特許第6884144号(P6884144)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884144
(24)【登録日】2021年5月13日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】内視鏡頂部の取付け装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20210531BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   A61B1/00 651
   G02B23/24 A
【請求項の数】11
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-520546(P2018-520546)
(86)(22)【出願日】2016年7月1日
(65)【公表番号】特表2019-503719(P2019-503719A)
(43)【公表日】2019年2月14日
(86)【国際出願番号】IB2016001056
(87)【国際公開番号】WO2017068404
(87)【国際公開日】20170427
【審査請求日】2019年6月3日
(31)【優先権主張番号】62/245,711
(32)【優先日】2015年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オストロフスキー アイザック
(72)【発明者】
【氏名】カニチェ アザデー
(72)【発明者】
【氏名】デオ ハリシケシ ヴィシヴァス
(72)【発明者】
【氏名】ギャバリス ロブ モルス
【審査官】 ▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0148606(US,A1)
【文献】 特表2013−529958(JP,A)
【文献】 特表2008−528239(JP,A)
【文献】 特開2012−196270(JP,A)
【文献】 特開2012−141420(JP,A)
【文献】 特開2005−318956(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0058590(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の遠位端を受ける寸法で実質的に円筒形の内面を有する、環状のベースと、
前記ベースから径方向に外向きに広がる折畳み傘であって、折畳み部は、
折畳み表面を形成するウェビングと、
前記ウェビングに沿って延在し、前記折畳み傘を挿入状態と回収状態との間で移行させるために曲がり、前記回収状態にあるときに前記ウェビングと協働し、拡散した大きい表面積で低圧力である、体の管腔との接触領域を前記ウェビングと共になすように構成された、複数の可撓性ストラットと、を含み、
前記可撓性ストラットは各々前記ベースの前記内面に取付けられ、前記内面から延在し、前記ベースの縁辺を囲んで前記ベースの外面から放射状に広がり、
前記挿入状態において、前記複数のストラットは、近位方向であって前記ベースの前記外面と実質的に平行に延びる方向に向かって曲がり、前記回収状態において、前記複数のストラットは前記ベースの前記外面から外側に離れるように曲がり、前記複数のストラットの各々の頂部は、前記ベースの前記外面と実質的に平行である遠位方向を指す、
折畳み傘と
を備える、内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項2】
前記折畳み部を前記挿入状態に移行させるために前記複数のストラットを曲げるのに要する力は、前記折畳み部を前記回収状態に移行させるために前記複数のストラットを曲げるのに要する力よりも小さい、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項3】
前記複数のストラットの各々の前記頂部は、前記複数のストラットの各々の中間部から軸を外れる、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項4】
前記複数のストラットのうちの少なくとも一本は、前記ストラットの遠位対向面に沿って位置される一つ以上のノッチを含む、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項5】
前記ベースは、実質的に硬質である、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項6】
前記ベースの前記内面は、前記内面から突出する少なくとも一つのクラッシュリブを含む、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項7】
前記ウェビングは、プリーツ付きである、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項8】
前記ベースの前記外面は、少なくとも一つの把持構造を含む、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項9】
前記ベースの前記外面は、少なくとも一つの把持窓または圧力パッドを含み、
前記回収状態において、前記ストラットは、前記把持窓を突くかまたは前記圧力パッドを押圧することにより、前記把持窓または前記圧力パッドと、前記内視鏡の前記遠位端との間の滑り摩擦が大きくなるように構成された、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項10】
前記ベースは、
軸スリーブと、
スリーブロックと、
ストラット支持環と
をさらに備える、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【請求項11】
前記ベースは、
遠位キャップと、
軸スリーブと
をさらに備える、請求項1に記載の内視鏡先端部アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年10月23日に出願された、米国仮特許出願第62/245,711号の利益を主張する。上記で特定された出願は、その全体が参照により本明細書に組込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は内視鏡の付属品に関し、より詳細には、内視鏡の遠位頂部を支持するため、および/または使用中の内視鏡の視野を改善するための、内視鏡先端部アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
内視鏡検査による処置において、内視鏡を孔または切開部を介して体の管腔に挿入する。内視鏡は、たとえば胃腸管などの体内の管腔を通って、胃、盲腸、十二指腸、小腸、大腸、または食道などの対象領域に導かれ得る。器具には光ファイバ、電荷結合素子(CCD)、またはCMOSカメラが備えつけられており、それらによって画像が可撓性の内視鏡を通して送られ、患者の体外のディスプレイに再現できる。したがって、これらの処置の間に体の管腔の内面を観察することが可能である。たとえば、胃カメラを使用して食道、胃、または十二指腸の内面を観察することができる。
【0004】
内視鏡検査による処置を利用して、視覚による診断(たとえば潰瘍またはポリープの診断)、治療、生体組織検査、および/または組織の除去を行うことができる。結腸鏡検査および小腸鏡検査が、体内領域の健康状態を診断するのに効果的な技法である場合がある一方、それらは合併症を引き起こすことがあり、場合によっては臨床医が対象領域を正確に視覚化できないことがある。たとえば、臨床医が処置を完了できないこと、ポリープ、病巣、もしくは他の組織の検出に失敗すること、または内視鏡を挿入した体の管腔が、たとえば外傷を与える力を加えることによって傷付き、その結果、炎症、やけど、出血、傷、穿孔、もしくは他の傷害を引き起こすことがあり得る。
【0005】
内視鏡検査による処置は、スコープを体の管腔に通して進めること、または周辺領域を観察することの困難さによって、患者および医療関係者にとって共に、時間がかかる場合がある。処置時間が長くなると、より長い期間患者に鎮静剤を投与する必要があり、患者の不快が増して、そのために回復時間が長引く場合がある。その上、麻酔がさめるまで数時間続くことがある院内回復期間があり、その時間の間、臨床観察が必要となる。さらに、処置時間が長くなると、ある臨床医のチームが一日に実施できる処置の数が減少し、かつ処置室の使用が制限される。
【0006】
解剖学上および技術的な制限もまた、これら処置の困難さの一因となり得る。まず、たとえば結腸など体の管腔の組織は蛇行性で、被膜は一様ではない場合がある。たとえば、結腸は襞の連続になっている。内視鏡の頂部が結腸の管腔に沿って進むとき、これらの襞によって粘膜の全表面を視覚化するための臨床医の能力、特にこれらの襞に沿って位置する前癌状態の病巣および悪性の病巣、ならびにポリープを検出する能力は、妨げられ得る。たとえば、内視鏡を回収する間、これらの襞の遠位面上に位置する病巣は、視覚化されない場合がある。
【0007】
