(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884834
(24)【登録日】2021年5月14日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】位相相関を用いた非剛体変形の存在下での医用画像のシングル及びマルチのモダリティ位置合わせ
(51)【国際特許分類】
G06T 7/32 20170101AFI20210531BHJP
【FI】
G06T7/32
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-172511(P2019-172511)
(22)【出願日】2019年9月24日
(62)【分割の表示】特願2016-536185(P2016-536185)の分割
【原出願日】2014年12月3日
(65)【公開番号】特開2020-35449(P2020-35449A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2019年10月21日
(31)【優先権主張番号】61/911,379
(32)【優先日】2013年12月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512129837
【氏名又は名称】ビューレイ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViewRay Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルギ・ゲルガノフ
(72)【発明者】
【氏名】イワン・カウラコウ
【審査官】
千葉 久博
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−190421(JP,A)
【文献】
特開2011−41656(JP,A)
【文献】
特開2006−218315(JP,A)
【文献】
特表2004−509723(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/143400(WO,A1)
【文献】
田島裕一郎, 外2名,“3次元位相限定相関法を用いた非剛体ボリュームレジストレーションに関する検討”,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2012年 5月10日,第112巻, 第38号,p.107-112
【文献】
G. Gerganov, 外3名,"Portal image registration using the phase correlation method",2013 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (2013 NSS/MIC),米国,IEEE,2013年11月 2日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサと、
前記少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサによって実行されたときに少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサに複数の動作を実行させる命令を格納する非一時的なマシン可読媒体とを備えたシステムであって、前記複数の動作は、
MRI撮像装置又はCT撮像装置の少なくとも一方から、第1の時間及び第1の位置で撮影された患者の第1の医用画像と、第2の時間及び第2の位置で撮影された前記患者の第2の医用画像とを受信するステップであって、前記第1の医用画像と前記第2の医用画像とが、変形によって互いに異なるステップと、
共通登録グリッドに配置される前記第1の医用画像と前記第2の医用画像とを位相相関法を用いて比較するステップとを含み、前記比較するステップは、
前記第1の医用画像と前記第2の医用画像とのクロスパワースペクトルの逆フーリエ変換を計算するステップであって、前記逆フーリエ変換は前記変形によって隣接する複数のボクセルの周りに広がったピークを有するステップと、
前記隣接する複数のボクセルの強度に少なくとも部分的に基づいて前記ピークの変位を計算するステップと、
前記変位に基づいて、前記患者の物理的位置に対する変化を決定するステップと、
決定された前記変化に基づいて、前記患者の前記第2の位置を前記患者の第1の位置により密接に適合させるように補正するステップとを含むシステム。
【請求項2】
前記ピークの前記変位を計算するステップは、
前記クロスパワースペクトルの逆フーリエ変換の最大強度を求めるステップと、
前記最大強度に基づいて決定されるしきい値より大きな強度を有する複数のボクセルから、ボクセルの周りの隣接する複数のボクセルのボクセル強度の和が最大であるボクセルをピークとして選択するステップであって、前記隣接する複数のボクセルは、前記共通登録グリッドの各次元に沿ったボクセルの数の割合としてのサイズを有するウィンドウにあるステップとをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記しきい値は、前記最大強度の0.9倍である請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記割合は、0.05である請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記ウィンドウ内の複数のボクセルの強度の重心の位置を計算することにより、前記ピークの前記変位を決定するステップをさらに含む請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記比較するステップは、前記第1の医用画像及び前記第2の医用画像のクロスパワースペクトルを正規化するステップを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の医用画像と前記第2の医用画像とは、互いに異なる撮像モダリティを用いて得られる請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記補正するステップは、患者が横たわっている寝台又はベッドの運動を引き起こすことにより患者を移動させるステップを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
第1の医用画像と前記第2の医用画像とは、前記患者の寝台又はベッドを自動的に移動するための1つ以上のコマンドを生成することにより位置合わせされる請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサによって実行されたときに少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサに複数の動作を実行させる命令を格納するマシン可読媒体であって、前記複数の動作は、
MRI撮像装置又はCT撮像装置の少なくとも一方から、第1の時間及び第1の位置で撮影された患者の第1の医用画像と、第2の時間及び第2の位置で撮影された前記患者の第2の医用画像とを受信するステップであって、前記第1の医用画像と前記第2の医用画像とが、変形によって互いに異なるステップと、
共通登録グリッドに配置される前記第1の医用画像と前記第2の医用画像とを位相相関法を用いて比較するステップとを含み、前記比較するステップは、
前記第1の医用画像と前記第2の医用画像とのクロスパワースペクトルの逆フーリエ変換を計算するステップであって、前記逆フーリエ変換は前記変形によって隣接する複数のボクセルの周りに広がったピークを有するステップと、
前記隣接する複数のボクセルの強度に少なくとも部分的に基づいて前記ピークの変位を計算するステップと、
前記変位に基づいて、前記患者の物理的位置に対する変化を決定するステップと、
決定された前記変化に基づいて、前記患者の前記第2の位置を前記患者の第1の位置により密接に適合させるように補正するステップとを含むマシン可読媒体。
【請求項11】
前記ピークの前記変位を計算するステップは、
前記クロスパワースペクトルの逆フーリエ変換の最大強度を求めるステップと、
前記最大強度に基づいて決定されるしきい値より大きな強度を有する複数のボクセルから、ボクセルの周りの隣接する複数のボクセルのボクセル強度の和が最大であるボクセルをピークとして選択するステップであって、前記隣接する複数のボクセルは、前記共通登録グリッドの各次元に沿ったボクセルの数の割合としてのサイズを有するウィンドウにあるステップとをさらに含む請求項10に記載のマシン可読媒体。
【請求項12】
前記しきい値は、前記最大強度の0.9倍である請求項11に記載のマシン可読媒体。
【請求項13】
前記割合は、0.05である請求項11に記載のマシン可読媒体。
【請求項14】
前記ウィンドウ内の複数のボクセルの強度の重心の位置を計算することにより、前記ピークの前記変位を決定するステップをさらに含む請求項11に記載のマシン可読媒体。
【請求項15】
前記比較するステップは、前記第1の医用画像及び前記第2の医用画像のクロスパワースペクトルを正規化するステップを含む請求項10に記載のマシン可読媒体。
【請求項16】
前記第1の医用画像と前記第2の医用画像とは、互いに異なる撮像モダリティを用いて得られる請求項10に記載のマシン可読媒体。
【請求項17】
前記補正するステップは、患者が横たわっている寝台又はベッドの運動を引き起こすことにより患者を移動させるステップを含む請求項10に記載のマシン可読媒体。
【請求項18】
第1の医用画像と前記第2の医用画像とは、前記患者の寝台又はベッドを自動的に移動するための1つ以上のコマンドを生成することにより位置合わせされる請求項17に記載のマシン可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の本発明の要旨は、非剛体変形の存在下での医用画像のシングル及びマルチのモダリティ移動の位置合わせのためのツールとしての位相相関の使用に関する。
【0002】
関連出願の相互参照.
本願は、2013年12月3日に出願された米国仮出願番号第61/911379号の優先権を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
並進移動する画像の位置合わせは、画像登録(画像レジストレーション)、画像融合、マルチフレーム画像化(イメージング)などの、多くの医療画像化動作における基本的で一般的に使用される前処理ステップである。多くのアプリケーションにおいて、位置合わせアルゴリズムはノイズへの高速かつ堅牢であることが非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像位置合わせの問題は、画像内に存在する小さな変形が存在する場合(例えば、患者の呼吸器官の運動による変形)又は撮像モダリティの異なる種類が登録された2つの画像を生成する場合は、さらに困難になる。そのような場合、強度ベースの類似度は、非凸状の挙動を示すことができ、このことは最適化のための困難な問題をレンダリングする。そのような困難の例は
