また、本宿泊予約サービスでは、予約時に外国人旅行客2のメールアドレスやチャットIDが取得される。それらを利用することで、販促物の配布後、例えば、外国人旅行客2の帰国後に、オンラインで商品やサービスに関するアンケートを送付することや、商品やサービスに関する追加の情報を送付することも可能である。アンケートで得られた情報は、商品やサービスの内容に反映できるだけでなく、販促物を配布するターゲットユーザの属性の設定にも反映することができる。
【0088】
2−2.宿泊予約サービスを実現するためのシステム
次に、本宿泊予約サービスを実現するためのシステムについて、
図13を用いて説明する。
図13は、本宿泊予約サービスを実現するためのシステムの構成を示す図である。本宿泊予約サービスは、サーバ200とユーザ端末50と運送業者端末60とがネットワーク70に接続されてなるシステムによって実現される。このシステムには、本発明の第2の販促物配布システムが含まれている。
【0089】
サーバ200は、その物理的な構成として、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプログラムを記憶した少なくとも1つのメモリを備える。その少なくとも1つのプログラムが少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、少なくとも1つのプロセッサは、予約受付部210、ユーザ情報取得部220、予約処理部230、ユーザ分類特定部240、販促物ID取得部250、販促物IDリスト発行部260、販促物IDリスト送信部270、及び配送先情報送信部280として機能する。また、サーバ200には、データベース201が構築されている。
【0090】
予約受付部110は、ユーザ端末50からの宿泊先の予約を受け付ける。詳しくは、宿泊先予約サイトにアクセスした外国人旅行客2に対し、宿泊先の予約を促す画面をユーザ端末50に表示する。そして、外国人旅行客2がユーザ端末50に入力した宿泊先の予約に関わる情報を予約情報として取得する。予約情報には、例えば、名前、予約日時、宿泊先、年齢、性別、パスポート番号、フライト番号などの情報が含まれる。
【0091】
ユーザ情報取得部220は、予約完了までの過程において、具体的には、外国人旅行客2が予約サイトで行う予約手続きを通じて、ユーザ情報を取得する。特に取得したいユーザ情報は、国籍、年齢、性別、及び宿泊先であるが、これらは全て予約情報に含まれている。ユーザ情報取得部220は、宿泊先の予約に必要な予約情報の中からユーザ情報を自動的に取得する。
【0092】
予約処理部230は、予約受付部210で受け付けた予約情報を予約管理テーブルに登録する。そして、予約管理テーブルに基づいて販促物セット6を配送する運送業者8の手配を行う。
【0093】
ユーザ分類特定部240は、予約処理部230による予約処理の完了後、ユーザ情報取得部220が取得したユーザ情報から外国人旅行客2が属するユーザ分類を特定する。ユーザ分類については荷物配送サービス提供サーバ100の機能の説明において説明した通りであるので、ここでは重複する説明は省略する。
【0094】
販促物ID取得部250は、特定されたユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベース201から取得する。データベース201の構造は、前述のデータベース101の構造と同様であるので、ここでは重複する説明は省略する。商品又はサービスの提供業者(企業)が使用する提供業者端末がネットワーク70を経由してサーバ200に接続されているのであれば、提供業者端末を操作することにより、データベース201における販促物IDと複数のユーザ分類との関連付けを設定或いは変更することができる。
【0095】
販促物IDリスト発行部260は、データベース201から取得した販促物IDが掲載された販促物IDリストを外国人旅行客2の個人ID及び宿泊先と関連付けて発行する。販促物IDリストは、ひとまとめにして販促物セット6として外国人旅行客2に渡したい販促物のリストである。個人IDは、名前やパスポートなど、外国人旅行客2を特定できる情報である。
