(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、消費電力の削減を容易にするために、アプリケーションプログラム処理方法及び端末デバイスを提供する。
【0005】
第1の態様は、アプリケーションプログラム処理方法を提供し、アプリケーションプログラムの複数のレイヤ(層)のそれぞれの解像度を決定するステップであって、前記複数のレイヤ内の第1のレイヤの解像度は、前記複数のレイヤ内の別のレイヤの解像度より低い、ステップと、前記複数のレイヤのそれぞれの前記解像度に従って、前記複数のレイヤを作成するステップと、レンダリング処理後に得られた前記複数のレイヤ内の第2のレイヤにスケーリング処理を実行するステップであって、前記第2のレイヤの解像度は、前記第2のレイヤをディスプレイ画面上に表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なっており、前記スケーリング処理後に得られた前記第2のレイヤの解像度は、前記プリセット領域の前記解像度と同じである、ステップと、前記レンダリング処理後に得られた前記複数のレイヤ内の第2のレイヤ以外の他のレイヤと、前記スケーリング処理後に得られた前記第2のレイヤとを合成するステップと、前記合成するステップ後に得られた画像を表示用の前記ディスプレイ画面に出力するステップと、を含む。
【0006】
本発明の実施形態において、前記複数のレイヤのそれぞれの前記解像度に従って前記複数のレイヤが作成され、前記複数のレイヤに前記レンダリング処理が実行された後、前記レンダリング処理後に得られた前記複数のレイヤは、同じ解像度で合成され、前記合成後に得られた画像は、表示用の前記ディスプレイ画面に出力される。このようにして、バックグラウンド動作中に、異なる解像度を異なるレイヤに対して使用でき、消費電力の低減を容易にすることができる。
【0007】
前記第1のレイヤ及び前記第2のレイヤは、それぞれ前記複数のレイヤの少なくとも1つである。前記スケーリング処理は、スケーリングダウン処理又はスケーリングアップ処理である。
【0008】
具体的には、前記第2のレイヤにスケーリング処理を実行するステップは、前記第2のレイヤにおける画像の各フレームにスケーリング処理を実行するステップを含む。
【0009】
レイヤが表示される前に、前記ディスプレイ画面上のプリセット領域の解像度とは異なる解像度の前記レイヤに、前記スケーリング処理が実行される。このようにして、前記レイヤの前記解像度は、前記ディスプレイ画面上に前記レイヤを表示するために使用される前記プリセット領域の前記解像度と一致させることができ、その結果、表示効果が悪化したり、またユーザの視聴経験も影響を受けたりすることはない。
【0010】
第1の態様に関連し、第1の態様の第1の可能な実装では、前記第2のレイヤにスケーリングフラグビットが設定され、前記スケーリングフラグビットは、前記第2のレイヤの前記解像度が前記プリセット領域の前記解像度とは異なることを示すために使用される。
【0011】
オプションとして、前記複数のレイヤのそれぞれの前記解像度に従って、前記複数のレイヤを作成する前記ステップの後に、前記方法は、前記複数のレイヤ内の、前記ディスプレイ画面上に前記第2のレイヤを表示するために使用される前記プリセット領域の前記解像度とは異なる解像度である前記第2のレイヤを決定するステップと、前記第2のレイヤに前記スケーリングフラグビットを設定するステップとをさらに含む。
【0012】
オプションとして、前記スケーリングフラグビットが、前記第2のレイヤの画像の各フレームのブランキング領域に設定される。
【0013】
第1の態様又は第1の態様の第1の可能な実装に関連し、第1の態様の第2の可能な実装では、アプリケーションプログラムの複数のレイヤのそれぞれの解像度を決定する前記ステップは、各レイヤに関する情報に従って、各レイヤの前記解像度を決定するステップを含む。
【0014】
オプションとして、レイヤに関する情報は、前記レイヤのコンテンツ及び/又は種類を含む。
【0015】
第1の態様又は、第1の態様の第1の可能な実装に関連し、第1の態様の第3の可能な実装において、前記アプリケーションプログラムに対応する解像度を決定する前記ステップの前に、前記処理方法は、前記アプリケーションプログラムの前記解像度を設定するステップをさらに含み、アプリケーションプログラムの複数のレイヤのそれぞれの解像度を決定する前記ステップは、前記アプリケーションプログラムに対応する前記解像度を決定するステップと、前記アプリケーションプログラムに対応する前記解像度と前記複数のレイヤのそれぞれに関する前記情報とに従って、前記複数のレイヤのそれぞれの前記解像度を決定するステップとを含む。
【0016】
オプションとして、前記複数のレイヤのそれぞれの前記解像度は、前記アプリケーションプログラムに対応する前記解像度以下である。これにより、消費電力の更なる低減が促進される。
【0017】
第1の態様の第3の可能な実装に関連し、第1の態様の第4の可能な実装では、前記アプリケーションプログラムの前記解像度を設定する前記ステップは、前記ディスプレイ画面上のプリセット領域内に解像度設定インターフェースを提示するステップであって、前記解像度設定インターフェースは、前記アプリケーションプログラムの識別子と前記アプリケーションプログラムに対応する解像度設定領域とを含む、ステップと、ユーザの設定入力を受信するステップであって、前記設定入力は、前記アプリケーションプログラムに対応する前記解像度設定領域における前記アプリケーションプログラムの前記解像度を設定するために使用される、ステップと、前記設定入力に従って前記アプリケーションプログラムの前記解像度を設定するステップと、を含む。
【0018】
端末デバイスの消費電力の削減を容易にするために、前記解像度設定インターフェースが、前記ディスプレイ画面上の前記プリセット領域に提示され、前記アプリケーションプログラムの前記解像度が、ユーザの入力に従って設定され、前記アプリケーションプログラムの前記解像度が柔軟に設定できる。さらに、高解像度が必要なアプリケーションプログラムには高解像度が設定され、高解像度を必要としないアプリケーションプログラムには低解像度が設定される。このようにして、さらに表示効果を悪化させることがない。
【0019】
第2の態様は、端末デバイスを提供する。前記端末デバイスは、前記第1の態様又は第1の態様の前述の可能な実装のいずれか1つにおける前記処理方法を実施するように構成されている。
【0020】
具体的には、前記端末デバイスは、アプリケーションプログラムの複数のレイヤのそれぞれの解像度を決定するように構成された第1処理ユニットであって、前記複数のレイヤ内の第1のレイヤの解像度が、前記複数のレイヤ内の別のレイヤの解像度より低い、第1処理ユニットと、前記複数のレイヤのそれぞれの前記解像度に従って前記複数のレイヤを作成するように構成された第2処理ユニットであって、前記第2処理ユニットが、前記複数のレイヤにレンダリング処理を実行するように構成された、第2処理ユニットと、前記第2処理ユニットにより実行された前記レンダリング処理後に得られた前記複数のレイヤ内の第2のレイヤにスケーリング処理を実行するように構成された第3処理ユニットであって、前記第2のレイヤの解像度が、前記第2のレイヤをディスプレイ画面上に表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なっており、前記スケーリング処理後に得られた前記第2のレイヤの解像度は、前記プリセット領域の前記解像度と同じである、第3処理ユニットと、を含み、前記第3処理ユニットは、前記レンダリング処理後に得られた前記複数のレイヤ内の第2のレイヤ以外の他のレイヤを前記スケーリング処理後に得られた前記第2のレイヤと合成するようにさらに構成されており、前記第3処理ユニットは、前記合成後に得られた画像を、表示用の前記ディスプレイ画面に出力するようにさらに構成されている。
