(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御状態情報は、前記管理人による、車両または前記利用者の誘導作業を支援するための誘導支援情報を含む請求項1から請求項8のいずれかに記載のリモコン装置。
前記車両を搬送する車両搬送手段の昇降状態に関する情報を前記制御状態情報として前記リモコン装置に送信する請求項11から請求項14のいずれかに記載の機械式駐車装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているようなリモコン装置は、月極め駐車場の利用者自身が扉の開閉等に使用するものであり、例えば、時間貸し駐車場等において管理人(係員)が駐車場利用者の入出庫操作を行うのに適した仕様にはされていなかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、機械式駐車装置の管理人による入出庫操作の利便性を高めることのできるリモコン装置、機械式駐車装置、及び機械式駐車装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用する。
本発明の第1態様は、機械式駐車装置と双方向通信が可能なリモコン装置であって、前記機械式駐車装置の制御状態を示す制御状態情報を受信した場合に、受信した制御状態情報を報知する報知手段と、車両を入出庫する利用者を特定するための利用者情報を入力するための入力手段と、前記機械式駐車装置を操作する管理人の識別情報である管理人情報及び前記入力手段から入力された前記利用者情報を前記機械式駐車装置に送信する通信手段とを具備するリモコン装置である。
【0008】
上記リモコン装置によれば、機械式駐車装置の制御状態を示す制御状態情報を受信した場合に受信した制御状態情報が報知手段によって報知されるので、リモコン装置を携帯するユーザ(例えば、管理人)は、機械式駐車装置の制御状態を容易に把握することができる。また、車両を入出庫する利用者を特定するための利用者情報を入力するための入力手段を備え、入力手段から入力された利用者情報を機械式駐車装置に送信する通信手段を備えるので、リモコン装置から容易に利用者情報を機械式駐車装置に通知することが可能となる。これにより、機械式駐車装置側に利用者情報を入力するための入力手段、例えば、駐車券リーダ等を設ける必要がなく、機械式駐車装置側のシステムを簡素化することが可能となる。更に、通信手段は、機械式駐車装置を操作する管理人の識別情報である管理人情報についても送信可能とされているので、機械式駐車装置側の操作盤における管理人情報の入力操作を不要とすることが可能となる。このように、リモコン装置から管理人情報や利用者情報を送信することにより、操作盤におけるこれらの入力操作を不要とすることができ、管理員の操作の利便性を向上させることができる。
【0009】
上記リモコン装置において、前記入力手段は、駐車券が有する駐車券固有の駐車券情報を読み取るための駐車券情報読取手段を備え、前記通信手段は、前記駐車券情報読取手段によって読み取られた前記駐車券情報を前記利用者情報として前記機械式駐車装置に送信することとしてもよい。
上記リモコン装置において、前記駐車券情報読取手段は、例えば、バーコードリーダ、
二次元コードリーダ、または、RFタグリーダである。
【0010】
このように、リモコン装置に駐車券情報を読み取るための駐車券情報読取手段が設けられているので、リモコン装置を操作する管理人は利用者情報を容易に入力することが可能となる。また、操作盤側に駐車券読取装置(例えば、駐車券リーダ)を設ける必要がなくなるので、操作盤の構成を簡素化することが可能となる。
【0011】
また、上記リモコン装置において、前記入力手段は、駐車場に記載された駐車場情報を手入力するためのテンキー操作部を備えていてもよい。これにより、利用者情報の手入力を可能とすることが可能となる。
【0012】
上記リモコン装置は、前記管理人情報が予め格納された記憶手段を更に有し、前記通信手段は、前記機械式駐車装置から認証問合信号を受信した場合に、前記記憶手段に格納されている前記管理人情報を前記機械式駐車装置に送信することとしてもよい。
【0013】
このような構成によれば、機械式駐車装置から認証問合信号を受信した場合には、記憶手段に格納されている管理人情報が機械式駐車装置に送信される。これにより、管理人がリモコン装置を操作することなく、管理人の認証処理を自動で行わせることが可能となる。この結果、管理人の操作負担を軽減することができる。
【0014】
上記リモコン装置において、前記通信手段は、第1通信手段と、前記第1通信手段よりも通信範囲が広域に設定された第2通信手段とを備え、前記認証問合信号は、前記第1通信手段によって受信されることとしてもよい。
【0015】
上記構成によれば、認証問合信号については、比較的近距離に通信範囲が設定されている第1通信手段を用いて送信されるので、機械式駐車装置の近傍にいる管理人が携帯しているリモコン装置のみ認証問合信号を受信することが可能となる。これにより、認証対象である管理人が携帯するリモコン装置からのみ管理人情報が機械式駐車装置に送信されることとなり、認証すべき管理人の認証処理を行うことが可能となる。
【0016】
上記リモコン装置において、前記通信手段は、出庫予約されている前記利用者情報が一覧で記載された出庫予約リストを前記機械式駐車装置から受信し、前記報知手段は、前記通信手段によって受信された前記出庫予約リストを報知することとしてもよい。
【0017】
上記構成によれば、出庫予約リストを管理人に報知することが可能となる。これにより、管理人は出庫予約の状況を容易に把握することが可能となる。
