【実施例】
【0019】
以下、図面に基き一例について説明する。
【0020】
図1に示したものは、本発明の棒状物用陳列板の一例を展開図で示したものであり、所謂厚紙とかボール紙と称される紙製のシートにプレスによる打ち抜き加工を施した状態を示している。図面上破線で示されている部分は折り曲げられる部分であり、それぞれ山折り、谷折りに折り曲げられて筆記具を陳列できる形態に形成される。
【0021】
板本体1は、山折り部2にて折り曲げられることによって前板3と後板4とに分割されており、折り曲げ時に合わさる位置に横穴である吊り下げ部5が穿孔されている。
【0022】
前板3の前面は商品名や注意書き、模様などが印刷される表示面となるが、後板の後面となる部分にも注意書きなどの印刷を施すこともできる。この場合、シートの一面に印刷した後に折り曲げて前面と後面とを形成するので、板材を裏返したりすることなしに一度の印刷で、部材の表裏印刷が形成でき効率的である。
【0023】
前板3には、折り上げ部6を形成するための切れ目7と谷折り部8とが形成されており、谷折り部8は、プレスによる線状の凹部として形成されているので、少ない力でばらつき無く一定の線状に折り曲げることができる。
【0024】
折り上げ部6の上側切れ目7aには、クリップの基部が配置される凹部9が形成されている。また、折り上げ部6の中腹部分には、クリップの玉部が挿配される穴部10が穿孔されている。
【0025】
図2に使用状態の一例を示す。
図1に示した一例を組み立て、筆記具Aを設置した状態を示すものである。
【0026】
板本体1を山折り部2で折り曲げ、折り上げ部6を立ち上げた状態で、折り上げ部6の凹部9に筆記具A(後端ノック式のシャープペンシルを想定している。)のクリップ11の基部11aが配置されている。凹部9の幅はクリップ11の基部11aより数百ミクロン〜数ミリ幅広状態になっており、凹部の側辺がクリップ11の基部11aを、その長手方向の範囲にわたって横方向の移動を規制している移動規制辺となっている。
【0027】
また、折り上げ部6の中腹に形成された穴部10に、クリップ11の玉部11bの内側に凸となる部分が挿置され、筆記具Aが、クリップ11の基部11aを支点に振れることを抑制している。
【0028】
尚、参照符号12は筆記具Aの軸筒、13は先部材、14はノック冠である。
【0029】
また、凹部9の幅はクリップの基部11aより数百ミクロン〜数ミリ幅狭状態としてもよい。これにより、クリップ基部11aをその長手方向の範囲にわたって挟持することができ、より大きな筆記具のがたつき抑制効果を得ることができる。
【0030】
次に、クリップの基部11aが配置される凹部9の形状についての変形例を、折り上げ部6を正視した要部拡大図である
図3以降に基き説明する。
【0031】
図3に示したものは、凹部9の形状として下辺9aが短い台形形状となるように側辺を下向きに狭くなるよう傾斜させた一例である。下辺9a部分が最も幅狭となる部分であり、凹部9のクリップの入り口部分が相対的に幅が広い部分となるので、筆記具Aをセットするのが容易である。この下片9aの幅をクリップ11の基部11aの幅よりも狭くして、挟持状態とすることもできる。また、凹部9に形成される各辺の境界部分である角部9bがすべて鈍角となるので、外部から切れて破損するような事態も極力抑制されたものとなる。
【0032】
図4に示した一例は、凹部9の側辺9cの中腹部分に最も幅狭となる凸部9dを形成したものである。図示した一例は曲面状の凸部9dとしているが、直線上の傾斜した辺が結合した角を形成するものとしても良い。この凸部9dの頂点部分における凹部9の最狭幅部分は、クリップ11の基部11aの幅よりもかなり狭い部分として形成しており、クリップ11の基部11aはここを乗り越えて比較的幅広の部分に配置されることを想定している。即ち、凸部9dの頂点部分が庇となってクリップ11の基部11aが抜けることをよりいっそう抑制するものとなる。
【0033】
図5に示した一例は、凹部9を折り上げ部6の横部分に開口させ、横からクリップ11の基部11aを挿入するようにした一例である。クリップ11の基部11aが配置される部分は挿入方向から90度方向に下側に案内された位置の下辺9a部分近傍となしてあり、クリップの基部11aが抜けるためには複数の方向に移動する必要があるので、よりいっそう抜け難くなされたものである。
【0034】
図6に示した一例は、凹部9の移動規制辺である側辺9cが平行に形成されているものであるが、板本体側の側辺が短く形成されているものである。クリップ11の基部11aが配置される部分は側辺9cの範囲内であることは前述の例と同様であるが、それよりも上部に、板本体1との間に空間を形成することができ、例えば内蔵インキ色の異なる複数のリフィルを選択的に摺動操作してペン先突出させる複式繰り出しボールペンの操作部(図示せず)のような部材がクリップの基部11a以降の位置の横方向に凸配置されているものが設置しやすいようになされたものである。この場合、筆記具本体の横方向に凸配置された部分と、クリップ11の基部11aとの間でも、板本体1と折り上げ部6とによって筆記具を挟持するような関係となすこともでき、より固定が確実になるものである。
【0035】
図7、
図8は、折り上げ部6の要部拡大図である点は前例の図と同様であるが、構造説明の便宜上斜視図として示してある。
【0036】
図7にて示した一例は、凹部9の下辺9a部分を折り上げ部6から切り離さず連結したまま折り曲げ片15としたものである。側辺9cは平行に形成されている点は上述の例と同様であるが、折り曲げ片15は筆記具の本体が配置される側に折り曲げられており、この状態で筆記具を設置することによってクリップ11と筆記具の本体との間で折り曲げ片15弾性的に両者を離間させる方向に力をかけるので、筆記具Aの固定がより確実になされるものである。
【0037】
図8に示したものも、前例と同様に折り曲げ片15aを形成したものであるが、側辺9cとなる部分を折り上げ部6と連結し下辺9aを切り離したことにより観音開きの扉のごとく折り曲げ片15aを形成したものである。
【0038】
いずれの一例も、切れ目を入れることによって部分を打ち抜かずに形成できるので材料の無駄な廃棄分を極力減らせるものである。