【文献】
J. Sobesky,“Which Time-to-Peak Threshold Best Identifies Penumbral Flow?A Comparison of Perfusion-Weighted Magnetic Resonance Imaging and Positron Emission Tomography in Acute Ischemic Stroke”,Stroke,2004年12月 1日,Volume35, Issue12,p.2843-2847
【文献】
原田雅史,“脳卒中超急性期における画像診断プロトコール”,四国医誌,2000年12月25日,Vol.56, No.6,p.208-212
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像生成部は、前記撮像部位の動きに基づいて前記流体指標値の割り当てを行わない画像領域を決定し、前記決定された画像領域以外の画像領域の画素に限定して前記流体指標値を割り当てて前記マッピング画像を生成する、
請求項1、3乃至5の何れか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
前記流体指標値に基づいて、前記MR信号の収集のためのプロトコルとは異なる、前記撮像部位を対象とする他のプロトコルの撮像条件を決定する撮像条件決定部を更に備える、
請求項1乃至7の何れか一項記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる磁気共鳴イメージング装置及び医用画像処理装置を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成を示す図である。
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置は、架台1、寝台3、機械制御器5及びホストPC7を有する。例えば、架台1と寝台3とは検査室に設置され、機械制御器5は検査室に隣接する機械室に設置され、ホストPC7は検査室と機械室とに隣接する制御室に設置される。架台1は、被検体Oが挿入されるボアが形成された、MR撮像機構を有する装置である。寝台3は、被検体Oが載置される天板を移動自在に支持する装置である。機械制御器5は、MR撮像を行うために架台1を作動する各種機械機器である。機械制御器5は、傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を有する。ホストPC7は、磁気共鳴イメージング装置の中枢として機能するコンピュータ装置である。ホストPC7は、機械制御器5と通信可能に接続されている。ホストPC7は、システム制御回路31、再構成回路33、画像処理回路35、撮像制御回路37、撮像条件決定回路39、表示回路41、入力回路43及び主記憶回路45を有する。
【0011】
図1に示すように、架台1は、静磁場磁石11と傾斜磁場コイル13とを有する。静磁場磁石11と傾斜磁場コイル13とは架台1の筐体1aに収容されている。架台1の筐体1aには中空形状を有するボア1bが形成されている。架台1のボア1b内にはRFコイル15が配置される。
【0012】
静磁場磁石11は、中空の略円筒形状を有し、略円筒内部に静磁場を発生する。静磁場磁石11としては、例えば、永久磁石、超伝導磁石または常伝導磁石等が使用される。ここで、静磁場磁石11の中心軸をZ軸に規定し、Z軸に対して鉛直に直交する軸をY軸と呼び、Z軸に水平に直交する軸をX軸と呼ぶことにする。X軸、Y軸及びZ軸は、直交3次元座標系を構成する。
【0013】
傾斜磁場コイル13は、静磁場磁石11の内側に取り付けられ、中空の略円筒形状に形成されたコイルユニットである。傾斜磁場コイル13は、傾斜磁場電源21からの電流の供給を受けて傾斜磁場を発生する。より詳細には、傾斜磁場コイル13は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸に対応する3つのコイルを有する。当該3つのコイルは、X軸、Y軸及びZ軸の各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を形成する。X軸、Y軸及びZ軸の各軸に沿う傾斜磁場は合成されて互いに直交するスライス選択傾斜磁場Gs、位相エンコード傾斜磁場Ge及びリードアウト傾斜磁場Grが所望の方向に形成される。これら傾斜磁場は、静磁場に重畳されて被検体Oに印加される。スライス選択傾斜磁場Gsは、任意に撮像断面を決めるために利用される。位相エンコード傾斜磁場Geは、空間的位置に応じてMR信号の位相を変化させるために利用される。リードアウト傾斜磁場Grは、空間的位置に応じてMR信号の周波数を変化させるために利用される。なお、以下の説明においてスライス選択傾斜磁場Gsの傾斜方向はZ軸、位相エンコード傾斜磁場Geの傾斜方向はY軸、リードアウト傾斜磁場Grの傾斜方向はX軸であるとする。
【0014】
