特許第6883994号(P6883994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6883994歯の個別補綴再建のための歯科用構成部品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6883994
(24)【登録日】2021年5月13日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】歯の個別補綴再建のための歯科用構成部品
(51)【国際特許分類】
   A61C 13/00 20060101AFI20210531BHJP
   A61C 8/00 20060101ALI20210531BHJP
   A61C 13/08 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   A61C13/00 A
   A61C8/00 Z
   A61C13/08
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-18116(P2017-18116)
(22)【出願日】2017年2月3日
(65)【公開番号】特開2017-136372(P2017-136372A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2019年10月30日
(31)【優先権主張番号】1650935
(32)【優先日】2016年2月5日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】311008368
【氏名又は名称】アンソジール
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】リチャード,エルベ
【審査官】 小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/095033(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02127612(EP,A1)
【文献】 国際公開第2014/095034(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 13/00
A61C 8/00
A61C 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用インプラントに受容されるように意図されている、歯の個別補綴再建のための歯科用構成部品であって、
‐ 層形成が施されるコア型、又はセラミックコア型の第1要素であり、該第1要素は、連続的な第1通路部分及び第2通路部分から成る第1貫通通路を有し、前記第1通路部分は、該第1要素の近位端から第1長手軸に沿って延び、前記第2通路部分は、前記第1通路部分及び前記第2通路部分がそれらの間にゼロでない角度を形成するような方法で、前記第1通路部分を延長する、第1要素、
‐ 第2長手軸に沿って延びる第2貫通通路を備えた第2要素であり、前記第1要素に当接して受けるように意図されている遠位端を有し、且つ前記歯科用インプラントに対して軸方向に当接して重みがかかるように意図されているか又は前記歯科用インプラントの中に進入するように意図されている近位端を有する、第2要素、
‐ ネジ頭を有し、前記ネジ頭から、前記歯科用インプラント内にネジ止めによって受容されるように意図されているネジ部分が設けられたネジシャンクが延びる、固定ネジ、並びに
‐ 前記第2要素の前記遠位端から、且つ前記遠位端から離れるように、前記第2長手軸に沿って延びる数個の長手フィンであり、各長手フィンは、前記第2長手軸から離れるように半径方向に動かされることができる自由遠位部を有する、数個の長手フィン、
を有し、
‐ 前記ネジシャンクは、前記歯科用インプラントにネジ込むために前記長手フィンの間且つ前記第2貫通通路の中に受容されることによって前記第2要素を貫通することができ、その結果前記ネジ頭は、前記長手フィンの前記自由遠位部に対して前記第2長手方向に当接して支えられるようになり、前記第2要素を前記歯科用インプラント上に保持し、
‐ 前記第1要素の前記第1通路部分は、前記長手フィン及び前記ネジ頭が、前記第1要素の前記近位端からの前記第1長手軸に沿った軸方向の進入によって受容されることを可能にする横断寸法を有し、
‐ 前記ネジ頭、及び前記長手フィンの前記自由遠位部は、前記第1要素が前記長手フィン及び前記ネジ頭を受容するときに、前記第2長手軸に沿って前記第2要素に向かう前記固定ネジの相対的な並進移動が、前記第2長手軸から離れるような前記長手フィンの前記自由遠位部の半径方向移動を引き起こし、前記第1通路部分の側壁に対してそれらを押し付けて、前記第2要素から離れるような前記第1要素の引き抜きを阻むような方法で構成されており、
‐ 前記第1要素の前記第2通路部分は、前記第1通路部分の横断寸法よりも小さいが、前記第2長手軸の回りを前記固定ネジが回されることを可能にする工具の通路のために十分な横断寸法を有する、
歯科用構成部品。
【請求項2】
前記ネジ頭は、前記長手フィンの前記自由遠位部に対して接触するように意図されている実質的に円錐台形状の接触面を有し、且つ/或いは
前記長手フィンの前記自由遠位部は、前記ネジ頭に当接して受けるように意図されており、実質的に円錐台形状の面を形成する、それぞれの接触面を有する、
請求項1に記載の歯科用構成部品。
【請求項3】
前記第1要素及び前記第2要素を前記第1長手軸の回りで指標付けするための回転指標付け手段を有する、請求項1に記載の歯科用構成部品。
