(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記通信部が受信した前記発信源から受信した電波の受信強度が、前記検証情報で示される当該発信源からの受信強度よりも大きい場合に、前記情報処理装置を前記発信源から遠ざけるように配置位置を誘導する
ことを特徴とする請求項8に記載の検証サーバ。
前記制御部は、前記通信部が受信した前記発信源から受信した電波の受信強度が、前記検証情報で示される当該発信源からの受信強度よりも小さい場合に、前記情報処理装置を前記発信源に近づけるように配置位置を誘導する
ことを特徴とする請求項8に記載の検証サーバ。
前記通信部は、前記配置物各々が正しい位置関係で配されている場合に、前記情報処理装置各々から、当該情報処理装置が、前記複数の発信源各々から受信した電波の受信強度に関する情報を受信し、
前記検証サーバは、前記通信部が受信した前記配置物各々が正しい位置関係で配されている場合に、前記情報処理装置が、前記複数の発信源各々から受信した電波の受信強度に関する情報に基づいて、前記検証情報を生成する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の検証サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
本発明に係る検証サーバ100は、複数の配置物の配置位置を検証する。各配置物は、少なくとも複数の異なる発信源からの電波を受信する情報処理装置(IoT(Internet of Things)デバイス)を備え、検証サーバ100は、各配置物について、当該配置物が受信した電波の受信強度に基づいて、各配置物の配置位置を検証するものである。ここで、配置位置を検証するとは、少なくとも配置物の配置位置が正しいか否かを判定することを含み、配置物のより好適な位置への移動の示唆や、実際に配置物を移動させることまで含むこととしてもよい。以下、このような検証サーバ100について、詳細に説明する。
【0025】
(システム構成)
図1に示すように、検証サーバ100を含む検証システム1は、検証サーバ100と、複数の配置物(210a、210b、210c、210d、210e、210j、210o。以下、配置物を総称する場合に配置物210と記載する。)と、ネットワーク300とを含む。各配置物は、それぞれ、情報処理装置(220a、220b、220c、220d、220e、220j、220o。以下、情報処理装置を総称する場合に情報処理装置220と記載する。)を備えており、各情報処理装置は、ネットワーク300を介して、検証サーバ100と通信可能に接続されている。
【0026】
ネットワーク300は、検証サーバ100と情報処理装置220を相互に接続させるためのネットワークであり、例えば、無線ネットワークや有線ネットワークである。具体的には、ネットワーク300は、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)、LTE−Advanced、第4世代(4G)、第5世代(5G)、CDMA(code division multiple access)、WCDMA(登録商標)などである。
【0027】
また、ネットワーク300は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy)、光回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線、衛星通信網などであってもよく、どのようなネットワークであってもよい。
【0028】
また、ネットワーク300、例えば、NB−IoT(Narrow Band IoT)や、eMTC(enhanced Machine Type Communication)であってもよい。なお、NB−IoTやeMTCは、IoT向けの無線通信方式であり、低コスト、低消費電力で長距離通信が可能なネットワークである。
【0029】
また、ネットワーク300は、これらの組み合わせであってもよい。また、ネットワーク300は、これらの例を組み合わせた複数の異なるネットワークを含むものであってもよい。例えば、ネットワーク300は、LTEによる無線ネットワークと、閉域網であるイントラネットなどの有線ネットワークとを含むものであってもよい。
【0030】
(検証サーバの構成例)
図2(a)は、検証サーバ100の構成例を示すブロック図である。
図2(a)に示すように、検証サーバ100は、例えば、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、入力部140と、出力部150とを備える。
【0031】
通信部110は、ネットワーク300を介して各種データや情報、信号の送受信を行う通信インタフェースである。通信部110は、ネットワーク300を介して、情報処理装置220との通信を実行する機能を有する。通信部110は、各情報処理装置220から、各情報処理装置220が複数の異なる電波の発信源から電波を受信したときの受信強度の情報を含む電波情報を受信し、受信した電波情報を制御部130に出力する。電波情報の詳細については後述する。
【0032】
記憶部120は、検証サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部120は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。なお、検証サーバ100は、プログラムを記憶部120に記憶し、当該プログラムを実行して、制御部130が、当該制御部130に含まれる各部としての処理を実行してもよい。当該プログラムは、検証サーバ100に、制御部130が実行する各機能を実現させる。記憶部120は、各情報処理装置が受信した電波の受信強度に基づいて、各情報処理装置の配置位置を検証するための検証情報121を記憶している。検証情報121の詳細については、後述する。
【0033】
制御部130は、検証サーバ100の各部を制御するものであり、例えば、中央処理装置(CPU)やマイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどであってもよい。なお、制御部130は、これらの例に限られず、どのようなものであってもよい。制御部130は、検証サーバ100が受信した電波情報と、記憶部120が記憶している検証情報121とを用いて、各情報処理装置220が複数の発信源から受信した電波の受信強度が所定範囲内(誤差の範囲内)で、検証情報121で示される受信強度と一致するか否かに基づいて、情報処理装置220が正しい配置位置にあるか否かを検証する検証部131として機能する。また、制御部130は、各配置物の情報処理装置220から送信された各配置物に備えられている当該情報処理装置220が受信した電波の受信強度の情報を通信部110を介して受信して、検証情報121を作成する機能を有する。また、制御部130は、各配置物が配された際に、誤った位置に配置されていると推定される配置物があった場合に、その配置物が配置されるのに望ましい位置に誘導する機能も有する。
