(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記求められた粘度を比較する前記ステップは、前記粘度が一定範囲の第1の基準値を下回るかどうか、又は前記範囲の第2の基準値を上回るかどうかを判定するステップを含む、
請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、一般に周囲温度において固体又は高粘度である加熱材料を搬送して分注するシステムに関する。いくつかの実施形態では、装置が、材料のための加熱源(heated source)と、1又は2以上の加熱導管と、加熱又は非加熱分注器と、内部加熱装置を有するポンプとを含むことができる。例えば、ポンプは、その最も外側の表面内に配置された1又は2以上の加熱装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、分注される材料として、チョコレート、カカオバター、チョコレート化合物、食用油(例えば、植物油)及び/又はバターなどの食品材料を挙げることができる。いくつかの実施形態では、システムが、例えば最も外側の表面内に内部加熱装置が配置されたフィルタ装置を含むこともできる。フィルタを、ヒータカートリッジを受け取るように構成できることも検討される。いくつかの実施形態では、システムが、非加熱導管、フィルタ及び/又はレギュレータなどのシステムの構成要素を内包するように構成された1又は2以上の断熱容器を含むことができる。システムは、材料の塗布を改善する方法を実行するように構成された1又は2以上の制御システムを含むこともできる。例えば、これらの制御システムは、制御回路と、1又は2以上のセンサと、材料を塗布する態様を制御するように構成されたアクチュエータとを含むことができる。これらの制御システムは、流量及び粘度などのパラメータを検出し、構成要素を操作して加熱材料の塗布を改善するように構成することができる。
【0023】
本明細書における例示的な実施形態は、チョコレート化合物などの加熱食品材料を食品の表面上に搬送して分注することに関するが、このような実施形態は例示であり、限定を意図するものではない。本開示は、限定するわけではないが、チョコレート、油、バター及びアイシングを含む多くの異なる食品材料にも、接着剤、シリコーン、プラスチック及びゴムなどの非食品材料にも応用される。また、本開示は、食品の表面だけでなく、あらゆる表面上への加熱材料の分注に応用することができる。例えば、システムは、回路基板又は半導体などの表面に材料を塗布するように構成することもできる。本明細書で使用する加熱装置は、ポンプによって搬送される材料に熱を付与する複数の異なる装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポンプ加熱装置が、ポンプの内部に配置された電気加熱装置を具体化することができる。しかしながら、これに加えて、又はこれとは別に、ポンプは、他のタイプの加熱装置を含むこともできる。
【0024】
本明細書で言及する加熱材料とは、周囲環境に起因して起こり得るあらゆる加熱以上に材料に熱が加わるような加熱時に周囲温度の時よりも粘度が低下する材料のことである。周囲温度とは、室温などの、ポンプの外部のポンプの周囲環境を意味する。いくつかの実施形態では、材料(例えば、チョコレート、バター又は油)が、周囲温度において固体、又は加熱時よりも高粘度となり得る。室温の例は、約68°F〜約77°Fであるが、この温度範囲は限定ではない。例えば、チョコレートは、約100°F〜130°Fで加熱し、供給部から分注器に搬送する際に一定範囲(例えば、約±2°F)内に維持することが必要となり得る。
【0025】
加熱食品材料を搬送して分注するシステム
図1に、加熱材料Mを基材49上に搬送して分注するシステム10を概略的な形で示す。いくつかの実施形態では、システム10が、加熱材料Mの供給部12を含むことができる。供給部12は、例えば加熱材料Mを収容して選択温度又は選択温度範囲内に加熱するように構成された加熱容器14とすることができる。加熱材料Mは、例えば室温において固体又は高粘度の材料とすることができる。加熱材料Mの例としては、限定するわけではないが、チョコレート、バター、油及びアイシングが挙げられる。供給部加熱装置16は、通常は室温を上回ることができる選択温度又は選択温度範囲に材料Mを加熱できるように、容器14と熱伝達関係又は熱交換関係にあることができる。例えば、加熱材料Mは、約100°F〜約130°Fの範囲に加熱して、例えばそれぞれ約±2°Fの範囲内で供給部12から1又は2以上の分注器44に搬送することができる。(単複の)分注器44は、コンベヤ51上を進んできた基材49上に加熱材料Mを塗布することができる。基材49の例としては、限定するわけではないが、ウエハース、クッキー、パン、クラッカー及び果肉が挙げられる。
【0026】
供給部12は、第1の供給ホースコネクタ20を取り付けることができる供給部出口18を含むことができる。第1の供給ホースコネクタ20は、供給導管22の第1の端部22aに連結することができる。供給導管22の第2の端部22bは、第2の供給ホースコネクタ28を含むポンプ26のポンプ入口24に連結することができる。供給導管22の第1の端部22aは、ポンプ26のポンプ入口24において生成される負圧又は吸引力によって加熱材料Mを供給導管22に引き上げるサイホン管30に連結することができる。いくつかの実施形態では、サイホン管30の上端が、供給部出口18として機能することができる。ポンプ26は、吸引型ポンプ又はサイホン型ポンプとすることができる。これに加えて、又はこれとは別に、供給部12は、供給部12から加熱材料Mに対して正圧を生成するポンプを含むこともできる。供給導管22の第2の端部22bは、再循環バルブ54のT字型連結部に連結することができる。再循環バルブ54を省いて固定オリフィスを設けることもできる。
【0027】
供給導管22は、供給部12からポンプ入口24までの加熱材料Mの流路をもたらすいずれかの導管又はホースとすることができる。いくつかの実施形態では、供給導管22が、供給ホース加熱装置34に連結された供給ホース32を含むことができ、供給ホース加熱装置34は、供給ホース32内の加熱材料Mに熱を付与するように構成される。或いは、供給ホース32が、加熱供給部12とポンプ入口24との間で熱又は温度の許容可能な又は一切の損失が生じないような長さ及び設計である場合、或いは、供給ホース32が、本明細書で説明するような断熱容器に内包されている場合には、供給部加熱装置34を省くこともできる。
【0028】
ポンプ26は、複数の異なるタイプのアクチュエータ74によって駆動することができる。いくつかの実施形態では、ポンプ26が、ピストン式液圧変位アクチュエータを含むことができる。例えば、ポンプ26は、空気圧モータ76などの線形変位アクチュエータを含むことができる。しかしながら、多くの異なるタイプの空気圧モータを使用することも、或いは限定するわけではないが電気モータを含む多くの異なるタイプのアクチュエータを使用することもできる。さらに、ピストン型ポンプ以外の多くの異なるポンプ構成及びポンプタイプを使用することもでき、この場合、使用する特定のタイプのポンプ26に合わせてポンプアクチュエータ74を選択することができる。空気圧モータ76は、システム10が設置された施設の工場空気78などの周囲空気78によって動作することができる。降下脚部(drop leg)80を用いて空気を空気圧モータ76に分岐させることができ、必要に応じて空気遮断バルブ82及び任意の空気フィルタ/レギュレータ/ゲージ組立体84を設けることもできる。空気圧モータ76は、フィルタ/レギュレータ/ゲージ組立体84からの空気ホース88に連結された空気入口86を含むことができる。
【0029】
ポンプ26は、好適な第1の給送導管コネクタ38を取り付けることができるポンプ出口36を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の給送導管コネクタ38が、クランプを含むことができる。第1の給送導管コネクタ38は、給送導管40の第1の端部40aにさらに連結することができる。給送導管40の第2の端部40bは、第2の給送導管コネクタ46を用いて1又は2以上の分注器44の分注器入口42に連結することができる。ポンプ26は、ポンプ出口36を通じて、加圧された加熱材料Mを給送導管40内に排出することができる。ポンプ26は、ポンプ加熱装置26aを含むことができる。
【0030】
給送導管40は、ポンプ出口36から分注器入口42への加熱材料Mの流路をもたらすいずれかの圧力導管又は圧力ホースとすることができる。いくつかの実施形態では、給送導管40が、圧力給送導管48と、給送導管内の加熱材料Mに熱を付与するように構成された加熱装置50とを含むことができる。給送導管40は、圧力給送導管48内の加熱材料Mの温度を検出するように構成された給送導管温度センサ62Dを含むこともできる。
【0031】
システム10は、任意の排出バルブDを含むフィルタFと、圧力給送導管48に沿って配置されたレギュレータRとをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、フィルタFが、例えばポンプ26の加熱装置26aと同様の構造を含む内部加熱装置を含むことができ、或いはフィルタFを非加熱とすることもできる。レギュレータRは、例えば手動式レギュレータなどのいずれかの好適なレギュレータとすることができる。これに加えて、又はこれとは別に、レギュレータRは、例えば制御回路72からの信号に基づいて加熱材料Mの圧力を調整するように構成された1又は2以上のステップモータ(図示せず)を含むこともできる。フィルタF及びレギュレータRは、圧力給送導管48を1又は2以上の別個のセグメントに分割することができる。フィルタF及び/又はレギュレータRは、非加熱として加熱容器401に内包することができる。
