特許第6884522号(P6884522)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884522
(24)【登録日】2021年5月14日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】低pHを有する皮膚用組成物の局所送達
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/60 20060101AFI20210531BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   A61K8/60
   A61K8/365
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-144118(P2016-144118)
(22)【出願日】2016年7月22日
(65)【公開番号】特開2017-25062(P2017-25062A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2019年5月23日
(31)【優先権主張番号】14/806,699
(32)【優先日】2015年7月23日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502112382
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アン−ソフィー・ブリリュー
(72)【発明者】
【氏名】マリサ・デビータ・デュフォルト
(72)【発明者】
【氏名】アリ・ファシフ
(72)【発明者】
【氏名】デビン・エル・ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】ヤ−ピン・フ
(72)【発明者】
【氏名】ウェン−ファ・ティン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ラミン・パルサ
(72)【発明者】
【氏名】ジョートサナ・パトゥリ
(72)【発明者】
【氏名】ダイアン・ロセッティ
(72)【発明者】
【氏名】イン・スン
(72)【発明者】
【氏名】ジャネット・ワンガリ−タルボット
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ウェイン・イェイツ
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第02/015860(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00− 8/99
A61Q1/00−19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所用組成物であって、
(a)2.8〜4.2のpKaを有する緩衝剤と、
(b)前記緩衝剤の前記pKaの1単位以内のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分と、を含み、
前記局所用組成物が、3.3〜4のpH、及び少なくとも0.15の緩衝能を有し、
前記化粧用として許容可能な活性成分が、架橋ヒアルロン酸を含
前記緩衝剤が、乳酸及び/又はグリコール酸を含む、局所用組成物。
【請求項2】
前記化粧用として許容可能な活性成分が、前記緩衝剤の前記pKaの0.7単位以内のpKaを有する、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項3】
前記架橋ヒアルロン酸が、700kDaの中間分子量を有する、請求項1又は2のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一項に記載の局所用組成物であって、
(a)前記架橋ヒアルロン酸と、
(b)乳酸と、
(c)ステアレス10と、
(d)ジラウリン酸グリセロールと、
(e)グリセリンと、を含む、局所用組成物。
【請求項5】
ケイ酸アルミニウムマグネシウム、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、キサンタンガム、シリカ、セチルヒドロキシエチルセルロース、及びポリアクリレート−13/ポリイソブチレン/ポリソルベート−20ブレンド、並びにこれらの混合物からなる群から選択される増粘剤を更に含む、請求項に記載の局所用組成物。
【請求項6】
前記増粘剤が、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマーを含む、請求項に記載の局所用組成物。
【請求項7】
2.8〜4のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分の局所送達を増加させる方法であって、3.3〜4のpH、少なくとも0.15の緩衝能を有し、かつ2.8〜4.2のpKaを有する緩衝剤を含有する組成物中の前記化粧用として許容可能な活性成分を局所投与することを含み、
前記化粧用として許容可能な活性成分が、架橋ヒアルロン酸を含
前記緩衝剤が、乳酸及び/又はグリコール酸を含む、方法。
【請求項8】
前記局所送達が、4を超えるpHを有することを除いて同じ組成物中に含有される場合の前記化粧用として許容可能な活性成分の局所送達と比較して、少なくとも2倍である、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記局所送達が、前記緩衝剤を含まないことを除いて同じ組成物中に含有される場合の前記化粧用として許容可能な活性成分の局所送達と比較して、少なくとも2倍である、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記架橋ヒアルロン酸が、700kDaの中間分子量を有する、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚に局所投与するための低pH組成物に関する。これらは、約2.8〜約4.2のpKaを有する緩衝剤と、この緩衝剤のpKaの約1単位以内のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分とを含む。本組成物は、約3.3〜約4のpH、及び少なくとも約0.15の緩衝能を有する。約2.8〜約4のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分の局所送達を増加させる方法も提供される。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸又はヒアルロナン(HA)は、交互する[β]1−3グルコロニド結合及び[β]1−4グルコサミニド結合で連結された交互するN−アセチル−D−グルコサミン単位及びD−グルクロン酸単糖類単位からなる自然発生の高分子量多糖類である。これは、体内で一般的に発生するグルコサミノグリカン(GAG)である。直鎖ヒアルロン酸の分子量は、一般的に、50,000〜8,000,000の範囲内又はそれ以上である。ヒアルロン酸は、軟骨、関節液、及び皮膚組織に存在する。組織の保湿及び潤滑などの身体におけるいくつかの生物学的プロセスに関与し、関節障害を処置し、創傷治癒及び血管形成を促進するために使用される。
【0003】
ヒアルロン酸は、皮膚の処置にも広く採用されている。市販の化粧用組成物は、多くの場合、保湿剤として直鎖ヒアルロン酸を含む。しかしながら、直鎖ヒアルロン酸の有用性は、体内のヒアルロニダーゼにより迅速に分解されるという事実により制限される場合がある。
【0004】
