(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デバイスが、第1の主要な表面及び第2の主要な表面を備え、前記封止部が、前記デバイスの前記第1の主要な表面に隣接して折り畳まれ、前記窪みが、前記デバイスの前記第2の主要な表面に隣接して位置する、請求項1から5の何れか一項に記載のデバイス。
セル収容部の内部領域を画定する壁を提供する段階であって、前記壁が、前記内部領域内にアノード、カソード、セパレータ及び電解質を収容するように構成される段階と、
前記セル収容部に電極のスタックを挿入する段階であって、各電極が、幅、長さ及び厚さの寸法を有し、1つ又はそれ以上の電極が、前記電極のスタックにおける他の電極の対応する寸法より小さい少なくとも1つの寸法を有する、段階と、
封止部を形成するために前記壁の部分を熱シールする段階と、
前記封止部の一部が前記セル収容部の窪みに存在するように、前記封止部を前記セル収容部上に折り畳む段階であって、前記窪みが、前記電極のスタックにおける他の電極の対応する寸法より小さい少なくとも1つの寸法を有する1つ又はそれ以上の電極の形状に従う段階と、
を含む、パウチ型エネルギー貯蔵デバイスの製造方法であり、
前記パウチ型エネルギー貯蔵デバイスが、第1の主要な外表面、第2の主要な外表面、及びそれらの間に延びるデバイス厚さを含み、前記封止部が、封止部の幅、封止部の長さ及び封止部の厚さを有し、前記デバイスの厚さが、前記封止部の幅よりも小さい、パウチ型エネルギー貯蔵デバイスの製造方法。
内部領域を画定する壁を有するセル収容部であって、前記壁が、前記内部領域内にアノード、カソード、セパレータ及び電解質を収容するように構成され、前記セル収容部が窪みを備える、セル収容部と、
前記セル収容部から延びる封止部であって、前記封止部の一部が前記窪みに位置するように前記セル収容部上に折り畳まれ、前記窪みが、電極のスタックにおける他の電極の対応する寸法より小さい少なくとも1つの寸法を有する1つ又はそれ以上の電極の形状に従う封止部と、
を備える、エネルギー貯蔵デバイス用パウチであり、
前記エネルギー貯蔵デバイス用パウチが、第1の主要な外表面、第2の主要な外表面、及び、それらの間に延びるパウチ厚さを含み、前記封止部が、封止部の幅、封止部の長さ及び封止部の厚さを有し、前記パウチの厚さが、前記封止部の幅よりも小さい、エネルギー貯蔵デバイス用パウチ。
前記パウチが、第1の主要な表面及び第2の主要な表面を含み、前記封止部が、前記パウチの第1の主要な表面に隣接して折り畳まれ、前記窪みが、前記パウチの第2の主要な表面に隣接して位置する、請求項16から22の何れか一項に記載のパウチ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
パウチパックは、電気化学セル(例えば、パウチセルのような電池)のようなエネルギー貯蔵デバイスのためのパッケージングとして使用することができる。パウチは、パウチ内にアノード、カソード、セパレータ及び電解質を含む電気化学セル構成要素を密封封止(又は、おおよそ密封封止)するために熱シールすることができる。一般に、パウチは、エネルギーを貯蔵しないため、デバイスの不活性部分とみなすことができる。場合によっては、パッケージング効率及びエネルギー密度を最大にするために、製品内のパウチのフットプリントを最小化することが重要である。
【0018】
図1は、側部シールを有する電気化学セルパッケージ(例えば、電池パウチ)のような例示的なエネルギー貯蔵デバイスパッケージの断面図を概略的に示す。
図1に示すように、パッケージ100は、電気化学セル構成要素(図示せず)を収容する内部領域115を画定する第1のシート110a及び第2のシート110bを含む。パッケージ100はまた、第1のシート110a及び第2のシート110bの一部を互いにシールすることによって形成された2つの側部シール120を含む。例えば、第1のシート110aは、電気化学セル構成要素を挿入するためのU字型区画に形成することができる。電気化学セル構成要素が挿入された後、第2のシート110bは、第1のシート110aの部分に封止されて、内部領域115内の電気化学セル構成要素を封止することができる。各側部シール120は、側部シール120が漏れないようにパッケージ100を一緒に封止するのに十分な幅w
sを有することができる。
【0019】
図1に示すように、パッケージ100は、幅w
p(例えば、x方向に延びる寸法)、長さ(図示せず)(例えば、y方向に延びる寸法)、及び厚さt