図1に示されており、
図1は、患者の身体の骨盤領域の画像対に対する患者軸に沿った並進シフトの関数として相互相関類似度の値を示すグラフ100を示す。とりわけ、
図1のグラフ100は、勾配ベースの最適化アプローチとグローバル最大について解くときに、極大値の存在がどのように困難を引き起こすかを示す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の要旨の実施例にかかる位相相関法(PCM)は、データセット内の非剛体変形の存在下での3次元医用画像の並進及び/又は回転の位置合わせのために確実に使用することができる。
【0006】
一態様では、前記方法は、位相相関法を用いて、第1の時刻で撮像された患者の第1の登録ボリュームの第1の医用画像と、第2の時刻で撮像された患者の第2の登録ボリュームの第2の医用画像とを比較することを含む。前記比較することは、共通登録グリッドにおいて、適切に第1及び第2の医用画像を位置合わせするために必要な、移動及び回転のうちの少なくとも1つを計算することを含む。前記方法はさらに、前記計算に基づいて、患者の物理的な位置と物理的な方向の少なくとも一方の変化を決定することを含む。前記変化は、より密接に第1の画像で撮像された患者の第1の位置に適合するように、第2の画像に画像化された患者の第2の位置を補正する。前記変化は出力される。
【0007】
オプションの変形例では、1つ又はそれ以上の以下の特徴は、任意の実行可能な組み合わせに含まれることができる。第1の画像と第2画像は、同一の撮像モダリティ又は異なる画像化モダリティを使用して得ることができる。第1の登録ボリュームと第2の登録ボリュームがダウンサンプリングされて、第1の登録ボリュームと第2の登録ボリュームのいずれかよりも低い解像度を有する共通登録グリッドが作成される。あるいは、又はそれに加えて、第1の登録ボリュームと第2の登録ボリュームは異なる解像度を含むという決定をなすことができる。第1の登録ボリューム及び/又は第2の登録ボリュームは、一般的な登録グリッドに再サンプリングすることができる。共通登録グリッドの各次元に沿った共通の解像度は、第1の登録ボリュームの第1の初期解像度と第2の登録ボリュームの第2の初期解像度とのうちの粗い解像度に設定することができる。
【0008】
前記比較することは、第1の登録ボリュームと第2の登録ボリュームの正規化されたクロスパワースペクトルのピークを識別することを含むことができる。前記正規化されたクロスパワースペクトルのピークを識別することは、前記正規化されたクロスパワースペクトルのフーリエ変換の最大強度を求めることと、しきい値よりも大きな強度を有する複数のボクセルから、ボクセルの周りの隣接する複数のボクセルのボクセル強度の和が最も高いときのボクセルを選択することとを含むことができる。隣接する複数のボクセルは、共通登録グリッドの各次元に沿ったボクセルの数の割合として定義されたウィンドウに存在することができる。前記方法はさらに、隣接する複数のボクセルのボクセル強度の重心を計算することにより、ピークの位置を精密化することをさらに含むことができる。
【0009】
いくつかの変形例では、前記変化は、患者の物理的な位置及び/又は物理的な方向に適用することができ、医療処置は変更を適用した後に患者に行うことができる。医療処置は、放射線治療及び外科的処置の少なくとも1つを含むことができる。
【0010】
1つ又はそれ以上のマシン(例えばコンピュータ等)に対して本明細書で説明した動作をもたらすように動作可能な有形に具現化されたマシン可読媒体を備える複数の製品と同様に、このアプローチにかかるシステム及び方法について以下に説明する。同様に、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリを備えるコンピュータシステムが記載されている。前記メモリは、プロセッサに対して本明細書に記載した1つ又はそれ以上の動作を実行させる1つ又は複数のプログラムを含んでもよい。
【0011】
本発明の要旨の実施例にかかるシステムは、第1及び第2の医用画像を生成する1つ又は複数の画像化装置(例えば、MR/CTなど)を含むことができる。システムはこのようなデバイスを含む必要はない。例えば、第1及び第2の医用画像を他の画像化装置によって生成することができ、画像(又は画像を表す少なくとも1つ又はそれ以上のデータセット)は本明細書に記載の動作を実行するコンピュータのハードウェアに転送することができる。
【0012】
本明細書中に記載の本願要旨の1つ又はそれ以上の変形例の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。本願要旨の他の特徴及び利点は、本明細書に記載され、説明及び図面から、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0013】
添付の図面は本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成している、本明細書で開示される要旨の特定の態様を示す。説明と共に、開示された実装に関連付けられた原則のいくつかを説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】患者の身体の骨盤領域の画像の対に対する患者軸に沿った並進シフトの関数として相互相関類似度の値を示すグラフである。
【
図2】登録データセット例のパラメータの表を示す。
【
