(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、理解の容易のため、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において、照明一体型ガス検知器の高さ方向の口金側を上または上方といい、照明一体型ガス検知器の高さ方向のカバー側を下または下方という場合がある。また、本明細書では、3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の3次元直交座標系を用い、照明一体型ガス検知器の中心軸に平行な方向をZ軸方向とし、中心軸Jに直交する面において、互いに直交する2つの方向のうち一方をX軸方向とし、他方をY軸方向とする。
【0011】
<照明一体型ガス検知器>
本実施形態に係る照明一体型ガス検知器について説明する。本実施形態では、照明一体型ガス検知器を天井のソケットに取り付けた場合について説明する。本実施形態に係る照明一体型ガス検知器は、空気よりも軽いガスを検知対象とする。
図1は、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器を天井のソケットに取り付けた一例を示す図である。なお、
図1では、照明一体型ガス検知器とソケットとの位置関係が分かり易いように、照明一体型ガス検知器は側面図で示し、ソケットは断面図で示す。
図1に示すように、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器10は、天井11に設けたソケット12に取り付けられている。
【0012】
図2は、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器の外観を示す斜視図であり、
図3は、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器からガイド部を除いた状態を示す図であり、
図4は、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器の構成の一例を示す概略図である。
【0013】
なお、
図2〜
図4中の一点鎖線は、照明一体型ガス検知器10の中心軸Jを示す。中心軸Jとは、照明一体型ガス検知器10を天井11に設置してあるソケット12に取り付ける際の回転中心となる軸である。本実施形態では、中心軸Jは、照明一体型ガス検知器10の筐体、照明用カバーおよび口金の回転軸に一致する。
【0014】
図2〜
図4に示すように、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器10は、発光部20、ガス検知部30、およびガイド部40を有する。
【0015】
(発光部)
発光部20は、発光モジュール21、駆動回路22、筐体23、放熱部24、照明用カバー25、口金26、および人感センサ部27を有する電球である。
【0016】
発光モジュール21は、例えば、白色光などの可視光(照明光)を、主光放射方向を照明一体型ガス検知器10の下方(−Z軸方向)として放射する。発光モジュール21は、照明用カバー25の内側に配置されている。発光モジュール21は、放熱部24に取り付けられており、駆動回路22から供給される電力によって発光する。
【0017】
発光モジュール21は、基板211と、基板211の片面に実装された発光素子212とを有する。
【0018】
基板211は、発光素子212を実装するための基板である。基板211は、例えば、平面視において略円形の基板である。基板211は、例えば、止め金具、ねじ、または接着剤などにより、放熱部24に取り付けられている。基板211としては、例えば、エポキシなど公知の樹脂材料で形成された樹脂基板、金属基板、アルミナなどのセラミックス材料の焼結体で形成されたセラミックス基板、絶縁性樹脂材料で被覆された金属基板などが用いられる。中でも、絶縁性樹脂材料で被覆された金属基板を用いることが好ましい。なお、基板211の形状は、円形に限らず、矩形などでもよい。
【0019】
発光素子212は、基板211の片面上に複数実装されている。発光素子212は、表面実装(SMD:Surface Mount Device)型素子である。本実施形態では、複数の発光素子212が、基板211の下面(−Z軸方向の面)の中心軸Jを中心とする円周上に配置されている。各発光素子212は、主光放射方向を照明一体型ガス検知器10の下方(−Z軸方向)に向けた姿勢で基板211に実装されている。
