特許第6884477号(P6884477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884477
(24)【登録日】2021年5月14日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】中央分離帯用のガード
(51)【国際特許分類】
   E01F 15/08 20060101AFI20210531BHJP
【FI】
   E01F15/08
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-168383(P2017-168383)
(22)【出願日】2017年9月1日
(65)【公開番号】特開2019-44469(P2019-44469A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2020年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133294
【氏名又は名称】株式会社ダイクレ
(74)【代理人】
【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 隆男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓之
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 利将
(72)【発明者】
【氏名】川口 隆尚
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−130506(JP,U)
【文献】 実開平06−071515(JP,U)
【文献】 実公昭50−030034(JP,Y1)
【文献】 特開2009−221747(JP,A)
【文献】 特開平02−157308(JP,A)
【文献】 米国特許第05605413(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 1/00
E01F 13/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート床版と、該床版上の舗装層よりなる道路において、コンクリート床版上に床版長手方向に適当間隔で中央分離帯として設置されるブロックと、適当間隔をおいて隣接するブロックを連結し、前記舗装層に埋設されるケーブルとよりなることを特徴とする中央分離帯用のガード。
【請求項2】
前記ブロックには横向きの通し孔が形成され、前記ケーブルが中央分離帯に沿って一列に並んで設置されるブロックの各通し穴に通され、各ブロックを連結することを特徴とする請求項1記載の中央分離帯用のガード。
【請求項3】
前記ケーブルは複数で、各ケーブルはそれぞれ一列に並ぶブロックの異なる箇所に平行ないし略平行をなして通され、各ブロックが複数のケーブルによって連結されることを特徴とする請求項2記載の中央分離帯用のガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路、とりわけトンネル、河川橋や高架橋等の橋梁など、道幅の狭い道路で中央分離帯として設置するのに適したブロックよりなる中央分離帯用のガードに関する。
【背景技術】
【0002】
車線を区分する方法として設置される中央分離帯に関し、道幅の広い道路では、中央分離帯の幅を十分に取って、堅固なコンクリートブロックを設置し、車両の衝突に十分に耐え得るようになっているが、道幅の狭い道路では、中央分離帯を十分な幅だけ取ることができない。そのためコンクリートブロックを設置するにしても、十分な厚みにすることができないことから、設置されるコンクリートブロックに強度を持たせるためにアンカーを取付ける必要があるが、道路補修や事故処理のため、コンクリートブロックを再構築するべくアンカーを打込む場合、橋梁ではアンカーは強度確保のためコンクリート床版まで打込む必要があり、コンクリート床版へのアンカーの打込みは、橋梁の強度を損なうようになり、好ましくない。
【0003】
トンネルの場合、トンネルには通常、図1に示すように中央分離帯下に排水溝1が敷設されていることからアンカーの打込みは排水溝1の損傷をもたらすことになり、好ましくない。
【0004】
道幅の狭い暫定二車線区間では、ラバーポールを間隔をおいて設置し、上下線を区分することも多く行われている。このラバーポールは取付強度を左程必要としないため、例えトンネル内や橋梁に設置してもコンクリート床版や図1に示すトンネルの排水溝1に損傷をもたらすことはなく、車両が当っても車両の損傷をもたらすことはないが、車両が対向車線に飛び出すのを抑制する機能はなく、対向車線側に逸脱して対向車線の車両と正面衝突するおそれがある。
【0005】