図3】PCM登録の前に、物質(例えば患者の軸に沿ったずれ)ボリュームの初期位置を示す本発明の要旨の実施例にかかるPCM方式を用いた、単一のモダリティMRデータセットの並進移動の位置合わせを示す一連の画像を示す。
【
図4】PCMシフトを適用した後、登録されたボリュームを描いた、本発明の要旨の実施例にかかるPCM手法を用いた、単一のモダリティMRデータセットの並進移動の位置合わせを示す一連の画像を示す。
【
図5】本発明の要旨の実施例にかかるマルチモダリティMR/CTデータセットの並進移動の位置合わせを示す一連の画像を示す。
【
図6】本発明の要旨の実施例により得られるPCMシフト周りCCとMI登録コスト関数のふるまいを図示するグラフである。
【
図7】本発明の要旨の実施例により得られるPCMシフト周りCCとMI登録コスト関数のふるまいを図示するグラフである。
【
図8】
図2の表に記載されているデータセットの登録結果を示す表を示す。
【
図9】本発明の要旨の実施例にかかる各次元の2のダウンサンプリング係数を用いて、ダウンサンプリングされたボリュームで得られた結果を含むテーブルを示す。
【
図10】本発明の要旨の実施例にかかる、1つ又はそれ以上の特徴を有する方法の態様を示すプロセスフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実際の実施例において、同様の参照番号は同様の構造、機能又は要素を示す。
【0016】
例えば、同じ又は異なるモダリティを使用して捕捉された例えば2つの画像の登録のために、本発明の要旨にかかるアプローチは、単一のモダリティだけでなく、マルチモダリティ画像登録のために使用することができる。ここで、可能なモダリティは、磁気共鳴(MR)、コンピュータ断層撮影(CT)などが挙げられるがこれらに限定されない。登録品質(レジストレーション品質)は、登録コスト関数として、相互相関(CC)、相互強度(MI)の強度に基づく類似度(SM)を用いて定量化することができる。本発明の要旨の実施例にかかるPCMを用いて得られたコスト関数値は、網羅的探索及び良好な一致で見つかった最適な値に匹敵する。得られたPCMシフトは、(例えばMRからMRへ、CTからCTへなどの)シングルモダリティ登録と、(例えばMRからMRへなどの)マルチモダリティ登録との両方に対して、徹底的な検索を使用して見つかった最適なシフトを密接に一致させることができる。従って、本発明の要旨の実施例にかかるPCMは、ピクセルレベルの精度で粗い画像の位置合わせのための効率的かつ堅牢な方法とすることができる。アルゴリズムの小さな計算複雑度を有するアルゴリズムの簡単さは、医用画像処理における高速初期位置合わせのためのツールとして有利な選択を行うことができる。
【0017】
位相相関法(PCM)は、画像の位置合わせのためのノイズが多いアルゴリズムに対して効率的かつロバストであり、当該アルゴリズムはもともと、変位画像間の並進移動する整数ピクセルシフトを推定(又は評価)するために使用された。その後、アルゴリズムはまた、対数極座標画像の変換を用いて、回転されかつスケーリングされた2D画像に対して動作するように拡張された。3Dケースにおいて組み合わせられた並進移動、回転及びスケーリングの推定(又は評価)のためのPCMの同様の一般化は可能ではなく、なぜならば、3Dケースにおいて回転を並進移動に変換する座標変換は存在しないからである。しかしながら、前記方法は、疑似極性フーリエ変換を利用して、とって代わって、円筒状の位相相関法(CPCM)と呼ばれる反復最適化手順を適用することによって、3Dで並進移動されかつ回転された複数のボリュームを登録するように拡張された。後者のアプローチでは、異なる軸の周りの回転角を繰り返し円筒マッピングされた画像にPCMを適用することによって推定される。
【0018】
本発明の要旨の実施例において、元の形式でPCMの適用は、並進移動のみならず互いに変形されている複数の3Dボリューム対を、確実にかつ比較的計算コストで安価に位置合わせさせるために使用される。このアルゴリズムは、非常に良好な結果がマルチモダリティMR/CT画像登録に適用され、一般的に使用される、強度に基づく2個の類似度の観点において、最適に近い結果を提供することができる。最適なシフト(例えば、網羅的探索で見つかったもの)と、本発明の要旨の実施例にかかるPCMによって識別シフトとの間の差異は小さい。本発明の要旨の使用は、二つ以上の医用画像の位置合わせの臨床実践でPCMの適用を広げることができる。
【0019】
位相相関法(PCM)は、基本的なフーリエシフト定理に基づいている。その原理は、間隔τを有する信号f(t)を遅延(シフト)させることは、例えば式(1)に表されるように、信号のフーリエ変換F(ω)をe
-iωτで乗算することと等価である。
【0021】
従って、2個のボリュームA及びBは、互いのシフトされたバージョンであるならば(すなわち、
【数2】
)それらの正規化されたクロスパワースペクトル:
【数3】
は、式2のような式に簡単になる。
【0023】
ここで、
【数5】
及び
【数6】
は、フーリエ変換画像A及びBの変換であり、
【0024】
【数7】
は、
【数8】
の複素共役である。正規化されたクロスパワースペクトルの逆フーリエ変換
【数9】
を演算することは、正確に変位
【数10】
を中心とするクロネッカーのデルタ関数であり、当該変位は、正規化されたクロスパワースペクトルのピークである。クロネッカーのデルタ関数は、式3のように表すことができる。
【0026】
