(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外側シャフトの前記内側管腔内に配設され、前記外側シャフトに対してその長手方向軸線に沿って並進するように構成された内側シャフトを更に備え、前記内側シャフトは、側壁と、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分と遠位部分との間に延びる内側管腔と、を有し、前記近位及び遠位部分の各々は、前記側壁に形成された少なくとも1つの開口部を有し、前記内側シャフトは、ロック形態にあるとき、前記内側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部が、前記外側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの第1の開口部と流体連通し、前記内側シャフトの前記遠位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部が、前記エンドエフェクタレシーバの内側管腔と流体連通するように構成された、請求項1に記載の外科用装置。
前記外側シャフトと前記内側シャフトとの間に配設される中間シャフトであって、側壁と、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分と遠位部分との間に延びる内側管腔と、を有し、前記近位及び遠位部分の各々は、前記側壁に形成された少なくとも1つの開口部を有し、前記中間シャフトは、前記外側シャフトに対してその長手方向軸線に沿って並進するように構成された、中間シャフトを更に備え、
前記ロック形態にあるとき、前記内側シャフトの遠位端部が、前記中間シャフトの遠位端部、又はその遠位側に配設され、前記中間シャフトの前記遠位端部は、前記外側シャフトの遠位端部の遠位側に配設され、前記中間シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部は、前記外側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの第1の開口部及び前記内側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部と流体連通し、前記中間シャフトの前記遠位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部は、前記内側シャフトの前記遠位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部及び前記エンドエフェクタレシーバの前記内側管腔と流体連通する、請求項2に記載の外科用装置。
前記エンドエフェクタレシーバが、前記エンドエフェクタレシーバの前記内側管腔内に配設されたカプラを更に備え、前記カプラは、前記ロック形態において前記中間シャフトに連結される近位部分と、遠位部分であって、エンドエフェクタが前記カプラの遠位部分に連結されたときに前記ハウジングの1つ又は2つ以上の構成要素によって操作可能となるように、前記エンドエフェクタを受容するように構成された遠位部分と、を有する、請求項4に記載の外科用装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書で具体的に説明され、かつ添付の図面に例示される装置及び方法が、非限定的な例示的実施形態であること、並びに本発明の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0018】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は臨床医から離れて位置する部分を指す。簡便かつ明瞭にするため、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語は、本明細書において図面に対して使用される場合があることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。更にまた、依然として当業者には理解されているが、多数の種々の用語が互換的に使用され得ることが、当業者には諒解されよう。非限定な例として、「コンパートメント」と「チャンバ」、及び「吸引」と「減圧」という用語は概して、本明細書では互換的に用いられている。
【0019】
本開示は広義には、外科用装置を清掃するための装置及び方法に関するものである。より具体的には、開示する装置は、装置の遠位端部に減圧又は吸引力を加えることを可能にすると共に、装置の遠位端部に潅注又は流体力を互換的に加えることを可能にするものである。減圧力は、流体及び/又は組織を装置の近位端部に向かって遠位端部から離して引き込み得るものであるが、潅注力は流体及び組織を装置の遠位端部から押し出し得るものである。力が加えられ得るチャンバ又はコンパートメントを形成するために、複数のシールが使用されており、そのため、流体又は組織は、装置から押し出されるかあるいは減圧又は潅注力の一部として供給されるかにかかわらず、それらのチャンバ内に収容され、流体及び組織が望ましくないものとなり得る装置又は周りの環境のエリア、例えば、ハウジング若しくはハンドル部分及び/又は細長シャフトのハウジング若しくはハンドル部分から延びる部分の中に入ることはなく、したがって、流体及び組織は周囲環境に移動する。装置の様々な構成要素に開口部を形成することによって、近位端部と遠位端部との間の流体連通が与えられ、流体及び/又は組織を装置から除去することが可能となっている。
【0020】
図1A〜1Fは、減圧力と潅注力の両方を遠位端部10d及び/又は遠位端部10dに連結されたエンドエフェクタ90に供給し得る例示的な器具又は装置10を示している。装置10は、ハンドル部分又はハウジング20と、ハウジング20から遠位側に延びる外側細長シャフト40と、エンドエフェクタ90を選択的に受容するための、シャフト40の遠位端部40d上に配設されたエンドエフェクタレシーバ70とを有しており、図示のようにジョーアセンブリはジョー92、94を有している。図示のように、外側シャフト40は、ハウジング20の遠位上側部分から、シャフト40を通して延びるシャフト40の中心長手方向軸線Lに沿って延び得、また、当業者に知られているハウジング20内の動作可能な構成要素に着脱可能にかつ交換可能に取り付けられ得る。ポート80がシャフト40上に配設され得、減圧力及び潅注力を加えることと併せて使用され得る。以下で更に詳細に説明するが、ポート80は概ね、細長シャフト40を通して延びる管腔42内に形成された経路を介してエンドエフェクタレシーバ70と流体連通し、そのため、ポート80に加えられる減圧及び潅注力は、エンドエフェクタレシーバ70に対して有効となる。図示の例示的な実施形態では、経路は、外側シャフト40、内側シャフト50、及び中間シャフト60に形成された開口部及び管腔によって形成されている。更に、以下で更に詳細に説明するように、経路から外部へ、装置10の他の構成要素及び/又は周囲環境への流体及び/又は組織の漏出は、シール82、84、86に使用によって制限され得るか若しくは完全に防止され得る。
【0021】
経路は、
図2A、2B、及び2Cに透明に示されたポート80において始まり得る。ポート80は、中を貫いて延びる中央又は内側管腔83を有する、概ね円錐状のハウジング81であり得る。中央管腔83は、概ね円筒状をなし、外側シャフト40を中に受容するような形状を有し得る。結果として、ポート80及びその中央管腔83は、外側シャフト40の長手方向軸線Lと同軸である長手方向軸線L
pを有し得る。