【0032】
(単複の)分注器44は、基材49上に加熱材料Mを分注するのに適した複数の異なるタイプの分注器を含むことができる。(単複の)分注器44は、調整可能なオリフィス45に基づいて、加熱材料Mのストリーム47を基材49上に選択的に分注するように構成することができる。使用できる分注器の例としては、限定するわけではないが、上述したオハイオ州ウェストレイクのNordson社から市販されているBlue Series(商標)ブランドの塗布器が挙げられる。(単複の)分注器44は、加熱することも又はしないこともできる。いくつかの実施形態では、(単複の)分注器44が、例えば加熱マニホールド、及び/又は加熱材料Mに熱を与えて分注器を通って分注器オリフィス45に至る加熱材料の選択温度範囲を維持するその他の加熱装置などの、分注器加熱装置43を含むことができる。いくつかの実施形態では、分注器加熱装置43を(単複の)分注器44の底部に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、分注器加熱装置43を省くこともできる。(単複の)分注器44は、コンベヤ51に対して複数の異なる角度で配向することができる。例えば、(単複の)分注器44は、基材49の側面に1又は2以上の被覆を選択的に塗布するために、コンベヤ51に対して合成角で配向することができる。いくつかの実施形態では、
図21A〜
図21Cに関してさらに説明するように、システム10が、コンベヤ51に対して鏡状構成(mirrored configuration)で配置された複数の分注器44を含むことができる。分岐する圧力給送導管48は、例えばY字型継手を通じて加熱材料Mを供給することができる。複数の分注器44の下流には、分岐する戻り導管52も同様に存在することができる。
【0033】
システム10は、任意の再循環バルブ54に連結する加圧された戻り導管52を任意に含むことができる。(単複の)分注器44が基材49上に加熱材料Mを塗布していない時には、供給ホース32を介して加熱材料M’を供給部12に戻すことが望ましいと考えられる。これは、循環バルブ54を開くことによって行うことができる。システム10の洗浄又はパージが行われている場合には、任意の排出バルブ56を開いて、材料M’の流れを、廃棄物容器60又はその他の容器又は廃棄場につながる排出ホース58内に流入させることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、システム10が、システム10の構成要素を内包するように構成された1又は2以上の断熱容器401、501を含むことができる。例えば、断熱容器401、501は、システム10の非加熱構成要素を内包する環境制御チャンバ(environment controlled chamber)402、502を提供するように構成することができる。例えば、
図1に示すように、断熱容器401は、少なくとも加熱されていない圧力給送導管48の非加熱部分、加熱されていないフィルタF、及び/又は(単複の)分注器44の上流の加熱されていないレギュレータRを内包することができる。第2の断熱容器501は、流量センサ69C及び圧力センサ70Cなどの、(単複の)分注器44の下流に存在するシステム10(例えば、導管52)の構成要素を内包することができる。これに加えて、又はこれとは別に、第2の断熱容器501は、導管、再循環バルブ54、ボールバルブ及び/又は噴霧式圧力制御マニホールド(図示せず)の露出部分のうちの1つ又は2つ以上を内包することもできる。断熱容器401、501の壁部には、チャンバ402、502の内部及び外部に流路をもたらすように少なくとも1つの開口部を設けて導管48、52に結合させることができる。(
図20A〜
図20Bに示すように)断熱容器401、501は、断熱材で裏打ちされた剛体材料と、チャンバへのアクセスを可能にする開き戸とを含むことができる。(
図20A〜
図20Bに示すように)断熱容器401、501は、加熱装置、温度センサ及びファンなどの、チャンバの環境を制御する計器を内包することもできる。
【0035】
システム10の加熱装置は、抵抗加熱装置、誘導加熱装置及び/又は磁歪加熱装置を含むことができる。加熱装置は、特定の装置のメーカーによって含めることができる。例えば、好適な塗布器又は分注器44は、オハイオ州ウェストレイクのNordson社から市販されているBlue Series(商標)ブランドの塗布器からのものとすることができ、ポンプ加熱装置26aに使用できるコイルヒータは、例えばミシガン州バトルクリークのNextThermal(商標)社から市販されており、ホースヒータ付きホースは、例えばオハイオ州ウェストレイクのNordson社から市販されている自動RTDホース系列である。これらの装置は、(本明細書で説明する)温度センサと共に利用することもできる。
【0036】
加熱装置は、多くの異なる入力に基づいて制御することができ、システム10内の加熱材料Mのための様々な温度帯を生成するように構成することができる。例えば、システム10の1又は2以上の温度帯は、加熱材料Mの循環時に十分な熱を伝えるために、材料Mの所望の稼働温度よりも高くすることができる。例えば、さらなる熱を付与する必要がある1又は2以上の温度帯では、加熱材料Mを速やかに流すことができる。例えば、加熱材料Mは、約110〜115°Fの所望の稼働温度を有することができるが、1又は2以上の温度帯では、ヒータが、加熱材料を125〜180°Fに昇温させるのに十分な熱を付与することができる。従って、システム10は、十分な熱を供給するように個々の温度帯を制御することができるので、高価な蓄熱器を伴わずに様々な流量に対応するように温度帯を制御することができる。例えば、流れが低速化又は停止した場合には、多くの異なる入力に基づいて過熱のリスクを抑えるように加熱装置を制御することもできる。
【0037】
1又は2以上の温度センサは、流路FPに沿った加熱材料Mの温度をモニタするように構成することができる。例えば、供給部12内には、供給部内の加熱材料Mの温度を検出して出力信号を生成する供給温度センサ62Aを設けることができる。ポンプ26内には、ポンプ内の加熱材料Mの温度を検出して出力信号を生成するポンプ温度センサ62Bを設けることができる。供給ホース32には、供給ホース32内の加熱材料Mの温度を検出して出力信号を生成する供給ホース温度センサ62Cを設けることができる。給送導管48には、給送導管内の加熱材料Mの温度を検出して出力信号を生成する給送導管温度センサ62Dと、分注器内の加熱材料Mの温度を検出して出力信号を生成する分注器温度センサ62Eとを設けることができる。必要に応じて、限定するわけではないが、抵抗温度検出器又は周知のRTDタイプの装置、サーモスタット及び熱電対を含む多くのタイプの温度センサを使用することができる。使用する温度センサのタイプ、及び温度センサが加熱材料Mの温度を検出する度合いは、制御システムのタイプ、及び特定の用途に合わせて実装される全体的なシステム設計に依存することができる。例えば、実施形態によっては、より高精度で温度を検出することが望ましい場合もあれば、実施形態によっては、温度が所望の範囲を上回るか、それとも下回るかを検出すれば十分な場合もある。
【0038】
1又は2以上の流量センサは、流路FPに沿った加熱材料Mの流量を測定するように構成することができる。例えば、供給ホース32には、供給部12からの加熱材料Mの流量を検出する供給流量センサ69aを連結することができ、給送導管48には給送流量センサ69bを連結することができ、戻り導管52には戻り流量センサ69cを連結することができる。いくつかの実施形態では、流量の検出を向上させるように、導管32、48、52のうちの1つ又は2つ以上に複数の流量センサ69(A〜C)を設けることができる。流量センサ69(A〜C)は、多くの異なる構造を含むことができる。例えば、流量センサ69(A〜C)は、導管32、48、52の内部に配置された回転式ポテンショメータを含み、流体流の流量に基づいて信号を生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、流量センサ69(A〜C)を導管32、48、52の外部に配置し、レーザー式干渉計及び/又はドップラー式計測を通じて流量を測定して信号を生成するように構成することができる。
【0039】
1又は2以上の圧力センサを用いて、流路FPに沿った加熱材料Mの圧力を測定することもできる。例えば、供給ホース32には、供給部12からの加熱材料Mの圧力を検出する供給圧センサ70aを連結することができ、給送導管48には供給圧センサ70bを連結することができ、戻り導管52には戻り圧センサ70cを連結することができる。いくつかの実施形態では、検出を向上させるように、導管32、48、52のうちの1つ又は2つ以上に複数の圧力センサ70(A〜C)を設けることができる。圧力センサ70(A〜C)は、導管32、48、52を通る加熱材料Mの流量を検出するように構成された多くの異なる構造を含むことができる。例えば、圧力センサ70(A〜C)は、加熱材料Mの圧力に基づいて信号を生成するように構成された圧電センサを含むことができる。圧力センサ70(A〜C)は、光学測定を通じて流量を測定して信号を生成することもできる。
【0040】
制御回路72は、ヒータ、温度センサ62(A〜E)、流量センサ69(A〜C)及び圧力センサ70(A〜C)のうちの1つ又は2つ以上などのシステムの構成要素と通信することができる。制御回路72は、様々なセンサ入力を受け取って、例えばそれぞれの加熱装置16、34、26A、50及び43の動作を制御する加熱装置制御信号73を生成するプログラマブル回路とすることができる。制御回路72は、加熱材料Mの流体流を調整するポンプアクチュエータ74などの、システム10の他の構成要素のための制御信号を生成するように構成することもできる。
【0041】