【0020】
発光素子212としては、例えば、照明用の白色光を発光するLED素子など公知のLED素子を用いる。
【0021】
発光素子212は、容器212aと、容器212a内に配置されたLEDチップ212bと、LEDチップ212bを封止する封止部材212cとを備える。なお、封止部材212cは、LEDチップ212bから発せられる光の波長を変換する波長変換材料を含んでいることが好ましい。
【0022】
LEDチップ212bとして、例えば、青色光を発する青色LEDチップが用いられる。青色LEDチップとしては、例えばInGaN系の材料によって形成された、中心波長が例えば440nm〜470nmのGaN系の材料が用いられる。この場合、封止部材212cは、例えば、YAG系の黄色蛍光体粒子を波長変換材料として含むことで、発光素子212からは白色光を放出させるようにすることができる。
【0023】
なお、本実施形態では、発光素子212として、LED素子を用いているが、これに限定されず、LED素子以外でもよい。
【0024】
駆動回路22は、矩形状のプリント基板であり、筐体23内の、発光モジュール21と口金26との間に設けられている。駆動回路22は、図示しないリード線などによって、発光モジュール21および口金26の各々と電気的に接続されている。駆動回路22は、点灯回路(電源回路)と、制御回路とを有する。
【0025】
前記点灯回路は、口金26から供給される交流電力を直流電圧に変換し、電力を発光モジュール21に供給する。これにより、発光モジュール21を駆動させて発光素子212を点灯させる。
【0026】
前記制御回路は、壁などに取り付けられている交流電源スイッチやリモコンで点灯若しくは消灯を行うことにより、または人感センサ部27から送信される検知信号に基づいて、人の存在やコネクタの接続状態を判定して点灯若しくは消灯を行うことにより、点灯制御することができる。
【0027】
なお、駆動回路22は、口金26の回転軸と平行に筐体23内に収納されるように、例えば、不図示の略円筒形状に成形された回路収容部に収容して筐体23内に収容してもよい。このとき、例えば、前記回路収容部の下端部を放熱部24に固定して、前記回路収容部の上端部を口金26に取り付けることで、前記回路収容部は筐体23内に安定して収容することができる。
【0028】
筐体23は、発光モジュール21と口金26との間に設けられている。筐体23は、駆動回路22の周囲を囲むように形成された筒体である。筐体23の外面は、大気中に露出している。筐体23の一方の端部(−Z軸方向の端部)は、照明用カバー25と着脱可能に接続され、他方の端部(+Z軸方向の端部)は、口金26と接続されている。
【0029】
筐体23は、放熱部24を介して発光モジュール21を保持する。なお、筐体23は、直接、発光モジュール21を保持してもよい。
【0030】
筐体23は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など公知の絶縁性樹脂材料を用いて形成される。筐体23は、絶縁性を有するので、筐体23は、その内部に駆動回路22を収容することで、照明一体型ガス検知器10の絶縁性を維持することができる。
【0031】
また、筐体23が樹脂材料で形成される場合、筐体23の熱伝導性は小さい。そのため、筐体23内に収容されている駆動回路22上の電子部品などで熱が発生しても、発光モジュール21側に伝わり難い。よって、発光モジュール21よりも光の放射側に位置している人感センサ部27は、駆動回路22で発生した熱による影響を殆ど受けない。なお、駆動回路22上の電子部品などで発生した熱は、熱伝導性の大きな口金26側に伝導する。
【0032】
放熱部24は、筐体23内の、発光モジュール21と駆動回路22との間に設けられ、発光モジュール21などで生じた熱を放熱する。放熱部24は、中心軸Jと直交する平面を有する略円板状の平面部241と、その上端部に突設された略筒状の保持部242とが一体に成形されている。
【0033】
平面部241は、その一方の面(−Z軸方向)に発光モジュール21の基板211が取り付けられ、ネジなどで固定されている。そのため、放熱部24は、発光モジュール21を支持する支持部材(支持台)として機能する。
