(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884096
(24)【登録日】2021年5月13日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】ウィング付きのグリップを備える末梢静脈内カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20210531BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20210531BHJP
A61M 39/06 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
A61M25/06 514
A61M25/06 500
A61M25/06 512
A61M25/00 650
A61M39/06 110
A61M39/06 122
【請求項の数】19
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-501249(P2017-501249)
(86)(22)【出願日】2015年7月6日
(65)【公表番号】特表2017-524452(P2017-524452A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(86)【国際出願番号】US2015039265
(87)【国際公開番号】WO2016007442
(87)【国際公開日】20160114
【審査請求日】2018年1月18日
【審判番号】不服2019-8185(P2019-8185/J1)
【審判請求日】2019年6月19日
(31)【優先権主張番号】14/326,087
(32)【優先日】2014年7月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ イサックソン
【合議体】
【審判長】
高木 彰
【審判官】
栗山 卓也
【審判官】
莊司 英史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平8−257129(JP,A)
【文献】
特開平8−257130(JP,A)
【文献】
特開2003−180829(JP,A)
【文献】
特開平7−185002(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第2077133(EP,A1)
【文献】
特表2012−532683(JP,A)
【文献】
特表2013−535997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M25/00
A61M25/06
A61M39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルを有するカテーテルアダプターであって、前記カテーテルは、前記カテーテルアダプターから遠位に延在している、カテーテルアダプターと、
前記カテーテルを通して挿入するイントロデューサーニードルであって、前記イントロデューサーニードルは、前記イントロデューサーニードルの近位端部においてグリップコンポーネントを有しており、前記グリップコンポーネントは、前記イントロデューサーニードルが前記カテーテルの中に挿入されているときに、前記カテーテルアダプターに隣接してウィング付きのグリップを形成するように、外向きにおよび遠位に延在している、イントロデューサーニードルと
を含み、
前記ウィング付きのグリップは、前記イントロデューサーニードルと同時にカテーテルアダプターの近位端部から除去され、前記カテーテルアダプターの近位端部は、前記カテーテルアダプターおよびデバイスの間を通る流体のフローを可能にするように、前記デバイスに取り付けられ、
前記カテーテルアダプターは、二つの突出部を含み、
前記二つの突出部は、前記グリップコンポーネントおよび前記カテーテルアダプターの間の相対回転を90度に制限するために、前記ウィング付きのグリップに接触するように構成されており、前記カテーテルアダプターは、ウィング付きのグリップを含むことを特徴とする末梢静脈内カテーテル。
【請求項2】
前記カテーテルアダプターは、前記カテーテルアダプターから外向きに延在するウィング付きのグリップを含むことを特徴とする請求項1に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項3】
前記グリップコンポーネントは、前記イントロデューサーニードルを前記カテーテルアダプターに固定することを特徴とする請求項1に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項4】
前記グリップコンポーネントは、前記カテーテルアダプターの中で回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項5】
前記カテーテルアダプターの前記ウィング付きのグリップは、前記カテーテルアダプターから外向きに延在しており、前記グリップコンポーネントが前記カテーテルアダプターの中で回転させられるときに、前記グリップコンポーネントの前記ウィング付きのグリップが前記カテーテルアダプターの前記ウィング付きのグリップに対して再位置決めされているようになっていることを特徴とする請求項4に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項6】
