【文献】
高月栄一郎 他,地上デジタル放送用マイクロ波中継装置,東芝レビュー[オンライン],日本,株式会社東芝,2004年11月,Vol.59, No.11,pages.39-42,<検索日2020.09.09>,インターネット:<URL:https://www.toshiba.co.jp/tech/review/2004/11/59_11pdf/f03.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電力を受け付ける電源コネクタ、中継する放送波の信号をサンプリングするための基準信号を受け付ける基準信号コネクタ、及び、自己の状態を監視する監視情報を出力する監視用コネクタを一方の面に有し、放送波の信号の周波数を変換する複数の周波数変換モジュールと、
電力を入力するモジュール側電源入力コネクタと、前記電源コネクタへ電力を出力するモジュール側電源出力コネクタとを一方の面に有し、前記複数の周波数変換モジュールへの電力を管理する電力管理部と、
前記複数の周波数変換モジュールと前記電力管理部とを収納する枠体と、
前記枠体の一方の面に配置される配線基板、前記配線基板の一方の面に設けられ外部からの前記電力を受け付ける外部電源コネクタ、前記配線基板の一方の面に設けられ外部からの前記基準信号を受け付ける外部基準信号コネクタ、及び、前記配線基板の一方の面に設けられ外部へ前記監視情報を出力する外部監視用コネクタを有する接続部と、
を備え、
前記配線基板は、他方の面に設けられた、基板側電源入力コネクタ、基板側電源出力コネクタ、第1接続部材、第2接続部材、及び、第3接続部材を有し、
前記基板側電源入力コネクタは、前記外部電源コネクタと、前記電力管理部に設けられた前記モジュール側電源入力コネクタとを接続し、
前記基板側電源出力コネクタは、前記電力管理部に設けられた前記モジュール側電源出力コネクタと接続し、
前記第1接続部材は、前記基板側電源出力コネクタと、前記複数の周波数変換モジュールのそれぞれに設けられた前記電源コネクタとを接続し、
前記第2接続部材は、前記外部基準信号コネクタと、前記複数の周波数変換モジュールのそれぞれに設けられた前記基準信号コネクタとを接続し、
前記第3接続部材は、前記外部監視用コネクタと、前記複数の周波数変換モジュールのそれぞれに設けられた前記監視用コネクタとを接続する
放送中継装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の例示的な実施形態や変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が部分的に省略される。実施形態や変形例に含まれる部分は、他の実施形態や変形例の対応する部分と置き換えて構成されることができる。また、実施形態や変形例に含まれる部分の構成や位置等は、特に言及しない限りは、他の実施形態や変形例と同様である。
【0008】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の放送中継装置10の全体構成を示す斜視図である。
図1に矢印で示す前後左右上下を、放送中継装置10の前後左右上下方向とする。放送中継装置10は、複数(例えば、N個)の放送波を中継する。
【0009】
放送中継装置10は、収納棚12と、分配ユニット14と、受信変換ユニット16と、マルチパスユニット18と、IF遅延ユニット20と、送信変換ユニット22と、PA(Power Amplifier)ユニット24と、切替ユニット26と、制御ユニット28とを備える。分配ユニット14、受信変換ユニット16、マルチパスユニット18、IF遅延ユニット20、送信変換ユニット22、PAユニット24、切替ユニット26、及び、制御ユニット28の配置は適宜変更してよい。
【0010】
収納棚12は、例えば、19インチの高さを有する中空の直方体形状のラックである。収納棚12は、分配ユニット14、受信変換ユニット16、マルチパスユニット18、IF遅延ユニット20、送信変換ユニット22、PAユニット24、切替ユニット26、及び、制御ユニット28を収納して保持する。
【0011】
分配ユニット14は、複数(例えば、N個)の分配器30を有する。
【0012】
受信変換ユニット16は、複数(例えば、2N個)の受信変換モジュール32と、DCDCモジュール34とを有する。
【0013】
マルチパスユニット18は、複数(例えば、2N個)のマルチパスモジュール36を有する。
【0014】