【0018】
上記リモコン装置において、前記報知手段は、表示部及びスピーカの少なくともいずれか一方を有していてもよい。
【0019】
これにより、視覚的にまたは聴覚的にあるいはその両方の手段によって機械式駐車装置の制御状態を管理人に通知することが可能となる。
【0020】
上記リモコン装置において、前記制御状態情報は、前記管理人による、車両または前記利用者の誘導作業を支援するための誘導支援情報を含むこととしてもよい。
【0021】
上記構成によれば、車両または利用者の誘導作業を支援するための誘導支援情報が報知手段から報知されるので、管理人は誘導支援情報に従うことで、車両や利用者を容易に誘導することが可能となる。
【0022】
上記リモコン装置において、前記制御状態情報は、車両搬送手段の到着に関する情報を含むこととしてもよい。
【0023】
上記構成によれば、車両搬送手段の到着に係る情報が報知手段から報知されるので、管理人は車両搬送手段が到着することを容易に把握することができる。
【0024】
本発明の第2態様は、上記リモコン装置と双方向通信を行い、入出庫制御を行う機械式駐車装置である。
【0025】
上記機械式駐車装置は、操作権限を有する管理人情報が予め格納された認証データベースと、前記リモコン装置から前記管理人情報を受信した場合に、前記認証データベースに格納されている前記管理人情報と照合することにより、管理人認証を行う認証手段とを具備することとしてもよい。
【0026】
上記機械式駐車装置は、前記リモコン装置から受信した前記利用者情報を用いて車両の入出庫を管理することとしてもよい。
【0027】
上記機械式駐車装置は、前記車両を所定の停止位置に誘導するための案内表示手段を備え、前記案内表示手段に表示される情報を前記制御状態情報として前記リモコン装置に送信することとしてもよい。
【0028】
上記機械式駐車装置は、前記車両を搬送する車両搬送手段の昇降状態に関する情報を前記制御状態情報として前記リモコン装置に送信することとしてもよい。
【0029】
本発明の第3態様は、上記リモコン装置と、上記機械式駐車装置とを具備する駐車システムである。
【0030】
本発明の第4態様は、リモコン装置を用いた機械式駐車装置の制御方法であって、前記機械式駐車装置の制御状態を示す制御状態情報を前記リモコン装置に送信する工程と、前記制御状態情報を前記リモコン装置の報知手段から報知する工程と、前記機械式駐車装置を利用する利用者を特定するための利用者情報が前記リモコン装置の入力手段から入力された場合に、前記利用者情報を前記機械式駐車装置に送信する工程と、前記リモコン装置から送信された前記利用者情報を用いて車両の管理を行う工程と、前記機械式駐車装置を操作する管理人の識別情報である管理人情報を前記リモコン装置から前記機械式駐車装置に送信する工程と、前記リモコン装置から受信した前記管理人情報を用いて認証処理を行う工程とを有する機械式駐車装置の制御方法である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、機械式駐車装置の管理人による入出庫操作の利便性を高めることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明の各実施形態に係るリモコン装置、機械式駐車装置、及び機械式駐車装置の制御方法について、図面を参照して説明する。
【0034】
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態に係る複列式機械駐車装置(以下、「機械式駐車装置」という)10の概略構造を示す斜視図ある。本実施形態においては、機械式駐車装置を複列式機械駐車装置として説明するが、機械式駐車装置の形式は特に限定されない。
【0035】
本実施形態においては、機械式駐車装置10が商業施設や公共施設等に設けられるものを一例に挙げて説明する。そのため、本実施形態における入出庫の操作は、機械式駐車装置10の管理人が行うこととして説明する。
【0036】
図1に示すように、機械式駐車装置10は、複列式格納棚群12,13と、台車5とを備えている。複列式格納棚群12,13は、複数種の車両(大型車、小型車等)を格納する複数種の格納棚22,23が連続的に配置されて多数の格納庫6を構成している。更に、複列式格納棚群12,13は、各格納棚22,23が前棚22a,23aと奥棚22b,23bとを備える複列式の格納棚群を備えている。また、各格納棚22,23には、横送りコンベア15a,15b及び16a,16bが前後に配設されている。
【0037】
格納棚22,23は、後部の横送りコンベア15b,16bの幅を変えること等によって、大きさが異なる複数種の格納棚としてもよいし、前部の横送りコンベア15a,16aと後部の横送りコンベア15b,16bの幅を揃えた格納棚としてもよい。
台車5は、複列式格納棚群12,13間の台車走行路4に1台または複数台設けられている。台車5は、複列式格納棚群12側と複列式格納棚群13側とに設けられたレール21上を走行することにより、複列式格納棚群12,13に沿って走行することができる。なお、複列式格納棚群12,13は階層構造になっており、これに対応して、台車5も各階に設けられている。
【0038】
複列式格納棚群13側には、台車5に入庫車両を搬入する車両搬入手段として、横送りコンベア14a,14bを備えた入庫用停車スペース(入庫バース)2と、横送りコンベア17a,17bを備えた入庫用エレベータ(入庫リフタ)3とが駐車場出入口1に設けられている。