制御回路72は、限定するわけではないが、例えば閉ループPID制御法などの適切な制御アルゴリズムを実行するプログラマブルマイクロコントローラ、PLC、個別回路部品及びASIC型コントローラを含む多くの異なる形態及び構成で実現することができる。生成される制御信号72のタイプ、及び加熱装置を制御するために使用する制御アルゴリズムは、使用される加熱装置のタイプと、特定の用途に必要な制御の度合いとに基づいて選択することができる。抵抗ヒータでは、発生する熱の量を制御し、加熱材料Mの温度を選択温度範囲内に制御して維持するために、制御回路72を、電流、電圧、周波数、振幅及びサイクルオン/オフ時間のうちの1つ又は2つ以上を調整する制御信号を加熱装置に対して生成するように構成することができる。制御回路72は、分注器44の動作中にも、分注器44が基材49上に材料を分注するように動作していない加熱材料M及びM’の再循環中にも、加熱材料Mの温度を維持するように構成することができる。制御回路72は、例えば温度センサ62(A〜E)、流量センサ69(A〜C)及び圧力センサ70(A〜C)からの信号に基づいて、加熱材料Mの流量及び/又はシステム10内の加熱材料Mの量を調整するポンプアクチュエータ74を作動させるように構成することができる。さらに、制御回路72は、(単複の)分注器44の噴霧設定などの他の構成要素を調整するように構成することもできる。
【0042】
ユーザインターフェイス200は、制御回路72との間でデータを伝送するように構成するとともに、ユーザからの入力を受け取り、及び/又はユーザへの出力を生成するように構成することができる。ユーザインターフェイス200は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット及び/又はウェアラブル装置を含むことができる。ユーザインターフェイス200は、ユーザに対してアプリケーションのグラフィカルユーザインターフェイスを示すディスプレイを含むことができる。ユーザインターフェイス200は、タッチ感知面、スタイレット、キーボード、ボタン、マウス及び/又はポインタを含むこともできる。例えば、ユーザインターフェイス200は、システム10の異なる構成要素の稼働温度及び低下温度を制御するように構成することができる。ユーザインターフェイス200は、ユーザがシステム10全体を通じて異なる温度帯を確立するようにヒータを調整するのを可能にすることができる。ユーザインターフェイス200は、システム10の修正が必要な時にユーザに通知を出力するように構成することもできる。
【0043】
要約すれば、これによってシステム10は、加熱供給部12から供給導管22、ポンプ26、給送導管40を通じて分注器44に加熱材料Mを搬送する(
図1に方向矢印FPで示し、流路内の加熱材料を参照記号Mで示す)加熱流路を提供する。いくつかの実施形態では、供給部12、供給管路22、ポンプ26、給送管路48、分注器44及び/又は断熱容器401、501のうちの1つ又は2つ以上が、加熱装置を含むことができる。加熱装置は、搬送動作及び分注動作全体にわたり、流路FPに沿って加熱材料Mを所望の温度に維持することができる。システム10は、センサから受け取った信号に基づいて、加熱材料Mの分注を改善するようにシステム10の構成要素を操作するよう構成することもできる。
【0044】
液圧ポンプ&アクチュエータ組立体
図2及び
図4に示すように、いくつかの実施形態では、液圧ポンプ&アクチュエータ組立体90が、アクチュエータ区画92と、駆動系区画94と、液圧区画96とを含むことができる。アクチュエータ区画92は、空気圧モータ76の形で実現することができ、液圧区画96は、ポンプ26の形で実現することができる。いくつかの実施形態では、ポンプ26を、本明細書で説明するような液圧ポンプとすることができる。駆動系区画94は、空気圧モータ76の動作によってポンプ26の線形作動又は線形駆動が生じるように、空気圧モータ76とポンプ26との間に機械的結合をもたらすことができる。空気圧モータ76及びポンプ26は、例えば構造壁又は構造パネル98、或いは他のいずれかの好適な構造上に支持することができる。空気圧モータ76は、壁部98に取り付けられた第1の棚部100上に載置することができ、ポンプ26は、壁部98に取り付けられた第2の棚部102から垂下するように支持することができる。空気圧モータ76は、継手108を通じてプランジャ106に結合されたピストンシャフト104を含むことができる。
【0045】
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、空気圧モータ76が、ピストン圧チャンバ112内に受け取られてピストン圧チャンバ112を上部112aと下部112bに分割する空気圧ピストン110を含むことができる。ピストン110は、ピストンヘッド114と、駆動系区画94内に下向きに延びることができるピストンシャフト104とを含むことができる。ピストンヘッド114とピストン圧チャンバ壁118との間には、1又は2以上のピストンシール116を用いて動的シール又は摺動シールを設けることができる。ピストンヘッド114の上方のピストン圧チャンバ112の上部112a内には、第1の空気入口120によって加圧空気が供給され、ピストンヘッド114の下方のピストン圧チャンバ112の下部112bには、第2の空気入口122によって加圧空気が供給される。摺動弁又はスプール弁などの制御弁124を用いて、空気圧モータ入口86の加圧空気が第1の空気入口120又は第2の空気入口122に流体的に接続される時間の切り換え及び制御を行うことができる。センサ(図示せず)又はその他の手段を用いて、制御弁124が第1の空気入口120と第2の空気入口122とを切り換えることによって軸Xに対するピストンシャフト104の(
図3の両方向矢印によって示す)往復線形作動及び動作を生じさせるようにピストンヘッド114の位置を決定することもできる。
【0046】
ピストンシャフト104は、上述したいずれかの好適な継手108によってプランジャ106に連結することができる。ピストンシャフト104が軸Xに沿って軸方向に並進運動すると、プランジャ106も軸Xに対して軸方向に並進運動することが好ましい。或いは、ピストンシャフト104とプランジャ106とが同軸上に整列しなくてもよい。いくつかの実施形態では、継手108を、例えばクランプ式又はスリーブ式の継手、或いは他の好適な継手とすることができる。継手108は、本明細書の任意の実施形態においてさらに説明する理由により、空気圧モータ76もポンプ26も軸方向に動かす必要なくピストンシャフト104をプランジャ106から容易に分離できることが好ましい。ピストンシャフト104とプランジャ106とが異なる外径を有する場合には、必要に応じて継手アダプタ126を使用することもできる。
【0047】
空気圧モータ入口空気ホース88に給気ホース130を連結する空気ホース取り付け具128を設けることもできる。給気ホース130は、本明細書で言及した加圧工場空気を受け取ることができる。
【0048】
次に、
図5〜
図8を参照すると、ポンプ26は、オンデマンド複動液圧式サイホンポンプとすることができる。オンデマンドとは、分注器44又は他の下流の用途装置がポンプ出口36から加熱材料Mを引き込み始めた時にのみポンプが動作することを意味する。分注器44の動作又は再循環動作モード、或いは別の下流装置によって加熱材料Mが要求されると、事実上これによってポンプ出口36が流れに対して開き、ポンプチャンバ内の加熱材料の圧力が低下して、空気圧モータ76の動作が再開する。複動とは、ポンプ26がプランジャ106の両ストローク中にポンプ出口36を通じて加熱材料を連続的に排出するように動作することを意味する。サイホンポンプであるポンプ26は、供給部12からポンプ26内に加熱材料Mを吸い込む又は引き込む吸引力をポンプ入口24において生成する。
【0049】
いくつかの実施形態では、ポンプ26が、(本明細書ではポンプ本体又はポンプシリンダ134とも呼ぶ)ポンプチャンバシリンダ134を密接に取り囲む加熱装置ケーシング132を含むことができる。ポンプシリンダ134は、内部ポンプチャンバ136を画定し、ここを通じて加熱材料Mが圧力下でポンプ入口24からポンプ出口36に圧送される(なお、
図7では、ポンプ出口36は見えない)。加熱装置ケーシング132は、ポンプシリンダ134の外面134aを密接に取り囲むことができ、好ましくは外面134aに取り付けられる。ポンプチャンバ136は、上端をポンプヘッド138で閉じることができ、下端をサイホンハウジング&逆止弁組立体140で覆うことができる。ポンプシリンダ134とポンプヘッド138との間には、第1のガスケット142を用いて圧力及び液密シール界面を設けることができる。ポンプシリンダ134とサイホンハウジング&逆止弁組立体140との間には、第2のガスケット144を用いて圧力及び液密シール界面を設けることができる。
【0050】
プランジャ106は、その遠位端が継手108(
図3)に連結できるようにポンプヘッド138の開口部146を通って延びていることが分かるであろう。第1のクランプ152がポンプシリンダ134をポンプヘッド138にしっかりと取り付けることができるように、ポンプヘッド138は、ポンプヘッドテーパ状起伏部(pump head tapered relief)148を含むことができ、ポンプシリンダ134は、シリンダテーパ状起伏部(cylinder tapered relief)150を含むことができる。同様に、サイホンハウジング&逆止弁組立体140をポンプシリンダ134に取り付けるには、第2の又はサイホンハウジングクランプ154を使用することができる。クランプ152及び154の設計は、例えば当業で周知のような、食品に適した衛生的な連結部(food fitting sanitary connection)とすることができる。
【0051】
