【文献】
Peimin Yan et al.,Using independent component analysis for electrical impedance tomography,PROCEEDINGS OF SPIE,2004年 5月28日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の第1電極と前記複数の第2電極は、単純な電極または複合電極の内、少なくともいずれか一つであり、フレキシブル(Flexible)な弾性材質で構成されたベースプレートの一面に配列され、前記上氣道及び前記胸部のそれぞれに取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の睡眠無呼吸測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面及び添付図面に記載された内容を参照して本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明が実施形態により制限されたり限定されるものではない。
【0026】
本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書においては、単数形は、文句で特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprises)」及び/または「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素、ステップ、動作、及び/または素子は、1つ以上の他の構成要素、ステップ、動作、及び/または素子の存在または追加を排除しない。
【0027】
本明細書で使用される「実施形態」、「例」、「側面」、「例示」などは、記述された任意の様態(aspect)または設計が他の様態または設計よりも良好であるか、利点があると解釈されるべきものではない。
【0028】
また、「または」という用語は、排他的論理和「exclusive or」というよりは含む的な論理和」inclusive or」を意味する。つまり、異なるように言及しない限り、または文脈から明らかでない限り、「xがaまたはbを利用する」という表現は、含む的な自然順列の(natural inclusive permutations)内、いずれか1つを意味する。
【0029】
また、本明細書及び請求項において使用される単数表現(「a」または「an」)は、異なるように言及しない限り、または単数形のものと文脈から明らかでない限り、一般的に「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【0030】
また、本明細書及び請求項において使用される第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために使用することがあるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためにのみ使用される。
【0031】
他の定義がないと、本明細書で使用されるすべての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通的に理解することができる意味で使用されることができる。また、一般的に使用される事前に定義されている用語は明白に特別に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0032】
一方、本発明を説明するに当たって、関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合には、その詳細な説明を省略することがある。それと、本明細書で使用される用語(terminology)は、本発明の実施形態を適切に表現するために使用される用語として、これは、ユーザ、運用者の意図または本発明が属する分野の慣例などによって変わることがある。したがって、本用語の定義は、本明細書全般にわたった内容に基づいてしなければならない。
図1は、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置の構成を説明するために示すブロック図である。
【0033】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100は、被験者の顔と首周りに取り付けられた上氣道電極と胸部の周りに取り付けられた胸部電極から測定されたインピーダンスデータを映像化して無呼吸を診断する。
【0034】
このため、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100は、上氣道の電極部110、胸部電極部120、制御部130及び、無呼吸診断部150を含む。
上氣道の電極部110は、電流注入及び電圧感知のための複数の第1電極が形成され、測定しようとする被験者の顔と首の周りに沿って取り付けられる。
前記複数の第1電極は、被験者の顔と首の周りに沿って取り付けられて上気道のインピーダンスデータを測定するためのEITの電極で有り得る。
【0035】
前記EIT電極はフレキシブル(Flexible)な材質で構成されたベースプレートの一面に配列されて被験者の顔と首周りに取り付けられることができる。
【0036】
また、EIT電極は、ユーザが感知できない比較的低い電流、例えば1mA以下の高周波電流を注入し、誘導電圧を測定するために使用され、EIT電極を介して測定された電流−電圧データは、映像化アルゴリズムを介して上気道閉鎖時、その形態と閉鎖の原因となる構造的変化を検出するために使用することができる。
胸部電極部120は、電流注入及び電圧感知のための複数の第2電極が形成され、測定しようとする被験者の胸部の周りに沿って取り付けられる。
前記複数の第2電極は、被験者の胸部に応じて取り付けられて、肺の内部のインピーダンスデータを測定するためのEITの電極で有り得る。
前記EIT電極はフレキシブル(Flexible)な材質で構成されたベースプレートの一面に配列されて被験者の胸部の周りに付けられることができる。
【0037】
また、EIT電極は、ユーザが感知できない比較的低い電流、例えば1mA以下の高周波電流を注入し、誘導電圧を測定するために使用され、EIT電極を介して測定された電流−電圧データは、映像化アルゴリズムを介して胸部(肺)の形態を検出するために使用することができる。