【請求項4】
前記第2要素は、前記歯科用インプラントの非円形断面の収容部内に受容されるように意図されている非円形断面の近位付属体を有する、請求項1に記載の歯科用構成部品。
【請求項5】
前記第1要素は、層形成されるように意図されている歯科用補綴コアである、請求項1に記載の歯科用構成部品。
【請求項6】
前記第1要素は歯科用補綴セラミックモノブロックコアである、請求項1に記載の歯科用構成部品。
【請求項7】
前記ネジ頭は、非円形断面の中空ネジソケットを有する、請求項1に記載の歯科用構成部品。
【請求項8】
前記第1要素は、前記第2長手軸から離れるようなそれらの半径方向移動の間、前記長手フィンの前記自由遠位部を受容するように意図されている溝を有する、請求項1に記載の歯科用構成部品。
【請求項9】
前記長手フィンの前記自由遠位部は、可逆的な係合を介して前記溝内に受容される、請求項8に記載の歯科用構成部品。
【請求項10】
前記溝及び/又は前記長手フィンの前記自由遠位部は、それぞれの接触面を有し、前記接触面は、前記溝に対する前記長手フィンの前記自由遠位部の半径方向の押し付けが、前記第1長手軸に沿って、前記第2要素の前記遠位端に対する前記第1要素の前記近位端の押し付けを引き起こすような方法で構成されている、請求項8に記載の歯科用構成部品。
【請求項11】
‐ 前記長手フィンの前記自由遠位部は、前記自由遠位部が第1の距離だけ前記第2長手軸から半径方向に離れている閉じ位置と、前記自由遠位部が、前記第1の距離より大きな第2の距離だけ前記第2長手軸から半径方向に離れている拡張位置との間を移動可能であり、
‐ 前記長手フィンの前記自由遠位部は、前記拡張位置に弾性的に戻され、
‐ 前記溝及び前記長手フィンは、前記第1長手軸に沿った軸方向の進入によって前記第1通路部分が前記長手フィン及び前記ネジ頭を受容するときに、前記長手フィンの前記自由遠位部がスナップ固定によって前記溝内に受容されるような方法で、寸法が定められ且つ構成されている、
請求項8に記載の歯科用構成部品。
【請求項12】
‐ 請求項1に記載の歯科用構成部品、及び
‐ ネジ止めによって前記固定ネジを受容するように意図されているネジ部分を備えた内部収容部を有する、歯科用インプラント、
を有する、歯科用組立品。
【請求項13】
請求項11に記載の歯科用構成部品の生体外組み立てのための方法であって、
a) 前記ネジシャンクを、前記長手フィンの間且つ前記第2貫通通路の中に挿入するステップ、及び
b) 前記長手フィン及び前記ネジ頭を、前記第1要素の前記近位端から、前記長手フィンの前記自由遠位部が前記溝の中にスナップ固定されるまで、前記第1長手軸に沿った軸方向の並進運動を通して、前記第1通路部分の中に挿入するステップ、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科学の分野に関し、より具体的には歯の個別補綴再建のための歯科用構成部品(composant dentaire)に関し、その歯科用構成部品は歯科用インプラントに受容されるように意図されている。
【背景技術】
【0002】
歯の個別補綴再建の文脈において、刺し通して留められるプロテーゼがしばしば頼られる。すなわち、それには、(プロテーゼを貫通する)固定ネジによって歯科用インプラントにプロテーゼが固定されることを可能にする貫通通路が設けられる。その歯科用インプラントは、患者の顎の中で骨と一体化される(osteointegre)。
【0003】
様々な種類の刺し通して留められる(transfixees)プロテーゼが知られている:
‐ (自然歯の外観に可能な限り近い外観を与えるために、一つ又はそれ以上の層の材料を適用することによって)貫通通路を開いたまま残して、歯科技工士(prothesiste)が層形成(stratification)を施す、(特には、金属製の)コアを有するもの;
‐ 自然歯の外観に可能な限り近い外観を生み出すような質感又は色の、一つ又はそれ以上の非常に軽い層で歯科技工士によって場合により被覆される(具体的にはセラミックのブロックから機械加工されるか又はセラミック粉末を焼結することによって製造される)セラミックコアを有するもの。
【0004】
患者の顎内に固定される歯科用インプラントの位置に応じて、固定ネジの通過を可能にする縦穴の冠への出現の場所を注意深く調整することがしばしば必要である。重要な点は、患者の口の中の利用可能な空間の不足にも関わらず、ネジ回し工具を使用して実際にネジにアクセスすることが可能であることである。咀嚼中に有効な歯の部分(歯尖)から離れて配置されることもまた、アクセス用縦穴の冠への出現のために重要である。
【0005】
第1要素の近位端から第1長手軸に沿って延びる第1通路部分を有し且つ第1通路部分と交わる(secant avec)第2通路部分を有し、第1通路部分及び第2通路部分がそれらの間にゼロでない角度を形成する、角をなす貫通通路が設けられたコアを備えた歯科用プロテーゼは、その目的のために知られている(特には欧州特許第2053985号明細書、国際公開第2013/004387号明細書及び米国特許出願公開第2014/0178836号明細書の文献を参照)。用語“近位(proximale)”は、“遠位(distale)”として修飾されるであろう他の部分よりも、その使用中に、より患者の近くにあるように意図された要素の一部を修飾するように意図されている。
【0006】