架橋ヒアルロン酸は、改善された機械的特性及びインビボ滞留時間をもたらす。例えば、Evonik Industries AGから市販されているHyaCare(登録商標)Filler CLは、水、ステアリン酸エチルヘキシル、ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸ポリグリセリル−4、及びイソステアリン酸ナトリウムのビヒクル中に架橋ヒアルロン酸の小さい粒子を含有する油中水型エマルションを含むリンクルスムーザーである。Vantage Specialty Ingredientsにより販売されているHylasome(登録商標)EG10は、スキンケア使用のための市販の架橋ヒアルロン酸の別の例である。
【0005】
ヒアルロン酸は、しわ及び皮膚老化の他の徴候に対処するための注入可能な充填剤として商業的にも使用される。しかしながら、注入は典型的に、特に顔では痛みを伴い、医療専門家によって投与されなければならない。ヒアルロン酸、特に架橋ヒアルロン酸、及び他の大きな、化粧用として許容可能な活性成分を、使いやすく、痛みがない局所投与によって送達することが望ましいだろう。しかしながら、哺乳類の皮膚の角質層は、貫通の大きな障壁となる。皮膚表面に適用された物質が皮膚を貫通する能力は、角質層の層の厚さと反比例関係にある。加えて、架橋ヒアルロン酸及び他の大きな分子を皮膚内に浸透させることは、その大きさのため、より困難である。ヒアルロン酸にその有益な効果を与える大きな高分子構造体によっても、局所投与が困難になる。
【0006】
架橋ヒアルロン酸を含むヒアルロン酸及び他の大きな分子を局所送達するための組成物及び方法が、今回特定された。具体的に、本発明者は、約2.8〜約4.2のpKaを有し、少なくとも0.15の緩衝能を提供する緩衝剤を含有する低pHの局所組成物が、ヒアルロン酸、及び約2.8〜約4のpKaを有する他の大きな、化粧用として許容可能な活性成分の、哺乳類の皮膚内への貫通を増加させることを見出した。このような化粧用として許容可能な活性成分の局所送達を増加させる方法も提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(a)約2.8〜約4.2のpKaを有する緩衝剤と、(b)この緩衝剤のpKaの約1単位以内のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分と、を含む局所用組成物を提供し、該組成物は、約3.3〜約4のpH、及び少なくとも約0.15の緩衝能を有する。
【0008】
本発明は、(a)ヒアルロン酸と、(b)乳酸と、(c)ステアレス10と、(d)ジラウリン酸グリセロールと、(e)グリセリンと、を含む局所用組成物も提供する。
【0009】
本発明は、約3.3〜約4のpH、少なくとも約0.15の緩衝能を有し、かつ約2.8〜約4.2のpKaを有する緩衝剤を含有する組成物中の化粧用として許容可能な活性成分を局所投与することを含む、約2.8〜約4のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分の局所送達を増加させる方法を更に提供する。
【0010】
本発明は、(a)乳酸と、(b)ステアレス10と、(c)ジラウリン酸グリセロールと、(d)グリセリンと、を含む、局所用組成物も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
別途定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術的及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって広く理解されているものと同じ意味を有する。本明細書において言及される刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は全て、参照により組み込まれる。
【0012】
用語「緩衝能」は、周知の化学用語であり、pH変化及びリットルでの緩衝量で除した、溶液のpHを1変化させるために必要な酸又は塩基のモルとして定義される。これは、無名数である。緩衝剤は、緩衝剤の消費を通して酸又は塩基の追加によりpHにおける変化を緩和する。
【0013】
本明細書で使用される「局所適用」は、例えば、手、又はティッシュ、ローラー、若しくはスプレーなどのアプリケータを使用して外皮、頭皮、又は毛髪に直接塗る、又広げることを意味する。
【0014】
本明細書で使用される「化粧用として許容可能な」は、その用語が説明する成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、炎症、アレルギー性反応等がなく、組織(例えば、皮膚又は毛髪)と接触させて使用するのに好適であることを意味する。
【0015】
本明細書で使用される「化粧用として許容可能な活性剤」としては、皮膚又は毛髪に対して化粧又は治療効果を有する化合物(例えば、合成化合物、又は天然源若しくは天然抽出物から単離された化合物)であり、抗アクネ剤、シャインコントロール剤(shine control agents)、抗菌剤、抗炎症剤、抗真菌剤、抗寄生虫剤、外部鎮痛剤、日焼け止め、光保護剤(photoprotectors)、抗酸化剤、角質溶解剤、界面活性剤、保湿剤、栄養剤、ビタミン、エネルギー、増強剤、制汗剤、収斂剤、防臭剤、固化剤、抗べんち剤(anti-callous agents)、並びに毛髪及び/又は皮膚コンディショニング剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本発明の組成物は、皮膚老化の徴候を処置するのに好適である。本明細書で使用される「皮膚老化の徴候」は、小じわ及びしわの存在、弾性の喪失、不均一な皮膚、並びにシミを含む。特に好ましい実施形態では、老化の徴候は、小じわ及びしわの存在並びに/又は弾性の喪失である。
【0017】
本明細書で使用される「皮膚老化の徴候を処置する」は、上述の皮膚老化の存在又は徴候の軽減、低減、予防、改善、又は排除を指す。
【0018】
本明細書で使用される、「しわ」は、細かい小じわ、細かいしわ、又は粗いしわを含む。しわの例としては、目の周囲の細かいしわ(例えば、「目尻のしわ」)、額及び頬のしわ、眉間の小じわ、並びに口の周囲の豊齢線が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用される「弾性の喪失」は、たるみ、弛緩、及び緩んだ組織を含むが、これらに限定されない皮膚若しくは組織の弾性又は構造一体性の喪失を含む。弾性又は組織構造一体性の喪失は、疾患、老化、ホルモン変化、機械的外傷、環境損傷、又は化粧品若しくは医薬品などの製品の組織への適用による結果を含むが、これらに限定されない、いくつかの要因の結果であり得る。
【0020】
本明細書で使用される「不均一な皮膚」は、炎症後色素沈着過度などの色素沈着過度に分類され得る、びまん性若しくは斑点模様の色素沈着に関連する皮膚の状態を意味する。
【0021】
本明細書で使用される「シミ」は、赤み又は紅斑に関連する皮膚の状態を意味する。
【0022】
本明細書で使用される「化粧料」は、身体的に美しい外観を保つ、回復する、得る、再現する、若しくは強化する、又は具体的には、組織又は皮膚の外観に関する場合、美しさ又は若さを増すように思われる美化物質若しくは製剤を指す。
【0023】
本明細書で使用される「化粧用としての有効量」は、皮膚老化の1つ又は2つ以上の徴候を処置するのに十分であるが、重度の副作用を回避するのに十分に低い生理学的に活性な化合物又は組成物の量を意味する。化合物又は組成物の化粧用としての有効量は、処置する特定の状態、最終使用者の年齢及び健康状態、処置/防止する状態の重篤度、処置の期間、他の処置の性質、使用する特定の化合物又は製品/組成物、利用する特定の化粧用として許容可能なキャリア、及び同様の要因によって変化する。
【0024】
