(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の処理区域が、前記切断区域を通して、約100インチ(約254cm)〜約400インチ(約1016cm)の曲率半径を有する、前記フレキシブルガラスリボンの搬送路を有することを特徴とする、請求項9〜12いずれか1項記載のガラス処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本概念は、フレキシブルガラスリボンの連続処理に関わっている。フレキシブルガラスリボンの連続処理は、成形、切断、巻き取り等、幾つかの処理ステップの連結を含み得る。これ等の1つ以上の処理ステップを含むことができる、ガラス処理装置を通して、フレキシブルガラスリボンを搬送するとき、フレキシブルガラスリボンを分離及び安定化を図ることが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、ガラス処理装置を用いて、0.35mm以下の厚さを有するフレキシブルガラスリボンを連続処理する方法が提供される。本方法は、第1の処理区域、第2の処理区域、及び第3の処理区域を含む、少なくとも3つの処理区域を有するガラス処理装置を用意するステップを備えている。フレキシブルガラスリボンが、第1の処理区域から、第2の処理区域を通過して、第3の処理区域に連続的に送られる。全体制御装置を用いて、第1の処理区域、第2の処理区域、及び第3の処理区域の各々を通して、フレキシブルガラスリボンの送り速度が制御される。第1のローラーセット、及び第1のローラーセットの下流に位置する、第2のローラーセットを有する、多軸ステアリング装置を用いて、第2の処理区域を通して、フレキシブルガラスリボンの横方向の位置が制御される。
【0007】
第2の態様によれば、第1のローラーセットが、フレキシブルガラスリボンの第1のエッジ部に位置する、第1のローラー対、及びフレキシブルガラスリボンの第1のエッジ部に対向する第2のエッジ部に位置する、第2のローラー対を有する、第1の態様の方法が提供される。
【0008】
第3の態様によれば、第2のローラーセットが、フレキシブルガラスリボンの第1のエッジ部に位置する、第1のローラー対、及びフレキシブルガラスリボンの第2のエッジ部に位置する、第2のローラー対を有する、第2の態様の方法が提供される。
【0009】
第4の態様によれば、フレキシブルガラスリボンの横方向の位置を制御するステップが、第1のローラーセット及び第2のローラーセットの一方又は両方の、第1のローラー対と第2のローラー対との間に速度差を設けるステップを含む、第3の態様の方法が提供される。
【0010】
第5の態様によれば、フレキシブルガラスリボンの横方向の位置を制御するステップが、第1のローラーセット、及び第2のローラーセットの一方又は両方の第1のローラー対、及び第2のローラー対の一方又は両方の回転方向を、機械中心線からずれるように変えるステップを含む、第3又は第4の態様の方法が提供される。
【0011】
第6の態様によれば、第1の処理区域と第2の処理区域との間に、フレキシブルガラスリボンが、2つの離間したペイオフ位置によって画定される、第1のカテナリに配置される、第1の緩衝区域を設けるステップを更に備えた、第1〜第5の態様のいずれか1つの態様の方法が提供される。
【0012】
第7の態様によれば、第2の処理区域と第3の処理区域との間に、フレキシブルガラスリボンが、2つの離間したペイオフ位置によって画定される、第2のカテナリに配置される、第2の緩衝区域を設けるステップを更に備えた、第6の態様の方法が提供される。
【0013】
第8の態様によれば、0.35mm以下の厚さを有する、フレキシブルガラスリボンを処理するガラス処理装置が、第1の処理区域に成形装置を備えている。成形装置は第1の処理区域において、フレキシブルガラスリボンを形成するように構成されている。エッジトリミング装置が、第2の処理区域の切断区域内に備えられている。エッジトリミング装置は、フレキシブルガラスリボンが移動するときに、切断区域内の切断装置によって、フレキシブルガラスリボンのエッジ部を分離して、フレキシブルガラスリボンの上流部に接続された、切去エッジ部の連続細片を形成するように構成されている。多軸ステアリング装置が、切断装置の上流に位置する第1のローラーセット、及び切断装置の下流に位置する第2のローラーセットを有している。全体制御装置が、多軸ステアリング装置を用いて、第2の処理区域を通して、フレキシブルガラスリボンの横方向の位置を制御する。
【0014】
第9の態様によれば、第1のローラーセットが、フレキシブルガラスリボンの第1のエッジ部に位置する、第1のローラー対、及びフレキシブルガラスリボンの第1のエッジ部に対向する、第2のエッジ部に位置する、第2のローラー対を有する、第8の態様の装置が提供される。
【0015】
第10の態様によれば、第2のローラーセットが、フレキシブルガラスリボンの第1のエッジ部に位置する、第1のローラー対、及びフレキシブルガラスリボンの第2のエッジ部に位置する、第2のローラー対を有する、第8又は第9の態様の装置が提供される。
【0016】
第11の態様によれば、全体制御装置が、第1のローラーセット及び第2のローラーセットの一方又は両方の、第1のローラー対と第2のローラー対との間に速度差を設けることによって、フレキシブルガラスリボンの横方向の位置を制御する、第10の態様の装置が提供される。
【0017】
第12の態様によれば、全体制御装置が、第1のローラーセット、及び第2のローラーセットの一方又は両方の第1のローラー対、及び第2のローラー対の一方又は両方の回転方向を、機械中心線からずれるように変えることによって、フレキシブルガラスリボンの横方向の位置を制御する、第10又11の態様の装置が提供される。
【0018】
第13の態様によれば、第2の処理区域が、切断区域を通して、約100インチ(約254cm)〜約400インチ(約1016cm)の曲率半径を有する、フレキシブルガラスリボンの搬送路を有する、第8〜12の態様のいずれか1つの態様の装置が提供される。