傾斜磁場電源21は、撮像制御回路37からのシーケンス制御信号に従い傾斜磁場コイル13に電流を供給する。傾斜磁場電源21は、傾斜磁場コイル13に電流を供給することにより、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の傾斜磁場を傾斜磁場コイル13により発生させる。当該傾斜磁場は、静磁場磁石11により形成された静磁場に重畳されて被検体Oに印加される。
【0015】
RFコイル15は、筐体1a内の傾斜磁場コイル13の内側に配置され、送信回路23からRFパルスの供給を受けて高周波磁場を発生する。また、RFコイル15は、高周波磁場の作用を受けて被検体O内に存在する対象原子核から発せられる磁気共鳴信号(以下、MR信号と呼ぶ)を受信する。RFコイル15は、MR信号を受信可能な複数の受信コイルエレメントを有する。受信されたMR信号は、有線又は無線を介して受信回路25に供給される。
【0016】
なお、上記のRFコイル15は、送受信兼用のタイプであるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。送信専用のRFコイルと受信専用のRFコイルが設けられても良い。また、RFコイル15を送信専用に用い、撮影部位に特化した受信専用のRFコイルが被検体に装着されても良い。
【0017】
図1に図示しないが、RFコイル15は、並列的に実装された複数の受信チャネルを有している。受信チャネルは、MR信号を受信する受信コイルエレメント及びMR信号を増幅する増幅器等を有している。MR信号は、受信チャネル毎に出力される。受信チャネルの総数と受信コイルエレメントの総数とは同一であっても良いし、受信チャネルの総数が受信コイルエレメントの総数に比して多くても良いし、少なくても良い。
【0018】
送信回路23は、被検体O内に存在する対象原子核を励起するための高周波磁場を、RFコイル15を介して被検体Oに送信する。対象原子核としては、典型的には、プロトンが用いられる。具体的には、送信回路23は、撮像制御回路37による制御に従って、対象原子核を励起するための高周波信号(RF信号)をRFコイル15に供給する。RFコイル15から発生された高周波磁場は、対象原子核に固有の共鳴周波数で振動し、対象原子核を励起させる。励起された対象原子核からMR信号が発生され、RFコイル15により検出される。検出されたMR信号は、受信回路25に供給される。
【0019】
受信回路25は、励起された対象原子核から発生されるMR信号をRFコイル15を介して受信する。受信回路25は、受信されたアナログのMR信号を信号処理してデジタルのMR信号を発生する。デジタルのMR信号は、デジタルのMR信号と呼ばれる。デジタルのMR信号は、有線又は無線を介して再構成回路33に供給される。
【0020】
架台1に隣接して寝台3が設置される。寝台3は、天板をX軸、Y軸及びZ軸各々に沿って移動可能に支持する。寝台3内には寝台駆動装置(図示せず)が収容される。寝台駆動装置は、撮像制御回路37からの制御を受けて天板を移動する。寝台駆動装置としては、例えば、サーボモータやステッピングモータ等の如何なるモータが用いられても良い。
【0021】
図1に示すように、撮像制御回路37は、機械制御器5に収容されている。撮像制御回路37は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。撮像制御回路37は、システム制御回路31から供給されるパルスシーケンス情報に基づいて、撮像条件決定回路39により決定された撮像条件に対応するシーケンス制御信号を傾斜磁場電源21、送信回路23、受信回路25及び寝台3に供給し、当該シーケンス制御信号に対応するパルスシーケンスで被検体Oを撮像する。本実施形態に係る撮像制御回路37は、予め設定された撮像部位の時系列画像を収集するために、当該撮像部位を時系列で撮像するMRシネ撮像を実行する。本実施形態に係るMRシネ撮像は、被検体内に存在する流体が分布している部位が対象である。撮像対象としての流体は、血液や髄液等、体内で停滞する可能性のある体液であれば如何なる流体であっても良い。例えば、流体として血液を解析する場合、本実施形態に係る撮像部位としては心臓が挙げられる。また、流体として脳脊髄液を解析する場合、本実施形態に係る撮像部位としては脊髄が挙げられる。本実施形態に係るMRシネ撮像は、血流の可視化が目的であるのでMRA(MR Angiography)のプロトコルにより行われると良い。血流が描出されるのであれば、造影剤の注入下において行われても良いし、造影剤を注入することなしに行われても良い。非造影のMRAとしては、例えば、TOF(Time Of Flight)法やPC(Phase Contrast)法が挙げられる。
【0022】