IF遅延ユニット20は、複数(例えば、2N個)のIF遅延モジュール38を有する。
【0015】
送信変換ユニット22は、複数(例えば、2N個)の送信変換モジュール40と、DCDCモジュール42とを有する。
【0016】
PAユニット24は、複数(例えば、2N個)のPAモジュール44を有する。
【0017】
切替ユニット26は、複数(例えば、N個)の切替部46を有する。
【0018】
制御ユニット28は、複数(例えば、N個)の制御部48を有する。
【0019】
図2は、放送中継装置10の電気系の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、放送中継装置10の内部では、分配器30、切替部46及び制御部48がそれぞれ1つずつと、受信変換モジュール32、マルチパスモジュール36、IF遅延モジュール38、送信変換モジュール40及びPAモジュール44がそれぞれ2つずつ、合計1組が1つの放送波(1波)に割り当てられている。これら1組のうち、一方は現用系として使用され、他方は予備系として使用される。
図2において現用系と予備系はそれぞれ一点鎖線による太枠で示されている。現用系と予備系では、それぞれの受信変換モジュール32、マルチパスモジュール36、IF遅延モジュール38、送信変換モジュール40及びPAモジュール44の機能は同じなので、予備系の説明は省略する。そして、放送中継装置10全体としては、このような現用系と予備系からなる組がN波分(N組)収納されている。
【0020】
分配器30は、受信アンテナが受信した放送波に対応するデジタルのRF(Radio Frequency-:無線周波数)の放送波の信号(以下、放送波信号)を、現用系の受信変換モジュール32と、予備系の受信変換モジュール32とに分配して出力する。
【0021】
受信変換モジュール32は、受信変換モジュール32を駆動するための直流電力(例えば、48V)と、基準信号とを受け取る。基準信号は、中継する放送波信号をサンプリングするための信号であり、例えば、デジタルの放送波の周期に合わせて、予め定められたサンプリング周波数(例えば、10MHz)を有する。また、受信変換モジュール32は、異常が発生した項目及び異常の発生時刻等の監視情報(ログ情報ともいう)を出力する。受信変換モジュール32は、周波数変換モジュールの一例であり、放送波の信号の周波数を変換する機能を有し、分配器30から受け取ったRFの放送波信号の周波数を、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)の放送波信号の周波数に変換して、マルチパスモジュール36へ出力する。
【0022】
DCDCモジュール34は、電力管理部の一例であり、複数の受信変換モジュール32への電力を管理する。
【0023】
マルチパスモジュール36は、マルチパス等価回路を有し、マルチパスによって生じる放送波信号の歪みを補償し、歪み補償した放送波信号をIF遅延モジュール38へ出力する。
【0024】
IF遅延モジュール38は、マルチパス妨害を抑制するために、中継する放送波信号を予め定められた遅延時間(例えば、10ms程度のガードインターバル)だけ遅延させて送信変換モジュール40へ出力する。
【0025】
送信変換モジュール40は、送信変換モジュール40を駆動するための直流電力(例えば、48V)と、放送波信号をサンプリングするための基準信号とを受け取るとともに、異常が発生した項目及び発生時刻等の監視情報を出力する。送信変換モジュール40は、周波数変換モジュールの他の例であり、放送波の信号の周波数を変換する機能を有し、IFの放送波信号をIF遅延モジュール38から受け取り、IFの放送波信号をRFの信号に周波数変換して、PAモジュール44へ出力する。
【0026】
DCDCモジュール42は、電力管理部の他の例であり、複数の送信変換モジュール40への電力を管理する。
【0027】
PAモジュール44は、RFの放送波信号の電力を増幅して、切替部46へ出力する。
【0028】
切替部46は、現用系及び予備系のPAモジュール44から放送波信号を取得するとともに、制御部48からの切替信号に基づいて、現用系と予備系とを切り替えて、現用系と予備系のいずれかの放送波信号を送信アンテナに出力する。
【0029】
制御部48は、現用系及び予備系の状態に基づいて、切替部46を制御して、現用系からの放送波信号と、予備系からの放送波信号とを切り替える。例えば、制御部48は、現用系をメンテナンスしている場合、予備系を使用して、放送波信号を送信アンテナから送信する。