第1の画像Aの並進移動されたレプリカである第2の画像Bの理想的な場合において、ピークの位置は、複数の画像間の正確な並進移動をミスアライメントを特定する。しかしながら、通常実画像中に存在しているノイズ及び/又は変形のために、ピークは通常、隣接する複数のボクセルの周りに広がっている。また、エイリアシングアーティファクトとエッジ効果はさらにピークの品質を低下させることができる。PCMピークの明瞭さとシャープさを向上させるため、並びに、一般的なサブピクセル精度に到達するための以前に利用可能なアプローチは、一般変形ボリュームとマルチモダリティ画像登録の場合に直接適用することができず、なぜならば、登録されている2つの画像が同一であること(両方の画像内に存在するいくつかのランダムノイズの程度まで)アプローチの基本的な前提は有効ではないからである。そのため、医用画像内の登録アプリケーションのために、ピクセルレベルの位置合わせ精度を考慮してもよいである。本発明の要旨にかかる一実現例において、ピークの位置は、単純なしきい値処理技術を用いて同定することができ、以下でより詳細に説明する。
【0027】
図2に生成されたパラメータテーブル200は、本発明の要旨の態様の実験的検証に使用される登録データセットに関する様々な情報を示す。第1の列は、データセットの識別名を含み、2番目の列は、対応するデータセットの登録のタイプを含む。「ボリューム1」と「ボリューム2」の列は、登録されている2つの3Dボリューム(撮像モダリティ、ボクセルとボクセルサイズの数)を含み、最後の列は、患者の解剖学的にどの構造の部分をスキャンしたかについての情報を提供する。すべてのデータセットは、ヒト患者の実際のスキャンから得られる。各データセットは、同じ患者の二つの異なるスキャンで得られた2個のシフトされた3Dボリュームのペアを含む。異なるデータセットは、患者の身体の異なる部分をカバーしており、3つのすべての方向に大きな並進変位を示すことができる。胸部及び腹部のスキャンは、患者の呼吸及び運動による変形に供される。データセットの一部において、異なる2つのスキャンのために撮像モダリティが使用された。
【0028】
ずれた画像を位置合わせするために、本発明の要旨の実施例にかかる形で使用されるPCMの性能は、以下の3つのシナリオで調査され、これについては以下でより詳細に議論される。第1のシナリオでは、PCMは、同一の撮像モダリティを用いて得られた変形ボリュームを整列させるために使用される(
図2のテーブル200内のデータセットDS1、DS2、DS3とDS4)。これらのデータセットはすべてMRスキャンにより生成された。第2のシナリオでは、PCMは、マルチモダリティMR/CTのペアを登録するために使用された(
図2のテーブル200内のデータセットDS5、DS6、DS7とDS8)。MRスキャンでは、患者が横たわっているソファとヘッドサポートは表示されない。CTデータ内のこれらのオブジェクトの存在への影響を排除するために、それらはCTスキャンから手動でクロップ除去された。ソファに起因する登録結果に及ぼす影響、及びCTスキャン中に存在するヘッドサポートは、第3のシナリオで検討されている(
図2のテーブル200におけるデータセットのDS5C、DS6C、DS7CとDS8C)。データセットは、この場合にはソファとヘッドサポートがCTスキャンからトリミングされていないことを除いて、第2のシナリオで使用されるデータセットと実質的に同一である。
【0029】
登録データセット内に存在する変形に起因して、この研究で使用したデータセットのための最適な位置合わせのずれを定義することは困難である。そのため、PCM登録の精度を評価するために二つの類似度が登録コスト関数として使用される。相互相関係数(CC)と2つのボリュームAとBとの間の相互情報(MI)はそれぞれ例えば、式4及び式5で表される。
【0032】
ここで、A
iとB
iはボリュームA及びBのi番目のボクセルの画像強度である。P(A
i,B
j)は2個のボリュームのボクセル強度の同時確率密度関数であり、P(A
i)及びP(B
j)はそれぞれA及びBの周辺確率密度関数である。16×16のビンを持つヒストグラムはP(A
i,B
j)を評価するために使用された。PCMからのシフトを適用した後に得られた類似度は、PCMシフト周りのシフトの大規模なグリッド上の網羅的探索で見つかった施策の最適(最大)値と比較される。CC及びMIの登録メトリックは、この研究の目的のために選択された。CCメトリックは、単一のモダリティ画像登録のために一般的に適しており、MIメトリックは、マルチモダリティ位置合わせのためのより適切である。
【0033】
実施例において、本発明の要旨の実施例にかかるPCMアルゴリズムは、(例えば、C++など)ソフトウェアで実現することができる。高速フーリエ変換(FFT)はFFTW3ライブラリーを用いて行うことができる。第1及び第2の画像内の第1及び第2の登録ボリュームは、異なる解像度を持っている場合(ボクセル及び/又は異なるボクセルサイズの例えば異なる数)において登録されたボリュームは、一般的な登録グリッドに再サンプリングすることができる。共通に登録されたグリッドの各次元に沿った解像度は、2つの初期の解像度のうち、そのディメンションの粗い解像度に設定されている(例えば、第1の登録ボリュームの第1の初期解像度又は第2の登録ボリュームの第2の初期解像度)。再サンプリングは、トリリニア(三線)補間を使用して行うことができる。再サンプリングと3DのFFTは、マルチスレッド実行を高速化することができる。他の計算手法は、本発明の要旨の範囲内である。
【0034】