再構成回路33は、ハードウェア資源として、CPUやGPU(Graphical processing unit)、MPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。再構成回路33は、受信回路25からのデジタルのMR信号に基づいて、撮像部位が描出されたMR画像を再構成する。例えば、再構成回路33は、デジタルのMR信号に、位相エンコード軸及び周波数エンコード軸に関して2次元フーリエ変換(2DFT)を実行することによりMR画像を再構成する。MR画像には、受信回路25からのMR信号に基づく信号値が割り当てられる。本実施形態に係る再構成回路33は、MRシネ撮像において受信回路25により収集されたデジタルのMR信号に基づいて時系列のMR画像を再構成する。時系列のMR画像は、複数の時相に関する複数のMR画像から構成される。なお再構成回路33は、再構成機能を実現する特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Logic Device:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されても良い。
【0023】
画像処理回路35は、ハードウェア資源として、CPU、GPU、MPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。画像処理回路35は、再構成回路33により再構成された複数の時相に関する複数のMR画像に種々の画像処理を施す。画像処理回路35は、本実施形態に係る画像処理プログラムを実行することにより位置合わせ機能351、指標値算出機能353、マッピング画像生成機能355及び停滞領域特定機能357を実現する。なお、画像処理回路35は、位置合わせ機能351、指標値算出機能353、マッピング画像生成機能355及び停滞領域特定機能357を実現可能なASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。
【0024】
位置合わせ機能351の実行により画像処理回路35は、再構成回路33により再構成された、複数の時相に関する複数のMR画像を位置合わせする。
【0025】
指標値算出機能353の実行により画像処理回路35は、位置合わせ機能351により位置合わせされた複数のMR画像の各画素の信号値に基づいて、撮像部位内の流体の挙動を示す指標値(以下、流体挙動指標値と呼ぶ)を算出する。
【0026】
マッピング画像生成機能355の実行により画像処理回路35は、指標値算出機能353により算出された流体挙動指標値が各画素に割り当てられた画像(以下、マッピング画像と呼ぶ)を生成する。
【0027】
停滞領域特定機能357の実行により画像処理回路35は、流体挙動指標値に基づいて、流体の停滞が疑われる画像領域(以下、停滞領域と呼ぶ)を特定する。停滞領域は、例えば、マッピング画像において強調される。
【0028】
撮像条件決定回路39は、ハードウェア資源として、CPU、GPU、MPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。撮像条件決定回路39は、流体指標値に基づいて、上記MRシネ撮像のためのプロトコルとは異なり、同一撮像部位を対象とする他のプロトコルの撮像条件を決定する。
【0029】
表示回路41は、種々の情報を表示する。例えば、表示回路41は、再構成回路33により再構成されたMR画像や画像処理回路35により生成されたマッピング画像を表示する。具体的には、表示回路41は、表示インタフェース回路と表示機器とを有する。表示インタフェース回路は、表示対象を表すデータを映像信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表す映像信号を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
【0030】
入力回路43は、具体的には、入力機器と入力インタフェース回路とを有する。入力機器は、ユーザからの各種指令を受け付ける。入力機器としては、キーボードやマウス、各種スイッチ等が利用可能である。入力インタフェース回路は、入力機器からの出力信号をバスを介してシステム制御回路31に供給する。なお、入力回路43は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限らない。例えば、磁気共鳴イメージング装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を種々の回路へ出力するような電気信号の処理回路も入力回路43の例に含まれる。
【0031】
主記憶回路45は、種々の情報を記憶するHDD(hard disk drive)やSSD(solid state drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、主記憶回路45は、CD−ROMドライブやDVDドライブ、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。例えば、主記憶回路45は、MR画像や本実施形態に係る血流停滞評価プログラム等を記憶する。
