特許第6884859号(P6884859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6884859懸濁粒子を含む噴霧可能なフレッシュニング製品及びそれを用いて空気又は表面をフレッシュニングする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884859
(24)【登録日】2021年5月14日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】懸濁粒子を含む噴霧可能なフレッシュニング製品及びそれを用いて空気又は表面をフレッシュニングする方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20210531BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20210531BHJP
   C11D 7/22 20060101ALI20210531BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20210531BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20210531BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20210531BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20210531BHJP
   A61K 8/04 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   C11D17/04
   C11B9/00 Z
   C11D7/22
   C11D3/37
   A61L9/14
   A61Q13/00 102
   A61K8/73
   A61K8/04
【請求項の数】13
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2019-522638(P2019-522638)
(86)(22)【出願日】2017年7月27日
(65)【公表番号】特表2019-524976(P2019-524976A)
(43)【公表日】2019年9月5日
(86)【国際出願番号】US2017044130
(87)【国際公開番号】WO2018026625
(87)【国際公開日】20180208
【審査請求日】2019年1月16日
(31)【優先権主張番号】62/369,322
(32)【優先日】2016年8月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】リンチ、マシュー・ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】コリナ、カーラ・ジーン
(72)【発明者】
【氏名】ホレンジアク、スティーブン・アントニー
(72)【発明者】
【氏名】イリー、ブランドン・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ギゾー、ヨーナス
【審査官】 井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0352575(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0353867(US,A1)
【文献】 特表2014−524973(JP,A)
【文献】 特表2005−523078(JP,A)
【文献】 特表2005−523093(JP,A)
【文献】 特表2007−503516(JP,A)
【文献】 特表2013−531079(JP,A)
【文献】 特開2003−003200(JP,A)
【文献】 特表2004−506748(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0113282(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0115091(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0104348(US,A1)
【文献】 特開平10−088196(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/049458(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00 − 19/00
A61K 8/04
A61K 8/73
A61L 9/14
A61Q 13/00
C11B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気、家庭内表面又は布地表面をフレッシュニングする方法であって、
複数の粒子及び構造化剤系を含むフレッシュニング組成物を提供する工程であって、前記粒子が、有益剤送達粒子であり、前記フレッシュニング組成物が、前記フレッシュニング組成物の0.001重量%〜2.0重量%の前記粒子を含み、前記構造化剤系が、第1の多糖類及び第2の多糖類を含む多糖類系であり、前記第1の多糖類が、キサンタンガムを含み、前記第2の多糖類が、コンニャクガム、ローカストビーンガム及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記フレッシュニング組成物中の前記多糖類の総濃度が、前記フレッシュニング組成物の0.1重量%未満であり、前記第2の多糖類が、前記多糖類の15重量%〜90重量%の濃度で存在する、工程と、
複数のスプレー液滴の形態で前記フレッシュニング組成物を噴霧する工程であって、前記複数のスプレー液滴が、
本明細書に記載される正規化されたスプレーD(90)及び正規化されたスプレーD(4,3)試験方法に従ってTS800噴霧器から噴霧されたとき、2.5未満の正規化されたD(90)値、
本明細書に記載される残渣試験方法に従って5スプレーにおいて8未満の残渣値、及び
本明細書に記載される25℃における相安定性等級試験方法に従って1又は2の相安定性等級
を有する、工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記複数のスプレー液滴が、2.0未満の正規化されたD(90)値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フレッシュニング組成物中の前記多糖類の総濃度が、前記フレッシュニング組成物の0.08重量%未満である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のスプレー液滴が、15スプレーにおいて8未満の残渣値を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のスプレー液滴が、2の相安定性等級を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記粒子が、有益剤を封入する壁材料を含む有益剤送達粒子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記フレッシュニング組成物が、前記フレッシュニング組成物の85重量%〜99.5重量%の水性キャリアを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
空気、家庭内表面又は布地表面をフレッシュニングするフレッシュニング組成物であって、
複数の粒子であって、前記粒子が、有益剤送達粒子であり、前記フレッシュニング組成物が、前記フレッシュニング組成物の0.001重量%〜2.0重量%の前記粒子を含む、粒子と、
構造化剤系であって、前記構造化剤系が、第1の多糖類及び第2の多糖類を含む多糖類系であり、前記第1の多糖類が、キサンタンガムを含み、前記第2の多糖類が、コンニャクガム、ローカストビーンガム及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記フレッシュニング組成物中の前記多糖類の総濃度が、前記フレッシュニング組成物の0.1重量%未満であり、前記第2の多糖類が、前記多糖類の15重量%〜90重量%の濃度で存在する、構造化剤系と