ポンプ出口36は、ポンプシリンダ134の壁部と加熱装置ケーシング132とを貫いて横方向に延びる出口ポート156を含むことができる。出口ポート156は、内部ポンプチャンバ136に対して開き、加熱材料が汲み上げられてポンプ入口24とポンプ出口36との間で加圧された時に、加熱材料を排出又は流出できるようにする。固定位置動的シール(fixed position dynamic seal)158は、プランジャ106を取り囲み、ポンプシリンダ134にねじ162で取り付けることができるシールプレート160によって適所に保持される。シールプレート160は、動的シール158がプランジャ106の外面に対して半径方向に荷重を受けるように動的シール158に圧縮荷重を加える。動的シール158は、例えば周知のようなU字カップ型ピストンシールなどのいずれかの好適なシール装置とすることができる。シール158は、ポンプの動作時にプランジャ106の外面と滑り接触するので、動的シール型装置であることが好ましい。Oリング又はその他の好適な静的シール164は、ポンプヘッド138とシールプレート160との間にシール界面をもたらす。静的シール164は、洗浄中又はその他のメンテナンス作業中に水又はその他の汚染物質などの流体がポンプ26内に浸入するのを防ぐ役割を果たす。
【0052】
とりわけ
図7を参照すると、サイホンハウジング&逆止弁組立体140は、サイホンハウジング166と、サイホン逆止弁座170を含むことができる第1の又はサイホン逆止弁168と、いくつかの実施形態では球状ボールとすることができるサイホン逆止弁部材172と、サイホンボールケージ174と、1又は2以上のサイホンボール保持部材176とを含むことができる。サイホン逆止弁168は、プランジャ106が軸方向上向きのストロークで動いている時に開き(すなわち、サイホンボールバルブ部材172がサイホン逆止弁170から離座し)、プランジャ106が軸方向下向きのストロークで動いている時に閉じる(すなわち、サイホンボールバルブ部材172がサイホン逆止弁170に着座する)。サイホン逆止弁座170は、ポンプチャンバ136の入口オリフィスとなって、ポンプ26の半ストロークサイクル中に供給部12からポンプチャンバ136内に加熱材料Mが流入できるようにする。サイホンハウジング166は、第2の又はサイホンハウジングクランプ154を用いてポンプシリンダ134の下端に連結することができる。必要に応じて、ガスケット155を用いてサイホンハウジング166とポンプシリンダ134との間に液密シールを設けることもできる。サイホン逆止弁座170は、サイホンハウジング166とサイホンボールケージ174との間にしっかりと保持される。必要に応じて、ガスケット167、169を用いて、サイホン逆止弁座170、サイホンハウジング166及びサイホンボールケージ174間に液密シール界面を設けることもできる。サイホンハウジング166は、供給ホースコネクタ28の半分を含むことができる。
【0053】
サイホンボールケージ174は、サイホンボールバルブ部材172をサイホン弁座と位置合わせするのに役立ち、サイホンボール保持部材176は、サイホンバルブ168が開いている時にサイホンボールバルブ部材172の軸方向移動を制限する。サイホンボール保持部材176は、あらゆる好適な形で実現することができ、いくつかの実施形態では、サイホンボールケージ174に取り付けられて少なくとも部分的にボールバルブ部材172の上方に延びる1又は2以上ダウエルピンを含むことができる。
【0054】
プランジャ106の上向きストローク中には、サイホンハウジング166内に負圧が生成されることにより、開いたサイホン逆止弁を通じて加熱材料Mが引き込まれる。プランジャ106の下向きストローク中には、正圧がボールバルブ部材172をサイホン逆止弁座170に再び着座させてサイホン逆止弁168を閉じる。
図3及び
図6では、プランジャの軸方向ストロークの往復運動の性質を両方向矢印によって示す。
【0055】
第2の又は上部逆止弁組立体178は、第2の逆止弁180と、第2の逆止弁座182と、球状ボールの形を取ることができる第2の逆止弁部材184と、第2の動的シール186と、シール保持体188と、第2の静的シール190とを含むことができる。第2の逆止弁座182は、ボールケージとしての役割を果たす延長部分182aを含むことができる。第2の逆止弁座182は、第2の逆止弁180が開いている時にポンプチャンバ136内に加熱材料Mが流入できるようにする1又は2以上の流体通路192を含むこともできる。第2の逆止弁180は、プランジャ106の軸方向下向きストローク中に開き、プランジャ106の軸方向上向きストローク中に閉じる。換言すれば、第2の逆止弁180は、サイホン逆止弁168が閉じている時に開き、サイホン逆止弁168が開いている時に閉じる。このように、ポンプ26は、プランジャ106の上向き及び下向きの両ストローク中に加熱材料Mがポンプチャンバ136から連続的に排出される複動ポンプである。第2の動的シール186は、ポンプシリンダ内面134bとの動的シール界面を提供する。シール保持体188は、第2の逆止弁座182に螺合接続することができ、第2の動的シール186とポンプシリンダ134の内面134bとの間に半径方向荷重が生じるように第2の動的シール186に圧縮荷重を加える。第2の静的シール190は、シール保持体188と第2の逆止弁座182との間の螺合接続部を保護するためのシールを提供し、例えばOリングなどのあらゆる好適なシールとすることができる。
【0056】
流体通路192は、プランジャ106の上向きストローク時に第2の逆止弁180が閉じることによって、第2の逆止弁180の上方の加熱材料Mが圧力下でポンプ出口36から外に排出されるようにサイズ決めされる。同時に、サイホン逆止弁168が開くので、加熱材料Mがポンプチャンバ136内に引き込まれる。プランジャ106の下向きストローク中には、サイホン逆止弁168が閉じて第2の逆止弁180が開くことにより、加熱材料Mが圧力下で流体通路192内に強制され、ポンプ出口36を通じて外に排出されるようになる。このように、ポンプチャンバ136内には常に加熱材料Mが存在して、ポンプ26の定常状態における稼働時にはポンプ出口36から連続的に流出する。従って、ポンプ26は、複動連続流オンデマンドサイホンポンプ(double acting continuous flow on−demand siphon pump)として機能する。このオンデマンド機能が(空気圧モータが入口空気圧を有している限り)動作する理由は、要求が解除されている時に(要求が解除されている時には、背圧が第2の逆止弁組立体178の両側に圧力均衡をもたらすのでプランジャ106が停止する)、プランジャ106の停止位置、及びプランジャ106が停止した時のプランジャ106の移動方向に関わらず、加熱材料Mの要求があり次第、ポンプシリンダ134内の圧力が瞬時に降下して空気圧モータ76によるプランジャ106の移動が可能になるからである。
【0057】
第2の逆止弁座182は、プランジャ106との螺合接続部194を有し、この螺合接続部194は、衛生上の理由で、例えばOリングなどの第3及び第4の静的シール196、198を用いて密封することができる。
【0058】
図5、
図8及び
図9には、ポンプ加熱装置26aをポンプ26の内部に配置されるように示している。内部とは、ポンプ26の最も外側のハウジング又は外側シェルの表面内に配置されたポンプ加熱装置26aが、加熱材料がポンプチャンバ136内を流れた時にポンプチャンバ136内の加熱材料に伝わる熱を生じることを意味する。従って、内部加熱装置は、ポンプ26の最も外側のハウジング又は外側シェルの表面の外部に配置されることによって必然的に加熱材料Mがポンプ入口24に入る前又は加熱材料Mがポンプ出口36から出た後に加熱材料Mに熱を与える外部加熱装置と区別することができる。本明細書で使用されるポンプ加熱装置26aは、例えばポンプ26の構造内に配置することができる、又はポンプチャンバ136を取り囲むポンプ構造と直接熱交換を行うことができる加熱装置を用いて実現することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、ポンプ加熱装置26aを、ポンプチャンバシリンダ134に取り付けることができる加熱装置300の形態で実現することができる。加熱装置300は、電流の通過時に熱を生じる抵抗性の配線束又はケーブル302を含むことができる。例えば、加熱装置300は、単一の連続配線束とすることも、或いは複数の配線束又は単一の導体を含むこともできる。加熱装置に使用できる材料の例としては、銅線が挙げられる。
【0060】
加熱装置300は可撓性であり、ポンプシリンダ134と密接に熱交換するようにポンプチャンバシリンダ134に取り付けられることによって、加熱装置300から内部ポンプチャンバ136内に熱を伝達できることが好ましい。
図5及び
図7に示すように、いくつかの実施形態では、加熱装置300を、ポンプシリンダ134の外面134aに形成できる溝又は凹部304内に配置することができる。加熱装置300は、加熱装置300とポンプシリンダ136との間に密接かつ強力な接触がもたらされるように溝304内に圧入し、又はかしめることができる。加熱装置は、溝304内にかしめることによって安定し、温度逸脱にも関わらず確実に適所に保持することができる。加熱装置300を外面134aから凹所に配置することによって、加熱装置ケーシング132をポンプシリンダ134上に滑らかな外観で配置できるとともに、加熱装置ケーシング132とポンプシリンダ134との間の隙間も最小化することができる。しかしながら、加熱装置300を凹所に配置することは必須でなくてもよい。加熱装置ケーシング132は、加熱装置300によって生成された熱がポンプシリンダ134の壁部を通じて加熱材料M内に伝わるように低熱伝導率を有することが好ましい。加熱装置ケーシング132に適した材料は、303ステンレス鋼、316ステンレス鋼、及び/又はセラミック又はプラスチックなどの非金属とすることができる。