【0019】
第14の態様によれば、曲率半径が約250インチ(約635cm)である、第13の態様の装置が提供される。
【0020】
第15の態様によれば、フレキシブルガラスリボンの中央部が、搬送路を有し、切去エッジ部の連続細片が、エッジトリミング装置の下流において、異なる搬送路を有する、第13の態様の装置が提供される。
【0021】
第16の態様によれば、搬送路が、切断区域の上流に存在する上流部であって、切断区域を通る搬送路の曲率半径とは異なる曲率半径を有する上流部を含む、第13〜15の態様のいずれか1つの態様の装置が提供される。
【0022】
第17の態様によれば、切断装置が、レーザーを含む、第8〜16の態様のいずれか1つの態様の装置が提供される。
【0023】
第18の態様によれば、ガラス処理装置を用いて、0.35mm以下の厚さを有するフレキシブルガラスリボンを連続処理する方法が提供される。本方法は、切断区域であって、フレキシブルガラスリボンが移動するときに、切断装置内の切断装置によって、フレキシブルガラスリボンのエッジ部を分離し、フレキシブルガラスリボンの上流部に接続された切去エッジ部の連続細片を形成するように構成された、エッジトリミング装置を備えた切断区域に、フレキシブルガラスリボンを連続的に送り込むステップを備えている。全体制御装置を用いて、切断区域を通して、フレキシブルガラスリボンの送り速度が制御される。第1のローラーセット、及び第1のローラーセットの下流に位置する、第2のローラーセットを有する多軸ステアリング装置を用いて、切断区域を通して、フレキシブルガラスリボンの横方向の位置が制御される。
【0024】
第19の態様によれば、第1のローラーセットが、フレキシブルガラスリボンの第1のエッジ部に位置する第1のローラー対、及びフレキシブルガラスリボンの第1のエッジ部に対向する第2のエッジ部に位置する第2のローラー対を有する、第18の態様の方法が提供される。
【0025】
第20の態様によれば、第2のローラーセットが、フレキシブルガラスリボンの第1のエッジ部に位置する第1のローラー対、及びフレキシブルガラスリボンの第2のエッジ部に位置する第2のローラー対を有する、第18又は19の態様の方法が提供される。
【0026】
第21の態様によれば、フレキシブルガラスリボンの横方向の位置を制御するステップが、第1のローラーセット及び第2のローラーセットの一方又は両方の、第1のローラー対と第2のローラー対との間に速度差を設けるステップを含む、第20の態様の方法が提供される。
【0027】
第22の態様によれば、フレキシブルガラスリボンの横方向の位置を制御するステップが、第1のローラーセット、及び第2のローラーセットの一方又は両方の、第1のローラー対、及び第2のローラー対の一方又は両方の回転方向を、機械中心線からずれるように変えるステップを含む、第20又は21の態様の方法が提供される。
【0028】
更なる特徴及び効果は、これに続く詳細な説明に述べてあり、当業者はその記述から、一部は容易に明らかであり、記述説明及び添付図面に例示し、添付の特許請求の範囲に規定する本発明を実施することによって認識されるであろう。前述の概要説明及び以下の詳細な説明は、いずれも本発明の単なる例であって、特許請求した性質及び特徴を理解するための概要、及び枠組みの提供を意図したものであることを理解されたい。
【0029】
添付図面は、本発明の原理について更なる理解が得られることを意図して添付したもので、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものである。図面は1つ以上の実施の形態を示すもので、その説明と併せ、例として、本開示の原理及び作用の説明に役立つものである。本明細書及び図面に開示の本発明の様々な特徴は、任意かつすべての組み合わせで使用できることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の詳細な説明において、限定ではなく説明を目的として、本開示の様々な原理の完全な理解を得るために、特定の詳細を開示する例示的な実施の形態が記載してある。しかし、本開示が、本明細書に開示される特定の詳細から逸脱する他の実施形態において実施され得ることは、本開示の利益を得ている当業者には明らかであろう。更に、本開示の様々な原理の説明が不明瞭にならないように、周知の装置、方法、及び材料の説明は省略している場合があり得る。最後に、可能な限り、同様の要素には同様の参照番号を用いている。
【0032】
本明細書において、範囲は「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までと表現することができる。かかる範囲が示された場合、別の実施の形態は、1つの特定の値から、及び/又は別の特定の値まで含んでいる。同様に、値が近似値として表現されている場合、先行する「約」を使用することによって、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。更に、範囲の各々の終点は、他方の終点に関連して、及び他方の終点とは無関係に、有意であることが理解されるであろう。
【0033】
本明細書において、例えば、上方、下方、右、左、前方、後方、最上部、底部等の方向を示す用語は、描かれている図を参照した場合のみの方向であって、絶対的な方向を意味するものではない。
【0034】
特に明記しない限り、本明細書に記載の方法は、そのステップを特定の順序で実行する必要があると解釈されることを意図するものでは全くない。従って、方法クレームが、そのステップが従うべき順序を記述していない場合、又はステップが特定の順序に限定されると、クレーム若しくは明細書に具体的に記述されていない場合、如何なる点においても、順序が推測されることを意図するものでは全くない。これは、ステップの配列又は動作フローに関する論理上の問題、文法的な構成又は句読点から得られる明白な意味、本明細書に記載の実施の形態の数及び種類を含む、あらゆる可能な明示されていない根拠による解釈にも当てはまる。