【0021】
第2の態様に関連し、第2の態様の第1の可能な実装では、前記第2のレイヤにスケーリングフラグビットが設定され、前記スケーリングフラグビットは、前記第2のレイヤの前記解像度が前記プリセット領域の前記解像度とは異なることを示すために使用される。
【0022】
第2の態様又は第2の態様の第1の可能な実装に関連し、第2の態様の第2の可能な実装では、前記第1処理ユニットは、各レイヤのコンテンツに従って各レイヤの前記解像度を決定するように特に構成されている。
【0023】
第2の態様又は第2の態様の第1の可能な実装に関連し、第2の態様の第3の可能な実装において、前記第1処理ユニットは、前記アプリケーションプログラムに対応する前記解像度を決定する前に、前記アプリケーションプログラムの解像度を設定するようにさらに構成されており、前記第1処理ユニットは、前記アプリケーションプログラムに対応する前記解像度を決定し、前記アプリケーションプログラムに対応する前記解像度と前記複数のレイヤのそれぞれのコンテンツとに従って前記複数のレイヤのそれぞれの前記解像度を決定するように特に構成されている。
【0024】
第2の態様の第3の可能な実装に関連し、第2の態様の第4の可能な実装では、前記第1処理ユニットは、プリセット領域に解像度設定インターフェースを提示するように前記ディスプレイ画面を制御することであって、前記解像度設定インターフェースが、前記アプリケーションプログラムの識別子と前記アプリケーションプログラムに対応する解像度設定領域とを含む、制御することと、ユーザの設定入力を受信することであって、前記設定入力は、前記アプリケーションプログラムに対応する前記解像度設定領域における前記アプリケーションプログラムの前記解像度を設定するために使用される、受信することと、前記設定入力に従って前記アプリケーションプログラムの前記解像度を設定すること、とをするように特に構成されている。
【0025】
第3の態様は、端末デバイスを提供し、プロセッサ、ストレージ、バスシステム、及びディスプレイ画面を含み、前記プロセッサと前記ストレージは、前記バスシステムを使用して接続され、前記ストレージは、命令を格納するように構成され、前記プロセッサは、前記ストレージに格納された前記命令を実行するように構成され、前記端末デバイスは、第1の態様又は第1の態様の前述の可能な実装のいずれか1つにおける前記処理方法を実行できる。
【0026】
第4の態様は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、1つ又は複数のプログラムを格納し、前記1つ又は複数のプログラムは、命令を含み、端末デバイスにより前記命令が実行されると、前記端末デバイスは、第1の態様又は第1の態様の前述の可能な実装のいずれか1つにおける前記処理方法を実行する。
【0027】
本発明の実施形態におけるまたは従来技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下で実施形態を説明するために必要な添付の図面について簡単に紹介する。以下の説明における添付の図面は本発明のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、それでもなお、当業者が創造的な努力なしにこれらの添付の図面から他の図面を得ることができることは明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態における技術的解決策について、本発明の実施形態における添付の図面を参照して説明する。
【0030】
本発明の実施形態では、端末デバイスは、これらに限定されないが、移動局(MS, Mobile Station)、移動端末(Mobile Terminal)、携帯電話(Mobile Telephone)、ハンドセット (handset)、携帯デバイス(portable equipment)などであってよい。コンピュータなどの端末デバイスは、無線アクセスネットワーク(RAN, Radio Access Network)を使用して、1つ又は複数のコアネットワークと通信し得る。あるいは、端末デバイスは、携帯型、ポケットサイズ、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵型、又は車載の移動装置であってもよい。
【0031】
本発明の実施形態では、端末デバイスは、オペレーティングシステムのカーネル(kernel)において、複数の種類の解像度の画像データを処理し得る。オペレーティングシステムは、アイフォンオペレーティングシステム(iPhone(登録商標) Operating System, 略してiOS(登録商標))、アンドロイド (Android(登録商標))、ウィンドウズ(登録商標)フォン(Windows(登録商標) Phone)、シンビアン(Symbian)、又はブラックベリーオペレーティングシステム(Black Berry(登録商標) Operating System)などのオペレーティングシステムであってよい。
【0032】
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態にかかる端末デバイスの概略構成図である。
【0033】
図3A及び
図3Bに示すように、端末デバイスのハードウェアレイヤは、中央処理装置(Center Processing Unit, 略してCPU)、及びグラフィック処理装置(Graphic Processing Unit, GPU)を含んでよい。当然、端末デバイスのハードウェアレイヤは、ストレージ、入力/出力デバイス、メモリ、メモリコントローラ、ネットワークインターフェースなどをさらに含んでもよい。入力デバイスは、キーボード、マウス、タッチスクリーンなど含み得、出力デバイスは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display, 略してLCD)、陰極線管(Cathode Ray Tube, 略してCRT)、ホログラフィック(Holographic)イメージング、プロジェクタ(Projector)などの表示デバイスを含み得る。オペレーティングシステム(Androidなど)及びと一部のアプリケーションプログラムは、ハードウェアレイヤで実行可能である。カーネルライブラリは、オペレーティングシステムのコアパートであり、入力/出力サーバ椅子、カーネルサービス、グラフィックデバイスインターフェース、CPU及びGPUのグラフィックス処理を実施するグラフィックスエンジン(Graphics Engine)などを含む。グラフィックスエンジンは、2Dエンジン、3Dエンジン、合成ユニット(Composition)、フレームバッファ(Frame Buffer)、組み込みグラフィックスライブラリ(Embedded Graphics Library, 略してEGL)などを含み得る。さらに、端末は、ドライバレイヤ、フレームワークレイヤ、及びアプリケーションレイヤをさらに含む。ドライバレイヤは、CPUドライバ、GPUドライバ、ディスプレイコントローラドライバなどを含み得る。フレームワークレイヤは、グラフィックスサービス(Graphic Service)、システムサービス(System service)、ウェブサービス(Web Service)、ユーザサービス(Customer Service)などを含み得る。グラフィックスサービスは、ウィジェット(Widget)、キャンバス(Canvas)、ビュー(Views)、レンダースクリプトなどを含み得る。アプリケーションレイヤは、デスクトップ(la