【0061】
加熱装置300は、可撓性の配線束又はケーブル302の形を取る場合、加熱装置に曝される外面134aの表面積を増加させるのに望ましいあらゆる形でポンプシリンダ134に巻き回すことができる。例えば、
図5及び
図8に示すように、加熱装置300は、好ましくはポンプシリンダ134の長手方向及び円周方向に蛇行形態で又は別様に巻き回すことができる。加熱装置300をポンプシリンダ134上に設ける際のサイズ及び配置に関する度合いは、ポンプシリンダ134の熱伝導率、加熱装置300の発熱能力、及びポンプ26が加熱材料Mの吸入及び出力を行うのに必要な熱量に基づく設計上の選択になる。ポンプシリンダ134は、例えばステンレス鋼などの高熱伝導性材料で形成されることが好ましい。別の代替例では、例えば複数の配線束302を撚り合わせることもできる。
【0062】
食品材料では、多くの場合、加熱装置300が加熱材料Mと直接接触しないことが好ましいが、用途によってはそのような接触を許容できる場合もあり、非食品材料では、ポンプチャンバ136内の加熱材料Mと直接接触するような加熱装置300の配置を許容できる場合もある。例えば、加熱装置300は、内面134bの凹所に配置された溝内に取り付け又は配置することも、或いは内面134bを凹ませずに取り付けることもできる。
【0063】
加熱装置ケーブル302は、ポンプヘッド138の貫通孔307を通じてポンプ内部から引き出すことができる2つの電気的端部306a及び306bを含むことができる(
図8及び
図9を参照)。これらの電気的端部306a及び306bは、電気コネクタ308に接続することができる。電気コネクタ308は、制御回路72(
図1)に接続されることにより、制御回路72は、装置300によって生成される熱量を制御する出力をポンプ加熱装置26aに対して生成できるようになる。例えば、制御回路72は、温度センサ62Bの出力信号に少なくとも部分的に基づいて、加熱装置300内への電流量を調整することができる。電気コネクタ308は、ポンプ26を空気圧モータ76から分解した時に加熱装置300も容易に分離できるように、ポンプ26に近接して位置することが好ましい。
【0064】
図10〜
図12に、加熱装置300の別のレイアウト構成を示す。いくつかの実施形態では、加熱装置300をポンプシリンダ136に螺旋状又は渦巻状に巻き回すことができる。加熱装置300は、
図5〜
図9の実施形態と同様に溝304内に配置することもできるが、これは必須ではない。同様に、ポンプヘッド138を通じて加熱装置300の電気的端部306a、306bを引き出すこともできるが、これも必須ではない。
【0065】
内部加熱ポンプの様々な実施形態では、ポンプシリンダ134に触れると温かい又は熱いことがある。従って、任意のカバー(図示せず)を用いてポンプ26を内包することができる。
【0066】
次に
図4、
図8及び
図9を参照して分かるように、ポンプ26は、空気圧モータ76から素早く容易に分離するように促される。ポンプ26のプランジャ106は、継手108によって空気圧モータのピストンシャフト104に結合される。継手108は、プランジャ106をピストンシャフト104から軸方向の分離を必要とせずに横方向に分離できる設計であることが好ましい。換言すれば、継手108は、ピストンシャフト104とプランジャ106との間にゼロクリアランス結合をもたらす。なお、
図11から分かるように、プランジャ106の遠位端は、継手108との螺合接続部を有することもできる。
【0067】
ポンプ26を支持するのに役立つ第2の棚部102は、例えばU字形スロットなどのスロット310を含むことができる。スロット310には、第1のフランジ312を設けることができる。ポンプヘッド138は、さね継ぎ式係合を用いてスロット310の内外に容易に摺動できるように、スロット310に適合するU字形状を有するとともに第2のフランジ314を含むこともできる。ポンプヘッド138の第2のフランジ314は、ねじ316を用いて第2の棚部102の第1のフランジ312に固定することができる。ポンプ26を第2の棚部102に取り付けて支持した後には、継手108を用いてピストンシャフト104をプランジャ106に連結することができる。その後、ポンプ加熱装置26aが制御回路72に接続されるように、電気コネクタ308をその嵌合部品に接続することができる。
【0068】
ポンプ26を取り外すには、電気コネクタ308を切断し、継手108を取り外し、ねじ316を緩めた後で、ポンプ26をスロット310から容易に横方向に引っ張り出して空気圧モータ76の残部から分離することができる。
【0069】
再び
図4を参照して分かるように、アクチュエータ区画92及び駆動系区画94は、(破線で示す)任意のハウジング又はカバー318を用いて取り囲むことができる。カバー318は、ポンプヘッド138まで下向きに延びてポンプヘッド138に取り付けられることが好ましい。従って、プランジャ106の上端は、ハウジング318内に延びる。任意のカバー318を使用する際には、ポンプ26を空気圧モータ76から分離する前にカバー318を取り外す。
【0070】
ポンプ26内に漏れが存在する場合には、加圧された加熱流体Mがハウジング318内に漏出することがある。従って、任意の観察ポート320によって、最初にハウジング318を取り外す必要なく、ハウジング318内の継手108の領域を目視検査できるようにする。観察ポート320は、例えば覗き窓又は光パイプ322、或いは他の好適な装置を用いて実現することができる。いくつかの実施形態では、観察ポート320及び覗き窓322がポンプヘッド138に封止されて組み込まれるが、観察ポート320は、必要に応じて複数の観察ポートの形で設けることもできる。
【0071】
図13〜
図15を参照して分かるように、いくつかの実施形態では、加熱装置26a、1又は2以上の加熱装置330をポンプシリンダ332の周囲に分散させることができる。例えば、(単複の)加熱装置330は、硬質のケース内に配置された配線コイルを含むことができるカートリッジ式ヒータなどの加熱ロッド334を含むことができる。各加熱ロッド334は、その上端部がポンプから延び出るように、ポンプシリンダ332に設けられてポンプヘッド346の貫通孔344と整列できる盲孔336内に受け入れることができる。各ポンプヘッドの貫通孔344は、ねじ部338を含むことができる。各加熱ロッド334も、貫通孔のねじ部338に嵌合するねじ部340を有することができる。各加熱ロッド334は、取り付け時にはそれぞれの盲孔336内に垂下するが、ポンプシリンダ332との良好な熱交換をもたらすほど十分緊密に嵌合することが好ましい。加熱ロッド334上端は、電気コネクタを介して制御回路72に接続する電気接点342を含むことができる。
図13〜
図15の実施形態における他の全ての構成要素は、上述した実施形態と同じものとすることができるが、必ずしもそうでなくてもよい。加熱ロッド334がポンプシリンダ332の盲孔336内に配置されるので、ポンプシリンダ332の周囲に加熱装置ケーシング132を配置する必要はない。しかしながら、必要に応じてポンプカバー(図示せず)を設けることもできる。
【0072】
別の代替実施形態では、ポンプ26のための加熱装置を、加熱ケーブルの実施形態又は加熱ロッドの実施形態とは対照的に平坦な又は薄い加熱リボンの形態で実現することができる。
【0073】
フィルタ組立体
図16〜
図19を参照して分かるように、
図1のフィルタFは、内部加熱装置を備えることもできる。例えば、いくつかの実施形態では、フィルタ350が、ポンプ26の内部加熱装置26aと同様の設計特徴を有する内部フィルタ加熱装置352を含むことができる。しかしながら、必要に応じて異なる内部加熱装置の設計を使用することもできる。
【0074】
フィルタ350は、例えばポンプ26と共に使用されるような衛生的な連結部などの適切なクランプ358を用いてフィルタヘッド356に連結されたフィルタ本体354を含むことができる。フィルタ本体354は、フィルタ350内の内部フィルタ容積Vを画定する。フィルタ本体354及びフィルタヘッド356は、好ましくはフィルタ本体354内の容積V内に同心円状に配置されたフィルタ要素360を内包することができる。流体入口362は、例えば加圧された加熱材料Mなどの材料をフィルタ350に流入できるようにする。加熱材料Mは、フィルタ要素360を通過した後に、フィルタ出口364を通じてフィルタ350から排出される。ばね366を用いて、フィルタ要素360の支持を支援することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、内部フィルタ加熱装置352を、フィルタ本体354に取り付けられた加熱装置368、或いは、例えば電流の通過時に熱を生じる抵抗性配線束又はケーブルとすることができる。加熱装置368は、例えば単一の連続配線束とすることも、又は複数の配線束を含むことも、或いは単一の導体とすることもできる。加熱装置に使用できる材料の例としては、銅線が挙げられる。
【0076】
加熱装置368は可撓性であり、フィルタ本体354と密接に熱交換するようにフィルタ本体354に取り付けられることによって、加熱装置368から内部フィルタ容積V内に熱を伝達することができる。
図18及び
図19に示すように、加熱装置368は、フィルタ本体354の外面354aに形成できる溝又は凹部370内に配置することができる。加熱装置368は、加熱装置368とフィルタ本体354との間に密接かつ強力な接触がもたらされるように溝370に圧入し、又はかしめることができる。加熱装置368は、溝370にかしめることによって安定し、温度逸脱にも関わらず確実に適所に保持することができる。加熱装置368を外面354aから凹所に配置することによって、加熱装置フィルタケーシング372をフィルタ本体上に滑らかな外観で配置できるとともに、加熱装置フィルタケーシング372とフィルタ本体354との間の隙間を最小化することもできる。しかしながら、加熱装置368を凹所に配置することは必須でなくてもよい。加熱装置フィルタケーシング372は、加熱装置368によって生成された熱がフィルタ本体354の壁部を通じて加熱材料M内に伝わるように低熱伝導率を有することが好ましい。加熱装置フィルタケーシング372に適した材料は、303ステンレス鋼、316ステンレス鋼、及び/又はセラミック又はプラスチックなどの非金属とすることができる。