図2Bに示すように、溝部83rが、第1及び第2のシール82及び84を受容するように管腔83の一部として形成され得る。溝部83rはシール82、84との締りばめを形成するように寸法を定められ得、シール82、84は外側シャフト40に連結するように寸法を定められ得、そのため、シール82、84と溝部83rとの間におけるシール82、84の外側表面の周りかあるいはシール82、84と外側シャフト40との間におけるシール82、84の内側表面の周りかにかかわらず、シールに直接隣接して流体が通過することが防止されるようになっている。
【0022】
ポート80は、ハウジング81上に形成されるかあるいはハウジング81に連結されるリリーフチャネル89を中に形成された出口88を有し得、そのため、チャネル89は中央管腔83と流体連通する。図示のように、出口88は(したがってチャネル89は)、中央管腔83に対して(したがって、それぞれ細長シャフト40及びポート80の長手方向軸線L及びL
pに対して)斜角αをなして延びており、チャネル89の近位端部89pは外部環境へと延び、チャネル89の遠位端部89dは中央管腔83に隣接して中央管腔83との流体連通を可能にしている。減圧源又は流体源が、チャネル89の近位端部89pにおいてあるいはその付近で出口88及び/又はポート80に連結されるか又は結合され、そのため、源は、近位端部89pへと、遠位側に延びる経路を通して、対応する減圧力又は潅注力を供給し得る。いくつかの実施形態では、弁85がポート80に結合され得る。弁85は、チャネル89と遠位側に延びる経路の残りの部分との間における流体のいずれかの方向への流動を制御するために、リリーフチャネル89内に、あるいはチャネル89と中央管腔83との間の入口点に、例えば遠位端部89dに若しくはそれに近接して配設され得る。流体の流れを制御することは、潅注力が加えられる場合には装置10の遠位端部に向かって、また減圧力が加えられる場合には装置10の近位端部に向かって、流体を流すことを含む。同様にいずれかの方向への流体の流れを制御するために、弁85及び/又は他の弁が経路に沿った他の位置に配設され得ることが当業者には諒解されよう。
【0023】
図示の実施形態では、概ね円錐状のハウジング81は、近位端部80pから遠位端部80dに向かって先細となっているが、ハウジング81は、装置10の他の構成要素の寸法及び形状、並びに実施される手技の種類に少なくとも部分的に基づいて、様々な他の形状及び構成を有し得る。図示のように、近位端部80pは実質的に平坦であり、外側及び中間シャフト40、60を受容するハブ38と面一に着座するように構成されている。遠位端部80dもまた、図示の実施形態では実質的に平坦である。
【0024】
流体が通過し得る出口88及びポート80内に存在する空間は、近位チャンバ又はコンパートメント12と呼ばれ得るものであり、近位コンパートメント12は、チャネル89及び内側管腔83内に存在する空間によって少なくとも部分的に画定されている。近位コンパートメント12は、第1及び第2のシール82、84とそれら2つのシール82、84の間に延びる任意の空間、ポート80、及びその中に配設された外側シャフト40によって更に画定され得る。第1のシール82は、近位コンパートメント12をハウジング20からシールし得るものであり、第2のシール84は、近位コンパートメント12を外側シャフト40の遠位延出部分からシールし得るものである。したがって、第1のシール82は、流体が、例えば、第1のシール82のすぐ近くで、ハウジング20の構成要素又はハウジング20に関連付けられる構成要素の中へと移動することによって、近位コンパートメント12から近位側に流出することを防止し得る。同様に、第2のシール84は、流体が、例えば、第2のシール84のすぐ近くで、装置10から完全に外に移動することによって、近位コンパートメント12から遠位側に流出することを防止し得る。
【0025】
外側シャフト40は、概ね円筒状でかつ細長いものであってよく、管腔42が内側側壁によって画定され、管腔42は、シャフト40の近位端部40pからシャフト40の遠位端部40dへと延びている。近位端部40pは、ハウジングに結合されたハブ38への連結(
図2C)によって示されるように、ハウジング20に連結されるように構成され得、そのため、シャフト40はハウジング20から離れる方向に遠位側に延びている。いくつかの実施形態では、シャフト40は、ハウジング20に着脱可能かつ交換可能に連結されるように構成され得、それにより、同じシャフト40を再使用のために清掃及び滅菌するか、又は別のシャフトをシャフト40の代わりに使用することが可能となる。
図1D及び1Fに示すように、シャフト40の遠位端部40dは、対向する撓曲可能なアーム44a、44bを有しており、
図3A及び3Bに関連して以下で更に詳細に説明するように、アーム44a、44bは、エンドエフェクタレシーバ70の内側表面などの周りの表面にシャフト40を連結させるために遠位端部40dの周りの表面と係合するよう、径方向外向きに撓曲するように構成されている。更に図示するように、エンドエフェクタレシーバ70の内側表面との係合を支援するために、様々な表面輪郭がアーム44a、44b上に形成され得る。撓曲可能なアーム44a、44bの間に延びる空間は、外側シャフト40の遠位部分40dの
第2の開口部48を形成している。
【0026】
更に、少なくとも1つの
第1の開口部46(
図1Eに最良に示される)が、外側シャフト40の近位部分40pの側壁を通して形成されており、
第1の開口部46は、リリーフチャネル89と流体連通するように構成されている。図示の実施形態では、
図2Aに示すように、
第1の開口部46は、形状において実質的に楕円状であり、また外側シャフト40が操作のためにハウジング20に連結される際、チャネル89の遠位端部89dと整列する。また、
第1の開口部46とチャネル89の遠位端部89dとは、以下で更に詳細に説明するように、清掃又はロック形態においても整列した状態に保たれる。シャフト40はまた、ハウジング20に対してシャフト40の位置を固定するか又は少なくとも制限するための1つ又は2つ以上の整列機構を有し得る。図示のように、第2の開口部47が外側シャフト40の近位部分40pに設けられており、ハウジング20に対して外側シャフト40の位置を整列させるかあるいは固定するのを支援する。このことは、非限定的な例として、外側シャフト40がハブ38から独立して回転しないように、第2の開口部47がハブ38の相補的なポスト(図示せず)と係合することによって達成され、また、第2の開口部47の長さは、第2の開口部47の端部が前記相補的なポストと係合することによって外側シャフト40による軸方向移動(近位−遠位)の量が制限されるようなものである。同様に使用され得る他の整列機構が当業者には認識され、したがって、外側シャフト40は、整列のために第2の開口部47又は一般に開口部を使用したものに限定されない。
【0027】
内側シャフト50は、概ね円筒状でかつ細長いものであってよく、また、外側シャフト40と同軸をなし、それらが中心長手方向軸線Lを共有するようになっていてもよい。設計通りであれば、内側シャフト50は、外側シャフト40の少なくとも一部分を通して中心長手方向軸線Lに沿って並進するように構成されている。内側シャフト50もまた、内側の側壁によって画定される管腔52を有し、管腔52は、シャフト50の相当な長さにわたって延びている。より具体的に言えば、図示の実施形態において、管腔52は、内側シャフト60の近位部分の側壁を貫いて形成された少なくとも1つの開口部56(
図1E及び2Aに最良に示される)から、内側シャフト60の遠位部分の側壁を貫いて形成された少なくとも1つの開口部58(
図1Fに最良に示される)へと延びており、それによって2つの開口部56及び58の間の流体連通を可能にしている。流体又は減圧力がエンドエフェクタレシーバ70に加えられる清掃又はロック形態では、少なくとも1つの開口部56が細長シャフト40の
第1の開口部46及びリリーフチャネル89と整列されて、チャネル89から、
第1の開口部46を通り、開口部56を通り、そしてエンドエフェクタレシーバ70内に配設され得る開口部58を通る流体連通が可能となる。反対方向への流体連通も、清掃又はロック形態において可能である。