uncher)、メディアプレイヤー(Media Player)、ブラウザ(Browser)などを含み得る。
【0034】
アプリケーションプログラムが端末デバイスにインストールされた後、インターフェース表示用の画像リソースファイルが生成される。画像リソースは、アプリケーションプログラムのディスプレイインターフェースを生成するために使用される様々な種類の情報を含み得る。例えば、様々な種類の情報は、ディスプレイインターフェース上の各レイヤ(層)の表示コンテンツ、種類、サイズ、又は描画素材などの情報を含む。
【0035】
異なる解像度に適用するために、端末デバイス内の1つのアプリケーションプログラムは、異なる解像度に対応する複数の画像リソースファイルを含み得る。
図4に示すように、アプリケーションプログラムは、2種類の解像度の画像リソースファイルを含む:低解像度と高解像度。この2種類の解像度に対応する画像リソースファイルは、
図6に示されるdrawableフォルダ及びdrawable-HDPIフォルダにそれぞれ格納される。あるいは、端末デバイスのディスプレイ画面の解像度が決定された場合、端末デバイスの1つのアプリケーションプログラムは、1つの画像リソースファイルのみを含むことができ、画像リソースファイルに対応する解像度は、ディスプレイ画面と一致する。
【0036】
既存の解決策では、端末デバイスのCPU及び/又はGPUは、以下の手順を実行することによりアプリケーションプログラムを処理することができる。
【0037】
表示が必要なアプリケーションプログラムのディスプレイ画面の解像度に対応する画像リソースファイルは、端末デバイスのディスプレイ画面の解像度に従って取得される。例えば、端末デバイスのディスプレイ画面の解像度がHDPIである場合には、
図6に示すdrawable-HDPIフォルダの画像リソースファイルが検索される。
【0038】
描画処理が画像リソースファイル内の情報(描画素材など)に従って実行され、複数のレイヤを生成する。各レイヤの解像度は、画像リソースファイルに対応する解像度である。
【0039】
SurfaceFlinger処理及びHWC処理が生成された複数のレイヤに実行され、表示される画像のフレームが生成される。
【0040】
生成された表示画像にデバイス表示処理が実行され、デバイス表示処理後に得られた画像が表示用のディスプレイデバイスのディスプレイ画面にプッシュされる。
【0041】
1つのアプリケーションプログラムは、複数のレイヤを含み得る。既存の解決策では、描画処理は、アプリケーションプログラムの画像リソースに従って直接実行され、複数のレイヤを生成することに留意すべきである。生成された複数のレイヤは、同じ解像度を有する。アプリケーションのディスプレイインターフェースがスクリーンサイズに適合する必要がある場合には、複数のレイヤの解像度がさらに処理され、複数のレイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度と同じになる。
【0042】
ディスプレイ画面に表示されるアプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラムの複数のレイヤを合成した後に得られる表示効果である。アプリケーションプログラムがディスプレイ画面に表示される場合、ディスプレイ画面は、通常、ステータスバー(SystemUIなど)及びナビゲーションバーなどの他のアプリケーションプログラムのレイヤをさらに表示する。したがって、アプリケーションプログラムが表示用のディスプレイ画面に出力される前に、アプリケーションプログラムは、ステータスバーやナビゲーションバーなどのレイヤとさらに合成される必要があり、合成後に得られた画像が表示用のディスプレイ画面に出力される。
図5に示すシナリオでは、4つのレイヤがある:ステータスバー、ナビゲーションバー、壁紙、及びアイコン。4つのレイヤをディスプレイ画面上に合成した後に得られる画像の表示効果は、
図5の右側に示されている。
【0043】
本発明のこの実施形態では、ディスプレイ画面の解像度は、320×240ピクセル又は640×480ピクセルなどのディスプレイ画面上に表示することができる物理ピクセルの合計によって示され得る。レイヤの解像度は、320×240 ピクセル又は640×480 ピクセルなどのレイヤにおける画像の各フレームのピクセルの合計によって示されてもよい。
【0044】
端末デバイスは、通常、複数のアプリケーションと、テキスト、画像、アニメーションなどの異なるコンテンツをユーザに提示する異なるアプリケーションとを有する。アプリケーションの解像度要件は主にコンテンツの形式に依存するため、すべてのアプリケーションがよりよい表示効果のために比較的高い解像度を必要とするわけではない。いくつかのアプリケーションは、ユーザに、イーブック、電話帳、ショートメッセージサービスメッセージ、ファイルブラウザ、入力方法、電子メール、及びブラウザなどのテキストコンテンツを提示するために主に使用される。この種類のアプリケーションでは、解像度がある程度高くなると、高解像度によりもたらされる、より良い表示効果は、肉眼ではさらに識別することができない。他のいくつかのアプリケーションは、主に、ユーザに画像ビューア、写真、ゲーム、及びデスクトップなどの画像コンテンツを提示するために使用される。この種類のアプリケーションでは、表示効果は解像度の向上に伴い比較的大きく改善される。これにより、ユーザにより良いエクスペリエンスがもたらされ得る。
【0045】
アプリケーションプログラムでは、異なるレイヤが異なるコンテンツを提示し得る。例えば、いくつかのレイヤがテキストを表示し、いくつかのレイヤが画像を表示し、そしていくつかのレイヤが線を表示する。したがって、異なるレイヤは、異なる解像度要件を有し得る。
【0046】
本発明の実施形態によるアプリケーションプログラム処理方法は、以下の通りである:異なる解像度がアプリケーションプログラムの各レイヤに関する情報に従ってアプリケーションプログラムの異なるレイヤに対して設定され、対応する解像度で実行するアプリケーションプログラムのオペレーティング環境がオペレーティングシステム内に作成される。アプリケーションプログラムが呼び出されると、描画が、アプリケーションプログラムの各レイヤに対して対応する解像度で実行され得る。
【0047】
図6は、本発明の一実施形態によるアプリケーションプログラムの処理方法600の概略フローチャートである。処理方法600は、端末デバイスにより実行され得る。
【0048】
図6に示すように、処理方法600は、以下の内容を含む。
【0049】
610:アプリケーションプログラムが呼び出されると、アプリケーションプログラムの複数のレイヤ(層)のそれぞれの解像度を決定する。複数のレイヤ内の第1のレイヤの解像度は、複数のレイヤ内の別のレイヤの解像度より低い。
【0050】
第1のレイヤは、アプリケーションプログラムの複数のレイヤの少なくとも1つである。
【0051】
具体的には、各レイヤの解像度は、複数のレイヤのそれぞれに関する情報に従って決定され得る。
【0052】
アプリケーションプログラムの画像リソースは、アプリケーションプログラムの複数のレイヤのそれぞれに関する情報を記録するので、各レイヤに関する情報がアプリケーションプログラムの画像リソースから取得することができる。しかし、これは本発明のこの実施形態において限定されない。あるいは、各レイヤに関する情報は別の様式において取得されてもよい。本発明のこの実施形態では、レイヤに関する情報は、レイヤの解像度要件を示すことができる情報であることを理解すべきである。レイヤに関する情報は、レイヤに関する複数の種類の情報を含み得る。例えば、レイヤに関する情報は、レイヤのコンテンツ及び/又は種類を含む。レイヤのコンテンツは、そのレイヤに提示されるコンテンツ(画像やテキストなど)であり、アプリケーションプログラム内の同じ種類の異なるレイヤは、異なるコンテンツを提示する。このレイヤの種類は、テキストレイヤ、バックグラウンドレイヤ、フィルレイヤなどを含み得る。