を含み、
本明細書に記載される25℃における相安定性等級試験方法に従って1又は2の相安定性等級を有し、
本明細書に記載される正規化されたスプレーD(90)及び正規化されたスプレーD(4,3)試験方法に従ってTS800噴霧器から噴霧されたとき、2.5未満の正規化されたD(90)値を有し、本明細書に記載される残渣試験方法に従って5スプレーにおいて8未満の残渣値を有するスプレー液滴を生成する、フレッシュニング組成物。
【請求項9】
前記複数のスプレー液滴が、2.0未満の正規化されたD(90)値を有する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記フレッシュニング組成物中の前記多糖類の総濃度が、前記フレッシュニング組成物の0.08重量%未満である、請求項8又は9に記載の組成物。
【請求項11】
前記複数のスプレー液滴が、2の相安定性等級を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記粒子が、有益剤を封入する壁材料を含む有益剤送達粒子である、請求項8〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記フレッシュニング組成物が、前記フレッシュニング組成物の85重量%〜99.5重量%の水性キャリアを含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の懸濁粒子を有する相安定性の噴霧可能なフレッシュニング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
表面上及び空気中における長期間持続する及び/又は制御されたフレッシュさが持続的に求められている。衣類、家具などの表面及び空気にフレッシュさを送達する様々な異なる製品形態が存在する。例えば、フレッシュ製品は、ローソク、スプレー、手動、自動、及び受動的エアフレッシュナーディスペンサ、洗濯洗剤、洗濯物強化剤、並びに乾燥機シートの形態、並びに様々な他の形態をとり得る。悪臭をマスキングする若しくは悪臭と反応するための香料、悪臭を捕捉する若しくは悪臭と反応する悪臭中和剤、及び/又はプロ香料を比較的高濃度で用いて長期間持続するフレッシュさを送達しようと試みる噴霧可能な組成物が存在する。香料を制御放出するための封入香料粒子などの有益送達粒子が配合された様々な洗濯製品が市場に存在する。香料を封入することにより、手でこする又は布地をこするなどの動作時にカプセルが破損するまで、香料の放出を遅延させる。したがって、香料カプセルが布地又は表面に送達された後数日間又は数週間、当該香料カプセルは香料を放出することができる。
【0003】
香料カプセルを含む噴霧可能な組成物を提供する試みが行われてきたが、その理由は、噴霧可能な組成物が、ユーザが特定の表面にフレッシュニング組成物を迅速かつ容易に適用する方法を提供するためである。例示的な製品としては、HERO(商標)Clean及びWONDER FRESH(商標)スプレーが挙げられる。しかし、これら製品は、組成物中の香料カプセルを安定化せず、その結果、香料カプセルが当該組成物の最上部に浮遊する。組成物を噴霧する前に、このような製品は、香料カプセルを当該組成物の液体部分と混合するためにユーザが製品を振ることを必要とする。この方法はユーザに余分な時間及び手間をかけさせる可能性があり、更に、スプレー中に香料カプセルが均一に分布しない恐れがある。香料カプセルが液体中において均一に分布していない場合、一部の噴霧組成物は他のスプレーよりも高い又は低い濃度の香料カプセルを有している場合があるので、空気又は表面に対して一貫性のあるフレッシュさの送達が行われない。
【0004】
様々な目的のために組成物に様々な異なる粒子を懸濁させることが試みられている。しかし、このような試みは、噴霧可能ではない場合がある構造化剤系を含んでいた。例えば、このような組成物は、非常に粘性であり得、スプレーディスペンサから噴霧されたときに大きなスプレー液滴が生じる場合があったり、完全に噴霧不可能である場合があったりする。このような組成物は、外観の観点からユーザに受け入れられないことがある。また、このような組成物は、表面上に製品を均一に分布させることができない場合があり、これは、表面汚染、表面残渣、又は一貫性のない香り分布を生じさせることを含む、製品の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。当該組成物を表面上で乾燥させた後、これら構造化剤系が残渣を残すこともある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最小限の残渣で小さなスプレー液滴を均一に分布させる有益送達粒子を含む噴霧可能な製品を提供することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
「組み合わせ」
A.空気又は表面をフレッシュニングする方法であって、
複数の粒子及び構造化剤系を含むフレッシュニング組成物を提供する工程と、
複数のスプレー液滴の形態で当該フレッシュニング組成物を噴霧する工程であって、当該複数のスプレー液滴が、
本明細書に記載される正規化されたスプレーD(90)及び正規化されたスプレーD(4,3)試験方法に従ってTS800噴霧器から噴霧されたとき、2.5未満の正規化されたD(90)値、
本明細書に記載される残渣試験方法に従って5スプレーにおいて8未満の残渣値、
本明細書に記載される25℃における相安定性等級試験方法に従って1又は2の相安定性等級
を有する、工程と、を含む方法。
B.当該複数のスプレー液滴が、2.0未満、好ましくは1.5未満の正規化されたD(90)値を有する、段落Aに記載の方法。
C.当該組成物が、当該組成物の総重量に基づいて、0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、最も好ましくは0.08重量%未満の当該構造化剤系を含む、段落A又は段落Bに記載の方法。
D.当該複数のスプレー液滴が、15スプレーにおいて8未満、好ましくは25スプレーにおいて8未満の残渣値を有する、段落A〜Cのいずれかに記載の方法。
E.当該複数のスプレー液滴が、2の相安定性等級を有する、段落A〜Dのいずれかに記載の方法。
F.当該粒子が、有益剤を封入する壁材料を含む有益剤送達粒子である、段落A〜Eのいずれかに記載の方法。
G.当該構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム又はローカストビーンガムと、を含む、段落A〜Fのいずれかに記載の方法。
H.当該組成物が、当該組成物の85重量%〜99.5重量%の水性キャリアを含む、段落A〜Gのいずれかに記載の方法。
I.フレッシュニング組成物であって、
複数の粒子と、
構造化剤系と
を含み、
本明細書に記載される25℃における相安定性等級試験方法に従って1又は2の相安定性等級を有し、
本明細書に記載される正規化されたスプレーD(90)及び正規化されたスプレーD(4,3)試験方法に従ってTS800噴霧器から噴霧されたとき、2.5未満の正規化されたD(90)値を有し、本明細書に記載される残渣試験方法に従って5スプレーにおいて8未満の残渣値を有するスプレー液滴を生成する、フレッシュニング組成物。
J.当該複数のスプレー液滴が、2.0未満、好ましくは1.5未満の正規化されたD(90)値を有する、段落Iに記載の組成物。
K.当該組成物が、当該組成物の総重量に基づいて、0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、最も好ましくは0.08重量%未満の当該構造化剤系を含む、段落I又は段落Jに記載の組成物。
L.当該複数のスプレー液滴が、2の相安定性等級を有する、段落I〜Kのいずれかに記載の組成物。
M.当該粒子が、有益剤を封入する壁材料を含む有益剤送達粒子である、段落I〜Lのいずれかに記載の組成物。
N.当該構造化剤系が、キサンタンガムと、コンニャクガム又はローカストビーンガムと、を含む、段落I〜Mのいずれかに記載の組成物。