本発明の組成物は、保湿が必要な皮膚を処置するのにも有用である。本明細書で使用される「保湿が必要な皮膚」は、水分が欠如している、皮脂が欠如している、ひび割れしている、乾燥している、痒みがある、鱗屑性である、乾皮である、脱水状態である、柔軟性が欠如している、輝きが欠如している、くすんでいる、又は脂質が欠如している皮膚を意味するが、これらに限定されない。
【0025】
特に指示しない限り、百分率又は濃度は、重量に基づく百分率又は濃度(即ち、%(W/W))を指す。特に明記しない限り、全ての範囲は、両端点を包含する、例えば、「4〜9」は、両端点の4及び9を含む。
【0026】
本発明の組成物は、(a)約2.8〜約4.2のpKaを有する緩衝剤と、(b)緩衝剤のpKaの約1単位以内のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分とを含む。
【0027】
本組成物のpHは、好ましくは、約3〜約4である。好ましくは、本組成物のpHは約3.1〜約3.5である。
【0028】
化粧用として許容可能な活性成分
化粧用として許容可能な活性成分は、使用される緩衝剤のpKaの約1単位以内のpKaを有する。一実施形態では、化粧用として許容可能な活性成分は、緩衝剤のpKaの約0.7単位以内のpKaを有する。
【0029】
一実施形態では、化粧用として許容可能な活性成分は、グルコサミノグリカン、ペプチド、アミノ酸、デンプン、糖類、及び約2.8〜約4の範囲のpKaを有する他の化粧用として許容可能な活性剤から選択される。
【0030】
好ましくは、化粧用として許容可能な活性成分は、グルコサミノグリカンを含む。
【0031】
例えば、化粧用として許容可能な活性成分は、ヒアルロン酸を含み得る。ヒアルロン酸は、直鎖ヒアルロン酸、架橋ヒアルロン酸、又は直鎖ヒアルロン酸と架橋ヒアルロン酸との混合物であってよい。ヒアルロン酸の分子量は、非常に低い分子量から非常に高い分子量まで所望により変化し得る。
【0032】
特定の一実施形態では、化粧用として許容可能な活性成分は、架橋ヒアルロン酸であるか、又はそれを含む。
【0033】
別の実施形態では、化粧用として許容可能な活性成分は、直鎖ヒアルロン酸と架橋ヒアルロン酸との混合物を含む。
【0034】
ヒアルロン酸は、2.9のpKaを有する。
【0035】
本発明において有用な市販の架橋ヒアルロン酸は、Evonik Industries AGのHyaCare(登録商標)Filler CLである。HyaCare(登録商標)Filler CLは、無溶媒プロセスによって得られる高純度の発酵由来の高品質のバイオ多糖類である。700kDaの中間分子量を持つ皮膚と同質のヒアルロン酸である。
【0036】
本発明において有用な別の市販の架橋ヒアルロン酸は、Vantage Specialty Ingredientsから販売されているHylasome(登録商標)EG10である。
【0037】
架橋ヒアルロン酸は、当該技術分野において既知のように調製され得る。例えば、直鎖ヒアルロン酸の天然源又は合成源は、ジビニルスルホン(DVS)、ホルムアルデヒド、ポリ無水物、ポリアルデヒド、多価アルコール、カルボジイミド、エポクロロヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ビス−若しくはポリ−エポキシ架橋剤(1,2,3,4−ジエポキシブタン若しくは1,2,7,8−ジエポキシオクタンなど)、又は当該技術分野において既知の他の架橋剤などを含む、様々な架橋剤と架橋することができる。架橋度は、同様に当該技術分野において既知のように調節され得る。
【0038】
緩衝剤及び緩衝能
緩衝剤は、約2.8〜約4.2、好ましくは約3.5〜約4のpKaを有する。
【0039】
緩衝剤は、例えば、乳酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、又はグルコノラクトンであり得る。好ましくは、緩衝剤は乳酸である。
【0040】
組成物中の緩衝剤の量は、約0.15を超える、又は約0.17を超える、又は約0.25を超える緩衝能を有する組成物を提供するのに好適である。
【0041】
典型的には、本組成物は、約3〜約12、又は約4〜約8重量パーセントの緩衝剤を含有する。
【0042】
エマルション
一実施形態では、本組成物は、水相、油相、及び非イオン性脂質相を含むエマルションである。
【0043】
水相は水を含有する。
【0044】
水相は、カルボマー又は他の増粘剤、例えば、キサンタンガム、カラギーナンガム、ポリアクリレート−13、ポリイソブテン、ポリソルベート−20、ポリアクリレート−13/ポリイソブチレン/ポリソルベート−20ブレンド、及びこれらの混合物を含む同等物の構造剤も含有し得る。
【0045】
好ましくは、本組成物は増粘剤を含み、この増粘剤は、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマーである。
【0046】
油相は、少なくとも1つの化粧用として許容可能な油を含有する。
【0047】
本明細書で使用される「油」は、ミセル凝集体を形成する、又はそれらの大きさを制限するために、分子間力を平衡するのに役立ち得る疎水性材料を意味する。油は、製品の塗布性(spreadibility)、皮膚感触、及び疎水性活性成分(ビタミンD、E、K、及びAなどだがこれらに限定されない)の送達、並びに日焼け止めフィルタをもたらすように皮膚軟化剤成分としても機能する。
【0048】
本組成物に有用な油には、組成物の総重量に基づき、約20%〜50%の範囲の様々な炭化水素系油、シリコーン、脂肪酸誘導体、グリセリド、植物油、植物油誘導体、アルキルエステル、ワックスエステル、蜜蝋誘導体、ステロール、及びリン脂質、並びにこれらの組み合わせが含まれる。
【0049】
好適な炭化水素油には、ワセリン、鉱油、微結晶ワックス、スクアレン、及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0050】
シリコーン油には、ジメチコン、ジメチコノール、フェニルジメチコン、及び環状ポリシロキサン、並びにこれらの組み合わせが含まれる。25℃で約0.5〜約100,000mm/s(約0.5〜約100,000センチストークス)の粘度を有するシリコーン油も、本組成物において有用であり得る。
【0051】
グリセリドには、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ココナッツ油及び誘導体、植物油及び誘導体、パーム油、ホホバ油、シアバター、ラノリン、並びにこれらの組み合わせが含まれる。
【0052】
アルキルエステル油には、脂肪酸のイソプロピルエステル及び長鎖脂肪酸のエステルが含まれるが、これらに限定されない。より好ましくは、以下のアルキルエステルが有用である:パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソヘキシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、及びこれらの組み合わせ。
【0053】