【0034】
平面部241は、その周縁部に、照明用カバー25と着脱可能に接合されている。
【0035】
放熱部24は、例えば、アルミニウムなど熱伝導性の高い金属、または熱伝導性の高い樹脂材料などで形成される。放熱部24は、発光モジュール21の発光素子212で発生する熱を外部に放熱させる。そのため、放熱部24は、発光素子212で発生した熱を効率良く外部に放出させることができる。
【0036】
なお、本実施形態では、放熱部24は、筐体23と別部材としているが、これに限定されず、筐体23の一部を放熱部24と同一材料で形成し、筐体23の一部に放熱部24と同様、放熱機能を持たせるようにしてもよい。
【0037】
照明用カバー25は、発光モジュール21の光放射面側に設けられている。なお、光放射面側とは、発光モジュール21の主光放射方向である照明一体型ガス検知器10の下方(−Z軸方向)をいう。照明用カバー25は、中心軸Jを中心とする中空の略半球状の回転体であり、筐体23の端部と連結されている。
【0038】
照明用カバー25は、光透過性を有する。そのため、発光モジュール21から放出される光は、照明用カバー25の内面に入射すると、照明用カバー25を透過して照明用カバー25の外部へと放出される。
【0039】
照明用カバー25は、光透過性を有する材料で形成されている。光透過性を有する材料としては、例えば、シリカガラスなどのガラス材料、またはポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)若しくはポリカーボネート樹脂(PC)などの樹脂材料などで形成される。なお、照明用カバー25には、発光モジュール21から放出される光を拡散させるための拡散処理が施されていてもよい。
【0040】
照明用カバー25は、筐体23の端部に連結できれば、筐体23への照明用カバー25の連結方法は特に限定されない。照明用カバー25は、例えば、筐体23の端部に嵌め入れられていてもよいし、接着剤などを用いて筐体23の端部に接着されていてもよい。
【0041】
なお、本実施の形態では、照明用カバー25は中空の略半球体に形成されているが、これに限定されず、扁平な回転楕円体などでもよい。
【0042】
照明用カバー25は、頂点部を中心に、平面視で円形の凹部251を有する。凹部251には、人感センサ部27が設けられる。
【0043】
人感センサ部27は、人感センサ基板271、および人感センサ用カバー272を有する。
【0044】
人感センサ基板271は、公知のアクティブ型人感センサである。人感センサ基板271は、所定の周波数帯の電磁波(例えば、周波数が24GHz程度)の発信回路と、反射してくる電磁波の受信回路とを有する。人感センサ基板271は、例えば、駆動回路22と不図示のコネクタなどを介して、人感センサ基板271で検出した信号を駆動回路22に送信可能に駆動回路22と接続されている。
【0045】
人感センサ基板271は、例えば、人の存在の有無を判定し、発光素子212の点灯または消灯の制御が行なわれる。点灯制御は、例えば、壁スイッチやリモコンで点灯若しくは消灯を行うモード、または人感センサ部27による点灯若しくは消灯モードに切り替えることができる。
【0046】
なお、人感センサ基板271は、前記発信回路からの送信波として、電磁波に代えて、超音波や赤外線などでもよい。
【0047】
人感センサ用カバー272は、有底円筒状に形成されている。人感センサ用カバー272は、
図4に示すように、底部272aと、照明用カバー25の外面と連続するように形成された外面部272bと、側壁部272cとで形成されている。底部272aには、人感センサ基板271と駆動回路22とを接続する配線が通る不図示の電線用孔が設けられている。側壁部272cには、人感センサ基板271を挿入するための隙間272dが形成されている。人感センサ用カバー272が、照明用カバー25に連結される前に、予め、人感センサ基板271は、隙間272dから挿入され、底部272aに着脱可能に固定される。
【0048】