いくつかの実施例は、オプションの前処理ステップを含むことができ、ここで、患者の皮膚表面は、PCMを適用する前に、登録データセット内の2つの登録されたボリュームのそれぞれで識別される。表面の外側にある全てのボクセルは、登録結果にノイズ及び他のアーチファクトの影響を低減するためにゼロにすることができる。すべてのボリュームの横断スライスにマーチングスクエアアルゴリズムを適用することによって皮膚表面を自動的に検出することができる。マーチングスクエアアルゴリズムのための等値面は、ボリューム内のボクセルの0.5倍の平均強度に設定することができる。
【0035】
行列
【数14】
(式3参照)におけるピークの同定は、まず最初に最大強度q
maxを求めることによっ
て行うことができる。そして、しきい値(例えば0.9×q
max)よりも大きな強度を
持つ全てのボクセルのうち、そのボクセルの周りの小さなウィンドウ内のボクセル強度の総和(例えば、隣接する複数のボクセル)が最大であるボクセルを選択することができる。ウィンドウのサイズは(wN
x)×(WN
y)×(WN
z)であり、ここで、w=0.05(又はいくつかの他の小数)であり、N
x、N
y、N
zは登録グリッドの各次元に沿ったボクセルの数である。ピークの位置(すなわち、並進シフト)はさらにウィンドウ内行列
【数15】
におけるボクセル強度の重心を計算することによって改良することができる。
【0036】
例示的な実施例のためのPCM登録の性能は、最初に視覚的に登録されたボリュームを検査することによって評価することができる。検査を実行するには、2個のボリュームは、共通のグリッド上にオーバーレイされている。第1のボリュームは第1の色(例えば赤)にプロットされ、第2のボリュームは第2の色(例えば緑)にプロットされている。前記方法では、重複領域は色のブレンドを反映して、ミスマッチの領域は、第1及び第2の色のいずれかで表示されている。PCM登録のいくつかの例は、
図3、
図4、及び
図5に示されている。
【0037】
図3は、本発明の要旨の実施例にかかるPCM手法を用いた、単一モダリティのMRデータセットの並進位置合わせを示す画像列300を示す。データセット内の2つの3Dボリュームの9個の横方向のスライスが(スライス番号は各スライスの下部に表示されている)ここで重ねて示されている。画像列300は(例えば、患者の軸に沿ってずれた)2個のボリュームの初期位置を示す。PCM登録する前に、本発明の要旨の実施例が適用される。
図4は、本発明の要旨の実施例にかかるPCMシフトを適用した後における、登録されたボリュームが正確に整列されている第2の画像列400を示す。
図3及び
図4に示すように、2個のボリュームは、単純な剛性の並進移動に登録できない小変形の領域を除いて、登録後に非常によく整列されている。
【0038】
図5は、CT登録にマルチモダリティMRの一例を示す画像列500を示す。画像列500は、PCMの登録前後の矢状冠状及び横方向のスライスを示す。この例では、本発明の要旨の実施例にかかるPCM手法の良好なパフォーマンスを示す。一例のためにここで2個のボリュームが大きくずれている。CTカウチとヘッドサポートはCTスキャンから切り取られていないにもかかわらず、本願要旨の実施例にかかるPCM方式は、それにもかかわらず、非常に良好な登録結果を提供することに注意する必要がある。同様の結果が、他のすべての試験データセットについて得られた。目視検査から、PCM登録ボリュームを登録するためのほぼ最適な並進シフトを見出すことは明らかである。
【0039】
(登録コスト関数の点で)可能な限り最高のシフトで得られたシフトを比較するために、シフトパラメータに対する徹底的な検索を行うことができる。
図6と
図7は、本発明の要旨の実施例にかかるPCMアプローチによって発見されたシフト(以下、PCMシフトという。)に対して、異なる横方向シフトのCCとMIの登録コスト関数の典型的な挙動を示すチャート600、700を示す。チャート600、700における軸は、本発明の要旨のPCMアプローチによって発見された初期の並進移動後における、登録されたボリュームに適用される追加的なシフトに対応する。
図6及び
図7のチャート600、700を生成するために、2個のコスト関数が、0.5ボクセルのステップを有する10×10ボクセルグリッド上の横方向のずれに対して算出された。チャート600、700におけるポイントの座標は、初期のPCMシフトに追加された追加のシフト対応している。
【0040】
テストされた全てのデータセットの登録結果が
図8の表800に要約されており、これはPCMで発見されたシフトに対するCCとMIの値を示す。テーブル800はまた、最適なCCの値とMIの類似度に関する情報を含み、これらは第1のPCMシフト周りの全数探索アプローチによって発見された。第1の列はデータセットの識別名を含み、2番目の列は元のボリュームが再サンプリングされた登録グリッドのサイズに関する情報を含み、3番目と4番目の列は得られたPCMシフトを適用した後に類似度の値を示し、次の列は、付加的なシフト(PCMシフトに追加することが必要)及び、PCMシフト周りの網羅的探索で得られた類似度の応じた最適な値を示し、最後の列は、開発したアルゴリズムの実行時間を含む。
【0041】