【0028】
図示の実施形態では、少なくとも1つの開口部56と少なくとも1つの開口部58は同様の形状を有し、また図示のように、各々は、互いからおよそ等距離に配設された、5つの概ね円形状の開口部を有している。形成された複数の個々の開口部58は、内側シャフト50の管腔52を抜け出す液体の広がり量を増大させ得る。いくつかの実施形態では、開口部58は、更に高度な広がり性をもたらすように傾斜され得る。前述の経路はしたがって、内側シャフト50内に形成された管腔52を介して、外側シャフト40の管腔42を通して延びており、ポート80を含んだ近位コンパートメント12をエンドエフェクタレシーバ70を含んだ遠位コンパートメント14に接続している。いくつかの実施形態では、内側シャフト50の開口部56から近位側の部分は、シャフト50の側壁に形成された対向チャネル57(
図1C、1E、及び2Cではそのうちの一方のみが見える)を有し得る。シャフト50はまた、ハウジング20、外側シャフト40、及び/又は中間シャフト60に対してシャフトの位置を固定するか又は少なくとも制限するための1つ又は2つ以上の整列機構を有し得る。図示のように、対向チャネル57が内側シャフト50の長さの一部分に延びており、ハウジング20に対して内側シャフト50の位置を整列させるかあるいは固定するのを支援する。このことは、非限定的な例として、設計通りに、内側シャフト50が、中間シャフト60、外側シャフト40、及びハブ38のうちの1つ又は2つ以上と独立に回転しないように、チャネル57が中間シャフト60、外側シャフト40、ハブ38、又はハウジング20内に配設された構成要素及び/若しくはハウジング20の構成要素のいずれかに形成された1つ又は2つ以上の相補的な突出部と係合することによって達成される。同様に使用され得る他の整列機構及び構成が当業者には認識され、したがって、内側シャフト50は、整列のためにチャネル57又は一般にチャネルを使用したものに限定されない。
【0029】
いくつかの実施形態では、内側シャフト50は、閉塞要素として使用されてよく、したがって、その遠位端部50dは、組織に穿孔する尖った形態を有し得る。使用中、シャフト40をエンドエフェクタレシーバ70に連結するのに先立って、内側シャフト50の遠位端部50は、組織に穿刺するように、シャフト40の遠位端部40dを越えて遠位側に延長され得る。シャフト50の近位端部50pは、例えば、ハウジング20内に配設された1つ又は2つ以上の内部作動構成要素(図示せず)に連結することによって、ハウジング20に連結されるように構成され得る。内部作動構成要素は次いで、流体又は組織を経路の一方の端部から他方へと移動させるために、内側シャフト50を前述の清掃形態とすることを含めて、内側シャフト50を前進及び後退させるように作動され得る。ロック又は清掃形態では、内側ガイド50の遠位端部50dは、外側シャフト40の遠位端部40dを越えて遠位側に延びる。更にまた、中間シャフト60に関連して以下で更に詳細に説明するように、内側シャフト50を遠位側に前進させると、(例えば、撓曲可能なアーム48a、48bを径方向外向きに屈曲させ、エンドエフェクタレシーバ70の内側表面と係合させることによって)エンドエフェクタレシーバ70が外側シャフト40に結合され得る。
【0030】
中間シャフト60もまた、概ね円筒状でかつ細長いものであってよく、また、外側及び内側シャフト40、50と同軸をなし、それらが中心長手方向軸線Lを共有するようになっていてもよい。設計通りであれば、中間シャフト60は、外側シャフト40の少なくとも一部分を通して中心長手方向軸線Lに沿って並進するように構成されている。中間シャフト60はまた、内側の側壁によって画定された管腔62を有しており、管腔62は、内側シャフト50が中間シャフト60内に配設され得るように、シャフト60の近位端部60pからシャフト60の遠位端部60dへと延びている。近位端部60pは、例えば、ハウジング20内に配設された1つ又は2つ以上の作動構成要素(図示せず)に連結することによって、ハウジング20に連結されるように構成され得る。内部作動構成要素は次いで、中間シャフト60を前述の清掃又はロック形態とすることを含めて、中間シャフト60を前進及び後退させるように動作され得る。
【0031】
遠位端部60dは、対向する撓曲可能なアーム64a、64bを有しており、
図3A、3B、及び4に示すように、アーム64a、64bは、エンドエフェクタレシーバ70のカプラ71などの周りの表面にシャフト60を連結させるために遠位端部60dの周りの表面と係合するよう、径方向外向きに撓曲するように構成されている。撓曲可能なアーム64a、64bの間に延びる空間は、中間シャフト60の遠位端部60dの開口部68を形成している。内側シャフト50が中間シャフト60を通してロック又は清掃形態(
図2A及び3Bに示す)へと移動するとき、撓曲可能なアーム64a、64bは径方向外向きに広がって、カプラ71の内側表面上に形成された相補的な連結表面と係合し得る。同様に、アーム64a、64bが径方向外向きに延出するとき、アーム64a、64bは、外側シャフト40の撓曲可能なアーム44a、44bを径方向外向きに広げて、エンドエフェクタレシーバ70の内側表面上に形成された相補的な連結表面と係合させ得る。
図3Bに示すように、装置10がロック又は清掃形態にあるとき、中間シャフト60の遠位端部60dは、外側シャフト40の遠位端部40dを越えて遠位側に延び、内側シャフト50の遠位端部50dは、中間シャフト60の遠位端部60dへと、あるいは中間シャフト60の遠位端部60dを越えて遠位側に延びる。シャフト40、50、及び60の位置、並びに内側シャフト50によって引き起こされるアーム44a、44b及び64a、64bの径方向外側への広がりの結果として、エンドエフェクタレシーバ70が、したがってそれに連結されたエンドエフェクタ90が、シャフト40に、そして結果的に装置10に取り付けられることになる。したがって、エンドエフェクタ90は、ハウジング20の一部として含められるものを含めて、装置10と結合される様々な機構によって動作され得る。
【0032】
更に、少なくとも1つの開口部66(
図1Eに最良に示される)が中間シャフト60の近位部分の側壁を貫いて形成されている。図示のように、開口部66は形状において実質的に楕円状である。上述の清掃又はロック形態では、少なくとも1つの開口部66は、内側シャフト50の開口部56、細長シャフト40の
第1の開口部46、及びリリーフチャネル89と整列されて、チャネル89から
第1の開口部46、66、及び56を通して開口部58への流体連通が可能となる。反対方向への流体連通も、清掃又はロック形態において可能である。中間シャフト60はまた、ハウジング20又は外側シャフト40に対してシャフト60の位置を固定するか又は少なくとも制限するための1つ又は2つ以上の整列機構を有し得る。図示のように、第2の開口部67が中間シャフト60の近位部分60pに設けられており、ハウジング20及び/又は外側シャフト40に対して中間シャフト40の位置を整列させるかあるいは固定するのを支援する。このことは、非限定的な例として、中間側シャフト60がハブ38又は外側シャフト40から独立して回転しないように、第2の開口部67がハブ38及び/又は外側シャフト40の相補的なポストと係合することによって達成され、また、第2の開口部67の長さは、第2の開口部67の端部が前記相補的なポストと係合することによって中間シャフト60による軸方向移動(近位−遠位)の量が制限されるようなものである。同様に使用され得る他の整列機構が当業者には認識され、したがって、中間シャフト60は、整列のために第2の開口部67又は一般に開口部を使用したものに限定されない。更にまた、以下で更に詳細に説明するように、外側シャフト40を通して内側シャフト50を並進させることは、組織に穿刺するため並びに/又はエンドエフェクタレシーバ及び/若しくはエンドエフェクタを外側シャフト40に結合するために有効となり得るが、外側シャフト40を通して中間シャフト60を並進させることは、エンドエフェクタ90を作動させるために有効となり得る。