p(z方向に延びる寸法)を有することができる。この例示的なパッケージ100がエネルギー貯蔵デバイス用のパッケージとして使用される場合、デバイスの寸法は、パッケージ100の寸法によって規定することができる。例えば、デバイスの幅は、パッケージの幅W
pによって定義することができ、デバイスの長さは、パッケージ100の長さによって定義することができ、デバイスの厚さは、パッケージ100の厚さt
pによって定義することができる。
【0020】
図1にも示されているように、この例示的なパッケージ100がエネルギー貯蔵デバイスのパッケージとして使用されるとき、デバイスは、未使用スペースの領域(例えば、各側部シール120の上の領域125)を含むことができる。したがって、
図1に示すパッケージ100のようなパッケージを利用するデバイスでは、デバイスの未使用スペースを減少させることによって、パッケージング効率及びエネルギー密度を改善する余地がある。
【0021】
図2から
図4は、側部シールを折り畳んだ例示的なエネルギー貯蔵デバイスパッケージの断面図を概略的に示す。
図2に示すように、側部シール220は、パッケージの厚さt
pよりも小さい幅w
s(例えば、折り畳まれていない場合)を有するとき(例えば、w
s<t
p)、側部シール220は折り畳まれ得る。側部シール220が折り畳まれていない場合と比較して、この例示的なパッケージ200は、パッケージ幅w’
pが小さくなり、デバイスの未使用スペース225が減少する。側部シールの幅w
sがパッケージの厚さt
pよりも大きい場合(例えば、w
s>t
p)、側部シールは、パッケージの側で複数の折り畳みで折り畳むことができる。例えば、
図3は、二重折り畳み(例えば、1回の上方への折り曲げ及び1回の下方への折り曲げ)を有する側部シール320を有するパッケージ300を示す。別の例として、
図4は、三重折り畳み(例えば、1回の上方への折り曲げ、1回の下方への折り曲げ、及び1回の上方への折り曲げ)を有する側部シール420を有するパッケージ400を示す。側部シール320、420が折り畳まれていない場合と比較して、これらの例示的なパッケージ300、400はまた、パッケージ幅w’
pを小さくし、未使用スペース325、425を縮小することができる。しかしながら、(例えば、比較的薄いエネルギー貯蔵デバイスのために設計された)非常に薄い厚さt
pを有するパッケージでは、側部シール320、420に折り目を付けて、このような小さなサイズを有する折り畳み部に折り畳むことは困難であり得る。このような折り畳まれたパッケージは、追加の装置を必要とし、品質上の問題(例えば、漏れ)を生じる可能性がある。
【0022】
図5は、側部シールを有する別の例示的なエネルギー貯蔵デバイスパッケージの断面図を概略的に示す。
図5の例示的なパッケージ500に示されるように、側部シール520(折り畳まれていないとき)がパッケージの厚さt
pよりも大きい幅w
s(例えば、w
s>t
p)を有するとき、側部シール520は、パッケージ500の上に(例えば、パッケージ500の上部に)折り畳まれ得る。側部シール520が折り畳まれていない場合と比較して、このようなパッケージ500は、パッケージ幅w’
pを小さくすることができる。しかしながら、このように側部シール520を折り畳むことは、パッケージの厚さt
p’を増加させ得、デバイスの未使用のスペース525を追加し得る(例えば、
図5に示すように、パッケージ500の上部の折り畳まれた側部シール520の間)。したがって、
図1から
図5に示されるこれらの例示的パッケージを利用するデバイスでは、デバイスの未使用スペースを減少させる(例えば、最小限にする)ことにより、パッケージング効率及びエネルギー密度を改善(例えば、最大化)する余地がある。
【0023】
図6Aから
図6Bは、本明細書で説明される特定の実施形態による側部シールを有する例示的なエネルギー貯蔵デバイスパッケージの断面図を概略的に示す。
図6Aは、側部シール620が折り畳まれていない例示的なパッケージ600を示し、
図6Bは、側部シール620が折り畳まれた例示的なパッケージ600を示す。例示的なパッケージ600(例えば、パウチ)は、セル収容部610
h及び封止部610
sを含むことができる。
図6Aに示すように、セル収容部610
hは、内部領域615を画定する壁610’
a、610’
bを有することができる。壁610’
a、610’
bは、内部領域615内にアノード、カソード、セパレータ及び電解質(図示せず)を収容するように構成することができる。セル収容部610