また、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極は、単純電極または複合電極の内、少なくともいずれか1つで有り得る。
【0038】
制御部130は、複数の第1電極と複数の第2電極の各々での少なくとも一つ以上の選択された電極対に電流を選択的に供給し、選択さない電極を介して電圧を測定し、測定された電圧によるインピーダンスデータから、上氣道インピーダンスデータと胸部インピーダンスデータを分離して映像化する。
【0039】
このため、本発明の実施形態に係る制御部130は、第1電流注入モジュール131、第2電流注入モジュール132、電圧測定モジュール133、インピーダンスデータ獲得モジュール134、アルゴリズム機能モジュール135、映像生成モジュール136及び制御モジュール137をさらに含むことができる。
【0040】
第1電流注入モジュール131は、被験者の顔と首周りに付着された複数の第1電極の内、少なくとも一つの選択された電極対を介して、複数の周波数範囲を有する電流を注入することができる。
【0041】
第2電流注入モジュール132は、被験者の胸部に取り付けられた複数の第2電極の内、少なくとも一つの選択された電極対を介して、複数の周波数範囲を有する電流を注入することができる。
【0042】
実施形態にしたがって、第1電流注入モジュール131と、第2電流注入モジュール132は、選択された電極対と周波数を選択し、選択された周波数に応じた電圧信号を生成して電流に変換し、選択された電極対を介して被験者の顔及び首と胸部に変換された電流をそれぞれ注入することができる。
【0043】
他の実施形態にしたがって、第1電流注入モジュール131と、第2電流注入モジュール132は、周波数の異なる二つの電圧信号を二電流に変換して、それぞれ注入したり、複数の第1電極の内、電流を注入する電極の位置と最も遠い複数の第2電極の内、電極対を選択して、電流を注入することもできる。
【0044】
他の実施形態にしたがって、複数の第1電極の内、1つ以上の電極対を選択して、互いに異なる周波数の電流を同時に注入し、複数の第2電極の内、対称的な電極対に互いに異なる周波数の電流を同時に注入することもある。
【0045】
すなわち、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100は、周波数分離(frequency multiplexing)方法と注入電極の位置を相対的に距離が離れた電極を選定することにより、複数の電極間の信号の間の干渉を削減する空間分離(spatial multiplexing)方法を適用することができる。
【0046】
電圧信号を位相が互いに異なる二電流に変換し、振幅と周波数が同じになるよう二電流を校正し、選択された電極対を介して被験者の顔及び首と胸部に校正された二電流をそれぞれ注入することもできる。
【0047】
電圧測定モジュール133は、複数の第1電極の内、選択されない電極と複数の第2電極の内、選択されない電極から注入される電流に応じて、
誘起された(induced)電圧を測定することができる。
【0048】
例えば、電圧測定モジュール133は、測定された電圧の傾きに基づいて検出された電圧に含まれたノイズを除去し、検出された電圧の傾きが既に設定されたしきい値を超える場合、しきい値を超える区間の電圧を既設定された電圧値に置き換えることができる。
インピーダンスデータ獲得モジュール134は、測定された電圧に基づいてインピーダンスデータを獲得することができる。
【0049】
例えば、インピーダンスデータ獲得モジュール134は、注入された電流によって
誘起された電圧差信号を複数の第1電極と複数の第2電極の内、選択されない電極を介して獲得し、被験者の顔と首周りと、胸部の周り及び電極の位置に応じたインピーダンスデータを獲得することができる。
【0050】
アルゴリズム機能モジュール135は、獲得されたインピーダンスデータに信号分離アルゴリズムを適用して、上氣道インピーダンスデータと胸部インピーダンスデータを分離し、分離された、上氣道インピーダンスデータと胸部インピーダンスデータのサイズを復元することができる。
【0051】
以下においては、
図5a及び
図5bを参照して、本発明の実施形態に係る信号分離アルゴリズムを適用してインピーダンスデータを分離する過程について詳細に説明する。
図5a及び
図5bは、本発明の実施形態に係る信号分離アルゴリズムを適用してインピーダンスデータを分離する例を説明するために示したものである。
【0052】
さらに詳細には、
図5aは、信号分離アルゴリズムを適用してインピーダンスデータを分離する例を説明するために示したものであり、
図5bは、分離されたインピーダンスデータのそれぞれを原信号の大きさに復元する例を説明するために、示したものである。
【0053】
図5aを参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100は、上氣道の電極部110から被験者の顔と首の周りに応じた電圧を測定し、胸部電極部120から被験者の胸部周りに応じた電圧を測定する。
【0054】
これに従って、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100は、被験者の顔と周りに応じた電圧と、胸部の周りに応じた電圧の互いに異なる独立信号が混ざった複合信号を受信することになる。
【0055】
例えば、正常な呼吸区間では、大きさの変化が一定の空気の流れによって信号が胸部で測定されるため、上氣道の領域でのインピーダンスの変化はないが、睡眠無呼吸が発生した区間では、上氣道の領域のインピーダンスの変化が発生して胸部からの肺内部の空気の流れによる信号が正常に比べて減少したり、消えることができる。
【0056】
このとき、本発明の実施形態に係るアルゴリズム機能モジュール135は、多様の種類の互いに異なる独立信号と生体同ノイズとシステムノイズが混ざった複合信号に信号を分離
するアルゴリズムであるICA(Independent component analyses)アルゴリズムを適用して、
上氣道および胸部それぞれに応じた独立信号を分離することができる。
【0057】