それらの文献において、角をなす貫通通路は、固定ネジが挿入され、第2通路部分に始まり第1通路部分の中に続く経路を介する曲線状の経路に沿って経路を定められることを可能にし、第1通路部分の端には、ネジ頭が当接して重みがかかるようになる座部がある。ネジのこの曲線状の経路は、プロテーゼのコアからの材料のかなり大きな除去を要求し、その機械的強度を低下させる。
【0007】
英国特許出願公開第2509136号明細書は、セラミックコア型の第1要素、並びに歯科用インプラントに関して第1要素に回転方向に指標付けするために第1要素内及び歯科用インプラント内に係合するように意図されている第2要素を有する、歯科用構成部品を記述する。第2要素は、第1要素と第2要素との間に不安定な接続を提供することが可能な長手フィンを有する。セラミックコア型の第1要素は角をなす貫通通路を有し、その角をなす貫通通路は、固定ネジが挿入され、第2通路部分に始まり第1通路部分の中に続く経路を介して曲線状の経路に沿って経路を定められることを可能にし、第1通路部分の端には、ネジ頭が当接して重みがかかるようになる座部がある。ネジが後に続くこの曲線状の通路は、プロテーゼのコアからの材料のかなり大きな除去を要求し、それにより第1要素の機械的強度を低下させる。
【0008】
欧州特許出願公開第2127612A1号明細書は、複数補綴再建のための角をなす歯科用アバットメントに関する。この角をなす歯科用アバットメントは、直線的でありアバットメント全体を貫通する第1通路を有する。第2通路は、傾斜しており、直線的な第1貫通通路の中間の部分に交差する。交差を形成する二つの通路を伴うこの構造は、材料の大きな除去を要求し、機械的強度の弱化を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第2053985号明細書
【特許文献2】国際公開第2013/004387号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0178836号明細書
【特許文献4】英国特許出願公開第2509136号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第2127612A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明によって提示される課題は、層形成が施されるコアを有するか又はセラミックコアを有する、刺し通して留められる歯科用プロテーゼを歯科用インプラントに固定することを可能にする一方で、骨と一体化される歯科用インプラントの方向付け、アクセス可能性及び歯の有効な部分の保存に対する拘束を考慮するために角をなす貫通通路に頼ることを可能にし、そうすることによって刺し通して留められる歯科用プロテーゼの機械的強度を不必要に下げることがない、他の解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的及び他の目的を達成するために、本発明は、以下を提案する。歯科用インプラントに受容されるように意図されている、歯の個別補綴再建のための歯科用構成部品であって、
‐ 層形成が施されるコア型、又はセラミックコア型の第1要素であり、第1要素は、連続的な第1通路部分及び第2通路部分から成る第1貫通通路を有し、第1通路部分は、第1要素の近位端から第1長手軸に沿って延び、第2通路部分は、第1通路部分及び第2通路部分がそれらの間にゼロでない角度を形成するような方法で、第1通路部分を延長する、第1要素、
‐ 第2長手軸に沿って延びる第2貫通通路を備えた第2要素であり、第1要素に当接して受ける(recevoir en appui)ように意図されている遠位端を有し、且つ歯科用インプラントに対して軸方向に当接して重みがかかる(porter en appui axial contre)ように意図されているか又は歯科用インプラントの中に進入するように意図されている近位端を有する、第2要素、
‐ ネジ頭を有し、ネジ頭から、歯科用インプラント内にネジ止めによって受容されるように意図されているネジ部分が設けられたネジシャンクが延びる、固定ネジ、並びに
‐ 第2要素の遠位端から、且つ遠位端から離れるように、第2長手軸に沿って延びる数個の長手フィンであり、各長手フィンは、第2長手軸から離れるように半径方向に動かされることができる自由遠位部を有する、数個の長手フィン、
を有し、本発明によれば、
‐ ネジシャンクは、歯科用インプラントにネジ込むために長手フィンの間且つ第2貫通通路の中に受容されることによって第2要素を貫通することができ、その結果ネジ頭は、長手フィンの自由遠位部に対して軸方向に当接して支えられる(reposer en appui axial contre)ようになり、第2要素を歯科用インプラント上に保持し、
‐ 第1要素の第1通路部分は、長手フィン及びネジ頭が、第1要素の近位端からの第1長手軸に沿った軸方向の進入によって受容されることを可能にする横断寸法を有し、
‐ ネジ頭、及び長手フィンの自由遠位部は、第1要素が長手フィン及びネジ頭を受容するときに、第2長手軸に沿って第2要素に向かう固定ネジの相対的な並進移動が、第2要素から離れるような第1要素の引き抜きを阻むために、第1通路部分の側壁に対してそれらを押し付けるために、第2長手軸から離れるような長手フィンの自由遠位部の半径方向移動を引き起こすような方法で構成されており、
‐ 第1要素の第2通路部分は、第1通路部分の横断寸法よりも小さいが、第2長手軸の回りを固定ネジが回されることを可能にする工具の通路のために十分な横断寸法を有する、
歯科用構成部品。
【0012】