【0035】
本明細書において、名詞は、文脈上明らかに別の意味に解釈されない限り、複数の指示対象を指す。従って、例えば、「構成要素」と言った場合、文脈上明らかに別の意味に解釈されない限り、かかる構成要素を2つ以上有する態様を含む。
【0036】
本明細書に記載の実施の形態は、概して、フレキシブルガラスウェブのビード付きエッジ部の連続分離を含む、フレキシブルガラスリボンの連続処理に関するものである。亀裂の伝播を連続的に制御し維持するためには、レーザーによる亀裂の速度を制御して、ウェブの速度に一致させることができるように、機械的応力の大きさ及び変動を抑制することが重要であり得る。本明細書は、ビード付きエッジ部の分離工程を、上流のフレキシブルガラスの形成工程、及び、分離工程の間、フレキシブルガラスリボンの安定化にも利用することができる、その後のフレキシブルガラスリボンの巻き取り等の下流の工程から、分離する装置及び方法を開示する。
【0037】
ガラスは、一般に、柔軟性に欠け、擦傷、クリッピング、及び損傷が生じ易い、脆弱な材料として知られているが、薄い断面を有するガラスは、実際には非常に柔軟であり得る。長くて薄いシート又はリボン状のガラスは、紙やプラスチックフィルムと同様に、ロールに巻き取ったり、ロールから巻き戻したりすることができる。
【0038】
ガラスリボンが、ガラス製造装置を通して移動するときの、ガラスリボンの横方向の位置調整を維持することは、ガラス製造装置の構成要素の位置調整不良によって、複雑になる可能性がある。更に、製造環境又は処理及びハンドリング装置に存在し得る不安定性、摂動、振動、及び過渡効果によって、ガラスリボンの横方向の位置調整不良が、間欠的又は広範囲に生じる可能性がある。位置調整の欠如によって、高硬度のガラスウェブが、交差ウェブ状に傾斜して横方向に振動する原因となり得る。極端な場合には、ガラスリボンの不安定性、摂動、振動、及び過渡効果が、破砕につながることがあり得る。
【0039】
一部のガラスリボンには、ガラスリボンから肉厚のエッジビード部を連続的に分離する処理が施される。ビード除去工程の間、肉厚のエッジビード部は、ガラスリボンから分離され、ガラスリボン製品とは別の経路に沿って搬送される。肉厚のビード部は、ガラスリボンが肉厚のエッジビード部から分離される点において、ガラスリボンに応力を与える。ガラスリボンと分離される肉厚のエッジビード部との間の相対角度が、分離点における応力に影響を与える。ビード分離工程において、ガラスリボンの横方向の振動の原因となる位置調整不良は、亀裂の先端又は分離点において、応力を変動させる可能性があり、潜在的にリボンを破損させるか、又はエッジ強度が劣ったりエッジが破損したりする等、エッジの分離特性を悪くする可能性がある。一部の実施の形態において、ビード部を分離した後の切り口において、少なくとも約200MPa等、少なくとも100MPaのエッジ強度を維持することができる。
【0040】
記載の装置及び方法は、ウェブの安定化及びレーザー分離工程の機械的な分離を図っている。第1に、レーザー分離工程の入口及び出口に、複数組のピンチドライブを使用して、レーザー分離区域における、フレキシブルガラスリボンのウェブ張力、横方向の位置、及び縦方向の位置を管理することができる。第2に、ビード/カレットを管理するための搬送路を設け、最適化することによって、カレットの生成による振動が、レーザー分離区域に到達しないように分離することができる。例えば、エッジ分離工程の上流及び下流の両方に、自由ループを設けると共に、全体のビード搬送路長を長くすることができる(これによって、ビードの剛性が減少する効果が得られ、亀裂の先端に戻る摂動の伝達を減少させることができる)。
【0041】
図1は、ガラスリボン46を製造するためのフュージョン方法を組み込んだ、例示的なガラス製造装置10を示す図である。ガラス製造装置10は、連続工程において、ガラスリボンが形成され、エッジ部に沿って分離され、次いで巻き取られる、以下に詳細に説明するガラス処理装置100(
図3及び4)の一部であってよい。ガラス製造装置10は、溶融容器14、清澄容器16、混合容器18(例えば、撹拌室)、送出容器20(例えば、ボウル)、成形装置22、及び牽引装置24を備えている。ガラス製造装置10は、まず、バッチ材料を溶融ガラスに溶融混合し、溶融ガラスを予備的な形状に分布させ、ガラスリボン46に張力を加えて、ガラスが冷えて粘度が増加するにつれ、ガラスリボン46が、粘弾性遷移を経て、ガラスリボン46に安定した寸法特性を与える、機械的特性を有するように、ガラスリボン46の寸法を制御することによって、バッチ材料から連続するガラスリボン46を形成する。
【0042】
動作において、ガラス形成用のバッチ材料が、矢印26で示すように、溶融容器14に導入され、溶融されて溶融ガラス28が形成される。溶融ガラス28は、清澄容器16に流入し、そこで溶融ガラスから気泡が除去される。溶融ガラス28は、清澄容器16から混合容器18に流入し、そこで溶融ガラス28は、混合工程を受けて均質化される。溶融ガラス28は、混合容器18から送出容器20に流入し、送出容器は、下降管30を介して入口32、そして成形装置22に溶融ガラス28を送出する。
【0043】
図1に示す成形装置22は、表面品質が高く、厚さ変動の少ないフレキシブルガラスリボン46を製造する、フュージョンドロー法に用いられる。成形装置22は、溶融ガラス28を受け取る開口部34を備えている。溶融ガラス28は、トラフ36に流入し、次いで、オーバーフローして、2つの部分リボン部38、40(
図2参照)となって、トラフ36の側面を流れ下り、その後、成形装置22の根底部42の下方で互いに融合する。まだ溶融ガラス28である、2つの部分リボン部38、40が、成形装置22の根底部42の下方で、互いに再結合(例えば、融合)することによって、(ガラスリボン又はウェブとも呼ばれる)フレキシブルガラスリボン46が形成される。フレキシブルガラスリボン46は、牽引装置24によって、成形装置から下方に牽引される。ここでは、フュージョンドロー法を実装した成形装置22を図示及び説明しているが、スロットドロー装置等を含みこれに限定されない、別の成形装置を使用することもできることを理解されたい。