hは、窪み640を含むことができる。封止部610
sは、セル収容部610
hから延びることができる。
図6Bに示すように、封止部610
sは、封止部610
sの一部が窪み640内に存在することができるように、セル収容部610
h上に折り畳むことができる。本明細書に記載されているように、このようなパッケージを使用するデバイスは、未使用スペースを減少させる(例えば、場合によっては実質的に最小化する)ことにより、パッケージング効率及びエネルギー密度を増加させることができる(場合によっては実質的に最大化する)。
【0024】
図6Cは、
図6Aから
図6Bに示された例示的なパッケージ600を利用する例示的なエネルギー貯蔵デバイスの斜視図を概略的に示す。
図6Cに示すように、様々な実施形態において、電気化学セル(例えば、電池)などのエネルギー貯蔵デバイス601は、セル収容部610
h及び封止部610
sを有する例示的なパッケージ600を含むことができる。セル収容部610
hは、セル収容部610
hの内部領域615内に電極605のスタックを収容するように構成することができる。各電極605は、幅w
e、長さl
e及び厚さt
eの寸法を有することができる。1つ又はそれ以上の電極605’は、電極605のスタックにおける他の電極605’’の対応する寸法(例えば、w’’
e、l’’
e、及び/又は、t’’
e)より小さい少なくとも1つ寸法(例えば、w’
e、l’
e、及び/又は、t’
e)を含むことがきる。
図6Cに示す例示的なエネルギー貯蔵デバイス601において、電極605’は、他の電極605’’の幅w’’
eより小さい幅w’
eを有する。
【0025】
電極605のスタックにおける他の電極605’’の対応する寸法よりも小さい少なくとも1つの寸法を有する1つ又はそれ以上の電極605’を有することにより、セル収容部610
h上の窪み640は、少なくとも1つのより小さい寸法を有する1つ又はそれ以上の電極605’に隣接して配置することができる。例えば、窪み640は、電極605のスタックにおける他の電極605’’の対応する寸法よりも小さい少なくとも1つの寸法を有する1つ又はそれ以上の電極605’と相補的な(例えば、内部領域615に)段差領域640
stepを形成することができる。
【0026】
封止部610
sは、封止部610
sの少なくとも一部が窪み640内に存在することができるように、セル収容部610
h上に折り畳むことができる。
図6に示された例示的な実施形態は、
図5に示された実施形態と比較して、パッケージ600の厚さt
pを増加させることなく、従って、デバイス601の厚さt
dを増加させることなく、セル収容部610
h上に折り畳むことができるシール部610
sを提供することができる。例えば、セル収容部610hの上に追加のスペースを占める代わりに、封止部610
sは、1つ又はそれ以上の電極605’’によって占められるだろう空間に、それらが電極605のスタックにおける他の電極605’’と同様の寸法を有する場合、存在することができる。
図6Cに示す実施形態の未使用スペースが減少するので、パッケージング効率及びエネルギー密度を改善することができる。
【0027】
特定の実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス601は、電池を含むことができる。電池は、二次電池(例えば、充電式)又は一次電池(例えば、非充電式)であってもよい。電池は特に限定されず、当該技術分野で知られているもの、又は、未だ開発されていないものを含むことができる。例えば、電池は、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池又は金属リチウム電池を含むことができる。様々な実施形態において、電池は、パウチセルとして実施することができる。
【0028】
本明細書で説明するように、エネルギー貯蔵デバイス601は、セル収納部610