O.当該組成物が、当該組成物の85重量%〜99.5重量%の水性キャリアを含む、段落I〜Nのいずれかに記載の組成物。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】構造化剤系におけるコンニャクガムの百分率の関数としてのフレッシュニング組成物A〜Qの降伏応力のプロットである。
図2】構造化剤系におけるコンニャクガムの百分率の関数としてのフレッシュニング組成物A〜Qのクリープ回復比のプロットである。
図3】フレッシュニング組成物の多糖類の総濃度及び構造化剤系におけるコンニャクガムの百分率の両方の関数としてのフレッシュニング組成物A〜Qの相安定性性能のプロットである。
図4】フレッシュニング組成物の多糖類の総濃度の関数としてのフレッシュニング組成物のスプレー剪断粘度のプロットである。
図5】フレッシュニング組成物の多糖類の総濃度の関数としてのフレッシュニング組成物の残渣値のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示のフレッシュニング組成物は、複数の粒子と、当該粒子を懸濁させるための構造化剤系とを含む。フレッシュニング組成物は、噴霧可能であり、粒子は、長期間にわたって懸濁したままであるので、使用前に製品を振る必要がない。
【0009】
フレッシュニング組成物は、空気中若しくは表面上で使用することができ、及び/又は空気中若しくは表面上の悪臭を除去若しくは量を低減することができ、及び/又は空気中若しくは表面上に有益剤を送達することができる。
【0010】
構造化剤系は、多糖類系の形態であってよい。多糖類系は、第1の多糖類及び第2の多糖類を含むことができる。
【0011】
第1の多糖類はキサンタンガムを含む。第2の多糖類は、コンニャクガム、ローカストビーンガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0012】
粒子は、有益剤送達粒子の形態であってよい。有益剤送達粒子は、有益剤を封入する壁材料を含み得る。
【0013】
有益剤は、香料混合物の形態であってよい。本明細書で使用するとき、「香料混合物」は、少なくとも2つの香料原料を含む。
【0014】
フレッシュニング組成物をトリガー噴霧器を通して噴霧するとき、得られるスプレー液滴は、本明細書に記載される方法によって、2.5未満、あるいは2.0未満、あるいは1.5未満の正規化されたD(90)値を有すると特徴付けられ得る。あるいは、スプレー液滴は、2.5未満、あるいは2.0未満、あるいは1.5未満の正規化されたD(4,3)値を有すると特徴付けられ得る。
【0015】
噴霧可能にするため及び/又は消費者が許容できる噴霧パターンを生じさせるために、当該組成物は、剪断条件下、典型的にはトリガー噴霧器内において比較的低い粘度を有し得る。スプレー剪断粘度は、本明細書に記載されるスプレー剪断粘度性能方法に従って測定することができる。当該組成物のスプレー剪断粘度は、本明細書に開示されるスプレー剪断粘度性能方法に基づいて、約0.025Pa−s未満、又は好ましくは約0.02Pa−s未満、又は最も好ましくは約0.01Pa−s未満であってよい。
【0016】
フレッシュニング組成物は、トリガー噴霧器、エアゾール噴霧器などを含む様々な種類の噴霧器に収容され得る。
【0017】
フレッシュニング組成物は、粒子の安定な懸濁液を提供することができる、つまり、粒子の沈降又はクリーミングに対する耐性を示すことができる。本明細書で使用するとき、安定及び不安定とは、フレッシュニング組成物の粒子を懸濁させる能力を指し、安定な組成物は、粒子を懸濁させることができ、不安定な組成物は、粒子を懸濁させることができない。フレッシュニング組成物は、本明細書に開示される25℃における相安定性等級試験方法に従って測定したとき、少なくとも1、あるいは2の相安定性等級を有し得る。
【0018】
粒子の安定な懸濁を維持するために、フレッシュニング組成物は、粒子がバルク組成物とは異なる密度を有する場合、粒子を導入するときに組成物が経験する力のレベルに類似する応力下で応力を受けたときにクリープ回復比を呈し得る。クリープ回復比は、本明細書に記載されるクリープ回復比性能方法に従って測定される。当該組成物は、本明細書に開示されるクリープ回復比性能方法に従って少なくとも約0.1、あるいは少なくとも約0.2、あるいは少なくとも約0.3のクリープ回復比を呈し得る。
【0019】
安定した粒子の懸濁液を維持するために、フレッシュニング組成物は、十分な降伏応力を呈し得る。フレッシュニング組成物の降伏応力は、降伏応力性能方法において本明細書に記載のとおり測定される。当該組成物が降伏応力を呈するとき、降伏応力は、本明細書に開示される降伏応力性能方法に従って、0Pa超かつ約1.0Pa未満、あるいは約0.05Pa〜約0.5Paであり得る。
【0020】
本開示のフレッシュニング組成物は、濃い色の表面に適用されたとき、低濃度の残渣を呈し得る。フレッシュニング組成物の残渣濃度は、残渣値試験方法に記載のとおり測定される。フレッシュニング組成物は、残渣値試験方法に従って、5スプレーにおいて約8未満、好ましくは15スプレーにおいて約8未満、又は最も好ましくは25スプレーにおいて約8未満の残渣値を有し得る。
【0021】
フレッシュニング組成物は、本明細書に記載される残渣値試験方法に従って、5スプレーにおいて約6未満、好ましくは15スプレーにおいて約6未満、又は最も好ましくは25スプレーにおいて約6未満の残渣値を有し得る。
【0022】
フレッシュニング組成物中に存在する総多糖類濃度は、約0.5重量未満、又は好ましくは約0.2重量%未満、又は好ましくは約0.1重量%未満、より好ましくは0.08重量%未満、最も好ましくは0.06重量%未満であり得る。理論に束縛されるものではないが、フレッシュニング組成物中の多糖類の総濃度を最小化すると、残渣が減少及び/又はスプレー剪断粘度が低下して、噴霧特性が最適化されると考えられる。
【0023】
フレッシュニング組成物
本開示のフレッシュニング組成物は、複数の粒子と、当該粒子を懸濁させるための構造化剤系とを含む。
【0024】
フレッシュニング組成物は、約0.02モル/L未満のイオン強度を有し得る。イオン強度は、以下の式に従って測定される:
【0025】
【数1】
(式中、ciは、イオンiのモル濃度に等しく、単位モル/Lを有し、
zi2は、イオンの電荷数に等しい)。Basic Physical Chemistry,Walter J.Moore,p.370(1983)を参照。
【0026】
粒子
フレッシュニング組成物は、複数の粒子を含み得る。本明細書で使用するとき、「粒子」は、固体又は半固体材料の少なくとも一部を含む。粒子は、様々な異なる形態をとり得る。粒子は、100%固体であってもよく、又は中空であってもよい。粒子は、例えば、メソ多孔性粒子、活性炭、ゼオライト、有益剤送達粒子、ワックス、ヒドロゲル、及び/又はラッカセイの殻を含み得る。好ましくは、粒子は、有益剤送達粒子を含み得る。
【0027】
複数の粒子は、約0.1マイクロメートル〜約500マイクロメートル、あるいは約1マイクロメートル〜約100マイクロメートル、あるいは約5マイクロメートル〜約50マイクロメートル、あるいは100マイクロメートル未満の範囲の平均最長投影寸法を有し得る。複数の粒子内の任意の単一粒子の最長投影寸法は、単一粒子の外周内全体に内接できる最長線寸法の長さとされる。複数の粒子の平均最長投影寸法は、複数の粒子内の全ての粒子にわたる、単一粒子の外周内全体に内接できる最長線寸法の平均とされ得る。この平均は、複数の粒子から粒子の統計的に関連するサンプルにわたって平均をとることによっても反映され得ることが当業者には理解される。
【0028】