【0034】
入力部140は、検証サーバ100のオペレータからの入力を受け付けて検証サーバ100に対する各種操作を入力する装置により実現される。入力部140は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、マイク(マイクロホン)、各種センサなどである。入力部140は、例えば、オペレータから検証情報121の入力を受け付ける。
【0035】
出力部150は、制御部130からの制御に従って、情報を出力する機能を有する。出力部150は、例えば、モニタやスピーカ、LEDなどである。出力部150は、制御部130からの指示に従って、情報処理装置220の配置位置についての検証結果を示す情報を出力する。情報の出力形態は、様々であり、例えば、文章、画像、音声などであってよい。
【0036】
以上が、検証サーバ100の構成例である。
【0037】
(情報処理装置220の構成例)
図2(b)は、第1の実施形態に係る情報処理装置220の構成例を示すブロック図である。
図2(b)に示すように、情報処理装置220は、電波受信部221と、電波発信部222と、通信部223と、記憶部224と、制御部226とを備える。
【0038】
電波受信部221は、複数の異なる発信源から発信された電波を受信する。第1の実施形態においては、複数の異なる発信源とは、他の情報処理装置220のことである。電波受信部221は、電波を受信するためのアンテナを含み、受信した際の電波の受信強度を測定する機能を有する。
【0039】
電波発信部222は、記憶部224に記憶されている識別情報225で示される情報処理装置220の識別情報を重畳(もしくは、付加)した電波を、予め定められた所定の電波強度で発信する。これにより、他の情報処理装置が、電波を受信することができる。
【0040】
通信部223は、ネットワーク300を介して各種データや情報、信号の送受信を行う通信インタフェースである。通信部223は、ネットワーク300を介して、検証サーバ100との通信を実行する機能を有する。通信部223は、他の情報処理装置から発信された電波を受信した際の受信強度の情報を含む電波情報を、検証サーバ100に送信する。
【0041】
記憶部224は、情報処理装置220が必要とする各種のデータを記憶している。ここでは、情報処理装置220を検証システム1上において一意に特定可能な識別情報225を記憶している。識別情報225は、自装置の識別情報である。
【0042】
制御部226は、電波受信部が受信した電波と、その電波に含まれる識別情報とから、後述する受信電波情報を生成し、更に自身の識別情報を対応付けて電波情報を生成する。制御部226は、生成した電波情報を、通信部223により、検証サーバ100に送信させる。制御部226は、例えば、簡易な機能を実現するプロセッサである。
【0043】
情報処理装置220は、所定のタイミング(オペレータが定めたタイミングであって、例えば、一定時間毎であったり、オペレータからの出力指示があった場合であったりしてよい)で、電波発信部222が電波を発信する。そして、各情報処理装置220は、自装置以外の情報処理装置220が発信した電波を受信し、受信した電波の受信強度の情報を含む電波情報を、検証サーバ100に送信する。情報処理装置220が、他の電波の発信源から受信した信号の受信強度の情報を送信することにより、検証サーバ100は、配置物が正しい位置関係で配されている場合には、検証情報121を作成することができ、また、配置物が正しい位置関係で配されているか否かがわからないときに、その位置関係の検証、誘導を行うことができるようになる。
【0044】
以上が、情報処理装置220の構成である。
【0045】
(配置物の構成と具体例)
次に、配置物210について説明する。
図3に示すように、第1の実施形態においては、複数の配置物210a、210b、210c、210d、210e、210f、210g、210h、210i、210j、210k、210l、210m、210n、210oが、配置領域200に配されている。複数の配置物210a、210b、210c、210d、210e、210f、210g、210h、210i、210j、210k、210l、210m、210n、210oは、それぞれ、情報処理装置220a、220b、220c、220d、220e、220f、220g、220h、220i、220j、220k、220l、220m、220n、220oを備える。ここでは、配置領域200に配することとしているが、情報処理装置220の配置位置は、所定の領域内に限るものではない。また、配置物210の数についても図に示す数に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0046】
ここで、配置物210は、正しい配置位置があり、その配置位置に配されることが望まれるものであれば、どのようなものであってもよい。配置物210は、例えば、ウェーハ上における各種の部品の配置であったり、機械部品の配置位置であったり、看板における各種の宣伝ポスターであったり、複数の紙で部分的に構成された絵で一枚の大きな絵画を演出したりする場合の絵であったり、展示場内において展示される展示品であったり、建築物における各種の部品(例えば、家の柱や城の石組みなど)であったり、複数の画面で1つの大画面を構成する場合の各モニタであったりしてよい。検証サーバ100による配置物210の配置位置の検証は、特に、類似するものを配列する場合であって、各配置物の配置位置の厳密性が要求される場合に特に有用である。例えば、複数の配置物として複数の画面を配して1つの大画面を構成する場合に、2つの画面が入れ違いになっていた場合には、大画面で出力される映像が入れ違いになっている部分がある、ユーザにとって見にくい映像が出力されるという問題が発生する可能性があるが、検証サーバ100による配置位置の検証を行うことにより、この問題が発生する可能性を回避することができる。これは、看板に複数のポスターなどの絵を貼り付ける場合などにおいても同様のことが言える。また、例えば、部品の配置の例で言えば、検証サーバ100による配置の検証を行うことにより、部品の配置位置を誤って製品が動作しないという問題を回避することができる。
【0047】
(検証情報の構成例)