【0077】
加熱装置368は、可撓性の配線束又はケーブルの形で実現することができる。いくつかの実施形態では、圧入などを用いて、加熱装置368を溝370に沿ってフィルタ本体354に螺旋状又は渦巻状に巻き回すことができる。同様に、フィルタヘッド356を通じて加熱装置368の電気的端部を引き出すこともできるが、これは必須ではない。加熱装置368をフィルタ本体354上に設ける際のサイズ及び配置に関する度合いは、フィルタ本体354の熱伝導率、加熱装置368の発熱能力、及び加熱材料Mがフィルタ350内を流れるのに必要な熱量に基づくことができる。フィルタ本体354は、例えばステンレス鋼などの高熱伝導性材料で形成されることが好ましい。加熱装置368も、ポンプ26と同様に多くの異なる方法を用いてフィルタ本体354に適用することができる。
【0078】
フィルタ加熱装置368も、ポンプ26と同様に制御回路72に接続し、制御回路72に接続された1又は2以上の温度センサ374を用いてフィルタ350内の加熱材料の温度を検出することができる。この結果、制御回路72は、温度センサ出力信号に基づいて加熱装置368に対して加熱装置制御信号を生成することができる。
【0079】
環境制御システム
図20A、
図20Bに、1又は2以上の断熱容器401、501を含む環境制御システム400の例示的な実施形態を示す。いくつかの実施形態では、システム10の全ての構成要素及び導管にとって加熱が実用的でないこともある。従って、加熱材料Mを所望の温度に維持する効率的な方法を提供する1又は2以上の断熱容器(単複の)401、501に非加熱の構成要素及び/又は導管を内包することが望ましい場合がある。環境制御システム400は、加熱材料Mが室温に曝されるのを抑え、例えば加熱材料Mが凝固するのを防ぐことができる。例えば、ポンプ26及び/又は導管加熱装置がオフ又は機能不全になった場合には、容器401、501を、システム10の内包された構成要素及び/又は導管を高温に維持するように構成することができる。ポンプ26及び/又は導管加熱装置が通常動作に復帰すると、内包された加熱材料Mは、さらなる回復努力を伴わずに再び循環して、システム10の内包されていない部分の加熱材料Mを溶融させることができる。
【0080】
図20A、
図20Bには断熱容器401を示しているが、断熱容器501にも同様の要素及び参照番号を適用することができる。例えば、断熱容器401、501の各々は、1又は2以上の断熱材406の層で裏打ちされた剛体材料404を含むボックスを具体化することができる。いくつかの実施形態では、剛体材料404が金属(例えば、鋼)を含むことができ、断熱材408が、ガラス繊維、ロックウール及び/又はセルロースを含むことができる。容器401は、チャンバ402へのアクセスを可能にするように構成されたドア408を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ドア408を、ヒンジ409を中心に枢動して開閉するように構成することができる。しかしながら、実施形態によっては、ドア408が、容器401内のスロット(図示せず)に沿った摺動などの他の機構を通じて開閉することもできる。
【0081】
環境制御システム400は、システム10の1又は2以上の構成要素を内包する環境制御チャンバ402を画定することができる。例えば、
図20A、
図20Bにさらに示すように、断熱容器401は、圧力給送導管48の少なくとも一部、フィルタ350、及び/又は(単複の)分注器44の上流のレギュレータRを内包することができる。(単複の)断熱容器401の壁部には、1又は2以上の開口部を設けて構成要素へのアクセスを可能にすることができる。例えば、容器401は、導管48を介して(単複の)チャンバ402に出入りする流路FPをもたらすように、容器401を貫通する1又は2以上の開口部410を含むことができる。いくつかの実施形態では、開口部410が、導管48の別個の区域を結合してシステム10の残部との素早い接続/切断を可能にする継手411を含むことができる。しかしながら、実施形態によっては、開口部411を通じて単一の導管48が延びることもできる。断熱容器401を貫通するさらなる開口部(図示せず)を設けて、例えば内包された1又は2以上の構成要素が電源にアクセスできるようにし、及び/又はフィルタFの排出バルブDを収容することもできる。これに加えて、又はこれとは別に、環境制御システム400は、コネクタ、バルブ、圧力センサ及び/又は流量センサなどの他の構成要素を内包することもできる。
【0082】
環境制御システム400は、チャンバ402の環境を制御する加熱装置412、温度センサ414及び/又はファン416を含むこともできる。加熱装置412は、制御回路72からの指令信号を受け取り、加熱材料Mの温度を、例えば約100°F〜110°Fに維持する熱を生じるように構成することができる。断熱容器401は、加熱材料Mを高温(例えば、110〜180°F)に加熱して熱伝達を高めるように構成することができる。いくつかの実施形態では、加熱装置412が、チャンバ402内に安定した加熱をもたらす強制対流ヒータを含むことができる。例えば、強制対流ヒータは、ヒータを横切る空気対流を通じてチャンバ402を加熱するように構成することができる。温度センサ414は、チャンバ402の環境状態を検出して制御回路72に指示信号を送信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、温度センサ414が、検出温度に基づいて加熱装置412をオン/オフに切り替えるように構成されたサーモスタットを含むことができる。ファン416は、制御回路72によって生成された制御信号に基づいてチャンバ402の空気循環を高めるように構成することができる。環境制御システム400は、断熱容器401に取り囲まれた環境を制御するように構成された他のセンサ(例えば、相対湿度センサ)及び/又はアクチュエータ(例えば、加湿器)を含むこともできる。
【0083】
環境制御システム400は、システム10の構成要素を臨界最低温以上に効率的に維持し、例えばポンプ26及び/又は導管加熱装置が電源オフの時でも、内包された加熱材料Mが通常条件下で凝固するのを防止できることが有利である。環境制御システム400は、周囲空気温度で動作する構成要素に加熱材料がループを通じて曝されるのを抑えることができる。いくつかの実施形態では、断熱容器401、501に内包された少なくとも1つの構成要素(例えば、フィルタF)が、内部加熱装置(例えば、加熱装置368)を含むことができる。実施形態によっては、内包された構成要素の内部加熱装置が省略される。
【0084】
角度分注システム
図21A〜
図21Cに、1又は2以上の基材49の(単複の)表面上に加熱材料Mを塗布するように構成された分注システム600の例示的な実施形態を示す。
図21A〜
図21Cに示すように、(単複の)基材49は、コンベヤ51上に配置されて、コンベヤ51の長手方向長さに延びる搬送軸(Y軸)に沿って進むことができる。コンベヤ51は、コンベヤ51の表面に対して垂直に延びる垂直軸(Z軸)を画定することができる。コンベヤ51は、コンベヤ51の長手方向軸の横方向に延びる横軸(X軸)をさらに画定することができる。軸(X,Y,Z)は、互いに直交して、第1のストリーム47aを塗布するように構成された第1の分注器44a、並びに第2のストリーム47bを塗布するように構成された第2の分注器44bなどの1又は2以上の分注器44の配向を定める座標系を規定することができる。(単複の)基材49は、ストリーム47(a,b)によって効率的に被覆されるように1又は2以上の行で配置することができる。
【0085】
例えば、
図21B〜
図21Cに示すように、第1の分注器44aは、横軸(X軸)及び垂直軸(Z軸)によって画定される平面内に第1の横方向角α1を定め、搬送軸(Y軸)及び垂直軸(Z軸)によって画定される平面内に第1の垂直方向角β1を定める。同様に、第2の分注器44bは、X−Z平面内に第2の横方向角α2を定め、Y−Z平面内に第2の垂直方向角β2を定めることができる。従って、分注器44の各々は、X−Z平面及びY−Z平面の各々に非ゼロの角度を有することによって合成角(α,β)で配向することができる。いくつかの実施形態では、第1の分注器44aを、第1の横方向角α1が第2の横方向角α2と実質的に等しい大きさではあるが逆方向に広がるように、垂直軸604に関して実質的に第2の分注器44bを鏡映するように構成することができる。同様に、第1の垂直方向角β1は、第2の垂直方向角β2と実質的に等しい大きさではあるが、逆方向に広がる。この構成は、分注器44(a,b)が基材49の複数の表面を同時に被覆することを可能にすることができる。例えば、基材49は、前面550、後面552、上面554、第1の側面556、第2の側面558及び底面(図示せず)を有する矩形製品の形を取ることができる。
【0086】