hの内部領域615内に複数の電極605を含むことができる。複数の電極605は、積み重ねられた構成、例えば、電極605が互いに重ねられて配置された電極605のスタックを形成するように配置することができる。電極605は、1つ又は複数のアノード及び/又は1つ又は複数のカソードを含むことができる。電極605は、電気化学的に活性な材料を含むことができる。電極605の組成は特に限定されず、当該技術分野で知られているか又は未だ開発されていない電極材料を含むことができる。例えば、電極605は、所望の用途及び/又は性能に基づいて選択することができる。様々な実施形態では、1つ又はそれ以上の電極605は、「電気化学的貯蔵のための複合材料」というタイトルの米国特許出願第13/008,800号、「電池電極のためのシリコン粒子」というタイトルの米国特許出願13/601,976号、及び、「電池電極のためのシリコン粒子」というタイトルの米国特許出願13/799,405号に記載されているようなシリコン複合材料、炭素複合材料、及び/又はシリコン−炭素複合材料を含むことができ、それらの各々は、本明細書に明確に組み込まれている。いくつかの実施形態では、1つ又はそれ以上の電極605は、自立型モノリシック構造を含むことができる。例えば、電極605は、硬質炭素を含み、複合材料を一緒に保持する実質的な連続相を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ又はそれ以上の電極605は、銅シート等の集電体を含むことができる。例えば、いくつかのこのような実施形態では、アノードを負の集電体と接触させることができ、及び/又は、カソードを正の集電体と接触させることができる。いくつかの実施形態では、負の集電体の各々は、各側に取り付けられた1つのアノードを有することができ、正の集電体の各々は、各側に取り付けられた1つのカソードを有することができる。
【0029】
様々な実施形態において、アノード及びカソードの形状及び/又は大きさは、互いに同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、アノードとカソードとの大きさがわずかに異なってもよい。例えば、金属酸化物が電気化学セルにリチウムを担持するリチウムイオン構成では、アノードと比較してカソードを小さくすることができる。これは、いくつかの実施形態において、デンドライト形成及びリチウムメッキを防止するのに役立ち得る。例えば、リチウムイオンがカソードからアノードに移動するとき、リチウムイオンを受け取るアノードがなければ、リチウムイオンは、固体としてめっきすることができる。アノード及びカソードの形状及び/又は大きさは、特に限定されず、所望の用途及び/又は性能に基づいて選択することができる。
【0030】
各電極605は、幅w
e、長さl
e及び厚さt
eの寸法を有することができる。
図6Cに示す例では、幅w
eの寸法は、断面平面内で水平方向に(例えば、x方向に)延びる電極605の寸法に対応することができる。長さl
eの寸法は、断面平面に垂直な(例えば、y方向の)ページ内に延びる電極605の寸法に対応することができる。長さl
eは通常、幅w
eよりも長くなる。厚さt
eの寸法は、断面平面内で垂直に(例えば、z方向に)延びる電極605の寸法に対応することができる。幅w
e、長さl
e及び厚さt
eを定義するための他の規則も可能である。幅w
e、長さl
e及び厚さt
eの実際の寸法は、特に限定されず、意図する用途及び/又は所望の性能のために選択することができる。
【0031】
1つ又は複数の電極605’は、電極605のスタックにおける他の電極605’’の対応する寸法(例えば、w’’
e、l’’
e及び/又はt’’
e)よりも小さい少なくとも1つの寸法(例えば、w’
e、l’
e及び/又はt’
e)を有することができる。例えば、
図6Cに示すように、最上部の電極(又は複数の電極)605’は、他の電極605’’の対応する寸法よりも小さい寸法を有する。1つ又はそれ以上の電極605’は、アノード及び/又はカソードを含むことができる。1つ又はそれ以上の電極605’は、電極対(例えば、アノード及びカソード)を含むことができる。この特定の例では、最上部の電極605’は、他の電極605’’の幅w’’
eよりも小さい幅w’
eを有することができる。いくつかの実施形態では、1つ又はそれ以上の電極605’の長さl’
eは、他の電極605’’の長さl’’
eよりも小さくすることができる。いくつかの実施形態では、1つ又はそれ以上の電極605’’の厚さt’
eは、他の電極605’’の厚さt’’
eよりも小さくすることができる。1つ又はそれ以上の電極605’のより小さい幅w’
e、長さl’
e及び/又は厚さt’
eの実際の寸法は、特に限定されず、より小さな電極又は複数の電極605’を有することによって形成される空間内に封止部610
sの少なくとも一部が配置されるように選択することができる。様々な実施形態において、1つ又はそれ以上の電極605’のより小さい幅w’
e、長さl’