次に、検証サーバ100が、情報処理装置220が正しい位置に配されているかの検証に用いる検証情報121について説明する。
図4(a)は、検証情報121のデータ構成例を示すデータ概念図である。検証情報121は、各情報処理装置が正しい位置に配されている場合の、他の情報処理装置から受信した電波の受信強度を示す情報である。
【0048】
図4(a)に示すように、検証情報121は、情報処理装置ID410と、電波検証情報420とが対応付けられた情報である。
【0049】
情報処理装置ID410は、配置物に備えられる各情報処理装置220の検証システム1において一意に特定するための情報であり、検証サーバ100が受信した電波情報を送信した情報処理装置に対応する電波検証情報420を特定するために参照される。なお、本実施形態においては、わかりやすくするために、情報処理装置にふった符号を情報処理装置IDとして用いることとするが情報処理装置ID410は、システムにおいて各情報処理装置220を特定できるものであれば、どのような値を有していてもよい。
【0050】
電波検証情報420は、情報処理装置220から受信した電波情報と比較検証するための情報である。また、電波検証情報420は、対応する情報処理装置ID410で示される情報処理装置220が、他の情報処理装置との間で正しい位置関係に配されている場合に、他の情報処理装置から発信された信号を受信したときの受信強度を示す情報である。即ち、電波検証情報420は、対応する情報処理装置ID410で示される情報処理装置220から受信した電波情報に示される受信強度が、望ましい値を有しているか否かを検証するために、検証サーバ100の制御部130により参照される情報である。
【0051】
電波検証情報420は、発信情報処理装置ID421と、受信強度情報422とが対応付けられた情報である。
【0052】
発信情報処理装置ID421は、電波を発信した情報処理装置がどの情報処理装置であるかを特定可能な識別情報である。
【0053】
受信強度情報422は、対応する発信情報処理装置ID421で示される情報処理装置から発信された電波が、どの程度の強度であることが望ましいかを示す情報である。受信強度情報422は、受信した電波の強度を特定可能なものであればよく、例えば、デシベルミリワットの単位で規定されていてもよいし、システム内で通用するデシベルミリワットの所定範囲をレベル値に換算した値で規定されていてもよい。
【0054】
図4(a)の例で言えば、情報処理装置ID410が、「220a」の情報処理装置からの電波情報に、発信情報処理装置ID421が「220b」で、受信強度情報422が「5」を満たし、発信情報処理装置ID421が「220f」で、受信強度情報422が「5」を満たし、発信情報処理装置ID421が「220g」で、受信強度情報422が「3.8」を満たした場合に、情報処理装置220aは、望ましい位置に配置されていることになる。
【0055】
検証情報121は、例えば、実際に、各配置物210を、正しい位置に配置した状態で、各情報処理装置の電波発信部222に電波を発信させて、それぞれの情報処理装置の電波受信部221で受信した電波の受信強度を測定することで、作成することができる。また、検証情報121は、オペレータが、配置物210の配置を見て、どの情報処理装置からの電波が強くなるかに基づいて、推定により(シミュレーションにより)作成することとしてもよい。
【0056】
(電波情報の構成例)
図4(b)は、情報処理装置220aから検証サーバ100に送信される電波情報の構成例を示すデータ概念図である。全ての情報処理装置220は、
図4(b)に示す様式(フォーマット)で、電波情報を検証サーバ100に送信する。
【0057】
図4(b)に示すように、電波情報450は、情報処理装置ID451と、受信電波情報460とが対応付けられた情報である。
【0058】
情報処理装置ID451は、電波情報450を送信する情報処理装置がどの情報処理装置であるかを特定可能な識別情報である。
【0059】
受信電波情報460は、情報処理装置ID451が他の情報処理装置から発信されて受信したときの受信強度を示す情報である。
【0060】
受信電波情報460は、発信情報処理装置ID461と、受信強度情報462とが対応付けられた情報である。
【0061】
発信情報処理装置ID461は、対応する情報処理装置ID451で示される情報処理装置が受信した電波がどの情報処理装置から発信されたものであるかを特定可能な識別情報である。
【0062】
受信強度情報462は、対応する発信情報処理装置ID461で示される情報処理装置から発信された電波が、対応する情報処理装置ID451で示される情報処理装置において受信されたときの、受信強度を示す情報である。
【0063】
図4(b)の例で言えば、情報処理装置ID451が、「220a」である情報処理装置は、情報処理装置IDが「220c」、「220f」、「220g」の3つの情報処理装置から発信された信号を受信しており、それぞれの信号を受信した際の受信強度がいずれも「5」であることが理解できる。
【0064】
検証サーバ100の検証部131は、
図4(b)に示す電波情報を受信した場合には、情報処理装置ID451で示されるIDと一致する情報処理装置を、情報処理装置ID410から検索し、対応する電波検証情報420を特定する。そして、検証部131は、電波情報450で示される受信電波情報460と、電波検証情報420とが所定範囲内で一致するか否かに基づいて、電波情報を送信してきた情報処理装置220を備える配置物210が望ましい位置に配置されているか否かを検証する。
【0065】
(検証サーバ100の検証情報121の作成に係る動作例)
図5は、検証システム1の動作であって、検証情報121を作成する際の動作を示すフローチャートである。まず、各配置物210を、ユーザの手、あるいは、何等かの機器(例えば、ロボットアーム)を用いて、正しい位置関係になるように配置する(ステップS501)。
【0066】
各配置物210を正しい位置関係で配した状態で、検証サーバ100は、各情報処理装置220に対して、信号を発信するように指示する。すると、各情報処理装置220は、各々の識別情報を重畳した信号を電波発信部222から発信する(ステップS502)。そうすると、各情報処理装置220は、他の情報処理装置から発信された信号を受信する(ステップS503)。各情報処理装置220は、受信した信号について、重畳された識別情報を抽出するとともに、その信号の受信強度を測定する(ステップS504)。各情報処理装置220の通信部223は、抽出した識別情報と、その識別情報が重畳された信号の受信強度とを対応付けた情報を、検証サーバ100に送信する。
【0067】