【0032】
システム制御回路31は、ハードウェア資源として、CPUあるいはMPUのプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。システム制御回路31は、磁気共鳴イメージング装置の中枢として機能する。具体的には、システム制御回路31は、主記憶回路45に記憶されている血流停滞評価プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開されたプログラムに従って磁気共鳴イメージング装置の各部を制御する。
【0033】
次に、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の動作について説明する。なお、以下の説明において、解析対象の流体は血流であり、撮像対象は心臓であるものとする。
【0034】
図2は、本実施形態に係るシステム制御回路31の制御により行われる血流停滞評価の典型的な流れを示す図である。
図2に示すように、システム制御回路31は、撮像制御回路37にMRシネ撮像を行わせる(ステップS1)。ステップS1において撮像制御回路37は、被検体Oの心臓に交差する撮像断面を対象とするMRシネ撮像を実行する。撮像断面としては、血流の停滞評価の対象部位に交差する断面に設定される。MRシネ撮像によりRFコイル15を介して収集されたMR信号が受信回路25によりアナログからデジタルに変換され、再構成回路33によりデジタルのMR信号に基づいて時系列のMR画像が再構成される。
【0035】
図3は、本実施形態に係る血流停滞評価に係る、心臓の主要構造を模式的に表す切断断面(4ch)を示す図である。
図3に示すように、心臓は、右心房RA、右心室RV、左心房LA及び左心室LVの4つの心腔に分けられる。右心房RAは大静脈からの血液を右心室RVに駆出する。右心房RAと右心室RVとの間には三尖弁TVが形成され、三尖弁TVは右心室RVから右心房RAへの血液の逆流を防ぐ。右心室RVは、血液を肺動脈に駆出する。左心房LAは、肺静脈からの血液を左心室LVに駆出する。左心房LAと左心室LVとの間には僧帽弁MVが形成され、僧帽弁MVは左心室LVから左心房LAへの血液の逆流を防ぐ。左心室LVは、大動脈AOに血液を駆出する。左心室LVと大動脈起始部との間には大動脈弁AVが形成され、大動脈弁AVは大動脈起始部から左心室LVへの血液の逆流を防ぐ。左心房LAの肺動脈基部には左心耳LAAが形成されている。左心耳LAAは、嚢状であり前方への突出を呈する。各心腔の壁は心筋により構成される。
【0036】
血栓は血流が停滞している部位において発生し易いため。心臓の内部の場合、例えば、左心室LVの先端部や左心耳LAA内に好発する。従って、本実施形態に係る撮像断面としては、例えば、左心室長軸切断断面(2ch)や左心耳先端を含む断面に設定されると良い。
【0037】
ステップS1が行われるとシステム制御回路31は、画像処理回路35に位置合わせ機能351を実行させる(ステップS2)。ステップS2において画像処理回路35は、ステップS1において収集された複数の時相に関する複数のMR画像を位置合わせする。処理対象のMR画像は、ステップS1において収集された全てのMR画像であっても良いし、当該全てのMR画像のうちの1又は複数心拍分のMR画像であっても良い。以下の実施形態においては1心拍分のMR画像が処理されるものとする。なお、1心拍は複数の時相から構成される。本実施形態においては1心拍分の全ての時相のMR画像が処理されても良いし、当該全ての時相から間引かれた複数の時相のMR画像が処理されても良い。
【0038】
図4は、ステップS2において画像処理回路35により行われる位置合わせを模式的に示す図である。
図4の横軸は時相であり、位置合わせ前のMR画像MIと位置合わせ後のMR画像MIとが時相軸に沿って並べて示されている。なお、
図4に示す各MR画像MIには、心臓に関する画像領域(以下、心臓領域と呼ぶ)RCが描出されている。位置合わせ前においては、心臓の拍動に伴い心臓領域RCの形態が時相毎に変化している。画像処理回路35は、既存の位置合わせ法により複数のMR画像MIを位置合わせすれば良い。既存の位置合わせ法としては、例えば、非特許文献1及び2に示すような複数時相間の位置合わせ法や非特許文献3に示すようなポイント・マッチング法が用いられれば良い。
【0039】
図4に示すように、何れの方法においても、画像処理回路35は、まず、複数の時相θn(nは時相の番号を示す)のうちの基準時相を設定する。基準時相のMR画像MIは、位置合わせの基準に用いられる。基準時相は、入力回路43等を介して任意の時相に設定可能である。