【0053】
例えば、レイヤに提示される異なるコンテンツは、異なる解像度要件を示し得る。さらに、レイヤのコンテンツは、そのレイヤの種類に従って間接的に決定され得、したがって、異なる種類のレイヤは、異なる解像度要件を有し得る。
【0054】
例えば、デスクトップアプリケーションでは、
図7に示すように、デスクトップ上のアイコンレイヤの表示効果は、解像度の向上に対して比較的大きく改善されるが、デスクトップ上のテキストの表示効果の変化は、肉眼ではさらに識別できないことがあり得る。したがって、本発明のこの実施形態では、アプリケーションプログラムの各レイヤに関する情報に従って、対応する実行解像度が各レイヤに対し設定される。これにより、消費電力の低減を図ることができる。
【0055】
オプションとして、各レイヤの解像度が決定される前に、アプリケーションプログラムに対応する解像度をさらに決定してもよい。それに対応して、各レイヤの解像度がアプリケーションプログラムに対応する解像度及び各レイヤに関する情報に従って決定される。
【0056】
アプリケーションプログラムに対応する解像度がアプリケーションプログラムの特徴に従って設定される。例えば、各アプリケーションプログラムに対応する解像度がプリセットされても、又は各アプリケーションプログラムの解像度がユーザにより手動で設定されてもよい。例えば、比較的高い解像度が必要なアプリケーションプログラムには高解像度が設定され、比較的高い解像度を必要としないアプリケーションプログラムには低解像度が設定される。
【0057】
アプリケーションプログラムの解像度が設定された後、アプリケーションプログラムが実行を開始すると、アプリケーションプログラムに対応する解像度を決定するための方法は、
アプリケーションプログラムの識別子を取得するステップと、アプリケーションプログラムの識別子に従って、アプリケーションプログラムに対応する解像度を読み出すステップであり得る。例えば、アプリケーションプログラムの識別子は、処理識別子(Process Identifier, 略してPID)であり得、アプリケーションプログラムのPIDは、IPCThreadState::self()->getCallingPid()を使用して取得され得る。
【0058】
アプリケーションプログラムに対応する解像度が決定された後、対応する画像リソースは、アプリケーションプログラムに対応する解像度に従って決定することができる。そして、アプリケーションプログラムの複数のレイヤのそれぞれに関する情報がアプリケーションプログラムの画像リソースに従って取得され得る。
【0059】
アプリケーションプログラムに対応する解像度が決定された後、アプリケーションプログラムに対応する解像度と複数のレイヤのそれぞれに関する情報とに従って、複数のレイヤのそれぞれの解像度が決定される。
【0060】
具体的には、レイヤの解像度は、アルゴリズム事前に構成するか、又はシステムの解像度マッピング関係をプリセットすることにより決定され得る。各レイヤの解像度は、アプリケーションプログラムに対応する解像度及びアプリケーションプログラムの各レイヤに関する情報に従って決定される。例えば、レイヤに関する情報に従って、レイヤが比較的高い解像度が必要であると判定されたならば、レイヤの解像度は、アプリケーションプログラムに対応する解像度と等しいと決定されるか、又はレイヤに関する情報に従って、レイヤが比較的低い解像度が必要であると判定されたならば、レイヤの解像度は、アプリケーションプログラムに対応する解像度より低いと決定される。
【0061】
対応する解像度は、各レイヤに使用されるため、消費電力を低減することができ、システム性能を向上させることができる。
【0062】
しかし、これは本発明のこの実施形態において限定されない。あるいは、実際のアプリケーションシナリオの必要性に応じて、アプリケーションプログラムのレイヤが比較的高い解像度が必要であれば、レイヤの解像度は、ディスプレイ画面の解像度よりも高くすることができる。
【0063】
620:複数のレイヤのそれぞれの解像度に従って複数のレイヤを作成する。
【0064】
630:複数のレイヤにレンダリング処理を実行する。
【0065】
本発明のこの実施形態では、アプリケーションプログラムにおいて、少なくともいくつかのレイヤの解像度は、別のレイヤの解像度よりも低い。したがって、CPU及びGPUのレンダリング(Render)処理では、データ量が大幅に減少し、これにより、消費電力の削減が容易になる。
【0066】
640:レンダリング処理後に得られた複数のレイヤ内の第2のレイヤにスケーリング処理を実行する。第2のレイヤの解像度は、第2のレイヤをディスプレイ画面上に表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なっており、スケーリング処理後に得られた第2のレイヤの解像度は、プリセット領域の解像度と同じである。
【0067】
オプションとして、第2のレイヤにスケーリングフラグビットが設定され、スケーリングフラグビットは、第2のレイヤの解像度がディスプレイ画面上に第2のレイヤを表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なることを示すために使用される。
【0068】
650:レンダリング処理後に得られた複数のレイヤ内の第2のレイヤ以外の他のレイヤをスケーリング処理後に得られた第2のレイヤと合成する。
【0069】
660:合成後に得られた画像を表示用のディスプレイ画面に出力する。
【0070】
本発明のこの実施形態では、複数のレイヤのそれぞれの解像度に従って複数のレイヤが作成され、レンダリング処理が複数のレイヤに実行され、その後スケーリング処理が複数のレイヤのいくつかに実行されるので、複数のレイヤが同じ解像度で合成され、合成後に得られた画像が、表示用のディスプレイ画面に出力される。このようにして、バックグラウンド動作中に、異なる解像度を異なるレイヤに対して使用でき、消費電力の低減を容易にすることができる。
【0071】
合成後に得られたレイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度と一致しない場合には、ユーザ視聴エクスペリエンスはが影響を受ける。例えば、レイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度よりも高い場合には、ディスプレイ画面上にレイヤの一部のみが表示される可能性がある。すなわち、レイヤ画像を完全には表示することができず、その結果、ユーザはレイヤ画像を正常に視聴することができない。レイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度よりも低い場合には、そのレイヤは、ディスプレイ画面上の一部の領域にのみ表示され得、その結果、ディスプレイ画面の無駄と、ユーザエクスペリエンスの悪化を招く。したがって、アプリケーションプログラムのレイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度とは異なるならば、アプリケーションプログラムの複数のレイヤがオーバレイされ、オーバレイ後に得られた画像が表示用のディスプレイ画面に出力される前に、アプリケーションプログラムのレイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度と一致するように、解像度が、ディスプレイ画面上にレイヤを表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なるレイヤに、スケーリング処理実行される必要がある。