人感センサ用カバー272は、発光モジュール21から離間した状態で配置されている。そのため、発光素子212で発生した熱が、人感センサ用カバー272の底部272aに設けられた人感センサ基板271に直接伝わることはない。また、発光素子212で発生した熱は、外気に露出した放熱部24の周壁全面から効果的に放熱される。そのため、人感センサ用カバー272の底部272aに設けられた人感センサ基板271の温度が、発光素子212の発熱で温度上昇することを抑制することができる。
【0049】
人感センサ用カバー272は、例えば、照明用カバー25と同じ材料を用いて形成することができる。
【0050】
人感センサ用カバー272は、照明用カバー25と分離可能となっている。人感センサ基板271を人感センサ用カバー272から取り外す場合、照明用カバー25を筐体23および人感センサ用カバー272から取外した後、人感センサ用カバー272の隙間272dから人感センサ基板271を取外す。
【0051】
口金26は、発光素子212を発光させるための電力を照明一体型ガス検知器10の外部から受電する受電部である。口金26は、
図1に示すように、天井11に取り付けたソケット12に取り付けられる。これにより、口金26は、ソケット12から電力を受けることで、発光素子212を発光させることができる。
【0052】
口金26は、金属製の有底筒体である。本実施形態では、口金26は、ねじ込み式のエジソンタイプ(E型)の口金である。また、口金26の形式は、ねじ込み式に限定されず、差し込み式でもよい。
【0053】
発光部20は、人感センサ部27を備えることで、人感センサ部27には、常に電力を供給することができるので、例えば、消灯中などでも室内でガスの漏洩が生じた場合、漏洩したガスを検知することができる。
【0054】
(ガス検知部)
ガス検知部30は、室内でガスが漏洩した時、漏洩したガスを検知するものである。ガス検知部30は、発光部20の筐体23の外周に設けられている。ガス検知部30の筐体23への取り付け方法は、特に限定されず、例えば、接着剤を用いてガス検知部30を筐体23に取り付けるなど公知の方法を用いることができる。なお、ガス検知部30はガスを検知できれば、特に限定されず、公知のガス検知素子などを用いることができる。
【0055】
本実施形態では、ガス検知部30は筐体23の外周に一つ設けられているが、これに限定されるものではなく、筐体23の周方向に複数設けられていてもよい。
【0056】
(ガイド部)
ガイド部40は、筐体23の外側に設けられている。ガイド部40は、発光部20の筐体23の外周に突出した連結部41と、連結部41から発光部20の筐体23の外周に、筐体23の全周を囲うように設けられた傘部42とを有する。
【0057】
連結部41は、筐体23の外周に一つ設けられているが、これに限定されるものではなく、筐体23の周方向に複数設けられていてもよい。
【0058】
傘部42は、発光部20と所定の間隙を有して設けられている。これにより、発光部20の筐体23とガイド部40との間に空間Sが形成される。また、傘部42の筐体23との間隔は、傘部42の下側(−Z軸方向)よりも傘部42の上側(+Z軸方向)の方を狭くし、空間Sを流れるガスの断面積は、ガイド部40の下側(−Z軸方向)よりもガイド部40の上側(+Z軸方向)の方を小さくしている。
【0059】
さらに、傘部42の下端部(−Z軸方向の端部)は、筐体23の外側であって、照明用カバー25と放熱部24との連結箇所の近傍に設けられている。
【0060】
なお、傘部42は、筐体23の外周を全て囲うようにしているが、ガス検知部30を囲うようにしていれば、ガス検知部30を含む筐体23の外周の一部のみを囲うようにしてもよい。
【0061】
次に、照明一体型ガス検知器10におけるガスの流れについて説明する。なお、本実施形態では、ガイド部40の下側(−Z軸方向)が、筐体23とガイド部40との間の空間Sの入口側となり、ガイド部40の上側(+Z軸方向)が空間Sの出口側となる。
【0062】
照明一体型ガス検知器10の発光モジュール21の発光時、発光モジュール21から熱を生じる。この発光モジュール21の発光で生じる熱により、発光部20の全体が暖められている。そのため、空間Sにある空気は、発光モジュール21の発光により暖められると、膨張して上昇する。これにより、空間Sの下端から新たな空気が流入し、暖められて上昇する。このように、空間S内の空気は、順次、暖められて上昇することで、空間S内に空気の対流が生じる。
【0063】
この状態で、室内でガスが漏洩した場合、漏洩したガスは、空気よりも軽いので、次第に天井に向かって上昇する。
