特許第6884713号(P6884713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884713
(24)【登録日】2021年5月14日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】非混和液を混合/分離するための設備
(51)【国際特許分類】
   B01D 11/04 20060101AFI20210531BHJP
   B01F 3/08 20060101ALI20210531BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20210531BHJP
   B01F 7/00 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   B01D11/04 101
   B01F3/08 Z
   B01F15/02 C
   B01F7/00 C
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-562989(P2017-562989)
(86)(22)【出願日】2016年6月2日
(65)【公表番号】特表2018-521838(P2018-521838A)
(43)【公表日】2018年8月9日
(86)【国際出願番号】EP2016062544
(87)【国際公開番号】WO2016193391
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2019年5月20日
(31)【優先権主張番号】1555085
(32)【優先日】2015年6月4日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】504191741
【氏名又は名称】テクニップ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】フェノール,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】エヌカン,オリバー
【審査官】 河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−500062(JP,A)
【文献】 特開2005−074402(JP,A)
【文献】 米国特許第04235602(US,A)
【文献】 特公昭44−001401(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 11/00
B01F 7/00
B01F 15/00
B01F 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密度が異なる2つの非混和液を混合/分離するための設備であって、
セトラと組み合わされたミキサを備えており、
前記ミキサは、
− 2つの液体入口を有するタンクと
− 前記タンク内に設けられて、垂直軸芯を中心として回転する軸に取り付けられている撹拌器と
− 前記撹拌器の上方に設けられている吸上げポンプと
を有しており、
前記吸上げポンプは、
− 前記垂直軸芯に沿って回転可能な移動体であって、前記垂直軸芯に沿って位置して上向きに広がっている第1の円錐台形状内面を画定している前記移動体と、
− 前記タンクに対して静止している静止体であって、前記垂直軸芯に沿って位置して上向きに広がって実質的に前記第1の円錐台形状内面の上方で前記第1の円錐台形状内面の延長部分にある第2の円錐台形状内面を画定している前記静止体と
を有していることを特徴とする設備。
【請求項2】
前記垂直軸芯に沿って測定された前記第2の円錐台形状内面のさは、前記垂直軸芯に沿って測定された前記第1の円錐台形状内面のさの1倍〜3倍の間であことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記垂直軸芯に沿って測定された前記第2の円錐台形状内面の高さは、前記垂直軸芯に沿って測定された前記第1の円錐台形状内面の高さの1.5 倍〜2倍の間であることを特徴とする請求項2に記載の設備。
【請求項4】
前記移動体の第1の円錐台形状内面は、前記垂直軸芯に向かって径方向に延びているフィンを支持していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
前記フィンの表面は、5°〜40°の度、前記垂直軸芯に対して傾いていることを特徴とする請求項に記載の設備。