第1及び第2の分注器44(a,b)は、合成角(α,β)に起因して、基材49の複数の表面上に加熱材料Mを塗布するように配向することができる。例えば、第1の分注器44aは、前面550、上面554及び第1の側面556上に加熱材料Mを塗布するように構成することができる。第2の分注器44bは、後面(図示せず)、上面554及び第2の側面558上に加熱材料Mを塗布するように構成することができる。従って、分注器44(a,b)は、表面550、552、556、558に加熱材料Mの単一被覆を施すことができ、上面554は二重被覆することができる。いくつかの実施形態では、その後に基材49を反転させて再びストリーム47(a,b)を通過させ、底面(図示せず)に二重被覆を施して、表面550、552、556、558に第2の被覆を施すことができる。従って、第1及び第2の分注器44(a,b)は、各表面に2回の被覆を施すように配向することができる。好ましい実施形態では、(単複の)基材49の露出面に均一な被覆を与えるように、分注器44(a,b)を垂直軸Zに関して対称方向に配向することができる。例えば、いくつかの実施形態では、角度(α,β)を約15〜60度に、具体的には約45度に設定することができる。
【0087】
角度(α,β)は、各表面上の被覆に影響を与え、様々なサイズの基材49に対応するように調整することができる。例えば、第1の横方向角α1を増加させると、基材49の前面550上への加熱材料Mの塗布が増加する一方で、基材49上面554上への加熱材料Mの塗布が減少し、逆もまた同様である。同様に、第1の垂直方向角β1を増加させると、基材49の前面502上への加熱材料Mの塗布が増加する一方で、基材49上面554上への加熱材料Mの塗布が減少し、逆もまた同様である。別の例では、高さ寸法の大きな基材に、より小さな垂直方向角αが必要となり得る。さらに、ストリーム47(a,b)は、角度(α,β)に応じて、隣接する基材49に重ならないように制御できる影512を生成する(例えば、影効果を防ぐ)こともできる。例えば、いくつかの実施形態では、例えば
図22に関してさらに説明するように、様々な入力に基づいて角度(α,β)を自動的に制御することができる。
【0088】
第1及び第2のストリーム47(a,b)は、垂直方向寸法よりも横方向寸法の方が実質的に大きな偏平噴霧の形を取ることができる。例えば、
図21A、
図21Cに示すように、分注器44(a,b)は、行を成す複数の基材49上に同時に加熱材料Mを塗布するように構成することができる。好ましい実施形態では、合成角(α,β)が、隣接する基材49(a,b)と重なる影512(例えば、影効果)を生成することなく加熱材料Mを塗布するように分注器44(a,b)を配向することができる。加熱材料Mの塗布を最適化するために、(
図21Bに示すように)ストリーム47(a,b)が互いに重なり合わないように分注器44(a,b)を配置することも検討される。
【0089】
各分注器44(a,b)は、モータ612(a,b)によって作動するアーム610(a,b)によって支持し、再配向することができる。例えば、アーム610(a,b)は、分注器44(a,b)の角度(α,β)の一方又は両方を調整するように構成された1又は2以上の関節区分を含むことができる。アーム610(a,b)は、1又は2以上の平面内で回転するように構成された第1及び第2の区分を含むことができる。分注器44(a,b)は、アーム610(a,b)の区分に対する横方向の回転及び枢動を可能にする旋回連結部614(a,b)を通じて調整することもできる。
図22に関してさらに説明するように、分注器44(a,b)、アーム610(a,b)及び/又は旋回連結部611(a,b)は、制御回路72からの制御信号に基づいてモータ612(a,b)によって作動することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、システム10が、(単複の)基材49の位置及び/又は寸法を検出して信号を生成する1又は2以上のセンサを含むことができる。例えば、1又は2以上の光学的登録装置(例えば、カメラ620)を、コンベヤ51上の基材49の画像を取り込んで制御回路72に送信するように構成することができる。超音波、レーダー及び/又はレーザー検出センサなどの他の光学的登録装置を含めることもできる。
【0091】
センサは、基材49の位置を検出する重量センサ(例えば、容量性変位センサ)をコンベヤ51内に含むことができる。制御回路72は、ソフトウェアを用いて信号(例えば、画像)を処理して製造工程からデータを抽出するように構成することができる。例えば、制御回路72は、
図21B〜
図21Cに示すような高さH、幅W及び/又は長さLなどの基材49の寸法を抽出するように構成することができる。制御回路72は、隣接する基材49間の距離Xを求めることもできる。制御回路72は、検出された基材49をストリーム47と相関させるために、所定の距離までのステップをカウントし、及び/又はコンベヤ51上の検出位置とストリーム47の位置との間の時間遅延を求めるようにさらに構成することができる。システム10は、この所定の距離及び/又は時間遅延により、基材49の位置に基づいて分注器44を調整することができる。例えば、分注器44は、基材49が塗布位置に存在する時にのみオンになることができる。システム10は、これによって異なるサイズ及び/又は配置の基材49に適応することもできる。
【0092】
図22は、表面(例えば、コンベヤ51)上に配置された少なくとも1つの基材(例えば、49)上に加熱材料(例えば、M)を分注する方法2200の例示的なステップを示すフローチャートである。例えば、(単複の)分注器44を、(単複の)基材49の1又は2以上の表面を被覆するようにコンベヤ51に対して合成角(α,β)で調整可能に配向することができる。この角度は、隣接する基材49に影効果を生じることなく所望の被覆を最適化するように、複数の因子に基づいて調整することができる。
【0093】
ステップ2210において、システム10は、(単複の)基材の少なくとも1つの寸法を受け取ることができる。(単複の)基材49の寸法は、高さH、幅W及び長さLのうちの少なくとも1つを含むことができ、複数の異なる動作を通じて受け取ることができる。例えば、(単複の)基材49の寸法は、カメラ620などの複数の異なるタイプのセンサの検出を通じて受け取ることができる。カメラ620は、コンベヤ51上の(単複の)基材49の画像を取り込み、この画像を制御回路72によって処理することができる。制御回路72は、各基材49の高さH、幅W及び/又は長さLを抽出して制御回路72のデータストレージに記憶することができる。
【0094】
これに加えて、又はこれとは別に、これらの寸法は、第三者サーバから及び/又はユーザインターフェイス200におけるユーザ入力から受け取ることもできる。例えば、中央サーバが、基材49の寸法を制御回路72に送ることができる。(単複の)基材49の寸法は、加熱材料Mの適切な被覆をもたらす(単複の)分注器44の角度の点で考慮することもできるが、隣接する基材49上の影効果を防ぐ上で考慮することもできる。サイクル時の分注の長さは、センサからの信号によって決定することができる。制御回路72は、所定の距離までのステップをカウントし、及び/又はコンベヤ51上の検出位置とストリーム47の位置との間の時間遅延を求めることができる。システム10は、この所定の距離及び/又は時間遅延により、基材49の位置に基づいて分注器44を調整することができる。例えば、分注器44は、基材49が塗布位置に存在する時にのみオンになることができる。システム10は、これによって異なるサイズ及び/又は配置の基材49に適応することもできる。
【0095】
ステップ2220において、システムは、基材49間の距離Xを受け取ることができる。例えば、基材間の距離Xは、ステップ2210に関して説明した動作のうちの1つ又は2つ以上において受け取ることができる。例えば、いくつかの実施形態では、制御回路72が、カメラ620によって取り込まれた画像を処理することに基づいて基材49間の距離Xを抽出することができる。基材49間の距離は、隣接する基材49への影効果を防ぐ上で考慮することができる。
【0096】
ステップ2230において、システム10は、基材上の加熱材料Mの所望の厚みを受け取ることができる。例えば、制御回路72は、各表面の所望の厚みを受けることができる。所望の厚みは、ステップ2210、2220に関して説明したように、中央サーバから及び/又はユーザインターフェイス200におけるユーザ入力から受け取ることができる。基材の表面上の加熱材料Mの所望の厚みは、分注器44の角度を決定する上で考慮することができる。
【0097】
ステップ2240において、システム10は、寸法、距離X及び所望の厚みに基づいて、(単複の)分注器44の配向を調整することができる。例えば、制御回路72は、ステップ2210〜2230において受け取ったデータに基づいて、各分注器44の最適な角度α、βを決定することができる。例えば、制御回路72は、各分注器43が影効果を生じることなく(単複の)基材上に加熱材料Mを分注するのに必要な横方向角αを決定することができる。高さが高い基材49は、分注器44の横方向角αに基づいて大きな影512を生じることができる。垂直方向角βも、各表面上の寸法及び/又は所望の厚みに基づいて調整することができる。この結果、制御回路72は、制御信号を生成し、アーム610(a,b)のモータ612(a,b)に送信して、分注器44(a,b)を所望の角度α、βに配向する。
【0098】
ステップ2240において、分注器44(a,b)は、調整された角度α、βで基材に加熱材料Mを塗布することができる。
【0099】
塗布圧制御システム
図23は、基材(例えば、49)に対する流体材料(例えば、加熱材料M)の塗布を調整する方法2300の例示的なステップを示すフローチャートである。方法2300は、加熱材料Mの粘度の決定に基づいて分注器44の噴霧パターンを最適化するように、システム10の1又は2以上の構成要素によって実行することができる。例えば、いくつかの実施形態では、制御回路72が、加熱材料Mの圧力及び導管内の加熱材料Mの流量の検出に基づいて粘度を求めることができる。次に、システムは、例えばシステム10内の流体材料の圧力を調整し、及び/又はシステム10内にさらなる加熱材料Mを導入するようにユーザに指示することによって、加熱材料Mの塗布を調整することができる。
【0100】