e及び/又は厚さt’
eの寸法は、封止部601
sがセル収容部610
h上に折り重ねられ、窪み640に嵌合するためにちょうど十分な空間があるような大きさに設定され得る。例えば、いくつかの実施形態では、より小さい電極605’の幅w’
eは、封止部610の幅w
sの約2倍からデバイスの厚さt
dの2倍を引いた分だけ、他の電極605’’の対応する幅w’’
eよりも小さくすることができる。
【0032】
様々な実施形態において、エネルギー貯蔵デバイス601は、各アノードとカソードとを分離するセパレータを含むことができる。例えば、セパレータは、隣接する電極605の間の所望の分離を提供するために、電極スタック内の隣接する電極605の間に位置することができるような形状及び/又は寸法にすることができる。セパレータは、アノードとカソードとの間の電気的絶縁を容易にし、アノードとカソードとの間のイオン輸送を可能にするように構成することができる。セパレータの組成は、特に限定されず、当該技術分野で知られているもの又は未だ開発されているものを含むことができる。いくつかの実施形態では、セパレータは、多孔質ポリオレフィン材料を含む多孔質材料を含むことができる。
【0033】
電極605のスタックは、電解質と接触することができる。いくつかの実施形態では、電極605のスタックを電解質に浸漬することができる。電解質は、アノードとカソードとの間のイオン輸送を促進する働きをすることができる。電解質の組成は、特に限定されず、当該技術分野で知られているもの又は未だ開発されているものを含むことができる。例えば、電解質の組成は、用途及び/又は所望の性能に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、電解質は、非水電解質溶液を含むことができる。例えば、電解質は炭酸塩溶媒を含むことができる。
【0034】
図6Aから
図6Cに示すように、エネルギー貯蔵デバイス600は、セル収容部610
hの内部領域615を画定する壁610’
a、610’
bを含むことができる。様々な実施形態において、壁610’
a、610’
bは、内部領域615内に、アノード、カソード、セパレータ及び電解質を収容するように構成され得る。セル収容部610
hは、少なくとも1つの窪み640を含むことができる。いくつかの実施形態では、セル収容部610
hの壁610’
a、610’
bは、可撓性材料を含むことができる。例えば、セル収容部610
hの壁610’
a、610’
bは、パッケージ600の外側及び内側から壁610’
a、610’
bに加えられる圧力を含む、壁610’
a、610’
b上の圧力の印加によって容易に変形することがある。壁610’
a、610’
bが、1つ又はそれ以上のより小さい電極605’に隣接する1つ又はそれ以上の窪み640を形成することができるように、セル収容部610
hの壁610’
a、610’
bは、電極605のスタックの形状に従うように容易に変形することもできる。例えば、
図6Cに示す例示的な実施形態は、壁610’
a内に2つの窪み(例えば、左側に1つと右側に1つ)を含む。窪み640は、セル収容部610
hの内部領域615に段差領域640
stepを形成することができる。いくつかの実施形態では、セル収容部610
hの壁610’
a、610’
bは、同じ材料を含むことができる。いくつかの他の実施形態では、セル収容部610
hの壁610’
a、610’
bは、異なる材料を含むことができる。様々な実施形態において、セル収容部610
hの1つ又は以上の壁610’
a、610’
bは、アルミニウムを含むことができる。例えば、セル収容部610
hの1つ又はそれ以上の壁610’
a、610’
bは、アルミニウム積層パウチ材料を含むことができる。
【0035】
図6Aに示すように、セル収容部610
hの壁610’
a、610’
bは、壁厚t
a、t
bを有することができる。セル収容部610
hの1つ又はそれ以上の壁610’
a、610’
bは、互いに同じ又は異なる壁厚t
a、t
bを有することができる。いくつかの実施形態では、セル収容部610
hの1つ又はそれ以上の壁610’
a、610’
bは、約50ミクロンから約220ミクロンの範囲、又は、約70ミクロンから約200ミクロン等の前記値の間の範囲(例えば、約70ミクロン、約80ミクロン、約90ミクロン、約100ミクロン、約110ミクロン、約120ミクロン、約130ミクロン、約140ミクロン、約150ミクロン、約160ミクロン、約170ミクロン、約180ミクロン、約190ミクロン、約200ミクロン、又はその間の任意の値)の厚さt