【0096】
販促物IDリスト送信部270は、販促物IDリストを運送業者端末60に送信する。詳しくは、到着空港別、配送エリア別、必要であれば配送時間帯別に販促物IDリストを分類し、配送を担当する運送業者8ごとに販促物IDリストを送信する。運送業者8は、販促物IDリストで指示された販促物のみを販促物センター10内のストックから抽出し、ひとまとめにして販促物セット6を作る。
【0097】
配送先情報送信部280は、販促物セット6の配送先に関する情報を運送業者端末60に送信する。運送業者8は、配送先情報に基づいて、どの販促物セット6をどの宿泊先24のどの外国人旅行客2宛に配送すればよいのかを把握する。
【0098】
2−3.システムにおける処理の流れ
次に、本宿泊予約サービスを実現するためのシステムにおける処理の流れについて、
図14に示すフローチャートを用いて説明する。フローチャートには、サーバ200における処理の流れと、ユーザ端末50における処理の流れ、運送業者端末60における処理の流れ、サーバ200とユーザ端末50との間での処理の流れ、及び、サーバ200と運送業者端末60との間での処理の流れが矢印線で示されている。ただし、このフローチャートに示す処理の流れは一例であって、一部の処理の順序を入れ替えたり、一部の処理を削除したり、或いは処理を追加したりすることも可能である。
【0099】
ユーザ端末50は、サーバ200に対して予約サイトへのアクセスを行い(ステップS211)、予約情報を送信し(ステップS212)、ユーザ情報を送信する(ステップS213)。サーバ200は、ユーザ端末50から送信された情報に基づいて予約処理を行う(ステップS111)。予約処理の完了後、サーバ200は、ユーザ情報に基づいてユーザ分類を特定し(ステップS112)、ユーザ分類に基づいてデータベース201から販促物IDを取得し(ステップS113)、販促物IDリストを発行する(ステップS114)。次に、サーバ200は、販促物IDリストを運送業者端末60に送信するとともに(ステップS115)、販促物セット6の配送先情報を運送業者端末60に送信する(ステップS116)。
【0100】
運送業者端末60は、サーバ200から情報が送信されると、販促物IDリストを画面に表示し(ステップS311)、販促物セット6の配送先を画面に表示する(ステップS312)。運送業者8は運送業者端末60の操作によって、表示内容の切り替えを行うことができる。
【0101】
2−4.宿泊予約サービスの変形例
本宿泊予約サービスにおいて、運送業者8は、荷物3のみを配送する業者には限定されない。例えば、空港と宿泊先を結ぶシャトルバスのような、荷物3と外国人旅行客2とを一緒に移送することができる移動手段の提供業者であってもよい。移動手段には、タクシーや、スマートフォンの配車アプリによって予約が可能なライドシェア車両も含まれる。
【0102】
3.移動サービス
3−1.移動手段予約サービスの全体像
本発明に係る第3の販促物配布システムは、外国人旅行客が来訪後或いは来訪時に利用する移動サービスに用いられる。
図15は、本発明の第3実施形態としての移動サービスの全体像を示す図である。
【0103】
本移動サービスによれば、外国人旅行客2は、来訪後の移動手段の予約をユーザ端末50よりオンラインで行う。移動手段の予約は、移動手段の専用予約サイトで行われてもよいし、他のサイトにおける手続きの中で行われてもよい。例えば、国際線の航空券を予約する際に使用される航空券予約サイトでの手続きの中で、移動手段の予約が行われてもよい。或いは、来訪後の宿泊先を予約する際に使用される宿泊先予約サイトでの予約手続きの中で、移動手段の予約が行われてもよい。専用予約サイト、航空券予約サイト、及び宿泊先予約サイトは、移動手段サービス提供サーバ(以下、単にサーバという)300に設けられているか、ネットワーク70を構成する他のサーバに設けられている。
【0104】