非イオン性脂質相は、約3〜約50個の炭素原子、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を含有する脂肪酸鎖を有するグリセリルモノエステル、約5個の炭素原子〜約25個の炭素原子、好ましくは約10個の炭素原子〜約18個の炭素原子を含有する脂肪酸鎖を有するグリセリルジエステル、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化アルキルフェノール、アルコキシル化酸、アルコキシル化アミド、アルコキシル化糖誘導体、天然油又はワックスのアルコキシル化誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、約10個の炭素原子〜約18個の炭素原子を含有する脂肪酸鎖を有するポリオキシエチレンエーテル脂肪酸、ステロイド、脂肪酸が約10個の炭素原子〜約20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖であり、アルコールが1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖であるアルコールの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物などの1つ又は2つ以上の非イオン性脂質を含み、アルコキシル化脂質は、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドとアルコキシル化され、エチレンオキシドとアルコキシル化されることが好ましい。
【0054】
好適なグリセリルモノエステルの例としては、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、グリセリルコケート(glyceryl cocate)、エルカ酸グリセリル、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ラノリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、グリセリルリノレート(glyceryl linolate)、ミリスチン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、グリセリルPABA、パルミチン酸グリセリル、リシノール酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、グリセリルチグリコレート(glyceryl thiglycolate)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ラウリン酸グリセリル及びミリスチン酸グリセリルが好ましい。
【0055】
好適なグリセリルジエステルの例としては、ジラウリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、ジミリスチン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、グリセリルセスイオレエート(glyceryl sesuioleate)、ステアリン酸乳酸グリセリル、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ジラウリン酸グリセリル及びジミリスチン酸グリセリルが好ましい。
【0056】
好適なポリオキシエチレン脂肪エーテルの例としては、ポリオキシエチレンセチル/ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラウリン酸又はジラウリン酸ポリオキシエチレン、ステアリン酸又はジステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンラウリル又はステアリルエーテル、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されず、ポリオキシエチレンヘッド基は、約2〜約100個の基の範囲である。好ましいポリオキシエチレン脂肪エーテルとしては、約3〜約10個のオキシエチレン単位を有するポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。
【0057】
好適なステロイドの例としては、コレステロール、βシトステロール、ビサボロール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
アルコールの好適な脂肪酸エステルの例としては、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪族イソプロピルn−ブチラート、イソプロピルn−ヘキサノエート、イソプロピルn−デカノエート、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチイドデシル(octyidodecyl myristate)が挙げられる。
【0059】
本発明の組成物において非イオン性脂質として有用な例示的なアルコキシル化アルコールは、以下の式Iに示される構造を有し、
−−(OCHCH)y−−OH 式I
式中、Rは、約6〜約22個の炭素原子を有する分枝状又は非分枝状アルキル基であり、yは、約4〜約100、好ましくは約10〜約100である。好ましいアルコキシル化アルコールは、Rがラウリル基である種であり、yは、23の平均値を有し、これはラウレス23として知られ、商品名「BRIJ 35」でICI Americas,Inc.(Wilmington,Del)から入手可能である。
【0060】
別の例示的なアルコキシル化アルコールは、ラノリンアルコールのエトキシル化誘導体である。ラノリンアルコールは、ラノリンの加水分解から得られる有機アルコールの混合物である。ラノリンアルコールのエトキシル化誘導体の例はラネス−10であり、これは、平均エトキシル化値が10のラノリンアルコールのポリエチレングリコールエーテルである。
【0061】
別の例示的なアルコキシル化アルコールは、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、PPG−12−ブテス−16である。この材料は、商品名「UCON Fluid 50−HB−660」でAmerchol Corp.(Edison,N.J)から入手可能である。
【0062】
別の種類の非イオン性脂質には、アルコキシル化アルキルフェノール、例えば、ノノキシノール−14”が含まれ、商品名「MAKON 14」で、Stepan Company(Northfield,Ill)から入手可能である。
【0063】
別の種類の非イオン性脂質は、アルコキシル化酸であり、これは、酸のエステル、大半は一般的にポリアルキレングリコールを伴う脂肪酸、例えば、PEG−8ラウレートである。
【0064】
別の種類の非イオン性脂質には、アルコキシル化アミド、例えば、PEG−6ココアミドが含まれる。
【0065】
別の種類の非イオン性脂質には、アルコキシル化糖誘導体、例えば、ポリソルベート20(ソルビトールのラウリン酸エステルとソルビトール無水物との混合物であり、約20モルのエチレンオキシドと縮合されたモノエステルから主になる)が含まれる。この材料は、商品名「TWEEN 20」でICI Americas(Wilmington,Del)から入手可能である。
【0066】
本発明の組成物に有用なアルコキシル化糖誘導体の別の例は、PEG−20セスキステアリン酸メチルグルコースであり、これは、メチルグルコース及びステアリン酸のセスキエステルのポリエチレングリコールエーテルであり、平均20モルのエチレンオキシドを含み、商品名「Glucamate SSE−20」で、Amerchol Corp.(Edison,N.J)から入手可能である。
【0067】
別の種類の非イオン性脂質としては、天然油及びワックスのアルコキシル化誘導体が挙げられる。このクラスの材料の例には、PEG−40ラノリン、PEG−40ヒマシ油、及びPEG−40硬化ヒマシ油が含まれる。
【0068】
別の種類の非イオン性脂質には、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、例えば、ポロキサマー101及びポロキサマー182が含まれる。
【0069】