入庫車両は、駐車場出入口1の入庫用停車スペース2に停止した後、横送りコンベア14a,14b及び17a,17bによって入庫用エレベータ3に移され、この入庫用エレベータ3によって、車両を格納する所定の階まで運ばれ、横送りコンベア17a,17b及び18a,18bによって台車5に搬入される。
【0039】
台車5と格納棚22,23との間で入庫車両、出庫車両または繰車車両の授受を行う車両授受手段として、台車走行路4(レール21)と、格納棚22の横送りコンベア15a,15bと、格納棚23の横送りコンベア16a,16bとを備えている。台車5が台車走行路4(レール21)を走行して所定の格納棚22(または23)まで移動した後、横送りコンベア15a,15b(または16a,16b)と、横送りコンベア18a,18bとによって、台車5と格納棚22(または23)との間で、入庫車両、出庫車両又は繰車車両の授受が行われる。
【0040】
複列式格納棚群13側には、台車5から出庫車両を搬出する車両搬出手段として、横送りコンベア20a,20bを備えた出庫用停車スペース(出庫バース)7と、横送りコンベア19a,19bを備えた出庫用エレベータ(出庫リフタ)8とが駐車場出入口9に設けられている。
出庫車両は、横送りコンベア18a,18b及び19a,19bによって台車5から出庫用エレベータ8に搬出され、出庫用エレベータ8によって出庫用停車スペース7が設けられる所定の階まで運ばれ、横送りコンベア19a,19b及び20a,20bによって駐車場出入口9の出庫用停車スペース7に移される。
本実施形態に係る機械式駐車装置10の構成は、一例であり、駐車場出入口1、駐車場出入口9を格納庫6よりも上層とする等、他の構成であってもよい。
【0041】
なお、
図1の機械式駐車装置10は、入庫用停車スペース2と出庫用停車スペース7とがそれぞれ複列式格納棚群13側に設けられている場合を例示しているが、入出庫用停車スペースの位置はこれに限定されない。
例えば、
図2に示されるように、
図1で示した機械式駐車装置10の駐車場出入口1と駐車場出入口9とを共通にした駐車場出入口1,9としてもよい。
図2は、駐車場出入口近傍の上面図である。
【0042】
図2に示されるように、車両が紙面右側から入庫用停車スペース2に進入すると、横送りコンベア14a,14bと、入庫用エレベータ3に設けられた横送りコンベア17a,17b(
図2では省略)により、入庫用エレベータ3に車両が移される。また、出庫時には、出庫用エレベータ8から横送りコンベア19a,19b(
図2では省略)を介して出庫用停車スペース7に車両が送り出されると、紙面左側に車両が退車する。
駐車場出入口1,9には、入庫操作盤30aと、出庫操作盤30bとが備えられている。入庫操作盤30aは、車両の入庫時に管理人によって操作され、車両の入庫処理が行われる。出庫操作盤30bは、車両の出庫時に管理人によって操作され、車両の出庫処理が行われる。
【0043】
入庫用停車スペース2の車両前方には、入庫案内部31が設けられている。入庫案内部31は、入庫案内表示灯32と、鏡33とを備えている。
図3は、入庫案内表示灯32の概略図を示す図である。入庫案内表示灯32は、車両が入庫用停車スペース2に進入し、車両を格納棚に入庫する場合に、車両の配置位置が適切か否かを運転手に知らせるものである。入庫案内表示灯32に「前進」と表示することにより、運転手に車両の前進を促し、「停車」と表示することにより、運転手に車両を停止させる位置であることを知らせ、「後退」と表示することにより、運転手に車両の後退を促す。
また、入庫案内表示灯32に「車高オーバーです」と表示することにより、運転者に車両の車高が大きすぎるため、機械式駐車装置10に入庫できないことを知らせる。同様に、「車長オーバーです」と表示することにより、車両の長さが長すぎる、「車幅オーバーです」と表示することにより、車幅が大きすぎるという理由で機械式駐車装置10に入庫できないことを運転手に知らせる。
鏡33は、運転者が入庫用停車スペース2に停車する場合に、車両の位置を確認するために設けられている。
【0044】
図2において、符号34a,34bは、自動扉である。自動扉34aは、入庫用停車スペース2から駐車場出入口1,9へ移動するための出入口の扉である。車両が入庫用停車スペース2に停車された後、運転者及び同乗者が降車し、自動扉34aから駐車場出入口1,9に退避する。
自動扉34bは、運転者及び同乗者が駐車場出入口1,9から出庫用停車スペース7へ移動するときの出入口の扉である。
入庫用停車スペース2及び出庫用停車スペース7には、それぞれカメラ35が設けられており、入庫時及び出庫時において、入庫用停車スペース2及び出庫用停車スペース7の様子を撮影し、後述する表示部304にて撮影内容を表示させるようになっている。なお、カメラ35の位置は特に限定されないが、入庫用停車スペース2及び出庫用停車スペース7の全体を撮影できる位置に設けられるとよい。
【0045】
図4は、駐車場出入口1,9側から入庫用停車スペース2を見た図を示している。
図5は、入庫操作盤30a及び出庫操作盤30bの概略図である。以下、特に入庫及び出庫を区別しない操作盤の場合は、操作盤30として説明する。
【0046】
図5は操作盤30の概略正面図、
図6は操作盤30の概略構成図である。
図5、6に示すように、操作盤30は、IC(integrated circuit:集積回路)カードリーダ301、駐車券リーダ302、駐車券リーダ302に設けられるシャッター303、表示部304、タッチパネル(入力手段)305、LF(Low Frequency)通信部306、RF(Radio Frequency)通信部307、通信部308、及び操作盤制御部309等を備えている。これら各部は、例えば、バスを介して接続され、操作盤制御部309によって統括的に制御される。
【0047】