【0030】
図3は、受信変換ユニット16の前方斜視図である。
図4は、受信変換ユニット16の後方斜視図である。
図3及び
図4に示すように、受信変換ユニット16は、枠体50と、接続部52とを更に有する。
【0031】
枠体50は、前面及び後面は開口し、N個の受信変換モジュール32及びDCDCモジュール34のセットの上下面及び左右側面を覆う中空の直方体形状に形成され、受信変換ユニット16を前後方向に移動可能に支持する。
【0032】
接続部52は、枠体50に支持されて枠体50の後面に配置され、枠体50の後面を塞ぎ、接続部52の前側(=他方の側の例)は、複数の受信変換モジュール32及びDCDCモジュール34の後面(=一方の面の例)と対向する。接続部52は、配線基板54と、外部電源コネクタ56と、外部基準信号コネクタ58と、外部監視用コネクタ60とを有する。外部電源コネクタ56、外部基準信号コネクタ58及び外部監視用コネクタ60は、接続部52の後ろ側(=一方の側の例)に設けられている。
【0033】
配線基板54は、例えば、板状の部材であり、水平方向または上下方向にスライド可能に、かつ、取り外し可能に枠体50に保持されている。配線基板54は、外部電源コネクタ56、外部基準信号コネクタ58、及び、外部監視用コネクタ60を後面で保持する。
【0034】
外部電源コネクタ56は、外部の電源と接続され、外部からの電力(例えば、48Vの直流電力)を受け付ける。
【0035】
外部基準信号コネクタ58は、外部の信号生成装置に接続され、サンプリング用の周波数(例えば、10MHz)の基準信号を受け付ける。
【0036】
外部監視用コネクタ60は、外部のコンピュータ等の監視装置と接続され、受信変換モジュール32の監視情報を外部(例えば、監視装置等)へ出力する。
【0037】
図5は、受信変換モジュール32の前面の一例を示す図である。
図5に示すように、受信変換モジュール32の前面(他方の面の例)には、スイッチ61(操作部の一例)と、リセットボタン62(操作部の他の例)と、RF信号コネクタ64と、2個のIF信号コネクタ66、66と、モニタ用コネクタ68と、表示部70a、70b、70c、70dとが設けられている。スイッチ61、リセットボタン62、RF信号コネクタ64、IF信号コネクタ66、モニタ用コネクタ68及び表示部70a、70b、70c、70dは、複数の受信変換モジュール32のそれぞれの前面に設けられている。
【0038】
スイッチ61は、受信変換モジュール32のオン・オフを切り替える操作を受け付ける。
【0039】
リセットボタン62は、位相同期回路(Phase Locked Loop)のリセットスイッチであり、駆動中の受信変換モジュール32内の位相同期回路をリセットする操作を受け付ける。
【0040】
RF信号コネクタ64は、分配器30と接続されて、分配器30が出力したRFの放送波信号を受け付ける。
【0041】
IF信号コネクタ66は、マルチパスモジュール36と接続され、RFからIFに変換した放送波信号をマルチパスモジュール36へ出力する。IF信号コネクタ66の個数は適宜変更してよい。
【0042】
表示部70a、70b、70c、70dは、LED(Light Emitting Diode)等の発光装置であり、受信変換モジュール32の状態を表示する。例えば、表示部70aは、点灯によって、受信変換モジュール32のオン状態を示す。表示部70b、70c、70dは、それぞれ受信変換モジュール32のINDET状態、PLL状態、及び、OUTDET状態を示す。尚、INDETは、入力検知(Input Detector)の意味であり、受信変換モジュール32への入力レベルの正常/異常を検知して、異常であればアラームを出して、受信変換モジュール32の前に繋がっている装置の異常を報知する。PLLは、入力信号や基準周波数と、出力信号との周波数を一致させる位相同期回路(Phase Locked Loop)であり、PLL状態は位相同期回路のロック状態を示し、アンロック時に赤色に点灯する。OUTDETは、出力検知(Output Detector)の意味であり、受信変換モジュール32からの出力レベルの正常/異常を検知して、異常であればアラームを出して、受信変換モジュール32内の異常を報知する。
【0043】
図6は、受信変換モジュール32の後面の一例を示す図である。