前記グリップコンポーネントは、少なくとも90度、前記カテーテルアダプターの中で回転可能であることを特徴とする請求項5に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項7】
前記グリップコンポーネントの第1の回転位置において、前記グリップコンポーネントの前記ウィング付きのグリップは、前記カテーテルアダプターの前記ウィング付きのグリップから90度に位置決めされており、また、前記グリップコンポーネントの第2の回転位置において、前記グリップコンポーネントの前記ウィング付きのグリップは、前記カテーテルアダプターの前記ウィング付きのグリップから180度に位置決めされていることを特徴とする請求項6に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項8】
前記グリップコンポーネントは、前記イントロデューサーニードルのルーメンからガスをベントさせるためのベントを含むことを特徴とする請求項1に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項9】
前記カテーテルアダプターは、血液が前記カテーテルアダプターを通して近位に流れることを防止するための血液制御機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項10】
前記カテーテルアダプターは、前記カテーテルのゲージに基づいて着色されていることを特徴とする請求項1に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項11】
前記イントロデューサーニードルは、前記イントロデューサーニードルの先端部をシールドするためのニードルシールドを含むことを特徴とする請求項1に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項12】
カテーテルを有するカテーテルアダプターであって、前記カテーテルは、前記カテーテルアダプターから遠位に延在しており、前記カテーテルアダプターは、前記カテーテルアダプターから外向きに延在する第1のウィング付きのグリップを含む、カテーテルアダプターと、
前記カテーテルを通して延在するイントロデューサーニードルであって、前記イントロデューサーニードルは、前記イントロデューサーニードルの近位端部に位置決めされているグリップコンポーネントを含み、前記グリップコンポーネントは、第2のウィング付きのグリップを形成している、イントロデューサーニードルと
を含み、
前記第2のウィング付きのグリップは、前記イントロデューサーニードルと同時にカテーテルアダプターの近位端部から除去され、前記カテーテルアダプターの近位端部は、前記カテーテルアダプターおよびデバイスの間を通る流体のフローを可能にするように、前記デバイスに取り付けられ、
前記カテーテルアダプターは、二つの突出部を含み、
前記二つの突出部は、前記グリップコンポーネントおよび前記カテーテルアダプターの間の相対回転を90度に制限するために、前記第2のウィング付きのグリップに接触するように構成されていることを特徴とする末梢静脈内カテーテル。
【請求項13】
前記グリップコンポーネントは、前記カテーテルアダプターの中に前記イントロデューサーニードルを固定することを特徴とする請求項12に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項14】
前記グリップコンポーネントは、前記カテーテルアダプターの中で回転可能であり、それによって、前記第1のウィング付きのグリップが前記第2のウィング付きのグリップに対して再位置決めされることを可能にすることを特徴とする請求項13に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項15】
前記グリップコンポーネントは、前記イントロデューサーニードルのルーメンの中に含有されているガスをベントさせるためのベントを含むことを特徴とする請求項12に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項16】
前記カテーテルアダプターは、血液が前記カテーテルアダプターを通して近位に流れることを防止するための血液制御機構を含むことを特徴とする請求項12に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項17】
カテーテルを有するカテーテルアダプターであって、前記カテーテルは、前記カテーテルアダプターから遠位に延在している、カテーテルアダプターと、
前記カテーテルを通して延在するイントロデューサーニードルであって、前記イントロデューサーニードルは、前記イントロデューサーニードルの近位端部に位置決めされているグリップコンポーネントを含み、前記グリップコンポーネントは、前記イントロデューサーニードルを前記カテーテルアダプターに固定し、かつ、前記イントロデューサーニードルから外向きに延在するウィング付きのグリップを形成している、イントロデューサーニードルと
を含み、
前記ウィング付きのグリップは、前記イントロデューサーニードルと同時にカテーテルアダプターの近位端部から除去され、前記カテーテルアダプターの近位端部は、前記カテーテルアダプターおよびデバイスの間を通る流体のフローを可能にするように、前記デバイスに取り付けられ、
前記カテーテルアダプターは、二つの突出部を含み、
前記二つの突出部は、前記グリップコンポーネントおよび前記カテーテルアダプターの間の相対回転を90度に制限するために、前記ウィング付きのグリップに接触するように構成されており、
前記カテーテルアダプターは、ウィング付きのグリップを含むことを特徴とする末梢静脈内カテーテル。
