(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態の画像形成装置では、ジョブ受付時に生じる待ち時間を抑制可能となる。以下、実施形態の画像形成装置について詳細に説明する。
【0009】
図1は、実施形態の画像形成装置100の全体構成例を示す外観図である。画像形成装置100は、例えば複合機である。画像形成装置100は、ディスプレイ110、コントロールパネル120、プリンタ部130、シート収容部140及び画像読取部200を備える。
【0010】
画像形成装置100は、トナー等の現像剤を用いてシート上に画像を形成する。シートは、例えば紙やラベル用紙である。シートは、その表面に画像形成装置100が画像を形成できる物であればどのような物であってもよい。
【0011】
ディスプレイ110は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ110は、画像形成装置100に関する種々の情報を表示する。
【0012】
コントロールパネル120は、複数のボタンを有する。コントロールパネル120は、ユーザの操作を受け付ける。コントロールパネル120は、ユーザによって行われた操作に応じた信号を、画像形成装置100の制御部に出力する。なお、ディスプレイ110とコントロールパネル120とは一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0013】
プリンタ部130は、画像読取部200によって生成された画像情報又は通信路を介して受信された画像情報に基づいて、シート上に画像を形成する。プリンタ部130は、例えば以下のような処理によって画像を形成する。プリンタ部130の画像形成部は、画像情報に基づいて感光体ドラム上に静電潜像を形成する。プリンタ部130の画像形成部は、静電潜像に現像剤を付着させることによって可視像を形成する。プリンタ部130の転写部は、可視像をシート上に転写する。プリンタ部130の定着部は、シートに対して加熱及び加圧を行うことによって、可視像をシート上に定着させる。なお、画像が形成されるシートは、シート収容部140に収容されているシートであってもよいし、手差しされたシートであってもよい。
【0014】
シート収容部140は、プリンタ部130における画像形成に用いられるシートを収容する。
【0015】
画像読取部200は、読み取り対象の画像情報を光の明暗として読み取る。画像読取部200は、読み取られた画像情報を記録する。記録された画像情報は、ネットワークを介して他の情報処理装置に送信されてもよい。記録された画像情報は、プリンタ部130によってシート上に画像形成されてもよい。
【0016】
図2は、
図1に示すプリンタ部130に設けられた定着器20の概略構成を示す断面図である。定着器20は、非消色トナーによるトナー像、及び消色トナーによるトナー像をシートに定着可能である。定着器20は、ヒートローラ(定着ローラ)21、HRセンタランプ22、HRサイドランプ23、HRサーミスタ(定着ローラサーミスタ)24、加圧ベルト25、出口加圧ローラ26、テンションローラ27、加圧ベルトヒートローラ28、加圧ベルトランプ29、ニップパッド30及び加圧ベルトサーミスタ31を備える。
【0017】
ヒートローラ21は、加熱部の具体例の一つである。ヒートローラ21は、内蔵する発熱体によって加熱される。ヒートローラ21は、HRセンタランプ22及びHRサイドランプ23を内蔵する。HRセンタランプ22は、第1の発熱体の具体例の一つである。HRサイドランプ23は、第2の発熱体の具体例の一つである。ヒートローラ21は、例えば、肉厚1.0[mm]のアルミニウム製の基体を有する。ヒートローラ21の外周面は、離型層によって被覆されている。離型層は、フッ素コート層である。離型層は、弾性層、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブ等であってもよい。ヒートローラ21は、例えば、直径45[mm]のローラ(円筒形の回転物)である。