【請求項6】
前記フィンの表面は、15°の角度、前記垂直軸芯に対して傾いていることを特徴とする請求項5に記載の設備。
【請求項7】
前記フィンは夫々円錐形の螺旋状に巻かれたストリップ片の形状を有していることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項8】
前記フィンと水平面との交差部分が、前記水平面と前記第1の円錐台形状内面との交差部分を形成する円の半径の線分と一定の角度を形成していることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の設備。
【請求項9】
前記吸上げポンプの前記第2の円錐台形状内面の上端部が、前記第1の円錐台形状内面及び前記第2の円錐台形状内面上を上昇する液体を前記セトラに向かって流すように構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
セトラと組み合わされたミキサによって形成されて直列に配置された複数の組立体を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の設備。
【請求項11】
密度が異なる2つの非混和液を混合/分離する方法であって、
− 請求項1〜10のいずれか一項に記載の設備で、2つの非混和液をタンクに導入する工程、
− 2つの非混和液を混合するように撹拌器を支持する軸を回転させる工程、
− 吸上げポンプの第1の円錐台形状内面を回転させる工程、
− 前記非混和液の混合物を前記第1の円錐台形状内面及び前記第2の円錐台形状内面上を上昇させる工程、及び
− 前記混合物を前記セトラに向かって流す工程
を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密度が異なる2つの非混和液を混合/分離するための設備に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、2つの液体入口を有するタンクと、タンク内に設けられて垂直軸芯を中心として回転可能な軸に取り付けられている撹拌器と、撹拌器の上方に設けられている吸上げポンプとを有してセトラに関連付けられたミキサを備えたタイプの設備に関する。
【背景技術】
【0003】
この設備は、例えば分離すべきレアアースを含む鉱石を扱うという観点から、水相及び有機相を混合して、次にこれらを澄ませるように特に構成されている。
【0004】
このような設備は、特に仏国特許出願公開第2352573 号明細書の文献から公知である。この設備は、水相/有機相の混合物をセトラに向かって運ぶように構成された吸上げポンプを備えている。吸上げポンプは典型的には静止している円錐台形状のステータを有しており、軸に取り付けられたブレードから形成されたロータがステータ内で回転する。ロータの回転によって、液体が円錐台形状のステータの内壁に対して上昇する。液体の混合物は設備の最高液面に向かってあふれてセトラに向かって流れる。
【0005】
同様の設備が英国特許出願公開第793025号明細書の文献から公知であり、この文献には、垂直軸芯に沿って回転可能な移動体を備えたポンプが特に記載されており、この移動体は、垂直軸芯に沿って位置して上向きに広がっている第1の円錐台形状内面を画定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
場合によっては、このタイプのポンプは完全に満足のいくものではない。最近の研究には、ロータとステータとの間の著しい剪断が特に示されている。この現象は、澄ませる時間を延ばして水相に保持される有機相の量を増加させる微細な液滴を生じさせる。
【0007】
本発明は、既存の装置の分離性能レベル以上の分離性能レベルを得ながら、液体/液体の混合物のより迅速な分離を可能にする設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は前述したタイプの設備に関し、この設備では、ポンプは、タンクに対して静止している静止体を有しており、前記静止体は、垂直軸芯に沿って位置して上向きに広がっている第2の円錐台形状内面を画定しており、前記第2の円錐台形状内面は、実質的に第1の円錐台形状内面の上方で前記第1の円錐台形状内面の延長部分に設けられている。
【0009】
特定の実施形態によれば、本設備は、単独で又は技術的に可能な全ての組み合わせを考慮して、以下の特徴の1又は複数を有する。
【0010】
− 移動体は、撹拌器が取り付けられている回転軸に取り付けられている。