そのような歯科用構成部品は、角をなす通路を有する第1要素であって、その第1要素は、層形成されるように意図されている歯科用補綴コアであるか又は歯科用補綴モノブロック(焼結又は機械加工された)セラミックコアである、第1要素を、歯科用インプラントに満足に固定することを可能にし、一方で、同時に、骨と一体化される歯科用インプラントの方向付け、口内でのアクセス可能性及び歯の有効な部分の保存に対する拘束を十分に考慮する。歯科用インプラントの中にネジ止めすることによってネジが張力化に置かれるときに、ネジ頭は、第2要素に向かって第2長手軸に沿って引かれ、第2長手軸から離れるような長手フィンの自由遠位部の半径方向移動を引き起こす。これは、第1通路部分の側壁に対して長手フィンの自由遠位部を押し付け、それにより第2要素から離れるような第1要素の引き抜きを阻む効果を有する。
【0013】
角をなす通路を作り出すために第1要素に施される必要がある材料の除去は、特に英国特許出願公開第2509136号明細書、欧州特許第2053985号明細書、国際公開第2013/004387号明細書及び米国特許出願公開第2014/0178836号明細書の文献において成されるものに対して、より少ない。具体的には、ネジは、第1通路部分内のみで受容され、もはや第2通路部分を貫通しない。固定ネジを回すために使用される工具のみが第2通路部分を貫通し、工具の進入部は頭部を有しない。したがって、第1通路部分及び第2通路部分は、比較的単純な(実質的に円筒状の)形状を有してもよい。加えて、第1通路部分の断面はネジ頭の挿入を可能にする寸法を有する必要があるものの、第2通路部分それ自体は、第1通路部分の横断寸法よりも小さく、第2長手軸の回りをネジが回されることを可能にする工具の通路のみのために十分な横断寸法を有してもよい。ネジを回すために、例えば欧州特許出願公開第2607722号明細書に記述されるような、例えばネジ止めのとき又はネジを外すときにネジ頭に対して角度を有していることを可能にする工具の使用に頼ることが可能である。
【0014】
最後に、本発明において、第1通路部分及び第2通路部分は、互いから続いており、従って、いくらか“曲がった”形の角をなす第1貫通通路を形成する。そのような構造は、除去されなければならない材料をより少なくすることを可能にし、従って、欧州特許出願公開第2127612A1号明細書において使用されるような二つの通路の間の交差よりも、機械的強度をより低い程度まで低下させることを可能にする。
【0015】
好ましくは、ネジ頭は、長手フィンの自由遠位部に対して接触するように意図されている実質的に円錐台形状の接触面を有してもよく、且つ/或いは、長手フィンの自由遠位部は、ネジ頭に当接して受けるように意図されており、実質的に円錐台形状の面を形成する、それぞれの接触面を有する。
【0016】
したがって、第2長手軸から離れるような長手フィンの自由遠位部の半径方向移動は、ネジが、第2要素に向かって第2長手軸に沿って並進して相対的に移動させられるときに、単純且つ有効な方法で得られる。
【0017】
有利には、歯科用構成部品は、第1要素及び第2要素を第1長手軸の回りで指標付けするための回転指標付け手段(moyens d'indexation)を有してもよい。そのとき、これは、第1要素と第2要素との間の動きの危険性を制限し、そのような動きは、一方又は他方の要素の(特には摩耗による)早期故障につながる恐れがある。
【0018】
好ましくは、第2要素は、歯科用インプラントの非円形断面の収容部内に受容されるように意図されている非円形断面の近位付属体を有してもよい。そのとき、これは、第2要素と歯科用インプラントとの間の動きの危険性を制限し、そのような動きは、一方又は他方の要素の(特には摩耗による)早期故障につながる恐れがある。これはまた、歯科用構成部品の、歯科用インプラントに対する固定され且つ決定された方向付けを保証する。
【0019】
有利には、第1要素は、第2長手軸から離れるようなそれらの半径方向移動の間、長手フィンの自由遠位部を受容するように意図されている溝を有してもよい。溝内への長手フィンの自由遠位部の半径方向の係合は、第2要素への第1要素の改善された保持を提供する。
【0020】
好ましくは、溝内への長手フィンの自由遠位部の係合は、可逆的であってもよい。溝内への長手フィンの係合の可逆的な特質は、歯科技工士が、第1要素を第2要素及び固定ネジに関して容易に且つ何度にもわたって組み立て及び分離することを可能にし、そのため、第1要素が層形成されている間に第1要素のみがオーブン内に置かれることができる。そのとき、これは、第2要素及び固定ネジの酸化劣化を防止する。
【0021】
好ましくは、溝及び/又は長手フィンの自由遠位部は、それぞれの接触面を有してもよく、接触面は、溝に対する長手フィンの自由遠位部の半径方向の押し付けが、第1長手軸に沿って、第2要素の遠位端に対する第1要素の近位端の押し付けを引き起こすような方法で構成されている。
【0022】
第2要素の遠位端に対する第1要素の近位端の押し付けは、第1要素と第2要素との間の接合部に細菌が入り成長する危険性を有効に制限する。
【0023】
有利には、以下のように設計されてもよい:
‐ 長手フィンの自由遠位部は、自由遠位部が第1の距離だけ第2長手軸から半径方向に離れている閉じ位置と、自由遠位部が、第1の距離より大きな第2の距離だけ第2長手軸から半径方向に離れている拡張位置との間を移動可能であり、
‐ 長手フィンの自由遠位部は、拡張位置に弾性的に戻され、
‐ 溝及び長手フィンは、第1長手軸に沿った軸方向の進入によって第1通路部分が長手フィン及びネジ頭を受容するときに、長手フィンの自由遠位部がスナップ固定によって溝内に受容されるような方法で、寸法が定められ且つ構成されている。
【0024】