好ましい非イオン性脂質には、ポリオキシエチレン脂肪エーテル、グリセリルジエステル、及びこれらの混合物が含まれる。より好ましい非イオン性脂質には、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル、ジラウリン酸グリセリル、グリセリルジミステート(glyceryl dimystate)、ジステアリン酸グリセリル、並びにこれらの混合物が含まれ、ここで、各エーテルは、約5〜約10個のオキシエチレン単位を有する。
【0070】
皮膚刺激の低減が関心事項である実施形態では、親水性ヘッド基部分に多量の炭素原子を有する非イオン性脂質、又は代替えとして、疎水性脂肪酸鎖部分に多量の炭素原子を有する非イオン性脂質を使用することが好ましい。前者は、例えば、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテルのヘッド基上の炭素原子の量を、約10個の炭素原子から約15〜20個の炭素原子に増加させることによって達成することができる。後者は、例えば、グリセリルジエステルの12個の炭素脂肪酸尾部上の炭素原子の量を、約14個の炭素〜約16個の炭素に増加させることによって達成することができる。
【0071】
本発明の組成物は、組成物の総重量に基づき、約1パーセント〜約10パーセント、好ましくは約3パーセント〜約7パーセントの非イオン性脂質を含む。
【0072】
好ましい実施形態では、非イオン性脂質相は、水、ジラウリン酸グリセリド、ステアレス−10、及びグリセリンを含む。
【0073】
一実施形態では、本組成物は、ヒアルロン酸、乳酸、ステアレス10、ジラウリン酸グリセロール、及びグリセリンを含む。ヒアルロン酸は、直鎖ヒアルロン酸であり得る。ヒアルロン酸は、架橋ヒアルロン酸であり得る。ヒアルロン酸は、直鎖ヒアルロン酸と架橋ヒアルロン酸との混合物であり得る。
【0074】
別の実施形態では、本組成物は、乳酸、ステアレス10、ジラウリン酸グリセロール、及びグリセリンを含む。
【0075】
局所用組成物
本発明の組成物は、ヒトの皮膚又は毛髪に局所的に塗布される。したがって、本組成物は、組成物の約50重量%〜約99.99重量%(例えば、組成物の約80重量%〜約99重量%)であってよい化粧用として許容可能な局所用キャリアを更に含み得る。本発明の好ましい実施形態では、化粧用として許容可能な局所用キャリアには水が含まれる。
【0076】
本組成物は、ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、クレンジング液体洗浄剤、及び固形バー、シャンプー及びヘアコンディショニング、ヘアフィクサー、ペースト、フォーム、粉、ムース、シェービングクリーム、ティッシュ、パッチ、ヒドロゲル、フィルム形成製品、フェイシャルマスク及びスキンマスク、フィルム、並びにファンデーション及びマスカラなどのメークアップを含むが、これらに限定されない、多種多様な製品の種類に作製されてもよい。これらの製品の種類としては、溶液、懸濁液、マイクロエマルション及びナノエマルションなどのエマルション、ゲル、固形物、及びリポソームが挙げられるが、これらに限定されない、数種類の化粧用として許容可能な局所用キャリアを含有し得る。以下は、このようなキャリアの非限定例である。当業者は、他のキャリアを配合することができる。
【0077】
本発明に有用な組成物は溶液として配合することができる。溶液は、典型的には、水性又は有機溶媒(例えば、約50%〜約99.99%又は約90%〜約99%の化粧用として許容可能な水性若しくは有機溶媒)を含む。好適な有機溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトールエステル、1,2,6−ヘキサントリオール、エタノール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0078】
本発明に有用な組成物は、皮膚軟化剤を含む溶液として配合することができる。このような組成物は、好ましくは、約2%〜約50%の皮膚軟化剤(複数可)を含有する。本明細書で使用される「皮膚軟化剤」は、皮膚からの経表皮水分喪失を防止することなどにより、乾燥状態の防止又は緩和のために使用する材料を指す。皮膚軟化剤の例としては、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,eds.Pepe,Wenninger and McEwen,pp.2930〜36(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Assoc.,Washington,D.C.,9th Edition,2002)(以後、「ICI Handbook」)に記載されるものなどが挙げられるが、これに限定されない。特に好適な皮膚軟化剤の例としては、植物油、鉱油、脂肪エステルなどが挙げられる。
【0079】
ローションはそのような溶液から作製され得る。ローションは、典型的には、約1%〜約20%(例えば、約5%〜約10%)の皮膚軟化剤(複数可)と、約50%〜約90%(例えば、約60%〜約80%)の水とを含有する。
【0080】
溶液から配合できる別の種類の製品はクリームである。クリームは、典型的には、約5%〜約50%(例えば、約10%〜約20%)の皮膚軟化剤(複数可)と、約45%〜約85%(例えば、約50%〜約75%)の水とを含有する。
【0081】
本発明の組成物は、水を含むか、若しくは別の方法としては無水であるか、又は水を含まないが有機及び/若しくはシリコーン溶媒、油、脂質、及びワックスを含む軟膏であってよい。軟膏は、動物又は植物油の単一塩基又は半固体の炭化水素を含有してもよい。軟膏は、約2%〜約10%の皮膚軟化剤(複数可)と、約0.1%〜約2%の増粘剤(複数可)とを含有し得る。増粘剤の例としては、ICI Handbook pp.2979〜84に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
本組成物は、エマルションとして配合することができる。局所用キャリアがエマルションである場合、約1%〜約10%(例えば、約2%〜約5%)の局所用キャリアが乳化剤(複数可)を含有する。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってよい。乳化剤の例としては、ICI Handbook,pp.2962〜71に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
ローション及びクリームを、エマルションとして配合することができる。典型的には、このようなローションは、0.5%〜約5%の乳化剤(複数可)を含有する。このようなクリームは、典型的には、約1%〜約20%(例えば、約5%〜約10%)の皮膚軟化剤(複数可)、約20%〜約80%(例えば、30%〜約70%)の水、及び約1%〜約10%(例えば、約2%〜約5%)の乳化剤(複数可)を含有する。
【0084】
水中油型及び油中水型の、ローション及びクリームのような単相エマルションのスキンケア製剤は、化粧品技術分野で周知であり、本発明に有用である。水中油中水型又は油中水中油型などの多相エマルション組成物もまた、本発明に有用である。一般に、そのような単相又は多相のエマルションは、必須成分として水、皮膚軟化剤、及び乳化剤を含有する。
【0085】
本発明の組成物は、ゲル(例えば、好適なゲル化剤(複数可)を使用した水性、アルコール、アルコール/水、又は油ゲル)として配合することもできる。水性及び/又はアルコール性ゲル用の好適なゲル化剤には、天然ガム、アクリル酸ポリマー及びアクリレートのポリマー及びコポリマー、並びにセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース)が含まれるが、これらに限定されない。油(鉱油など)用の好適なゲル化剤には、水素添加ブチレン/エチレン/スチレン共重合体、及び水素添加エチレン/プロピレン/スチレン共重合体が挙げられるが、これらに限定されない。このようなゲルは、典型的には、約0.1重量%〜約5重量%のこのようなゲル化剤を含有する。