次に、一旦病巣またはポリープが検出されると、および/または治療処置、診断処置、もしくは生体組織検査処置の間に、内視鏡の頂部の位置を保持することが困難になる場合がある。重力のため、内視鏡の頂部は結腸内の中央に留まれず、その代わりに下がって結腸の壁にぶつかる場合がある。結腸鏡を挿入または回収するとき、頂部は結腸の襞部を越えて移動するにつれて、結腸に沿って一貫性なく摺動し、下がり得る。この移動および/または重力の影響によって、臨床医は方向感覚が狂い、視覚化できなくなり、位置取りを失う場合がある。頂部の位置がわからなくなると、対象の領域に再び位置付けするために時間がかかるはずである。
【0008】
さらに、胃腸管の蛇行性は、臨床医が内視鏡を対象の領域に進めるのを困難にし得る。腸の曲がり、結腸の襞面、および重力の影響で、内視鏡を進めるまたは回収するときに、内視鏡が体の管腔にぶつかったり押圧したりする場合がある。これによって、腸の伸張、穿孔、出血、粘膜の外傷、炎症、または他の傷害を引き起こし得る。その結果、患者は苦痛を受け、患者の回復時間が長引き、処置時間が長引き、または処置を尚早に中止する必要さえ起こり得る。
【0009】
内視鏡検査による処置に関連付けられた困難への対処を多くの製品が試みてきた。たとえば、アクティブバルーン内視鏡およびバルーン取付け具が開発されてきた。バルーンは、結腸に挿入されると膨張して、回収および視覚化を補助する。しかし、膨張および収縮の機構を要するため、ならびに拡大部分の壊れやすさのため、これらの装置は製作および使用が複雑であり得る。さらに、内視鏡の常設部を形成するアクティブバルーンは、スコープの再処理(たとえば、高レベルのクリーニングおよび消毒)を、より困難にする。
【0010】
突起部の列を有する他の遠位内視鏡取付け具が、結腸の襞を広げる補助をするために開発されてきた。しかし、これらの装置の突起部は一般に、挿入方向および回収方向の力に対して、極めて類似した剛性と抵抗とをもたらす。しかしながら、内視鏡を挿入するときは、遠位頂部の抵抗を低減するのが望ましい。挿入には二つの動き、すなわち直進および捩りが伴うため、これら両方の動きに対する抵抗は小さくするべきである。回収の際、装置は、襞を広げるために結腸と係合するべきである。これは、挿入に際しては、突起部が迎合的で低い曲げ剛性および低い捩り剛性を有し、回収に際しては、結腸と相互作用して係合するように構成され、比較的高い曲げ剛性を有するべきであることを意味する。突起部が挿入時に堅い場合、大きい挿入抵抗が起こり、次にはスコープが結腸壁を巻き込んで伸張させることがある。これにより、内視鏡を挿入または回収するとき、粘膜に外傷を付けることがある。さらに、突起部の頂部によって、体の管腔壁の離散的な表面領域に加えられる力は、粘膜の外傷を増やし、または穿孔を生じさせ得る。その他方で、回収の際に突起部が堅くない場合、それらは意図通りに結腸の襞を広げることができず、襞に隣接する領域の視覚化に役立たないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、挿入の際にはより迎合的で、回収の際の力に対しては、より大きい抵抗を有する、改善された内視鏡の取付け装置が必要とされる。そのような装置は、臨床医が内視鏡検査による処置を実施するためにかかる時間を、安全かつ効果的に短縮し、処置の効果を高めることを可能にし得る。
【0012】
本開示の装置は、以下の一つ以上を促進することによって、従来技術の制限を克服することを目的とする。すなわち、挿入方向における小さい抵抗、回収時により効果的に襞を広げること、医療処置中の内視鏡の頂部の位置を安定させるおよび/もしくは中央に合わせること、粘膜に外傷を与える可能性を低減すること、ならびに/または結腸の襞の周りへの、より良好な物理的接近および/もしくは視覚的接近を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の実施形態は、内視鏡先端部アセンブリに関する。本開示の様々な実施形態は、一つ以上の下記の態様を含んでよい。
【0014】
一実施形態において、内視鏡先端部アセンブリは、内視鏡の遠位端を受けるような寸法で実質的に円筒形の内面を有する環状のベースと、ベースから径方向に広がる折畳み傘とを備えてよく、折畳み部は、折畳み表面を形成するウェビングと、ウェビングに沿って広がり、挿入状態と回収状態との間で折畳み傘を移行させるために曲がるように構成される、複数の可撓性ストラットとを含み、可撓性ストラットは各々ベースの内面に取付けられ、内面から延び、ベースの縁辺を囲み、ベースの外面から放射状に広がり、挿入状態において、複数のストラットはベースの外面と実質的に平行に延びる方向に向かって曲げられ、回収状態において、複数のストラットはベースの外面から外向きに曲げられ、複数のストラットの各々の頂部はベースの外面に実質的に平行である遠位方向を指す。
【0015】
内視鏡先端部アセンブリの様々な実施形態は、先端部アセンブリであって、折畳み部を挿入状態に移行させるために複数のストラットを曲げるのに必要な力は、折畳み部を回収状態に移行させるために複数のストラットを曲げるのに必要な力よりも小さく、複数のストラットの各々の頂部は複数のストラットの各々の中間部から軸を外れ、複数のストラットの少なくとも一つはストラットの遠位面に沿って位置する一つ以上のノッチを含む、先端部アセンブリと、実質的に硬質のベースと、を含んでよい。
【0016】
内視鏡先端部アセンブリの様々な実施形態は、その内面から突出する少なくとも一つのクラッシュリブを含むベースの内面と、プリーツの付いたウェビングと、少なくとも一つの把持構造を含むベースの外面と、少なくとも一つの自動ロック窓を含むベースの外面と、を含んでよい。
【0017】
内視鏡先端部アセンブリの様々な実施形態は、軸スリーブ、スリーブロック、およびストラット支持環を有するベースと、遠位キャップおよび軸スリーブを有するベースと、を含んでよい。
【0018】
実施形態の別の目的および利点は、一部は下記に説明が記載され、一部はその記載から明白となるかまたは実施形態の実施によって理解され得る。実施形態の目的および利点は、特に付随の特許請求の範囲で指摘される要素および組合せによって、実現かつ達成される。
【0019】
前述の全体的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的で説明のためだけのものであって、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0020】
本明細書に組入れられてその一部を構成する添付の図面は、開示された実施形態を示し、説明と共に開示された実施形態の原理を説明する役割を担う。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の一実施形態による、プリーツ付きウェビングを有する例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図2】本開示の一実施形態による、例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図3】本開示の一実施形態による、明確にするためにウェビングを除いた例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図4】本開示の一実施形態による、明確にするためにウェビングを除いた例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図5】内視鏡先端部アセンブリを受ける例示的な内視鏡を示す図である。
図6】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図7A】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、挿入位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図7B】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、回収状態にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図8】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、回収位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図9A】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、結腸内で回収位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図9B】結腸内でバルーンを備えた内視鏡を示す図である。
図10】本開示の一実施形態による、ストラットが挿入位置にあり、明確にするためにウェビングを除いた例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図11】本開示の一実施形態による、ストラットが回収位置を越えて広がり、明確にするためにウェビングを除いた例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図12】本開示の一実施形態による、ストラットが休止位置にあり、明確にするためにウェビングを除いた例示的な内視鏡先端部アセンブリの一部の拡大図である。