図5に示すように、漏洩したガスを含む空気の一部は、空間Sの入口側に達する。空間Sでは、上述したように、空気の対流が発生している。そのため、ガスを含む空気も空間S内に流入する。
【0064】
空間Sに流入したガスを含む空気は、発光モジュール21の発光により生じる熱により高温に温められる。そのため、ガイド部40の下側(−Z軸方向)からガイド部40の上側(+Z軸方向)に向かって、漏洩したガスを含む空気の対流が生じる。これにより、空間Sに流入したガスを含む空気は、ガイド部40の下側(−Z軸方向)からガイド部40の上側(+Z軸方向)に向かって上昇する。よって、空間S内のガスを含む空気は、筐体23の外周に設けたガス検知部30と接触しながら、ガイド部40の上側(+Z軸方向)から強制的に流出させられる。このとき、空間Sに流入したガスが筐体23の外周に設けたガス検知部30と接触することで、ガス検知部30は空間Sに流入したガスを検知する。ガイド部40の下側(−Z軸方向)からガイド部40の上側(+Z軸方向)に流れる空気の対流を生じさせることにより、ガス検知部30と漏洩したガスとの接触機会を増やすことができるので、漏洩したガスの検知性能を高めることができる。
【0065】
また、発光部20の筐体23とガイド部40の傘部42との間隔は、ガイド部40の下側(−Z軸方向)よりもガイド部40の上側(+Z軸方向)の方を狭くし、空間Sの断面積は、ガイド部40の下側(−Z軸方向)よりもガイド部40の上側(+Z軸方向)の方を小さくしている。そのため、空間Sに流入したガスを含む空気の流速は、ガイド部40の上側(+Z軸方向)に行くにしたがって速くなるので、空間Sから流出する時のガスを含む空気の流速は、空間Sに流入する時のガスを含む空気の流速よりも速くすることができる。ガスを含む空気の流速を速めることにより、ガス検知部30と漏洩したガスとの接触機会をより増やすことができるので、ガス検知部30におけるガスの検知性能をより高めることができる。
【0066】
ガス検知部30は、筐体23の外周の中でも、筐体23の駆動回路22が収容されている位置に設けられることが好ましい。発光モジュール21の発光時、駆動回路22も発熱している。そのため、発光部20の熱で上昇してきたガスを含む空気は、駆動回路22で生じる熱により更に加熱されることで、ガイド部40の下側(−Z軸方向)と上側(+Z軸方向)との間にガスを含む空気の温度差が生じる。よって、筐体23の駆動回路22が収容されている位置付近は、ガスを含む空気の流速を更に速めることができるので、ガス検知部30がガスを検知させ易くすることができる。
【0067】
さらに、傘部42の下端部(−Z軸方向の端部)は、筐体23の外側であって、照明用カバー25と放熱部24との連結箇所の近傍に設けられているので、発光モジュール21からの光が当たりにくい位置にある。そのため、傘部42は、発光モジュール21からの光が外部に放射されるのを邪魔することを防ぐことができる。
【0068】
このように、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器10は、上記のような構成を有することにより、ガイド部40の下側(−Z軸方向)から流入したガスを含む空気の流速を速めながら、空間Sに流入したガスを含む空気をガイド部40の上側(+Z軸方向)から流出させている。これにより、ガス検知部30と漏洩したガスとの接触機会を増やすことができるので、ガス検知部30によるガスの検出感度を向上させ、ガスの検知性能を高めることができる。
【0069】
照明一体型ガス検知器10は、家やビルなどの建物の天井に設置することができるので、ガスの中でも、例えば、都市ガス、またはメタンなどの天然ガスなどを検出するのに有効に用いることができる。
【0070】
なお、本実施形態では、照明用カバー25は、凹部251を有するが、人感センサ基板271を設けない場合には、設けなくてもよい。
【0071】
本実施形態では、外部電源から電力を供給するようにしているが、これに限定されず、さらに、例えば、蓄電池からも電力を供給できるようにしてもよい。
図6は、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器10が蓄電池を備える場合の一例を示す図である。