上述のように、フレッシュニング組成物は、有益剤送達粒子の形態の粒子を含み得る。有益剤送達粒子は、有益剤を封入する壁材料を含み得る。有益剤は、本明細書では「有益剤」又は「封入有益剤」とも称され得る。有益剤は、香料混合物、防虫剤、悪臭中和剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一態様では、香料送達技術は、有益剤を壁材料で少なくとも部分的に取り囲むことによって形成される有益剤送達粒子を含み得る。有益剤は、以下からなる群から選択される材料を含み得る:3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール、及び2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、α−ダマスコーン、β−ダマスコーン、γ−ダマスコーン、β−ダマセノン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、及びβ−ジヒドロイオノン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロール、及びジヒドロミルセノールなどの香料原料;シリコーンオイル、ポリエチレンワックスのようなワックス;魚油、ジャスミン、カンファー、ラベンダーのような精油;メントールのような皮膚冷却剤、乳酸メチル;ビタミンA及びEのようなビタミン類;日焼け止め剤;グリセリン;マンガン触媒又は漂白剤触媒のような触媒;過ホウ酸塩のような漂白剤粒子;シリコンジオキシド粒子;制汗剤活性物質;カチオン性ポリマー、並びにこれらの混合物。好適な有益剤は、Givaudan Corp.(Mount Olive,New Jersey,USA)、International Flavors & Fragrances Corp.(South Brunswick,New Jersey,USA)、又はFirmenich Company(Geneva,Switzerland)から入手することができる。本明細書で使用するとき、「香料原料」とは、以下の成分のうちの1つ以上を指す:芳香性精油;芳香化合物;プロ香料;安定剤、希釈剤、加工剤、及び混入物質を含む、芳香性精油、芳香化合物、及び/又はプロ香料と共に供給される材料;並びに芳香性精油、芳香化合物、及び/又はプロ香料に一般的に付随する任意の材料。
【0029】
有益剤送達粒子の壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリレートエステル系材料、ゼラチン、スチレンリンゴ酸無水物、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物を含み得る。メラミン壁材料は、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミン、ホルムアルデヒドで架橋されたメラミン−ジメトキシエタノール、及びこれらの混合物を含み得る。ポリスチレン壁材料は、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンを含み得る。ポリ尿素壁材料は、ホルムアルデヒドで架橋された尿素、グルタルアルデヒドで架橋された尿素、ポリアミドと反応したポリイソシアネート、アルデヒドと反応したポリアミン、及びこれらの混合物を含み得る。ポリアクリレート系壁材料は、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレート並びに強酸から形成されるポリアクリレート、カルボン酸アクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びに強塩基から形成されるポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びにカルボン酸アクリレート及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーから形成されるポリアクリレート、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0030】
ポリアクリレートエステル系壁材料は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸、ヒドロキシ及び/又はカルボキシ基を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル、並びにアリルグルコンアミドのアルキル及び/又はグリシジルエステルによって形成されるポリアクリレートエステル、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0031】
芳香族アルコール系壁材料は、アリールオキシアルカノール、アリールアルカノール、及びオリゴアルカノールアリールエーテルを含み得る。更に、少なくとも1つの遊離ヒドロキシ基を有する、特に好ましくは直接芳香族結合した少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基を有する芳香族化合物を含んでもよく、特に少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基が芳香族環に直接結合していることが好ましく、更に互いにメタ位にあるとより特に好ましい。芳香族アルコールが、フェノール、クレゾール(o−、m−、及びp−クレゾール)、ナフトール(α−及びβ−ナフトール)及びチモール、並びに、エチルフェノール、プロピルフェノール、フルオロフェノール、及びメトキシフェノールから選択されることが好ましい。
【0032】
ポリ尿素壁材料は、ポリイソシアネートを含み得る。ポリイソシアネートは、フェニル、トルオイル、キシリル、ナフチル、又はジフェニル部分を含有する芳香族ポリイソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレート、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、又はキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物)、脂肪族ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、及びヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット)、又はこれらの混合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット及びキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の混合物)であり得る。更に別の実施形態では、当該ポリイソシアネートは架橋されていてもよく、ここで架橋剤はポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、分枝状ポリエチレンイミン、キトサン、ナイシン、ゼラチン、1,3−ジアミノグアニジン一塩酸塩、1,1−ジメチルビグアニド塩酸塩、又はグアニジン炭酸塩)である。
【0033】
ポリビニルアルコール系壁材料は、架橋され、疎水変性されたポリビニルアルコールを含み得、このポリビニルアルコールは、i)2,000〜50,000Daの分子量を有する第1のデキストランアルデヒドと、ii)50,000超〜2,000,000Daの分子量を有する第2のデキストランアルデヒドと、を含む架橋剤を含む。
【0034】
香料有益剤送達粒子は、付着助剤、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、又はこれらの混合物でコーティングされ得る。好適なポリマーは、ポリビニルホルムアルデヒド、部分ヒドロキシル化ポリビニルホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。フレッシュニング組成物は、1種類以上の有益剤送達粒子、例えば、2種類の有益剤送達粒子であって、第1又は第2の有益剤送達粒子のうちの一方が、(a)他方とは異なる壁材料で作製された壁を有する;(b)他方とは異なる量の壁材料若しくはモノマーを含む壁を有する;又は(c)他方とは異なる量の香油成分を含有する;(d)異なる香油を含有する;(e)異なる温度で硬化する壁を有する;(f)異なるcLogP値を有する香油を含有する;(g)異なる揮発性を有する香油を含有する;(h)異なる沸点を有する香油を含有する;(i)異なる重量比の異なる壁材料で作製された壁を有する;(j)異なる硬化時間硬化された壁を有する;及び(k)異なる速度で加熱された壁を有する、有益剤送達粒子を含み得る。
【0035】
好ましくは、香料有益剤送達粒子は、アクリル酸又はその誘導体のポリマーを含む壁材料と、香料混合物を含む有益剤とを有する。
【0036】