下記特許文献1には、中央分離帯にスリーブを間隔を置いて埋設し、該スリーブに支柱を挿入して支持させると共に、支柱間にワイヤーロープよりなるケーブルを張設した防護柵が開示されている。この防護柵は道幅の狭い暫定二車線区間にも設置が可能で、支柱を抜き差しすることにより補修による取替えも容易であるが、支柱の取付強度を確保するうえで、スリーブは道路にかなりな深さまで埋設しておく必要があり、橋梁やトンネルに設置する場合、前記と同様の問題を生ずる。
【0006】
特許文献2には、高架橋の左右の路版の地覆に跨って設置したプレキャストコンクリート製のガードフェンスが開示されているが、このガードフェンスは車両との接触により地覆より離脱し易く、対向車線側に飛び出して対向車線の車両との接触事故を生ずるおそれがある。
【0007】
特許文献3には、中央分離帯の路面にアンカーナットを埋設し、斜線分離標を組込んだブロックを中央分離帯に設置してアンカーボルトをアンカーナットに捩込むことにより固定するものが開示され、特許文献4には、床版にアンカーボルトにより固定される台座部と、鋼板により形成され、前記台座部上に取付けられる高欄部とよりなる中央分離帯壁高欄が開示されているが、ブロック或いは壁高欄を路面或いは床版に打ち込んだアンカーナットにより取付けるのは、前述する理由により不向きで、施工するのにも手間がかかり、特許文献3記載のものにおいては更に、路面上に突設されるブロックにより車両の通行する道路幅が制限されることが否めない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−208491号
【特許文献2】特開2008−75359号
【特許文献3】特開平10−121427号
【特許文献4】特開2000−80618号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、コンクリート床版上に舗装層を有する道路の中央分離帯の構築時、コンクリート床版に手を加えることなく、簡易に設置することが可能なブロックよりなる中央分離帯用のガードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、コンクリート床版と、該床版上の舗装層よりなる道路において、コンクリート床版上に床版長手方向に適当間隔で中央分離帯として設置されるブロックと、適当間隔をおいて隣接するブロックを連結し、前記舗装層に埋設されるケーブルとよりなることを特徴とし、
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、ブロックには横向きの通し孔が形成され、前記ケーブルが中央分離帯に沿って一列に並んで設置されるブロックの各通し穴に通され、各ブロックを連結することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記ケーブルは複数で、各ケーブルはそれぞれ一列に並ぶブロックの異なる箇所に平行ないし略平行をなして通され、各ブロックが複数のケーブルによって連結されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、ブロックはコンクリート床版上に単に置いて設置するだけでよく、従来法のようにアンカー等で固定されず、コンクリート床版への固定作業は必要でないため施工が容易で、トンネルや橋梁等の中央分離帯として支障なく設置することができ、しかも厚みを左程必要としないため、薄くして道幅の狭い道路の中央分離帯として設置可能となる。またブロックを連結し、舗装層に埋設されるケーブルは、ブロック取付けのアンカー機能を果たすうえ、ブロックに車両が衝突してもブロックを両側より引張った状態で支持し、反対車線側に飛び出すのを抑制する。しかも車両の衝突によりブロックはケーブルにより両側より支持された状態で衝突方向に変位しようとするが、この際、衝撃力が吸収緩和され、車両の損傷を低減させることが可能となる。
【0013】
請求項2記載の発明によると、ブロックは通し孔にケーブルを通すだけでケーブルに連結され、ケーブルとの連結作業が容易に行える。
【0014】
請求項3に係る発明によると、ブロックに複数のケーブルが平行ないし略平行に通されることにより、ブロックの取付状態が安定し、車両がブロックに衝突したときブロックが傾いたり倒れたりし難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】トンネルの断面図。
図2】本実施形態で用いるブロックの平面図。
図3】同正面図。
図4図4のA−A線断面図。
図5図3のB−B線断面図。
図6図3のC−C線断面図。
図7】中央分離帯にブロックを設置した道路構造の断面図。
図8】隣接するブロックをケーブルで連結した平面図。
図9】同正面図。
図10】ケーブルで連結したブロックに車両が衝突したときの態様を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態の中央分離帯用のガードについて図面により説明する。