【請求項18】
前記ウィング付きのグリップは、前記イントロデューサーニードルに沿って遠位に延在しており、前記イントロデューサーニードルが前記カテーテルアダプターに固定されているときに、前記ウィング付きのグリップが、前記カテーテルアダプターに沿って延在するようになっていることを特徴とする請求項17に記載の末梢静脈内カテーテル。
【請求項19】
前記グリップコンポーネントは、前記カテーテルアダプターの中で回転可能であり、前記カテーテルアダプターの一部分の周りで、前記ウィング付きのグリップの再位置決めすることを可能にすることを特徴とする請求項17に記載の末梢静脈内カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、非一体型の末梢静脈内カテーテルに関する。より具体的には、本発明は、ウィング付きのグリップを含む非一体型の末梢静脈内カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
ウィング付きの注入セットは、静脈内注射または採血のいずれかのために、末梢静脈にアクセスするために一般に使用されるデバイスである。ウィング付きの注入セット700の例が、
図7に示されている。ウィング付きの注入セット700は、ニードル701と、ウィング702と、エクステンションチュービング703とを含み、ウィング702の中にニードル701が位置決めされており、エクステンションチュービング703は、ニードル701の近位端部に接続されている。エクステンションチュービング703の近位端部は、別のデバイス(たとえば、真空チューブまたはシリンジ)をウィング付きの注入セット700に接続するためのアダプター704または他の構造体を含むことが可能である。
【0003】
ウィング付きの注入セット700は、一体型の静脈内デバイスの例である。一体型であるということは、エクステンションチュービング703がニードル701と一体になっている(または、ニードル701から除去されない)という事実を表している。また、ウィング付きの注入セット700において、ニードル701は、ウィング付きの注入セット700の使用の全体を通して、患者の血管系の中に残ったままである。換言すれば、ニードル701は、カテーテルとしての機能を果たし、カテーテルを通して、流体が、患者の血管系の中へ注入され、および/または、血液が、患者の血管系から引き出される。
【0004】
ウィング702は、ニードル701の挿入の間の把持表面を提供する。典型的に、臨床医は、親指と人差し指との間にウィング702を掴むこととなり、それは、浅い角度でのニードル701の挿入を促進させる。この理由のために、ウィング付きの注入セットは、末梢静脈にアクセスするときに、臨床医によって好まれることが多い。
【0005】
また、ウィング付きの注入セット700の一体型の性質は、血管アクセスの間の血液暴露のリスクを最小化する。ニードル701は患者の血管系の中に残ったままであるので、および、エクステンションチュービング703がニードル701に接続されているので、(エクステンションチュービング703の近位端部における意図する出口点を通る以外では)血液がウィング付きの注入セット700から漏れ出す可能性はほとんど存在しない。
【0006】
しかし、ウィング付きの注入セットは、非一体型の末梢静脈内カテーテルなどのような他の末梢静脈内デバイスと比較すると、さまざまな不利益を有している。たとえば、ニードル701は、典型的に、スチールから作製され得、スチールは、ポリマー性のカテーテルよりも静脈損傷を引き起こす傾向が高い。とりわけ、ニードル701の先の尖った先端部は、ニードル701が静脈内に挿入されている間に、静脈壁を切断し、擦り、破裂させ、または、そうでなければ損傷させる可能性がある。この理由のために、ウィング付きの注入セットは、典型的に、長期間にわたって、患者の中には残されない。結果として、患者が複数の血管系アクセスを必要とする場合には、ニードル701が典型的にはアクセスとアクセスとの間に血管系の中に残されないので、患者は、複数回も穿孔されなければならないこととなる可能性が高い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ウィング付きのグリップを含む非一体型の末梢静脈内カテーテル(PIVC)にまで及ぶ。ウィング付きのグリップPIVCは、オーバーザニードル式カテーテル(over-the-needle catheter)の利益を提供しながら、一体型のウィング付きの注入セットと同様の様式で使用され得る。また、ウィング付きのグリップPIVCは、いくつかの実施形態では、血液制御機構を提供し、血液への暴露のリスクを最小化することが可能である。このように、一体型のウィング付きの注入セットを使用することに慣れている臨床医は、血液暴露に対するリスクの増加の心配なしに、非一体型のPIVCを使用することに移行することが可能である。
【0008】
いくつかの実施形態では、血液制御機構は、患者の血管系への複数のアクセスを可能にするように構成され得、それによって、ウィング付きのグリップPIVCが、長期間にわたって、また、複数のアクセスにわたって、患者の血管系の中に残されることを可能にする。いくつかの実施形態では、ウィング付きのグリップは、臨床医の把持に対するニードルベベルの固定された配向を維持しながら、調節可能であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、ウィング付きのグリップの少なくとも一部分は、イントロデューサーニードルの一部として形成され得る。たとえば、グリップコンポーネントは、イントロデューサーニードルから外向きに延在し、ウィング付きのグリップを形成することが可能である。また、いくつかの実施形態では、グリップコンポーネントは、イントロデューサーニードルをPIVCのカテーテルアダプターに固定するように機能することが可能である。