図13】本開示の一実施形態による、明確にするためにウェビングを除いた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図14】本開示の一実施形態による、内視鏡先端部アセンブリの例示的なストラットを示す図である。
図15】本開示の一実施形態による、内視鏡先端部アセンブリの例示的なストラットを示す図である。
図16】本開示の一実施形態による、明確にするためにウェビングを除いた例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図17A】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図17B】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリの部分断面図である。
図18A】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図18B】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリの部分断面図である。
図19A】本開示の一実施形態による、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図19B】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図20A】本開示の一実施形態による、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図20B】本開示の一実施形態による、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図21A】本開示の一実施形態による、挿入位置にあるストラットの断面図である。
図21B】本開示の一実施形態による、休止位置にあるストラットの断面図である。
図21C】本開示の一実施形態による、回収位置にあるストラットの断面図である。
図22】本開示の一実施形態による、プリーツ付きウェビングがストラットの端部まで延在しない、例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図23】本開示の一実施形態による、プリーツ付きウェビングがストラットの端部まで延在しない、例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図24】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図25A】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
図25B】本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下で説明され、添付の図面に示される本開示の例示的な実施形態が、詳細に参照される。可能な限り、同じ参照番号は、全ての図面を通して同じまたは同様のパーツを指すように用いられる。
【0023】
本開示の目的のため、「内視鏡」は、医療処置中に患者に挿入する任意の好適な種類のスコープを指してよい。たとえば内視鏡として、結腸鏡、十二指腸内視鏡、胃カメラ、S状結腸鏡、小腸鏡、尿管鏡、および気管支鏡が挙げられる。「処置」という用語は、概して任意の目的のために患者に内視鏡を挿入することを指し、限定ではないが、手術、生体組織検査、診断、治療、視覚化、装置の埋め込みもしくは除去、吸引、または吸入を含む。
【0024】
詳細な説明を提供する前に、以下の概説によって企図される実施形態の全体を説明する。本開示の内視鏡先端部アセンブリ17は、内視鏡の遠位端に付属するように、ならびに、体の管腔内に内視鏡を挿入する際は流線形となるよう、および、内視鏡を回収するときには対象領域の検査を容易にするために、体の管腔を拡張するように広がる構成となるよう、構成される。
【0025】
内視鏡先端部アセンブリ17は、取付けベース4を含む。ベース4は、内視鏡の遠位端を受け、それによってベース4の内面が内視鏡の外側頂部に付属するように構成される。したがってベース4は、その内径が内視鏡頂部の径よりもわずかに大きくなり相補的な形状を有するようサイズが決められてよい。具体的には、下記でさらに説明するように、ベース4は内視鏡の硬質の頂部に受け入れられるように構成され、所定の位置に摺動、回転、または摩擦嵌合されてよい。ベースの外面は、下記でさらに説明するように、回収の際にストラットの底面を支持する役割を担ってよい。
【0026】
ベース4は、下記で説明するように、ストラット3およびウェビング2に取付けられる単一の構成単位として存在してよい。ベース4は、下記で説明するように、たとえば軸スリーブ22およびスリーブロック23など、別個のパーツを含んでよい。代替で、ベース4は、軸スリーブ30およびスリーブロック25を含んでよい。別の実施形態において、ベース4は、軸スリーブ27、スリーブロック26、およびストラット支持環28を含んでよい。さらに別の実施形態として、ベース4は、軸スリーブ27および遠位キャップ29を含んでよい。上述の実施形態において、構成要素は、ストラット3およびウェビング2を支持するよう、内視鏡の頂部をしっかり把持するよう、処置中に内視鏡先端部アセンブリが外れるのを防止するように、協働する。
【0027】
ベース4は、複数の把持窓19または複数の圧力パッド24を含んでよい。回収時、ストラット3は把持窓19を突くか、または圧力パッド24を押圧してよい。ストラット3が把持窓19または圧力パッド24のいずれか一方に圧力を加えると、その力は、把持窓19または圧力パッド24のいずれか一方と、内視鏡の硬質の頂部の外面との間の滑り摩擦を大きくすることができる。摩擦を増加させるこの自動ロックの働きは、処置中に内視鏡先端部アセンブリ17が内視鏡から外れるのを防止するのに役立ち得る。
【0028】
ウェビング2は、厚さのあるストラット3と協働して、ベース4から広がる折畳み傘部を画定する。ストラット3は、ベース4から広がってよく、体の管腔に挿入する際にはより流線形で折畳まれた外形となるように、回収の際には大きく広がった外形となるように、ベース4に対して曲がるように構成されてよい。折畳まれた構成において、ストラット3は、内視鏡先端部アセンブリ17が取付けられる内視鏡の軸に対して実質的に平行となるよう、折込むように構成されてよい。広がった構成においてストラット3は、内視鏡が挿入される体の管腔を緩やかに押すために、内視鏡の軸から離れるように、かつ体の管腔の周辺に向かって広がるように構成されてよい。したがって、広がったときにストラット3は、内視鏡先端部アセンブリ17を囲む体の管腔領域を拡張するために、体の管腔の周辺に圧力を加えてよい。
【0029】
ストラット3は、傘の材料が傘の骨の間で広がるのと同様の方法で、互いにストラット3と接続する表面を形成するウェビング2に沿って延在する。ウェビング2は、ストラット3の全長に沿って、または一部の長さに沿って延在してよい。ウェビング2は、ベース4と接触するようストラット3の下方の長さ全てにわたって延在してよい。ウェビング2は、ストラット3の頂部と同一面に設置されてよい。ウェビング2は、ストラット3の頂部とウェビング2の遠位縁部との間の長さ31を残して、ストラットの一部のみ覆ってよい。または、ウェビング2は、ストラット3の頂部を越えて延在してよい。
【0030】
広がった構成において、ストラット3の頂部間に広がることによって、かつストラット3を互いに接続することによって、ウェビング2は、ストラット3によって体の管腔に加えられる力を、大きい表面領域にわたってより均一に分配する。体の管腔に外傷を与えることがある高い圧力を、ストラット3が管腔に加える代わりに、ウェビング2およびストラット3は、連続した接触面を協働して作り出す。その接触面にわたって、広がったストラット3の力が体の管腔の周辺に沿って分配される。したがって、ストラット3の接触領域の周りを中心とした、いくつかの高い圧力を伴う接触領域となる代わりに、本開示の装置は、いくつかのバルーン装置と同様の、より広い、拡散した、より低い圧力を伴う接触領域を作り出す。たとえば、示された実施形態における八本のストラット3を合計して計算した面積は、概ね480mm2であってよく、ウェビング2の計算した合計面積は、概ね1,670mm2であってよい。しかし、パッシブ内視鏡先端部アセンブリ17は、そうしたアクティブバルーン装置のような技術的な制限および困難がない。内視鏡先端部アセンブリ17の例示的な実施形態および詳細は、以下でさらに説明される。
【0031】
次に、本開示の一実施形態による、休止状態にある例示的な内視鏡先端部アセンブリ17を示す図である、図1を参照する。内視鏡先端部アセンブリ17は、ベース4を含む。上述のように、ベース4は、内視鏡の遠位端に嵌合して付属するように構成されてよい。ベース4は、体の管腔内で操作しているときに、使用中の内視鏡先端部アセンブリ17が内視鏡から外れるのを防止するように設計される。この目的で、たとえばベース4の内面と内視鏡頂部の外面との間の摩擦を大きくするため、ベース4は、表面加工、突起部、および/または圧点を含んでよい。
【0032】