検証サーバ100の通信部110は、各情報処理装置220から、識別情報と、信号の受信強度とが対応付けられた情報を、受信する。制御部130は、受信した識別除法と、信号の受信強度と、この情報を送信した情報処理装置220の識別情報とを対応付けて、検証情報121を作成し、記憶する(ステップS505)。
【0068】
これにより、検証サーバ100は、各配置物210が正しい位置関係に配されている状態で、各情報処理装置220が、他の情報処理装置から発信された信号を受信した際の受信強度に関する情報を得ることができる。検証情報121を作成(各情報処理装置220が受信した信号の受信強度を学習したともいえる)したことにより、その後で、例えば、各配置物210を別の場所に配置したときに、その位置関係が望ましい位置関係になっているか否かを検証することができる。
【0069】
(検証サーバ100の各情報処理装置の配置の検証に係る動作例)
図6は、第1の実施形態における検証サーバ100の動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、検証サーバ100の通信部110は、情報処理装置220から電波情報450を受信する(ステップS601)。通信部110は、受信した電波情報450を制御部130に伝達する。
【0070】
制御部130の検証部131は、電波情報450から、情報処理装置ID451を抽出して、電波情報450を送信した情報処理装置がどの情報処理装置であるかを特定する(ステップS602)。
【0071】
次に、検証部131は、検証情報121において、特定した情報処理装置IDに対応付けられた電波検証情報420を特定する(ステップS603)。
【0072】
検証部131は、電波情報450の受信電波情報460で示される各発信情報処理装置ID461に対応付けられた受信強度情報462と、ステップS603において特定した電波検証情報420で示される各発信情報処理装置421に対応付けられた受信強度情報422とが所定範囲内で一致するか否かを判定する(ステップS604)。ここで、所定範囲内とは、他の情報処理装置から発信された電波の受信強度が一致していると見做せる範囲であればよく、一例として、誤差の範囲であってもよいし、予め定めた範囲、例えば、受信強度情報422で示される値の上下X%(例えば、10%)の範囲内であってもよい。配置物210が正確な配置にあることが望ましい場合には、受信強度情報462の値と、受信強度情報422の値とが、完全に一致することが望ましい。
【0073】
検証部131は、電波情報450の受信強度情報462の値と、検証情報121の受信強度情報422の値とが、所定範囲内で一致すると判定した場合には(ステップS604のYES)、電波情報450を送信してきた情報処理装置220は、正常である旨、即ち、望まれている位置(正しい位置)に配置されている旨を報知して(ステップS605)終了する。なお、この報知は、出力部150により成されるものであり、文字、画像、音声のいずれによるものであってもよい。
【0074】
検証部131は、電波情報450の受信強度情報462の値と、検証情報121の受信強度情報422の値とが、所定範囲内で一致しないと判定した場合には(ステップS604のNO)、電波情報4501を送信してきた情報処理装置220は、正常ではない旨、即ち、望まれている位置(正しい位置)に配置されていない旨を報知して(ステップS606)終了する。なお、この報知は、出力部150により成されるものであり、文字、画像、音声のいずれによるものであってもよい。
【0075】
これにより、検証サーバ100は、各情報処理装置について、当該情報処理装置が受信した他の情報処理装置からの電波の受信強度に基づいて、その配置位置の検証を行うことができる。
【0076】
(情報処理装置の動作例)
図7は、情報処理装置220の動作例を示すフローチャートである。情報処理装置220は、
図7に示す処理を所定のタイミング(例えば、一定時間毎やオペレータにより指定されたタイミングなど)や、検証情報121を作成するタイミングで実行する。
【0077】
図7に示すように、情報処理装置220の電波発信部222は、所定の強度の電波を発信する(ステップS701)。
【0078】
電波受信部221は、他の情報処理装置の電波発信部222から発信された信号を受信する(ステップS702)。そして、電波受信部221は、受信した信号の受信強度を測定する(ステップS703)。電波受信部221は、受信した電波に重畳または付加されている情報処理装置の識別情報から情報処理装置IDを特定し、発信情報処理装置ID461とする。
【0079】
制御部226は、電波受信部221が測定した受信強度を受信強度情報462として、発信情報処理装置ID461に対応付けて、受信電波情報460を生成する。そして、制御部226は、記憶部224に記憶されている識別情報225を、情報処理装置ID451とし、これに受信電波情報460を対応付けて電波情報450を生成する(ステップS704)。
【0080】
通信部223は、制御部226が生成した電波情報450を、検証サーバ100に送信して(ステップS705)処理を終了する。
【0081】
情報処理装置220が、電波情報450を送信することで、検証サーバ100は、この情報処理装置220が正しい位置に存在するかを判定することができる。
【0082】
(検証サーバ100の配置物210の望ましい位置への誘導処理に係る動作例)
図8は、検証サーバ100が、
図7に示す検証を行った際に、配置位置が正しくないと判定された配置物210(情報処理装置220)があった場合に、その配置物210を正しい位置に誘導する処理を行う際の動作を示すフローチャートである。
図8に示す処理は、
図6のステップS606の処理に継続する形で実現されてよい。ここで説明を分かりやすくするために、他の情報処理装置から受信した信号の受信強度が、検証情報121で示される受信強度と一致しなかった情報処理装置を情報処理装置220xとする。即ち、
図8に示す処理は、検証サーバ100が情報処理装置200xが正しい位置に位置するように誘導するための処理である。
【0083】
図8に示すように、制御部130は、情報処理装置220xから、他の情報処理装置220(ここで説明を分かりやすくするために仮に220yとする)の識別情報と、その他の情報処理装置220yから発信されて情報処理装置220xで受信したときの信号の受信強度と、の組み合わせとが、検証情報121において、情報処理装置220xと一致しない項目を特定する(ステップS801)。
【0084】