さらに詳細には、本発明の実施形態に係るアルゴリズム機能モジュール135は、被験者の顔と首周りから測定された電圧と、被験者の胸部の周りから測定された電圧が含まれたインピーダンスデータにおいて、特性情報(上氣道インピーダンスデータと胸部インピーダンスデータ)だけを獲得するために、信号のホワイトニング(Signal Whitening)と信号ディコムポージング(Signal Decomposing)を適用するICAアルゴリズムを適用することができる。
【0058】
以後、本発明の実施形態に係るアルゴリズム機能モジュール135は、ICAアルゴリズムに介して分離しようとする信号の独立性が最大化される信号分離行列を算出し、信号分離行列を用いて、複合信号から互いに異なる独立信号を抽出しノイズ信号を除去することができる。
【0059】
図5bを参照すると、本発明の実施形態に係るアルゴリズム機能モジュール135は、ICAアルゴリズムを用いて分離された独立信号の大きさを原信号の大きさに補償するために、信号の大きさを、復元アルゴリズムを適用して独立信号と原信号との間の信号の大きさの復元変数を算出することができる。
【0060】
以後、本発明の実施形態に係るアルゴリズム機能モジュール135は、算出された復元変数を用いて、それぞれの独立した信号を原信号の大きさに復元することができる。
【0061】
さらに詳細には、本発明の実施形態に係るアルゴリズム機能モジュール135は、分離された独立信号
のそれぞれに信号の大きさの復元アルゴリズムである下記の[数式1]を適用して信号の大きさが復元された独立信号
を獲得することができる。
[数式1]
ここで、a及びbは、信号の大きさの復元変数を意味し、xは独立信号を意味し、yは原信号を意味する。
【0062】
すなわち、本発明の実施形態に係るアルゴリズム機能モジュール135は、周波数または電流を注入する電極対の位置に応じた電圧データに加重値を適用し、加重値が付与されたデータに測定周波数または位置に応じて分類された固有番号またはデータに分離する方法を介して、被験者の上気道と胸部で測定したインピーダンスデータを分離することができる。
【0063】
再び
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100の映像生成モジュール136は、復元された上氣道のインピーダンスデータと胸部インピーダンスデータに基づいて上氣道映像と胸部映像を映像化することができる。
【0064】
例えば、映像生成モジュール136は、測定された上氣道のインピーダンスデータと胸部インピーダンスデータ値に被験者の導電率と誘電率の映像を復元して、上氣道映像と胸部映像を映像化することができる。
【0065】
具体的には、映像生成モジュール136は、被験者の上氣道と胸部の映像化のために、複数の第1電極と複数の第2電極が有する測定プロトコルを有することにより、上氣道電極部110と胸部電極部120の位置に応じた感度と解像度を制御することもできる。このような多数の測定プロトコルを用いた測定値又はその組み合わせと、上氣道電極部110と胸部電極部120を介して生成した3次元モデリング映像で改善した感度行列を用いて、被験者の上気道及び胸部の内部の導電率と誘電率の映像つまり、インピーダンス映像である上氣道映像と胸部映像を生成することができる。
【0066】
制御モジュール137は、複数の第1電極と複数の第2電極の各々の少なくとも一つ以上の電極対の選択を制御し、選択されない電極の選択を制御し、被験者の生体信号のセンシングを制御することができる。
【0067】
制御モジュール137は、被験者の上氣道と胸部の内、少なくとも1つのインピーダンスデータを測定するように、第1電流注入モジュール131と、第2電流注入モジュール132を制御することができ、被験者の測定対象部位の生体信号を測定するように感知部140を制御することができる。
【0068】
また、制御モジュール137は、被験者の上氣道と胸部の内、少なくとも1つの垂直方向と水平方向のインピーダンスを測定するために電圧測定モジュール133、インピーダンスデータ獲得モジュール134、アルゴリズム機能モジュール135及び映像生成モジュール136の内、少なくともいずれか一つ以上のモジュールを制御することもできる。
【0069】
また、制御モジュール137は、検出された睡眠無呼吸の診断に基づく情報をユーザに表示して提供するようにユーザインターフェース部(図示せず)を制御することができ、通信部(図示せず)から外部に伝送するように制御することもできる。
【0070】
本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100の被験者の上氣道映像と胸部映像を獲得するための前記インピーダンス断層撮影(EIT)の方法を説明すると、次の通りである。
【0071】
本発明の実施形態に係る制御部130は、コマンドに応じたチャネルと正弦波の周波数を選択し、選択したチャンネルに対応する上氣道電極部110と胸部電極部120からの一対の電極を選択する。選択された一対の電極は、被験者の顔と首に対応する、上氣道及び胸部に電流を注入する用途で使用され、選択されない電極は、被験者の表面の電圧を測定する用途で使用される。
【0072】
前記チャンネルと正弦波の周波数が選択されると、制御部130は、FPGA(図示せず)を制御するための制御信号を出力する。前記制御信号は、選択された周波数についての情報を含むことができる。
【0073】
FPGAは制御信号を受信及び格納し、受信した制御信号に基づいて正弦波電圧信号を生成する。特にFPGAは制御信号に含まれた周波数情報に基づいて電圧信号を生成し、生成された電圧信号を二つの16bit D/Aコンバータ(図示せず)に伝送する。このとき、FPGAは16bit D/Aコンバータに伝送された電圧信号の振幅を調整するために8bit D/Aコンバータ(図示せず)を制御する。以後、二つの16bit D/Aコンバータに出力された電圧信号は、電圧‐電流コンバータ(図示せず)によって電流に変換され、2電流は校正器(図示せず)に伝送される。校正器(図示せず)は、振幅と周波数が同じになるよう二電流を調整する。ここで、前記二電流は180度の位相差を有する。
【0074】
本発明の実施形態に係る制御部130の制御モジュール137は、上氣道インピーダンスと胸部インピーダンスの同時測定のために、第1電流注入モジュール131と、第2電流注入モジュール132の周波数と位相差を異なるように設定することができ、同時に注入される電極の位置を制御して相互干渉を最小化する周波数分離(frequency multiplexing)と空間分離(spatial multiplexing)方法を適用することができる。