【0086】
本発明の組成物は、固形配合物(例えば、ワックス系スティック、ソープバー組成物、粉末剤、又はティッシュ含有粉末剤に配合することもできる。
【0087】
本発明に有用な組成物は、上述の構成成分に加えて、当該技術分野で設定されたレベルで、従来から皮膚及び毛髪用の組成物に使用されている、多種多様な付加的な油溶性材料及び/又は水溶性材料を含有することができる。
【0088】
追加の化粧用として許容可能な活性剤
一実施形態では、本組成物は、追加の化粧用として許容可能な活性剤を含有する。
【0089】
一実施形態では追加の薬剤は、ヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイル、D−パンテノール、オクチルメトキシシニメート(octyl methoxycinnimate)、サリチル酸オクチル、ホモサラート、アボベンゾン、カロチノイド、レチノイド(レチノール及びパルミチン酸レチニル)、セラミド、多不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、酵素、酵素阻害剤、鉱物、ホルモン(エストロゲンなど)、ステロイド(ヒドロコルチゾン)、2−ジメチルアミノエタノール、銅塩(塩化銅など)、ペプチド(銅を含有するものを含む)、補酵素Q10、アミノ酸(プロリンなど)、ビタミン、ラクトビオン酸、アセチル−補酵素A、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、リボース、電子輸送体(NADH及びFADH2など)、及び他の植物抽出物(アロエベラ、ナツシロギク、オートミール、及びこれらの誘導体など)、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるが、これらに限定されない。追加の化粧用として活性な薬剤は、典型的には、組成物の約0.001重量%〜約20重量%、例えば、約0.01重量%〜約5重量%などの約0.005重量%〜約10重量%の量で本発明の組成物中に存在する。
【0090】
ビタミンの例としては、ビタミンA、ビタミンB(ビタミンB3、ビタミンB5、及びビタミンB12など)、ビタミンC、ビタミンK、及びα、β、γ、若しくはδトコフェロールのような異なる形態のビタミンE、又はこれらの混合物、並びにこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
ヒドロキシ酸の例には、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、及び酒石酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
抗酸化剤の例としては、スルフヒドリル化合物及びその誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム及びN−アセチル−システイン)、リポ酸及びジヒドロリポ酸、レスベラトロル、ラクトフェリン、並びにアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル及びアスコビルポリペプチド)などの水溶性抗酸化剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物に使用するのに好適な油溶性抗酸化剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド(例えば、レチノール及びパルミチン酸レチニル)、トコフェロール(例えば、酢酸トコフェノール)、トコトリエノール、並びにユビキノンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物に使用するのに好適な抗酸化剤を含有する天然抽出物としては、フラボノイド及びイソフラボノイド並びにそれらの誘導体(例えば、ゲニステイン及びダイゼイン)を含有する抽出物、レスベラトロル等を含有する抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。このような天然抽出物の例には、ブドウの種、緑茶、松の樹皮、及びプロポリスが挙げられる。
【0093】
その他の材料
様々な他の材料も、当該技術分野において既知のように、本組成物中に存在してもよい。これらは、湿潤剤、pH調整剤、キレート剤(例えば、EDTA)、香料、染料、及び防腐剤(例えば、パラベン)を含む。
【0094】
本発明の組成物並びにこのような組成物を含有する配合物及び製品は、当業者に周知の方法を用いて調製することができる。
【0095】
本組成物は、角質層を介してその貫通を増加させることによって、化粧用として許容可能な活性成分の増加した局所送達をもたらす。
【0096】
局所送達を増加させる方法
一実施形態では、本発明は、約3.3〜約4のpH、少なくとも約0.15の緩衝能を有し、かつ約2.8〜約4.2のpKaを有する緩衝剤を含有する組成物中の化粧用として許容可能な活性成分を局所投与することを含む、約2.8〜約4のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分の局所送達を増加させる方法を提供する。
【0097】
本明細書で使用される、活性成分の「局所送達」は、1)ヒトの皮膚内に活性成分を貫通させること、又は2)ヒトの皮膚に活性成分を保持すること、又は3)ヒトの皮膚内に活性成分を貫通させ、かつそれを保持することの両方を意味する。本発明の方法を用いて、好ましくは、化粧用として許容可能な活性成分をヒトの皮膚内に貫通させること、及びそれを保持することの両方が増加される。
【0098】
例えば、化粧用として許容可能な活性成分の局所送達は、4を超えるpHを有するが、他は同じである組成物中に含有される場合のその局所送達と比較して、2倍以上であり得る。
【0099】
別の方法としては、化粧用として許容可能な活性成分の局所送達は、約2.8〜約4.2のpKa有する緩衝剤を含有しないが、他は同じである組成物中に含有される場合のその局所送達と比較して、2倍以上であり得る。
【0100】
好ましい実施形態では、化粧用として許容可能な活性成分は、ヒアルロン酸を含む。特に、ヒアルロン酸は、直鎖ヒアルロン酸、架橋ヒアルロン酸、又は直鎖ヒアルロン酸とヒアルロン酸ヒアルロン酸との混合物を含み得る。例えば、化粧用として許容可能な活性成分は、架橋ヒアルロン酸を含み得る。
【0101】
本発明の方法の目的のため、ヒアルロン酸の貫通は、ヒアルロン酸の生体送達(biodelivery)を測定する以下のヒアルロン酸貫通試験を用いて測定される。ヒトの表皮と同等の組織(MatTek Corporation、EpiDerm−Epi−200)を使用する。表皮と同等の組織は、供給メーカーの指示に従って扱われ、培養される。試験組成物の6ulの試料を組織に適用し、次に、これを、5%のCO、37℃のインキュベータ中の培養物中で維持する。組織の下の培養培地を処置の24時間後に回収し、製造者の指示に従い、ヒアルロンELISAキット(Echelon,Inc.、カタログ#K−1200)を用いてHAの存在について測定する。HAの存在を評価するために、マイクロプレートリーダー(Versamax、Molecular Devices Inc.)を用いて、試薬の比色分析変化を405nmで測定する。
【0102】
以下の非限定的実施例は、本発明を更に説明する。
【実施例】
【0103】
(実施例1)