【0072】
第2のレイヤはアプリケーションプログラムの1つのレイヤであっても複数のレイヤであってもよいことを理解すべきである。アプリケーションプログラムの各レイヤの解像度がディスプレイ画面上にそのレイヤを表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なる場合には、スケーリング処理が各レイヤに実行される必要がある。
【0073】
第2のレイヤが1つのレイヤであり、レイヤの解像度がプリセット領域の解像度よりも低い場合には、スケーリングアップ処理が第2のレイヤに実行される。第2のレイヤが1つのレイヤであり、第2のレイヤの解像度がプリセット領域の解像度よりも高い場合には、スケーリングダウン処理が第2のレイヤに実行される。
【0074】
第2のレイヤが複数のレイヤであり、複数のレイヤの第1の部分の解像度がディスプレイ画面上のプリセット領域の解像度よりも低く、レイヤの第2の部分の解像度が、ディスプレイ画面上のプリセット領域の解像度よりも高い場合には、スケーリングアップ処理が、レイヤの第1の部分に実行され、スケーリングダウン処理がレイヤの第2の部分に実行される。
【0075】
アプリケーションプログラムの複数のレイヤ内の第1のレイヤの解像度だけがディスプレイ画面上のプリセット領域の解像度と異なる場合には、第2のレイヤは第1のレイヤである。アプリケーションプログラムの複数のレイヤ内の第1のレイヤの解像度と複数のレイヤ内の第1のレイヤ以外のいくつかのレイヤの解像度が、ディスプレイ画面上のプリセット領域の解像度とは異なる場合には、第2のレイヤは、第1のレイヤとそのいくつかのレイヤとを含む。アプリケーションプログラムのすべてのレイヤの解像度がディスプレイ画面上のプリセット領域の解像度と異なる場合には、第2のレイヤは、アプリケーションプログラムのすべてのレイヤである。
【0076】
レイヤの解像度が、ディスプレイ画面上にそのレイヤを表示するために使用されるプリセット領域と同じであることは、そのレイヤのピクセル密度が、ディスプレイ画面のピクセル密度と同じであることによっても示され得ることに留意すべきである。レイヤの解像度がディスプレイ画面上にそのレイヤを表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なることは、そのレイヤのピクセル密度がディスプレイ画面のピクセル密度とは異なることによっても示され得る。ピクセル密度とは、単位面積当たりのピクセルの量を指す。例えば、ピクセル密度は、画面1インチ当たりのピクセルの量を指す。
【0077】
オプションとして、第2のレイヤにスケーリングフラグビットが設定され、スケーリングフラグビットは、第2のレイヤの解像度が、ディスプレイ画面上に第2のレイヤを表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なることを示すために使用される。すなわち、スケーリング処理がそのレイヤに実行する必要があるかどうかを、スケーリングフラグビットがレイヤに設定されているかどうかに従って、判定することができる。
【0078】
スケーリングフラグビットは、スケーリングダウンフラグビット又はスケーリングアップフラグビットであってよく、スケーリングダウンフラグビット及びスケーリングアップフラグビットは、それぞれスケーリングダウン処理及びスケーリングアップ処理に対応することを理解すべきである。
【0079】
スケーリング処理は、スケーリングダウン処理又はスケーリングアップ処理である。レイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度よりも高い場合には、スケーリングダウン処理がそのレイヤに実行される必要がある。レイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度よりも低い場合には、スケーリングアップ処理がそのレイヤに実行される必要がある。
【0080】
例えば、スケーリングダウン処理は、ダウンサンプリング法やダウンサンプリングフィルタを用いて実施され得る。スケーリングアップ処理は、補完法や補完フィルタを用いて実施され得る。スケーリングダウン/スケーリングアップ処理のプロセスは、従来技術を参照されたい。詳細はここでは説明しない。
【0081】
さらに、いくつかのアンチエイリアシングアルゴリズムがスケーリングアップ処理の間にさらに使用されてもよい。このようにして、拡大されたレイヤの画像は、比較的高い解像度を有する。
【0082】
スケーリング処理は、端末デバイスの意思決定支援システム(Decision Support System, 略してDSS)により実施されてもよく、又はモバイル表示処理(Mobile Display Process, MDP)モジュールにより実施されてもよい。
【0083】
本発明のこの実施形態では、レンダリング処理後に得られたレイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度とは異なる場合には、スケーリング処理は、まずアプリケーションプログラムのレイヤに実行され、スケーリング処理後に得られたレイヤが、表示用のディスプレイ画面に出力される。このようにして、表示効果を悪化させることがない。
【0084】
したがって、本発明のこの実施形態では、消費電力の削減を容易にするために、異なる解像度が、異なるレイヤのために使用される。さらに、スケーリング処理は、そのレイヤが表示される前に、レイヤに実行されるため、表示効果が悪くならず、またユーザの視聴経験も影響を受けない。
【0085】
オプションとして、アプリケーションプログラムの複数のレイヤは、ステップ650における別のアプリケーションプログラムのレイヤとさらに合成されてもよく、合成後に得られた画像が表示用のディスプレイ画面に出力される。
【0086】
オプションとして、アプリケーションプログラムに対応する解像度が決定される前に、処理方法600は、少なくとも1つのアプリケーションプログラムの解像度をセッティングするステップをさらに含み得る。少なくとも1つのアプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラムを含む。
【0087】
アルゴリズムは、システム内で事前に構成されてもよく、各アプリケーションプログラムの解像度は、アプリケーションプログラムの画像リソース内に記録されているアプリケーションプログラムに関する情報に従って設定される。例えば、アプリケーションプログラムが、ユーザに主にテキストコンテンツを提示するために使用される場合には、例えば、アプリケーションプログラムはイーブック、入力方法、又はファイルブラウザであり、アプリケーションプログラムに対応する解像度は、ディスプレイ画面上にアプリケーションプログラムを提示するために使用されるプリセット領域の解像度よりも低く設定され得る。アプリケーションプログラムがユーザに主に画像コンテンツを提示するために使用される場合には、例えば、アプリケーションプログラムは画像ビューア、ゲーム、又は写真であり、アプリケーションプログラムの解像度は、ディスプレイ画面上にアプリケーションプログラムを提示するために使用されるプリセット領域の解像度と同じに設定され得る。
【0088】