図1に示されるように、例示的な内視鏡先端部アセンブリ17は、一つ以上のクラッシュリブ11を含んでよい。クラッシュリブ11は、ベース4の内面から突出して内視鏡と接触し、ベース4と内視鏡頂部との間の接触圧を高めることができる。それによって滑り摩擦が大きくなり、処置中に内視鏡先端部アセンブリ17が内視鏡から外れるのを防止する。クラッシュリブ11は、ベース4の軸に沿って延在するか、または軸に対して角度を付けて、もしくは軸に対して垂直に延在してよい。クラッシュリブ11は、複数の別個のリブを含んでよく、または、ベース4の一端から他端へ、もしくはベース4の全周縁を囲んで延在してよい。いくつかの実施形態において、クラッシュリブ11は、ベース4の周縁を囲む円形またはスクリュー状のデザインを形成してよい。いくつかの実施形態において、クラッシュリブ11は、互いに平行、互いに角度付き、または摩擦を大きくするための任意の適切な配置、とすることができる。クラッシュリブ11は、一端で、たとえば近位端にテーパーが付いて、漏斗形または円錐形になってよい。これによって、取付けられる内視鏡の硬質の遠位部との係合を容易にし得る。さらに、クラッシュリブ11は、均質もしくは中空でよく、または、均質領域および中空領域の両方を有してもよい。
【0033】
クラッシュリブ11は、内視鏡と係合する際に、または、内視鏡から装置を外す間もしくは体内の内視鏡を回収する間に、圧力が内視鏡先端部アセンブリ17に加えられるときに、わずかに変形するよう構成されてよい。クラッシュリブ11は、下記で説明するが、任意の適切な材料で形成されてよい。クラッシュリブ11は、たとえば約0.2mmから約0.7mmの範囲で、ベース4の内面から適切な量だけ突出してよい。下記で説明するが、クラッシュリブ11を含んだ内径は、内視鏡の外径よりも小さくてよい。したがって内視鏡先端部アセンブリ17の、クラッシュリブ11を含んだ内径は、成人用の装置では約12.75mmから約15mmの範囲で、小児用の装置では約8.75mmから12mmの範囲であってよく、ベース4およびクラッシュリブ11が製造される材料のデュロメータに依存する。クラッシュリブ11がない場合、ベース4の径は、成人用の装置では約12.25mmから約15mmの範囲で、小児用の装置では約8.25mmから12mmの範囲であってよい。ベース4の内径は、クラッシュリブ11が取付けられる表面と同一面になるように、同じ径であってよい。別の実施形態において、ベース4の内径は、クラッシュリブ11が取付けられる表面の径とは異なる径でよい。ベース4およびクラッシュリブ11を形成するために使用され得る材料の例として、熱可撓性エラストマー(たとえば、ポリウレタンもしくはサントプレーン)、熱硬化性樹脂(たとえば、ゴムおよびシリコーンゴム)、または任意の他の好適な材料が挙げられる。ベース4およびクラッシュリブ11を形成する材料の、デュロメータによる硬度は、約20Aから約70Aの範囲であってよい。
【0034】
代替として、ベース4の内面は、実質的に滑らかであってよく、または、ベース4の内面にわたって延在する表面加工パターンを含んでよく、かつクラッシュリブ11を含まなくてよい。たとえば内面は、内視鏡先端部アセンブリ17の内視鏡上における位置を維持する、被覆または表面加工を含んでよい。いくつかの実施形態において、ベース4および/またはベース4の内面は、大きい摩擦係数を有する材料で形成されてよい。またはいくつかの実施形態において、滑らかな面もしくは表面加工面は、一つ以上のクラッシュリブ11をさらに含んでよい。
【0035】
ベース4の外面は、臨床医が内視鏡先端部アセンブリ17を、内視鏡に取付けおよび取外しを行うのを補助できるよう、一つ以上の隆起部、突条部、へこみ、および/またはテクスチャを含んでよい。たとえば図1に示されるように、ベース4は、その外周に位置される一つ以上のくぼみ12を含んでよい。くぼみ12は、内視鏡先端部アセンブリ17を内視鏡に取付ける、または内視鏡から取り外すときに、臨床医がベース4を把持するのを補助し得る。
【0036】
ベース4の全体のサイズおよび形状は、内視鏡先端部アセンブリ17が付属するように構成される内視鏡の遠位端のサイズ、および形状を基準としてよい。例示的な内視鏡は、成人用の内視鏡では概ね13mmから約15mmの直径、小児用の内視鏡では約9mmから約12mmの頂部の径としてよい。いくつかの実施形態において、ベース4の内径は、約10mmから約14mmの間でよい。さらに、内視鏡先端部アセンブリ17が折畳まれた挿入構成である場合に挿入を容易にするために、内視鏡頂部の径を実質的に大きくしないよう、ベース4が嵌合する内視鏡の表面からわずかに突出するように、ベース4の外径は構成されてよい。たとえば、ベース4の外径は、約11mmから約17mmでよい。いくつかの実施形態において、内視鏡アセンブリ17のベース4は、たとえば装置と共に使用するよう意図される内視鏡のサイズおよび/または形状によって、様々なサイズにしてよい。
【0037】
ベース4は、内視鏡に取付けられるときに、内視鏡先端部アセンブリ17が内視鏡の最遠位のみに係合するように、寸法を決められてよい。多くの内視鏡の最遠位は、硬質プラスチックもしくは金属で作られ得る硬質で円筒形の頂部を含み、内視鏡の端部を画定し、剛性を提供し、ならびに/または、内視鏡の遠位面に位置する光学レンズおよび他の構造を包み込み、もしくは防護する。内視鏡の湾曲部は一般に、この遠位の金属環に近接する。多くの内視鏡の湾曲部は、より可撓性で、一般的により繊細な物質から作られる。したがってこの湾曲部は、より簡単に穴が開き、もしくは損傷を受ける場合があり、このことで漏れを起こす場合があり、または別の方法で内視鏡の健全性を傷付ける、もしくは損なう場合がある。内視鏡を犠牲にすることは望ましくなく、使用中に損傷した場合、中断すなわち進行中の処置が不可能となり得る。
【0038】
したがって、通常または不定期のいずれにおいても、内視鏡の付属品を湾曲部の上を摺動させること、または別の方法で装置を内視鏡の湾曲部に直接付けることは、望ましくない場合がある。この問題を改善するために、内視鏡先端部アセンブリ17は、より繊細な湾曲部の代わりに内視鏡の硬質の頂部と相互作用するように設計される。したがってベース4は、湾曲部に重なることなく、内視鏡の硬質の頂部と嵌合するように寸法を決められてよい。さらに、内視鏡先端部アセンブリ17は内視鏡の遠位頂部に据えられるので、より良好な視認性を提供できる。なぜなら、光学レンズが位置する内視鏡の遠位面に近い領域で、体の管腔が広げられ得るからである。
【0039】
しかし、他の装置は通常、使用中に内視鏡から外れるのを防止するために、湾曲部に付けられるよう設計される。一般に、内視鏡の付属品を所定の位置に保つためには、内視鏡の付属品が内視鏡の頂部と相互作用して内視鏡の頂部に付くほうがずっと簡単であると考えられた。他の装置が、内視鏡のより後に位置するように構成され得る、または使用中の分離に抵抗するために、内視鏡との接触面積を増すようなより広い寸法をとり得る一方で、開示された装置の実施形態は、内視鏡上の所定の位置に留まりながら、より狭くてよく、かつ優先的または独占的に遠位の硬質隆起部に接触するように構成されてよい。これは、以下でさらに説明されるように、たとえばクラッシュリブ11の使用、および/または他の設計を介して実現され得る。いくつかの実施形態において、内視鏡の硬質部分の上のみに意図される、内視鏡先端部アセンブリ17の位置付けによって、より堅い摩擦嵌合を提供することが可能となり得る。なぜなら、設計では湾曲部の繊細さを考慮に入れる必要がないからである。これによってベース4もまた、より硬質となり得る。ベース4の剛性はまた、臨床医が、アセンブリの下の内視鏡に圧力を加えることもなく、かつ内視鏡先端部アセンブリ17と内視鏡との間の摩擦を増すことなく、アセンブリを把持して圧力を加えることができるため、取外しの補助もできる。
【0040】
内視鏡先端部アセンブリ17は、ベース4から径方向に外へ広がる、折畳み傘を含む。傘は、ウェビング2と、折畳み傘を挿入状態、休止状態、および回収状態の間で移行させるために曲がるように構成される複数の可撓性ストラット3と、によって形成される。
【0041】
内視鏡先端部アセンブリ17は、ベース4の任意の箇所に取付けられる約一本から約二十本のストラット3を含んでよい。たとえば、三本、四本、五本、六本、八本、または十二本のストラット3がベース4に取付けられてよい。ストラット3は可撓性で、休止位置、挿入位置、および回収位置の間で曲がるように構成される。挿入位置において、図7Aに示されるように、ストラット3は内視鏡の軸に沿って近位方向に曲がるように構成される。これによって、内視鏡を体に挿入しやすくなるように、流線形となる。一旦体の管腔に挿入されて対象領域に導かれると、内視鏡は、対象領域を視覚化するためにゆっくりと回収され得る。内視鏡が回収されるとき、ストラット3は体の管腔と係合して、内視鏡の軸から外に曲がり得る。内視鏡がさらに回収されると、図8に示されるように、ストラット3はその頂部が遠位方向に向くまで曲がり得る。これが回収位置である。図1に示されるように、使用しないときの内視鏡先端部アセンブリ17は、休止位置としてよく、この位置ではストラット3は内視鏡の軸からラッパ状に広がるように付勢される。休止位置における、ストラット3の自然に外に向かう付勢は、体の管腔内で挿入位置と回収位置との間を移行するのを容易にし得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、内視鏡先端部アセンブリ17が休止位置にあるとき、ストラットの径間の合計は約30mmから約70mmの範囲でよい。内視鏡先端部アセンブリ17が挿入位置にあるとき、ストラットの径間の合計は約12mmから約18mmの範囲でよい。前述のストラットの径間は、処置および患者によって変化してよい。たとえば、上部胃腸管の管腔の平均径は、下部胃腸管の平均径または他の体の管腔の平均径とは異なる場合がある。さらに、幼児または年少者の同じ体の管腔の平均径は、成人のそれとは異なる場合がある。したがって、ストラットの径間は、意図する適用を反映してよく、または個々の患者でも、ストラットの径間の適切なサイズ決めによって、望ましくない圧力を管腔に加えることなく、効果的に管腔と係合するのを容易にする。