【0018】
また、HRセンタランプ22及びHRサイドランプ23は、例えば、ハロゲンランプ等の加熱源である。なお、HRセンタランプ22及びHRサイドランプ23の消費電力は、2本で600Wである。
【0019】
HRセンタランプ22は、ヒートローラ21の長手方向における中央部分を加熱する。HRサイドランプ23は、ヒートローラ21の長手方向における端部分を加熱する。HRサーミスタ24は、ヒートローラ21の温度を検知する。
【0020】
加圧ベルト25は、無端ベルト状のベルトである。加圧ベルト25は、出口加圧ローラ26、テンションローラ27及び加圧ベルトヒートローラ28に掛けまわされて架張されている。加圧ベルト25は、例えば、直径50[mm]のベルトである。
【0021】
出口加圧ローラ26は、例えば、直径21[mm]のローラである。出口加圧ローラ26は、例えば、直径17[mm]のSUS(Stainless Used Steel)の芯金の周囲に厚さ2[mm]のソリッドゴムが接着されている。加圧ベルト25が加圧機構(図示せず)によって加圧されることで、ヒートローラ21及び出口加圧ローラ26の当接部が290[N]で圧接されている。
【0022】
テンションローラ27は、加圧ベルト25に張力を付与する。テンションローラ27は、例えば、直径10[mm]のローラである。テンションローラ27は、例えば、SUSの外周に50[μm]の厚みのPFAチューブが被覆された構成である。
【0023】
加圧ベルトヒートローラ28は、内蔵する発熱体によって加熱される。加圧ベルトヒートローラ28は、加圧部の具体例の一つである。加圧ベルトヒートローラ28は、発熱体として、加圧ベルトランプ29を内蔵する。加圧ベルトランプ29は、第3の発熱体の具体例の一つである。加圧ベルトヒートローラ28は、例えば、直径17[mm]のローラである。加圧ベルトヒートローラ28は、例えば、肉厚1.0[mm]のアルミニウム製の基体を有する。加圧ベルトヒートローラ28の表面は、離型層によって被覆されていてもよい。離型層は、加圧ベルトヒートローラ28の表層とトナーとの離型性を向上させるために設けられている。離型層は、例えば、フッ素樹脂、シリコンゴム等からなる層である。
【0024】
加圧ベルトランプ29は、加圧ベルトヒートローラ28を加熱する。加熱された加圧ベルトヒートローラ28から熱が伝わることによって、加圧ベルト25は加熱される。加圧ベルトランプ29は、例えば、ハロゲンランプ等の加熱源である。
図2に示した具体例では、加圧ベルトランプ29は、消費電力が300Wのハロゲンランプである。
【0025】
ニップパッド30は、加圧ベルト25の内側から独立の加圧機構(図示せず)によって加圧ベルト25をヒートローラ21の外周面に押し付けている。ニップパッド30によって、加圧ベルト25及びヒートローラ21は圧接している。ニップパッド30は、例えば、幅8.4[mm]の角柱状の部材である。ニップパッド30は、例えば、補助板金に張り合わせられた厚さ3.5[mm]のシリコンゴムによって構成されている。ニップパッド30と加圧ベルト25との間には、摩擦低減のための滑りシートが備えられていてもよい。
【0026】
加圧ベルトサーミスタ31は、加圧ベルト25の温度を検知する。加圧ベルトサーミスタ31は、加圧ベルト25の幅方向におけるセンタ部に設置されている。
【0027】
シート及びシート上のトナー像は、ヒートローラ21及び加圧ベルト25の間のニップを通って、加熱及び加圧される。ニップを通るシートは、ヒートローラ21及び加圧ベルト25の両側から加熱される。これによって、トナー像は、シート上に定着される。
【0028】
図3は、実施形態の画像形成装置100の機能構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、コントロールパネル120、HRセンタランプ22、HRサイドランプ23、HRサーミスタ24、加圧ベルトランプ29、加圧ベルトサーミスタ31に加えて、画像形成制御部50、センサ51−1〜51−N(Nは1以上の整数)、通信部52、ROM53、RAM54、A/D(アナログデジタル)変換器55〜56、A/D変換器57−1〜57−N、メインモータ60、定着器モータ61、高圧電源62、モータ63、及び駆動回路64〜70を備える。