− 垂直軸芯に沿って測定された第2の円錐台形状内面の高さは、垂直軸芯に沿って測定された第1の円錐台形状内面の高さの略1倍〜3倍の間であり、より好ましくは前記第1の円錐台形状内面の高さの1.5 倍〜2倍の間である。
− 移動体の第1の円錐台形状内面は、垂直軸芯に向かって径方向に延びているフィンを支持している。
− フィンの表面は、好ましくは5°〜40°、より好ましくは略15°の角度、垂直軸芯に対して傾いている。
− フィンは夫々円錐形の螺旋状に巻かれたストリップ片の形状を有している。
− 各フィンと水平面との交差部分が、前記水平面と第1の円錐台形状内面との交差部分を形成する円の半径を実質的に通過している。
− 吸上げポンプの第2の円錐台形状内面の上端部が、第1の円錐台形状内面及び第2の円錐台形状内面上を上昇する液体をセトラに向かって流すように構成されている。
− 設備は、セトラと組み合わされたミキサによって形成されて直列に配置された複数の組立体を備えている。
【0011】
本発明は、密度が異なる2つの非混和液を混合/分離するための方法に更に関し、この方法は、上述した設備で、2つの非混和液をタンクに導入する工程、2つの非混和液を混合するように撹拌器を支持する軸を回転させる工程、吸上げポンプの第1の円錐台形状内面を回転させる工程、非混和液の混合物を第1の円錐台形状内面及び第2の円錐台形状内面上を上昇させる工程、及び混合物をセトラに向かって流す工程を有する。
【0012】
本発明は、図面を参照して単に一例として挙げられた以下の説明を読むと更に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】現状の技術に係る混合/分離設備を示す概略断面図である。
図2】吸上げポンプを特に備えた本発明の第1の実施形態に係る混合/分離設備を示す詳細断面図である。
図3図2の混合/分離設備の吸上げポンプを示す断面図である。
図4】本発明の別の実施形態に係る混合/分離設備の吸上げポンプを示す詳細平面図である。
図5図4の吸上げポンプを示す概略的な詳細側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1の設備10は、仏国特許出願公開第2352573 号明細書の文献に記載されているようなミキサ/セトラである。複数のミキサ/セトラ10が抽出電池を形成すべく直列に並置され得る。
【0015】
設備10はミキサ12及びセトラ14を備えている。ミキサ12はタンク16を有しており、タンク16の底部に、水相22及び有機相24に夫々対応する2つの液体入口18, 20が設けられている。タンク16は、液面26まで水相22及び有機相24の液体の混合物で充填される。
【0016】
ミキサ12は、タンク16内に配置されている撹拌器28を更に有している。撹拌器28は、垂直軸芯32を中心として回転する軸30に取り付けられている。
【0017】
ミキサ12は、撹拌器の上方に設けられた吸上げポンプ34を更に有している。吸上げポンプ34は、垂直軸芯32に沿って位置して上向きに広がっている静止した円錐台形状のステータ36を特に有している。軸30に取り付けられたブレードから形成されたロータ38がステータ36内で回転する。
【0018】
軸30がモータ(不図示)によって回転すると、ロータ38の回転によって、タンク16内に含まれる液体が円錐台形状のステータ36の内壁に対して上昇する。タンク16に含まれる液体の混合物は、ステータ36の上部の流れ口40に達して、設備の最高液面42に向かってあふれる。その後、流路44によって混合物はセトラ14に向かって導かれる。
【0019】
セトラ14は、仏国特許出願公開第2352573 号明細書の文献に記載されているようにタンクと、分離後の2つの水相22及び有機相24のための別個の流れ手段(不図示)とを特に有している。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態に係る混合/分離設備50を示す詳細図である。より具体的には、図2は設備50のミキサ52を示している。ミキサ52は、図1のセトラ14と同様のセトラ(不図示)に連結されている。
【0021】
ミキサ52はミキサ12の複数の要素と同一の複数の要素を有している。これらの要素は上述した同一の参照番号を使用して示されている。
【0022】
ミキサ52はタンク16を特に有しており、タンク16の底部に、水相22及び有機相24に夫々対応する2つの液体入口18, 20が設けられている。タンク16は、液面26まで水相22及び有機相24の液体の混合物で充填される。