溝の中への長手フィンのスナップ固定は、第1要素及び第2要素が、それらの間に閉じ込められた固定ネジをと共に、(可逆的であるが故に)不安定であるが、十分に固定されることを可能にする。したがって、歯科技工士は、全てが組み立てられた第1要素及び第2要素並びに固定ネジを含む、単一の部分組立品を歯科医に送ってもよい。次いで歯科医は、単一の動作で患者の口の中に単一の部分組立品を導入し、それを骨と一体化した歯科用インプラントに係合させることができる。それは、取り扱われる必要がある要素の数、構成部品(特にはネジ)を失う危険性及び不正確な操作の危険性を低減する。
【0025】
他の態様によれば、本発明は:
‐ 上述された歯科用構成部品、及び
‐ ネジ止めによって固定ネジを受容するように意図されているネジ部分を備えた内部収容部を有する、歯科用インプラント、
を有する、歯科用組立品を提案する。
【0026】
有利には、第2要素は、第1要素と歯科用インプラントとの間の接触無しに、第1要素を歯科用インプラントに取り付け及び固定するような方法で構成されてもよい。したがって、第2要素は、第1要素と歯科用インプラントとの間のスペーサの機能を果たす。そのとき、これは、第1要素と歯科用インプラントとの間の如何なる相対的な微小運動であっても、骨と一体化され、従って交換しなければならないことを防止することが必要な歯科用インプラントの早期摩耗につながることを防ぐ。これら全ては、歯科用インプラントがセラミック以外で(ただし、例えば金属特にチタニウム又はチタニウム合金で)で作られているときに、特に重要である。もしも第1要素と第2要素との間の微小運動が生じ、後者の早期摩耗につながるとしても、第2要素は容易且つ迅速に交換されることができる。さらに、もしも第2要素が摩耗し、破片が生成されるとしても、この破片は、骨から離れた領域内に生成され、歯科用インプラントの周りの骨の壊死の危険性を制限することができる。
【0027】
更に他の態様によれば、本発明は、溝の中にスナップ固定されている長手フィンの自由遠位部を備えた、上述された歯科用構成部品の生体外組み立てのための方法を提案し、その方法は:
a) ネジシャンクを、長手フィンの間且つ第2貫通通路の中に挿入するステップ、及び
b) 長手フィン及びネジ頭を、第1要素の近位端から、長手フィンの自由遠位部が溝の中にスナップ固定されるまで、第1長手軸に沿った軸方向の並進運動を通して、第1通路部分の中に挿入するステップ、
を含む。
【0028】
本発明の更なる目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照して与えられる、以下のいくつかの具体的な実施形態の記述から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】層形成されるように意図されている歯科用補綴コア型の第1要素を備えた、第1の実施形態による歯科用構成部品の側面図である。
図2図1の歯科用構成部品の側断面図である。
図3図1の歯科用構成部品の第1要素の下からの斜視図である。
図4図1の歯科用構成部品の第2要素の下からの斜視図である。
図5】組み立ての過程の間の図1の歯科用構成部品の側面図である。
図6図5に示される段階よりも後の段階における、組み立ての過程の間の図1の歯科用構成部品の側方からの部分断面図である。
図7図6に示される段階よりも後の段階における、組み立ての過程の間の図1の歯科用構成部品の側方からの断面図である。
図8】歯科用組立品を形成するための、歯科用インプラント上の組み立ての過程の間の図1の歯科用構成部品の側方からの断面図である。
図9】歯科用インプラント上に組み立てられ、歯科用組立品を形成した図1の歯科用構成部品の側方からの断面図であり、第1要素は、層形成された歯科用補綴コア型である。
図10図9の断面図と同様の断面図であり、第1要素は、モノブロック(焼結又は機械加工された)セラミック歯科用補綴コア型である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1乃至図10は、本発明による歯科用構成部品1の二つの実施形態を示す。第1の実施形態は図1乃至図9に示され、第2の実施形態は図10に示されている。
【0031】
より具体的に、図1及び図2から、歯科用インプラント2(図8)に受容されるように意図されている歯の個別補綴再建のための歯科用構成部品1は、以下を有することが理解されることができる:
‐ 連続的な第1通路部分5及び第2通路部分6から成る第1貫通通路4を備えた第1要素3であり、第1通路部分5は、第1要素3の近位端3aから第1長手軸I‐Iに沿って延び、第2通路部分6は、第1通路部分5及び第2通路部分6がそれらの間にゼロでない角度Aを形成するような方法で、第1通路部分5を延長する、第1要素、
‐ 第2長手軸II‐IIに沿って延びる第2貫通通路8を備えた第2要素7であり、第1要素3に当接して受けるように意図されている遠位端7bを有し、且つ歯科用インプラント2に対して軸方向に当接して重みがかかるように意図されているか又は歯科用インプラント2の中に進入するように意図されている近位端7aを有する、第2要素7、並びに
‐ ネジ頭10を有し、ネジ頭10から、歯科用インプラント2(図8)内にネジ止めによって受容されるように意図されているネジ部分12が備えられたネジシャンク11が延びる、固定ネジ9。
【0032】