【0029】
以下、いずれのセンサであるかを区別しないときは、単にセンサ51と表記する。以下、A/D変換器57−1〜57−NのうちのいずれのA/D変換器であるかを区別しないときは、単にA/D変換器57と表記する。
【0030】
画像形成制御部50は、CPU(Central Processing Unit)を持つ。画像形成制御部50は、定着器20の温度制御を含めて画像形成装置を制御する。
【0031】
画像形成制御部50に接続されている入力機器は、HRサーミスタ24、加圧ベルトサーミスタ31、センサ51、コントロールパネル120及び通信部52である。画像形成制御部50に接続されている出力機器は、HRセンタランプ22、HRサイドランプ23、加圧ベルトランプ29、メインモータ60、定着器モータ61、高圧電源62及びモータ63である。
【0032】
まず、画像形成制御部50に接続されている入力機器について以下に説明する。
【0033】
HRサーミスタ24は、A/D変換器55を介して画像形成制御部50に信号を出力する。HRサーミスタ24は、画像形成制御部50にヒートローラ21の表面温度を示す信号を出力する。
【0034】
加圧ベルトサーミスタ31は、A/D変換器56を介して画像形成制御部50に信号を出力する。加圧ベルトサーミスタ31は、画像形成制御部50に加圧ベルト25の表面温度を示す信号を出力する。
【0035】
センサ51は、画像形成を制御するための物理量を測定する。センサ51は、A/D変換器57を介して画像形成制御部50に測定した物理量を示す信号を出力する。
【0036】
コントロールパネル120は、コントロールパネル120において受け付けたユーザからの指示を示す信号を画像形成制御部50に出力する。例えば、コントロールパネル120は、ユーザによる印刷指示を出力する。この場合、画像形成制御部50は、ユーザによる印刷指示に基づいて、画像を形成する。
【0037】
通信部52は、外部機器と通信を行う。通信部52は、外部機器と有線通信してもよいし、無線通信してもよい。外部機器は、例えば、コンピュータなどの情報端末である。通信部52は、ユーザによる指示を示す信号を外部機器から受信し、画像形成制御部50に出力する。
【0038】
次に、画像形成制御部50に接続されている出力機器について以下に説明する。
【0039】
画像形成制御部50は、駆動回路64を介して、HRセンタランプ22の動作を制御する。画像形成制御部50は、例えば、HRセンタランプ22の点灯時間を制御することによって、ヒートローラ21の温度を制御する。
【0040】
画像形成制御部50は、駆動回路65を介して、HRサイドランプ23の動作を制御する。画像形成制御部50は、例えば、HRサイドランプ23の点灯時間を制御することによって、ヒートローラ21の温度を制御する。画像形成制御部50は、HRサイドランプ23の電力量を制御することによって、ヒートローラ21の温度を制御してもよい。
【0041】
画像形成制御部50は、駆動回路66を介して、加圧ベルトランプ29の動作を制御する。画像形成制御部50は、例えば、加圧ベルトランプ29の点灯時間を制御することによって、加圧ベルト25の温度を制御する。
【0042】
画像形成制御部50は、駆動回路67を介して、メインモータ60の動作を制御する。画像形成制御部50は、駆動回路68を介して、定着器モータ61の動作を制御する。画像形成制御部50は、駆動回路69を介して、高圧電源62の動作を制御する。画像形成制御部50は、駆動回路70を介して、モータ63の動作を制御する。
【0043】
駆動回路64〜70は、スイッチング回路、D/A(デジタルアナログ)変換器等の回路のうちのいずれかを用いて構成される。
【0044】