【0044】
図2に示すように、牽引装置24は、各々が前面側スタブローラー54及び裏面側スタブローラー56を有する、複数の能動駆動スタブローラー対50、52を備えることができる。前面側スタブローラー54は、前面側モータ60に連結された、前面側変速装置58に連結されている。前面側変速装置58は、前面側スタブローラー54に供給される、前面側モータ60の出力速度及びトルクを修正する。同様に、裏面側スタブローラー56は、裏面側モータ64に連結された、裏面側変速装置62に連結されている。裏面側変速装置62は、裏面側スタブローラー56に供給される、裏面側モータ64の出力速度及びトルクを修正する。
【0045】
図1に戻り、例えば、フレキシブルガラスリボン46に加わるトルク、及びスタブローラー54、56の回転速度を含み、これに限定されない様々な状態に関し、全体制御装置70(例えば、PLC)が、複数のスタブローラー対50、52の動作を制御することができる。フレキシブルガラスリボン46が、まだ粘弾性状態にあるときに、複数のスタブローラー対50、52によって、フレキシブルガラスリボン46に牽引力が加えられると、フレキシブルガラスリボン46に動きが与えられる一方、ガラスリボン46が牽引又は伸張され、それによって、フレキシブルガラスリボン46が、牽引装置24に沿って平行移動するとき、牽引及び交差牽引方向の一方又は両方において、フレキシブルガラスリボン46に加えられる張力が制御されることによって、フレキシブルガラスリボン46の寸法が制御される。
【0046】
全体制御装置70は、メモリ72に記憶され、プロセッサ74によって実行されるコンピュータ可読命令を含むことができ、これ等の命令は、とりわけ、例えば、全体制御装置70にフードバックを提供する、任意の適切なセンサーを用いて、スタブローラー対50及び52によって与えられる、フレキシブルガラスリボン46の牽引張力及び速度を判定することができる。更に、コンピュータ可読命令は、センサーからのフィードバックに照らして、パラメータを修正することができる。一例として、全体制御装置70と通信して、回転速度を示すスタブローラー76を設けることができる。フレキシブルガラスリボン46に対するスタブローラー76の回転速度を用いて、全体制御装置70は、フレキシブルガラスリボン46が、装置の付近を移動するときの、フレキシブルガラスリボン46の外部線形送り速度を判定することができる。
【0047】
フレキシブルガラスリボン46が、牽引装置24を通して牽引されるときに、ガラスが冷える間がある。複数のスタブローラー対50、52を有するガラス製造装置10は、ガラスリボン46が粘弾性遷移を経る領域における、交差牽引張力及び下方牽引張力の制御及び一貫性を向上させることができる。この領域をガラスリボン46に応力及び平坦度が凝結される「凝結区域」と規定することができる。複数の能動駆動スタブローラー対50、52を有するガラス製造装置10は、フレキシブルガラスリボン46の全幅に沿って延びるローラーを組み込んだ、従来設計の製造装置と比較して、フレキシブルガラスリボン46の製造を向上させることができる。しかし、状況によっては、フレキシブルガラスリボン46の全幅に沿って延びるローラーを利用する、製造装置を使用することができる。
【0048】
全体制御装置70は、フレキシブルガラスリボン46を成形する一方、牽引装置24を使用して、ガラス処理装置100(
図3及び4)の全体マスター速度を設定することができる。
図3において、前述のように、ガラス製造装置10は、ガラス処理装置100の一部であってよい。フレキシブルガラスリボン46は、ガラス処理装置100を通して搬送されるように示されており、その別の部分が、
図3によって示されている。フレキシブルガラスリボン46は、ガラス製造装置10(
図1)から、ガラス処理装置100を通して連続的に搬送することができる。フレキシブルガラスリボン46は、フレキシブルガラスリボン46の長さに沿って延びる、対向する第1及び第2のエッジ部102、104、及び第1のエッジ部102と第2のエッジ部104との間に広がる中央部106を有している。一部の実施の形態において、第1及び第2のエッジ部102及び104を保護遮蔽して、接触から保護するために、第1及び第2のエッジ部102及び104を粘着テープで覆うことができる。テープは、エッジビード部を除去した後、フレキシブルガラスリボン46が装置100を通して移動するとき、第1及び第2のエッジ部102及び104の一方又は両方に貼付することができる。別の実施の形態において、粘着テープを使用しなくても、貼付してもよい。第1の広い表面110及び対向する第2の広い表面112も、第1のエッジ部102と第2のエッジ部104との間に広がり、中央部106の一部を形成している。
【0049】
ダウンドローフュージョン法を用いて、フレキシブルガラスリボン46を形成する実施の形態において、第1及び第2のエッジ部102及び104は、中央部106の厚さT
2より大きい、厚さT
1を有するビード部114及び116を含み得る。中央部106は、例えば、約0.01〜0.05mm、約0.05〜0.1mm、約0.1〜0.15、及び約0.15〜0.35mmを含みこれに限定されない、約0.35mm以下の厚さT
2の「超薄厚」であってよいが、別の例では別の厚さのフレキシブルガラスリボン46を形成することができる。
【0050】
フレキシブルガラスリボン46は、全体制御装置70(
図1)によって制御される、リボン搬送システム120(
図4)によって、装置100を通して移動することができる。装置又はフレキシブルガラスリボン46の進行方向126に対し、フレキシブルガラスリボン46を正しい横方向の位置に向けるための、横ガイド122及び124を備えることができる。例えば、概略的に示すように、横ガイド122及び124は、第1及び第2のエッジ部102及び104に係合するローラー128を有することができる。進行方向126において、フレキシブルガラスリボン46を所望の横方向の向きにシフトさせ位置合わせするのに役立つ、横ガイド122及び124を用いて、第1及び第2のエッジ部102及び104に、対向する力を加えることができる。別の実施の形態において、横ガイド122及び124は使用しなくてもよい。