【0075】
加えて、制御部130の制御モジュール137は、校正器を通過した二電流が上氣道電極部110と胸部電極部120からの選択された電極対にそれぞれ伝送されるように、第1電流注入モジュール131及び第2電流注入モジュール132を制御する。
【0076】
被験者の顔と首周り、及び胸部の周りに注入された電流は、内部組織の抵抗率または導電率の差に応じて、その表面に互いに異なるサイズの電圧を誘導(induce)することになる。上氣道の電極部110と胸部電極部120から選択されない電極が被験者の顔と首周りの表面及び胸部の周りの表面電圧を感知すると、電圧測定モジュール133は、選択されない電極に対応する感知された表面電圧を受信する。
【0077】
以後、電圧測定モジュール133は、感知された表面電圧データの傾きに基づいて、表面電圧データにノイズが含まれたかを判断した後、ノイズが含まれた場合、その電圧データを異なる電圧値に置き換える。また、制御モジュール137は、電圧データの最大値に基づいて電圧アンプ(図示せず)の利得を調整する。例えば、制御モジュール137は、電圧データの最大値がA/Dコンバータ(図示せず)最大出力の90%に達すると、電圧アンプの利得を調整せずに、逆に電圧データの最大値がA/Dコンバータ最大出力の90%に満たない場合、電圧アンプの利得を大きくする。
【0078】
電圧データからノイズが除去され、電圧アンプの利得が調整されると、電圧測定モジュール133は、調整された利得値に基づいて電圧データを増幅させ、A/Dコンバータは、電圧データをデジタル値に変換する。
【0079】
以後、インピーダンスデータ獲得モジュール134は、チャンネル情報と利得情報に基づいて、チャンネル別利得情報を考慮して、電圧データを処理する。利得値が互いに異なるため、検出された電圧データをそのまま使用すると、被験者の上氣道と胸部の内部の電気的特性を正確に表現することが難しいからである。したがって、利得値に応じて、電圧値を差し引いたり、増大させなければならない。例えば、利得値が基準利得値よりさらに大きければ、その電圧値を減らし、利得値と基準利得値の比率を、その電圧値と乗算することができる。
【0080】
これにより、インピーダンスデータ獲得モジュール134は、チャンネル別利得情報を考慮して、電圧データを処理した後、電圧データを用いて、インピーダンスデータを獲得することができる。
【0081】
以降、アルゴリズム機能モジュール135は、インピーダンスデータから、上氣道のインピーダンスデータと胸部インピーダンスデータを分離し、映像生成モジュール136は、上氣道インピーダンスデータと胸部インピーダンスデータから被験者の、上氣道と胸部の内部を映像化する。ただし、被験者の上氣道と胸部の表面の電圧データを用いて、測定対象(上氣道または胸部)の内部を映像化するための様々な方法が適用されることができる。
【0082】
また、映像生成モジュール136は、被験者の下顎と胸郭の形態に係る3次元復元モデルを形成するために、電極に位置したマーカーを用いて光学的映像装置と長さ測定装置を用いて、外形情報を獲得することができ、これを用いた復元アルゴリズムを生成することができる。
ここで、復元アルゴリズムは、3次元映像を復元するためのアルゴリズムとして一般的に使用されるアルゴリズムが適用されることができる。
本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100は、被験者の生体信号をセンシングする感知部140をさらに含むことができる。
【0083】
例えば、感知部140は、複数のセンサを含むことができ、繊維ベースのセンサで睡眠中のユーザの生体信号をセンシング(sensing)する機能を実行することができる。
【0084】
実施形態にしたがって、感知部140は、被験者の睡眠状態の時、測定対象部位に応じた動脈血の血中酸素飽和度(SpO2)の信号を測定する血中酸素飽和度測定センサ、被験者の生体活動に伴う音を感知する音感知センサ、被験者の動きを感知する姿勢測定センサ、及び測定対象部位の心電図を測定する心電図測定センサの内、少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0085】
ここで、血中酸素飽和度測定センサは、被験者の測定対象部位に取り付けられて、血液を構成している様々の成分の内、ヘモグロビン内に存在する酸素の含有量を示す血中酸素飽和度(SpO2、Saturation of peripheral Oxygen)を測定するもので有り得る。
【0086】
実施形態にしたがって、血中の酸素飽和度測定センサは、光を用いて、反射されたり透過した被験者の人体の光容積脈波(PPG、Photoplethysmography)に関する信号を測定し、測定された光容積脈波の信号に基づいて血中酸素飽和度を測定することができる。
【0087】
また、音感知センサは、睡眠に伴う呼吸、いびき、泣き及び寝言の内、少なくともいずれか一つの音を感知することができ、実施形態に応じて、 音感知センサは、睡眠時、被験者の測定対象部位に取り付けられたり被験者から一定の距離だけ離れて存在する非‐接触の形態で有り得る。
【0088】
また、姿勢測定センサは、ジャイロセンサ及び加速度センサの内、少なくともいずれか一つから形成されることができ、被験者の測定対象部位に取り付けられて被験者の動きに応じた姿勢を測定することができる。例えば、姿勢測定センサは、加速度センサを用いて、被験者の睡眠姿勢の変動を感知し、例えば、被験者が睡眠中に横たわっていたり、あるいは覚醒中に座っていたり立っていることによる睡眠姿勢の変動状態を感知することができる。
【0089】
また、姿勢測定センサは、被験者の胸部と腹部の上に位置して呼吸による微細な各部位の位置変位を測定することができ、これにより、呼吸の意志を測定することができる。
心電図測定センサは、被験者の測定対象部位に接触されて、心電図(electroencephalogram、ECG)を測定することができる。
【0090】
ここで、心電図(ECG)は、心臓の特殊興奮伝導システム(special excitatory&conductive system)によって発生される活動電位(action potential)をベクトル和で構成された波形である。つまり、心臓の各構成要素である洞房結節(SA node、sinoatrial node)、 房室結節(AV node、atrioventricular node)、 ヒス束 (His bundle)、バンドルブランチ(bundle branch)、プルキンエ線維(furkinje fibers)など発生する活動電位のベクトル合信号を体外に取り付けた電極から測定された信号を称することがある。