【0023】
ミキサ52は、タンク16内に配置されている撹拌器28を更に有している。撹拌器28は、垂直軸芯32を中心として回転する軸30に取り付けられている。
【0024】
ミキサ52は、撹拌器28の上方に設けられた吸上げポンプ54を更に有している。吸上げポンプ54は図3に詳細に示されている。
【0025】
吸上げポンプ54は、回転軸30に固定されている円錐台形状の移動体56を有している。より具体的には、円錐台形状の移動体56は、このような回転軸30の周りで径方向に延びている横棒58を使用して回転軸30に取り付けられている。
【0026】
移動体56は、図1の円錐台形状のステータ36の形状と同様の形状を有している。移動体56は、垂直軸芯32に沿って位置して上向きに広がっている第1の円錐台形状内面60を画定している。第1の円錐台形状内面60は、撹拌器28の近くの下端部62と上端部64との間に延びている。
【0027】
吸上げポンプ54は円錐台形状の静止体66を更に有している。図1のステータ36と同様に、円錐台形状の静止体66はタンク16に対して静止している。円錐台形状の静止体66は、垂直軸芯32に沿って位置して上向きに広がっている第2の円錐台形状内面68を画定している。
【0028】
第2の円錐台形状内面68の上端部70が流れ口の形状を有している。より具体的には、上端部70は、第2の円錐台形状内面68を画定している円錐体から径方向の外側に突出しているフランジの形状を有している。
【0029】
第1の円錐台形状内面60及び第2の円錐台形状内面68が実質的に互いの延長部分にあるように、円錐台形状の静止体66は円錐台形状の移動体56の上方に設けられている。移動体56の上端部64は前記静止体の下端部72の近くで静止体66内に設けられていることが好ましい。移動体56を静止体66内で回転させ得るために、僅かな遊びが前記移動体56と前記静止体66との間に設けられていることが好ましい。
【0030】
第1の円錐台形状内面60及び第2の円錐台形状内面68を夫々画定している円錐体の母線と垂直軸芯32との角度は実質的に等しいことが好ましい。このような角度は5°〜12°の間であることが好ましい。角度は9°±0.5 °と等しいことがより好ましい。従って、第1の円錐台形状内面60及び第2の円錐台形状内面68の互いの延長部分における全体形状は、実質的に単一の円錐体の本体の全体形状である。
【0031】
垂直軸芯32に沿って測定された第2の円錐台形状内面68の高さ73は、垂直軸芯32に沿って測定された第1の円錐台形状内面60の高さ74の略1倍〜3倍の間である。第2の円錐台形状内面68の高さ73は第1の円錐台形状内面60の高さ74の1.5 倍〜2倍の間であることがより好ましい。例えば、第1の円錐台形状内面60の高さ74は約35cmであり、第2の円錐台形状内面68の高さ73は約65cmである。
【0032】
第1の円錐台形状内面60は、垂直軸芯32に向かって径方向に延びているフィン76を支持していることが好ましい。フィンの数は例えば3〜12の間であり、フィンは垂直軸芯32の周りで規則的に分散している。フィン76は、下端部62と上端部64との間で第1の円錐台形状内面60の高さ74全体に亘って実質的に延びていることが好ましい。
【0033】
図2及び3の実施形態では、フィン76は、第1の円錐台形状内面60を形成している円錐体の母線に沿って実質的に延びている。従って、フィン76は垂直軸芯32を通過する垂直面に含まれている。
【0034】
軸30に固定されている円錐台形状の移動体56及びフィン76は、タンク16に対して垂直軸芯32を中心として回転可能である。
【0035】
図2及び3の実施形態の一代替例によれば、円錐台形状の移動体56及び撹拌器28は、垂直軸芯32に沿った回転を調節するための別個の手段に連結されている。従って、円錐台形状の移動体56及び撹拌器28を異なる速度で移動させることが特に可能である。
【0036】
図4は、本発明の別の実施形態に係る吸上げポンプ154 を示す部分平面図である。以下に説明する差異を除いて、吸上げポンプ154 は上述した図2及び3の吸上げポンプ54と同様である。
【0037】
吸上げポンプ154 は、図2及び3の円錐台形状の静止体と同一の円錐台形状の静止体66を有している。吸上げポンプ154 は、図2及び3の吸上げポンプ54の円錐台形状の移動体56と取り替え可能な円錐台形状の移動体156 を有している。円錐台形状の移動体156 の下部が、図5の側面図に概略的に示されている。
【0038】