フレッシュニング組成物は、任意の量の粒子を含み得る。有益剤送達粒子に関して、フレッシュニング組成物は、有益剤送達粒子の壁材料と共に含有される有益剤を、当該フレッシュニング組成物の約0.001重量%〜約2.0重量%含有し得る。あるいは、フレッシュニング組成物は、有益剤送達粒子の壁材料と共に含有される有益剤を、当該フレッシュニング組成物の約0.01重量%〜約1.0重量%、又は最も好ましくは約0.05重量%〜約0.5重量%含有し得る。
【0037】
未封入の香料に関して、フレッシュニング組成物は、当該フレッシュニング組成物の約0.001重量%〜約2.0重量%、又は約0.01重量%〜約1.0重量%、又は最も好ましくは約0.05重量%〜約0.5重量%の未封入の香料を含み得る。
【0038】
構造化剤系
フレッシュニング組成物は、少なくとも1つの構造化剤を有する構造化剤系を含む。構造化剤は、1つ以上の生体高分子を含み得る。このような生体高分子の非限定的な例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ラムノース、グルロン酸、及びこれらの混合物のポリマーなどの多糖類が挙げられる。
【0039】
構造化剤系は、多糖類系の形態であってよい。好ましい多糖類としては、キサンタンガム、グルコマンナン、ガラクトマンナン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。グルコマンナンは、コンニャクガムなどの天然ガムに由来し得る。ガラクトマンナンは、ローカストビーンガムなどの天然ガムに由来し得る。多糖類は、カラギーナンを含んでいてもよい。ガムは、脱アセチル化などによって変性されていてもよい。
【0040】
フレッシュニング組成物は、少なくとも2つの多糖類、例えば、第1の多糖類及び第2の多糖類を含む多糖類系を含み得る。第1の多糖類は、キサンタンガムであってよい。第2の多糖類は、グルコマンナン、ガラクトマンナン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。第2の多糖類は、コンニャクガム、ローカストビーンガム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0041】
好ましくは、第1の多糖類はキサンタンガムであり、第2の多糖類は、コンニャクガムである。
【0042】
第1の多糖類は、多糖類系の10重量%超かつ90重量%未満、あるいは約20重量%〜約80重量%、あるいは約40重量%〜約60重量%の濃度で存在し得る。
【0043】
第2の多糖類は、多糖類系の約15重量%〜約85重量%未満、あるいは約20重量%〜約80重量%、あるいは約40重量%〜約60重量%の濃度で存在し得る。
【0044】
フレッシュニング組成物中に存在する構造化剤系の総濃度は、約0.5重量未満、又は好ましくは約0.2重量%未満、又は好ましくは約0.1重量%未満、より好ましくは0.08重量%未満、最も好ましくは0.05重量%未満であり得る。理論に束縛されるものではないが、フレッシュニング組成物中に存在する多糖類の総濃度を最小化すると、残渣が減少する及び/又は噴霧特性が最適化されると考えられる。
【0045】
多糖類系は、約10,000ダルトン〜約15,000,000ダルトン、あるいは約200,000ダルトン〜約10,000,000ダルトン、あるいは約300,000ダルトン〜約6,000,000ダルトン、あるいは約300,000ダルトン〜約500,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有し得る。
【0046】
多糖類系は、アセチル化の平均比率によって特徴付けられ得る。アセチル化の平均比率は、約2.0〜約0.5の範囲内、好ましくは約1.5〜約0.5の範囲内であってよい。
【0047】
フレッシュニング組成物は、約100百万分率(ppm)未満、又は50ppm未満、又は25ppm未満、又は10ppm未満の総タンパク質濃度を有し得る。フレッシュニング組成物が適用される表面の変色を最小化するために、フレッシュニング組成物中の総タンパク質濃度を制限することが望ましい場合がある。
【0048】
緩衝剤
フレッシュニング組成物は、緩衝剤を含み得、当該緩衝剤は、カルボン酸、又はマレイン酸のようなジカルボン酸、クエン酸又はポリアクリル酸のような多塩基酸であってよい。当該酸は立体的に安定していてよく、所望のpHを維持するために、フレッシュニング組成物中で使用され得る。緩衝剤は、トリエタノールアミンのような塩基、又はクエン酸ナトリウムのような有機酸塩を含んでいてもよい。本発明のフレッシュニング組成物のpHは約3〜約8、あるいは約4〜約7、あるいは約5〜約8、あるいは約6〜約8、あるいは約6〜約7、あるいは約7、あるいは約6.5であってもよい。
【0049】
クエン酸のようなカルボン酸は、金属イオンキレートとして機能する場合があり、水溶性の低い金属塩を形成することができる。フレッシュニング組成物は、クエン酸を本質的に含んでいなくてもよい。緩衝剤は、アルカリ性、酸性、又は中性であってもよい。
【0050】
フレッシュニング組成物用の他の好適な緩衝剤としては、生物学的緩衝剤が挙げられる。いくつかの例は、窒素含有物質、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)又はN−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)のようなスルホン酸バッファであり、これらは、中性付近の6.2〜7.5のpKaを有し、中性pHにおいて適切な緩衝力をもたらす。他の例は、リシンのようなアミノ酸、又はモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンのような低級アルコールアミンである。他の窒素含有緩衝剤は、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン(HOCH2)3CNH3(TRIS)、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパノール、グルタミン酸二ナトリウム、N−メチルジエタノールアミド、2−ジメチルアミノ−2−メチルプロパノール(DMAMP)、1,3−ビス(メチルアミン)−シクロヘキサン、1,3−ジアミノ−プロパノール、N,N’−テトラ−メチル−1,3−ジアミノ−2−プロパノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)、及びN−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)である。上記のいずれかの混合物も許容可能である。
【0051】
フレッシュニング組成物は、当該フレッシュニング組成物の少なくとも約0重量%、あるいは少なくとも約0.001重量%、あるいは少なくとも約0.01重量%の緩衝剤を含有し得る。また、フレッシュニング組成物は、当該フレッシュニング組成物の約1重量%以下、あるいは約0.75重量%以下、あるいは約0.5重量%以下の緩衝剤を含有し得る。
【0052】
可溶化剤
フレッシュニング組成物は、無色半透明な溶液(clear translucent solution)を形成するために、当該フレッシュニング組成物に容易には溶解しない、任意の過剰な疎水性有機物質、特にいくつかの悪臭低減材料、香料材料、また当該フレッシュニング組成物に添加することができる任意成分(例えば、昆虫忌避剤、酸化防止剤など)を可溶化する可溶化助剤を含有し得る。好適な可溶化助剤は、非起泡性又は低起泡性界面活性剤のような界面活性剤である。好適な界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物である。
【0053】
フレッシュニング組成物は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びそれらの混合物を含有することができる。フレッシュニング組成物は、エトキシル化硬化ヒマシ油を含有し得る。フレッシュニング組成物において使用可能な1種類の好適な硬化ヒマシ油は、Basophor(商標)として販売されており、BASFから入手可能である。
【0054】
アニオン性界面活性剤及び/又は洗剤用界面活性剤を含むフレッシュニング組成物では、布地が汚れの影響を受けやすくなる場合があり、及び/又は、溶液が布地から蒸発すると、許容できない目に見える染みが布地上に残る場合がある。フレッシュニング組成物は、アニオン性界面活性剤及び/又は洗浄性界面活性剤を含んでいなくてよい。