3つの長手フィン13a,13b及び13cは、第2要素7の遠位端7bから、且つ遠位端7bから離れるように、第2長手軸II‐IIに沿って延び、各長手フィン13a,13b又は13cは、第2長手軸II‐IIから離れるように半径方向に移動可能な自由遠位部130a乃至130cを有する。ネジシャンク11は、歯科用インプラント2にネジ込まれるために長手フィン13a乃至13cの間且つ第2貫通通路8内に受容されている間に第2要素7を貫通することができ、そのときネジ頭10は、第2要素7を歯科用インプラント2上に保持するために、長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cに対して軸方向に当接して支えられている(図9)。第1要素3の第1通路部分5は、長手フィン13a乃至13c及びネジ頭10が、第1要素3の近位端3aからの第1長手軸I‐Iに沿った軸方向の進入によって受容されることを可能にする横断寸法を有する。この具体的な実施例において、第1通路部分5は、近位端3a付近に、自由遠位端130a乃至130cの直径D130よりも小さな最小直径D50を有する。したがって、長手フィン13a乃至13cは、図6に示されるように、第2長手軸II‐IIに向かう自由遠位部130a乃至130cの小さな半径方向移動を用いて受容される。
【0033】
ネジ頭10、及び長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cは、第1要素3が長手フィン13a乃至13c及びネジ頭10を受容するときに、第2長手軸II‐IIに沿って第2要素7に向かう固定ネジ9の相対的な並進移動が、第2長手軸II‐IIから離れるような長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cの半径方向移動を引き起こし、第2要素7から離れるような第1要素3の引き抜きを阻むように、第1通路部分5の側壁5aに対してそれらを押し付けるような方法で構成されている。
【0034】
第2通路部分6は、第1通路部分5の横断寸法(直径D5)よりも小さいが、第2長手軸II‐IIの回りで固定ネジ9を回すための工具の通路のために十分な横断寸法(本実施例においては直径D6)を有する。
【0035】
より具体的には、それにより保護に如何なる限定も構成することなく、ネジ頭10は、非円形断面の中空ネジソケット10a、本実施例においては六角ソケットを有する。
【0036】
第2通路部分6内で角度Aをもって係合した工具を使用して固定ネジ9を第2長手軸II‐IIの回りで回すために、当業者によく知られているキーのような、ボールジョイント効果を可能にする六角キーを使用することが可能である。ソケット10aはまた、欧州特許出願公開第2607722号明細書の教示に従って、ボールジョイント効果を可能にする回転駆動工具の使用を可能にするように設計されてもよい。
【0037】
第1通路部分5は、ネジ頭10の外径D10よりも僅かに大きな直径D5の最小断面を有する必要があることが、明確に理解されるであろう。その部分について、第2通路部分6は、第1通路部分5の横断寸法よりも小さな横断寸法(本実施形態における直径D6)を有してもよい。なぜなら、固定ネジ9を回すために使用される回転駆動工具は、それがネジ頭10内の中空ソケット10aに入るだけでよいときには、それ自体、直径D10よりも著しく小さな断面を有し得るからである。したがって、第1要素3は、第2通路部分6の付近において、より多くの構成する材料を保持することができ、それ故により大きな機械的強度を提供することができる。
【0038】
より具体的に、図2において、ネジ頭10は、長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cに対して接触するように意図されている実質的に円錐台形状の接触面10bを有することが理解されることができる。それらの部分について、長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cは、ネジ頭10に当接して受けるように意図されており、実質的に円錐台形状の面14を形成する、それぞれの接触面131a乃至131cを有する。ネジ頭10の接触面10b並びにそれぞれの接触面131a乃至131cによって形成される実質的に円錐台形状の面14は、図2に示されるような直線的な外形を有することの代わりに、断面の漸進的な縮小が同様に達成されるならば、曲線状の(凸状又は凹状の)外形を有してもよいことが留意されるべきである。したがって、特には(二つの実質的に平行な平面の間の球体の交わりである)切断された球体状の接触面10b及び/又は14を想定することが可能である。これらの代替的な形状の形成の全ては、表現“実質的に円錐台形状(sensiblement tronconique)”によって含まれると考えられる。接触面10b及び/又は14の形状は、固定ネジ9が、歯科用インプラント2にネジ込まれるときの第2要素7に向かう相対的な並進移動を受けるときに、第2長手軸II‐IIから離れるような自由遠位部130a乃至130cの半径方向移動を促進する。
【0039】
より具体的に、図3及び図4から、第1要素3は、第1通路部分5への入口に、120°離間して配置され、第2要素7上の長手フィン13a乃至13cの基部に設けられた3つの対応するピン16a乃至16c(図4において、第2要素7が方向付けられた向きに起因してピン16aは見えない)を受容するように意図されている、3つの半径方向の収容部15a乃至15cを有することが理解されることができる。半径方向の収容部15a乃至15c並びに対応するピン16a乃至16cは、第1要素3及び第2要素7を、(第1要素3及び第2要素7が組み立てられたときに第2長手軸II‐IIと一致する)第1長手軸I‐Iの回りで指標付けするための回転指標付け手段17を構成する。
【0040】