【0051】
ガラス処理装置100は、屈曲軸142であって、それを中心にフレキシブルガラスリボン46を屈曲させることができる軸の下流に、切断区域140を更に備えることができる。1つの例において、装置100は、フレキシブルガラスリボン46を切断区域に屈曲させて、凸半径を有する対象セグメント144を規定するように構成された、切断支持部材を有することができる。切断区域140内、その前、及び/又はその後において、対象セグメント144を屈曲させることによって、フレキシブルガラスリボン46を支持体に最大限一致させるのに役立ち、それによって、切断手順中におけるフレキシブルガラスリボン46の機械的応力を抑制することができる。かかる支持体に対するフレキシブルガラスリボン46の屈曲は、フレキシブルガラスリボン46の中央部106から、第1及び第2のエッジ部102及び104の少なくとも一方を分離する手順において、フレキシブルガラスリボンのプロファイルの座屈及び乱れを防止するのに役立つ。
【0052】
切断区域140(切断区域140の上流、下流、及び/又は区域内)に凸半径を有する対象セグメント144をもたらすことによって、切断区域140全体に亘り、フレキシブルガラスリボン46の交差方向の剛性を増加させることができ、フレキシブルガラスリボン46を支持体に最大限一致させるのに役立ち、それによって、切断手順中におけるフレキシブルガラスリボン46の機械的応力を抑制することができる。このように形状を一致させることによって、フレキシブルガラスリボン46の中央部106から、第1及び第2のエッジ部102及び104の少なくとも一方を分離する手順において、フレキシブルガラスリボンのプロファイルの座屈及び乱れを防止するのに役立つ。更に、対象セグメント144の凸半径によって、対象セグメント144の剛性を増加させることができ、対象セグメント144の横方向の任意の微調整が可能になる。従って、第1及び第2のエッジ部102及び104の少なくとも一方を分離する手順において、フレキシブルガラスリボン46を効果的かつ適切に横方向に配向することができる。
【0053】
図4に示す例において、ガラス処理装置100は、フレキシブルガラスリボン46が、切断区域140の付近を移動するときに、その横方向の調整に用いられる、多軸ステアリング装置150を備えている。多軸ステアリング装置150は、第1のローラーセット152、及び第1のローラーセット152の下流に第2のローラーセット154を備えている。一部の実施の形態において、第1のローラーセット152は、エッジトリミング装置170(
図4)の上流に位置し、第2のローラーセット154は、エッジトリミング装置170の下流に位置することができる。しかし、第1のローラーセット152及び第2のローラーセット154が、エッジトリミング装置170の同じ上流側、又は下流側に位置する別の構成が可能であり、あるいは複数のローラーセットが、エッジトリミング装置170の上流及び下流の両方に位置することができる。
【0054】
エッジトリミング装置170の上流に位置する、第1のローラーセット152は、フレキシブルガラスリボン46の第1のエッジ部102に位置する、第1のローラー対156、及びフレキシブルガラスリボン46の第2のエッジ部104に位置する、第2のローラー対158を有している。第1及び第2のローラー対156及び158の各々は、上面側牽引ロール部材160及び下面側牽引ロール部材162を有している。上面側及び下面側牽引ロール部材160及び162は、各々柔軟なエラストマーのロールカバー(例えば、シリコーンゴム又は同等品)を有し、それぞれの対(即ち、第1のローラー対156及び第2のローラー対158)は、その間に、フレキシブルガラスリボン46の第1及び第2のエッジ部102及び104を係合させるように配置されている。各々のローラー対156及び158の、上面側及び下面側牽引ロール部材160及び162の少なくとも一方は、それぞれのモータを備えることができる。例えば、図示のように、上面側及び下面側牽引ロール部材160又は162の一方のみが駆動され、他方のロールは、ガラスリボンとの接触及び他方のローラーとの締め付け力によって回転するように、第2のローラー対158の上面側牽引ロール部材160がモータを備える一方、第2のローラー対158の下面側牽引ロール部材162はベアリングを備えている。あるいは、上面側及び下面側牽引ロール部材160又は162の一方のみが駆動され、他方のロールは、ガラスリボンとの接触及び他方のローラーとの締め付け力によって回転するように、第1のローラー対156の下面側牽引ロール部材162がモータを備えることができる一方、第1のローラー対156の上面側牽引ロール部材160がベアリングを備えることができる。
【0055】
多軸ステアリング装置150は、エッジトリミング装置170の下流に配置された、第2のローラーセット154を有している。第2のローラーセット154は、フレキシブルガラスリボン46の第1のエッジ部102に位置する第1のローラー対164、及びフレキシブルガラスリボン46の第2のエッジ部104に位置する第2のローラー対166を有している。第1及び第2のローラー対164及び166の各々は、上面側牽引ロール部材167及び下面側牽引ロール部材168を有している。上面側及び下面側牽引ロール部材167及び168は、各々柔軟なエラストマーのロールカバー(例えば、シリコーンゴム又は同等品)を有し、それぞれの対(即ち、第1のローラー対164及び第2のローラー対166)は、その間に、フレキシブルガラスリボン46の第1及び第2のエッジ部102及び104を係合させるように配置されている。各々のローラー対164及び166の、上面側及び下面側牽引ロール部材167及び168の少なくとも一方は、それぞれのモータを備えることができる。例えば、図示のように、上面側及び下面側牽引ロール部材167又は168の一方のみが駆動され、他方のロールは、ガラスリボンとの接触及び他方のロールとの締め付け力によって回転するように、第2のローラー対166の上面側牽引ロール部材167がモータを備える一方、第2のローラー対166の下面側牽引ロール部材168はベアリングを備えている。あるいは、上面側及び下面側牽引ロール部材167又は168の一方のみが駆動され、他方のロールは、ガラスリボンとの接触及び他方のロールとの締め付け力によって回転するように、第1のローラー対164の下面側牽引ロール部材168がモータを備えることができる一方、第1のローラー対164の上面側牽引ロール部材167がベアリングを備えることができる。