【0043】
ストラット3はウェビング2を支持して、折畳まれた挿入状態(折畳まれた傘と同様の外形)と、めくられた回収状態(裏返しになった傘と同様の外形)との間でウェビング2を移行させる。前述で説明したように、バルーンが管腔に圧力を加えるのと同様の方法で、ウェビング2およびストラット3は、回収状態にあるときに協働し、拡散した大きい表面積で低圧力である、体の管腔との接触領域を作り出す。たとえば、図9Aを参照する。内視鏡先端部アセンブリ17の、体の管腔に接触する部分は、たとえばストラット3単独の表面とは対照的に、ウェビング2およびストラット3によって作り出されたより大きい表面積にわたって広がる。内視鏡先端部アセンブリ17によって作り出された、図9Aの拡散した接触領域は、バルーンを備えた内視鏡によって作り出された拡散した接触領域と同様である。
【0044】
一実施形態において、休止位置の場合、図1に示されるように、隣接するストラット3間のウェビング2には緩みがあってよい。または、図2に示されるように、隣接するストラット3間に実質的に緩みがなくてよい。図1に示されるように、ウェビング2はプリーツ付きのパターン1であってよい。または図2に示されるように、プリーツ無しのパターンであってよい。プリーツ付きまたはプリーツ無しの実施形態のどちらかにおいて、ウェビング2は、図1および図2に示されるようにストラット3の端部と同一面に広がってよく、またはストラット3の端部を越えて広がってもよい。いくつかの実施形態において、ウェビング2は、ストラット3と同一面に広がってストラット3の端部を結合してよいが、ストラット3間の領域でストラット3の端部を越えて広がってもよく、その逆でもよい。
【0045】
一実施形態において、折畳み傘のウェビング2およびストラット3は、異なる材料で形成されてよい。たとえば、ウェビング2およびストラット3は、接着剤で互いに取付けられてよい。いくつかの実施形態において、接着剤は、RTV(室温加硫)接着剤でよい。別の実施形態において、ウェビング2およびストラット3は、プラスチック溶接または高周波溶接によって互いに取付けられてよい。別の実施形態において、ウェビング2およびストラット3は、一様に成型されてよい。一実施形態において、ウェビング2は約0.05mmから約0.2mmの範囲の厚さであってよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、ウェビング2がストラット3の下方まで延在せずベース4に届かない実施形態では、間隙21が生じ得る。内視鏡先端部アセンブリ17が回収位置にあり、ストラット3およびウェビング2が管腔に係合しているとき、この間隙21によって流体および気体が通り抜けることが可能になり得る。他の実施形態において、間隙21がなくてよい。いくつかの実施形態において、ベース4とウェビング2の遠位縁部との間の距離は、約1mmから約6mmの間であってよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、ベース4は複数のくぼみ12を含んでよい。前述のように、くぼみ12は臨床医による内視鏡先端部アセンブリ17の把持を容易にして、それによって内視鏡への設置および内視鏡からの取外しを補助し得る。しかし、図1のくぼみ12は例示である。臨床医が内視鏡先端部アセンブリ17を把持するのを補助する、たとえばベース4の外面上の隆起部、溝、または表面加工仕上げもしくは表面加工材料など、任意の適切な設計またはパターンが本開示によって企図される。
【0048】
ウェビング2、ストラット3、ベース4、またはクラッシュリブ11は、同じ材料で作られてよく、異なる材料で作られてもよい。好適な材料として、熱硬化性樹脂(たとえば、ゴムもしくはシリコーンゴム)、熱可塑性エラストマー(たとえば、熱可塑性ポリウレタンもしくはサントプレーン、または他の好適な生体適合材料)が挙げられる。ウェビング2は、熱可塑性ポリウレタンフィルム、任意の好適なポリマー、または任意の好適な生体適合材料からも作られてよい。ウェビング2、ストラット3、ベース4、またはクラッシュリブ11のうちの一つ以上はさらに、たとえば滑らかな被覆または抗菌性の被覆など、好適な被覆を含んでもよい。
【0049】
次に、本開示の別の実施形態による、明確にするためにウェビング2を描かない内視鏡先端部アセンブリ17の、それぞれ遠位および近位から見た図3および図4を参照する。これらの図において、例示的なベース4の内面がより明確に見ることができる。示されるように、ストラット3は、ベース4の内面に取付けられている。ストラット3は、ベース4の内面から広がり、ベース4の縁辺を越え、ベース4からラッパ状に広がってストラット3の先端に至る。ストラット3は、いくつかの実施形態においては硬質であり得るベース4よりも、可撓性が大きくてよい。ストラット3のベース4への取付けについて、以下でさらに詳細に記載される。前述の説明およびここでより詳細に示されるように、クラッシュリブ11により、硬質の内視鏡頂部と内視鏡先端部アセンブリ17との間の滑り摩擦を大きくすることができる。クラッシュリブ11は例であって、滑り摩擦を大きくする他の方法が、たとえば隆起部または表面加工を含む上記の説明のように企図される。
【0050】
いくつかの実施形態において、ストラット3は、硬質であり得るベース4よりも可撓性が大きくてよい。いくつかの実施形態において、ストラットはシリコーンから作られてよく、ベース4はポリカーボネートまたはポリスルホンから作られてよい。これらの材料は、相当な剛性を有し、医療用で、射出成型が可能で、かつシリコーンのオーバーモールド中にシリコーンのストラットを急速に硬化できる、高いガラス転移温度を有する。
【0051】
クラッシュリブ11が含まれる場合、ストラット3に沿って、ストラット3の間に、またはその両方で延在してよい。クラッシュリブ11は、ストラット3および/またはベース4と分離されてよく、あるいはたとえば三つ全てが一種類の材料から形成される場合には、ストラット3もしくはベース4のうちの一つの一部として、または、両方の一部として形成されてよい。さらに、図4に示されるように、クラッシュリブ11は、ストラット3の表面に沿って延在してよく、ストラット3の基部は、ベース4の内面に付属しかつベース4の内面から張り出る。このような実施形態において、クラッシュリブ11は、スコープの頂部とより容易に係合するために漏斗を形成してよい。いくつかの実施形態において、クラッシュリブ11は、ベース4および/またはストラット3と同じ材料で作られてよい。他の実施形態において、クラッシュリブ11は、クラッシュリブ11および/またはストラット3とは異なる材料で作られる。
【0052】
次に、一般的な内視鏡装置10を示す図5を参照する。内視鏡制御部6は、臨床医が、挿入管5の遠位領域にある湾曲部7の制御された曲げを介して、頂部9を患者に導くために使用するノブおよびダイヤルを含んでよい。挿入管5は、長く可撓性の管で、内視鏡10が患者に挿入されるときに曲がる。湾曲部7は、臨床医によって遠隔で制御され、曲がりながら管腔の屈折箇所を進む。内視鏡10の最遠位部である硬質の頂部9は、たとえばカメラ面8を収容する。硬質の頂部9は、本開示の内視鏡先端部アセンブリ17が取付けられ得る箇所である。本開示の内視鏡先端部アセンブリ17は、湾曲部7までは延在しなくともよい。なぜなら、前記湾曲部7まで延在すると、臨床医が湾曲部7の湾曲を制御する能力に干渉し、または上述のように湾曲部7を傷付ける場合があるからである。
【0053】
次に、本開示の一実施形態による、内視鏡10に取付けられた、休止状態にある内視鏡先端部アセンブリ17を示す、図6を参照する。本実施形態において、ベース4の遠位縁部は内視鏡7のカメラ面8と同一面である。この位置は、内視鏡先端部アセンブリ17が環9のみに載り、内視鏡10の湾曲部7の動作に干渉できないことを保証するのに役立ち得る。しかしいくつかの実施形態において、ベース4は、内視鏡面からわずかに後退してよい。いくつかの実施形態において、ストラット3と内視鏡7の長手方向軸との間の角度は、休止状態において、約45°から約90°の間であってよい。
【0054】