図4から、第2要素7は、非円形(丸まった頂点をもつ実質的に三角形の)断面の近位付属体18を有することも理解されることができる。その近位付属体18は、対応する非円形断面の断面を有する、歯科用インプラント2の対応する収容部19(図8)内に受容されるように意図されている。近位付属体18及び収容部19は、第2長手軸II‐IIの回りの回転に関して、歯科用インプラント2に対して第2要素7を指標付けするために協働する。
【0041】
近位付属体18の上には、歯科用インプラント2の中に円錐状に差し込むように意図されている円錐台形状部分がある。
【0042】
図2から、第1要素3は、第2長手軸II‐IIから離れるようなそれらの半径方向移動の間、長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cを受容するように意図されている溝20を有することが、より明確に理解されることができる。
【0043】
溝20及びネジ頭10は、それぞれの接触面21及び22を有し、接触面21及び22は、溝20に対する長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cの半径方向の押し付けが、第1長手軸I‐Iに沿って、第2要素7の遠位端7bに対する第1要素3の近位端3aの押し付けを引き起こすように構成されている。この具体的な実施例において、溝20の接触面21は円錐台形状部分210を有し、ここで自由遠位部130a乃至130cのそれぞれの接触面21a乃至22cは、実質的に円錐台形状の面22を形成する。もう一度、“実質的に円錐台形状”と呼ばれるこれらの面は、直線的な外形を有するように描写されているが、この外形は、同様に曲線状(凹状又は凸状)であってもよい。
【0044】
より具体的に、図6において、長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cは、自由遠位部が第1の距離d1だけ第2長手軸II‐IIから半径方向に離れている閉じ位置(図6)と、自由遠位部が、第1の距離d1より大きな第2の距離d2だけ第2長手軸II‐IIから半径方向に離れている拡張位置(図7)との間を移動可能であることが、理解されることができる。長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cは、拡張位置(図7)に弾性的に戻される。溝20及び長手フィン13a乃至13cは、第1長手軸I‐Iに沿った軸方向の進入によって第1通路部分5が長手フィン13a乃至13c及びネジ頭を受容するときに、長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cがスナップ固定によって溝20内に受容されるような方法で、寸法が定められ且つ構成されている。
【0045】
図8は:
‐ 上述された歯科用構成部品1、及び
‐ ネジ止めによって固定ネジ9を受容するように意図されているネジ部分25を備えた内部収容部24を有する、歯科用インプラント2、
を有する、歯科用組立品23を示す。
【0046】
図1乃至図9に示される実施形態において、第1要素3は、層形成されるように意図されている、金属又はいくつかの他の材料で作られた補綴コアである。図9において、歯科技工士によって施される層形成27は、第2通路部分6を開いたままにすることが理解されることができる。ひとたび歯科用構成部品1が固定ネジ9を用いて歯科用インプラント2の上に固定されると、歯科医は、第2通路部分6へのアクセスを提供する穴28を、適切な材料をその中に注入することによって再び塞いでもよい。
【0047】
図10に示される第2の実施形態は、第1要素3が歯科用補綴モノブロックセラミックコアである点でのみ、図9に示される第1の実施形態と異なる。このモノブロックセラミックコアは、セラミックの固体ブロックから機械加工によって得られてもよく、或いは粉末を焼結させることによって得られてもよい。モノブロックセラミックコアはまた、(例えば、もしも患者が黄色っぽい歯を有するならば、着色に関して)患者の歯列により良く適合する見た目を与えるラッカーのような材料の軽量層を、その外表面上に有してもよい。もう一度、図9に示される第1の実施形態におけるように、第2通路部分は、歯科用構成部品1が歯科用インプラント2に付け加えられ、固定ネジ9を用いて固定された後に歯科医によって塞がれる。
【0048】
これから、本発明による歯科用構成部品1の使用が、図2及び図5乃至図9を使用して説明される。
【0049】
患者の歯の一つの個別補綴再建のために、歯科技工士は、患者の顎の中で骨と一体化された歯科用インプラント2に対応する標準的な要素である、第2要素7及び固定ネジ9を採用する。第1要素3は、好ましくは三次元機械加工を使用して、歯科技工士によって患者のためにカスタムメイドされる要素である。
【0050】
ひとたび第1要素3が歯科技工士によって製造されると、彼は、歯科用構成部品1の生体外組み立てを実行してもよい。それを行うために、歯科技工士は、ネジシャンク11を、長手フィン13a乃至13cの間且つ第2貫通通路8の中に挿入する(その動きは、図5において矢印29によって示される)。
【0051】