ICカードリーダ301は、所定の通信範囲にICカードがかざされた場合に、ICカード内に格納されている所定の情報を読み取り、操作盤制御部309に出力する。このICカードリーダ301は、例えば、ICカードを用いて管理人や利用者の認証を行う場合にも対応できるように設けられたものであるが、本実施形態のように、後述するリモコン装置50によって管理人認証等を行う場合には特に利用されない。したがって、リモコン装置50から管理人情報等の認証に必要となる情報を操作盤30に送信するような態様のみを採用する機械式駐車装置においては、ICカードリーダ301を省略することが可能である。
【0048】
駐車券リーダ302は、駐車券が挿入された場合に、駐車券に記載または記録されている情報を読み取り、読み取った情報を操作盤制御部309に出力する。シャッター303は、予め許可された管理人に入出庫の操作を制限するために設けられており、認証が正常に行われた場合に限って開状態とされ、駐車券の挿入を許可する。
【0049】
表示部304は、例えば、液晶表示装置であり、例えば、入庫用停車スペース2及び出庫用停車スペース7に設けられたカメラ35で撮影した内容が表示されるようになっている。表示部304が設けられることにより、管理人は、入庫時及び出庫時において、入庫用停車スペース2及び出庫用停車スペース7の安全をカメラ映像からも確認することができる。
【0050】
タッチパネル305は、例えば、入出庫の進行状況に応じたメッセージや操作ボタンなどが表示されるものであり、管理人が入出庫に関する入力指示を入力するための入力手段として機能する。また、管理人等が入力操作を行うものとして、更に各種ボタンが設けられていてもよい。各種ボタンとしては、例えば、安全確認ボタン、閉扉ボタン、起動ボタン、非常停止ボタン等が挙げられる。
【0051】
LF通信部306及びRF通信部307は、後述するリモコン装置50との間で双方向通信を実現する際に利用される通信手段であり、送受信する情報によって採用される通信部が切り替えられる。RF通信部307は、LF通信部306よりも広域の通信範囲が設定されている。LF通信部306の通信範囲は例えば1mから1.5m程度の範囲に設定されている。また、RF通信部307の通信範囲は例えば10m程度に設定されている。これにより、遠くにいる他の管理人のリモコン装置50(
図6参照)との間で信号を無用に送受信してしまうことが防止される。
通信部308は、後述する主制御装置40との間で双方向通信を実現する際に利用される通信手段である。通信部308として、例えば、RF通信部307を併用することとしてもよい。
なお、操作盤30には、上述した各構成要素の他、例えば、音声、警報音、ブザーを出力するピーカー等が設けられ、聴覚的に種々の情報を管理人や利用者に提供するようにしてもよい。
【0052】
図7は、例えば、機械式駐車装置10の管理人が携帯するリモコン装置50の正面図、
図8はリモコン装置50の概略構成図である。
図7、8に示すように、リモコン装置50は、表示部502、入力部503、記憶部504、LF通信部505、及びRF通信部506が設けられている。
表示部502は、例えば、液晶表示装置であり、機械式駐車装置10の入出庫状態を報知する報知手段として機能し、上述した操作盤30から受信した機械式駐車装置10の制御状態情報を表示する。なお、表示部502に代えて、または、加えて、スピーカを設け、スピーカによって機械式駐車装置10の制御状態を聴覚的に報知することとしてもよい。
入力部503は、例えば、テンキーや各種操作ボタン等から構成され、管理人が所定の入力操作を行うための入力手段として機能する。
記憶部504には、管理人のユーザ識別情報が予め格納されている。LF通信部505、RF通信部506は、操作盤30との双方向通信を実現するための通信手段であり、上述の通りである。
【0053】
図9は、機械式駐車装置全体の制御を司る主制御装置40の概略構成を示した図である。主制御装置40は、例えば、認証データベース401、記憶部402、通信部403、機械制御部404、主制御部405等を備えている。
認証データベース401には、機械式駐車装置10を操作可能な管理人のユーザ識別情報(管理人情報)が予め登録されている。
記憶部402には、入出庫処理を実現する上で必要となる各種情報が格納される。例えば、記憶部402には、入庫処理完了時において、入庫されている車両が格納されている格納場所と、利用者を識別するための利用者情報、例えば、利用者が入庫時に取得した駐車券情報が関連付けられた駐車管理リストが格納される。また、記憶部402には、入庫予約の順序が列挙された入庫予約リスト、出庫予約の順序が列挙された出庫予約リスト等が格納される。
【0054】
通信部403は、操作盤30と情報の授受を行うために使用される通信手段である。
機械制御部404は、車両を入出庫するために必要とされる各駆動機構、例えば、横送りコンベア14a,14b等を駆動するための各種駆動装置や、入庫用エレベータ3、出庫用エレベータ8等を駆動するための各種駆動装置等を制御する。
主制御部405は、主制御装置が備える各構成とバスを介して接続されており、これら構成を統括的に制御することにより、機械式駐車装置10全体の制御を行う。
また、機械式駐車装置10の各所には、複数のセンサが設けられており、これらのセンサによって車両が進入したことや、入庫用停車スペース2、出庫用停車スペース7等に人等がいないか否かが検知される。これらセンサの検知信号は、主制御部405に出力され、入出庫処理に利用される。
【0055】
本実施形態に係る機械式駐車装置10の制御システムは、上述した操作盤30、主制御装置40、及びリモコン装置50から構成される。