移動手段は、例えば、運送業者によって提供されるバス88である。バス88は、例えば、空港と宿泊先、空港と主要駅、或いは、空港と観光地などを結ぶシャトルバスである。本移動サービスの提供にかかるコストは、販促物を配布したいスポンサー企業が実質的に負担している。ゆえに、外国人旅行客2は、本シャトルバスを無料或いは割安な料金で利用することができたり、次回利用可能な割引クーポンやキャッシュ化可能なポイントバックなど何かしらのメリットを享受できたりする。
【0105】
一方、販促物センター10では、販促物をひとまとめにした販促物セット6を作る作業が行われる。運送業者8は、販促物センター10において、販促物を抽出してひとつにまとめる作業を行う。どの販促物をひとつにまとめるかは、サーバ300から運送業者端末60を介して運送業者に指示される。運送業者は、指示された販促物のみを販促物センター10内のストックから抽出し、バッグに同梱することによって販促物セット6を作る。販促物セット6は販促物がひとまとめにされたものであればよいので、販促物をバッグに同梱する以外にも、販促物を紐やテープで束ねるのでもよい。
【0106】
販促物セット6の内容は同一ではなく、外国人旅行客2ごとに異なっている。運送業者8は、外国人旅行客2が予約したバス88に当該外国人旅行客2に配布する予定の販促物セット6を載せる。どの販促物セット6をどのバス88に載せるのかは、サーバ300から運送業者端末60を介して運送業者に指示される。
【0107】
販促物セット6を積載した後、バス88は到着空港22に向かう。到着空港22では、当該バス88を予約していた外国人旅行客2が搭乗する。外国人旅行客2は、荷物3とともにバス88に乗ることができる。運送業者は、バス88に搭乗した外国人旅行客2に販促物セット6を配布する。どの販促物セット6を誰に配送するのかは、サーバ300から運送業者端末60を介して運送業者に指示される。外国人旅行客2は、バス88に搭乗するとき、或いは、バス88の中で、若しくは、バス88が目的地(
図15では目的地は宿泊先24)に着いたときに運送業者から販促物セット6を受け取る。配布方法は、外国人旅行客2への手渡しでもよいし、座席が指定であるなら、販促物セット6を渡したい外国人旅行客2の指定席に置いておくのでもよい。
【0108】
外国人旅行客2がバス88の中或いは降車時に受け取った販促物セット6には、様々な販促物が含まれている。つまり、本移動サービスを利用して外国人旅行客2がバス88の利用を予約すれば、外国人旅行客2が能動的に販促物を要求せずとも、様々な販促物がひとまとめにされた販促物セット6が自動で外国人旅行客2に配布される。
【0109】
本移動サービスを利用することで、外国人旅行客2は、様々な販促物に接する機会を増やすことができる。このことは、商品やサービスを提供したい提供業者(企業)にとっては、新たな顧客の獲得の機会の増加を意味し、外国人旅行客2にとっては、新たな商品やサービスの購入機会の増加を意味する。また、販促物はひとまとめにされて外国人旅行客2に配布されるので、ばらばらに送付される販促物を受け取る場合のような煩わしさを外国人旅行客2が感じるおそれは小さい。さらに、販促物セット6は宿泊先24に向かうバス88にて外国人旅行客2に配布されるので、外国人旅行客2は販促物セット6を持ち歩く必要はない。
【0110】
また、本移動サービスでは、予約時に外国人旅行客2のメールアドレスやチャットIDが取得される。それらを利用することで、販促物の配布後、例えば、外国人旅行客2の帰国後に、オンラインで商品やサービスに関するアンケートを送付することや、商品やサービスに関する追加の情報を送付することも可能である。アンケートで得られた情報は、商品やサービスの内容に反映できるだけでなく、販促物を配布するターゲットユーザの属性の設定にも反映することができる。
【0111】
3−2.移動サービスを実現するためのシステム
次に、本移動サービスを実現するためのシステムについて、
図16を用いて説明する。
図16は、本移動サービスを実現するためのシステムの構成を示す図である。本移動サービスは、サーバ300とユーザ端末50と運送業者端末60とがネットワーク70に接続されてなるシステムによって実現される。このシステムには、本発明の第3の販促物配布システムが含まれている。
【0112】