【0055】
フレッシュニング組成物は、約0.01%〜約3%、好ましくは約0.4%〜約1%、より好ましくは約0.1%〜約0.5%、最も好ましくは約0.1%〜約0.3%の可溶化剤を含み得る。好ましくは、可溶化剤は、界面活性剤、溶媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含み、好ましくは、溶媒は、アルコール、ポリオール、及びこれらの混合物を含む。
【0056】
表面張力低下剤
フレッシュニング組成物は、ポリエステル及びナイロンのような疎水性表面上に、フレッシュニング組成物を容易かつより均一に広げることができる低い表面張力を与える湿潤剤を含んでいてもよい。本発明の水溶液は、このような湿潤剤がないと、十分には広がらないことがわかっている。また、フレッシュニング組成物を広げると、組成物をより迅速に乾燥させることができ、その結果、処理された材料が直ちに使える状態になる。更に、湿潤剤を含有するフレッシュニング組成物は、悪臭中和を改善するために、疎水性の油性汚れによりよく浸透することができる。また、湿潤剤を含有するフレッシュニング組成物は、「着用中」の静電気制御を改善することもできる。濃縮フレッシュニング組成物の場合、湿潤剤は、濃縮フレッシュニング組成物中の抗菌性活性物質及び香料などの多くの活性物質の分散を促進する。
【0057】
湿潤剤の非限定的な例としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーが挙げられる。好適なブロックポリオキシエチレン−ポリプロピレンポリマー界面活性剤としては、初期の反応性水素化合物として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン及びエチレンジアミンに基づくものが挙げられる。初期化合物とC12〜18脂肪族アルコールなどの単一の反応性水素原子との連続したエトキシ化及びプロポキシ化により作製されるポリマー化合物は、一般に、シクロデキストリンと相溶性ではない。BASF−Wyandotte Corp.(Wyandotte,Michigan)によってPluronic(登録商標)及びTetronic(登録商標)と命名された特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は、容易に入手することができる。
【0058】
この種の湿潤剤の非限定的な例は、米国特許第5,714,137号に記載されており、例えば、Momentive Performance Chemical(Albany,New York)から入手可能なSilwet(登録商標)界面活性剤が挙げられる。例示的なSilwet界面活性剤は、以下のとおりである。
【0059】
【表1】
及びこれらの混合物、である。
【0060】
フレッシュニング組成物は、布地、例えば、その表面の外観(しわの減少、色外観の改善、布地の形状の改善又は回復)を回復させ得る。布地の外観の回復に役立つ補助成分は、安定で分離しないフレッシュニング組成物を形成するのに必要な界面活性剤、乳化剤、及び溶媒と合わせて、水溶性又は混和性の四級アンモニウム界面活性剤及び水不溶性油成分から選択される。ある種の非限定的な好ましい乳化剤は、ソルビタンエステル、及びアルキレンオキシドで修飾されたソルビタンエステル、例えば、Tween(登録商標)20ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、分岐型界面活性剤、例えばGuerbetアルコール、又はGuerbetアルコールで修飾されたアルキレンオキシド、例えば、Lutensol(登録商標)XL 70(オキシラン,モノ(2−プロピルヘプチル)エーテルを有するオキシラン,2−メチル−,ポリマー、BASF)である。湿潤剤は、フレッシュニング組成物を広げるのに役立ち、噴霧中のフレッシュニング組成物の起泡を低減するのに役立つ。ある種の好ましい湿潤剤としては、超湿潤剤として当該技術分野で知られる種類の湿潤剤が挙げられる。理論によって束縛されないが、超湿潤剤は、表面に非常に効率よく充填され、きわめて低い平衡表面張力が得られる。このような界面活性剤の非限定的な例としては、Surfynol(登録商標)465及びSurfynol(登録商標)104PG 50のようなSurfynols(登録商標)(Dow Chemicals)が挙げられる。
【0061】
水溶性又は混和性の四級アンモニウム界面活性剤:
典型的には、フレッシュニング組成物に含まれる最低濃度の水溶性クアットは、当該フレッシュニング組成物の総重量に基づいて、少なくとも約0.01重量%、好ましくは少なくとも約0.05重量%、より好ましくは少なくとも約0.1重量%、更により好ましくは少なくとも約0.2重量%である。典型的には、フレッシュニング組成物に含まれる最高濃度の水溶性四級剤は、当該フレッシュニング組成物の総重量に基づいて、約20%以下、好ましくは、約10%未満、より好ましくは約3%未満である。典型的には、当該剤は、フレッシュニング組成物中に約0.2%〜約1.0%の量で存在する。
【0062】
具体的には、好ましい水溶性四級化合物は、ジアルキル四級界面活性剤化合物である。適切な四級界面活性剤としては、限定されないが、下式を有する四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる:
【0063】
【化1】
〔式中、R及びRは、独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)H(式中、xは、約2〜約5の値を有する)からなる群から選択され;Xは、アニオンであり;(1)R及びRは、それぞれ、C〜C14アルキルであるか、又は(2)Rは、C〜C18アルキルであり、Rは、C〜C10アルキル、C〜C10ヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)H(式中、xは、2〜5の値を有する)からなる群から選択される〕。好ましい非対称性四級化合物は、R3及びR4が同一ではなく、好ましくは一方が分枝状であり、他方が直鎖状の化合物である。
【0064】
好ましい非対称性四級化合物の一例は、Xがメチルサルフェートイオンであり、R1及びR2がメチル基であり、R3が、モノ不飽和部が5%未満の水素添加タロー基であり、R4が2−エチルヘキシル基である、ARQUAD HTL8−MSである。ARQUAD HTL8−MSは、ArnhemのAkzo Nobel Chemical(Arnhem,Netherlands)から入手できる。
【0065】
適切な対称性四級化合物の一例は、Xが炭酸塩及び重炭酸塩であり、R1及びR2がメチル基であり、R3及びR4がC10アルキル基である、UNIQUAT 22c50である。UNIQUAT2250は、北アメリカのLonzaの登録商標であり、Lonza Incorporated(Allendale,New Jersey)から入手可能である。
【0066】
適切な水溶性四級化合物の別の例は、Lonzaから入手可能であり、以下の構造を有する、N−セチルエチルモルホリニウムエトサルフェートであるBARQUAT CME−35である。
【0067】
【化2】
【0068】
抗菌性化合物
フレッシュニング組成物は、空気中又は無生物表面上の生存可能な微生物数を減少させるための化合物を有効量含み得る。抗菌性化合物は、ソファ、枕、ペットの寝具、及びカーペットなどの、ヒトの皮膚又はペットと接触した室内表面上に典型的に見られるグラム陰性菌若しくはグラム陽性菌、又は真菌に対して有効である。このような微生物種としては、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、化膿レンサ球菌(Steptococcus pyogenes)、ブタコレラ菌(Salmonella choleraesuis)、大腸菌(Escherichia coil)、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)、及び緑膿菌(Pseudomonoas aeruginosa)が挙げられる。また、抗菌性化合物は、H1〜N1、ライノウイルス、呼吸系発疹ウイルス、1型ポリオウイルス、ロタウイルス、A型インフルエンザ、1型及び2型単純ヘルペス、A型肝炎、並びにヒトコロナウイルスなどの生存可能なウイルス数の減少に対して有効であり得る。