次に、内視鏡10に取付けられた、挿入状態にある内視鏡先端部アセンブリを示す、図7Aを参照する。いくつかの実施形態において、ストラット3と内視鏡10の長手方向軸との間の角度は、約0°から約45°の間であってよい。挿入中に、ストラット3およびウェビング2をこの位置に折畳むことは、より小さい全体径を実現して挿入を容易にするので、有利である。以下で説明するように、ストラット3およびウェビング2を挿入位置に曲げる力は、ストラット3およびウェビング2を回収位置に曲げるために要する力よりも小さくてよい。ストラットを休止位置から挿入位置へ移行させるために、各ストラット3の厚さの一部だけが、曲げられる必要があってよい。この厚さは、約0.5mmから約1mmの範囲でよい。他方で、ストラット3を回収位置に折り返すために、各ストラット3のさらなる厚さ、または各ストラット3の全厚さを曲げる必要があってよい。この厚さは、約1mmから約3mmの範囲でよい。
【0055】
次に、内視鏡10に取付けられた、回収位置にある内視鏡先端部アセンブリを示す図7Bを参照する。内視鏡先端部アセンブリ17がこのような位置にあるとき、ストラット3間のウェビング2には緩みがあってよく、これは、閉じられた状態の傘のプリーツおよび束ねたものと同様で、図7Bに示されるようにウェビング2のプリーツまたは束ねたものをもたらす。別の実施形態において、ウェビングに緩みがないときにプリーツが存在するように、プリーツを予め形成してよい。次に、内視鏡10に取付けられた、回収状態にある内視鏡先端部アセンブリ17を示す、図8を参照する。いくつかの実施形態において、回収状態において、ストラット3の頂部からベース4に接触する位置まで延長する直線に沿って計測すると、ストラット3と内視鏡7の長手方向軸との間の角度は、約50°から約180°の間でよい。ストラット3およびウェビング2によって作り出された、裏返しになった傘の形状の径は、この位置において約20mmから約30mmの範囲でよい。
【0056】
図7Aに示される挿入位置(閉じられた傘の形状に類似)から、傘のように裏返しにめくられて内視鏡を回収する際に、内視鏡先端部アセンブリ17はこの位置になる。内視鏡10の回収が始まると、ストラット3は体の管腔と係合してよく、回収との組合せによるこの係合は、ストラット3を内視鏡から離れるように外向きに曲げ、回収状態に入る。内視鏡先端部アセンブリ17における裏返しになった傘の形状は、管腔に接触して管腔に外向きの圧力を緩やかに加えてよく、それによって、ストラット3の頂部による個別の接触箇所とは対照的に、より拡散した領域にわたってより大きい表面積に接触させることによって、外傷を与えるような管腔との接触がより少なくなる。内視鏡先端部アセンブリ17を使用して実現する接触は、バルーンを備えた内視鏡のバルーンを使用して実現される接触タイプと同様の方法であってよい。
【0057】
次に、結腸16内部で、内視鏡頂部9(図では隠れている)に取付けられた回収状態にある内視鏡先端部アセンブリ17を示す、図9Aを参照する。裏返された傘の形状は、バルーンを備えた内視鏡と同様に、外向きの力をウェビング2の外周の周囲に均一に分配するので、外傷を与えるような結腸壁との接触をより少なくすることができる。図9Aに示されるように、回収位置の内視鏡先端部アセンブリ17は、緩やかな圧力を結腸に加え、結腸の襞をより広げた構成で保持し、視覚化を改善し得る。この方法において、裏返された傘の形状によって結腸の襞を伸ばし、そうしなければこれらの襞によって見えにくくなり得る表面を露出することによって、臨床医の視覚化を最大限に補助し得る。この形状はまた、内視鏡頂部8の安定化の助けにもなり得て、それによって臨床医は結腸の内部を視覚的に検査でき、またはより簡単に処置を行うことができる。さらに、内視鏡の全ての側において外向きで均一に広がるため、回収の間に、ストラット3およびウェビング2は、管腔の中央領域において、内視鏡を中心に位置決めすることができ、少なくとも部分的に重力に対抗し、かつ、内視鏡の頂部が、結腸壁に沿って落ち込む傾向、または結腸壁に沿って引きずられる傾向に対抗するのを助ける。
【0058】
次に、結腸16の内部で、内視鏡に取付けられた内視鏡頂部のバルーンを示す、図9Bを参照する。図9Aにおける、内視鏡先端部アセンブリ17によって実現される接触領域と比較した、図9Bにおける、バルーンと結腸壁との間の拡散した接触領域の類似性を参照する。しかしながら図9Bのアクティブバルーンは、バルーンを膨張させかつ制御するための追加の機器が必要となり、その一方で図9Aのパッシブな内視鏡先端部アセンブリ17は、そのような追加の機器または制御は必要ない。また、パッシブな内視鏡先端部アセンブリ19は、内視鏡の遠位頂部に直接位置され、その一方で内視鏡頂部からアクティブバルーンまでの軸方向距離はより長く、襞を広げることによって改善された、襞の裏における視覚化の効果を低減する可能性がある。
【0059】
次に、本開示の一実施形態による、明確にするためにウェビング2を省略した、挿入状態にある内視鏡先端部アセンブリ17を示す図10を参照する。図10の実施形態は、複数の把持窓19を示す。ベース4は、任意の好適な数の把持窓19を含んでよい。たとえばベース4は、ゼロ、二、四、六、八、十、十二、またはそれよりも多くの把持窓19を含んでよい。いくつかの実施形態において、把持窓19は、臨床医が内視鏡先端部アセンブリ17を取付けるとき、および取り外すときに、把持の補助を提供し得る。把持窓19は、ベース4の任意の箇所に位置されてよく、ベース4と同じ材料、または異なる材料で作られてよい。
【0060】
次に、本開示の一実施形態による、明確にするためにウェビング2を省略した、ストラット3が回収状態で最大限に折畳まれた位置にある、内視鏡先端部アセンブリ17を示す図11を参照する。いくつかの実施形態において、内視鏡の長手方向の軸に沿って見た場合、内視鏡先端部アセンブリ17が内視鏡に取付けられるときに、可能な限り最小の外径を持ち得ることは、回収時に有利となり得る。最小の外径は、ストラット3を内視鏡の遠位端に向かって折畳み、潜在的に越えることによって達成され得る。この構成は、たとえば肛門から内視鏡の頂部を最後に取り除く際など、体の管腔のより狭い区域において、外傷を与える接触を防止するのに役立ち得る。したがって、いくつかの実施形態において、ストラットは遠位方向に曲げて、内視鏡の軸に実質的に平行に位置付けることが可能であり得る。
【0061】
図10に示されるような、ストラット3が挿入位置となるのに要する力は、図8および図11に示されるような、ストラット3が回収位置となるのに要する力よりも小さい。一実施形態において、図10に示されるような、ストラット3が挿入位置に曲がるために要する力は、約0.3ポンドから約0.4ポンドの範囲でよい。別の実施形態において、図11に示されるような、ストラット3が回収位置となるのに要する力は、約2.6ポンドから約3.0ポンドの範囲でよい。ストラット3の回収時の剛性の、挿入時の剛性に対する比は、約5から約8の範囲でよい。
【0062】
ストラット3を挿入位置に曲げるために小さい挿入力を要することは、処置中の粘膜の外傷を防止するのに役立ち得る。挿入の間、内視鏡の頂部は対象領域に導かれ、したがって目標は、より小さい径の流線形を実現して、内視鏡を進めるのを容易にすることである。したがって内視鏡先端部アセンブリ17は、挿入位置においては内視鏡の軸に実質的に平行となるように構成され、結腸を広げるための外向きの圧力を、結腸に加えることは意図されない。対照的に、回収の間、内視鏡先端部アセンブリ17は、内視鏡の軸から離れて広がり、結腸を拡張して視覚化を補助するための力を結腸に加える。したがって、回収位置においてはストラット3は、内視鏡が回収される力、および内視鏡が回収されるときの体の管腔によって加えられる摩擦に、抵抗できなければならない。回収位置におけるいくらかの可撓性が、処置中に粘膜に外傷を与えるのを防止するのに望ましい場合がある一方で、回収位置において可撓性が大きすぎると、図10に示されるように、ストラット3は完全に遠位に曲がる場合があり、それでは結腸を広げられず、臨床医の視野を遮る場合がある、および/または内視鏡の頂部を結腸の中央に整定できない場合がある。内視鏡先端部アセンブリ17を、挿入位置から回収位置まで、裏返された傘のようにめくるためには、より大きな力が必要な場合があるという事実によって、回収の際にストラット3およびウェビング2が傘状の形状を維持するのを可能にし、それによって視覚化および頂部の安定の改善に役立ち得る。いくつかの実施形態において、挿入力の回収力に対する小さい比は、望ましい場合がある。次に、本開示の一実施形態による、明確にするためにウェビング2を省略した、休止状態にある内視鏡先端部アセンブリ17の一部を拡大した側面を示す、図12を参照する。確実停止部13は、回収の際にストラット3が位置および形状を維持するのを補助し得る。確実停止部13は、前述のように、回収の際にストラット3およびウェビング2が、裏返された傘の形状を維持するのに役立ち得る。
【0063】
次に、本開示の一実施形態による、明確にするためにウェビング2を省略した、休止状態にある内視鏡先端部アセンブリの遠位方向からの近接図を示す、図13を参照する。前述のように、クラッシュリブ11は、ベース4の内面に含まれてよい。クラッシュリブ11は、ベース4と内視鏡との間の滑り摩擦の量を大きくする補助をし得、それは処置中に内視鏡先端部アセンブリ17が内視鏡から外れるのを防止し得る。
【0064】