メインモータ60は、駆動機構によってプリンタ部130に設けられた感光体ドラムを回転駆動する。定着器モータ61は、駆動機構によってヒートローラ21を回転駆動する。
【0045】
高圧電源62及びモータ63は、画像を形成するための動作を行う。
図3において、高圧電源62及びモータ63は、1つずつ示されているが、それぞれ複数あってもよい。
【0046】
ROM53は、画像形成制御部50に接続されている。ROM53は、制御プログラム及び制御データを記憶する。
【0047】
RAM54は、画像形成制御部50に接続されている。RAM54は、制御パラメータ及び画像形成装置100の動作データを記憶する。RAM54は、例えば、カウントされた消耗品の印刷枚数を記憶する。
【0048】
本実施形態の画像形成装置100は、第1のトナーとしての消色トナ−と、第2のトナーとしての非消色トナーを備え、いずれかのトナーにより用紙等のシート上にトナー像を形成する。
【0049】
図4は、定着器20による各トナーの定着可能温度領域を示す図である。
図4におけるTa、Tb、Tc、Td、Te、及びTfは温度を示している。一例としてTaは95℃、Tbは105℃、Tcは108℃、Tdは110℃、Teは117℃、Tfは150℃である。
【0050】
消色トナーを定着可能な定着温度領域Aは、Ta≦A≦Teである。従って消色トナーの定着可能温度領域の最低温度はTaである。定着温度がTa未満の場合には、低温オフセットや、定着強度不足による画像剥がれ等が発生する。また、定着温度がTeより大きい場合には、シートに定着されたトナー像の定着は一部が消色されるなどで定着温度としては適さない。実際には、Teは消色が始まる境界温度であるため、定着温度としては使わないことも多いが、ここではトナーの物性として定着可能な温度としてTeを示している。
【0051】
非消色トナーを定着可能な定着温度領域Bは、Td≦B≦Tfである。従って非消色トナーの定着可能温度領域の最低温度はTdである。定着温度がTd未満の場合には、低温オフセットや、定着強度不足による画像剥がれ等が発生する。また、定着温度がTfより大きい場合には、高温オフセットが発生する。
【0052】
図4に示されるように、複数のトナーの各々の定着温度領域の下限定着温度(Ta、Td)には大きな差があり、本実施形態では15℃(=Td−Ta)℃の差がある。これに起因して、それぞれのトナーを定着するための設定定着温度には大きな差がある。本実施形態では、消色トナーの設定定着温度102℃、非消色トナーの設定定着温度は120℃とした。このとき、非消色トナーの設定定着温度近傍にスタンバイ温度を設けた場合には、待機時の消費電力が大きくなる。また、待機中に次のジョブとして、消色トナーのプリントジョブが来た際に、定着器20の蓄熱性の影響を受けて、定着器20の温度を低下させるのに時間を要するためファーストコピーまでの時間を要するという問題がある。
【0053】
本実施形態では、スタンバイ温度を、非消色トナーの下限定着温度(Td)以下としている。スタンバイ温度を非消色トナーの下限定着温度(Td))よりもわずかに低い温度(Tc)に制御することで、非消色トナーのプリントジョブがきたときにも定着器20での供給電力を上昇させて、速やかに非消色トナーによるプリントを実行することができる。一方で、消色トナーのプリントジョブが来たときには、このスタンバイ温度(Tc)を維持したまま、消色トナーのプリントジョブを実行することができる。その理由は、スタンバイ温度(Tc)は、消色トナーの定着温度領域内であり、かつプリント開始時に定着器20の熱は用紙等によっても奪われて低下するために、定着器20の温度は設定定着温度よりも高い状態であっても、消色トナーの定着は問題なく行えるからである。
【0054】
このとき、非消色トナーの下限定着温度(Td)が消色トナーの上限定着温度(Te)よりも充分に低いことが望ましい。非消色トナーの下限定着温度(Td)が充分に低ければ、スタンバイ温度を消色トナーの上限定着温度(Te)よりも充分に低くすることができる。従って、仮に消色トナーのプリントが連続的に行われ、定着器の温度が徐々に上昇するようなことがあっても、消色温度に達しにくくなるからである。