あるいは、各アプリケーションプログラムに対応する解像度は、ユーザの入力に従って設定され得る。それに対応して、アプリケーションプログラムの解像度を設定するステップは、
ディスプレイ画面上のプリセット領域内に解像度設定インターフェースを提示するステップであって、解像度設定インターフェースは、アプリケーションプログラムの識別子と、アプリケーションプログラムに対応する解像度設定領域とを含む、ステップと、
ユーザの設定入力を受信するステップであって、設定入力は、アプリケーションプログラムに対応する解像度設定領域におけるアプリケーションプログラムの解像度を設定するために使用される、ステップと、
設定入力に従ってアプリケーションプログラムの解像度を設定するステップと、
を含み得る。
【0089】
例えば、各解像度設定領域は複数の種類の解像度を含み得、ユーザは、複数の種類の解像度から各アプリケーションプログラムのための対応する解像度を選択し得る。各解像度設定領域の提示形式は本発明のこの実施形態において限定されないことに留意すべきである。例えば、各解像度設定領域における複数の種類の解像度は、ドロップダウンリストの形式により提示されてもよく、ユーザは、そのドロップダウンリストから解像度を選択でき、又は、リストの形式において提示されてもよい。
図8に示すように、ユーザは、対応する解像度を選択できる。
【0090】
オプションとして、アプリケーションプログラムの複数のレイヤが作成された後、処理方法600は、複数のレイヤのそれぞれの解像度に従って、複数のレイヤ内の、かつ解像度がディスプレイ画面上のプリセット領域の解像度とは異なる第2のレイヤを決定するステップと、第2のレイヤにスケーリングフラグビットを設定するステップとをさらに含んでもよい。このようにして、レンダリング処理がそのレイヤに実行された後、スケーリング処理は、スケーリングフラグビットが設定されるレイヤにのみ実行され得る。
【0091】
具体的には、スケーリングフラグビットは、第2のレイヤの画像の各フレームに設定されてもよい。例えば、スケーリングフラグビットは、画像のブランキング領域に配置されてもよい。しかし、これは本発明のこの実施形態において限定されない。あるいは、スケーリングフラグビットは、画像の別の領域に配置されてもよい。
【0092】
レイヤの解像度がディスプレイ画面上にそのレイヤを表示するために使用されるプリセット領域の解像度と同じ場合には、スケーリングフラグビットは、レイヤで設定する必要はない。
【0093】
例えば、レイヤのサイズ(幅など)に従って、アプリケーションプログラム内でスケーリングフラグビットを設定するかどうかを決定し得る。
【0094】
例えば、オペレーティングシステムのアプリケーションプログラムは、一般にフルスクリーンで動作し、したがって、大部分のレイヤの幅は、端末デバイスのディスプレイ画面上にそのレイヤを表示するために使用されるプリセット領域の幅と等しい。したがって、画像の幅に従って、レイヤにスケーリングフラグビットを設定するかどうかが決定される。幅がディスプレイ画面上のプリセット領域の幅と等しくなければ、スケーリングフラグビットが設定される。幅が、ディスプレイ画面の表示領域の幅と等しければ、スケーリングフラグビットは設定されない。
【0095】
さらに、アプリケーションプログラムに対応する解像度は、レイヤが属するアプリケーションプログラムのPIDに従って決定され、レイヤの解像度は、アプリケーションプログラムに対応する解像度及びレイヤに関する情報に従って決定され、その後そのレイヤにスケーリングフラグビットを設定するかどうかが決定される。レイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度より低い場合には、スケーリングアップフラグビットがレイヤに設定される。レイヤの解像度がディスプレイ画面の解像度より高い場合には、スケーリングダウンフラグビットがレイヤに設定される。
【0096】
例えば、ポップアップダイアログボックスがフルスクリーンウィンドウでないアプリケーションプログラムに対し、スケーリングフラグビットを設定するかどうかを決定するために、アプリケーションプログラムのPIDに従って、アプリケーションプログラムのレイヤが低解像度で動作するかどうかを決定する。
【0097】
あるいは、ポップアップダイアログボックスがフルスクリーンウィンドウでないアプリケーションプログラムに対し、レイヤのピクセル密度は、レイヤのサイズおよびアプリケーションプログラムのレイヤの解像度に従って決定され得、その後、スケーリングフラグビットを設定するかどうかを決定するために、そのレイヤのピクセル密度に従って、そのレイヤが低解像度で動作するかどうかが決定されることを理解すべきである。
【0098】
以下では、本発明のこの実施形態を説明するために例として特定のシナリオを使用する。
【0099】
ユーザは、
図3A及び
図3Bに示す携帯電話を使用しており、携帯電話は通常の状態にある。タッチスクリーンは、ユーザからアプリケーション解像度設定インターフェースを開く操作を受信し、ディスプレイ画面は、アプリケーション解像度設定インターフェースを表示する。
図8に示すように、タッチスクリーンは、ユーザから複数の選択操作を受信し、複数の選択操作に従って、プロセッサはカメラアプリケーションの解像度とギャラリーアプリケーションの解像度を2Kに別々に設定し、電子メールアプリケーションの解像度と文書アプリケーションの解像度をフルハイビジョン(Full High Definition, 略してFHD)に設定する。その後、タッチスクリーンは、ユーザからホーム画面に戻る指示を受信し、プロセッサは、ユーザの命令に従ってホーム画面を表示するようにディスプレイデバイスを制御し、アプリケーション解像度設定インターフェースはもはや表示されない。
【0100】
その後、タッチスクリーンは、ユーザからギャラリーを開く命令を受信し、プロセッサは、ユーザの命令に従ってギャラリーを開始し、
図9に示されているギャラリーであるホーム画面を表示するようにディスプレイデバイスを制御する。プロセッサによりギャラリーを開始する方法は、以下のとおりである:ギャラリーの解像度が2Kであると判断され、2Kの画像リソースが取得される。各レイヤの解像度は、画像リソースに記録された、ギャラリーの各レイヤに関する情報及びギャラリーの解像度2Kに従って決定される。例えば、ギャラリーのサムネイル画像901が属する画像レイヤの解像度は、2Kに設定され、テキスト902が属するテキストレイヤの解像度は、FHDに設定される。スケーリングフラグビットが、解像度がディスプレイ画面上のプリセット領域の解像度とは異なるレイヤに設定される。例えば、携帯電話の画面上のプリセット領域の解像度が2Kであるならば、スケーリングフラグビットが、テキストレイヤに設定される。ギャラリーの複数のレイヤが、各レイヤの解像度に従って別々に作成され、レンダリング処理がギャラリーアプリケーションの複数のレイヤに実行される。アプリケーションプログラムが表示用のディスプレイデバイスに出力される前に、スケーリング処理が、スケーリングフラグビットが設定されたレイヤに実行され、スケーリング処理後に得られたレイヤの解像度は、ディスプレイ画面上にレイヤを表示するために使用されるプリセット領域の解像度と同じである。例えば、テキストレイヤの解像度を2Kに変更するように、スケーリングアップ処理が、ギャラリーアプリケーションのテキストレイヤに実行される。ギャラリーアプリケーションの複数のレイヤは、ステータスバー903やナビゲーションバー904などの他のレイヤと合成され、合成後に得られた画像を表示用のディスプレイデバイスに出力する。
【0101】