【0010】
第1の例示的な実施形態では、本発明は、カテーテルを有するカテーテルアダプターであって、カテーテルは、カテーテルアダプターから遠位に延在している、カテーテルアダプターと、カテーテルを通して挿入するイントロデューサーニードルとを含むPIVCとして実装される。イントロデューサーニードルは、イントロデューサーニードルの近位端部においてグリップコンポーネントを有している。グリップコンポーネントは、イントロデューサーニードルがカテーテルの中に挿入されているときに、カテーテルアダプターに隣接してウィング付きのグリップを形成するように、外向きにおよび遠位に延在している。
【0011】
第1の例示的な実施形態では、カテーテルアダプターは、カテーテルアダプターから外向きに延在するウィング付きのグリップを含むことが可能である。また、カテーテルアダプターは、血液がカテーテルアダプターを通って近位に流れることを防止するための血液制御機構を含むことが可能である。いくつかのケースでは、血液制御機構は、血液がカテーテルアダプターを通って近位に流れることを可能にするために、複数回作動させられるように構成され得る。
【0012】
第1の例示的な実施形態では、グリップコンポーネントは、イントロデューサーニードルをカテーテルアダプターに固定することが可能である。いくつかのケースでは、グリップコンポーネントは、カテーテルアダプターの中で回転可能であり、カテーテルアダプターに対するウィング付きのグリップの再位置決めを可能にし得る。いくつかのケースでは、イントロデューサーニードルは、イントロデューサーニードルの先端部をシールドするためのニードルシールドを含むことが可能である。
【0013】
第2の例示的な実施形態では、本発明は、カテーテルを有するカテーテルアダプターを含むPIVCとして実装され、カテーテルは、カテーテルアダプターから遠位に延在している。カテーテルアダプターは、カテーテルアダプターから外向きに延在する第1のウィング付きのグリップを含む。また、PIVCは、カテーテルを通して延在するイントロデューサーニードルを含む。イントロデューサーニードルは、イントロデューサーニードルの近位端部に位置決めされているグリップコンポーネントを含む。グリップコンポーネントは、第2のウィング付きのグリップを形成している。
【0014】
第2の例示的な実施形態では、グリップコンポーネントは、カテーテルアダプターの中にイントロデューサーニードルを固定することが可能であり、それは、いくつかのケースでは、カテーテルアダプターの中で回転可能であることを含み、それによって、第1のウィング付きのグリップが第2のウィング付きのグリップに対して再位置決めされることを可能にする。いくつかのケースでは、グリップコンポーネントは、イントロデューサーニードルのルーメンの中に含有されているガスをベントさせるためのベントを含むことも可能である。また、カテーテルアダプターは、血液がカテーテルアダプターを通して近位に流れることを防止するための血液制御機構を含むことが可能である。
【0015】
第3の例示的な実施形態では、本発明は、カテーテルを有するカテーテルアダプターであって、カテーテルは、カテーテルアダプターから遠位に延在している、カテーテルアダプターと、カテーテルを通して延在するイントロデューサーニードルとを含むPIVCとして実装される。イントロデューサーニードルは、イントロデューサーニードルの近位端部に位置決めされているグリップコンポーネントを含む。グリップコンポーネントは、イントロデューサーニードルをカテーテルアダプターに固定し、かつ、イントロデューサーニードルから外向きに延在するウィング付きのグリップを形成している。
【0016】
第3の例示的な実施形態では、ウィング付きのグリップは、イントロデューサーニードルに沿って遠位に延在することが可能であり、イントロデューサーニードルがカテーテルアダプターに固定されているときに、ウィング付きのグリップが、カテーテルアダプターに沿って延在するようになっている。グリップコンポーネントは、カテーテルアダプターの中で回転可能であり、カテーテルアダプターの一部分の周りで、ウィング付きのグリップの再位置決めすることを可能にし得る。また、カテーテルアダプターは、ウィング付きのグリップを含むことが可能である。
【0017】
この概要は、簡単化された形態の概念の選択を導入するために提供されており、それは、詳細な説明において、さらに下記に説明されている。この概要は、特許請求されている主題の重要な特徴または必須の特徴を識別することを意図していない。
【0018】
本発明の追加的な特徴および利点は、以下に続く説明の中で述べられることとなり、また、その説明から部分的に明らかになることとなり、または、本発明の実践によって学ばれ得る。本発明の特徴および利点は、とりわけ、添付の特許請求の範囲において指摘されている器具および組合せによって、実現および獲得され得る。本発明のこれらの特徴および他の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から、より十分に明らかになることとなり、または、以降で述べられているような本発明の実践によって学ばれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の上述の利点および特徴ならびに他の利点および特徴が獲得され得る様式を説明するために、上記に簡潔に説明されている本発明のより細かい説明が、添付の図面に図示されているその特定の実施形態を参照することによって、なされることとなる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態だけを示しており、したがって、その範囲を限定するものとして考慮されるべきではないということを理解して、本発明は、添付の図面の使用を通して、追加的な特異性および詳細とともに、記載および説明されることとなる。