【0056】
図から分かるように、第1のローラーセット152の第1及び第2のローラー対156、158の軸が、実質的に横方向に位置合わせされ、第2のローラーセット154の第1及び第2のローラー対164、166の軸が、実質的に横方向に位置合わせされ、2軸ステアリング機能が提供される。多軸ステアリング装置150は、フレキシブルガラスリボン46が切断区域150を移動するときの、フレキシブルガラスリボン46の張力及び高さの制御に用いることができるだけでなく、多軸ステアリング装置150は、エッジセンサー171、173、175、177を用いて、フレキシブルガラスリボン46の横方向の位置の表示及びフレキシブルガラスリボン46の横方向の位置の制御を行うことができる。エッジセンサー171、173、175、177は、全体制御装置70に信号を供給することができ、全体制御装置70はこの信号を用いて(例えば、エッジトリミング装置170の上流及び/又は下流のフレキシブルガラスリボン46の中心線を判定することによって)フレキシブルガラスリボン46の横方向の位置を判定することができる。一例として、第1のローラーセット152の第1及び第2のローラー対156、158の相対速度、及び第2のローラーセット154の第1及び第2のローラー対164、166の相対速度を変えて、フレキシブルガラスリボン46の横方向の位置を変えることができる。例えば、第1及び第2のローラー対164、166の一方を、他方のローラー対に対し速度を上げる又は下げることによって、フレキシブルガラスリボン46の横方向の位置を変えることができる。フレキシブルガラスリボン46は、より高速のローラー対164、166に追従することができる。エッジセンサー171、173、175、177を用いた全体制御装置70によって、所望(又は所定の許容範囲内)の横方向の位置が決定された後、第1及び/又は第2のローラーセット152及び154の第1及び第2のローラー対156、158、164、166の速度を一致させることができる。フレキシブルガラスリボン46の横方向の位置を決定する更なる詳細は以下に説明する。
【0057】
フレキシブルガラスリボン46の横方向の制御の別の例として、第1及び/又は第2のローラーセット152及び154の第1及び第2のローラー対156、158、及び164、166の回転軸の位置を変えることができる(例えば、ガラスリボン46の移動方向126又は中心線に対して、ローラー対が外向き又は内向きに配向されるように、枢動される)。通常の動作状態では、第1及び/又は第2のローラーセット152及び154の第1及び第2のローラー対156、164、及び158、166の回転方向は、機械中心線に平行である。本明細書において、「機械中心線」とは、所望の搬送路の幾何学的中心を機械方向に通過する仮想中心線を意味する。全体制御装置70が、フレキシブルガラスリボン46の中心線と機械中心線との間にずれを検知すると、全体制御装置70は、第1及び/又は第2のローラーセット152及び154の第1及び第2のローラー対156、164、及び158、166の軸又は回転を調整して、フレキシブルガラスリボン46の中心線を機械中心線に向けて移動させることができる。一部の実施の形態において、各々のローラーセット152及び154の各々のローラー対156、158、及び164、166は、その特定のローラーセット152及び154について、同じ角度変化で一緒に回転させることができる。
【0058】
一部の実施の形態において、フレキシブルガラスリボン46の中心線が、機械中心線と同じ方向に延びるか、又は機械中心線から所定の許容範囲内にあることが望ましい場合がある。全体制御装置70は、機械中心線を知り、エッジセンサー171、173、及び175、177を用いて、フレキシブルガラスリボン46の中心線の位置を決定することができる。全体制御装置70は、フレキシブルガラスリボン46の中心線位置を機械中心線と比較し、フレキシブルガラスリボン46の中心線位置と機械中心線との間のずれ量を決定することができる。次に、全体制御装置70は、ずれ量に基づいて、全体制御装置70によって決定されたステアリング中心線に、フレキシブルガラスリボン46の中心線を移動させる論理アルゴリズムに基づいて、第1及び/又は第2のローラーセット152、154の第1及び第2のローラー対156、158、及び164、166を制御して、フレキシブルガラスリボン46の中心線を機械中心線に近づけることができる。これには、フレキシブルガラスリボン46の中心線を直接制御して、機械中心線に一致させるゼロずれ量を含むことができる。一部の実施の形態において、速度差とローラーの再配置の両方を組み合わせて使用することができる。
【0059】
図5において、装置100は、フレキシブルガラスリボン46の中央部106から、第1及び第2のエッジ部102及び104を連続的に分離するように構成された、様々なエッジトリミング装置を更に備えることができる。1つの例において、
図5に示すように、エッジトリミング装置170は、凸状半径を有する対象セグメント144の上向き表面の一部を照射、従って、加熱するための光供給装置172を有することができる。1つの例において、光供給装置172は、図示のレーザー174等の切断装置を有することができるが、別の例では別の放射源を備えることができる。光供給装置172は、円偏光子176、ビームエキスパンダー178、及びビーム整形装置180を更に有することができる。