図6に示すように、受信変換モジュール32の後面には、モジュール側電源コネクタ72と、モジュール側基準信号コネクタ74と、モジュール側監視用コネクタ76とが設けられている。
【0044】
モジュール側電源コネクタ72は、DCDCモジュール34を介して接続された外部電源コネクタ56から電力の供給を受け付ける。
【0045】
モジュール側基準信号コネクタ74は、外部基準信号コネクタ58と接続され、外部基準信号コネクタ58から基準信号を受け付ける。
【0046】
モジュール側監視用コネクタ76は、外部監視用コネクタ60を介して接続された外部監視用コネクタ60から受け取った自己(=モジュール側監視用コネクタ76が設けられた受信変換モジュール32)の状態を監視する監視情報を外部(例えば、監視装置)へ出力する。
【0047】
図7は、接続部52を外した状態での受信変換ユニット16の後面の一例を示す図である。
図7に示すように、DCDCモジュール34の後面には、モジュール側電源入力コネクタ78と、モジュール側電源出力コネクタ80とが設けられている。
【0048】
モジュール側電源入力コネクタ78は、外部電源コネクタ56と接続され、外部電源コネクタ56から受け付けた電力を、DCDCモジュール34の内部回路へと出力する。
【0049】
モジュール側電源出力コネクタ80は、DCDCモジュール34の内部コネクタに接続され、DCDCモジュール34が安定化した電力を、各受信変換モジュール32へ出力する。
【0050】
図8は、接続部52の前面の一例を示す図である。
図8に示すように、接続部52の配線基板54は、基板本体92と、第1接続部材の一部である電源用配線94aと、第2接続部材の一部である信号用配線94bと、第3接続部材の一部である監視用配線94cとを有する。接続部52は、基板側電源入力コネクタ82と、基板側電源出力コネクタ84と、第1接続部材の一部である複数(例えば、2N個)のモジュール用電源コネクタ86と、第2接続部材の一部である複数(例えば、2N個)のモジュール用基準信号コネクタ88と、第3接続部材の一部である複数(例えば、2N個)のモジュール用監視用コネクタ90とを更に有する。
【0051】
基板本体92は、絶縁性の板部材(例えば、ガラスエポキシ板)であり、コネクタ82、84、86、88、90、及び、配線94a、94b、94cを保持する。電源用配線94aは、分岐しており、1つの基板側電源出力コネクタ84を、複数のモジュール用電源コネクタ86に接続する。信号用配線94bは、分岐しており、1つの外部基準信号コネクタ58を、複数のモジュール用基準信号コネクタ88に接続する。監視用配線94cは、分岐しており、1つの外部監視用コネクタ60を、複数のモジュール用監視用コネクタ90に接続する。
【0052】
基板側電源入力コネクタ82は、外部電源コネクタ56の前方に設けられ、外部電源コネクタ56と接続され、モジュール側電源入力コネクタ78と対向する位置に配置されている。従って、DCDCモジュール34が枠体50内の所定の位置に設置されると、基板側電源入力コネクタ82は、モジュール側電源入力コネクタ78と接続されて、外部電源コネクタ56から受け取った電力を、モジュール側電源入力コネクタ78を介して、DCDCモジュール34へ供給する。
【0053】
基板側電源出力コネクタ84は、モジュール側電源出力コネクタ80と対向する位置に配置されている。従って、DCDCモジュール34が枠体50内の所定の位置に設置されると、基板側電源出力コネクタ84は、モジュール側電源出力コネクタ80と接続されて、電源用配線94aを介して、複数のモジュール用電源コネクタ86と接続される。
【0054】
複数のモジュール用電源コネクタ86は、例えば、左右方向(即ち、水平方向)に沿って、一直線上に配列されて、複数のモジュール側電源コネクタ72のいずれかと対向する位置に配置されている。従って、複数の受信変換モジュール32が枠体50内の所定の位置に設置されると、複数のモジュール用電源コネクタ86のそれぞれは、複数のモジュール側電源コネクタ72のいずれかと接続されるので、電源用配線94aを介して外部電源コネクタ56を複数の受信変換モジュール32のそれぞれに設けられたモジュール側電源コネクタ72に接続する。これにより、モジュール用電源コネクタ86は、電源用配線94aを介して、外部電源コネクタ56が受け付けた外部からの電力を、DCDCモジュール34を介して受け付けて、受信変換モジュール32の内部回路に供給する。
【0055】