制御部130は、一致しなかった項目について、情報処理装置220xが受信した情報処理装置220yからの信号の受信強度(以下、第1受信強度)が、検証情報121において情報処理装置ID410が情報処理装置220xに対応し、発信情報処理装置ID421が情報処理装置220yに対応する受信強度情報で示される受信強度(以下、第2受信強度)よりも大きいか否かを判定する(ステップS802)。
【0085】
第1受信強度が、第2受信強度よりも大きいと判定した場合には(ステップS802のYES)、情報処理装置200xと、情報処理装置200yとの間の距離が正しい位置関係にある場合に比べ、互いに近いと想定されるので、制御部130は、情報処理装置220xを、情報処理装置200yから遠ざけるように誘導(報知)する(ステップS803)。当該報知は、検証サーバ100に表示部(ディスプレイ)を接続して、絵や文字により報知することとしてもよいし、スピーカを接続して、音声により報知することとしてもよい。制御部130は、そのための絵や文字、音声を生成する機能を有してもよいし、記憶部120に予めそれらの情報を記憶しておき、制御部130がそれらの情報を読み出することにより実現することとしてよい。また、あるいは、各情報処理装置220(配置物210)に発光部を設けて、移動させるべき配置物210と、遠ざける配置物210と、がオペレータから見てわかるように発光させることで報知することとしてもよい。例えば、移動させるべき配置物に設けられている発光部を赤に発光させ、この移動させるべき配置物を近づける対象となる配置物に設けられている発光部を青に発光させて報知するように構成してもよい。この場合に、検証サーバ100は、情報処理装置220xに対して赤に発光するように指示し、情報処理装置220yに対して青に発光するように指示することとしてよい。
【0086】
一方で、第1受信強度が第2受信強度よりも大きくない場合(ステップS802のNO)、即ち、第1受信強度が第2受信強度よりも小さい場合に、情報処理装置220xは、情報処理装置220yから、正しい位置関係よりも遠いと推定されるので、制御部130は、情報処理装置220xを情報処理装置220yに近づけるように誘導する(ステップS804)。このとき、制御部130は、配置物に設けられた発光部を設けて、誘導を行う場合には、情報処理装置220xを情報処理装置220yから遠ざける場合と比して、遠ざけるのか近づけるのかがオペレータに理解できるように、発光色を変更するとよい。例えば、情報処理装置200xを情報処理装置200yに近づける場合には、情報処理装置200xを赤に発光させ、情報処理装置200yを緑に発光させることで、上述した遠ざける場合と区別するとよい。なお、ここに示した発光色自体は、あくまで一例であり、情報処理装置200x、200yそれぞれが区別できるとともに、情報処理装置200xを情報処理装置200yに近づけるのかあるいは遠ざけるのかを区別できるのであれば、他の色であってもよいことは言うまでもない。
【0087】
このように、検証サーバ100は、各配置物の配置が正しい位置関係にあるか否かを検証するだけでなく、更には、間違った配置関係にある配置物を特定し、その配置物を正しい位置関係になるように配置位置の誘導を行うことができる。したがって、特に似たような形状の配置物であって、正しい配置関係が求められる配置物の配置において、本発明に係る検証サーバ100は、オペレータに対して、複数の配置物が正しい位置関係になるよう教示することができる。
【0088】
ここで、
図8に示す処理について、一具体例を用いて、
図9を参照しながら説明する。なお、
図9においては、図面を分かりやすくするために、配置物210と情報処理装置220が一体であるとして、情報処理装置220Zの形で、それぞれ一つの矩形で表し、それぞれの符号をその中に記すこととする。
【0089】
図9では、情報処理装置220xが正しい配置位置にあるか、そして正しい配置位置にない場合にどのように誘導するかを説明する。
図9(a1)は、情報処理装置220a、220b、220c、220d、220xが正しい位置関係で配されている一例を示している。このとき、情報処理装置220xが自装置以外の情報処理装置220a、220b、220c、220dそれぞれから受信した信号の受信強度が全て「5」であったとする。したがって、検証サーバ100の記憶部120は、情報処理装置220x用の検証情報121として、
図9(a2)に示す情報を保持することになる。
【0090】
そこで、あるとき、情報処理装置220a、220b、220c、220d、220xを配したときに、
図9(b1)に示す位置関係で配されたとする。そして、このとき、
図9(b2)に示すように、情報処理装置220xは、情報処理装置220a、220b、220c、220dそれぞれから、受信強度「5」、「5」、「2.3」、「2.3」の信号を受信したとする。すると、検証サーバ100は、
図9(b2)に示す情報と、検証情報121に含まれる
図9(a2)に示す情報とを比較する。この比較の結果、検証サーバ100は、受信強度が全て一致しないと判定し、情報処理装置220xが正しい位置関係で配置されていないと判定し、その旨を報知する。
【0091】
ここで、検証サーバ100は、情報処理装置220aと、情報処理装置220bとから受信した信号強度は一致することから、情報処理装置220xと情報処理装置220a及び情報処理装置220xと情報処理装置220bとの間の距離関係は正しいと判定する。その一方で、情報処理装置220c、220dからの信号の受信強度は、検証情報121に記憶されている値よりも小さい。そのため、検証サーバ100は、情報処理装置220c及び情報処理装置220dから、所望の位置よりも遠い位置に配されていると判定する。したがって、検証サーバ100は、情報処理装置220xを、情報処理装置220aと情報処理装置220bとの間の距離を保ちつつ、情報処理装置220cと情報処理装置220dに近づくように誘導する。
【0092】
したがって、上述の発光による誘導の例でいえば、情報処理装置220xを赤で発光させ、情報処理装置220cと情報処理装置220dとを、緑に発光させれば、オペレータは、情報処理装置220xを、
図9(c1)の矢印で示す方向に移動させればよいと認識することができる。検証システム1においては、このように、情報処理装置220(配置物210)の配置位置の誘導を行って、正しい位置関係での配置位置を早期に実現することができる。なお、検証システム1においては、文字や音声で、動かす距離を説明(情報処理装置220xを大きく動かしてください、情報処理装置220xを少しだけ動かしてくださいなど)することとしてもよいし、発光によって誘導を行う場合には、発光強度(所望の位置に近いほど発光強度を強くするなど)やあるいは点滅(所望の位置に近いほど点滅間隔を短くするなど)で動かす距離を表現することとしてもよい。この距離は、受信強度の差分から情報処理装置間の相対距離間隔として求めることができる。