【0020】
【
図1】カテーテルアダプターと、ウィング付きのグリップを形成するグリップコンポーネントを有するイントロデューサーニードルとを含む例示的なPIVCの上面図である。
【
図1A】カテーテルアダプターから除去されているイントロデューサーニードルを示す、
図1の例示的なPIVCの分解図である。
【
図2】ウィング付きのグリップを有するカテーテルアダプターと、ウィング付きのグリップを形成するグリップコンポーネントを有するイントロデューサーニードルとを含む別の例示的なPIVCの上面図である。
【
図2A】カテーテルアダプターから除去されているイントロデューサーニードルを示す、
図2の例示的なPIVCの分解図である。
【
図3】グリップコンポーネントを含む例示的なイントロデューサーニードルの上面図であり、グリップコンポーネントは、ウィング付きのグリップを形成しており、また、イントロデューサーニードルの中からガスをベントさせるためのベントを含むことを示す図である。
【
図4A】グリップコンポーネントとカテーテルアダプターとの間の異なる回転位置を示す、
図2の例示的なPIVCの近位の図である。
【
図4B】グリップコンポーネントとカテーテルアダプターとの間の異なる回転位置を示す、
図2の例示的なPIVCの近位の図である。
【
図4C】カテーテルアダプターがウィング付きのグリップ同士の間の回転を制限するための突出部を含む、
図4Aおよび
図4Bに示されているPIVCの変形例を図示する図である。
【
図4D】カテーテルアダプターがウィング付きのグリップ同士の間の回転を制限するための突出部を含む、
図4Aおよび
図4Bに示されているPIVCの変形例を図示する図である。
【
図5】本発明の1または複数の実施形態に従って構成されているPIVCの中で使用され得る血液制御機構を有するカテーテルアダプターの上面断面図である。
【
図6A】本発明の1または複数の実施形態に従って構成されている例示的なPIVCの斜視図である。
【
図6B】2つの例示的なPIVCの斜視図であり、イントロデューサーニードルがカテーテルアダプターの中に位置決めされていること、および、イントロデューサーニードルがカテーテルアダプターから除去されていることの両方を図示する図である。
【
図7】先行技術のウィング付きの注入セットの上部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の1または複数の実施形態に従って構成されている例示的なPIVC100を図示している。PIVC100は、カテーテルアダプター110およびイントロデューサーニードル121を含む。カテーテルアダプター110は、カテーテル111を含み、カテーテル111は、カテーテルアダプターから遠位に延在している。イントロデューサーニードル121は、グリップコンポーネント120を含み、イントロデューサーニードル121がグリップコンポーネント120の中に固定されており、イントロデューサーニードル121はグリップコンポーネント120から遠位に延在している。
【0022】
イントロデューサーニードル121が、カテーテル111を通して挿入されるときに(それは、カテーテル111を患者の血管系の中へ挿入する前の場合であることとなる)、グリップコンポーネント120は、
図1に示されているように、カテーテルアダプター110の近位端部に位置決めされている。
【0023】
グリップコンポーネント120は、ウィング付きのグリップ122を含み、または、ウィング付きのグリップ122を形成する。ウィング付きのグリップ122は、(グリップコンポーネント120と一体的に形成されているか、または、グリップコンポーネント120とは別々に形成されているかにかかわらず)グリップコンポーネント120の一部分を構成しており、それは、グリップコンポーネント120がカテーテルアダプター110の近位端部に位置決めされているときに、カテーテルアダプター110に沿って遠位に、および、カテーテルアダプター110から外向きに延在している。このように、ウィング付きのグリップ122は、イントロデューサーニードル121を患者の血管系の中へ挿入する間に、臨床医が把持することができる表面を形成している。
【0024】
図1Aは、PIVC100の分解図を図示しており、カテーテルアダプター110から除去されているイントロデューサーニードル121を示している。カテーテル111が静脈内に設置されると、イントロデューサーニードル121は、グリップコンポーネント120の上で近位に引っ張ることによって、示されているように、カテーテルアダプター110から引き出され得る。
【0025】