図4においては時相θ0が基準時相に設定されている。基準時相θ0が設定されると画像処理回路35は、基準時相θ0のMR画像MIに対して他の各時相θnの各MR画像MIを位置合わせする。具体的には、画像処理回路35は、基準時相θ0のMR画像MIに処理対象画素を設定し、他の各時相θnのMR画像MIにおいて、当該処理対象画素に対応する画素(以下、対応画素)を特定する。対応画素は、トラッキング等の既知の画像処理により特定可能である。画像処理回路35は、処理対象画素を変更しながら全ての画素について順番に対応画素を特定する。そして画像処理回路35は、他の各時相θnのMR画像MIの対応画素の座標が基準時相θ0のMR画像MIの処理対象画素の座標に一致するように他の各時相θnのMR画像MIを座標変換する。位置合わせにより、他の各時相θnのMR画像MIに描出される心臓領域等の形態が基準時相θ0のMR画像MIに描出される心臓領域等の形態に一致することとなる。
【0040】
なお、位置合わせ処理において画像処理回路35は、複数の時相の各々について動き指標値を画素毎に算出する。動き指標値は、ある時相から他の時相までの期間における各画素の移動量及び移動方向を示す。換言すれば、動き指標値はベクトルに相当する。例えば、画像処理回路35は、基準時相θ0のMR画像の処理対象画素の座標と他の各時相θnのMR画像の対応画素の座標とを特定し、処理対象画素の座標から対応画素の座標までの距離(移動量)及び方向(移動方向)を算出する。これにより処理対象画素の動き指標値を算出することができる。
【0041】
例えば、大動脈弁は拍動毎に激しく移動する。そのため、大動脈弁に対応する画素についても位置合わせを行う場合、位置合わせの精度が劣化する場合がある。画像処理回路35は、大動脈弁等の動きの激しい組織を考慮しないで位置合わせをすることもできる。具体的には、画像処理回路35は、動き指標値と所定の閾値とを比較し、動き指標値が所定の閾値よりも大きい画像領域(以下、移動過多領域と呼ぶ)を特定する。そして画像処理回路35は、移動過多領域を位置合わせ対象から除外する。すなわち、画像処理回路35は、移動過多領域以外の画像領域に限定して位置合わせ、すなわち、座標変換をすると良い。これにより、大動脈弁等の体動が激しい組織に対応する画素を、他の組織に対応する画素と合わせて位置合わせすることによる位置合わせ精度の劣化を低減することができる。
【0042】
ステップS2が行われるとシステム制御回路31は、画像処理回路35に指標値算出機能353を実行させる(ステップS3)。ステップS3において画像処理回路35は、ステップS2において位置合わせされた複数のMR画像の各画素の信号値に基づいて流体挙動指標値を算出する。MRの信号値はある物理量の絶対値を示しているわけではないため、信号値の濃淡のみでは血流の停滞を予測することができない。しかし、濃淡の時間方向の変化量が大きい領域は、血液の循環が激しい領域であると考えられる。
【0043】
本実施形態に係る流体挙動指標値は、信号値の時間変化量と血液循環の程度すなわち血流停滞の程度との相関に基づいて規定される。流体挙動指標値は、例えば、以下の手順に従い算出される。まず、画像処理回路35は、位置合わせ後の複数の時相θnに関する複数のMR画像の時相間の信号値の変化量を同一座標の画素毎に算出する。より詳細には、同一座標の画素について、隣り合う時相θn−1のMR画像の信号値と時相θnのMR画像の信号値との変化量が算出される。信号値変化量は、座標を変えながら全ての画素について、また時相をずらしながら隣り合う全ての時相間について算出される。なお、信号値変化量は、必ずしも隣り合う時相のMR画像の信号値に基づいて算出されなくても良い。例えば、信号値変化量は、2時相以上離れた2つのMR画像の信号値に基づいて算出されても良い。
【0044】
時相間の信号値の変化量としては、具体的には、時相間の信号値の微分、すなわち傾きが算出される。なお傾きの符号にも物理的意味はないため、傾きの絶対値や自乗値が算出されても良い。以下、傾き、傾きの絶対値、傾きの自乗値等を単に傾きと称することにする。
【0045】
傾きが算出されると画像処理回路35は、傾きを時間方向に積分する。具体的には、画像処理回路35は、複数の時相θnに亘り同一座標の画素の傾きを積分する。この積分値が流体挙動指標値として用いられる。
【0046】
なお、流体挙動指標値は、MR画像の全画素について算出しても良いし、特定の画素についてのみ算出しても良い。例えば、ステップS2において移動過多領域を除外して位置合わせが行われた場合、画像処理回路35は、当該移動過多領域以外の画像領域に限定して流体挙動指標値を算出しても良い。また、画像処理回路35は、心臓を流れる血液を解析する場合、心臓領域に限定して流体挙動指標値を算出しても良い。このように流体挙動指標値の算出対象を限定することにより、本実施形態に係る画像処理の処理効率を向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態に係る流体挙動指標値は、血流等の流体の流れ度合いを数値化したものであれば、信号値の時間変化量の時間積分値に限定されない。例えば、本実施形態に係る流体挙動指標値は、信号値の時間積分値であっても良い。
【0048】