【0093】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、配置物210に備えられた情報処理装置220各々が、電波の発信源である例を説明した。本第2の実施形態においては、情報処理装置220各々が電波の発信源とならない例を説明する。
【0094】
図10は、第2の実施形態における配置物210の配置例と、電波の発信原の一例を示す図である。配置物210が、情報処理装置220を備える点については、第1の実施形態に共通する。一方で、第2の実施形態においては、配置領域200に、電波を発信する発信源として、電波発生装置1000a〜1000p(以下、総称する場合には、電波発生装置1000と記載する。)が設けられている点において、第1の実施形態と相違する。電波発生装置1000a〜1000pは、その構成については図示しないが、所定の電波強度で、自装置の識別情報を重畳(付加)した電波を発信する装置である。即ち、電波発生装置1000a〜1000pは、第1の実施形態における情報処理装置220の電波発信部222と同様の機能を有する。したがって、第2の実施形態においては、情報処理装置220は、電波発信部222を備える必要がない。これにより、各情報処理装置220における消費電力を抑制することができる。
【0095】
検証サーバ100の構成事態は、第1の実施形態において示した構成と相違しないため、ここでは説明を省略する。検証サーバ100においては、検証情報121が、
図11(a)に示す検証情報1100に変更される点が異なる。検証情報1100は、情報処理装置ID410と、電波検証情報1120とが対応付けられた情報であり、電波検証情報1120は、発信装置ID1121と、受信強度情報1122とが対応付けられた情報である。検証情報1100と、検証情報121との相違点は、発信装置ID1121で示される装置が電波発生装置1000a〜1000pのいずれかに代わるという点のみである。
【0096】
また、情報処理装置各々が検証サーバ100に送信する電波情報においても同様のことが言える。
図11(b)は、第2の実施形態に係る電波情報1110を示している。電波情報1110は、情報処理装置ID1151と、受信電波情報1160が対応付けられた情報であり、受信電波情報1160は、発信装置ID1161と受信強度情報1162とが対応付けられた情報である。電波情報1110も、発信装置ID1161で示される装置が電波発生装置1000a〜1000pのいずれかに代わるという点のみである。
【0097】
そして、検証サーバ100による各情報処理装置220の配置位置の検証動作は、第1の実施形態の
図6に示したものと変わらず、情報処理装置220の動作についても自装置で電波を発信しない点と電波発生装置1000からの電波を受信するという点以外は、
図7に示したものと変わらないので説明を省略する。また、検証情報1100の作成処理についても、各情報処理装置が、他の情報処理装置からの電波を受信するのではなく、発信装置群から受信することが以外は、
図5に示したものと同様である。また、配置物を所望の位置関係となるように誤った配置にある配置物を誘導する誘導処理についても、情報処理装置が、位置を修正する際に、電波発信装置との間の距離関係を修正するように移動させること以外は、
図8に示す処理と同様である。
【0098】
なお、第2の実施形態においては、電波の発生源である各電波発生装置1000の位置は固定することができる。即ち、検証サーバ100にとって、各電波発生装置1000の位置を既知のものとなる。したがって、各情報処理装置が受信した電波について、ある電波発生装置について受信する電波の受信強度が検証情報で定められている値よりも低い場合には、その電波発生装置に近づけるように配置物210の配置位置を誘導することもできるし、逆にある電波発生装置について受信する電波の受信強度が検証情報で定められている値よりも高い場合には、その電波発生装置から遠ざけるように配置物210の配置位置を誘導することもできる。この誘導は、検証サーバ100の検証部131による判断のもと、出力部150から、画像、文章、音声のいずれかによって、どの情報処理装置を備える配置物を、どの方向に移動させるかを示す情報を含ませることによって実現することができる。上記第1の実施形態においては、各情報処理装置間の相対位置関係の検証と、相対位置関係が正しくなるように誘導することまでしかできないのに対し、第2の実施形態によれば、絶対位置が既知である電波発生装置が電波の発信源であることにより、絶対位置による位置の検証と、誘導を行うことができる。
【0099】
なお、
図10においては、電波発生装置1000を各配置物210の周囲に配する例を示したが、これはその限りではない。電波発生装置1000からの電波が情報処理装置220のいずれかに到達できるように配されていればよく、例えば、配置物210の間に配することとしてもよく、例えば、配置領域200の中央に配することとしてもよい。
【0100】
このように、電波発生装置を別途設けるように構成しても、検証サーバ100は、各配置物210の配置位置を検証することができる。この構成によれば、前述の通り、情報処理装置220の電力消費を低減できる点において、大きな利点を有する。また、電波の発生源である電波発生装置1000それぞれの位置は、予め任意の位置に固定することにより、配置物210の配置位置が誤っている場合に、配置物210の正しい配置位置への誘導が可能となる。
【0101】
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態と、配置物210が備える情報処理装置220の数において相違する。
【0102】
図12は、第3の実施形態に係る配置物210の配置例を示す図である。
図12に示されるように、各配置物210には、2つの情報処理装置が設けられている。例えば、配置物1210gは、情報処理装置1220fと、情報処理装置1220gとを備えている。第3の実施形態は、第1の実施形態の変形例の1つと言え、各配置物210に2つの情報処理装置が備えられている点以外は、それらの構成や動作においては、第1の実施形態とは相違しないため、構成や動作の詳細な説明は省略する。
【0103】
配置物210に複数の情報処理装置が備えられていることから、検証情報は、どの情報処理装置がどの配置物に備えられているかを、検証サーバ100が特定できるように構成されてもよい。
図13は、第3の実施形態における検証情報の一例である。
図13に示すように、第3の実施形態に係る検証情報1300は、配置物ID1330と、情報処理装置ID1310と、電波検証情報1320とが対応付けられた情報である。また、電波検証情報1320は、発信情報処理装置ID1321と受信強度情報1322とが対応付けられた情報である。