グリップコンポーネント120は、遠位部分123を含むことが可能であり、遠位部分123は、カテーテルアダプター110の近位端部の中に挿入されるようにサイズ決めおよび形状決めされている。いくつかの実施形態では、遠位部分123は、円形であることが可能であり、また、比較的に滑らかな外側表面を有することが可能であり、それによって、グリップコンポーネント120がカテーテルアダプター110の近位開口部の中で自由に回転させられることを可能にする。そのような実施形態では、遠位部分123の直径は、カテーテルアダプター110の近位開口部の直径よりもわずかに大きくなっていることが可能であり、グリップコンポーネント120がカテーテルアダプター110に固定され得るようになっている。しかし、他の実施形態では、遠位部分123は、グリップコンポーネント120をカテーテル110に固定するように構成されている必要がない。そのようなケースでは、イントロデューサーニードル121とカテーテル111との間の摩擦は、イントロデューサーニードル121がカテーテルアダプター110から非意図的に分離することを防止するのに十分になっていることが可能である。
【0026】
他の実施形態では、遠位部分123(および、カテーテルアダプター110の内側表面)は、グリップコンポーネント120をカテーテルアダプター110の中に固定するためのねじ山または他の構造体を含むことが可能である。また、そのような実施形態では、ねじ山または他の構造体は、カテーテルアダプター110の中でのグリップコンポーネント120の回転を制限するように構成され得る。カテーテルアダプター110の中でのグリップコンポーネント120の回転を制限することは、さらに下記に説明されることとなるように、ウィング付きのグリップ122の適正な位置決めを促進させることが可能である。
【0027】
図2は、本発明の1または複数の実施形態に従って構成されている別の例示的なPIVC200を図示している。PIVC100と同様に、PIVC200は、カテーテル211を有するカテーテルアダプター210、および、ウィング付きのグリップ222を形成するグリップコンポーネント220を有するイントロデューサーニードル221を含む。しかし、PIVC100は対照的に、カテーテルアダプター210は、ウィング付きのグリップ212も含む。ウィング付きのグリップ212は、カテーテルアダプター210から外向きに延在している。いくつかの実施形態では、ウィング付きのグリップ212は、リジッドであることが可能であるが、一方、他のものでは、ウィング付きのグリップ212は、可撓性であってもよく、または、ヒンジを組み込み、カテーテルアダプター210に対するウィング付きのグリップ212の移動を可能にしてもよい。
【0028】
図2Aに示されているように、イントロデューサーニードル221は、上記の
図1Aに関して説明されているように、カテーテルアダプター210から除去され得る。グリップコンポーネント220は、遠位部分223を含むことが可能であり、遠位部分223は、遠位部分123に関して上記に説明されている方式のいずれかで構成され得る。
【0029】
図1、
図1A、
図2、および
図2Aのそれぞれに示されているように、ウィング付きのグリップ122および222は、イントロデューサーニードルの先の尖ったまたはベベル付きの遠位先端部と、ウィング付きのグリップとが同じ配向を有するように位置決めされ得る。たとえば、これらの図では、ウィング付きのグリップ122および222は、ウィング付きのグリップの上部表面が上の方を向いているときに、ベベル付きの遠位先端部も上の方を向くこととなるように、位置決めされている。このように、臨床医は、イントロデューサーニードルのウィング付きのグリップが上の方を向いているときに、ベベル付きの遠位先端部が、患者の皮膚を通して挿入するのに適正な配向になっているということを知ることが可能である。
【0030】
イントロデューサーニードル121および221は、右手を使用して挿入するように構成されている。とりわけ、臨床医は、典型的に、PIVC100および200を右手で掴むこととなり、親指は、ウィング付きのグリップ122/222の上部表面の上に設置され、および、その他の指は、ウィング付きのグリップ122/222および/またはカテーテルアダプター110/210の下に巻き付けられる。左利きの使用のためにイントロデューサーニードルを構成させるために、イントロデューサーニードルは、
図1、
図1A、
図2、および
図2Aに示されているものから、グリップコンポーネントに対して180度回転させられることとなり、それによって、ベベル付きの遠位先端部が上の方を向いているときに、ウィング付きのグリップを左に延在させる。
【0031】
図3は、ウィング付きのグリップ322を形成するグリップコンポーネント320を含む、例示的なイントロデューサーニードル321を図示している。グリップコンポーネント320は、イントロデューサーニードル321の中からガスをベントさせるためのベント320aを含む。たとえば、ベント320aは、グリップコンポーネント320の中に材料325を組み込むことによって形成され得、材料325は、ガスに対して透過性であるが、流体に対しては透過性でない。示されてはいないが、ベント320aは、あるいは、グリップコンポーネント320の中の1または複数の開口部として形成され得、それは、ガスの通過を可能にするように十分に大きくなっているが、それは、開口部を通る流体のフローを防止または最小化するのに十分に小さくなっている。したがって、イントロデューサーニードル321の中からガスをベントさせるためにグリップコンポーネント320の中に形成され得る任意のタイプのベントが、本発明の実施形態において用いられ得る。
【0032】
イントロデューサーニードルのグリップコンポーネントは、ベントを備えて構成され得、イントロデューサーニードルの中への血液のフローを促進させる。この血液のフロー、またはフラッシュバックは、イントロデューサーニードルが患者の血管系の中に適正に設置されたという視覚的なフィードバックを、臨床医に提供することが可能である。