サーバ300は、その物理的な構成として、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプログラムを記憶した少なくとも1つのメモリを備える。その少なくとも1つのプログラムが少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、少なくとも1つのプロセッサは、予約受付部310、ユーザ情報取得部320、予約処理部330、ユーザ分類特定部340、販促物ID取得部350、販促物IDリスト発行部360、販促物IDリスト送信部370、及び配布先情報送信部380として機能する。また、サーバ300には、データベース301が構築されている。
【0113】
予約受付部310は、ユーザ端末50からの移動手段の予約を受け付ける。詳しくは、予約サイトにアクセスした外国人旅行客2に対し、移動手段の予約を促す画面をユーザ端末50に表示する。そして、外国人旅行客2がユーザ端末50に入力した移動手段の予約に関わる情報を予約情報として取得する。予約情報には、例えば、名前、予約日時、宿泊先、年齢、性別、パスポート番号、フライト番号などの情報が含まれる。
【0114】
ユーザ情報取得部320は、予約完了までの過程において、具体的には、外国人旅行客2が予約サイトで行う予約手続きを通じて、ユーザ情報を取得する。特に取得したいユーザ情報は、国籍、年齢、性別、及び宿泊先である。ユーザ情報取得部320は、移動手段の予約に必要な予約情報の中からユーザ情報を自動的に取得する。
【0115】
予約処理部330は、予約受付部310で受け付けた予約情報を予約管理テーブルに登録する。そして、予約管理テーブルに基づいて販促物セット6を用意する運送業者8の手配を行う。
【0116】
ユーザ分類特定部340は、予約処理部330による予約処理の完了後、ユーザ情報取得部320が取得したユーザ情報から外国人旅行客2が属するユーザ分類を特定する。ユーザ分類については荷物配送サービス提供サーバ100の機能の説明において説明した通りであるので、ここでは重複する説明は省略する。
【0117】
販促物ID取得部350は、特定されたユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベース301から取得する。データベース301の構造は、前述のデータベース101の構造と同様であるので、ここでは重複する説明は省略する。商品又はサービスの提供業者(企業)が使用する提供業者端末がネットワーク70を経由してサーバ300に接続されているのであれば、提供業者端末を操作することにより、データベース301における販促物IDと複数のユーザ分類との関連付けを設定或いは変更することができる。
【0118】
販促物IDリスト発行部360は、データベース301から取得した販促物IDが掲載された販促物IDリストを外国人旅行客2の個人ID及び外国人旅行客2が搭乗するバス88の便番号と関連付けて発行する。販促物IDリストは、ひとまとめにして販促物セット6として外国人旅行客2に渡したい販促物のリストである。
【0119】
販促物IDリスト送信部370は、販促物IDリストを運送業者端末60に送信する。詳しくは、到着空港別、到着時間別、バス便別に販促物IDリストを分類し、配布を担当する運送業者8ごとに販促物IDリストを送信する。運送業者8は、販促物IDリストで指示された販促物のみを販促物センター10内のストックから抽出し、ひとまとめにして販促物セット6を作る。
【0120】
配布先情報送信部380は、販促物セット6の配布先に関する情報を運送業者端末60に送信する。運送業者8は、配布先情報に基づいて、どの販促物セット6をどの便のバス88に搭乗するどの外国人旅行客2宛に配布すればよいのかを把握する。
【0121】
3−3.システムにおける処理の流れ
次に、本宿泊予約サービスを実現するためのシステムにおける処理の流れについて、
図17に示すフローチャートを用いて説明する。フローチャートには、サーバ300における処理の流れと、ユーザ端末50における処理の流れ、運送業者端末60における処理の流れ、サーバ300とユーザ端末50との間での処理の流れ、及び、サーバ300と運送業者端末60との間での処理の流れが矢印線で示されている。ただし、このフローチャートに示す処理の流れは一例であって、一部の処理の順序を入れ替えたり、一部の処理を削除したり、或いは処理を追加したりすることも可能である。