【0069】
フレッシュニング組成物に好適な抗菌性化合物は、布地の外観を損傷(例えば、変色、黄ばみなどの着色、脱色)させない任意の有機物質とすることができる。水溶性抗菌性化合物としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、四級化合物、デヒドロ酢酸、フェニル及びフェノキシ化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0070】
四級化合物が使用されてもよい。フレッシュニング組成物において使用するのに好適な市販の第四級化合物の例は、Lonza Corporationから入手可能なBarquat、及びLonza Corporationから商標名Bardac(登録商標)2250として入手可能な塩化アンモニウムジメチルジデシルクアットである。
【0071】
抗菌性化合物は、フレッシュニング組成物の約500重量ppm〜約7000重量ppm、あるいは約1000重量ppm〜約5000重量ppm、あるいは約1000重量ppm〜約3000重量ppm、あるいは約1400重量ppm〜約2500重量ppmの量で存在してもよい。
【0072】
防腐剤
フレッシュニング組成物は、防腐剤を含有してもよい。防腐剤は、特定の期間にわたって腐敗を防ぐか、又は意図せず混入した微生物の増殖を防ぐのに十分であるが、フレッシュニング組成物の悪臭中和性能に寄与するのに十分ではない量で存在し得る。換言すれば、防腐剤は、微生物によって生じる臭気を消すためにフレッシュニング組成物が沈着する表面上の微生物を死滅させるための抗菌性化合物として使用されているのではない。むしろ、防腐剤は、フレッシュニング組成物の保存寿命を長くするために、当該フレッシュニング組成物の腐敗を防ぐために用いられている。
【0073】
防腐剤は、布地の外観に損傷(例えば、変色、着色、脱色)を生じさせない任意の有機防腐剤物質とすることができる。好適な水溶性防腐剤としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、パラベン、プロパンジオール(diaol)物質、イソチアゾリノン、四級化合物、ベンゾエート、低分子量アルコール、デヒドロ酢酸、フェニル及びフェノキシ化合物、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0074】
市販の水溶性防腐剤の非限定的な例としては、Rohm and Haas Co.によって商標名Kathon(登録商標)CGで1.5%水溶液として入手可能な広域スペクトル防腐剤である、約77%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと約23%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物;HenkelからBronidox L(登録商標)の商品名で入手可能な5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン;InolexからBronopol(登録商標)の商品名で入手可能な2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール;クロロヘキシジン、並びにその例えば酢酸及びジグルコン酸との塩として一般的に知られている、1,1’−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド);LonzaからGlydant Plus(登録商標)の名称で入手可能な、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリジンジオンと3−ブチル−2−ヨードプロピニルカルバメートの95:5混合物;Sutton Laboratories,Inc.からGermall(登録商標)の商品名で入手可能であり、ジアゾリジニルウレアとして一般的に知られる、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシ−メチル)ウレア;例えば、3V−Sigmaから商標名Abiol(登録商標)として、InduchemからUnicide U−13(登録商標)として、Sutton Laboratories,Inc.からGer−mall 115(登録商標)として入手可能な、イミダゾリジニルウレアとして一般的に知られているN,N’’−メチレンビス{N’−[1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]ウレア};Huls AmericaからNuosept(登録商標)Cの商品名で入手可能なポリメトキシ二環オキサゾリジン;ホルムアルデヒド;グルタルアルデヒド;ICI Americas,Inc.から商標名Cosmocil CQ(登録商標)として、又はBrooks,Inc.から商標名Mikrokill(登録商標)として入手可能なポリアミノプロピルビグアニド;デヒドロ酢酸;並びにRohm and Hass Corporationから商標名Koralone(商標)B−119として入手可能なベンズイソチアゾリノン;1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン;Acticide MBSが挙げられる。
【0075】
防腐剤の好適な濃度は、フレッシュニング組成物の約0.0001重量%〜約0.5重量%、あるいは約0.0002重量%〜約0.2重量%、あるいは約0.0003重量%〜約0.1重量%である。
【0076】
悪臭中和剤
フレッシュニング組成物は、他の悪臭低減技術を含み得る。当該技術としては、限定されるものではないが、アミン官能性ポリマー、金属イオン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、ポリオール、酸化剤、活性炭、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0077】
香料送達技術
フレッシュニング組成物は、香料成分の処理された基材への付着及び当該基材からの放出を安定化及び強化する1つ以上の香料送達技術を含み得る。このような香料送達技術を使用して、処理された基材から香料が放出する寿命を延長することもできる。香料送達技術、特定の香料送達技術を作製する方法、及びこのような香料送達技術の使用は、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。
【0078】
フレッシュニング組成物は、約0.001重量%〜約20重量%、又は約0.01重量%〜約10重量%、又は約0.05重量%〜約5重量%、又は更には約0.1重量%〜約0.5重量%の香料送達技術を含み得る。一態様では、香料送達技術は、プロ香料、ポリマー粒子、可溶性シリコーン、ポリマー支援型送達、分子支援型送達、繊維支援型送達、アミン支援型送達、シクロデキストリン、デンプン封入アコード、ゼオライト、及び無機キャリア、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0079】
香料送達技術は、アミン反応生成物(ARP)又はチオ反応生成物を含み得る。アミン官能基及び/又はチオール官能基が1つ以上のPRMと予備反応して反応生成物を生成する、「反応性」ポリマー性アミン及び、又はポリマーチオールを用いてもよい。典型的には、反応性アミンは、一級及び/又は二級アミンであり、ポリマーの一部であってもモノマー(非ポリマー)であってもよい。また、このようなARPを追加のPRMと混合して、ポリマー支援型送達効果及び/又はアミン支援型送達の効果を提供することもできる。ポリマーアミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン、又はポリビニルアミン(PVAm)に基づくポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定的な例としては、ヒドロキシルアミン(例えば、2−アミノエタノール)及びそのアルキル置換誘導体、並びに芳香族アミン(例えば、アントラニレート)が挙げられる。ARPは、香料と事前混合しておいてもよく、リーブオン用途又はリンスオフ用途では別個に添加してもよい。別の態様において、例えば、酸素、リン又はセレンなどの窒素及び/又は硫黄以外のヘテロ原子を含有する材料をアミン化合物の代わりに使用することができる。更に別の態様において、上述の代替化合物をアミン化合物と併用してもよい。更なる別の態様において、1つの分子が、アミン部分と、代替ヘテロ原子部分(例えば、チオール、ホスフィン及びセレノール)のうちの1つ以上と、を含んでもよい。その効果としては、香料の送達改善に加えて、香料の放出制御を挙げることができる。好適なARP並びにその製造方法は、米国特許出願公開第2005/0003980(A1)号及び米国特許第6,413,920(B1)号に見ることができる。