図3には示されていないが、本発明の1または複数の実施形態によるイントロデューサーニードルは、血液がカテーテルの中へ流れることを可能にするために、切り欠きまたは開口部を含むことが可能であり、そこでは、それが、フラッシュバックとして見ることができることとなる。
【0033】
図4Aおよび
図4Bは、患者の血管系の中へのイントロデューサーニードル211の挿入の前または間に、患者の腕400の上に位置決めされているときのPIVC200の近位の図である。
図4Aは、カテーテルアダプター220とグリップコンポーネント210との間(または、等しくは、カテーテルアダプター220とイントロデューサーニードル211との間)の第1の相対的な位置決めを表しており、一方、
図4Bは、カテーテルアダプター220とグリップコンポーネント210との間の第2の相対的な位置決めを表している。上記に説明されているように、いくつかの実施形態では、ウィング付きのグリップ222は、イントロデューサーニードル211の遠位先端部のベベルに整合させられ得る。そのようなケースでは、
図4Aおよび
図4Bの両方に示されているウィング付きのグリップ222の配向は、上の方を向くベベルを結果として生じさせることとなる。
【0034】
いくつかの実施形態では、グリップコンポーネント220は、カテーテル210の中で回転可能であり得るので、ウィング付きのグリップ212は、ウィング付きのグリップ222に対して再位置決めさせられ得る。
図4Aに示されているように、180度間隔を離して配置されたウィング付きのグリップ212および222を有することを好む臨床医もいれば、
図4Bに示されているように、90度間隔を離して配置されたウィング付きのグリップ212および222を有することを好む臨床医もいる。グリップコンポーネント220、および、より具体的には、遠位部分223は、このタイプの回転を可能にするように構成され得、ウィング付きのグリップ212および222が、特定の臨床医の好みに従って位置決めされ得るようになっている。
【0035】
いくつかの実施形態では、グリップコンポーネント220および/またはカテーテルアダプター210は、2つのコンポーネントの間の相対回転を制限するための1または複数の構造体を含むことが可能である。たとえば、
図4Cおよび
図4Dに示されているように、カテーテルアダプター210は、突出部401aおよび401bを含むことが可能であり、突出部401aおよび401bは、回転を90度に制限するために、ウィング付きのグリップ222に接触するように構成されている。
図4Cに示されているように、突出部401bは、(たとえば、近位開口部の近くに)カテーテルアダプター210の外部表面の上に位置決めされており、ウィング付きのグリップ212がウィング付きのグリップ222から離れるように回転させられるときに、突出部401bが、ウィング付きのグリップ222の底部表面に接触し、2つのコンポーネントが180度離れて位置決めされると回転を停止させるようになっている。同様に、
図4Dに示されているように、突出部401aは、カテーテルアダプター210の外部表面の上に位置決めされており、ウィング付きのグリップ212がウィング付きのグリップ222に向けて回転させられるときに、突出部401aがウィング付きのグリップ222の上部表面に接触し、2つのコンポーネントが90度離れて位置決めされると回転を停止させるようになっている。
【0036】
また、突出部401aおよび401bは、
図4Cおよび
図4Dに示されているものとは異なる運動の範囲を可能にするように位置付けされ得る。他の実施形態では、回転を所望の量に制限するために、カテーテルアダプター210の上に形成された1または複数の他の適切な構造体に接触するように、1または複数の突出部または他の構造体が、グリップコンポーネント220の上に形成され得る。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態では、カテーテルアダプター(たとえばカテーテルアダプター110、210、510、610)は、カテーテルのゲージに基づいて着色され得る。このように、臨床医は、適当な色のカテーテルアダプターを有するPIVCを単に見つけることによって、迅速におよび容易に所望のゲージのPIVCを識別することが可能である。同様に、臨床医は、そのカテーテルアダプターの色を使用して、特定のPIVCのゲージを迅速に識別することが可能である。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態では、PIVCのカテーテルアダプターは、血液制御機構を含むことが可能である。たとえば、
図5は、血液制御機構を含むカテーテルアダプター510の断面図を図示している。血液制御機構は、エラストマーバルブまたはセプタム516およびアクティベーター515を使用して実装される。アクティベーター515は、ルーメン515aを含み、イントロデューサーニードルがルーメン515aを通って延在することが可能である。セプタム516は、スリット516aを含むことが可能であり、イントロデューサーニードルおよびアクティベーター515が、スリット516aを通って延在することが可能である。
【0039】
図5は、デバイスがカテーテルアダプター510に接続されていないときの血液制御機構の状態を表すことが可能である。示されているように、デバイスが接続されていないときには、アクティベーター515は、セプタム516に対して近位に位置決めされている。それによって、セプタム516は、流体がカテーテルアダプター510を通して流れることを防止するシールを形成している。
図5に示されているようなものを含む、いくつかの実施形態では、血液制御機構は、アクティベーター515を近位位置に付勢するためのスプリング517を含むことが可能である。