【0060】
光供給装置172は、放射源(例えば、レーザー174)からの放射ビーム(例えば、レーザービーム182)の方向を変える、ミラー184、186、及び188等の光学要素を更に有することができる。放射源は、レーザービームを発するように構成された、図示のレーザー174であって、ビームが入射するフレキシブルガラスリボン46の位置において、フレキシブルガラスリボン46を加熱するのに適した波長及びパワーを有するレーザーを有することができる。1つの実施の形態において、レーザー174は、CO
2レーザーであってよいが、別の例では、別の種類のレーザーを使用することができる。
【0061】
更に
図5に示すように、例示的なエッジトリミング装置170は、凸状半径の対象セグメント144の上向き表面の加熱部分を冷却するように構成された、クーラント流体供給装置192も有することができる。クーラント流体供給装置192は、クーラントノズル194、クーラント源196、及びクーラントをクーラントノズル194に伝達することができる関連導管198を有することができる。
【0062】
1つの例において、クーラント噴流200は水を含むが、フレキシブルガラスリボン46の対象セグメント144の上向き表面を汚損、汚染、又は損傷しない適切な冷却流体(例えば、液体噴流、気体噴流、又はこれ等の組み合わせ)であってよい。クーラント噴流200をフレキシブルガラスリボン46の表面に送って、冷却区域を形成することができる。冷却区域は、放射区域を追跡して、初期亀裂を伝播させることができる。
【0063】
光供給装置172及びクーラント流体供給装置192を用いた加熱及び冷却の組み合わせによって、中央部106から第1及び第2のエッジ部102及び104を効果的に分離する一方、他の分離技術によって形成される可能性がある、中央部106の対向する第1及び第2のエッジ部206及び208における、望ましくない残留応力、微小亀裂、又は他の異常を抑制又は排除することができる。更に、切断区域140内の対象セグメント144の凸状半径によって、分離工程の間、第1及び第2のエッジ部102及び104の正確な分離が容易になるように、フレキシブルガラスリボン46を配置及び安定させることができる。更に、上向き凸状支持面の凸状表面トポグラフィーによって、切去エッジ部210の連続細片が、直ちに中央部106から移動することにより、第1及び第2のエッジ部102及び104が、その後、中央部106の第1及び第2の広い面及び/又は高品質の対向するエッジ部に係合する(従って、損傷させる)可能性を低減することができる。次に、スプール装置を用いて、中央部106をロールに巻き取ることができる。
【0064】
図6において、フレキシブルガラスリボン46が、ガラス処理装置100を通して移動するとき、様々な工程(例えば、成形、エッジ分離、及び巻き取り)によって、フレキシブルガラスリボン46に不安定性、摂動、振動、及び過渡効果がもたらされる可能性がある。不安定性、摂動、振動、及び過渡効果が、上流及び下流に与える影響を低減するために、ガラス処理装置を、各々が1つ以上の異なる工程に対応する、幾つかの機械的に分離した処理区域に分割することができる。図示の例において、処理区域Aは、フレキシブルガラスリボンの成形工程を含み、処理区域Bは、フレキシブルガラスリボンの切断工程(切断区域140)を含み、処理区域Cは、フレキシブルガラスリボンの巻き取り工程を含み、処理区域内の工程は、前述のいずれかの工程と同様であってよい。
【0065】
処理区域Aと処理区域Bとの間に、処理区域Aと処理区域Bの工程を分離するための緩衝区域BZ
1を設けることができる。緩衝区域BZ
1内において、フレキシブルガラスリボン46を、それぞれ、フリーループ215状に保持し、入口位置217と出口位置219との間のカテナリに懸架することができる。例えば、位置217及び219は、多数のカレットシュート、ループアウト緩和装置等の使用を可能にするために、約1.5メートル〜約7.5メートル離れていてよい。フレキシブルガラスリボン46は、これ等2つの位置217と219との間で、強く牽引されるのではなく、自重によって懸架される。例えば、フレキシブルガラスリボン46の張力は、フレキシブルガラスリボン46の重量で決定され、フリーループ215において、線形インチ当り、約0.1ポンド(「pli」、約17.5N/m)以下、例えば、約0.01pli(約1.75N/m)〜約0.1pli(約17.5N/m)である。
【0066】
フリーループ215は、フリーループの形状を調整することによって、ある程度のフレキシブルガラスリボン46を収容することができる。緩衝区域BZ
1は、処理区域AとBとの間の誤差を蓄積する機能を果たすことができる。緩衝区域BZ
1は、歪みの不整合及び機械の位置調整誤差に伴う、速度、ねじれ、又は形状変化による、経路長差等の誤差に対応することができる。一部の実施の形態において、超音波又は光学センサー等のループセンサー240(
図3及び4)を備えて、予め選択したループ高を維持することができる。一部の実施の形態において、張力センサー(例えば、歪みゲージ)を備えて、フレキシブルガラスリボン46の張力を測定することができる。一部の実施の形態において、ウェブ張力の歪みゲージ測定をローラー搬送に用いることができる。ローラーベアリングの取り付け具に、歪みゲージを取り付けることができる。一部の実施の形態において、位置217及び219を与えるローラーを駆動する駆動装置が、フレキシブルガラスリボン46の張力の測定に用いる、インライントルクトランスデューサを有することができる。センサーは、リアルタイムの情報を全体制御装置70に供給することができ、全体制御装置70は、情報に基づいて、従動ローラーの速度及び/又は張力を調整することができる。
【0067】
処理区域Bと処理区域Cとの間に、処理区域Bと処理区域Cの工程を分離するためのもう1つの干渉区域BZ
2を設けることができる。緩衝区域BZ