【0033】
図2Cに示すように、ハブ38は、外側シャフト40と中間シャフト60の両方を受容するように構成され得る。ハブ38の管腔39は、中間シャフト60に対して相補的となるように寸法決めされた直径を有する近位部分39pと、外側シャフト40に対して相補的となるように寸法決めされた直径を有する遠位部分39dとを有し得る。外側シャフト40の近位端部40pはハブ38内で終端し得るが、中間シャフト60と内側シャフト50は共に、ハウジング20内に配設された内部作動構成要素に連結されるように、ハブ38を通してハウジング20の中へと延び得る。中間及び内側シャフト60及び50の並進移動は内部作動構成要素によって制御され得るが、内部作動構成要素自体は、ユーザからアクセス可能であるハウジング20の機構によって制御され得る。例えば、図示の実施形態では、中間シャフト60を遠位側に前進させるために、閉鎖アクチュエータ22が、
図1A及び1Bにおいて矢印Dで示すように、静止アーム24に向かって前進され得、また、内側シャフト50を遠位側に前進させるために、ロック部材26が、
図1A及び1Bにおいて矢印Cで示すように、ハウジング20に向かって回転され得る。
【0034】
閉鎖アクチュエータ22及びロック部材26などの構成要素の運動を変換するために使用され得る内部作動構成要素は、機械、電気、及び/又は光学に基づくものを含めて、多数の種々の構成を有し得、この性質の構成要素は当業者には知られており、したがって、そのような構成要素のすべてに関する正確な詳細は不要である。そのような構成要素のいくつかの非限定的な例が、参照によってすべての内容が本明細書に組み込まれる、2015年8月26日出願の米国出願第14/836,069号(代理人整理番号第100873〜716号(END7718USNP))、発明の名称「Surgical Device having Actuator Biasing and Locking Features」に記載されている。一般に、そのような構成要素は、ハウジング20及び/又は外側シャフト40の各部分の中に配設されるか、あるいはそれらに取り付けられ得る。これらの構成要素のいくつかの例示的で非限定的な例としては、モータ、制御装置、及びレバーが挙げられるが、これらに限定されない。シャフト50、60を前進及び後退させるために用いられ得る他の実現形態には、限定するものではないが、アクチュエータ、ギヤ、レバー、トリガー、及びスライダーが挙げられる。更に、閉鎖アクチュエータ26及びロック部材26又は作動の他の手段が本開示の趣旨から逸脱することなく実施し得る他の機能も、当業者には諒解されよう。また更に、装置10の一部として組み込まれ得る機構のいくつかの非限定的な例には、ハウジング20に対して一定の角度位置に閉鎖アクチュエータ22を選択的にロックするためのロッキングスイッチ23、及び、細長シャフト40を、したがってそれに連結されたエンドエフェクタ90を回転させるように構成されたノブ28が挙げられる。作動構成要素の他の非限定的な例には、
図1Cに示すような回転ノブスプリングハウジング29が挙げられ、この回転ノブスプリングハウジング29は、当業者には理解されるように、ノブ28と共に働くスプリング(図示せず)を収容するのを助けるものである。
【0035】
エンドエフェクタレシーバ70は、エンドエフェクタ、例えばエンドエフェクタ90を装置10に連結するために、細長外側シャフト40の遠位端部40dに着脱可能かつ交換可能に連結されるように構成されている。図示のように、エンドエフェクタレシーバ70は、形状において概ね円筒状であり、内側の側壁によって画定された管腔72を有しており、管腔72は近位端部70pから遠位端部70dへと延びている。エンドエフェクタレシーバ70の内側の側壁によって画定される管腔72の形状が、少なくとも外側シャフト40の遠位端部40dの外形に対して相補的となり得るように、管腔72は、その長さ全体にわたって、複数の直径と非一様な形状を有している。更に、エンドエフェクタレシーバ70内にはカプラ71が配設されるが、カプラ71は、中間シャフト60の遠位端部60dの幾何学的形状に対して、形状において相補的である幾何学的形状を近位端部71pに有している。結果として、内側シャフト50が内側シャフト40のアーム42a、42b及び中間シャフト60のアーム62a、62bを展開するとき、アーム42a、42b及び62a、62bは、開口部73、75をそれぞれに画定するエンドエフェクタレシーバ70及びカプラ71の内壁の相補的な形状に対する締りばめを形成する。
【0036】
カプラ71の遠位端部71dは、エンドエフェクタ、例えばエンドエフェクタ90を受容するように構成され得、遠位端部71dに開口部75を画定する内壁の形状は、エンドエフェクタ90の近位端部90pの形状に対して相補的となり得る。次いで、中間シャフト60が遠位側に前進することは、当業者に知られているように、エンドエフェクタ90を作動させるのに有効となり得る。このことは、例えば、遠位端部60dが近位端部90pと接触して作動を開始すること、又は中間シャフト60が遠位側に前進して内側シャフト50の遠位側への前進を同様に引き起こすことによって生じ得るが、これによって次に、遠位端部50dが近位端部90pと接触して作動を開始することになる。
【0037】
エンドエフェクタレシーバ70の外壁74は、1つ又は2つ以上の開口部又は吹出しポート76を形成され得るが、
第3の開口部76は、内側管腔72と流体連通するように、外壁74から内側管腔72の中へと延びるものである。図示の実施形態では、複数の
第3の開口部76がエンドエフェクタレシーバ70の外周全体を囲んで(すなわち360度)延びており、また4列で示されているように、複数の列がエンドエフェクタレシーバ70の長さ方向に沿って形成されている。
第3の開口部76は、流体が内側管腔72から
第3の開口部76を抜けて外部環境へと通され得る出口として機能し得る。組織又は他の物体は、それらが十分に小さい場合、同様に
第3の開口部76に通され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、
第3の開口部76は、それらに結合された1つ又は2つ以上のスクリーンを有し得る。図示の実施形態では、単一のスクリーン78が、内側管腔72を画定する側壁の外周を囲んで配設され、スクリーン78が
第3の開口部76の各々を被覆するようにされている。別の実施形態では、第2のスクリーン(本開示の他の機構を説明及び図示することが困難となるため図示せず)が同様に、内側管腔72を画定する側壁の外周を囲んで配設され、同様に
第3の開口部76の各々を被覆するようにされる。これら2つのスクリーンは、互いに対してオフセットされ、例えば互いに対して90度に方向付けられ、また互いからある距離だけ、例えば互いから約0.003ミリメートル、離間され得る。結果として、第1のスクリーン78内の開口部は、第2のスクリーン内の開口部と部分的に整列される。スクリーン78を使用すること、及び/又はスクリーン78と共に第2のスクリーンを使用することは、流体がそれらを通り抜け、組織を捕捉することを可能にし得るが、それによって
第3の開口部76が目詰まりすることが防止され得る。限定するものではないが、2つのスクリーンが互いに対して他の向きでオフセットされる(例えば互いに45度の向きで配される)こと、異なる距離をおいて離間されること、3つ以上のスクリーンを有すること、及び/又は、互いからある距離をおいて離間された2つのオフセットしたスクリーンを単一の
第3の開口部76の上又は中に配設することを含め、
第3の開口部76の上若しくは中に個々に配設されたスクリーンを有することを含めて、スクリーンの様々な他の構成も可能であることが、当業者には理解されよう。