【0040】
デバイスがカテーテルアダプター510に接続されると、デバイスは、アクティベーター515を、セプタム516を通して遠位位置へ押し、それによって、セプタム516を通る流体経路を開通させることが可能である。次いで、デバイスがカテーテルアダプター510から切り離されると、スプリング517は、再びアクティベーター515を押して近位位置へ戻すことが可能であり、セプタム516がシールを形成することを可能にする。いくつかの実施形態では、セプタム516および/またはアクティベーター515は、アクティベーター515を近位位置へ自然に付勢するように構成され得、スプリング517が必要とされないこととなるようになっている。
【0041】
したがって、本発明の実施形態は、ウィング付きのグリップを有し、血液制御機構を組み込む、非一体型のPIVCを提供する。そのようなPIVCは、先行技術のウィング付きの注入セットと同様の様式で、しかし、そのような先行技術のセットにおいて固有の多くの制限を伴うことなく、静脈内アクセスを実施するために用いられ得る。さらに、本発明の実施形態によるPIVCは、ウィング付きのグリップが互いに対して回転させられることを可能にすることができるので、より高い程度のカスタマイズが、特定の臨床医の好みにマッチするように提供され得る。
【0042】
図6Aは、本発明の1または複数の実施形態に従って構成されているPIVC600の上部斜視図を図示している。PIVC600は、カテーテルアダプター610を含み、カテーテルアダプター610は、カテーテル611を含み、ウィング付きのグリップ612を形成している。また、PIVC600は、イントロデューサーニードル621を含み、イントロデューサーニードル621は、グリップコンポーネント620を含む。グリップコンポーネント620は、ウィング付きのグリップ622を形成するように延在している。イントロデューサーニードル621は、切り欠き621aを含み、挿入の間のフラッシュバックの出現を促進させる。示されてはいないが、グリップコンポーネント620は、イントロデューサーニードル621の中からガスをベントさせるためのベントを含むことが可能であり、それによって、切り欠き621aを通してイントロデューサーニードル621の中への血液フローを促進させる。また、PIVC600は、
図5に関連して説明されている血液制御機構と同様の血液制御機構615を含む。
【0043】
図6Bは、イントロデューサーニードル621がカテーテルアダプター610の中に含有されているとき(上部)、および、イントロデューサーニードル621がカテーテルアダプター610から除去されているとき(底部)の、PIVC600の正面斜視図を提供している。示されているように、イントロデューサーニードル621が除去されると、血液制御機構615は、カテーテルアダプター610を通る血液のフローを防止するシールを形成することが可能である。イントロデューサーニードル621が除去された状態で、デバイスは、カテーテルアダプター610の近位端部に取り付けられ得る。デバイスは、取り付けられるときに、それが、(たとえば、セプタムを通してアクティベーターを押すことによって、または、そうでなければ、バルブを開けることによって)血液制御機構615を活性化し、それによって、カテーテルアダプター610を通る流体のフローを可能にするように、形状決めされ得る。
【0044】
また、上記に説明されている例の多くの変形例が、本発明に従って構成されているPIVCに対して用いられ得る。たとえば、図に示されているウィング付きのグリップの形状に加えて、ウィング付きのグリップの他の形状も使用され得る。カテーテルアダプターの上のウィング付きのグリップを用いる実施形態では、対向するウィング付きのグリップが、対称的な形状を有する必要はない。たとえば、一方のウィング付きのグリップは、(図に示されているものなどのように)丸みを帯びていることが可能であるが、他方は、真っ直ぐであってもよい。
【0045】
追加的に、上記に説明されている例のいずれかでは、ニードルシールドは、イントロデューサーニードルがカテーテルから引き出されると、イントロデューサーニードルのベベル付きの遠位先端部をカバーするように用いられ得る。また、上記に説明されている例のいずれかでは、抗菌性コーティングが、任意の血液制御機構を含むカテーテルアダプター内に塗布され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、PIVCは、一体型のエクステンションセットを含むことが可能である。たとえば、エクステンションセットは、カテーテルアダプターの近位側の中へ一体化され得る。そのようなケースでは、アダプターを備える一体型のエクステンションセットが血液制御機構およびアクセスポートとしての役割を果たすことができるので、血液制御機構は必要とされない可能性がある。このケースでは、カテーテルアダプターの中のセプタムは、イントロデューサーニードルが引き出されると、非開口式のシールを提供することが可能である。
【0047】
本発明は、その精神または必須の性質から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。説明されている実施形態は、すべての点において、単に例示目的であり非制限的なものとして、考慮されるべきである。したがって、本発明の範囲は、先述の説明によってというよりもむしろ、添付の特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の均等の意味および範囲の中に入るすべての変形は、その範囲内に包含されるべきである。