図13から理解できるように、配置物ID1330には、その配置物に備えられている情報処理装置がわかるように、情報処理装置IDが対応付けられる。
図13の例で言えば、配置物ID「1210g」で示される配置物には、情報処理装置ID「1220f」で示される情報処理装置と、情報処理装置ID「1220g」で示される情報処理装置とが、備えられていることが理解できる。
【0104】
検証情報1300は、検証情報121と、配置物ID1330が対応付けられている、即ち、配置物ID1330に備えられている情報処理装置IDが対応付けられている点においてのみ相違し、その他の構成は、検証情報121と同様である。
【0105】
配置物ID1330は、検証システム1において、各配置物がどの配置物であるかを特定可能な識別情報である。第1の実施形態や第2の実施形態においては、情報処理装置220が一つしか備えられていないため、情報処理装置220の識別情報が配置物の識別情報を代替しているともいえる。
【0106】
なお、電波情報450については、第1の実施形態に示した構成と変わらない。
【0107】
第3の実施形態においては、検証サーバ100の検証部131は、各配置物210について、それぞれに備えられている全ての情報処理装置について、他の情報処理装置から受信した電波強度が、検証情報1300で示される値になっている場合にのみ、正しい位置に配されていると判定する。これにより、配置物の210の配置位置の正誤の判定の精度を向上させることができる。
【0108】
本第3の実施形態において、第1の実施形態よりも優れている点の一つは、上述の通り、配置物210が複数の情報処理装置220を備えることで、検証サーバ100による配置物210の配置位置の検証の精度が向上する点にある。
【0109】
また、更には、配置物210に複数の情報処理装置220を設けることで、配置物210の向きについても正しい向きで配置されているかまで検証できる点において、第1の実施形態よりも優れている。
【0110】
一具体例を示せば、
図12における配置物1210gの情報処理装置1220fが、情報処理装置1220b、1220e、1220i、1220kから、それぞれ、3、3、3、5という受信強度の電波を受信していたとする。また、配置物1210gの情報処理装置1220gが、情報処理装置1220b、1220d、1220h、1220kから、それぞれ、5、3、3、3という受信強度の電波を受信していたとする。すると、検証情報1300の電波検証情報1320と照らし合わせてみれば、本来、情報処理装置1220fは、情報処理装置1220bから受信強度5の電波を受信し、情報処理装置1220kから受信強度3の電波を受信するはずであり、情報処理装置1220gは、情報処理装置1220bから受信強度3の電波を受信し、情報処理装置1220kから受信強度5の電波を受信するはずであることが理解できる。即ち、両情報処理装置において、情報処理装置1220bと情報処理装置1220kとから受信する電波の受信強度が実際には、逆転していることが理解できる。したがって、このような場合には、配置物1210gの配置の天地が逆転していることが理解できる。これは、左右の向きにおいても同様のことがいえる。
【0111】
また、他の一例を、
図14を用いて説明する。
図14(a1)は、情報処理装置1420a2、1420b1、1420b2、1420c1、1420c2、1420d1、1420d2、1420x1、1420x2が正しい位置関係で配されている一例を示している。このとき、情報処理装置1420x1、1420x2を備えている配置物の配置位置の検証と配置が間違っている場合の誘導について説明する。
図14(a1)に示す配置になっている場合に、情報処理装置1420x1が受信した他の情報処理装置からの電波に受信強度に基づく検証情報が図(a2)の上側に示す値であったとする。また、情報処理装置1420x2が受信した他の情報処理装置からの電波に受信強度に基づく検証情報が図(a2)の下側に示す値であったとする。
【0112】
そこで、あるとき、各情報処理装置を備えた配置物を配置したときに、
図9(b1)に示す位置関係で配されたとする。そして、このとき、情報処理装置1420x1と、情報処理装置1420x2それぞれは、
図9(b2)に示す信号強度で、他の情報処理装置から信号を受信したとする。すると、検証サーバ100は、
図9(b2)に示す情報と、検証情報121に含まれる
図9(a2)に示す情報とを比較する。即ち、
図9(a2)の1420x1の検証情報と、
図9(b2)に示す1420x1の電波情報とを比較する。同様に、即ち、
図9(a2)の1420x2の検証情報と、
図9(b2)に示す1420x2の電波情報とを比較する。この比較の結果、検証サーバ100は、受信強度が全て一致しないと判定し、情報処理装置1420x1、1420x2が正しい位置関係で配置されていないと判定し、その旨を報知する。
【0113】
ここで、検証サーバ100は、情報処理装置1420x1の検証情報と、1420x1の電波情報との比較の結果、情報処理装置1420a2から受信した信号の受信強度「7」が、望ましい値「10」よりも小さく、情報処理装置1420b1から受信した信号の受信強度「7」が、望ましい値「5」よりも大きく、情報処理装置1420b2から受信した信号の受信強度「7」が、望ましい値「2」よりも大きく、情報処理装置1420c1から受信した信号の受信強度「7」が、望ましい値「3」よりも大きく、情報処理装置1420d1から受信した信号の受信強度「2」が、望ましい値「5」よりも小さく、情報処理装置1420d2から受信した信号の受信強度「2」が、望ましい値「2」に等しい値となっていることが理解できる。その結果、検証サーバ100は、情報処理装置1420x1を、情報処理装置1420a2、1420d1に近づくように、かつ、情報処理装置1420b1、1420b2、1420c1から遠ざかるように情報処理装置1420x1の位置を誘導する。同様に、検証サーバ100は、情報処理装置1420x2を、情報処理装置1420c1、1420b2に近づくように、かつ、情報処理装置1420d1、1420d2、1420a2から遠ざかるように情報処理装置1420x1の位置を誘導する。
【0114】
したがって、その結果、
図14の例で言えば、検証サーバ100は、
図14(c1)の矢印で示す方向に移動させればよい(回転させればよい)と認識することができる。このように、検証システム1においては、配置物の向きを回転させるような誘導を行うこともできる。
【0115】