表に示した最適なシフトは、順に類似度の最適値を得るために、PCMシフトに追加する必要がある追加のシフトである。本発明の要旨の実施例にかかるPCM登録手法を用いて得られたシフトは、最適なシフトに非常に近いことがわかる。多くの場合において、横断面におけるPCMシフトは、最適なシフトから1ボクセル(1.5ミリメートル)の範囲内である。マルチモダリティの例では、単一モダリティの例でCCメトリックとMIメトリックを考慮すると、12例のデータセットのうち9例に対して、患者軸に沿った完全な位置合わせがある。得られたコスト関数値は、一般的に最適値から1.5%の範囲内である。最適なシフトから最大偏差は、胸部、腹部のデータセット(DS5、DS5C、DS7とDS7C)について観察されている。これらの特定の例にかかる目視検査は、患者の身体のこの領域における大きな変形のために、簡単な並進移動はいくつかのケースでは、ボリューム全体の良好な配向を得るのに十分ではないということを明らかにしている。本発明の要旨の実施例にかかるPCMシフトアプローチと、最適なシフトの両方は、これらの場合における解剖学的構造の異なる部分の一部のみ位置合わせ(アラインメント)を提供してもよい。
【0042】
各データセットのためのアルゴリズムの合計実行時間は、
図8のテーブル800の最後の列に示されている。実行速度の点で、アルゴリズムの性能を、低解像度のグリッドへの第1の3Dボリュームをダウンサンプリングすることで、また、ダウンサンプリングされたボリュームに本発明の要旨の実施例にかかるPCM方式を適用することで、さらに向上させることができる。
【0043】
図9のテーブル900は、ダウンサンプリングされたボリュームで得られた登録結果を含む。ΔCCとΔMIは、ダウンサンプリングを使用した場合における改善された性能を示すダウンサンプリングのステップ正値を用いる場合と用いない場合において得られた対応する複数の登録コスト関数の相対的な差を示し、最後の2列は、ダウンサンプリングが実行されるときの実行時間と、ダウンサンプリングしないときのタイミング結果と比較した対応するスピードアップ率を示す。各次元のダウンサンプリング係数はこの例では2である。ボリュームをダウンサンプリングさせることで、少なくともいくつかの場合では、登録グリッドのサイズに依存して約3〜8倍の実行速度を向上させることができる。ダウンサンプリングは著しく登録の品質を劣化させず、いくつかの場合には良好な結果が観察される。この効果は、近くのボクセル強度の平均化のために、再サンプリング容積で低ノイズレベルによって説明することができる。
【0044】
図10は本発明の要旨の実施例にかかる方法に含めることができる複数の特徴を図示する処理フローチャート1000を示す。1002において、第1の時刻で撮像された患者の第1の登録ボリュームの第1の医用画像と、第2の時刻で撮像された患者の第2の登録ボリュームの第2の医用画像とが位相相関法を使用して比較されて、適切に第1及び第2の医用画像を整列させるために必要な、移動及び回転のうちの少なくとも1つを計算する。1004において、物理的な場所と患者の物理的な方向のうちの少なくとも1つを変更することは、より密接に第1の画像中の患者の第1の位置に一致するように、患者の第2の位置を補正するために決定される。変更は、適切に第1の医療画像と第2の医用画像を位置合わせするために必要な、算出された並進及び/又は回転に基づいて決定される。変更は、技術者又は他のユーザに1つ又は複数のパラメータを表示することにより、例えば、出力することができる。表示することは、プリントアウトを介して、表示装置等を介して実行することができる。他の例では、変化の出力は、例えば、患者が横たわっている寝台やベッドの運動を引き起こすことによって、コマンドが自動的に変換及び/又は患者を回転させるために含めることができる。1006において、医療処置は、物理的な位置及び/又は患者の物理的な姿勢を決定し変更を適用した後、必要に応じて患者に実施することができる。医療処置は放射線治療、外科手術などを含むことができる。
【0045】
一例として、放射線治療を受けている患者などは、第1の放射線フラクション(画分)の送達の前に、その最中に、その後などで画像化することができる。得られた画像は、第1の医療画像と考えることができる。患者への第2の放射線フラクション(画分)の配信に先立って、患者は、第2の医用画像を生成するために画像化されることができる。本明細書で説明された手法は、第1の放射線フラクション送達用として、第2の放射線のフラクションの送達のために同じ位置及び方向で患者を配置するために必要な、決定された並進及び/又は患者の回転運動に対して使用することができる。
【0046】
本明細書に記載の要旨の1つ又は複数の態様又は特徴は、デジタル電子回路、集積回路において、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせにおいてを実現することができる。これらのさまざまな態様又は特徴は、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ(特殊又は汎用である)を含むプログラマブルシステム上で実行可能な及び/又は解釈である1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムでの実施例を含むことができ、上記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサは、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力デバイスに対して、データ及び命令を受信し又はデータ及び命令を送信するように結合される。