表1に示される成分を使用して、一連の本発明の組成物及び比較組成物を作製した。本発明の組成物及び比較組成物は全て、主である水相、油相、及び非イオン性脂質相の3つの相からなった。以下の実施例に論じられるように、乳酸(緩衝剤)及び乳酸ナトリウム(pH調整剤)の量を変化させながら、以下の手順を用いて組成物を調製した。
【0104】
【表1】
【0105】
各組成物の主相(表1の成分1〜5)を作製するために、混合槽に精製水を充填し、混合を開始した。増粘剤又は粘度増加剤(Sepimax C)を槽に添加し、完全に分散するまで混合した。分散された時点で、主相を75〜80℃に加熱した。加熱しながらキレート剤(ジナトリウムEDTA)、保湿剤/湿潤剤(グリセリン)、及び防腐剤(クロルフェネシン)を添加した。以下の位相調整ステップまで連続混合しながら主相を75〜80℃に保持した。
【0106】
油相(表1の成分6〜16)を作製するために、付随する槽に乳化剤/エマルション安定剤(ステアリン酸、パルミチン酸、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアリン酸グリセリル、PEG−100ステアレート、ステアリルアルコール、及びセチルアルコール)を充填し、これを混合し、75〜80℃に加熱した。次に、皮膚軟化剤/スキンコンディショナー(C12〜15アルキルベンゾエート、ジメチコン、イソステアリン酸プロピレングリコール、C12〜15乳酸アルキル、及び乳酸セチル)を槽に添加し、均一な溶液が得られるまで75〜80℃の温度で混合した。加熱は、温度が80〜85℃に達するまで続けられ、この時点で、油相は、以下に記載される位相調整ステップのために保持された。
【0107】
非イオン性脂質相(表1の成分17〜20)を作製するために、槽に精製水を充填し、高速で混合し、均一になるまで非イオン性脂質の材料(ジラウリン酸グリセリド、POE−ステアレス−10、及びグリセリン)を混ぜ入れながら、60〜65℃に加熱し、その後、主相に添加するまで60〜65℃に保持した。
【0108】
位相調整ステップを完了するために、油相を主相に添加することによって主相(75〜80℃)及び油相(75〜80℃)を組み合わせた。温度を75〜80℃に維持し、混合物を均一になるまで攪拌した。相が均一になった時点で、槽を55〜60℃に冷却し、この時点で、Hyacare Filler CL(架橋ヒアルロン酸(HA))を槽に添加し、成分が完全に分散し、バッチ全体を通して均一になるまで混合した。バッチを50〜55℃に更に冷却し、非イオン性脂質相をバッチに添加した。次に、全ての成分が完全に分散し、均一になるまでバッチを混合した。均一になった時点で、バッチを35〜40℃に冷却し、緩衝剤(乳酸)、防腐剤(フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン)、プロピレングリコール、及び香料を添加した。均一になるまでバッチを混合した。乳酸ナトリウムを用いて所望の範囲にpHをゆっくり調節した。
【0109】
(実施例2)
6つの組成物2A〜2Fを実施例1に記載されるように作製し、上述のヒアルロン酸貫通試験を用いてヒアルロン酸(HA)貫通に関して試験した。乳酸なしで、pHを変更して組成物を作製した。組成物の全ては、0.002未満の緩衝能を有した。
【0110】
結果を表2に示す。未処置試料に対するHA貫通の最大パーセント増加はわずか64%であった(組成物2D)。
【0111】
【表2】
【0112】
(実施例3)
実施例1に記載されるように4つの組成物を作製し、ヒアルロン酸貫通試験を用いてヒアルロン酸(HA)貫通に関して試験した。組成物のpHは3.3に固定したが、異なる量の乳酸及び異なる量の緩衝能を有した。
【0113】
結果を表3に示す。HA貫通は、緩衝能に対して明らかに直接依存した。0.1未満の緩衝能を有する組成物3A及び3Bは、HA貫通において、それぞれ、10%及び119%の増加を示した。しかしながら、本発明による、及び0.1を超える緩衝能を有する組成物4C及び4Dは、未処置試料よりも、それぞれ、4倍及び5倍大きいHA貫通を示し、組成物3A及び3Bで達成されたものの2倍超であった。
【0114】
【表3】
【0115】
(実施例4)
実施例1に従い作製した6つの組成物を、ヒアルロン酸貫通試験を用いてヒアルロン酸(HA)貫通に関して試験した。組成物は各々6重量%の乳酸を含有したが、3.0〜6.0の範囲のpH及び0.096〜0.37の緩衝能を有した。
【0116】
結果を表4に示す。HA貫通とpHとの間に明らかな反比例関係があった。
【0117】
【表4】
【0118】
(実施例5)
実施例1に従い作製した4つの組成物を、ヒアルロン酸貫通試験を用いてヒアルロン酸(HA)貫通に関して試験した。本組成物は、緩衝能が0.001〜0.021の様々な量の乳酸を含有した。各組成物はpH6を有した。
【0119】
結果を表5に示す。これらの組成物のいずれも未処置試料に対して18%を超える(組成物5D)ヒアルロン酸貫通を増加させなかった。
【0120】
【表5】
【0121】
(実施例6)
この実施例は、他の緩衝剤が本発明に従い使用することができることを示す。
【0122】
乳酸の代わりに緩衝剤としてグリコール酸を用いて、実施例1に従い4つの組成物を作製した。ヒアルロン酸貫通試験を用いてヒアルロン酸(HA)貫通に関してこれらを試験した。各組成物はpH3.3を有した。グリコール酸の量及び緩衝能は様々であった。
【0123】
結果を表6に示す。HA貫通は、グリコール酸の量に依存した。
【0124】
組成物6Dは、6%グリコール酸及びpH6.0(緩衝能0.01)で作製され、これは、HA貫通において、未処置試料に対して14%の増加を示したのみであった。
【0125】
【表6】
【0126】
(実施例7)
皮膚pHに対する作用は、組成物3B及び3Dを用いて試験された。乳酸を含有しないことを除き他は同じである、非緩衝対照配合物と共に、各組成物を3人のヒト志願者の前腕に適用した。両試験組成物は、pH3.3を有した。
【0127】
皮膚pHメーター905(Courage and Khazaka)を用いて、適用前及び適用4時間後の皮膚pHを測定した。
【0128】
4時間後、皮膚pHは、組成物3Bに関しては0.593pH単位減少したが、緩衝配合物組成物3Dに関しては1.28pH単位減少し、緩衝配合物が皮膚自体の緩衝系を超える高い能力を示す。この差は、H+イオンにより測定されるように、緩衝対非緩衝対照に関して皮膚の酸度レベルが約5倍大きいことを表す。
【0129】
このデータは、経時的に低皮膚pHを維持するための本発明による組成物の有用性及び利点を示す。
【0130】
(実施例8)
表7の成分を用いて、本発明による一連の組成物を作製した。下の表8に示される様々な増粘剤を組成物中に入れ替えた。
【0131】
【表7】
【0132】
上記の基準の配合を用い、表8に記載される(HA貫通レベルも示す)様々な増粘剤を入れ替えて6つの配合物を作製した。
【0133】
【表8】
【0134】
6つ全ての配合物は、緩衝能0.26の低pH配合であった。全ての配合物は、HAを皮膚内に送達したが、配合物4はHAを適度に送達したのみであった。配合物2は、皮膚内への良好なHA送達並びに良好な美観をもたらした。
【0135】
(実施例9)
以下に記載されるプロセスにより、表9に示される成分を用いて、太陽光濾過剤を含有する本発明による日常装用組成物を作製した。
【0136】
【表9】
【0137】
最初に、キサンタンガム及びグリセリンを付随する容器中で混合した。
【0138】
次に、高速で混合して、65℃に加熱し、混合槽中で、9%水、グリセリン、ジラウリン酸グリセリル、及びステアレス10を混合することにより、非イオン性脂質相(成分20〜23)を作製した。
【0139】