操作盤制御部309、主制御部405、及びリモコン制御部508は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、カードリーダシステムの制御プログラム)の形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0056】
次に、本実施形態に係る機械式駐車装置10の入庫時に行われる入庫処理について
図10、11を参照して説明する。
図10及び
図11は、入庫時の車両、人、機械式駐車装置の制御、及びリモコン装置の制御の関係を説明する図である。なお、以下の説明において、主制御装置40と操作盤30との双方向通信は通信部403、308を介して、また、操作盤30とリモコン装置50との双方向通信はLF通信部306、505またはRF通信部307、506を介して行われる。
【0057】
まず、運転手(利用者)は機械式駐車装置10の入場口に設けられている発券機(図示略)から駐車券を取得し、その後、入庫用停車スペース2に車両を進入させる(
図10のステップSA1)。これにより、入庫用停車スペース2に車両が進入したことが入庫用停車スペース2に設けられている各種センサによって検知されると、機械式駐車装置10の主制御部405は、入庫操作盤30aに対して入庫車両到着信号を送信する。入庫操作盤30aの操作盤制御部309は、入庫車両到着信号を受信すると、RF通信部307を介してリモコン装置50に対して入庫車両到着信号を送信する。これにより、リモコン装置50の表示部502には、入庫車両到着の表示が行われ、管理人に入庫車両の到着が通知される(ステップSA2)。
【0058】
管理人は、入庫車両の到着の通知を受け、入庫車両を入庫用停車スペース2へ誘導する(ステップSA3)。この間、機械式駐車装置10の入庫案内表示灯32には、車両が適切な位置に入庫されるまで「前進」(或いは「後退」)の表示がされ(ステップSA4)、適切な位置に配置されたことが検出されると、「停止」表示がされる(ステップSA5)。また、この入庫案内表示灯32の表示に同期するように、主制御部405から、操作盤制御部309、RF通信部307を経由して、入庫案内表示灯32の表示情報がリモコン装置50に送信される。これにより、リモコン装置50の表示部502には、入庫案内表示灯32に同期して「前進してください」、「後退してください」、「右へ」、「左へ」、「異常」等の誘導支援情報の表示が行われる(ステップSA6)。
【0059】
続いて、入庫車両が入庫用停車スペース2の停止位置に停止されると(ステップSA7)、運転者及び車両の同乗者は降車し、駐車場出入口1,9に移動し、入庫用停車スペース2から退避する(ステップSA8)。このとき、リモコン装置50の表示部502には、例えば、「サイドブレーキを引いてください」、「ドアミラーを畳んでください」、「アンテナを下げてください」等のように、運転手(利用者)の作業を管理人が誘導するのに役立つ情報(誘導支援情報)を表示させることとしてもよい。
【0060】
次に、操作盤30の表示部304には駐車券の読み込み画面が表示される(ステップSA9)。
管理人が運転手から渡された駐車券を入庫操作盤30aの駐車券リーダ302に近づけようと入庫操作盤30aに近づく(ステップSA10)。これにより、入庫操作盤30aのLF通信部306の通信範囲内に管理人が携帯するリモコン装置50が入ると、リモコン装置50のLF通信部505は、入庫操作盤30aのLF通信部306から送信されているユーザ認証問合信号を受信する(ステップSA11)。ユーザ認証問合信号を受信したリモコン装置50のリモコン制御部508は、記憶部504に格納されている管理人のユーザ識別情報(管理人情報)をRF通信部506を介して送信する(ステップSA12)。
【0061】
入庫操作盤30aのRF通信部307は、リモコン装置50から管理人のユーザ識別情報を受信すると、受信したユーザ識別情報を主制御装置40に送信する。これにより、主制御装置40の主制御部405によってユーザ認証が行われる。すなわち、受信したユーザ識別情報が認証データベース401に登録されているか否かを判定する。この結果、受信したユーザ識別情報が認証データベース401に登録されていた場合には、機械式駐車装置10の操作権限があるとして、ユーザ認証が正常に完了した旨を示す信号を入庫操作盤30aに送信する。入庫操作盤30aの操作盤制御部309はユーザ認証が正常に完了した旨の通知を受けると、入庫操作盤30aのシャッター303を開き、駐車券を挿入できる状態とする(ステップSA13)。
【0062】
管理人が入庫操作盤30aの駐車券リーダ302に駐車券を挿入すると(ステップSA14)、駐車券に記載された駐車券番号(利用者情報)が読み取られるとともに、入庫予約が行われ(ステップSA15)、入庫用エレベータ3が入庫用停車スペースに移動するとともに、操作盤のタッチパネル305には「入庫準備中」の表示が行われる(ステップSA16)。このとき、リモコン装置50の表示部502にも、入庫操作盤30aのタッチパネル305の表示と同期して、「入庫準備中」等の制御状態情報の表示がなされるようにしてもよい。
そして、入庫用エレベータ3が入庫用停車スペース2に到着すると(
図11のステップSA17)、リフト到着を示す信号が主制御装置40から入庫操作盤30aに送信される。この信号を受信すると、入庫操作盤30aのRF通信部307からリモコン装置50に対してリフト到着を示す信号(制御状態情報)が送信される。これにより、リモコン装置50の表示部502には、「リフト到着」の表示がされる(ステップSA18)。