ステップS3が行われるとシステム制御回路31は、画像処理回路35にマッピング画像生成機能355を実行させる(ステップS4)。ステップS4において画像処理回路35は、ステップS3において算出された流体挙動指標値が画素に割り当てられたマッピング画像を生成する。典型的には、画像処理回路35は、複数の時相θnのうちの基準時相θ0の各画素に流体挙動指標値を、信号値に重畳して割り当てることによりマッピング画像を生成する。なお、画像処理回路35は、複数の時相θnのうちの任意時相の各画素に流体挙動指標値を、信号値に重畳して割り当てることによりマッピング画像を生成しても良い。当該任意時相は、ユーザにより入力回路43を介して任意に指定可能である。
【0049】
ステップS4が行われるとシステム制御回路31は、表示回路41に表示処理を行わせる(ステップS5)。ステップS5において表示回路41は、ステップS4において生成されたマッピング画像を表示する。この際、表示回路41は、流体挙動指標値に応じた色でマッピング画像を表示すると良い。本実施形態に係る画像処理の処理効率を向上させることができる。
【0050】
図5は、本実施形態に係る表示回路により調節される流体挙動指標値と色値との関係を示す図である。
図5のグラフの縦軸は流体挙動指標値に規定され、横軸は時相(時間)に規定される。
図5に示すように、流体挙動指標値は、信号値変化量の時間積分であるため、積分区間である時相(時間)が経過するにつれて大きな値を有することとなる。流体挙動指標値が大きいほど、その部位への血液の流入出が激しいことを意味する。すなわち、例えば、
図5の点線で示すように、流体挙動指標値が大きいほど、その部位の血栓発生確率は低い。反対に、
図5の実線で示すように、流体挙動指標値が小さいほど、その部位への血液の流入出が乏しいことを意味する。すなわち、流体挙動指標値が小さいほど、その部位の血栓発生確率は高い。
【0051】
表示回路41は、流体挙動指標値と色値とを関連づけるカラーテーブルを有している。上記の通り、流体挙動指標値が高いほど血栓発生確率が低く、流体挙動指標値が低いほど血栓発生確率が高いので、流体挙動指標値が高くなるにつれ、安心感を与える色に対応する色値が関連づけられ、流体挙動指標値が低くなるにつれ、不安感を与える色に対応する色値が関連づけられると良い。安心感を与える色としては、例えば、赤色や橙色等の暖色、不安感を与える色としては、例えば、青色や青緑色等の寒色が挙げられる。なお、流体挙動指標値と色値との関連づけは、ユーザにより入力回路43を介して任意に変更可能である。
【0052】
図6は、ステップS5において表示回路41により表示されるマッピング画像MAI1の表示例を示す図である。
図6に示すように、マッピング画像MAI1は、流体挙動指標値に応じた色で表示される。具体的には、表示回路41は、ステップS4において生成されたマッピング画像に上記カラーテーブルを適用し、流体挙動指標値に関連づけられた色値を画素に割り当てることによりカラーのマッピング画像を生成する。そして表示回路41は、生成されたカラーのマッピング画像MAI1を表示する。マッピング画像MAI1を観察することによりユーザは、流体挙動指標値が高い領域すなわち血栓発生確率が高い領域RSを簡便に確認することができる。
【0053】
なお、ステップS3において心臓領域に限定して流体挙動指標値が算出された場合、表示回路41は、
図6に示すように、心臓領域のみを流体挙動指標値に応じた色で表示し、心臓領域以外の画像領域は信号値に応じたグレーで表示することとなる。血流解析対象の心臓領域に限定して色で表示することにより、心臓領域の視認性を高めることができる。
【0054】
ステップS5において表示回路41は、停滞領域を強調して表示しても良い。以下、停滞領域の強調表示に係る一連の処理について説明する。ステップS3において流体挙動指標値が画素毎に算出されると画像処理回路35は、停滞領域特定機能357を実行する。停滞領域特定機能357の実行により画像処理回路35は、複数の画素各々について流体挙動指標値を予め設定された閾値に対して比較する。流体挙動指標値が閾値よりも高い場合、画像処理回路35は、当該画素を血流停滞の可能性が低い旨のフラグ(非停滞フラグと呼ぶ)を割り当てる。流体挙動指標値が閾値よりも低い場合、画像処理回路35は、当該画素を血流停滞の可能性が高い旨のフラグ(停滞フラグと呼ぶ)を割り当てる。停滞フラグが割り当てられた画素の集合が停滞領域に設定される。ステップS4において画像処理回路35は、マッピング画像を生成する際、流体挙動指標値の他に停滞フラグ又は非停滞フラグを各画素に割り当てる。
【0055】
図7は、ステップS5において表示回路41により表示される、停滞領域の強調表示例を示す図である。