複数のモジュール用基準信号コネクタ88は、例えば、左右方向(即ち、水平方向)に沿って、一直線上に配列されて、信号用配線94bを介して、外部基準信号コネクタ58と接続されている。複数のモジュール用基準信号コネクタ88のそれぞれは、複数のモジュール側基準信号コネクタ74のいずれかと対向する位置に配置されているので、複数の受信変換モジュール32が枠体50内の所定の位置に設置されると、複数のモジュール側基準信号コネクタ74のいずれかと接続される。これにより、複数のモジュール用基準信号コネクタ88は、信号用配線94bを介して、外部基準信号コネクタ58を、複数の受信変換モジュール32のそれぞれに設けられたモジュール側基準信号コネクタ74に接続し、外部基準信号コネクタ58から受け付けた基準信号を受信変換モジュール32の内部回路に供給する。
【0056】
複数のモジュール用監視用コネクタ90は、例えば、左右方向(即ち、水平方向)に沿って、一直線上に配列されて、監視用配線94cを介して、外部監視用コネクタ60と接続されている。複数のモジュール用監視用コネクタ90のそれぞれは、複数のモジュール側監視用コネクタ76のいずれかと対向する位置に配置されているので、複数の受信変換モジュール32が枠体50内の所定の位置に設置されると、複数のモジュール側監視用コネクタ76のいずれかと接続される。これにより、複数のモジュール用監視用コネクタ90は、監視用配線94cを介して、外部監視用コネクタ60を、複数の受信変換モジュール32のそれぞれに設けられたモジュール側監視用コネクタ76に接続して、受信変換モジュール32が生成した監視情報をモジュール側監視用コネクタ76から取得して、外部監視用コネクタ60を介して、外部の監視装置へ出力する。
【0057】
次に、受信変換ユニット16の動作を説明する。受信変換ユニット16では、1つの外部電源コネクタ56が、複数のモジュール用電源コネクタ86を介して、受け付けた電力を各受信変換モジュール32へ供給する。これにより、受信変換モジュール32は、スイッチ61がオンへと操作されると起動する。
【0058】
複数の受信変換モジュール32は、それぞれのモジュール用基準信号コネクタ88を介して、1つの外部基準信号コネクタ58から基準信号を受け付けて、基準信号のサンプリング周波数で、放送波信号をサンプリングして、モニタ用コネクタ68から出力する。
【0059】
複数の受信変換モジュール32は、監視情報を生成して、それぞれのモジュール用監視用コネクタ90から出力した当該監視情報を1つの外部監視用コネクタ60から外部の監視装置へと送信する。
【0060】
コネクタ82、84、86、88、90は、コネクタ78、80、72、74、76と容易に挿抜(例えば、プラグイン構造)できることが好ましい。例えば、コネクタ78、80、72、74、76が前方からコネクタ82、84、86、88、90に挿入されるだけで、コネクタ78、80、72、74、76がコネクタ82、84、86、88、90に装着されて電気的に接続されることが好ましい。更に、互いに接続されている状態で、コネクタ78、80、72、74、76が後方へ引かれるだけで、コネクタ78、80、72、74、76がコネクタ82、84、86、88、90から抜かれて、電気的な接続が解除されることが好ましい。
【0061】
上述したように、放送中継装置10では、コネクタ86、88、90及び配線94a、94b、94cを介して、コネクタ56、58、60を複数のコネクタ72、74、76に接続している。これにより、ケーブル等でコネクタ72、74、76を外部装置等に接続した場合に比べて、放送中継装置10は、複数のケーブルを減らすことができるので、装置の小型化を実現できる。更に、放送中継装置10では、コネクタ56、58、60から外部装置への接続を1本のケーブルにまとめることができるので、放送中継装置10の周りを整理することができる。
【0062】
放送中継装置10では、1つの枠体50に複数の受信変換モジュール32を設置することができるので、会社毎に受信変換モジュール32を設置していた場合に比べて、占有スペースを低減できるとともに、ラック等を低減することができる。これにより、放送中継装置10は、小型化を実現できる。
【0063】
放送中継装置10では、コネクタ78、80、72、74、76とコネクタ82、84、86、88、90とを容易に挿抜できる構造とすることによって、ラック等から外すことなく、受信変換モジュール32を容易に交換できる。これにより、放送中継装置10では、放送の休止中等に受信変換モジュール32を容易に変換することができる。