円錐台形状の移動体156 は、図2及び3の円錐台形状の移動体56の内面と同一であって下端部62と上端部64との間で垂直軸芯32に沿って位置する円錐台形状内面60を有している。
【0039】
円錐台形状の移動体156 は、円錐台形状内面60に固定されて垂直軸芯32の周りに規則的に分散している複数のフィン176 を有している。円錐台形状の移動体156 は6〜12のフィンを有していることが好ましい。フィン176 は実質的に同一であることが好ましい。
【0040】
フィン176 の各々の下端部180 が円錐台形状内面60の下端部62に設けられている。フィン176 の各々の上端部182 が円錐台形状内面60の上端部64に設けられていることが好ましい。
【0041】
図2及び3の実施形態とは異なり、フィン176 は、垂直軸芯32と円錐台形状内面60を形成している円錐体の母線とに対して傾いている。特に、各フィン176 は垂直軸芯32の周りで円錐形の螺旋状に巻かれたストリップ片の形状を有している。
【0042】
フィン176 の下端部180 は、下端部62の水平面に位置して前記下端部62を画定している円の半径と角度αを形成している直線状の縁部である。角度αは、0°〜60°の間、好ましくは0°〜20°の間、より好ましくは0°〜10°の間に含まれている。
【0043】
更により好ましくは、フィン176 と下端部62を画定している円の半径との角度αは略0°であるか、又は0°である。
【0044】
好ましい一実施形態によれば、円錐台形状内面60を通過しているあらゆる水平面で、フィン176 は、前記円錐台形状内面60を画定している円の半径と実質的に一定の角度αを形成している。前記角度αは、略0°であるか、又は0°であることが有利である。従って、各フィン176 と水平面との交差部分が、前記円錐台形状内面60を形成している円の半径を実質的に通過している。
【0045】
垂直軸芯32に沿って、フィン176 は、円錐台形状内面60と接する外縁部184 と内縁部186 との間で実質的に一定の幅を有している。例として、フィンの幅は約30mmである。
【0046】
図5に示されているように、フィン176 の表面は垂直軸芯32と角度βを形成しており、この角度βは5°〜40°の間、好ましくは10°〜30°の間、より好ましくは15°±0.5 °の間である。図4及び5の実施形態では、角度βはフィン176 の高さに亘って実質的に一定である。
【0047】
一代替例によれば、フィン176 の表面と垂直軸芯32とによって形成されている角度βはフィン176 の高さに亘って可変である。より好ましくは、フィン176 の表面と垂直軸芯32との前記角度は下端部180 と上端部182 との間で減少し、そのため、フィン176 は上向きに湾曲している。
【0048】
図2〜5の実施形態では、第2の円錐台形状内面68にはフィンが設けられていない。一代替例(不図示)によれば、第2の円錐台形状内面68も、垂直軸芯32に向かって径方向に延びているフィンを支持している。第2の円錐台形状内面68の前記フィンは垂直軸芯に対して傾いていることが好ましい。
【0049】
設備50(図2)の動作を以下に説明する。軸30がモータ(不図示)によって垂直軸芯32を中心として回転する。撹拌器28の回転によって、タンク16内の液体の2つの水相22及び有機相24を混合する。更に、円錐台形状の移動体56, 156 の回転によってタンク16内の液体を押し流す。そのため、液体は円錐体の下側の移動体56に対して上昇し、その後、上側の静止体66に対して流れ口70まで上昇し続ける。液体は設備の最高液面80に向かってあふれてセトラ14に向かって押し流される。
【0050】
吸上げポンプ54のこの構成によって、流れ口70での液体の運動エネルギーを減少させることが可能になるため、剪断が制限される。移動体56のフィンの形状によって、剪断、並びに流れ口70の液体流量とモータの回転速度との比率に影響を及ぼすことが可能になる。特に、図4及び5に示されている傾斜したフィン176 は、図2及び3の垂直フィン76より好ましい。
【0051】
有利な一実施形態では、抽出電池を形成すべく複数の吸上げポンプ54, 154 が直列に配置されている。本発明に係る一又は複数の吸上げポンプ54, 154 を現状の技術の一又は複数の吸上げポンプ34と共に直列に配置することが更に可能である。
【0052】
このような抽出電池では、例えばレアアースを含む水相22の液体を、例えば抽出剤を含む有機相24と逆流の形態で接触させるように含む。このようにして、有機相はレアアースで徐々に濃縮される。
図1
図2
図3
図4
図5