2内において、フレキシブルガラスリボン46を、フリーループ221状に保持し、入口位置223と出口位置225との間のカテナリに懸架することができる。位置223及び225は、例えば、多数のカレットシュート、ループアウト緩和装置等の使用を可能にするために、約4メートル〜約12メートル離れていてよい。フレキシブルガラスリボン46は、これ、等2つの位置223と225との間で、強く牽引されるのではなく、自重によって懸架される。例えば、フレキシブルガラスリボン46の張力は、フレキシブルガラスリボン46の重量で決定され、フリーループ221において、約0.1pli(約17.5N/m)以下、例えば、約0.01pli(約1.75N/m)〜約0.1pli(約17.5N/m)である。
【0068】
フリーループ221は、フリーループの形状を調整することによって、ある程度のフレキシブルガラスリボン46を収容することができる。緩衝区域BZ
2は、処理区域BとCとの間の誤差を蓄積する機能を果たすことができる。緩衝区域BZ
2は、歪みの不整合及び機械の位置調整誤差に伴う、速度、ねじれ、又は形状変化による、経路長差等の誤差に対応することができる。一部の実施の形態において、超音波又は光学センサー等のループセンサー240(
図3及び4)を備えて、予め選択したループ高を維持することができる。一部の実施の形態において、張力センサー(例えば、歪みゲージ)を備えて、フレキシブルガラスリボン46の張力を測定することができる。一部の実施の形態において、位置221及び225を与えるローラーを駆動する駆動装置が、フレキシブルガラスリボン46の張力の測定に用いるインライントルクトランスデューサを有することができる。センサーは、リアルタイム情報を全体制御装置70に供給することができ、全体制御装置70は、情報に基づいて、入口及び出口位置に配置された従動ローラーの速度及び/又は張力を調整することができる。
【0069】
図7において、フレキシブルガラスリボン46、特に極薄ガラスウェブに対し、平坦でない凸状の搬送路を切断区域140に設けることが望ましいことが見出された。搬送路は、予め選択された距離の曲率半径R
3で設けられる。例えば、約72インチ(約183cm)を超える、少なくとも約100インチ(約254cm)、少なくとも約150インチ(約381cm)、少なくとも約200インチ(約508cm)、250インチ(約635cm)又はそれ以上の曲率半径R
3を設定することができる。一部の実施の形態において、曲率半径R
3は、約200インチ(約508cm)〜300インチ(約762cm)、約250インチ(約635cm)等、約100インチ(約254cm)〜約400インチ(約1016cm)であってよい。
【0070】
図7において、フレキシブルガラスリボンの搬送路Pが概略的に示されている。レーザービーム及び亀裂の先端を矢印321で示す。この図示の例において、搬送路Pは、切断区域140の上流に存在する上流部320、及び切断区域140の下流に存在する下流部322を含むことができる。一部の実施の形態において、上流部320の曲率半径R
1は下流部322の曲率範囲径R
2と同じである。別の実施の形態では、各々の曲率半径R
1、R
2は異なっていてよい。切断区域140の曲率半径R
3は、上流部320の曲率半径R
1及び下流部322の曲率半径R
2と異なっていてよく、より大きくてもよい。一例として、曲率半径R
1及びR
2は、少なくとも約72インチ(約183cm)であり、曲率半径R
3は約200〜300インチ(約508cm〜762cm)、例えば約250インチ(約635cm)であってよい。
【0071】
フレキシブルガラスリボン46の中央部106の搬送路Pは、中央部106から分離された、ビード付きエッジ部102及び104の搬送路P’(破線で示す)と異なることができる。例えば、中央部106の搬送路Pは、無限大の曲率半径を有する平坦部330を含むことができるが、エッジ部102及び104の搬送路P’は、かかる平坦部を含むことはできない。一部の実施の形態において、例えば、搬送路Pは、曲率半径R
1を有する上流部320、曲率半径R
3を有する切断区域140、平坦部330(例えば、曲率R
3を有する部分の端部から、曲率R
2を有する部分の開始点まで、リボンの移動方向に延びる約4インチ(約10.2cm)の長さ))、及び曲率半径R
2を有する下流部322を含むことができる。搬送路P’は、上流部332であって、エッジ部102及び104の分離が行われないため、切断区域140まで、搬送路Pの上流部320に追従する、上流部332を含むことができる。分離後、搬送路P’は、平坦部を含むことはできず、例えば、半径R
2を有する下流部334に沿って、搬送路Pから分岐する。
【0072】
本明細書に記載の実施形態は、フレキシブルガラスリボンが、ビード除去工程のための切断区域を通して移動するとき、フレキシブルガラスリボンを一貫した横及び角度に方向付けることができる。フレキシブルガラスリボンの中央部又は製品部、及びビード付きエッジ部の位置を制御する様々なツールを介して、フレキシブルガラスリボンの全体的な安定性の最適化が図られる。工程を互いに分離することによって、摂動、振動、及び工程間の過渡効果が低減される。レーザー切断工程の下流における、新たに形成されたエッジとフレキシブルガラスリボンの中央部との接触を低減又は抑制する、搬送路の形状が提供される。前述において、レーザー切断を主として説明したが、別のエッジ分離工程には、加圧ガスを用いて、ビード半径を大きくする又はフレキシブルガラスリボンを膨らませることによる、水平エッジ分離と垂直エッジ分離とが含まれる。
【0073】
本発明の前述の実施の形態、特に「好ましい」実施の形態は、単に本発明の様々な原理について明確な理解を得るために提示した、実施形態の単なる可能な例に過ぎないことを強く主張する。前述の本発明の実施の形態に対し、本発明の精神及び様々な原理から実質的に逸脱せずに、多くの変形及び改良が可能である。かかる改良及び変形は、すべて本開示の範囲及び以下の特許請求の範囲に含まれるものと考える。