【0039】
図3Aに示すように、遠位チャンバ又はコンパートメント14は、少なくとも部分的に、エンドエフェクタレシーバ70内に存在する空間によって画定され得るものであり、また、外側シャフト40の近位延出部分から遠位コンパートメント14をシールする第3のシール86によって更に画定され得るものである。したがって、第3のシール86は、流体が、例えば、第3のシール86のすぐ近くで、装置10から完全に外に移動することによって、遠位コンパートメント14から近位側に流出するのを防止し得る。図示の実施形態では、第3のシール86は、
第2の開口部48及び開口部68から近位側に配設されており、そのため、シール86の内側表面は外側シャフト40の外側表面と完全に接触し得、そのため、シールがシール86と外側シャフト40との間で維持され得る。シールに関する他の位置、又は遠位コンパートメント14のための所望のシールを同様に生じさせ得る他の構成が当業者には認識されよう。更に、ポート80の中央管腔83と同様に、内側管腔72は、第3のシール86を受容するようにその中に形成された溝部を有し、第3のシール86と溝部との間の同様の締りばめを形成し得、第3のシール86はまた外側シャフト40に(また場合によっては中間シャフト60及び/又は内側シャフト50の各部分に)連結し、それによって、シール86と溝部との間におけるシール86の外側表面の周りか、あるいはシール86と外側シャフト40との間におけるシール86の内側表面の周りかにかかわらず、流体がシールのすぐ近くを通るのを防止する。
【0040】
流体は、遠位コンパートメント14の中に、近位コンパートメント12から、内側シャフト50に形成された開口部58を経た経路を通して通過する。
図3Bに示すように、シャフトの遠位端部50dは、清掃又はロック形態において遠位コンパートメント14内に配設され得、したがって、管腔52を通って流れる流体は、開口部58から外に抜け、中間シャフトの開口部68を通って内側管腔72の中へと通過し得る。流体及び組織はまた、遠位コンパートメント14から、開口部58及び管腔52を通して、ポート80内のリリーフチャネル89の外へと、逆方向にも通過し得る。図示のように、外側シャフト40の
第2の開口部48は、開口部58が存在する位置には延びていないが、他の実施形態又は構成では、流体は外側シャフト40の
第2の開口部48を通しても通過し得る。
【0041】
図1A〜3Bに示すエンドエフェクタ90はジョーアセンブリであるが、任意の数のエンドエフェクタが、本開示において提供される装置10と共に使用され得る。非限定的な例として、
図5は、エンドエフェクタとして使用され得る縫合ヘッド190の例示的な一実施形態を示している。当業者には知られているように、縫合ヘッドは生体内で組織を縫合するのを支援するために使用される。縫合ヘッドは当業者には周知であるため、それらがいかにして働くかに関する詳細な説明は不要である。基本的な概要として、一般に、縫合糸198が取り付けられた針198が、2つのジョー192とジョー194との間に通されるが、それらのジョー192、194は、当業者に知られている技法及び/又は本開示で以下に提示する技法を用いて針196を断続的に解放及び受容するように構成されている。図示のように、ジョー192及び194はそれぞれ、針196を保持することと解放することとを交互に行うことが可能である開口部193及び195を有している。組織がジョー192とジョー194との間に配設され得、そのため、針196が一方のジョー192から他方へと通される際、針196は縫合糸198を組織の中に突き通す。
【0042】
図6A及び6B、並びに
図7A及び7Bは、縫合ヘッドにおいて使用されることと併せて、針を保持及び解放するように構成されたジョー292、292’の2つの図を示している。
図6A及び6Bに示すように、ジョー292は、開口部293が形成されたハウジング294を有し得、コレット295が開口部293内に配設されている。開口部293は複数の直径を有してもよく、受容開口部293rとアクチュエータ開口部293aとの間にはネック開口部293nが配設されている。コレット295は、コレット295の遠位端部295dに配設された、対向する撓曲可能なアーム295a、295bを有し得、針296を受容及び解放するように構成されている。具体的に言えば、図示の実施形態では、アーム295a、295bは、径方向外向きに付勢されるように構成されている。コレット295はまた、その近位端部295pに近位基部295mを有し得、基部295bはまたフランジ295fを有している。スプリング298が、フランジ295fとレッジ297との間に配設され得るが、レッジ297は、ネック開口部293nの直径がアクチュエータ開口部293aの直径よりも小さい結果として形成されるものである。スプリング298は、フランジ295を方向Rに撓曲させるように付勢され得るが、その結果、コレット295のアーム295a、295bは、ネック開口部293nを形成する壁又はカムスロット299によって径方向内向きに付勢される。
図6Aに示すように、アーム295a、295bが壁299によって径方向内向きに付勢されるとき、針296はアーム295a、295bによって保持され得る。したがって、使用の際、針296が、針296に取り付けられた縫合糸を組織に通すために、ジョー292内にあるとき、コレット295は方向Rに付勢されて、コレットアーム295a、295b内に、したがってジョー292内に針296を保持する。
【0043】
針296は、ジョー292内に配設されたアクチュエータ300をスプリング298の付勢力に逆らって動作するように動作させることによって、ジョー292から解放され得る。
図6Bに示すように、アクチュエータ300が方向Bに押圧されると、アクチュエータ300はコレット295の基部295bと接触し、方向Rとは反対の方向Sに、スプリング298の付勢力に逆らってコレット295を駆動する。コレット295を方向Sに駆動することにより、アーム295a、295bは、壁299から外に移動することになり、したがって、アーム295a、295bは径方向外向きに付勢されるように構成されているため、アームは図示のように方向Vに移動する。結果としてアーム295a、295bは針296を放し、これによって、針296をジョー292から取り外し、対向するジョーに移動させるか、あるいは清掃の目的で取り外すことが可能となる。
【0044】
図示のように、アクチュエータ300は、コレット295の基部295bに形成された面取り部295cに対して相補的である面取り縁部300cを有している。面取り縁部300cと295cは、アクチュエータ300がコレット295を方向Sに駆動するときに、互いに係合する。コレット295の移動を制御するためにアクチュエータ300を使用するか又は他の機構を使用するかにかかわらず、
図6Aに示すようにコレット295が針296を把持する位置と、
図6Bに示すようにコレット295が針296を解放する位置との間でコレット295を移動させるために用いられ得る様々な他の構成が当業者には認識されよう。アクチュエータ300の移動も同様に、当該技術分野で知られている様々な技法を用いて達成され得る。例えば、非限定的な例として、ジョー292を有する縫合ヘッドが装置100の遠位端部に配設される実施形態では、閉鎖アクチュエータ22は、中間シャフト60を前進及び後退させるように動作され得るが、次にそれによってアクチュエータ300が前進及び後退される。
【0045】