よって、検証サーバ100は、このような場合には、出力部150から、配置物1210gの配置の向きを変更するように報知することもできる。
【0116】
このように、検証サーバ100は、1つの配置物210に複数の情報処理装置220を備えることにより、配置物210について、その配置の向きまで正しいか否かを検証することができるようになる。なお、ここでは、第1の実施形態に対する変形例として示したが、第2の実施形態において、配置物210が複数の情報処理装置220を備えてもよいことは言うまでもないことであり、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0117】
(補足)
上記実施形態に係る装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
【0118】
(1)上記実施形態において、検証サーバ100は、更に、各情報処理装置220から電波情報を受信し、電波を発信した発信源と、その発信源から発信された信号を受信したときの受信強度とに加えて、更に、電波情報を受信した時刻情報を対応付けて、記憶部120に記憶しておくこととしてもよい。即ち、各配置物が、いつ、どのような位置関係で配されていたかの履歴情報をとるように構成することとしてもよい。この履歴情報を記憶しておくことにより、所望のタイミングでの位置関係に、配置物の位置関係を戻すことができるようになる。一例として、机や椅子、棚などを配置物とし、そこに情報処理装置220を設けて、屋内のレイアウトを変更した後でも、ユーザにとって好ましかったときのレイアウトに戻すことができるようになる。例えば、第1レイアウト→第2レイアウト→第3レイアウトと部屋のレイアウトを変化させた場合に、一つ前のレイアウト(第2レイアウト)に戻すのは比較的容易であっても第1レイアウトに戻すのは、ユーザが配置を忘れてしまったりして困難になることが多いが、本検証システム1を利用すれば、第1レイアウトに戻すことが容易になる。また、例えば、地震などの原因により家屋等が倒壊したときなど、各種の部品を元の位置に戻したり、城の石垣等が崩れたときなどにも、元の状態を復元するのに役立てたりすることができる。
【0119】
(2)上記実施形態においては、情報処理装置220が受信電波情報460として送信する情報について特に制限はかけておらず、受信した電波全てについて送信する構成となっている。しかし、これはその限りではなく、受信した電波全ての情報を受信電波情報として送信せずともよい。即ち、検証サーバ100が、情報処理装置の配置位置の正誤を判断できる程度の情報を送ればよく、例えば、情報処理装置220は、受信強度が所定以上の電波の情報のみを、電波情報450に含ませて送信することとしてもよい。
【0120】
(3)上記実施形態においては、検証サーバ100は、情報処理装置220各々が、それぞれ検証情報で示される他の情報処理装置220から所定の受信強度で電波を受信で来ているか否かによって、配置位置を検証しているが、配置物210の配置位置が厳密でない場合には、例えば、各情報処理装置について、指定されている他の情報処理装置の電波を受信できているか否かだけで検証を行うこととしてもよい。このとき、所定の受信強度以上で受信できているか否かまで検証することとしてもよい。
【0121】
(4)上記実施形態においては、検証サーバ100が配置物210の配置位置を検証することとしたが、これはその限りではない。各配置物の配置値が定まっており、それぞれの情報処理装置について、電波の発信源からの電波の受信強度を定義できる場合に、情報処理装置が検証部131の機能を有することとしてもよい。この場合、各情報処理装置は、検証情報として、自装置が受信すべき他の情報処理装置の識別情報と、その他の情報処理装置からの電波を受信すべき受信強度との情報のみを記憶しておけばよい。また、このような場合に、情報処理装置は、自装置が正しい位置にあるか否かを報知するための報知手段を備えることとしてもよい。更には、情報処理装置は、他の情報処理装置と通信を行って、正しい位置関係になるように、自装置を近づける対象となる他の情報処理装置を発光させるなどして、配置位置の誘導を行う機能も有してよい。
【0122】
(5)検証サーバ100の制御部130は、更に、以下の機能を有してもよい。即ち、各情報処理装置220から受信した電波の発信源からの電波の受信強度に基づいて、情報処理装置間の相対位置関係を図示化する機能を有してもよい。そして、図示化した相対位置関係を検証サーバ100に接続された表示部(ディスプレイ)に表示することとしてもよい。この構成により、オペレータは、視覚的に、情報処理装置各々が正しい位置関係にあるか否かを認識することができる。また、予め配置物の配置を示す配置図が有る場合に、その配置図との比較を行うことで、オペレータは視覚的に、どの配置物を移動させれば、所望の配置になるかを認識しやすくなる。
【0123】
(6)本開示の各実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。記憶媒体は、HDDやSDDなどの任意の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。
【0124】
なお、検証サーバ100や情報処理装置220は、例えば、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。また、当該プログラムは、任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、検証サーバ100に提供されてもよい。検証サーバ100や情報処理装置220は、例えば、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
【0125】
なお、当該プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective―C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0126】
検証サーバ100における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、検証サーバ100や情報処理装置220の各機能部は、上記実施形態に示した機能を実現する1または複数の回路によって実現されてもよく、1の回路により複数の機能部の機能が実現されることとしてもよい。
【0127】
(7)本開示の実施形態を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、各実施形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。