なお、リフトが到着したことを通知するのではなく、リフトが到着する前に、まもなくリフトが到着する旨の信号をリモコン装置50に送信することとし、リモコン装置50の表示部502には「まもなくリフトが到着します」等の表示をすることとしてもよい。このように、リフトが到着する少し前に管理人にその旨を通知することで、管理人は前もってリフトの到着を認識することができ、リフト到着に向けて適切な行動を円滑に行うことが可能となる。
【0063】
入庫用エレベータ3が到着すると、入庫操作盤30aの操作盤制御部309は、無人確認を行った上で「無人確認ボタン」を押すように指示するメッセージをタッチパネル305に表示させる(ステップSA19)。
車両を入庫させる運転者または同乗者は、車内に人がいないことを確認すると、タッチパネル305の「無人確認ボタン」を押す(ステップSA20)。入庫操作盤30aの操作盤制御部309は、「無人確認ボタン」が押されたことを検知すると、続いて、安全確認を行った上で「安全確認ボタン」を押すように指示するメッセージをタッチパネル305に表示させる(ステップSA21)。
管理人は人や動物が入庫用停車スペース2にいないことを確認すると、タッチパネル305の「安全確認ボタン」を押す(ステップSA22)。
なお、このとき、入庫操作盤30aのタッチパネル305と同期するように、リモコン装置50の表示部502にも「車内の無人を確認してください」、「場内の無人を確認してください」等のメッセージを表示させることとしてもよい。
【0064】
入庫操作盤30aの操作盤制御部309は、安全確認ボタンが押されたことを検知すると、LF通信部306からユーザ認証問合信号を送信する(ステップSA23)。リモコン装置50のLF通信部505はユーザ認証問合信号を受信すると、記憶部504に格納されている管理人のユーザ識別情報をRF通信部506を介して送信する(ステップSA24)。これにより、上述と同様の手順で、主制御装置40によるユーザ認証が行われ、ユーザ認証が正常に完了すると、入庫操作盤30aのタッチパネル305に起動画面が表示される(ステップSA25)。
【0065】
管理人が入庫操作盤30aの起動ボタンを押すと(ステップSA26)、入庫用停車スペース2と格納棚を区切る区画扉が開き、車両が横送りされて格納され、入庫用停車スペース2と格納棚を区切る区画扉が閉まる(ステップSA27)。その後車両は格納棚に格納される(ステップSA28)。
また、管理人により入庫操作盤30aの起動ボタンが押されると、入庫操作盤30aの駐車券リーダ302から駐車券が排出される(ステップSA29)。管理人は、運転者または同乗者に駐車券を渡す。駐車券を受け取った運転者及び同乗者は、入庫操作盤30aから離れる(ステップSA30)。
なお、車両が入庫用停車スペース2から入庫用エレベータ3へ横送りされる間に異常が検知された場合には、異常が検知された旨の表示が入庫操作盤30aのタッチパネル305に表示されるとともに、その旨がリモコン装置50に送信される。これにより、リモコン装置にも異常を通知する表示が行われることとなる(ステップSA31)。この場合には、管理人によって適切な処置がなされることになる。
また、このようにして入庫予約が完了すると、駐車券から読み取られた駐車券番号(利用者情報)と車両の格納場所とが関連付けられた駐車管理リストが主制御装置40の記憶部402に格納される。
【0066】
続いて、車両を出庫する場合について、
図12、13を用いて説明する。
図12及び
図13は、出庫時の車両、人、機械式駐車装置の制御、及びリモコン装置の制御の関係を説明する図である。
まず、運転者または同乗者が精算機等で料金精算を済ませ(ステップSB1)、管理人に駐車券を渡す(ステップSB2)。また、出庫用の出庫操作盤30bのタッチパネル305には、「駐車券を駐車券リーダに読み込ませてください」等のように、駐車券の読み込み画面が表示されている(ステップSB3)。
【0067】
この指示に従って、管理人が運転手から渡された駐車券を出庫操作盤30bの駐車券リーダ302に近づけようと入庫操作盤30aに近づく(ステップSB4)。これにより、出庫操作盤30bのLF通信部306の通信範囲内に管理人が携帯するリモコン装置50が入ると、リモコン装置50のLF通信部505は、出庫操作盤30bのLF通信部306から送信されているユーザ認証問合信号を受信する(ステップSB5)。ユーザ認証問合信号を受信したリモコン装置50のリモコン制御部508は、記憶部504に格納されている管理人のユーザ識別情報をRF通信部506を介して送信する(ステップSB6)。
【0068】
これにより、入庫時と同様の手順に従ってユーザ認証が行われる。この結果、ユーザ認証が正常に完了すると、出庫操作盤30bの操作盤制御部309は駐車券リーダ302のシャッター303を開き、駐車券を挿入できる状態とする(ステップSB7)。
管理人が駐車券リーダ302に運転手または同乗者から渡された駐車券を挿入すると(ステップSB8)、出庫予約が行われ(ステップSB9)、駐車券が排出される(ステップSB10)。出庫予約が行われると、主制御装置40では、記憶部402に格納されている駐車管理リストが参照され、駐車券リーダ302に挿入された駐車券から読み取った駐車券番号に対応する車両の格納位置を特定する。そして、その格納位置における車両を出庫用停車スペース7に移動させる。また、車両が出庫用停車スペース7に移動される間、出庫案内表示灯(図示略)、出庫操作盤30bのタッチパネル305、及びリモコン装置50の表示部502には、「出庫準備中」と表示される(ステップSB11〜13)。
【0069】
そして、出庫用エレベータ8が出庫用停車スペース7に到着すると(