図7A及び7Bは、縫合ヘッドにおいて使用されることと併せて、針296’を保持及び解放するように構成されたジョー292’の代替的な実施形態を示している。図示のように、ジョー292’は、開口部293’が形成されたハウジング294’を有し得、コレット295’が開口部293’内に配設されている。開口部293’は複数の直径を有してもよく、受容開口部293r’は、基部開口部293b’よりも大きな直径を有している。コレット295’は、コレット295’の遠位端部295’に配設された、対向する撓曲可能なアーム295a’、295b’を有し得、針296’を受容及び解放するように構成されている。具体的に言えば、図示の実施形態では、アーム295a’、295b’は、径方向外向きに付勢されるように構成されている。コレット295’はまた、その近位端部295p’に近位基部295m’を有し得る。スプリング298’が基部295b’と開口部293’の末端壁293t’との間に配設され得、スプリング298’は、コレット295’の基部295b’を末端壁293t’に向かって方向R’に引っ張るように付勢されている。この結果、コレット295’のアーム295a’、295b’は、基部開口部293b’を形成する壁又はカムスロット299’によって径方向内向きに付勢されることになる。
図7Aに示すように、アーム295a’、295b’が壁299’によって径方向内向きに付勢されるとき、針296’はアーム295a’、295b’によって保持され得る。したがって、使用の際、針296’が、針296’に取り付けられた縫合糸を組織に通すために、ジョー292’内にあるとき、コレット295’は方向R’に付勢されて、コレットアーム295a’、295b’内に、したがってジョー292’内に針296’を保持する。
【0046】
針296’は様々な様式でジョー292’から解放され得る。例示的な一実施形態では、ジョー292’に対向するジョー(図示せず)がジョー292’を押圧して、方向R’に対して反対の方向S’へ、スプリング298’の付勢力に抗してコレット295’を移動させ得る。コレット295’を方向S’に駆動することにより、アーム295a’、295b’は、壁299’を通り過ぎ、方向J’に回転することになり、したがって、アーム295a’、295b’は径方向外向きに付勢されるように構成されているため、アームは、図示のように方向J’に回転するとき、方向V’に移動する。結果として、アーム295a’、295b’は針296’を放し、これにより、針296’をジョー292’から取り外し、対向するジョーに移動させるか、あるいは清掃の目的で取り外すことが可能となる。コレット295’の移動を制御するために対向するジョーを使用するか又は他の機構を使用するかにかかわらず、
図7Aに示すようにコレット295’が針296’を把持する位置と、
図7Bに示すようにコレット295’が針296’を解放する位置との間でコレット295’を移動させるために用いられ得る様々な他の構成が当業者には認識されよう。対向するジョー又は他のアクチュエータの運動も同様に、当該技術分野で知られている様々な技法を用いて達成され得る。例えば、非限定的な例として、ジョー292’を有する縫合ヘッドが装置100の遠位端部に配設される実施形態では、閉鎖アクチュエータ22は、中間シャフト60を前進及び後退させるように動作され得るが、次にそれによってコレット295’が前進及び後退される。
【0047】
本開示と共に用いられ得る他のタイプの縫合ヘッドが、2013年3月15日出願の米国特許公開出願第2014/0171972号、発明の名称「Circular Needle Applier with Offset Needle and Carrier Tracks」に開示されている外科用縫合装置、2011年11月14日出願、2014年12月9日発行の米国特許第8,906,043号、発明の名称「Laparoscopic Suturing Instrument with Perpendicular Eccentric Needle Motion」、及び2012年5月8日出願、2015年8月25日発行の米国特許第9,113,861号、発明の名称「Articulating Needle Driver」に開示されている縫合針駆動器具を含めて、当業者には認識され、それらのすべての内容がそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる。同様に、2014年1月28日出願の米国特許出願第14/166,133号、発明の名称「Improved Motor Control and Feedback in Powered Surgical Devices」に開示されているものなどの高周波バイポーラジョー、2014年11月19日出願の米国特許出願第14/547,882号、発明の名称「Energy Delivery Device Having a Translating Outer Sheath」に開示されているものなどのモノポーラフック及びモノポーラハンドルアタッチメントを含めて、そのようなエンドエフェクタを容易に清掃し、装置を再使用する能力を改善するために、本開示と共に使用され得る他の非限定的なタイプのエンドエフェクタが、当業者には認識され、それらのすべての内容が共に、参照によって本明細書に組み込まれる。更に、エンドエフェクタは容易に、エンドエフェクタレシーバ70のカプラ72、又はエンドエフェクタを外科用装置と結合するための、既知であるか若しくは本開示から導出可能である他の構成に連結され、またそれらから解放され得るため、エンドエフェクタは装置10と互換的に使用され得る。
【0048】
装置10の様々な構成要素、及び装置10に結合される構成要素、例えば、エンドエフェクタ90、縫合ヘッド190、及びジョー292、292’の典型的な形状及び大きさが当業者には認識されよう。構成要素の形状及び大きさは、他の構成要素の形状及び大きさ、実施される手技の種類、並びにユーザの好みに少なくとも部分的に依存し得る。同様に、装置10の様々な構成要素、及び装置に結合される構成要素を形成するために使用され得る材料の種類が当業者には認識されよう。非限定的な例として、エンドエフェクタ及び/又は縫合ヘッドのシャフト、エンドエフェクタ及びジョーは、外科用グレードのステンレス鋼(例えば、17−4)、他の300及び400シリーズのステンレス鋼、チタン、及びアルミニウムから作製され得、ハンドル部のハウジングは、ポリマー(例えばポリカーボネート)から作製され得、ハンドル部分内に配設される構成要素、例えば、モータ、コントローラ、レバーなどは、そのような構成要素を形成するために一般的に使用される様々な材料から作製され得る。
【0049】
使用中、外科用装置10は、減圧力及び/又は潅注力を装置10の遠位端部10d及び/又はエンドエフェクタ90に供給して清掃するために、(少なくとも
図2A及び3Bに示されている)清掃又はロック形態に置かれ得る。例えば、エンドエフェクタ90が、ジョー292、292’を有する縫合ヘッドである場合、針296、296’が一方のジョーから他方へと少なくとも1度、通された後、ハンドル部分20の閉鎖アクチュエータ22は、静止アーム24に向かって方向Dに押され得、ロック部材26は、ハウジングに向かって方向Cに押下されて、中間及び内側シャフト60、50をそれぞれ、
図3Bに示す清掃又はロック形態へと遠位側に前進させ得る。清掃又はロック形態では、外側、中間、及び内側シャフト40、60、及び50の
第1の開口部46、開口部66、及び56は、
図2Aに示すようにリリーフチャネル89と整列されて、チャネル89から内側シャフト50の内側管腔52への流体連通を可能にする。同様に、内側及び中間シャフト50及び60の開口部58及び68は、
図3Bに示すようにエンドエフェクタレシーバ70内に配設されて、内側シャフト50の内側管腔52からエンドエフェクタレシーバ70の内側管腔72、並びにエンドエフェクタレシーバ70の外壁74に形成された
第3の開口部76への流体連通を可能にしている。
【0050】