図7に示すように、表示回路41は、マッピング画像MAI2を表示する際、停滞領域に限定してカラー表示する。停滞領域RSの強調表示の場合、カラーテーブルは、閾値よりも高い流体挙動指標値に対して無色値(透明)を割り当て、閾値よりも低い流体挙動指標値に対して任意の色値を割り当てると良い。表示回路41は、マッピング画像マッピング画像MAI2に当該カラーテーブルを適用し、停滞領域RSを色で強調されたマッピング画像マッピング画像MAI2を表示する。表示回路41は、停滞領域RS以外の画像領域についてはグレー表示すると良い。このように停滞領域RSを強調表示することにより、マッピング画像マッピング画像MAI2上において停滞領域RSを容易に視認することができる。
【0056】
ステップS5が行われると、本実施形態に係る血流停滞評価が終了する。
【0057】
なお、上記実施例において画像処理回路35は、ステップS1において収集されたMR画像のうちの任意の時相のMR画像に基づいてマッピング画像を生成するものとした。しかしながら、流体挙動指標値が割り当てられる画像は、ステップS1において収集されたMR画像に限定されない。例えば、画像処理回路35は、MR画像のマトリクスサイズと同一のマトリクスサイズを有し且つMR信号に基づく信号値が割り当てられていないマップの各画素に流体指標値を割り当てても良い。
【0058】
また、ステップS3において算出された流体挙動指標値は他の用途に使用することも可能である。例えば、撮像条件決定回路39は、流体挙動指標値に基づいて他のプロトコルの撮像条件を決定することができる。他のプロトコルは、ステップS1において実行された、MR信号の収集のためのプロトコル(以下、流体挙動指標値の収集のためのプロトコルと呼ぶ)とは異なり、且つ流体挙動指標値の収集のためのプロトコルと同一の撮像部位を対象とするプロトコルである。撮像条件としては、例えば、撮像断面が挙げられる。この場合、撮像条件決定回路39は、撮像断面を、流体挙動指標値が予め設定された閾値よりも低い停滞領域に交差する断面に自動的に設定する。従って撮像条件決定回路39は、撮像断面をより簡易に設定することができる。撮像制御回路37は、設定された撮像断面をMR撮像するために傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を制御する。このMR撮像により受信回路25により収集されたMR信号に基づいて再構成回路33は、当該撮像断面に関するMR画像を再構成することができる。再構成されたMR画像は、表示回路41により表示される。このように本実施形態によれば、血栓発生確率が高い領域についてのMR撮像を簡易に行うことができる。
【0059】
なお、流体挙動指標値に基づいて決定可能な撮像条件は、撮像断面に限定されない。例えば、撮像条件決定回路39は、停滞領域の位置と当該位置の血流の検査に最も適切な撮像法や撮像パラメータとを予め関連づけたLUT(Look Up Table)を記憶している。このような撮影法としては、例えば、左心室の2ch又は4chの心臓シネMRIが挙げられる。具体的には、撮像条件決定回路39は、まず、停滞領域とともに当該停滞領域の位置を特定する。そして撮像条件決定回路39は、特定された停滞領域の位置をキーワードとして上記LUTを検索し、当該キーワードに関連づけられた撮像法や撮像パラメータを特定する。撮像制御回路37は、特定された撮像法や撮像パラメータでMR撮像するために傾斜磁場電源21、送信回路23及び受信回路25を制御する。このMR撮像により受信回路25により収集されたMR信号に基づいて再構成回路33は、当該撮像断面に関するMR画像を再構成することができる。再構成されたMR画像は、表示回路41により表示される。このように本実施形態によれば、停滞領域の位置の血流検査に適した撮像法や撮像パラメータでのMR撮像を簡易に行うことができる。
【0060】
上記の通り、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、撮像制御回路37、再構成回路33、画像処理回路35及び表示回路41を有する。撮像制御回路37は、被検体内の撮像部位を対象とするMR撮像を実行してMR信号を収集する。再構成回路33は、MR信号に基づいて複数の時相に関する複数のMR画像を再構成する。画像処理回路35は、位置合わせ機能351、指標値算出機能353及びマッピング画像生成機能355を有する。位置合わせ機能351の実行により画像処理回路35は、複数の時相に関する複数のMR画像を位置合わせする。指標値算出機能353の実行により画像処理回路35は、位置合わせされた複数のMR画像の各画素の信号値に基づいて、当該撮像部位内の流体の挙動を示す流体挙動指標値を算出する。マッピング画像生成機能355の実行により画像処理回路35は、流体挙動指標値が各画素に割り当てられたマッピング画像を生成する。表示回路41は、マッピング画像を表示する。
【0061】