図13のステップSB14)、リフト到着を示す信号が主制御装置40から出庫操作盤30bに送信される。この信号を受信すると、出庫操作盤30bのRF通信部307からリモコン装置50に対してリフト到着を示す信号(制御状態情報)が送信される。これにより、リモコン装置50の表示部502には、「リフト到着」の表示がされる(ステップSB15)。
なお、リフトが到着したことを通知するのではなく、リフトが到着する前に、まもなくリフトが到着する旨の信号をリモコン装置50に送信することとし、リモコン装置50の表示部502には「まもなくリフトが到着します」等の表示をすることとしてもよい。このように、リフトが到着する少し前に管理人にその旨を通知することで、管理人は前もってリフトの到着を認識することができ、リフト到着に向けて適切な行動を円滑に行うことが可能となる。
また、出庫予約からリフトが到着するまでの間、リモコン装置50の表示部502には、出庫予約の状況に応じたメッセージを表示させることとしてもよい。例えば、「出庫予約中です」、「出庫予約が完了しました」、「出庫呼び出し中です」、「出庫リフトが到着しました」、「安全を確認してください」等のメッセージ(制御状態情報)を表示させる。
【0070】
出庫用エレベータ8が到着すると、出庫操作盤30bのタッチパネル305には、安全確認画面が表示される。安全確認画面では、例えば、「モニタで場内の安全を確認してください」と安全確認を促す表示がされる。
管理人は、出庫操作盤30bの表示部304で場内の安全を確認し、タッチパネル305に表示されている安全確認ボタンを押す(ステップSB16)。出庫操作盤30bの操作盤制御部309は、安全確認ボタンが押されたことを検知すると、LF通信部306からユーザ認証問い合わせ信号を送信する(ステップSB17)。リモコン装置50のLF通信部505はユーザ認証問い合わせ信号を受信すると、記憶部504に格納されている管理人のユーザ識別情報をRF通信部506を介して送信する(ステップSB18)。これにより、入庫時と同様の手順で、主制御装置40によるユーザ認証が行われ、ユーザ認証が正常に完了すると、出庫操作盤30bのタッチパネル305に起動画面が表示される(ステップSB19)。
【0071】
管理人が出庫操作盤30bの起動ボタンを押すと(ステップSB20)、出庫用停車スペース7と格納棚を区切る区画扉が開き、出庫用エレベータ8に載置されていた車両が横送りされて格納棚から出庫用停車スペース7へと横送りされる。その後、出庫用停車スペース7と格納棚を区切る区画扉が閉まる(ステップSB21)。
なお、車両が出庫用エレベータ8から出庫用停車スペース7へ車両が横送りされる間に異常が検知された場合には、異常が検知された旨の表示が出庫操作盤30bのタッチパネル305に表示されるとともに、その旨がリモコン装置50に送信される。これにより、リモコン装置50の表示部502にも異常を通知する表示が行われることとなる(ステップSB22)。この場合には、管理人によって適切な処置がなされることになる。
【0072】
管理人は、車両が出庫用停車スペース7へ停止され、区画扉が閉まったことを確認すると、運転手及び同乗者を出庫用停車スペース7へ案内する(ステップSB23)。運転手及び同乗者は車両に乗り込み(ステップSB24)、出庫用停車スペース7から車両を退出させる(ステップSB25)。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係るリモコン装置50によれば、機械式駐車装置10の制御状態を示す制御状態情報をRF通信部506が受信した場合に、受信した制御状態情報が表示部502に表示されるので、リモコン装置50を携帯する管理人は、リモコン装置50を確認することで機械式駐車装置10の制御状態、例えば、入庫車両の到着、入庫リフトの到着、出庫リフトの到着等を容易に把握ことができる。
更に、リモコン装置50のLF通信部505が操作盤30から認証問合信号を受信した場合に、記憶部504に格納されている管理人のユーザ識別情報を操作盤30に対して自動的に送信するので、ユーザ認証に関する管理人の入力操作を不要とすることが可能となる。このように、本実施形態に係るリモコン装置50、機械式駐車装置10、及び機械式駐車装置10の制御方法によれば、機械式駐車場の制御状態を管理人に通知することができるとともに、ユーザ認証等に関する管理人の入力操作を省略することができる。よって、管理人の入出庫操作に関する利便性を高めることが可能となる。
【0074】
なお、上記実施形態においては、入庫操作盤30aのタッチパネル305に表示されたメッセージに従って管理人や利用者が安全確認ボタンや起動ボタンを押すこととしたが、これらのメッセージについてもリモコン装置50の表示部502に表示させることとしてもよい。
【0075】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るリモコン装置、機械式駐車装置、及び機械式駐車装置の制御方法について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る機械式駐車装置は、操作盤30に設けられていた駐車券リーダ302がリモコン装置50に設けられている点において異なり、他の点において上述の第1実施形態と共通する。
図14は、本実施形態に係るリモコン装置50´の概略構成図である。本実施形態のリモコン装置50´は、
図8に示したリモコン装置50が備える構成に加えて、駐車券リーダ507が追加されている。
【0076】
駐車券リーダ507は、例えば、バーコードリーダである。駐車券には、駐車券固有の駐車券情報がバーコードとして記載されており、このバーコードを読み取る。また、駐車券情報は、バーコードとして記録されている態様に限らず、他の態様で駐車券に記載または記録されていてもよい。例えば、駐車券情報はQRコード