【0055】
待機温度Tcと消色トナーの上限定着温度(Te)との差は3℃以上あることが必要であり、より好ましくは5℃以上、さらに好ましくは7℃以上の差があることが望ましい。上記の観点からは、複数のトナーの各々の定着可能温度領域が共通する(オーバラップする)温度領域Cは、Td≦C≦Teである。この温度範囲は2℃以上、より好ましくは4℃以上、さらに好ましくは6℃以上あることが好ましい。また、トナーの物性上の制約なども考慮すると、温度領域Cの領域幅は15℃以下となる。
【0056】
次に、温度領域D(Tb≦D<Td)について説明する。この温度領域は、ジョブを受け付けてから、シートが定着器20に到達するまでに画像形成制御部50が定着器20の温度を非消色トナーの下限定着温度(Td)以上に加熱可能な温度領域である。本実施例では、定着部20の待機温度を、温度領域D内のTcに制御する。このTcは、最高温度であるTdより低い温度である。また、Tcは、消色トナーによるトナー像を定着可能な温度である。
【0057】
なお、待機温度をTe以上とすると、非消色トナーを使用するジョブ(以下、「非消色ジョブ」という)を受け付けた場合は、待ち時間が生じない。しかし、消色トナーを使用するジョブ(以下、「消色ジョブ」という)を受け付けた場合は、定着器20の温度を下げるための時間が必要となる。温度を下げる時間は、温度を上げる時間より長いため、消色ジョブを受け付けた場合には、待ち時間が生じる。
【0058】
待機温度をTb未満とした場合には、シートが定着器20に到達するまでに画像形成制御部50が定着器20の温度をTd以上に加熱できないため、待ち時間が生じる。
【0059】
待機温度を、定着可能温度領域が共通する温度領域C内の温度にした場合、非消色ジョブ及び消色ジョブのいずれにおいても待ち時間は発生しない。しかし、待機中の消費電力量は、待機温度をTcで制御する場合と比較して、大きいものとなる。
【0060】
以上より、待ち時間や消費電力の観点から、待機温度は、Tb以上でTd以下が最適である。
【0061】
図5は、待機中に消色ジョブ受付時の定着器20の温度推移を示す図である。画像形成制御部50は、待機中の定着部20の待機温度をTcに制御する。そして消色ジョブを受け付けると、画像形成制御部50は、既に消色トナーによるトナー像を定着可能な温度に制御しているため、温度を調整するための待ち時間は生じない。なお、定着器20にシートが到達すると、シートに熱が奪われるため、定着器20の温度は上下することとなる。
【0062】
図6は、待機中に非消色ジョブ受付時の定着器20の温度推移を示す図である。画像形成制御部50は、待機中の定着部20の待機温度をTcに制御する。上述したように、待機中の定着部20の温度であるTcは、待機中にジョブを受け付けてから定着部20にシートが到達するまでに、最高温度であるTdに加熱可能な温度である。
【0063】
待機中に、非消色ジョブを受け付けると、画像形成制御部50は、定着器20を加熱する。また、シートは、トレイから給紙され、画像形成されたのちに定着部20に到達する。その間に、定着器20の温度はTd以上となる。従って、温度を調整するための待ち時間は生じない。なお、定着器20にシートが到達すると、シートに熱が奪われるため、定着器20の温度は上下することとなる。
【0064】
以上より、待機中にジョブを受け付けた場合、いずれのトナーを使用するジョブであっても、温度を調整するための待ち時間は生じない。
【0065】
以上述べた実施形態の画像形成装置によれば、ジョブ受付時に生じる待ち時間を抑制可能である。
【0066】
なお、本実施形態では、第1のトナーとして消色トナー、第2のトナーとして非消色トナーを例に説明したが、定着温度領域が異なるトナーであれば、どのようなトナーであってもよい。
【0067】
上述した実施形態における画像形成装置の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。