ステップ2310において、システム10は、導管内の加熱材料Mの圧力を検出することができる。例えば、圧力センサ70(A〜C)のうちの1つ又は2つ以上が、1又は2以上の導管(例えば、32、48、52)内の加熱材料Mの圧力を検出し、制御回路72に対して信号を生成して、制御回路72にデータを記憶することができる。いくつかの実施形態では、システム10が、継続的に圧力を検出して加熱材料Mの材料状態をモニタすることができる。
【0101】
ステップ2320において、システム10は、導管内の加熱材料Mの流量を検出することができる。例えば、流量センサ69(A〜C)のうちの1つ又は2つ以上が、1又は2以上の導管(例えば、32、48、52)内の加熱材料Mの流量を検出し、制御回路72に対して信号を生成して、制御回路72にデータを記憶することができる。システム10は、継続的に圧力を検出して加熱材料Mの材料状態をモニタすることができる。
【0102】
ステップ2330において、システム10は、検出された(単複の)圧力及び(単複の)流量に基づいて加熱材料Mの粘度を求めることができる。制御回路72は、ポアズイユの式と検出された(単複の)圧力及び(単複の)流量とに基づいて、加熱材料Mの粘度を求めることができる。例えば、各流量センサ69aからのデータを局所圧力センサ70aからのデータと相関させて、その近傍の加熱材料Mの粘度を求めることができる。いくつかの実施形態では、制御回路72が、システム10内の複数の位置における局所的粘度を平均化することに基づいて、加熱材料Mの粘度を求めることができる。
【0103】
ステップ2340において、システム10は、求められた粘度を基準値と比較することができる。この基準値には、制御回路72に記憶されている、求められた粘度をシステム10の所望の噴霧設定と相関させることができるルックアップテーブルからアクセスすることができる。制御回路72は、求められた粘度が範囲の下限基準値よりも低いかどうか、或いは求められた粘度が範囲の上限基準値よりも高いかどうかを判定することができる。この範囲により、粘度値を加熱材料Mの所望の塗布に相関させることができる。粘度が基準範囲内にあると判定された(ステップ2340においてNOの)場合、制御回路72は、ステップ2310に戻ることができる。一方で、加熱材料Mの粘度が所望の範囲外であると判定された(ステップ2340においてYESの)場合、ストリーム47の噴霧面積及び/又は液滴サイズに悪影響が及ぶ恐れがある。従って、制御回路72は、加熱材料Mの粘度を調整する1又は2以上のステップを実行するための信号を生成することができる。
【0104】
ステップ2350において、制御回路72は、ステップ2340において生成された信号に基づいて、加熱材料Mの塗布圧を調整することができる。例えば、制御回路72は、粘度が低すぎる旨の判定に基づいて、加熱材料Mの流体圧を高める信号をポンプ26に対して生成することができ、逆もまた同様である。これに加えて、又はこれとは別に、制御回路72は、粘度が低すぎることに基づいて分注器44のノズルの開口部を縮小させることができ、逆もまた同様である。システム10は、システム10のアクチュエータに信号を送信することによって、システム10内の加熱材料Mの量を自動的に調整することができる。例えば、制御回路72は、システム10から加熱材料Mを除去するように排出バルブ56を自動的に調整するよう構成することができる。制御回路72は、レギュレータR上のステップモータを作動させてレギュレータRを調整する(例えば、上昇又は下降させる)ことができる。これに加えて、又はこれとは別に、制御回路72は、1又は2以上の供給部12にさらなる材料Mを導入することもできる。
【0105】
これに加えて、又はこれとは別に、ステップ2360において、システム10は、加熱材料Mの材料特性を調整する指示をユーザに対して出力することもできる。例えば、制御回路72は、ユーザインターフェイス200に信号を送信して、システム10内の加熱材料Mの量を調整する出力をユーザに表示することができる。例えば、この出力は、「流体材料をさらに追加する」ように、又は「排出バルブを作動させて流体材料を除去する」ようにユーザに指示することができる。同様に、この出力は、ポンプ26及び/又は(単複の)分注器44の設定を調整するようにユーザに指示することもできる。
【0106】
温度降下制御システム
図24は、加熱材料Mの過熱を防ぐ方法2400の例示的なステップを示すフローチャートである。システム10の1又は2以上の温度帯は、加熱材料Mの循環時に加熱材料Mに十分な熱を伝えるために、所望の温度よりも高めることができる。例えば、十分な熱伝達のためにさらなる熱を付与する必要がある1又は2以上の温度帯では、加熱材料Mを素早く推進させることができる。例えば、加熱材料Mは、約110〜115°Fの所望の温度を有することができるが、1又は2以上の温度帯では、ヒータが約125〜180°Fの稼働温度範囲の熱を付与して熱伝達を高めることができる。しかしながら、加熱材料Mの流量が低下した場合(例えば、一時的に導管が塞った場合)、加熱材料Mは、それらの温度帯において過熱して焦げてしまう恐れがある。従って、制御システムは、好ましい加熱状態をもたらす方法2400を実行することができる。従って、流れが減速又は停止した場合に過熱のリスクを伴わずに加熱材料Mに十分な熱を提供するように個々の温度帯を設定できるので、システム10は、高価な蓄熱器を使用せずに様々な流量に対応することができる。
【0107】
ステップ2410において、システム10は、稼働設定において流体材料(例えば、加熱材料M)に熱を付与することができる。稼働設定では、(単複の)分注器44の塗布にとって最適なレベルの熱を加熱材料Mに付与することができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上のヒータが、様々なレベルの熱を付与してシステム10内に温度帯を形成することができる。例えば、ポンプ26の下流の流動状態に起因して、給送導管加熱装置50を、加熱材料Mに所望の設定点を上回る高温(例えば、約125〜180°F)を付与するように構成することができる。
【0108】
ステップ2420において、システム10は、加熱材料Mの流量を検出することができる。例えば、圧力センサ70(A〜C)は、システム全体を通じて加熱材料Mの温度を継続的にモニタし、ステップ2230と同様に制御回路72に指示信号を送信することができる。
【0109】
ステップ2430において、システム10は、加熱材料Mの流量を基準値と比較することができる。例えば、制御回路72は、検出された各流量が各温度帯の基準値以上であると判断した(ステップ2430においてYESの)場合、ステップ2420に戻って稼働設定を適用し続けることができる。一方で、制御回路72は、検出された流量のうちの1つ又は2つ以上が基準値未満であると判断する(ステップ2430においてNOの)場合もある。例えば、制御回路72は、流量センサ69Cによって検出された流量が流量センサ69Cに割り当てられた基準値よりも低いと判断することによって、導管(例えば、給送導管48)内における加熱材料Mの閉塞を検出することができ、この結果、システム10はステップ2440に進むことができる。
【0110】
ステップ2440において、システム10は、所定の時間にわたって熱を低減又は遮断することができる。例えば、導管内における流量の減少が検出された場合、制御回路72は、加熱材料Mに付与する熱を低減又は遮断する信号を1又は2以上のヒータに対して生成することができる。制御回路72は、ヒータによって付与される熱をシステム全体にわたって低減又は遮断することができる。いくつかの実施形態では、制御回路72が、減少した流量に対して、及び/又は所望の温度よりも高い温度帯において、付与する熱を局所的に低減又は遮断することができる。ステップ2440では、加熱材料Mの温度を、加熱材料Mの焼き付き又は焦げを生じない温度まで低下させることができる。
【0111】
ステップ2450において、システム10は、加熱材料Mに低設定で熱を付与することができる。この低設定は、稼働温度と比べて低下した低下温度(例えば、105〜110°F)での加熱材料Mの加熱を含むことができる。この低設定は、加熱材料Mが流体状態であり続けるが、加熱材料の焼き付き又は焦げを生じない臨界温度を上回ることができる。例えば、システム10は、熱をオフにした(ステップ2440)後に熱を低設定でオンにして(ステップ2450)、加熱材料Mの温度を徐々に上昇させることができる。
【0112】
ステップ2460において、システム10は、流量が基準値よりも大きいかどうかを判定することができる。例えば、制御回路72は、システム10の閉塞が除去されたかどうか、及び/又は加熱材料Mの流れが高温を付与するのに適したレベルにあるかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、ステップ2460の基準値を、ステップ2430と同じ基準値とすることができる。制御回路72が、流量が基準値を上回っていないと判定した(ステップ2460でNOの)場合、システム10は、低下温度で熱を付与し続けることができる(ステップ2450)。一方で、制御回路72が、流量が基準値を上回ったと判定した(ステップ2460でYESの)場合、システム10は、ステップ2470に進むことができる。
【0113】
ステップ2470において、システム10は、稼働温度が得られるまで、付与する熱を徐々に高めることができる。例えば、システム10は、ヒータによって付与される熱を、例えば毎分約5°Fずつなどのように階段関数で上昇させることができる。
【0114】
例示的な実施形態を参照しながら本開示を説明した。当業者には、本明細書及び図面を読んで理解した時点で修正及び変更が浮かぶであろう。本開示は、このような修正及び変更が添付の特許請求の範囲又はその同等物の範囲に入る限り、これらを全て含むように意図される。