次に、歯科技工士は、長手フィン13a乃至13c及びネジ頭10を、第1要素3の近位端3aから、第1長手軸I‐Iに沿った軸方向の並進運動(図6において矢印30によって示される)を通して、第1通路部分5の中に挿入する。この挿入を可能にするために、自由遠位部130a乃至130cは、それらの拡張位置(図5)から閉じ位置(図6)に向かって弾性的に移動させられる。その後、歯科技工士は、長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cが溝20の中にスナップ固定される(obtenir un encliquetage)まで(図7)、軸方向の並進運動(図6における矢印30)を継続する。この挿入の間に、ピン16a乃至16cは、収容部15a乃至15c内に受容されて、第1長手軸I‐Iの回りで第1要素及び第2要素7を回転方向に指標付けする。
【0052】
そのとき、これは、図7に示されるような組み立てられた歯科用構成部品1を生み出す。
【0053】
次に、歯科技工士は、第2通路部分6を開いたままにしながら、第1要素3の層形成を実行する。この層形成の間、歯科用構成部品1は、概してマスターモデル上に取り付けられている。歯科技工士は、隣接する歯を考慮しながら、自然歯の外観に可能な限り近い外観を生み出すように第1要素3に一つ又はそれ以上の層の材料を適用する。
【0054】
各層は、オーブン内で焼かれなければならない。それを行うために、歯科技工士は、マスターモデルから歯科用構成部品1を取り出し、溝20内への長手フィン13a‐13cの自由遠位部130a‐130cの可逆的な係合のおかげで、層形成された第1要素3を第2要素7及び固定ネジ9から容易に取り外す。次いで第1要素3は、適用された材料の層を焼くためにオーブン内に置かれる。第2要素7及び固定ネジ9は、それらが酸化されることを防ぐために、オーブンに入れられない。酸化された第2要素7は、歯肉を後退させ得る。さらに、第2要素7及び/又は固定ネジ9の酸化は、その(それらの)機械的な強度を低下させることになる。
【0055】
ひとたび第1要素3が歯科技工士によって層形成されると、彼は、歯科用構成部品1の最終的な生体外組み立てを実行し、次いで、組み立てられた歯科用構成部品1を、それを患者の口に取り付けるであろう歯科医に送ってもよい。それを行うために、図8に示されるように、歯科医は、(“基部”として修飾されることもあり得る)第2要素7を歯科用インプラント2の内部収容部24の中に挿入する。この挿入の間に、近位付属体18は、第2長手軸II‐IIの回りの回転に関して、歯科用構成部品1を指標付けするために歯科用インプラント2の収容部19と協働する。近位付属体18の上に位置付けられた円錐台形状部分は、歯科用インプラント2の非円形断面の収容部19の上に位置付けられた対応する形状の円錐台形状の部分の中に円錐状に差し込む。この円錐状の一体的差し込みは、組立品の良好な安定性に貢献する。
【0056】
次いで、歯科医は、第2通路部分6の中に工具(本実施例においては六角キー)を、その端がネジ頭10内の中空ソケット10aに入るまで、挿入し、固定ネジ9が回されることを可能にする。次いで、歯科医は、固定ネジ9を歯科用インプラント2のネジ部分25にネジ込む。これは、第2長手軸II‐IIに沿って第2要素7に向かう固定ネジ9の相対的な並進移動を引き起こす効果を有する。ネジ頭10並びに長手フィン13a乃至13cの自由遠位部130a乃至130cの形状のおかげで、固定ネジ9のこの並進移動は、第2長手軸II‐IIから離れるような自由遠位部130a乃至130cの半径方向移動を引き起こし、第1通路部分5の側壁5aに対してそれらを押し付ける。これの一つの結果として、固定ネジ9のネジ止めは、(溝20の)接触面21及び(自由遠位部130a乃至130cの)接触面22a乃至22cを、互いに対して押し付ける。溝20に対する自由遠位部130a乃至130cの半径方向の押し付けは、第1長手軸I‐Iに沿って、且つ接触面21及び22a乃至22cの方向付けに起因して、第2要素7の遠位端7bに対する第1要素3の近位端3aの押し付けを引き起こす。この押し付けは、そこで細菌が成長すること防ぐように、第1要素3と第2要素7との間の接合部における良好な封止を確かにすることを可能にする。そのとき、これは、図9に示される構成となる。
【0057】
最後に、歯科医は、適切な材料を使用して第2通路部分6の穴28を塞ぐ。
【0058】
図10に示される歯科用構成部品の使用は、図1乃至図9の歯科用構成部品1の先に記述された使用に全ての点で類似する。本実施形態において、第1要素3はまた、一つ又はそれ以上の非常に軽い質感又は着色の層の歯科技工士による適用によって、(任意的な)層形成を受けて、自然歯の外観に可能な限り近い外観を生み出してもよい。
【0059】
(セラミックのブロックから機械加工されるか又は特にはセラミック粉末を焼結することによって製造される)セラミックコアの形を取る第1要素3を備えた本発明の第2の実施形態の文脈において、第2要素7は、第1要素3と歯科用インプラント2との間の直接的な接触無しに、第1要素3が歯科用インプラント2に付け加えられ、固定されることを可能にする。第2要素7は、スペーサの機能を果たす。そのとき、これは、第1要素3と歯科用インプラント2との間の相対的な微小運動が、骨と一体化され、従って交換しなければならないことを防止することが必要な歯科用インプラント2の早期摩耗につながることを防止する。これは、歯科用インプラント2がセラミック以外で(ただし、例えば金属、具体的にはチタニウム又はチタニウム合金で)で作られているときに、特に非常に重要である。もしも第1要素3と第2要素7との間の微小運動が生じ、後者の早期摩耗を引き起こすとしても、第2要素7は容易且つ迅速に交換されることができる。
【0060】
本発明は、明示的に記述された実施形態に制限されず、特許請求の範囲内に含まれる様々な代替的な形式及びそれらの一般化を含む。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10