清掃又はロック形態に移行すると、減圧源又は潅注源が装置10に連結されて、それぞれの減圧力又は潅注力をチャネルの近位端部に供給し得る。減圧源は、遠位コンパートメント14、すなわちエンドエフェクタレシーバ70、及び/又はエンドエフェクタ90から、中間及び内側シャフト60及び50の開口部68及び58を通し、内側シャフト50の管腔52を通し、内側、中間、及び外側シャフト50、60及び40の開口部56、66、及び46を通し、近位コンパートメント12、すなわちポート80の内側管腔83及びリリーフチャネル89の外へと、流体及び組織を吸引し得る。結果として、流体及び組織が装置10の遠位端部10dから除去される。
【0051】
同様に、潅注源は、近位コンパートメント12、すなわちリリーフチャネル89及びポート80の内側管腔83から、外側、中間、及び内側シャフト40、60、及び50の
第1の開口部46、開口部66、及び56を通し、内側シャフト50の管腔52を通し、内側及び中間シャフト50及び60の開口部58及び68を通し、遠位コンパートメント14、すなわちエンドエフェクタレシーバ70及び/又はエンドエフェクタ90へと、水又は他の流体を供給し得る。結果として、流体は、エンドエフェクタレシーバ70の
第3の開口部76を通して、装置10の遠位端部10dの外へと、他の流体及び組織を駆動し得る。近位及び遠位コンパートメント12及び14に形成されたシール82、84、及び86は、流体がコンパートメント12及び14から流出することを防止し、ハウジング20、より一般的には装置、及び/又は装置10の周りの環境へと流体が不所望に漏出するのを最小限にし得る。
【0052】
清掃における様々な目的を達成するために、ユーザは減圧及び潅注力を選択的に作用させることができる。例えば、ユーザは、一部の物質、例えば流体及び組織を
第3の開口部76の外へと駆動するために、まず潅注力を加え、次いでその後に、エンドエフェクタレシーバ70内に位置する任意の残物を除去するために、減圧力を加えてもよい。また、実施される清掃の所望の結果、並びにエンドエフェクタレシーバ70及び/又はエンドエフェクタ90から除去される物質の種類に少なくとも部分的に基づいて、複数の減圧又は潅注力が供給され得る。
【0053】
当業者であれば、本発明には従来の内視鏡装置及び開放手術装置における用途、並びにロボット支援手術における用途があることは認識されるところであろう。
【0054】
本明細書に開示される装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、本装置は、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、装置は分解することができ、装置の任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換した後、装置を後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによって再組立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0055】
好ましくは、本明細書に記載の器具は、手術前に処理される。最初に、新しい又は使用済みの器具を入手し、必要であれば洗浄する。次いで、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEK(登録商標)バッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次に、容器及びその内容物は、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの、容器を貫通できる放射線場の中に設置される。放射線は、器具上又は容器内の細菌を死滅させる。この後、滅菌された器具を滅菌容器内で保管することができる。密封された容器は、医療設備において開封されるまで器具を滅菌状態に保つ。
【0056】
装置は滅菌されることが好ましい。これは、β線又はγ線、酸化エチレン、蒸気を含む、当業者に既知のあらゆる方法によって行うことができる。
【0057】
当業者には、上述の実施形態に基づいた本発明の更なる特徴及び利点が認識されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され説明される内容により限定されるものではない。非限定的な例として、本開示は、外側、中間、及び内側シャフトの3つのシャフトを利用する実施形態について説明しているが、他の実施形態では、減圧又は潅注力が1つ又は2つのシャフトのみを通して供給され得るように、より少数のシャフトが用いられてもよい。本明細書に引用されるすべての刊行物及び参照文献はそれらの全容を参照によって本明細書に明示的に援用するものである。
【0058】
〔実施の態様〕
(1) ハウジングと、
前記ハウジングに連結され、前記ハウジングから遠位側に延びる外側シャフトであって、側壁と、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分と遠位部分との間に延びる内側管腔とを有し、前記近位及び遠位部分の各々が、前記側壁に形成された少なくとも1つの開口部を有する、外側シャフトと、
前記外側シャフトの前記近位部分に連結されるポートであって、リリーフチャネルを中に形成され、前記リリーフチャネルは、前記リリーフチャネルと結合された弁を有し、また前記リリーフチャネルは、前記外側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部と流体連通する、ポートと、
前記外側シャフトの前記遠位部分に着脱可能に連結されるエンドエフェクタレシーバであって、1つ又は2つ以上の開口部が形成された側壁と、内側管腔とを有し、前記内側管腔が前記外側シャフトの前記内側管腔と流体連通する、エンドエフェクタレシーバと、
前記外側シャフト上及び周りに配設され、前記外側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部の近位側に配設された第1の流体シールと、
前記外側シャフト上及び周りに配設され、前記外側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部の遠位側に配設された第2の流体シールと、
前記外側シャフトの前記遠位部分上及び周りに配設された第3の流体シールと、
を備える、外科用装置。
(2) 前記外側シャフトの前記内側管腔内に配設され、前記外側シャフトに対してその長手方向軸線に沿って並進するように構成された内側シャフトを更に備え、前記内側シャフトは、側壁と、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分と遠位部分との間に延びる内側管腔と、を有し、前記近位及び遠位部分の各々は、前記側壁に形成された少なくとも1つの開口部を有し、前記内側シャフトは、ロック形態にあるとき、前記内側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部が、前記外側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部と流体連通し、前記内側シャフトの前記遠位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部が、前記エンドエフェクタレシーバの内側管腔と流体連通するように構成された、実施態様1に記載の外科用装置。
(3) 前記エンドエフェクタレシーバは、前記装置がロック解除形態にあるときに前記外側シャフトから連結解除されるように構成された、実施態様2に記載の外科用装置。
(4) 前記外側シャフトと前記内側シャフトとの間に配設される中間シャフトであって、側壁と、近位部分と、遠位部分と、前記近位部分と遠位部分との間に延びる内側管腔と、を有し、前記近位及び遠位部分の各々は、前記側壁に形成された少なくとも1つの開口部を有し、前記中間シャフトは、前記外側シャフトに対してその長手方向軸線に沿って並進するように構成された、中間シャフトを更に備え、