図1図5は、前記ガードに用いるブロックについて示すもので、図2はブロック11の平面図、図3は同正面図、図4図2のA−A線における断面図、図5は同B−B線における断面図、図6は同C−C線における断面図、図7はコンクリート床版12上にブロック11を設置したのち、コンクリート床版上にアスファルト等の舗装層13を形成したブロック11の断面図である。
【0017】
ブロック11は厚みが例えば20mm未満で、正面視が図3に示すように、左右対称の略台形をなし、図5及び図6に示す断面、及び図7に示す側面視で先細りの砲弾形をなしている。そして外郭が鋼板で形成され、中空の内部には図4に示すように、丈が短い補強リブ14と、丈が長く、ブロック11の断面形状と同一である補強リブ15が交互に配置して固定されている。ここでブロック11の形状は上記の形態に限定されるものではなく、リブ14、15もブロック11の形状に対応するが、その形状及び配置が限定されるものではない。
【0018】
ブロック11を構成する、図4に示す左右の側板11aと、図4図6に示す補強リブ14及び補強リブ15には、基部左右の対応する箇所に同じサイズの通し穴16が一か所ずつ形成されている。
【0019】
図中、17はブロック11の前後(図4図7)においては左右に溶接にて固着されるアングル材18とリブ19よりなる補強材である。
【0020】
中央分離帯を構築する工程においては先ず、図8及び図9に示すように、ブロック11がコンクリート床版12上に定間隔で設置され、ついで間隔をおいて隣接するブロック11が、ブロック両側の側板11a及び補強リブ14、15のそれぞれに形成される前記通し穴16にワイヤーよりなるケーブル21を通すことにより連結される。図8及び図9には、便宜上、ブロック11は一組しか示していないが、実際には図10に示すように、一列に配置される多数のブロック11が一本のケーブル21にて連結される。ケーブル21の長さには限度があり、一本のケーブル21で連結されるブロック11の数にも限度がある。そのため一連に並ぶブロック11は、一定数ごとに一本のケーブル21により連結され、ケーブル端のブロック11には別のケーブル21が連結されることになる。
【0021】
前記実施形態ではコンクリート床版12上にブロック11を置いてからケーブル21を通しているが、ケーブル21に所要数のブロック11を通してからコンクリート床版12上にブロック11を置き、ついでケーブルを通したまま、コンクリート床版上でブロック11をずらして定間隔に並ぶように配置してもよい。
【0022】
また図8及び図9に示す例では、ケーブル21を各ブロック11の側板11a及び補強リブ14、15の各通し穴16に通すようにしているため、ケーブル21端のブロック11では、ケーブル21が並列して各ワイヤー端がリブ15の通し穴16にワイヤークリップ等により連結されているが、通し穴16にケーブル21の端部を逆方向から差し込んで重ねて通して連結するか、或いはブロック11の両端部にケーブル端を連結することにより、ケーブル21を一直線上にすることも可能である。この場合、側板11a及び補強リブ14、15に通し穴16を一つずつ形成してもよい。
【0023】
前記実施形態では、中央分離帯に沿って一連に並ぶブロック11は一本のケーブルにより連結されているが、一対の通し穴16にそれぞれケーブル21を個別に平行に通し、両ケーブル21で連結するようにしてもよい。ブロック1を間隔をおいて通した2本の複数のケーブル21で連結することにより、支持状態が安定し、車両の衝突により傾いたり、倒れたりし難くなる。
【0024】
以上のようにしてブロック11はケーブル21にて定間隔で連結され、ブロック間の間隔は車両が通り抜けできない程度にされる。ブロック11をケーブル21により連結したのち、コンクリート床版上にアスファルト等よりなる舗装層13が形成され、これによりケーブル21が舗装層13に埋設された状態となる(図8)。
【0025】
図10は中央分離帯に設置される一本のケーブルより連結されるブロック11に車両25が衝突したときの態様を示すもので、車両25が衝突したブロック11は、両側からケーブル21で引張られた状態で反対車線側に飛び出そうとするが、その飛び出しは舗装層13に埋設される他のブロック11や該ブロック11を連結するケーブル21により規制される。車両衝突時にブロック11がケーブル21を引張って飛び出すことによってまた、衝突時の衝撃力が吸収緩和され、ブロック11と車両25の衝突による損傷を低減させることができる。
【0026】
前記実施形態では、ブロック11は全体が鋼製となっているが、プレキャストコンクリートで形成してもよい。この場合、通し穴はブロックの成形時、パイプの埋設により形成される。
【符号の説明】
【0027】
11・・ブロック
12・・コンクリート床版
13・・舗装層
14、15・・リブ
16・・通し穴
21・・ケーブル
25・・車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10