【0091】
他の実施形態にしたがって、感知部140は、被験者の脳波(EEG)、筋電図(EMG)、眼球電図(EOG)、胸部の芯振動波(SCG、Seismocardiography)及び芯弾図法(BCG、Ballistocardiography)の内、少なくともいずれか一つ以上を測定することもできる。
【0092】
本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100の感知部140は、実施形態にしたがって、睡眠環境を測定する睡眠環境センサをさらに含むことができ、睡眠環境センサは、被験者と一定の距離だけ離れたところに位置して睡眠空間の騒音、光、振動、温度及び湿度の内、少なくともいずれか1つを測定することができる。
【0093】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100の無呼吸診断部150は、映像化された上氣道映像と胸部映像を定量化して無呼吸を診断する。
【0094】
無呼吸診断部150は、上氣道の映像に基づいて、時間に応じた上気道の開閉変化、程度、及び形状の内、少なくとも一つを定量化し、胸部映像に基づいて、時間に応じた肺内部の空気分布の変化、程度、及び形状の内、少なくとも一つを定量化することができる。
【0095】
これにより、無呼吸診断部150は、上氣道映像及び胸部映像からの定量化された結果と、感知部140からセンシングされた生体信号を用いて、被験者の閉鎖性無呼吸、中枢性無呼吸及び複合性無呼吸の内、少なくともいずれか一つの無呼吸の症状を診断することができる。
例えば、無呼吸診断部150は、定量化された上氣道映像や胸部映像と、センシングされた生体信号を用いて、被験者の睡眠状態を検出することができる。
【0096】
無呼吸診断部150は、定量化された上氣道映像及び胸部映像と、センシングされた生体信号による心電図、心弾図、シーム振動波、胸部及び腹部の動きなどのモポルロジ(morphology)情報から被験者の呼吸または無呼吸の睡眠状態を検出することができる。
【0097】
実施形態にしたがって、無呼吸診断部150は、呼吸性同性不整脈(respiratory sinus arrhythmia)と呼ばれる呼吸によって発生する心拍の変化現象に基づいて心電図の生体信号のピーク間隔を求め、その間隔に補間法(interpolation)を適用して呼吸信号を検出することができる。従って、無呼吸診断部150は、呼吸信号から無呼吸状態を検出することもできる。
【0098】
つまり、無呼吸診断部150は、心電図の生体信号と被験者の上氣道及び胸部に対し映像化された上氣道映像と胸部映像を用いて、被験者の呼吸や無呼吸の睡眠状態を検出することができる。
【0099】
また、無呼吸診断部150は、無呼吸の睡眠状態を検出する場合、上氣道開閉を示す上氣道映像での、肺内部の空気分布を映像化した胸部映像の比較、及び生体信号を用いて、閉鎖性無呼吸または中枢性無呼吸の睡眠状態を検出することができる。
【0100】
例えば、無呼吸診断部150は、上氣道映像及び胸部映像と、生体信号を用いて、被験者の上気道を介した空気の流れの障害により頻繁な覚醒と血中酸素飽和度濃度の低下が繰り返し的に示される閉塞性無呼吸症または10秒以上無呼吸が進行されるが、呼吸の努力がない中枢性無呼吸症の睡眠状態を検出することができる。
【0101】
また、無呼吸診断部150は、無呼吸が発生する区間(時間)での上氣道映像と胸部映像を比較して、上氣道の開閉が外部的な原因によって閉鎖される閉鎖性無呼吸、大脳や脳幹に異常が生じ呼吸をコマンドする信号が伝達されなくて呼吸運動を止めるようになって発生される中枢性無呼吸、及び閉塞性無呼吸と中枢性無呼吸のすべてが示される複合性、無呼吸の内、少なくとも一つの無呼吸の症状を診断することができる。
図2aは、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置の実施形態を示したものであり、
図2bは、上氣道電極部と胸部電極部の概略図を示すものである。
【0102】
図2aを参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、被験者の、上氣道とユーザの胸部にそれぞれ取り付けられる、上氣道電極部110と胸部電極部120を含み、被験者の測定対象部位に取り付けられた感知部140を含むことができる。
【0103】
被験者の顔と首周りに取り付けられた上氣道電極部110は、ベースプレート30a上に一定の間隔で形成されて上氣道領域周辺の顔の表面に取り付けられ、上気道の開閉のインピーダンスデータを測定することができる。
【0104】
ここで、本発明の実施形態に係る上氣道電極部110が形成されたベースプレート30aは、マスク型プレート、ベルト型プレート、電極ベルト及びケーブルベルトの内、少なくともいずれか1つで形成されることがあるが、必ずしもこれに限定されない。
【0105】
また、上氣道電極部110は、上氣道の領域の周辺の顔の表面に取り付けられた複数の第1電極20aを保護するために、複数の第1電極20aを包み込む形で構成されたベルトまたはマスク形態の保護具に形成されることができる。
【0106】
このような形態の保護具は、ユーザが自然睡眠時の圧力を感じる程度を減少させるとともに、誘導電圧を測定することができる程度の接触レベルを維持する役割を果たし、既存の超音波プローブの圧力程度に比べて圧迫感を非常に減少させることができる。従って、このような構造の上氣道電極部110を用いて、自然な睡眠状態で長時間ユーザの上氣道が閉鎖するかどうかを容易に測定することができる。
【0107】
実施形態にしたがって、複数の第1電極20aは、銀(Ag)メッキされた弾性繊維または高分子ナノ繊維(PVDF nanofiber web)をベースに製作された導電性繊維電極を含むことができるが、実施形態に沿っては長時間の測定のために皮膚反応が少ない様々な材質の電極で形成されることもあるので、これに限定されるものではない。
【0108】
被験者の胸部の周りに取り付けられた胸部電極部120は、ベースプレート30b上に一定距離の間隔を維持して形成され、被験者の胸部に取り付けられて被験者の睡眠状態の時、呼吸による肺の形状からインピーダンスを測定することができる。