前記ロック形態にあるとき、前記内側シャフトの遠位端部が、前記中間シャフトの遠位端部、又はその遠位側に配設され、前記中間シャフトの前記遠位端部は、前記外側シャフトの遠位端部の遠位側に配設され、前記中間シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部は、前記外側シャフト及び前記内側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部と流体連通し、前記中間シャフトの前記遠位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部は、前記内側シャフトの前記遠位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部及び前記エンドエフェクタレシーバの前記内側管腔と流体連通する、実施態様2に記載の外科用装置。
(5) 前記エンドエフェクタレシーバが、前記エンドエフェクタレシーバの前記内側管腔内に配設されたカプラを更に備え、前記カプラは、前記ロック形態において前記中間シャフトに連結される近位部分と、エンドエフェクタが前記カプラの遠位部分に連結されているときに前記ハウジングの1つ又は2つ以上の構成要素によって動作可能となるようにして前記エンドエフェクタを受容するように構成された前記遠位部分とを有する、実施態様4に記載の外科用装置。
【0059】
(6) 前記エンドエフェクタレシーバの前記側壁に形成された前記1つ又は2つ以上の開口部を覆って又はその中に配設されるスクリーンを更に備える、実施態様1に記載の外科用装置。
(7) 前記スクリーンが、互いに対してオフセットした第1のスクリーンと第2のスクリーンとを備え、前記第1のスクリーンの開口部が前記第2のスクリーンの開口部と部分的に整列されるようになっている、実施態様6に記載の外科用装置。
(8) 前記第1のスクリーンと前記第2のスクリーンとが、ある距離だけ径方向に互いから離間されている、実施態様7に記載の外科用装置。
(9) 前記第1及び第2の流体シールが、前記ポート内に配設されている、実施態様1に記載の外科用装置。
(10) 前記リリーフチャネルが、前記外側シャフトに対して斜角をなして配設され、前記外側シャフトの前記近位部分の前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部に隣接して配置される前記チャネルの端部が、前記外側シャフトから径方向外側に配設される前記チャネルの反対側の端部よりも遠位側にある、実施態様1に記載の外科用装置。
【0060】
(11) 前記エンドエフェクタレシーバに連結される縫合ヘッドを更に備える、実施態様1に記載の外科用装置。
(12) ハウジングと、
前記ハウジングに連結され、前記ハウジングから遠位側に延びるシャフトであって、側壁と、内側管腔と、前記側壁に形成された少なくとも1つの開口部とを有し、前記少なくとも1つの開口部が前記内側管腔と流体連通するようになっている、シャフトと、
前記ハウジングの遠位側で前記シャフトに連結されるエンドエフェクタレシーバであって、1つ又は2つ以上の開口部が形成された側壁と、内側管腔とを有し、前記内側管腔が、前記シャフトの前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部と流体連通する、エンドエフェクタレシーバと、
前記シャフトに連結されるポートであって、前記シャフトの前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部と流体連通するリリーフチャネルを中に形成され、前記ポートは、流体及び組織の少なくとも一方を前記エンドエフェクタレシーバから前記ポートの前記リリーフチャネルへ、また前記リリーフチャネルの外へ移動させるために減圧力が前記エンドエフェクタレシーバに加えられる第1の形態と、前記エンドエフェクタレシーバ内に配置された流体及び組織の少なくとも一方を、前記エンドエフェクタレシーバの前記側壁に形成された前記1つ又は2つ以上の開口部の外へ前進させるために、流体が前記ポートの前記リリーフチャネルから前記エンドエフェクタレシーバに通される第2の形態とで動作されるように構成された、ポートと、を備える外科用装置。
(13) 前記エンドエフェクタレシーバの前記側壁に形成された前記1つ又は2つ以上の開口部を覆って、又はその中に配設されるスクリーンを更に備える、実施態様12に記載の外科用装置。
(14) 前記スクリーンが、互いに対してオフセットした第1のスクリーンと第2のスクリーンとを備え、前記第1のスクリーンの開口部が前記第2のスクリーンの開口部と部分的に整列されるようになっている、実施態様13に記載の外科用装置。
(15) 前記第1のスクリーンと前記第2のスクリーンとが、ある距離だけ径方向に互いから離間されている、実施態様14に記載の外科用装置。
【0061】
(16) 前記シャフトの前記側壁に形成された前記少なくとも1つの開口部が、第1の近位開口部と、第2の遠位開口部とを備え、前記第1の近位開口部は前記ポートに隣接して配設され、前記第2の遠位開口部は前記エンドエフェクタレシーバに隣接して配設され、前記装置が、
前記シャフト上及び周りに配設され、前記第1の近位開口部の近位側に配設された第1の流体シールと、
前記シャフト上及び周りに配設され、前記第1の近位開口部の遠位側に配設された第2の流体シールと、
前記シャフトの遠位部分上及び周りに配設された第3の流体シールと、を更に備える、実施態様12に記載の外科用装置。
(17) 外科的方法であって、
減圧力及び潅注力の一方を外科用装置の近位コンパートメントに加える工程であって、前記減圧力は、流体及び組織の少なくとも一方を前記外科用装置の遠位コンパートメントから、前記近位コンパートメントを通して、前記近位コンパートメントと流体連通するポートの外へと移動させるのに有効なものであり、前記潅注力は、前記近位コンパートメントを通して前記遠位コンパートメントへと流体を加えて、前記遠位コンパートメントに形成された1つ又は2つ以上の開口部を通して流体及び組織の少なくとも一方を移動させることによって、流体及び組織の少なくとも一方を前記遠位コンパートメントから除去するのに有効なものである、工程を含み、
前記近位コンパートメントは、前記外科用装置の前記近位コンパートメント内に位置する外側シャフト上及び周りに配設された第1及び第2の流体シールを有し、前記第1の流体シールは、流体が前記第1のシールのすぐ近くを通ることによって前記近位コンパートメントから外に近位側に流動することを防止するように、前記外側シャフトに形成された近位開口部の近位側に配設され、前記第2の流体シールは、流体が前記第2のシールのすぐ近くを通ることによって前記近位コンパートメントから外に遠位側に流動することを防止するように、前記外側シャフトに形成された前記開口部の遠位側に配設され、
前記遠位コンパートメントは、前記外側シャフト上及び周りに配設された第3のシールを有し、前記外側シャフトは前記外科用装置の前記遠位コンパートメント内に位置し、前記第3のシールは、流体が前記第3のシールのすぐ近くを通ることによって前記遠位コンパートメントから外に近位側に流動することを防止するように、前記外側シャフトの前記遠位コンパートメント内に位置する部分に配設される、方法。
(18) 前記減圧力及び前記潅注力の他方を前記外科用装置の前記近位コンパートメントに加える工程を更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記減圧力及び前記潅注力の各々が、前記外側シャフト内に配設された内側シャフトの長さにわたって延びる管腔を介して、前記近位コンパートメントと前記遠位コンパートメントとの間で伝達される、実施態様17に記載の方法。
(20) 前記内側シャフトを前記外側シャフト内で遠位方向に前進させることによってエンドエフェクタを前記外側シャフトに連結することを更に含む、実施態様19に記載の方法。