上記構成により、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、一般的に行われるMRシネ撮像により収集されたMR画像に基づいて、血流等の流体の停滞評価を行うことができる。よって本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、計算流体力学を用いて血流動態から血流停滞領域を算出する手法に比して、簡易且つ簡便に血流停滞部位を特定することができる。また、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、流体の停滞評価のための特別な撮像法を用いることなく、画像処理のみで流体の停滞評価を行うことができる。例えば、本実施形態に係る画像処理が血流に適用された場合、ユーザは、簡便に血流停滞部位を特定することができ、当該血流停滞部位の位置等から血栓発生リスクを推定することができる。血栓発生リスクを知ることができればユーザは、血栓に伴う循環器系疾患に対する事前策を提案することができる。
【0062】
上記の実施形態において血流停滞評価は、MR撮像を行う磁気共鳴イメージング装置により行われるものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態に係る血流停滞評価は、ワークステーション等の医用画像処理装置により行われても良い。以下、本実施形態に係る医用画像処理装置について説明する。なお以下の説明において、本実施形態と略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。
【0063】
図8は、本実施形態に係る医用画像処理装置50の構成を示す図である。
図8に示すように、医用画像処理装置50は、磁気共鳴イメージング装置100にネットワーク等を介して接続されている。磁気共鳴イメージング装置100は、上記ステップS1と同様、被検体Oの心臓に交差する撮像断面を対象とするMRシネ撮像を実行し、MRシネ撮像により収集されたデジタルのMR信号に基づいて時系列のMR画像を再構成する。再構成された時系列のMR画像は、ネットワーク等を介して医用画像処理装置50に供給される。なお、時系列のMR画像は、PACS(picture archiving and communication system)等を介して医用画像処理装置50に供給されても良い。
【0064】
医用画像処理装置50は、画像処理回路35、撮像条件決定回路39、表示回路41、入力回路43、主記憶回路45及び制御回路51を有する。画像処理回路35は、上記の本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置と同様、本実施形態に係る画像処理プログラムを実行することにより位置合わせ機能351、指標値算出機能353、マッピング画像生成機能355及び停滞領域特定機能357を実現する。主記憶回路45は、磁気共鳴イメージング装置100から供給された時系列のMR画像を記憶する。制御回路51は、ハードウェア資源として、CPUあるいはMPUのプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。
【0065】
制御回路51は、磁気共鳴イメージング装置の中枢として機能する。主記憶回路45に記憶されている血流停滞評価プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開されたプログラムに従って医用画像処理装置50の各部を制御する。例えば、入力回路43等を介してユーザにより血流停滞評価の開始指示がなされた場合、制御回路51は、処理対象の時系列のMR画像を主記憶回路45から読み出し、画像処理回路35に供給する。そして制御回路51は、上記のステップS2−S4に係る処理を画像処理回路35に行わせてマッピング画像を生成させ、ステップS6に係る処理を表示回路41に行わせてマッピング画像を表示させる。また必要に応じて撮像条件決定回路39により、上記の通り、他のプログラムの撮像条件が決定されても良い。これにより、撮像機構を搭載しない医用画像処理装置50においても上記血流停滞評価を行うことができる。
【0066】
なお、上記実施形態において血流停滞評価に用いる画像は磁気共鳴イメージング装置により発生されたMR画像であるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。すなわち、本実施形態に係る処理対象画像は、流体を描出可能な撮像法を有する医用画像診断装置により収集された医用画像であれば、如何なる医用画像診断装置により発生された医用画像でも良い。具体的には、本実施形態に係る医用画像診断装置としては、X線コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置及びSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置等により発生された医用画像でも良い。
【0067】
かくして、本実施形態によれば、被検体内に存在する流体が停滞し易い部位を簡易に推定することが可能となる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。