その後、タッチスクリーンは、ユーザからホーム画面に戻る指示を受信し、プロセッサがホーム画面を表示するようにディスプレイ画面を制御し、以前に開いたギャラリーアプリケーションの画面はもはや表示しない。ユーザがアプリケーションをクローズしないため、プロセッサは、バックグラウンドでギャラリーアプリケーションを依然として実行する。この場合、プロセッサは、各レイヤのそれぞれの解像度で依然として動作するので、端末デバイスの消費電力が削減できる。
【0102】
本発明のこの実施形態では、レイヤの解像度は、レイヤに関する情報に従って柔軟に設定される。高解像度が必要なレイヤのために高解像度が設定され、高解像度が必要でないレイヤのために低解像度が設定される。さらに、スケーリング処理は、そのレイヤが表示用のディスプレイ画面に出力される前に、アプリケーションのレイヤに実行される。したがって、表示効果を悪化させることがなく、また消費電力が削減できる。
【0103】
図10は、本発明の別の実施形態による端末デバイス1000の概略図である。
図10に示すように、端末デバイス1000は、第1処理ユニット1010、第2処理ユニット1020、及び第3処理ユニット1030を含む。
【0104】
第1処理ユニット1010は、アプリケーションプログラムの複数のレイヤのそれぞれの解像度を決定するように構成されており、複数のレイヤ内の第1のレイヤの解像度は、複数のレイヤ内の別のレイヤの解像度より低い。
【0105】
第2処理ユニット1020は、第1処理ユニット1010により決定された複数のレイヤのそれぞれの解像度に従って複数のレイヤを作成し、複数のレイヤにレンダリング処理を実行するように構成されている。
【0106】
第3処理ユニット1030は、第2処理ユニット1020により実行されたレンダリング処理後に得られた複数のレイヤ内の第2のレイヤにスケーリング処理を実行するように構成されており、第2のレイヤの解像度は、第2のレイヤをディスプレイ画面上に表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なっており、スケーリング処理後に得られた第2のレイヤの解像度は、プリセット領域の解像度と同じである。第3処理ユニットは、レンダリング処理後に得られた複数のレイヤ内の第2のレイヤ以外の他のレイヤをスケーリング処理後に得られた第2のレイヤと合成し、合成後に得られた画像を表示用のディスプレイ画面に出力するようにさらに構成されている。
【0107】
本発明のこの実施形態では、複数のレイヤが各レイヤの解像度に従って作成され、レンダリング処理が複数のレイヤに実行され、その後スケーリング処理が複数のレイヤのいくつかに実行されるため、複数のレイヤは、同じ解像度で合成でき、合成後に得られた画像が、表示用のディスプレイ画面に出力される。このようにして、バックグラウンド動作中に、異なる解像度を異なるレイヤに対して使用でき、消費電力の低減を容易にすることができる。
【0108】
オプションとして、第2のレイヤにスケーリングフラグビットが設定され、スケーリングフラグビットは、第2のレイヤの解像度が、ディスプレイ画面上に第2のレイヤを表示するために使用されるプリセット領域の解像度とは異なることを示すために使用される。
【0109】
オプションとして、第1処理ユニット1010は、各レイヤに関する情報に従って各レイヤの解像度を決定するように特に構成されている。
【0110】
オプションとして、第1処理ユニット1010は、アプリケーションプログラムに対応する解像度を決定し、アプリケーションプログラムに対応する解像度と、複数のレイヤのそれぞれに関する情報とに従って、複数のレイヤのそれぞれの解像度を決定するように特に構成されている。
【0111】
オプションとして、第1処理ユニット1010は、アプリケーションプログラムに対応する解像度を決定するステップの前に、少なくとも1つのアプリケーションプログラムの解像度を設定するようにさらに構成され、少なくとも1つのアプリケーションプログラムは、アプリケーションプログラムを含む。
【0112】
オプションとして、第1処理ユニット1010は、
プリセット領域に解像度設定インターフェースを提示するようにディスプレイ画面を制御することであって、解像度設定インターフェースは、アプリケーションプログラムのアイコン及びアプリケーションプログラムに対応する解像度設定領域を含む、制御することと、
ユーザの設定入力を受信することであって、設定入力は、アプリケーションプログラムに対応する解像度設定領域におけるアプリケーションプログラムの解像度を設定するために使用される、受信することと、
設定入力に従ってアプリケーションプログラムの解像度を設定することと、
を行うように特に構成されている。
【0113】
本発明のこの実施形態では、第1処理ユニット1010、第2処理ユニット1020、及び第3処理ユニット1030は、プロセッサにより実現されてもよいことに留意すべきである。
図11に示すように、本発明の実施形態による別の端末デバイス1100は、プロセッサ1110、ストレージ1120、及びバスシステム1130を含み得る。ストレージ1120は、プロセッサ1110により実行されるコード等を格納するように構成され得る。プロセッサ1110は、
図3A及び
図3Bに示されている端末デバイスのCPU及び/又はGPUに対応してもよいことに留意すべきである。
【0114】
オプションとして、端末デバイス1100は、ディスプレイ(タッチスクリーン、LCD、CRT、ホログラフィック(Holographic)イメージング、又はプロジェクタ(Projector)など)、キーボード、又はクリックデバイス(マウス、トラックボール(trackball)、タッチパッド、又はタッチスクリーンなど)を含むユーザインターフェースをさらに含み得る。
【0115】
端末デバイス1100のコンポーネントは、バスシステム1130を使用することにより共に結合される。データバスに加えて、バスシステム1130は、電力バス、制御バス、及びステータス信号バスをさらに含み得る。
【0116】
ストレージ1120は、読み出し専用メモリ及びランダムアクセスメモリを含み得、プロセッサ1110のための命令とデータを提供する。ストレージ1120の一部は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含んでもよい。
【0117】
いくつかの実装形態では、ストレージ1120は、以下の要素を格納する:実行可能モジュール又はデータ構造、実行可能モジュール又はデータ構造のサブセット、又は実行可能モジュール又はデータ構造の拡張セット。
【0118】
オペレーティングシステムは、
図3A及び
図3Bに示されているフレームレイヤ、カーネルライブラリレイヤ、及びドライバレイヤなどの様々なシステムプログラムを含み、様々な基本サービスを実装し、ハードウェアベースのタスクを処理するように構成されている。
【0119】
アプリケーションプログラムモジュールは、
図3A及び
図3Bに示されているデスクトップ(launcher)、メディアプレイヤー(Media Player)、及びブラウザ(Browser)などの様々なアプリケーションプログラムを含み、様々なアプリケーションサービスを実施するように構成されている。
【0120】
図10に示す端末デバイス1000又は
図11に示す端末デバイス1100は、前述の方法の実施形態で実現される処理を実施可能である。繰り返しを避けるため、詳細はここでは再び説明しない。
【0121】