【0109】
実施形態にしたがって、本発明の実施形態に係る胸部電極部120が形成されたベースプレート30bは、ベルト型配列電極の形状に必ずしも限定されない。他にも、自然睡眠時の被験者が感じる圧迫感を最小化しながら、データの測定レベルを高めるための接触レベルを考慮してベストの形、ベルト形状、及びパッチの形態の内、少なくともいずれか一つの形状や構造を有する配列の胸部電極部120を含むベースプレート30bも十分に適用することができる。
【0110】
図2aで、本発明の実施形態に係る上氣道電極部110と胸部電極部120の複数の電極20は、ベースプレート30上に一定の間隔で形成されるか、または測定対象部位(上氣道と胸部)の特性及び活用用途に応じて様々な配列と構造に配置することができる。また、ベースプレート30は、被験者の、上氣道及び胸部または腹部を含む測定対象部位に巻いた状態でのインピーダンスを測定することができるよう、一定の長さと幅を有することができるが、長さと幅は、実施形態に基づいて変形可能であるから、これに限定されるものではない。
【0111】
また、本発明の実施形態に係る上氣道電極部110と胸部電極部120は、被験者の上氣道または胸部に取り付けられて、複数の電極20を2次元または3次元に配列する方式として電極配列構造と測定構造の変更を介して、上氣道または胸部の近くの表面での電界分布を効果的に測定することができる。
【0112】
実施形態にしたがって、ベースプレート30上に形成された上氣道電極部110と胸部電極部120は、3次元的に配列で配置され、それぞれの層に対応するインピーダンス測定を可能にすることで、特定の位置での2次元的な断面映像のみを提供する従来の方法より正確で効果的な診断を図ることができる。
【0113】
本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置の被験者の測定対象部位に取り付けられた感知部140は、被験者の測定対象部位に接触されて、生体信号を感知することができる。
【0114】
感知部140は、被験者の測定対象部位のどこでも接触されることがあるので、接触される測定対象部位の位置及び数は、
図2aに示されたところに限定されるものではない。
【0115】
実施形態にしたがって、感知部140は、音感知センサ、姿勢測定センサ及び心電図測定センサの内、少なくともいずれか一つであることがあり、被験者の人体に取り付けるための繊維ベースのセンサであることがある。また、感知部140は、複数のセンサを称することもある。
【0116】
実施形態したがって、前記複数のセンサは、被験者の人体の互いに異なる部位に取り付けることができ、感知部140は、前記複数のセンサを総称する構成要素であることがある。
【0117】
また、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置の感知部は、被験者の血中酸素飽和度を測定するためには、指先やつま先の末梢血管に流れる血流量を、赤色光源を用いて透過する光量を測定する光センサを用いて、酸素飽和度(SpO2)の信号を測定することができる。
【0118】
例えば、感知部は指先に挟まれる測定端子形態で構成され、発光部に660nmの赤色LEDと940nmの赤外線LEDで構成され、受光部にはフォトダイオード(photo diode)とフォトトランジスタ(photo transistor)を取り付けした光モジュール(optic module)で構成されることができる。
【0119】
図2bを参照すると、本発明の実施形態に係る上氣道電極部110と胸部電極部120は、複数の電極20が設けられ、測定しようとする被験者の顔と首周りまたは胸部の周りに沿って装着可能である。このため、上氣道電極部110と胸部電極部120は、複数の電極20が用意されるベースプレート30(以下、電極ベルトと称する)を含む。
以下においては、
図3a及び
図3bを参照して、複数の電極20を含む電極ベルトについて詳細に説明する。
図3a及び
図3bは、
図2bに示された睡眠無呼吸測定装置に採用された複合電極を概略的に示したものである。
【0120】
図2bを再度注意深く見ると、ケーブルベルト61は、複数の電極20(以下、複合電極と称する)が固定された電極取り付け穴31を介して露出されるコネクタ(22、connecter)に接続される。このとき、ケーブルベルト61は、複合電極20に対応して、電流を注入するための複数の接続ケーブル端子61aを含むことができる。
【0121】
これにより、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置100の電圧測定モジュール133は、ケーブルベルト61を介して複合電極20に注入された電流によって
誘起された電圧を測定する。具体的に、ケーブルベルト61を介して多周波数の電流を生成して大きさと位相を制御しながら、被験者に装着された電極ベルト30の複数の電極20に電流を印加する。この際、前記多周波数を有する電流は、複合電極20の第1電極21を介して注入され、注入された電流により
誘起された電圧差信号を複合電極20の第2電極24を利用して獲得する。
【0122】
図3aを参照すると、複合電極20は、電流を注入する導電性材質の第1電極21と、電圧を測定する導電性材質の第2電極24、ケーブルベルト61と接続されるボタン形態のコネクタ22で構成される。第1電極21は、第2電極24と比較して相対的に広い面積を有して電流を注入し、第2電極24は、第1電極21に比べて相対的に小さい面積を有して電圧を測定し、繰り返される複合電極20の第2電極24とケーブルベルト61上で一対に設けられる。
【0123】
このとき、第1電極21の平板状を有し、ボタンの形状のコネクタ22は、第1電極21及び第2電極24と接続されて突出するように一対の突起形状を有する。このような複数の複合電極20のそれぞれの第1及び第2電極21,24は、非導電性材質で形成される非伝導体23を間に置いて電極ベルト30に設置される。
【0124】
一方、複数の電極20が、複合電極を含むように図示及び例示されているが、必ずしもこれに限定されず、
図3bのような単純電極20 ’を含む変形例も可能である。単純電極20’の場合、電流の注入または電圧の測定が一つの導電性電極21’からなり、非伝導体22 ’に支持される。