【0064】
放送中継装置10では、DCDCモジュール34を有するので、全放送波(即ち、全会社)に共通で電源を供給することができ、放送波毎(即ち、会社毎)に電源を供給することもできる。例えば、放送中継装置10では、DCDCモジュール34と受信変換モジュール32とを接続することによって、電源を共通化することができる。一方、放送中継装置10では、外部電源コネクタ56と受信変換モジュール32とをDCDCモジュール34を介さずに接続することによって、放送波毎に電源を共通することができる。更には、放送中継装置10では、一部の受信変換モジュール32をDCDCモジュール34と接続して電源を共通化して、残りの受信変換モジュール32と外部電源コネクタ56とを接続することによって残りの受信変換モジュール32に関しては放送波毎に電源を共通することができる。
【0065】
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態の放送中継装置の電気系の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、第2実施形態の放送中継装置110は、マルチパスモジュール36及びIF遅延モジュール38を一体化させた補償用モジュール19を有する。
【0066】
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態の放送中継装置の電気系の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、第3実施形態の放送中継装置210は、補償用モジュール19と、送信変換ユニット22と、PAユニット24とを備える。換言すれば、第3実施形態の放送中継装置210は、第2実施形態の放送中継装置110から分配ユニット14と、切替ユニット26と、制御ユニット28とを省略した構成である。尚、第3実施形態においても、補償用モジュール19に代えて、マルチパスユニット18と、IF遅延ユニット20とを備えてもよい。
【0067】
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態のDCDCモジュール134の前面の一例を示す図である。
図11に示すように、第4実施形態のDCDCモジュール134の前面(他方の側の面の一例)には、複数のスイッチ161、複数のリセットボタン162、及び、複数の表示部170aが設けられている。この場合、受信変換モジュール32のスイッチ61、リセットボタン62、及び、表示部70aのいずれかまたは全ては省略してもよい。スイッチ161、リセットボタン162、及び、表示部170aの個数は、接続可能な受信変換モジュール32の個数と同じである。スイッチ161、リセットボタン162、及び、表示部170aのそれぞれは、受信変換モジュール32のいずれかに対応付けられている。
【0068】
スイッチ161は、対応する受信変換モジュール32のオン・オフとの切り替える操作指示を受け付ける。
【0069】
リセットボタン162は、対応する受信変換モジュール32をリセットする操作指示を受け付ける。
【0070】
表示部170aは、対応する受信変換モジュール32のオン状態を示す。
【0071】
上述したように、第4実施形態のDCDCモジュール134は、いずれかの受信変換モジュール32に対応付けられた複数のスイッチ161、複数のリセットボタン162、及び、複数の表示部170aを有する。これにより、DCDCモジュール134は、1個所で多くの操作が提供できるとともに、操作の状況を視認させることができる。
【0072】
上述の実施形態の各構成の機能、接続関係、個数、配置等は適宜変更してよい。
【0073】
例えば、上述の実施形態では、受信変換モジュール32を例に挙げて説明したが、受信変換モジュール32と同様の構成を送信変換モジュール40に適用して、送信変換モジュール40と接続部52とを接続してもよい。
【0074】
上述の実施形態では、放送中継装置10が、マルチパスモジュール36、及び、IF遅延モジュール38を備える構成を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、マルチパスモジュール36、及び、IF遅延モジュール38は、放送中継装置10から省略されていてもよい。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。