次に、本開示の一実施形態による、例示的なストラット3の側面を示す図14を参照する。ストラット3は、様々な形状および厚さで存在してよい。いくつかの実施形態において、ストラット3の長さにわたる厚さは、図14の頂部20が示すように変化してよい。いくつかの実施形態において、ストラット3の幅は、たとえば図14に示されるように変化してよく、頂部20は、ベース取付け部14よりも狭くてよい。厚さおよび/または幅のこの違いは、可撓性の違いを生じさせ、それによってストラット3の異なる領域を曲げるために要する、力の違いを生じさせることができる。代替として、厚さおよび/または幅は、ストラット3に沿って一定でよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、ストラット3の直線部の厚さは、約0.5mmから約3.0mmの範囲でよい。いくつかの実施形態において、ストラット3の頂部20の厚さは、約0.5mmから約1.0mmの範囲でよい。いくつかの実施形態において、ストラット3の幅は、約2mmから約5mmの範囲でよく、ストラット3はその長さに沿って一定の幅でよく、または変化した幅でもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、ストラット3の頂部20は、外向きに角度が付けられてよい。一実施形態において、ストラット3の頂部20の角度は、約110°から約160°の範囲でよい。頂部20に角度が付くと、回収の際に、管腔の表面をとらえることによって、ストラット3が管腔と係合するのに役立ち得る。この向上した係合は、ストラット3およびウェビング2が、傘のようにめくれて裏返されるのを補助し、それによって回収状態を実現し得る。各ストラットの頂部は少なくとも部分的に、厚さが比較的薄くて剛性が比較的低いので、管腔と係合するとき、および回収状態のときに、内視鏡アセンブリ17は柔軟で損傷を最小にする。
【0067】
ストラット3およびウェビング2は、回収中に内視鏡の頂部を安定させ、視覚化を向上させるように、周囲の体の管腔と接触するように構成される。さらに、ストラット3は、挿入位置から回収位置まで移行させるために、体の管腔と相互作用する必要がある。したがって、ストラット3の長さは、それが挿入される体の管腔の径によって、少なくとも部分的に規定される。いくつかの実施形態において、ストラット3の確実停止部13から最遠頂部までの長さは、約10mmから約25mmの範囲でよい。
【0068】
次に、本開示の一実施形態による、ストラット3の側面を示す図15を参照する。この実施形態において、ストラット3は一つ以上のノッチ15を含んでいる。ノッチ15は、ストラット3の近位対向面と遠位対向面との間で、剛性の差異を生じさせ得る。たとえば、ノッチ15が付いたストラット3の表面は、ノッチ15が付いていないストラット3の表面よりも、自身の内側に曲げるのに小さい力しか必要としなくてよい。いくつかの実施形態において、ストラット3の一方の表面と他方の表面との間のこの違いによって、ストラット3が、他方よりも一方の方向に優先的に曲がることが可能となり得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、ストラット3には一つ以上のノッチ15が付いてよい。いくつかの実施形態において、ノッチ15は、ストラット3の直線部にのみ位置されてよい。他の実施形態において、ノッチは、ストラット3の直線部と角度付き部20との両方に位置されてよい。他の実施形態において、図14に示されるように、ノッチ15がなくてもよい。ノッチ15は、たとえばスリット、矩形、三角形、U型、またはテーパー付きの断面など、任意の好適な形状とすることができる。ノッチが付いた表面に形成される間隙によって、その表面自体が縮められ得るので、ノッチの形状はストラット3の可撓性に影響し得る。
【0070】
次に、本開示の一実施形態による、明確にするためにウェビング2を省略し、ストラット3にノッチ15が付いた内視鏡先端部アセンブリ17の遠位端を斜めから示す、図16を参照する。図16は、ノッチ15がストラット3に存在する場合の、図3に示されるようなノッチが付かないストラット3の位置と同様に、ストラット3が休止位置にある図である。次に、本開示の例示的な実施形態による、内視鏡10に取付けられた、休止状態にある内視鏡先端部アセンブリ17を示す、図17Aを参照する。軸スリーブ22およびスリーブロック23は、内視鏡先端部アセンブリ7が内視鏡から外れるのを防止するよう、かつ回収時にストラット3に支持と剛性を提供するよう、協働してよい。スリーブロック23には、遠位端の内径が近位端の内径よりもわずかに大きくなるように、テーパーが付けられてよい。一実施形態において、スリーブロック23の遠位端は、約13.8mmから約15.5mmの範囲の径を有してよい。別の実施形態において、スリーブロック23の近位端は、約12.8mmから約15.0mmの範囲の径を有してよい。スリーブロック23と同様、軸スリーブ22もまた、軸スリーブ22の近位端の外径が遠位端の外径よりわずかに大きくなるように、テーパーが付けられてよい。一実施形態において、遠位端の外径は、約13.3mmから約15.5mmの範囲でよい。別の実施形態において、近位端の外径は、約13.8mmから約16mmの範囲でよい。軸スリーブ22およびスリーブロック23の両方にテーパーが付けられている特性によって、回収時に、軸スリーブ22と硬質の頂部9との間の滑り摩擦を大きくするように補助することができ、そのときストラットは、遠位方向に曲がる力を受けて、スリーブロック23を押圧し得る。テーパー部は係合し、軸スリーブ22と硬質頂部9との間の圧力および摩擦力を大きくし得る。これによって、内視鏡先端部アセンブリ17が内視鏡から外れるのを防止し得る。
【0071】
次に、本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリの部分断面図である、図17Bを参照する。断面図は、スリーブロック23の近位端と遠位端との間の厚さの違い、および軸スリーブ22といかに接触するかを示す。一実施形態において、軸スリーブ22およびスリーブロック23は、同じ材料で作られてよい。別の実施形態において、軸スリーブ22およびスリーブロック23は、異なる材料で作られてよい。スリーブロック23の幅は、約2mmから約10mmの範囲でよい。
【0072】
次に、本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す、図18Aを参照する。一実施形態において、複数の圧力パッド24が存在してよい。いくつかの実施形態において、約四個から約十二個の圧力パッド24があってよい。回収の際、ストラット3は圧力パッド24を押圧して圧力を加えてよい。圧力が圧力パッド24に加えられると、ベース4と内視鏡10の硬質の頂部9との間の滑り摩擦は大きくなり得、それによって、処置中に内視鏡先端部アセンブリ17が外れるのを防止し得る。
【0073】
次に、本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリの部分断面図である、図18Bを参照する。この断面図は、スリーブロック25と圧力パッド24と軸スリーブ30との間の接触を示す。前述のように、回収時に、ストラット3は圧力パッド24を押圧して圧力を加えることができ、それによって軸スリーブ30と内視鏡10の硬質の頂部9との間の圧力を大きくし得る。一実施形態において、軸スリーブ30およびスリーブロック25は別個の部材でよい。別の実施形態において、軸スリーブ30およびスリーブロック25は、一つの部材でよい。一実施形態において、各圧力パッド24の長さは、約2mmから約7mmの範囲でよい。別の実施形態において、各圧力パッド24の幅は、約2mmから約5mmの範囲であってよい。一実施形態において、軸スリーブ30およびスリーブロック25は同じ材料から作られてよい。別の実施形態において、軸スリーブ30およびスリーブロック25は、異なる材料で作られてよい。次に、本開示の一実施形態による、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリの部分分解図を示す、図19Aを参照する。一実施形態において、ベース4は、軸スリーブ27、スリーブロック26、およびストラット支持環28を含んでよい。これら三つの部材は、内視鏡先端部アセンブリ17が処置中に外れるのを防止するため、および/または、回収時にストラット3が押圧し得る硬質面を提供するために、軸スリーブ27と内視鏡10の硬質の頂部9との間の滑り摩擦を大きくするよう協働してよい。この配置は、内視鏡先端部アセンブリ17が内視鏡の頂部に摩擦嵌合するのに要する力よりも大きい係合解除力を提供し得る。一実施形態において、スリーブロック26と軸スリーブ27との間の摩擦係数は、軸スリーブ27と硬質の頂部9との間の摩擦係数よりも小さくてよい。スリーブロック26はリブ11を含んでよく、リブ11は軸スリーブ27に追加の圧力を加えるような働きを担ってよく、それによって、軸スリーブ27と内視鏡10の硬質の頂部9との間の滑り摩擦は大きくなる。一実施形態において、軸スリーブ27、スリーブロック26、およびストラット支持環28は、同じ材料で作られてよい。別の実施形態において、軸スリーブ27、スリーブロック26、およびストラット支持環28は、異なる材料で作られてよい。クラッシュリブ11は、前述の特性を有する。
【0074】