a、t
bを有することができる。他の値も可能である。
【0036】
図6Cに示すように、エネルギー貯蔵デバイス601は、セル収容部610
hから延びる封止部610
sを含むこともできる。封止部610
sは、セル収容部610
hの1つ又はそれ以上の壁610’
a、610’
bの部分620を封止することによって形成することができる。セル収容部610
hに関して本明細書で説明するように、封止部610
sの壁610’
a、610’
bは、可撓性材料を含むことができる。例えば、封止壁610’
a、610’
bは、封止部610
sに圧力が加えられると、セル収容部610
h上に容易に折り畳まれ得る。封止壁610’
a、610’
bはまた、窪み640内に容易に折り畳まれてもよい。従って、セル収容部610
hに関して本明細書で説明したように、いくつかの実施形態では、封止部610
sの1つ又はそれ以上の壁610’
a、610’
bがアルミニウムを含むことができる。例えば、封止部610
sの1つ又はそれ以上の壁610’
a、610’
bは、アルミニウム積層パウチ材料を含むことができる。様々な実施形態において、封止部610
sは、1つ又はそれ以上の壁610’
a、610’
bを熱シールすることによって形成することができる。いくつかの実施形態では、封止部610
sは、密封封止されていてもよい。
【0037】
図6Cは、2つの封止部(例えば、左側に1つ、右側に1つ)を含む封止部610
sを示す。様々な実施形態において、封止部610
sは、3つ、4つ又はそれ以上の部分を含むことができる。
図6Cに示すように、封止部610
sは、封止部610
sの一部が窪み640に存在することができるように、セル収容部610
h上に折り畳むことができる。
図6Cは、それぞれがそれ自身の別個の窪み640に存在する2つの封止部610
sを示す。他の実施形態では、各封止部610
sは、共通の窪み640に存在することができる。
【0038】
封止部610
sは、幅w
s、長さl
s及び厚さt
sを有することができる。ここでは幅w
s、長さl
s及び厚さt
sの定義の例を示す。ただし、幅w
s、長さl
s及び厚さt
sを定義するための他の規則も可能である。
【0039】
図6Aから
図6Cに示すように、封止部610
sの幅w
sは、折り畳まれていないときにセル収容部610
hからx方向に延びる封止部610
sの壁610’
a、610’
bの間のシール620の量に対応することができる(例えば、折り畳まれていないときに横断面内で水平に延びる寸法)。封止部610
sの幅w
sは、封止部610
sが漏れないように、壁610’
a、610’
bを一緒に封止するのに十分であり得る。様々な実施形態において、封止部610
sの幅w
sが広すぎると、スペースを無駄にすることがある。しかし、封止部610
sの幅w
sが狭すぎると、封止部610
sが漏れて信頼性や安全性に問題が生じるおそれがある。いくつかの実施形態では、封止部610
sは、約1mmから約15mmの範囲、又は約1.5mmから約10mm等の上記値の間の範囲(例えば、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、約10mm、又はそれらの間の任意の値)の幅w
sであってもよい。他の値も可能である。封止部610
sの幅w
sは、所望の用途及び/又は性能に基づいて選択することができる。
【0040】
封止部610
sの長さl
sは、折り畳まれていないときにy方向に延びる封止部610
sの壁610’
a、610’
bの間のシールの量に対応することができる(例えば、折り畳まれていないときに断面に垂直なページ内に延びる寸法)。通常、長さl
sは、幅w
sよりも長くなる。いくつかの実施形態では、封止部610
sは、約1mmから約15mmの範囲、又は、約2mmから約12mm、約2mmから約10mmのような前述の値の間の範囲の長さl
s(例えば、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約7.5mm、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、約10mm、又はそれらの間の任意の値)である。モバイル用途のためのいくつかの電気化学セルでは、長さl
sは、約1mmから約5mmの範囲内であり得る。封止部610sの長さl
sは、所望の用途及び/又は性能に基づいて選択することができる。