図6に示すように、蓄電池51および変換器52を備える。蓄電池として、例えば、ニッケルカドニウム電池、リチウム水素電池、またはリチウムイオン電池などの充放電可能な二次電池を用いることができる。蓄電池51は、変換器52を介して、外部電源で充電可能に接続されると共に、照明一体型ガス検知器10と接続されている。外部電力が、例えば、停電時などで照明一体型ガス検知器10に供給されなくなった場合、スイッチSW1により、外部電源からの電力の供給回路が遮断され、スイッチSW2が接続される。これにより、照明一体型ガス検知器10は、蓄電池51から電力の供給を受ける。よって、外部電源から照明一体型ガス検知器10への電力の供給が遮断された場合でも、ガス検知部30に電力を継続して供給することができる。
【0072】
また、照明一体型ガス検知器10は、上記の
図6に示すような蓄電池51を照明一体型ガス検知器10内に備えてもよい。照明一体型ガス検知器10は、外部電力が例えば停電時などで照明一体型ガス検知器10に供給されなくなった場合、照明一体型ガス検知器10内に備えた前記蓄電池から発光モジュール21に電力を供給する。これにより、照明一体型ガス検知器10は、非常灯として機能することもできる。この結果、照明一体型ガス検知器10は、常に、ガス検知部30に安定して電力を供給することができる。
【0073】
なお、発光モジュール21が発光していなくても、発光部20の駆動回路22などには、微弱な電流は流れているので、発光部20は僅かではあるが暖められている。そのため、発光部20は、漏洩したガスを含む空気も僅かではあるが暖めるので、ガイド部40の下端側(−Z軸方向)から上端側(+Z軸方向)にかけて流れる。よって、発光モジュール21が発光していなくても、ガス検知部30でガスの漏洩を検知することができる。
【0074】
本実施形態では、照明一体型ガス検知器10を取り付ける態様の一例として、
図1に示すように、建物の天井11に設置したソケット12に取り付ける場合について説明したが、本実施形態は、これに限定されない。例えば、照明一体型ガス検知器10の口金26は、
図7に示すように、壁から突出したライト保持部61に取り付けるようにしてもよい。
【0075】
また、照明一体型ガス検知器10は、埋め込み型であるダウンライトに適用してもよい。
図8は、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器をダウンライトに適用した一例を示す図である。なお、
図8では、照明一体型ガス検知器とソケットとの位置関係が分かり易いように、照明一体型ガス検知器は側面図で示し、ソケットは断面図で示す。
図8に示すように、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器10は、天井11に設けたソケット62に取り付けられている。
【0076】
ソケット62は、照明一体型ガス検知器10の全体を収容するための空間を有する。照明一体型ガス検知器10の全体がソケット62内に収容され、照明一体型ガス検知器10の口金がソケット62の給電部に螺着される。これにより、照明一体型ガス検知器10がソケット62に取り付けられ、前記口金と外部電源とが電気的に接続される。この結果、照明一体型ガス検知器10は、ソケット12を介して外部から発光モジュールを点灯させるための電力を受けることができる。
【0077】
なお、ソケット62の側面には、ガイド部40の上端側(+Z軸方向)から流出した、漏洩したガスを含む空気が流出できるようにするため、流出孔63を設けるようにする。
【0078】
また、照明一体型ガス検知器10は、ダウンライトに代えて、シーリングライトに適用してもよい。例えば、照明一体型ガス検知器10は、天井に設けられた引掛シーリングボディ(シーリングライト用の給電部)の照明用電力供給部に取り付ける。この場合、照明用光源は、口金26の代わりに、引掛シーリングボディにシーリングライトを取り付けるためのアダプタと同様の構造を有する受電部を備える。
【0079】
このように、本実施形態に係る照明一体型ガス検知器10は、家やビルなどの建物の天井に取り付ける種々の形式の照明器具に用いることができるので、より広範囲の建物に適用することができる。
【0080】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。