スリーブロック26の内径にはテーパーが付いており、径は近位端に向かって大きくなる。テーパー角度は、約0.5°から約2.5°の範囲でよい。軸スリーブ27の外径もまた、同じ方向にテーパーが付いており、遠位端の径は近位端の径よりも小さい。軸スリーブ27のテーパー角度は、約0.5°から約2.5°で変化してよい。一実施形態において、スリーブロック26の遠位端の内径は、軸スリーブ27の遠位端の外径と同一でよい。別の実施形態において、スリーブロック26の遠位端の内径は、軸スリーブ27の遠位端の外径よりわずかに小さくてよい。たとえば、一実施形態において、成人の結腸鏡のスリーブロック26の内径は、約14mmから約16mmまででよい。別の実施形態において、軸スリーブ27の外径は、約14mmから約15.5mmでよい。一実施形態において、スリーブロック26の幅は、軸スリーブ27の幅とほぼ同じでよい。別の実施形態において、スリーブロック26の幅は、軸スリーブ27の幅と異なってもよい。一実施形態において、スリーブロック26の幅は、約5mmから約10mmでよい。別の実施形態において、スリーブロック26は、約0.4mmから約1.5mmの範囲の厚さを有してよい。別の実施形態において、軸スリーブ27は、約0.3mmから約0.75mmの厚さを有してよい。一実施形態において、ストラット支持環28は、約0.3mmから約1.0mmの範囲の厚さを有してよい。
【0075】
次に、本開示の一実施形態による、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す、図20Aおよび図20Bを参照する。一実施形態において、ベース4は、遠位キャップ29および軸スリーブ27を含んでよい。これら二つの部材は、内視鏡先端部アセンブリ17が処置中に外れるのを防止するため、および/または、回収時にストラット3が押圧し得る硬質面を提供するために、軸スリーブ27と内視鏡10の硬質の頂部9との間の滑り摩擦を大きくするよう協働してよい。さらに、内視鏡10の端部を越えて延在する際の遠位キャップ29は、カメラ8が視野を妨げられないように、管腔を抑える補助をし得る。遠位キャップ29の内径は、軸スリーブ27の外径とほぼ同じでよい。別の実施形態において、遠位キャップ29の内径は、軸スリーブ27の外径と異なってよい。一実施形態において、遠位キャップ29の内径は、約12mmから約17mmの範囲でよい。別の実施形態において、軸スリーブ27の外径は、約13mmから約15mmでよい。一実施形態において、たとえば図20Aのように、遠位キャップ29の幅は、周縁に沿って均一でよく、約2mmから約8mmの範囲でよい。別の実施形態において、たとえば図20Bのように、遠位キャップの幅は、変化してよい。いくつかの実施形態において、遠位キャップ29の幅は、キャップの周縁に沿って変化してよく、その幅は約2mmから約12mmの範囲でよい。
【0076】
次に、本開示の一実施形態による、挿入位置にあるストラットの断面図を示す、図21Aを参照する。ベース4は、Aで示されるようにストラット3に常時付着するが、Cにおいてはストラット3に常時付着しない。挿入時に、ストラット3を近位方向に曲げるために要する挿入力finsertionは、回収時に要する力Fwithdrawalに比べて小さくてよい。なぜなら、ストラット3を休止位置に維持しようとする抵抗rinsertionは、ストラット3の厚さtinsertionの三次関数であり、この厚さは、回収時のストラット3の厚さTwithdrawalの約30%から約60%の範囲にあってよいからである。さらに、内視鏡先端部アセンブリ17が挿入されると、確実停止部13とベース4との間においてCでは接触しない。
【0077】
次に、本開示の一実施形態による、休止位置にあるストラットの断面図を示す、図21Bを参照する。休止位置では、ベース4とストラット3の確実停止部13との間においてCで接触する。
【0078】
次に、本開示の一実施形態による、回収位置にあるストラットの断面図を示す、図21Cを参照する。回収の際、ベース4とストラット3の確実停止部13との間においてCで接触する。さらに、回収時の曲がりに対する抵抗Rwithdrawalは、回収時における、ストラットの厚さの合計Twithdrawalの三次関数であり、これは挿入時の抵抗rinsertionよりもかなり大きくてよい。この回収抵抗Rwithdrawalは、回収に際して、ストラット3およびウェビング2の裏返した傘のような形状を維持するのを補助し得る。
【0079】
次に、本開示の一実施形態による、プリーツ付きウェビングがストラットの端部まで延在しない、例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す、図22を参照する。長さ31は、ストラット3の頂部とウェビング2の縁部との間の距離を表わす。いくつかの実施形態において、図1に示されるように、長さ31は0mmでよい。いくつかの実施形態において、長さ31は、約0mmから約15mmの範囲でよい。他の実施形態において、長さ31は、約3mmから約10mmの範囲でよい。この長さ31が0mmより長い場合、カメラの視野を遮るウェビング2が少なくなり得るので、処置中に結腸内部のより良好な視覚化を促進し得る。
【0080】
次に、本開示の一実施形態による、プリーツ付きウェビングがストラットの端部まで延在しない、例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す、図23を参照する。図23は、図22に示された実施形態の代替の図を提供し、長さ31はゼロではない距離である。
【0081】
次に、本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す、図24を参照する。図6に示されるように、長さ31は、0mmでよく、または、いくつかの実施形態において、たとえば図24に示されるように、長さ31は、約0mmから約15mmの範囲でよい。いくつかの実施形態において、ウェビング2の径方向長さは、ストラットの長さの約25%から約100%の範囲でよい。
【0082】
次に、本開示の一実施形態による、内視鏡に取付けられた、休止位置にある例示的な内視鏡先端部アセンブリを示す、図25Aを参照する。たとえば図6に示されるように、長さ31は、0mmでよく、または、いくつかの実施形態において、たとえば図24に示されるように、長さ31は、約0mmから約15mmの範囲でよい。一実施形態において、ベース4は、遠位キャップ29および軸スリーブ27を含んでよい。これら二つの部材は、カメラ8が視野を遮られないように、管腔を抑える補助をするために協働し得る。一実施形態において、たとえば図25Aのように、遠位キャップの幅は、周縁に沿って均一であってよく、約2mmから約8mmの範囲であってよい。別の実施形態において、たとえば図25Bのように、遠位キャップ29の幅は、キャップの周縁に沿って変化してよく、その幅は約2mmから約12mmの範囲でよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、内視鏡検査による処置中の視覚化を改善する方法が提供され、本開示の内視鏡先端部アセンブリが、処置に先立って内視鏡の遠位端に取付けられる。
【0084】
いくつかの実施形態において、内視鏡検査による処置中の内視鏡の安定性を改善する方法が提供され、本開示の内視鏡先端部アセンブリが、処置に先立って内視鏡の遠位端に取付けられる。
【0085】
いくつかの実施形態において、外傷を与えることの少ない内視鏡検査による処置の方法が提供され、本開示の内視鏡先端部アセンブリが、処置に先立って内視鏡の遠位端に取付けられる。
【0086】
本開示が、医療処置を実施するような特定の適用に使用される、内視鏡取付け具の例示的な実施形態を参照して本明細書で説明されるが、本明細書に記載された実施形態は、それに限定するものではないことを、理解するべきである。たとえば、スコープおよび同様の装置は、たとえば機械類の検査および/または補修など、しばしば産業用途に使用される。本開示の内視鏡取付け具はまた、医療環境以外の産業用スコープと共に使用され得る。当業者および本明細書で提供される教示にアクセスする者は、追加の変更、追加の適用、追加の実施形態、および均等物の代替の全ては、開示された実施形態の範囲に含まれることを理解するであろう。したがって、開示された実施形態は、前述または以下の記載によって限定されるとは、考えるべきではない。
【0087】
本開示の多くの特徴および利点は、詳細な明細書から明白となり、したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の趣旨および範囲に含まれる本開示の全てのそのような特徴および利点を含むことが意図される。さらに、多くの変更および変形が、当業者には容易に思い付くので、例示および記載した正確な構成ならびに動作に本開示を限定するのは、望ましくない。したがって、全ての好適な変更および均等物は、本開示の範囲に含まれるものとして使われ得る。
【0088】
さらに当業者は、本開示の基となる概念は、本開示のいくつかの目的を実行するための、他の構造、方法、およびシステムを設計する基礎として容易に使用され得るものと理解されたい。したがって、特許請求の範囲は、前述の記載によって限定されると考えるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24
図25A
図25B