【0041】
封止部610
sの厚さt
sは、折り畳まれていないときにz方向に延びる寸法(例えば、折り畳まれていないときの断面平面内で垂直方向に延びる寸法)に対応することができる。いくつかの実施形態では、壁610’
a、610’
bを封止して封止部610
sを形成することができるので、封止部610
sは、封止壁610’
a、610’
bの厚さt
a、t
bの合計にほぼ等しい厚さt
sを有することができる。例えば、封止壁610’
a、610’
bの厚さt
a、t
bが実質的に同じであるいくつかの実施形態では、封止部610
sの厚さt
sは、封止壁610’
a、610’
bの何れか1つの厚さt
a、t
bの約2倍であり得る(例えば、t
s≒2×t
a、又は、2×t
b)。
【0042】
しかしながら、いくつかの他の実施形態では、封止部610
sの厚さt
sは、厚さt
a、t
bの合計が封止部610
sに所望の厚さt
sを提供するように、異なる厚さt
a、t
bを有する封止部610
sのための封止壁610’
a、610’
bによって変更することができる。封止部610
sの厚さt
sは、所望の用途及び/又は性能に基づいて選択することができる。
【0043】
特定の実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス610は、第1の主要な外表面601と、第2の主要な外表面602と、これらの間に延びるエネルギー貯蔵デバイスの厚さt
dとを有する。様々な実施形態において、折り畳まれていないときの封止部の幅w
sは、エネルギー貯蔵デバイスの厚さt
dよりも大きくすることができる。様々な実施形態において、封止部610
sは、第1の主要な表面601に隣接して(例えば、第1の主要な表面601の近くのセル収容部610
hに対して)折り畳むことができる。いくつかの実施形態では、封止部610
sは、第2の主要な表面602の近くのセル収容部610
h上で折り畳むこともできる。例えば、窪み640は、第2の主要な表面602に隣接して配置することができ、封止部610
sもまた、第2の主要な表面602の近くのセル収容部610
h上に折り畳むことができる。
【0044】
このような例では、
図5の例と比較して、デバイスの厚さt
dを増加させることなく、封止部610
sをセル収容部610
h上に折り畳むことができる。例えば、より小さな電極605’を有することにより、セル収容部610
hは、より小さい電極605’に隣接する窪み640を形成することができる。封止部610
sは、封止部610
sの少なくとも一部が窪み640に存在することができるように、セル収容部610
h上に折り畳むことができる。したがって、封止部610
sの幅w
sがエネルギー貯蔵デバイスt
dの厚さよりも大きくても、封止部610
sは、同一の寸法を有する電極605のスタックにおける電極605が占める空間605に存在することができる。そのため、未使用スペースも削減できる(場合によっては最小限に抑えることもできる)。
【0045】
封止部610sの実際の幅w
s、長さl
s及び厚さt
sの寸法は、封止部610
sの一部が、封止部610
sの単一の層を有して窪み640に存在することができるように設計することができる(例えば、
図6Bから
図6Cに示す)。他の実施形態では、幅w
s、長さl
s及び厚さt
sの寸法は結果として、封止部610
sの少なくとも一部が複数の層に折り畳まれて、封止部610
sの少なくとも一部が窪み640に存在するようになり得る(例えば、
図3及び
図4に示された例と同様であるが、封止部610sの一部が窪み640に存在する)。様々な実施形態において、封止部610
sは、(例えば、接着剤を用いて)セル収容部610
hに取り付けることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス601は、電極スタックのアノード及びカソードをそれぞれ外部回路に電気的に結合するように構成されたアノードコネクタ(図示せず)及びカソードコネクタ(図示せず)を備えることができる。アノードコネクタ及び/又はカソードコネクタは、セル収容部610
hの壁610’
a、610’
b又は封止部610
sの壁610’
a、610’
bに固定されて、エネルギー貯蔵デバイス601を外部回路に容易に接続する。アノードコネクタ及び/又はカソードコネクタは、セル収容部610h及び/又は封止部610sの一方の端部に沿って壁610’
a、610’