次に、油相(成分10〜18)を作製するために、ステアリン酸、グリセリルステアレート、PEG−100ステアレート、セチルアルコール、オクチサレート、Finsolv TN、Crodamol PMP、アボベンゾン、オクトクリレン、及びオキシベンゾンを混合槽に添加し、混合しながら75〜80℃に加熱した。乳化の準備ができるまでその温度を維持した。
【0140】
主相(成分1〜3)を作製するために、水及び乳酸を混合槽にゆっくり添加し、高速で混合した。スクレロチウムガムを振り入れた。均一な混合物を得た後、キサンタンガム相を添加した。均一になるまで槽の内容物を混合し、その後、75〜80℃に加熱し、この時点で、ジナトリウムEDTA、クロルフェネシン、Lexgard O、及びパンテノールを添加した。温度を5分間75〜80℃で維持した。
【0141】
乳化は、最初に油相を主相に添加し、5分間混合し、その後冷却することにより75〜80℃で行われた。冷却しながらHyacare Fillerを60℃で添加した。非イオン性脂質相を50℃で添加した。酢酸トコフェリル及びフェノキシエタノールを40℃で添加し、得られた混合物を均一になるまで混合した。次いで、バッチを35Cに冷却した。
【0142】
乳酸ナトリウムで組成物のpHを3.3に調節し、精製水でQSを100%に調節した。
【0143】
ヒアルロン酸貫通試験を用いて、HA貫通に関して組成物を試験し、未処置(69ng/ml)と比較して、HAの強い生体送達(863ng/ml)を示した。
【0144】
(実施例10)
1つが<0.001の緩衝能を有する0%乳酸を含有し(比較組成物11A)、もう1つが0.26の緩衝能を有する6%乳酸を含有した(本発明の組成物11B)ことを除き、表9に従い2つの日常装用組成物を作製した。各組成物のpHは3.3であった。
【0145】
ヒアルロン酸貫通試験に関して記載されるように、本組成物をヒトの表皮と同等の組織(MatTek Corporation、EpiDerm−Epi−200)に局所的に適用した。各組織の下の培養培地を、処置の1時間、6時間、及び24時間後に回収した。回収した培養培地を酸−ホルマリン溶液中に固定した。酸−ホルマリン溶液中に24時間固定した後、組織を脱水し、パラフィンに含浸させた。5−μm厚のパラフィン切片を得、次に、切片をSuperfrost(登録商標)プラスシリル化ガラススライド上に載置した。抗ビオチン化ヒアルロン酸(HABP)(EMD Millipore)でパラフィン化した切片上でヒアルロン酸イムノ染色を行い、ビオチン/ストレプトアジピン系(Vector Laboratories)で増幅し、青色で露呈した。Leica DFC 320カメラ及びImage Pro Plusソフトウェア(Media Cybernetics)を用いて、Leitz顕微鏡での顕微鏡観察により染色を評価した。HA貫通を評価するために、青色で露呈された外因性HAの強度は、Adobe Photoshop CS5ソフトウェア(Adobe Systems Inc.)を用いて定量化された。データは、256のカラースケールに対して表された。
【0146】
処置後1時間の時間点で本発明の組成物11Bで処置された組織は、HAが組織の上に留まったことを示し、組織内の表層に貫通したHAはなかった。しかしながら、処置6時間及び24時間後、HAは、組織内の上層の青色染色により明らかであるように、組織内部に完全に貫通し、組織の上の青色染色は消えた。
【0147】
対照的に、比較組成物11Aで処置された組織は、組織の上でのHA染色を示し、全ての時間点で、組織内の表層に貫通したHAはなかった。
【0148】
結果を表10に示す。
【0149】
【表10】
【0150】
この実施例は、有利に、本発明による組成物が組織内への貫通及びその中での保持の両方を提供する。
【0151】
〔実施の態様〕
(1) 局所用組成物であって、
(a)約2.8〜約4.2のpKaを有する緩衝剤と、
(b)前記緩衝剤の前記pKaの約1単位以内のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分と、を含み、
前記組成物が、約3.3〜約4のpH、及び少なくとも約0.15の緩衝能を有する、局所用組成物。
(2) 前記化粧用として許容可能な活性成分が、前記緩衝剤の前記pKaの約0.7単位以内のpKaを有する、実施態様1に記載の局所用組成物。
(3) 前記化粧用として許容可能な活性成分が、ヒアルロン酸を含む、実施態様1に記載の局所用組成物。
(4) 前記化粧用として許容可能な活性成分が、架橋ヒアルロン酸を含む、実施態様1に記載の局所用組成物。
(5) 前記緩衝剤が、乳酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、及びグルコノラクトンからなる群から選択される、実施態様1に記載の局所用組成物。
【0152】
(6) 前記緩衝剤が、乳酸である、実施態様1に記載の局所用組成物。
(7) 局所用組成物であって、
(a)ヒアルロン酸と、
(b)乳酸と、
(c)ステアレス10と、
(d)ジラウリン酸グリセロールと、
(e)グリセリンと、を含む、局所用組成物。
(8) 前記ヒアルロン酸は、架橋ヒアルロン酸を含む、実施態様7に記載の局所用組成物。
(9) ケイ酸アルミニウムマグネシウム、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、キサンタンガム、シリカ、セチルヒドロキシエチルセルロース、及びポリアクリレート−13/ポリイソブチレン/ポリソルベート−20ブレンド、並びにこれらの混合物からなる群から選択される増粘剤を更に含む、実施態様7に記載の局所用組成物。
(10) 前記増粘剤が、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマーを含む、実施態様9に記載の局所用組成物。
【0153】
(11) 約2.8〜約4のpKaを有する化粧用として許容可能な活性成分の局所送達を増加させる方法であって、約3.3〜約4のpH、少なくとも約0.15の緩衝能を有し、かつ約2.8〜約4.2のpKaを有する緩衝剤を含有する組成物中の前記化粧用として許容可能な活性成分を局所投与することを含む、方法。
(12) 前記局所送達が、4を超えるpHを有することを除いて同じ組成物中に含有される場合の前記化粧用として許容可能な活性成分の局所送達と比較して、少なくとも2倍である、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記局所送達が、前記緩衝剤を含まないことを除いて同じ組成物中に含有される場合の前記化粧用として許容可能な活性成分の局所送達と比較して、少なくとも2倍である、実施態様11に記載の方法。
(14) 前記化粧用として許容可能な活性成分が、ヒアルロン酸を含む、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記化粧用として許容可能な活性成分が、架橋ヒアルロン酸を含む、実施態様11に記載の方法。
【0154】
(16) 局所用組成物であって、
(a)乳酸と、
(b)ステアレス10と、
(c)ジラウリン酸グリセロールと、
(d)グリセリンと、を含む、局所用組成物。
(17) ケイ酸アルミニウムマグネシウム、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー、キサンタンガム、シリカ、セチルヒドロキシエチルセルロース、及びポリアクリレート−13/ポリイソブチレン/ポリソルベート−20ブレンド、並びにこれらの混合物からなる群から選択される増粘剤を更に含む、実施態様16に記載の局所用組成物。
(18) 前記増粘剤が、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマーを含む、実施態様17に記載の局所用組成物。