本発明の前述の方法の実施形態は、プロセッサに適用されてもよいし、又はプロセッサにより実装されてもよいことに留意すべきである。プロセッサは、信号処理能力を備えた集積回路チップであり得る。実装プロセスにおいて、前述の方法の実施形態のステップは、プロセッサ内のハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形式の命令により完了され得る。プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor, DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array, FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理デバイス、又は個別のハードウェアコンポーネントであってもよい。プロセッサは、本発明の実施形態において開示された方法、ステップ、及び論理ブロック図を実装又は実行可能である。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又はプロセッサは、任意の通常のプロセッサなどであってもよい。本発明の実施形態を参照して開示された方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサを用いて直接実行するとともに完了してもよいし、又は復号プロセッサのハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとを組み合わせて使用することにより実行されるとともに完了してもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラム可能な読み出し専用メモリ、電気的消去可能なプログラム可能なメモリ、又はレジスタなどのような、当業において成熟した格納媒体に配置され得る。格納媒体は、ストレージ内に配置され、プロセッサは、ストレージから情報を読み取り、プロセッサ内のハードウェアと組み合わせて前述の方法のステップを完了する。
【0122】
本発明のこの実施形態における「及び/又は」という用語は、関連するオブジェクトを説明するための関連関係のみを説明し、3つの関係が存在し得ることを示すことを理解すべきである。例えば、A及び/又はBは、Aのみ存在する、AとBの両方が存在する、Bのみが存在する、という3つのケースを示し得る。
【0123】
当業者であれば、本明細書に開示された実施形態において説明された例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの組み合わせによって実施され得ることを認識し得る。ハードウェアとソフトウェアの間の互換性を明確に説明するために、前述の説明は、機能ごとに各例における構成及びステップを一般的に説明した。機能がハードウェアによって実行されるか又はソフトウェアによって実行されるかは、具体的なアプリケーションおよび技術的解決策の設計制約条件に依存する。当業者であれば、具体的なアプリケーション毎に説明された機能を実施するための異なる方法を使用し得るが、その実施は、本発明の範囲を超えていると考えるべきではない。
【0124】
当業者であれば、前述のシステム、装置、及びユニットの詳細な作業プロセスについては、簡潔かつ簡単な説明のために、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照し、明確に理解し得る。詳細はここでは再び説明しない。
【0125】
この明細書において提供されるいくつかの実施形態において、開示されたシステム、装置、及び方法は、他の様式において実装され得ることは理解すべきである。例えば、説明された装置の実施形態は単なる例に過ぎない。例えば、ユニット分割は、単に論理的な機能分割であり、実際の実装では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、組み合わせ、又は別のシステムに統合してもよく、又はいくつかの機能を無視し又は、実行しなくてもよい。さらに、表示された又は議論された相互結合阿多は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェースを通じて実装され得る。装置又はユニット間の間接的な結合又は通信接続は、電子的、機械的、又は他の形式において実装されてもよい。
【0126】
別個の部分として説明されたユニットは、物理的に分離していてもしていなくてもよく、ユニットとして表示された部分は、物理的なユニットであってもなくてもよく、すなわち、一か所に配置されてもよいし、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。ユニットの一部又は全部は、本発明の実施形態における解決策の目的を達成するために、実際の必要性に従って選択することができる。
【0127】
さらに、本発明の実施形態の機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、又は各ユニットは物理的に単独で存在してもよいし、又は、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。前述の統合ユニットは、ハードウェアの形式で実装されてもよく、又はソフトウェア機能ユニットの形式で実装されてもよい。
【0128】
前述の実施態様の説明を用いて、当業者は、本発明をハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせによって実施され得ることを明確に理解し得る。本発明がソフトウェアによって実施される場合には、前述の機能は、コンピュータ可読媒体に格納されてもよく、又はコンピュータ可読媒体の1つ又は複数の命令又はコードとして送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含む。通信媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを送信可能にする任意の媒体を含む。ストレージ媒体は、コンピュータにアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。以下では、一例を提供するが限定を課すものではない:コンピュータ可読媒体は、RAM、EEPROM、CD-ROM又は別の光ディスクストレージ、ディスクストレージ媒体又は別の磁気ストレージデバイス、又は命令又はデータ構造の形式で予想されるプログラムコードを搬送又は格納でき、コンピュータによりアクセス可能な任意の別の媒体を含み得る。さらに任意の接続は、コンピュータ可読媒体として適切に定義され得る。例えば、同軸ケーブル、光ファイバ/ケーブル、ツイストペア、デジタル加入者ライン(英語: Digital Subscriber Line, 略してDSL)、又は赤外線、無線、又はマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、又は別のリモートソースからソフトウェアが送信されるならば、その同軸ケーブル、光ファイバ/ケーブル、ツイストペア、DSL、又は赤外線、無線、又はマイクロ波などの無線技術は、それらが属する媒体の固定に含まれる。例えば、ディスク(Disk)や本発明で使用されるディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスクを含む。ディスク(disk)は一般に磁気的手段によりデータをコピーし、ディスク(disc)は、レーザ手段によりデータを光学的にコピーする。前述の組み合わせはまた、コンピュータ可読媒体の保護範囲に含まれるべきである。
【0129】
要約すると、以上説明したことは、本発明の技術的解決策の単なる例示的実施形態にすぎず、本発明の保護範囲を限定する意図でなされたものではない。本発明の精神および原理から逸脱することなくなされた任意の修正、等価な置換又は改良は、本発明の保護範囲に入るものである。