bに固定されてもよい。アノードコネクタ及び/又はカソードコネクタは、互いに電気的に絶縁され、セル収容部610
h及び/又は封止部610
sから電気的に絶縁され得る。例えば、コネクタが互いに電気的に絶縁され、セル収容部610
h及び/又は封止部610
sから電気的に絶縁され得るように、アノードコネクタ及び/又はカソードコネクタのそれぞれの少なくとも一部は、電気的に絶縁なスリーブ内にあり得る。
【0047】
本明細書に記載されている特定の実施形態は、エネルギー貯蔵デバイス601、例えばパウチ型エネルギー貯蔵デバイスに関する。本明細書に記載の様々な実施形態はまた、
図6Aから
図6Bに示すエネルギー貯蔵デバイス610のためのパウチに関する。例えば、本明細書に記載されているように、パウチは、セル収容部610
h及び封止部610
sを含むことができる。セル収容部610
hは、内部領域615を画定する壁610’
a、610’
bを有することができる。壁610’
a、610’
bは、内部領域615内に、アノード、カソード、セパレータ及び電解質を収容するように構成することができる。セル収容部610
hは、窪み640を含むことができる。封止部610
sは、セル収容部610
hから延びることができる。封止部610
sは、封止部610
sの一部が窪み640内に存在することができるように、セル収容部610
h上に折り畳むことができる。
【0048】
図7に示すように、本明細書に記載される特定の実施形態はまた、パウチ型エネルギー貯蔵デバイスを製造する方法700に関する。動作ブロック710に示すように、方法700は、セル収容部610
hの内部領域615を画定する壁610’
a、610’
bを設ける段階を含むことができる。壁610’
a、610’
bは、内部領域615内に、アノード、カソード、セパレータ及び電解質を収容するように構成することができる。動作ブロック720に示すように、方法700は、電極650のスタックをセル収容部610
hに挿入する段階を含むこともできる。各電極605は、幅w
e、長さl
s及び厚さt
eの寸法を有することができる。1つ又はそれ以上の電極605’は、電極605のスタックにおける他の電極605’’の対応する寸法(例えば、w’’
e、l’’
e及び/又はt’’
e)よりも小さい少なくとも1つの寸法(例えば、w’
e、l’
e及び/又はt’
e)を有することができる。操作ブロック730に示すように、方法700は、封止部610
sを形成するために壁610’
a、610’
bの部分を熱シールする段階をさらに含むことができる。操作ブロック740に示すように、方法700は、封止部610
sの一部がセル収容部610
hの窪み640にあるように、封止部610
sをセル収容部610
h上に折り畳む段階をさらに含むことができる。
【0049】
様々な実施形態において、方法700は、セル収容部610
h上に窪み640を形成する段階をさらに含むことができる。様々な実施形態において、窪み640は、電極650のスタックをセル収容部610
hに挿入した後に形成することができる。代替的に、いくつかの実施形態では、窪み640は、電極650のスタックをセル収容部610
hに挿入する前に形成することができる。窪み640は、封止部610sの少なくとも一部を収容するようなサイズにすることができる。窪み640は、内部領域615の段差領域を規定することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、壁610’
a、610’
bを設ける段階は、アルミニウムラミネートパウチ材料を提供する段階を含むことができる。壁610’
a、610’
bの部分を熱シールする段階は、壁610’
a、610’
bの部分を密封封止する段階を含むことができる。さらに、封止部610
sをセル収容部610
h上に折り畳む段階は、封止部610
sの第1の領域をデバイス601の第1の主要な表面601に隣接して折り畳み、封止部610
sの第2の領域をデバイス601の第2の主要な表面602に隣接して折り畳む段階を含む。方法700はまた、封止部610
sをセル収容部610
hに取り付ける段階を含むことができる。
【0051】
様々な実施形態が上述されている。本発明は、これらの特定の実施形態を参照して記載されたが、説明は例示的なものであり、限定を意図するものではない。添付の特許請求の範囲に規定される本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者には様々な変更及び応用が可能であろう。