【0047】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、又はコードとして参照できるコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサ用の機械命令を含み、高レベルの手続き型言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語で、及び/又はアセンブリ/機械語で実装することができる。本明細書で使用されるように、マシン可読媒体という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用され、マシン可読信号として機械語命令を受信するマシン可読媒体を含む、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置及び/又はデバイスを指す。マシン可読信号という用語は、プログラマブルプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される任意の信号を指す。マシン可読媒体は、例えば、非過渡固体メモリや磁気ハードドライブ、又は同等の記憶媒体などの媒体であって、非一時的にこのようなマシン命令を格納することができる。マシン可読媒体は、例えば1つ又は複数の物理プロセッサコアに関連付けられたプロセッサのキャッシュ又は他のランダムアクセスメモリと同じように、代替的又は追加的に、一過性の様式で、このようなマシン命令を格納することができる。
【0048】
ユーザとの対話を提供するために、1つ又はそれ以上の態様又は本明細書に記載の要旨の特徴は、ユーザがキーボードやポインティングデバイスに情報を表示するため、例えば陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)や発光ダイオード(LED)のモニタを用いて、またユーザがコンピュータへの入力を提供するため例えばマウスやトラックボールを用いて、表示装置を有するコンピュータ上で実現することができる。他の種類の装置もユーザとの対話を提供するために使用される。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなど、感覚フィードバックの任意の形式とすることができる。しかし、ユーザからの入力を含む、任意の形態で受信された、音響、音声、又は触覚入力に限定されないことができる。しかし、これらに限定されず、他の可能な入力装置としては、例えば単一又はマルチポイント抵抗性又は容量性トラックパッド、音声認識ハードウェア及びソフトウェアを用いることができ、また、撮像装置として、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像化装置、タッチスクリーン又は他のタッチセンシティブデバイス、関連する解釈ソフトウェアなどを用いることができる。分析システム(例えば画像化システム)からコンピュータのリモート(遠隔制御)は、分析システムとリモートコンピュータ間のデータ交換を可能にするために接続され、有線又は無線のネットワークを介して、遠隔制御、診断、分析システム等ともに、分析システムにリンクすることができる(例えば、分析器から遠隔コンピュータに例えば校正データ、動作パラメータ、ソフトウェアのアップグレード又はアップデートなどのデータを受信し、情報を送信する)。
【0049】
前記の説明及び特許請求の範囲において、例えば、「少なくともの1つ」又は「1つ又はそれ以上」のようなフレーズ(語句)は、要素又は特徴の連言リストに続いて現れる。「及び/又は」の用語は2つ以上の要素又は特徴のリストで現れる。暗黙的又は明示的に使用される文脈と矛盾しない限り、個々に列挙された要素又は特徴のいずれか記載の要素又は特徴のいずれかを意味し、他の列挙の要素又は特徴のいずれかと組み合わせて使用することができるフレーズが意図されている。例えば、「AとBの少なくとも一方」、「AとBのうちの1つ又はそれ以上」、「A及び/又はB」のフレーズはそれぞれ、A単独、B単独、又はA及びBの両方を意味することを意図している。同様の解釈が、3つ以上のアイテムを含むリストを対象としている。例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B及びCのうちの1つ又はそれ以上」及び「A、B及び/又はC」というフレーズはそれぞれ、A単独、B単独、C単独、A及びBの両方、A及びCの両方、B及びCの両方、もしくは、A、B及びCの全部を意味することが意図されている。上記において及び特許請求の範囲における「基づいて」という用語の使用は、未記載の特徴又は要素も許容されるように、「少なくとも部分的に基づいて」ということを意味することが意図されている。
【0050】
本明細書に記載の要旨は、所望の構成に応じてシステム、装置、方法、及び/又は物品において具体化することができる。前述の説明に記載された実施例は、本明細書に記載の要旨にかかるすべての実施例を表すものではない。その代わりに、それらは単に説明の要旨に関連する側面にかかるいくつかの例である。いくつかの変形例を前記で詳細に説明してきたが、他の変更や追加は可能である。特に、さらなる特徴及び/又は変形は、本明細書に記載されたものに加えて提供することができる。例えば、上述の実施例が開示された特徴の種々の組み合わせ及びサブ組み合わせに向けることができ、及び/又は、それらの組み合わせと、いくつかのさらなる特徴のサブコンビネーションは、前記に開示されている。加えて、添付の図面に示された及び/又は本明細書に記載されたロジックフロー(論理の流れ)は必ずしも示された特定の順序、又は順番を必要とせず、望ましい結果を達成する。他の実施例は、以下の特許請求の範囲の範囲内であってもよい。