【0122】
ユーザ端末50は、サーバ300に対して予約サイトへのアクセスを行い(ステップS221)、予約情報を送信し(ステップS222)、ユーザ情報を送信する(ステップS223)。サーバ300は、ユーザ端末50から送信された情報に基づいて予約処理を行う(ステップS121)。予約処理の完了後、サーバ300は、ユーザ情報に基づいてユーザ分類を特定し(ステップS122)、ユーザ分類に基づいてデータベース301から販促物IDを取得し(ステップS123)、販促物IDリストを発行する(ステップS124)。次に、サーバ300は、販促物IDリストを運送業者端末60に送信するとともに(ステップS125)、販促物セット6の配布先情報を運送業者端末60に送信する(ステップS126)。
【0123】
運送業者端末60は、サーバ300から情報が送信されると、販促物IDリストを画面に表示し(ステップS321)、販促物セット6の配布先を画面に表示する(ステップS322)。運送業者8は運送業者端末60の操作によって、表示内容の切り替えを行うことができる。
【0124】
3−4.移動サービスの変形例
本移動サービスにおいて、運送業者が提供する移動手段はバスには限定されない。例えば、鉄道、航空機、タクシーや、スマートフォンの配車アプリによって予約が可能なライドシェア車両も含まれる。航空機は、出発空港21から到着空港22へ飛ぶ往路の航空機でもよいし、到着空港22から出発空港21へ戻る復路の航空機でもよい。或いは、途中で乗り継ぎがある場合には、出発空港21と経由地空港との間を飛ぶ航空機でもよいし、到着空港21と経由地空港との間を飛ぶ航空機でもよい。
【0125】
本移動サービスに係る移動手段は、空港を通るものには限定されない。例えば、主要駅と観光地との間で運行する移動手段や、主要駅と宿泊先との間で運行する移動手段や、都市と都市との間で運行する移動手段なども、本移動サービスに係る移動手段に含まれる。また、運送業者自体が移動手段を提供することは必須ではない。移動手段を提供する事業者は、運送業者と関係のある別の事業者であってもよい。例えば、移動手段が、鉄道である場合、鉄道を運営する鉄道会社と契約した運送業者が、電車内で、或いは出発駅で、若しくは到着駅で外国人旅行客2に販促物セット6を配布してもよい。
【0126】
4.その他
上述の各サーバ100,200,300に、外国人旅行客2の個人を特定可能な個人情報と、外国人旅行客2に既に配布された配布済販促物の販促物IDとを関連付ける配布履歴データベースを構築してもよい。この場合、サーバ100,200,300は、ユーザ端末50から個人情報を含むユーザ情報が入力された場合、個人情報に基づいて配布済販促物の販促物IDを配布履歴データベースから取得する。そして、配布履歴データベースから取得した配布済販促物の販促物IDを販促物IDリストから削除する。このような処理を行うことで、既に配布された配布済販促物が再び同じ外国人旅行客2に配布されることがなくなり、提供業者にとっては販促物の無駄を抑えることができる。一方、外国人旅行客2にとっては、過去に受け取ったのと同じ販促物を受け取らずに済むという利点がある。
外国人旅行客は、荷物の配送の予約の際に発行される配送予約IDをタグに記載し、そのタグを荷物に取り付ける。サーバは、少なくとも国籍を含むユーザ情報を外国人旅行客から取得すると、取得したユーザ情報から外国人旅行客が属するユーザ分類を特定する。そして、特定したユーザ分類に関連付けられた販促物IDをデータベースから取得し、取得した販促物IDが掲載されたリストを配送予約IDと関連付けて発行する。運送業者は、外国人旅行客の荷物を配送元で受け取るとともに、サーバが発行したリストに掲載された販促物IDに対応する販促物をストックから抽出する。次に、抽出された販促物をタグに記載された配送予約IDを手掛かりにして荷物に取り付ける。そして、抽出された販促物が取り付けられた荷物を配送先へ配送する。