また、電極20、20’は、柔軟な素材の伝導性繊維または伝導性高分子物質で製作されたり乾式電極形状を有することができる。
図4a〜
図4dは、電極ベルトを概略的に示したものであり、
図4eは、電極ベルトが被験者の人体に取り付けられた例を示すものである。
【0125】
図4aを参照すると、電極ベルト30は、繊維、シリコンのような高分子化合物のような弾性材質で形成され、用意された複数の電極取り付け穴31の数設置される複数の複合電極20の数は変更可能である。一方、電極ベルト30の両端部には、相互に結合される一対の固定部32が設けられ、被験者の人体の周りに巻かれた状態を相互に固定されて維持させる。
【0126】
本発明の実施形態においては、電極ベルト30が被験者の測定対象部位である顔と首周りまたは胸部の周りに沿って包まれ両端部に設けられたベルクロ(Velcro)タイプの固定部32によって相互に固定されるものと図示と例示する。しかし、必ずしもこれらに限定されず、固定部32がフックタイプなどのような様々な固定手段の内、いずれか一つに採用されることができることは当然である。
【0127】
電極ベルト30は、
図4bに示すように、複数の複合電極20が設置されて被験者に接触される接触面33と
図4cに示すように接触面33に対向して本発明の実施形態に係る制御部130の方向に露出される露出面34を備える。このとき、電極ベルト30の接触面33には、複合電極20の第1電極21と第2電極24が露出され、露出面34には、ケーブルベルト61と接続されるコネクタ22が電極取り付け穴31を介して露出される。さらに、電極ベルト30の露出面34には、複数の複合電極20のそれぞれの情報に対応する多数の色とパターンで形成された表示部40つまり、マーカー(marker)が複数の複合電極20にそれぞれ対応するように複数個設けられる。
【0128】
実施形態にしたがって、表示部40つまり、マーカーは複合電極20ごとに異なる形で形成されていることがあり、それに伴う互いに異なるチャネル番号もしくはデータの情報が含まれており、表示部40の認識(感知)に基づいて、電極の位置を確認することができる。
【0129】
図4dを参照すると、電極ベルト30は、被験者の測定対象部位に取り付けられる感知部140をさらに含むことができ、感知部140が含まれ被験者の表面に取り付けることができる。
感知部140の構成は、
図1及び
図2aから前術したので、省略する。
【0130】
図4eを参照すると、電極ベルトに含まれた複合電極20は、測定しようとする被験者1の人体周りに沿って3次元配列で配置され、選択される電極対を介して電流を注入し、注入された電流に基づいて印加された電圧を測定し、それぞれの層に対応するインピーダンス測定が可能であるので、特定位置(胸部または上氣道)での3次元的な映像を獲得することができる。
図6a及び
図6bは、被験者の上気道の経時測定データ及び映像を示したものである。
図6aを参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、被験者の測定対象部位でのセンシングされた生体信号の測定データを示したものである。
【0131】
さらに詳細には、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、被験者の血中酸素飽和度(SpO2)、酸素流量(Airflow)、サーミスタ(Thermister)、胸郭(Thorax)及び腹部(abdomen)のそれぞれの時間による測定データを収集することができる。
【0132】
これにより、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、低呼吸(Hypopnea)または無呼吸(Obstructive apnea)の区間を感知することができ、感知された区間に対応する時間(T1、T2、…、T19)を感知することができる。
【0133】
図6bを参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、時間(T1、T2、…、T19)による上氣道映像を獲得することができるので、低呼吸または無呼吸における上氣道開閉を確認することができる。
【0134】
図6a及び
図6bを参照すると、低呼吸区間であるT1乃至T7における上氣道映像と、無呼吸区間であるT12ないしT20での上氣道映像を比較してみると、低呼吸区間と無呼吸区間での上氣道開閉をより鮮明かつ正確で定量化して確認することができる。
【0135】
図7a及び
図7bは、被験者の胸部で呼吸区間と無呼吸区間で映像化したインピーダンスデータから数値化した区間に応じた測定データといびき音データと胸部インピーダンス映像を示したものである。
【0136】
図7aを参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、被験者の胸部から感知された電圧に応じた肺EITの測定データと感知部からセンシングされたいびき(snoring)信号を示したものである。
【0137】
さらに詳細には、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、肺内の空気分布による肺EITの測定データと、測定されたいびき信号に基づいて無呼吸(apnea)区間を感知することができる。
図7bは感知された無呼吸区間での映像化された胸部映像を示したものである。
【0138】
図7bを参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、胸部映像を通して肺の内部の空気分布に応じたエクスプラネイション(expiration:呼気)とインスピレーション(inspiration)を確認することができる。
従って、胸部インピーダンス映像を通じて無呼吸、低呼吸時の肺の内部基底空気量と変化量を映像化することができる。
【0139】
これにより、
図7a及び
図7bを参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、映像化された胸部映像、センシングされた生体信号(いびき信号)及び胸部電極部から測定された電圧に基づいて、被験者の無呼吸を判断することができる。
図8a及び
図8bは、無呼吸区間における上氣道映像と胸部映像の変化を示したものである。
【0140】
図8aは、無呼吸区間(A)での測定された上氣道映像による上氣道開閉の変化を示したものであり、