(登録商標)として記載されていてもよく、この場合の駐車券リーダはQRコード
(登録商標)リーダとなる。また、駐車券情報は、駐車券に内蔵されたRFタグに格納されていてもよく、この場合の駐車券リーダはRFタグと通信を行いRFタグに格納されている情報を読み取るRFIDとなる。
【0077】
また、リモコン装置50が駐車券リーダ507を有しているので、操作盤30に駐車券リーダを設ける必要はないが、冗長性を持たせるために、操作盤30においても駐車券リーダを設けておいてもよい。
【0078】
次に、本実施形態に係る機械式駐車装置の入庫時に行われる入庫処理について、第1実施形態と共通する処理・手順については共通の符号を付して説明を省略し、異なる処理・手順について主に説明する。
図15は、本実施形態に係る入庫時の車両、人、機械式駐車装置の制御、及びリモコン装置の制御の関係を説明する図である。
【0079】
まず、ステップSA1からステップSA8までは、第1実施形態と同様のため説明を省略する。ステップSA8において、運転者及び車両の同乗者が降車し、駐車場出入口1,9に移動し、入庫用停車スペース2から退避すると、リモコン装置50の表示部502に、駐車券の読み込み画面が表示される(ステップSA9´)。
管理人は、例えば、運転手から渡された駐車券をリモコン装置50の駐車券リーダ507に近づけることにより、駐車券に記載されている駐車券番号(利用者情報)を読み取らせる(ステップSA10´)。駐車券リーダ507によって読み取られた駐車券番号(利用者情報)は、RF通信部506を介して入庫操作盤30aに送信される。
【0080】
入庫操作盤30aのRF通信部307は、駐車券番号を受信すると、入庫予約を行う(ステップSA15)。以降の入庫処理については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0081】
次に、本実施形態に係る出庫処理について、
図16を用いて説明する。
図16は、本実施形態に係る出庫時の車両、人、機械式駐車装置の制御、及びリモコン装置の制御の関係を説明する図である。
まず、運転者または同乗者が精算機等で料金精算を済ませ(ステップSB1)、管理人に駐車券を渡す(ステップSB2)。続いて、管理人がリモコン装置50´を操作することにより、出庫の指示を出すと、リモコン装置50の表示部502には、「駐車券を駐車券リーダに読み込ませてください」等のように、駐車券の読み込み画面が表示される(ステップSB3´)。
【0082】
この指示に従って、管理人が運転手から渡された駐車券を駐車券リーダ507に近づけることにより、駐車券に記載されている駐車券番号を読み取らせ(ステップSB4´)、その後、駐車券を運転手に手渡す(ステップSB10´)。駐車券リーダ507によって読み取られた駐車券番号は、RF通信部506を介して出庫操作盤30bに送信される。出庫操作盤30bのRF通信部307は、駐車券番号を受信すると、出庫予約を行い(ステップSB9)、駐車券番号に関連付けられている車両を出庫用停車スペース7に移動させる。この間、出庫案内表示灯(図示略)、出庫操作盤30bのタッチパネル305、及びリモコン装置50の表示部502には、「出庫準備中」と表示される(ステップSB11〜13)。以降の処理は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0083】
このように、本実施形態に係るリモコン装置50´、機械式駐車装置、及び機械式駐車装置の制御方法によれば、駐車券リーダ507をリモコン装置50に設けたので、操作盤30に駐車券リーダを設ける必要がなくなり、操作盤30の構成を更に簡素化することが可能となる。これにより、操作盤30の小型化、低価格化を図ることが可能となる。
【0084】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0085】
例えば、上記各実施形態では、リモコン装置50の表示部502に車両到着やリフト到着がメッセージとして表示される場合を例示して説明したが、例えば、車両到着、リフト到着にそれぞれ対応するLEDを設けて置き、これらのLEDを点灯させることにより、車両到着やリフト到着等を管理人に通知することとしてもよい。
また例えば、上記実施形態では、リモコン装置50と操作盤30との信号の送受信をRF及びLFで行う形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0086】
図17、
図18は、リモコン装置50と操作盤30との信号の送受信の他の実施形態を示す模式図である。
図17に示す例では、RF通信部506に代えてWIFI(登録商標)等の無線通信による通信が可能な無線通信部506aを備え、無線通信部506aを介して上述した種々の情報の送受信が行われる。
【0087】
また、
図18に示すように、RF通信部506に代えて、インターネット等の通信網による通信が可能な無線通信部506bを備え、インターネット経由で種々の情報の送受信を行うこととしてもよい。
また、上述した実施形態では、リモコン装置50として機械式駐車装置10専用の携帯端末を想定していたが、リモコン装置はこの態様に限らず、例えば、スマートフォン等の汎用の携帯通信端末にリモコン装置50の機能を搭載し、携帯通信端末をリモコン装置50として使用してもよい。
【0088】
また、上記実施形態で説明した入庫処理及び出庫処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることが可能である。