図8bは、無呼吸区間(A)での測定された胸部映像による肺内の空気分布の変化を示したものである。
【0141】
さらに詳細には、
図8aの無呼吸区間(A)がない区間で、上氣道映像を注意深く見ると、上気道が開いていることを確認することができる(一番左の上氣道映像である。)正常の状態である場合、常に開いているので映像で変化がないと表示される)。また、無呼吸区間(A)での上気道映像を注意深く見ると、上気道が閉じていることを確認することができ(中央の上氣道映像である。上氣道の閉鎖のために内部組織の形態変化に起因するインピーダンスの映像の変化が表示される)、無呼吸区間(A)の終了直前での上氣道映像を注意深く見ると、上気道が開かれることの中間過程を確認することができる(一番右の上氣道映像である)。
【0142】
図8bを参照すると、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、胸部電極部から測定された電圧に応じたインピーダンスのデータ、光容積脈波(PPG)と血中酸素飽和度(SpO2)から無呼吸区間(A)を感知し、感知された無呼吸区間(A)での胸部映像を通して肺の内部の空気分布に応じたエクスプラネイション(expiration)とインスピレーション(inspiration)時の空気の変化量を確認することができる。
【0143】
これにより、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置は、無呼吸区間(A)で上気道が開閉したかどうかと肺内部の空気分布を確認して閉塞性無呼吸、中枢性無呼吸及び複合性無呼吸の内、少なくともいずれか一つの無呼吸症状を診断することができる。
図9は、本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸測定装置を用いて被験者の睡眠無呼吸を測定する方法を示すフローチャートである。
【0144】
図9を参照すると、段階910で、被験者の顔と首の周りに沿って取り付けられた複数の第1電極と被験者の胸部の周りに沿って取り付けられた複数の第2電極の各々での少なくとも一つ以上の選択された電極対に電流を選択的に供給する。
【0145】
段階910は、複数の第1電極の内、選択された電極対と、複数の第2電極の内、選択された電極対、及び周波数を選択し、選択された互いに異なる周波数に応じた電圧信号を生成して電流に変換し、選択された電極対を介して被験者の顔及び首と胸部に前記変換された電流をそれぞれ注入する段階で有り得る。
段階920において、複数の第1電極と複数の第2電極の内、選択されない電極を介して電圧を測定する。
段階930で測定された電圧に応じたインピーダンスデータを獲得する。
【0146】
段階940において獲得されたインピーダンスデータに信号分離アルゴリズムを適用して、互いに異なる、上氣道のインピーダンスデータと胸部インピーダンスデータを生体ノイズ信号から分離する。
【0147】
段階940は、獲得されたインピーダンスデータにICA(Independent Component Analyses)アルゴリズムである信号分離アルゴリズムを適用して、互いに異なる上氣道のインピーダンスデータと胸部インピーダンスデータを分離し、分離されたインピーダンスデータのそれぞれに信号大きさ復元アルゴリズムを適用して原信号に復元する段階で有り得る。
段階950において、上氣道のインピーダンスデータと胸部インピーダンスデータに基づいて上氣道映像と胸部映像を映像化する。
段階950は、復元された上氣道のインピーダンスデータと胸部インピーダンスデータから、上氣道映像と胸部映像を映像化する段階で有り得る。
本発明の実施形態に係る睡眠無呼吸の測定方法は、被験者の生体信号をセンシングする段階(図示せず)をさらに含むことができる。
段階960において映像化された上氣道映像と胸部映像を定量化して無呼吸を診断する。
【0148】
段階960は、上氣道の映像と胸部映像からの定量化された結果と、センシングされた生体信号を用いて閉塞性無呼吸、中枢性無呼吸及び複合性、無呼吸の内少なくともいずれか一つの無呼吸症状を診断する段階で有り得る。
【0149】
実施形態に係る方法は、様々なコンピュータ手段を介して実行することができるプログラム命令形態で実現され、コンピュータ読み取り可能な媒体に記録されることができる。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含むことができる。前記媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために特別に設計され構成されたものであるが、またはコンピュータソフトウェア当業者に公知されて使用可能なもので有り得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD−ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロップティカルディスク(floptical disk)のような磁気‐光媒体(magneto-optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を貯蔵し実行するように特別に構成されたハードウェアデバイスが含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いて、コンピュータによって実行されることができる高級言語コードを含む。前記ハードウェアデバイスは、実施形態の動作を実行するための1つ以上のソフトウェアモジュールとして動作するように構成することができ、その逆も同様である。
【0150】
以上のように、実施形態が限定された実施形態と図面によって説明されたとしても、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記の記載から、様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で実行されたり、及び/または説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形で結合または組み合わせか、他の構成要素または均等物によって置換されるか置換されても、適切な結果を達成することができる。
従って、他の実現、他の実施形態及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。