【0080】
非カプセル封入香料
フレッシュニング組成物は、快感効果を供給するだけの(すなわち、悪臭は中和しないが、快い香りは提供する)1つ以上の香料原料を含む未封入香料を含み得る。好適な香料は、米国特許第6,248,135号に開示されている。例えば、フレッシュニング組成物は、悪臭を中和するための揮発性アルデヒドと快楽をもたらす香料アルデヒドとの混合物を含んでよい。
【0081】
フレッシュニング組成物に悪臭制御成分中の揮発性アルデヒド以外の香料が配合される場合、香料及び揮発性アルデヒドの合計量は、フレッシュニング組成物の約0.015重量%〜約2重量%、あるいは約0.01重量%〜約1.0重量%、あるいは約0.015重量%〜約0.5重量%であってよい。
【0082】
水性キャリア
フレッシュニング組成物は、水性キャリアを含み得る。使用される水性キャリアは、蒸留水、脱イオン水、又は水道水であってもよい。水は、フレッシュニング組成物が水溶液になるような任意の量で存在し得る。水は、フレッシュニング組成物の約85重量%〜99.5重量%、あるいは約90重量%〜約99.5重量%、あるいは約92重量%〜約99.5重量%、あるいは約95重量%の量で存在し得る。少量の低分子量一価アルコール、例えば、エタノール、メタノール、並びにイソプロパノール、又はエチレングリコール及びプロピレングリコールなどのポリオールを含有する水も有用であり得る。しかし、エタノール及び/又はイソプロパノールなどの揮発性の低分子量一価アルコールは制限すべきであり、これは、これらの揮発性有機化合物が、引火性の問題と環境汚染の問題の双方の一因になるからである。少量の低分子量一価アルコールがフレッシュニング組成物中に存在する場合、香料及びいくつかの防腐剤用の安定化剤などにこれらのアルコールを添加したことに起因して、一価アルコールの濃度は、フレッシュニング組成物の約1重量%〜約5重量%、あるいは約6重量%未満、あるいは約3重量%未満、あるいは約1重量%未満であり得る。
【0083】
希釈剤
フレッシュニング組成物は更に希釈剤を含んでもよい。例示的な希釈剤としては、ジプロピレングリコールメチルエーテル、及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0084】
補助剤
補助剤は、公知の目的のために本明細書におけるフレッシュニング組成物に添加することができる。このような補助剤としては、限定するものではないが、亜鉛塩、銅塩、及びこれらの混合物を含む水溶性金属塩;帯電防止剤;防虫剤及び防蛾剤;着色剤;酸化防止剤;アロマセラピー剤及びこれらの混合物が挙げられる。
【0085】
噴霧可能な製品
フレッシュニング組成物は、スプレーディスペンサにパッケージ化されて、噴霧可能な製品を形成することができる。噴霧可能な製品は、空気中及び表面上での使用に好適であり得る。
【0086】
噴霧可能な製品は、微細なミストを送達するように構成されていてよい。スプレーディスペンサは、直接圧縮型トリガー噴霧器、予圧型トリガー噴霧器、又はエアゾール型スプレーディスペンサなどの様々な方式で構成され得る。1つの好適なスプレーディスペンサは、TS800トリガー噴霧器(Exxon Mobil PP1063、材料分類10003913、製造元:Calmar)である。
【0087】
別の好適なスプレーディスペンサとしては、Afa Dispensing Group製のFLAIROSOL(商標)ディスペンサなどの連続動作式噴霧器が挙げられる。FLAIROSOL(商標)ディスペンサは、予圧スプレーエンジンを備えたバッグ・イン・バッグ又はバッグ・イン・缶の容器、及びフレッシュニング組成物のエアゾール様加圧物を含む。
【0088】
性能特性
本開示のフレッシュニング組成物は安定であり、消費者が許容できる噴霧を示し、最小限の残渣を有することが見出された。理論に束縛されるものではないが、本開示の構造化剤系は高度に有効な様式で互いに一意的に結合して、非常に低い多糖類濃度で安定性をもたらし、最小限の残渣で消費者が許容できる噴霧品質を可能にすると考えられる。
【0089】
フレッシュニング組成物は、スプレー液滴の形態でスプレーディスペンサから散布され得る。本開示のフレッシュニング組成物は、粒子を懸濁させることができるので、安定なフレッシュニング組成物を形成すると同時に、比較的均一かつ十分に小さいサイズのスプレー液滴を送達する。より大きくかつ不均一なスプレー液滴は、消費者にとって許容できない外観をもたらすことがあり、空気中又は表面上をフレッシュニング組成物で十分に被覆できないことがある。
【0090】
また、フレッシュニング組成物は、フレッシュニング組成物を表面上に噴霧し、乾燥させた後に、十分に低くかつ消費者が許容できる残渣濃度を表面上に送達することができる。例えば、本開示の好ましいフレッシュニング組成物は、残渣値試験方法に従って、5スプレーにおいて約8未満、好ましくは15スプレーにおいて約8未満、又は最も好ましくは25スプレーにおいて約8未満の残渣値を提供し得る。
【0091】
フレッシュニング組成物は、本明細書に記載される残渣値試験方法に従って、5スプレーにおいて約6未満、好ましくは15スプレーにおいて約6未満、又は最も好ましくは25スプレーにおいて約6未満の残渣値を有し得る。
【0092】
本開示の構造化剤系は、粒子がフレッシュニング組成物の最上部に浮遊することなく、フレッシュニング組成物の底部に沈むこともないように、フレッシュニング組成物に粒子を懸濁させることができる。例えば、本開示のフレッシュニング組成物は、本明細書に開示される25℃における相安定性等級試験方法に従って測定される、少なくとも1、あるいは2の相安定性等級を提供し得る。フレッシュニング組成物中の粒子を安定化すると、フレッシュニング組成物を散布する前にスプレーディスペンサを振る必要がなくなる。また、粒子を安定化すると、スプレーディスペンサからの各噴霧が比較的一貫性のある濃度の粒子を提供するように、フレッシュニング組成物全体にわたって粒子をより均一に分布させるのに役立ち得る。
【0093】
レオロジー特性
本開示の好ましいフレッシュニング組成物は、噴霧可能な製品が典型的に経験する応力下で粒子を懸濁させることができる。例えば、噴霧可能な製品は、出荷中、棚に置かれている間、及び消費者による取り扱い中、振盪、ティップング、フリッピングなどの動作を経験し得る。フレッシュニング組成物は、本明細書に開示されるクリープ回復比性能方法に従って測定したとき、少なくとも約0.1、あるいは少なくとも約0.2、あるいは少なくとも約0.3、あるいは少なくとも約0.4のクリープ回復比を有し得る。
【0094】
フレッシュニング組成物は、本明細書で開示される降伏応力性能方法に従って測定したとき、0パスカル(Pa)超かつ約1.0Pa未満、又は約0.05Pa〜約0.5Paの降伏応力を呈し得る。
【0095】
フレッシュニング組成物は、本明細書に開示されるスプレー剪断粘度性能方法に従って測定したとき、約0.025パスカル秒(Pa−s)未満、あるいは約0.02Pa−s秒未満、あるいは約0.01Pa−s未満のスプレー剪断粘度を呈し得る。
【0096】
本開示のフレッシュニング組成物は、約0.025Pa−s未満のスプレー剪断粘度及び少なくとも約0.1のクリープ回復比又は0Pa超かつ約1.0Pa未満の降伏応力のいずれかを呈し得る。
【0097】
より好ましくは、本開示のフレッシュニング組成物は、約0.025Pa−s未満のスプレー剪断粘度、少なくとも約0.1のクリープ回復比、及び0Pa超かつ約1.0Pa未満の降伏応力を呈し得る。
【0098】
懸濁した粒子を含む相安定性の噴霧可能なフレッシュニング組成物は、長期安定性、消費者が許容できる噴霧、及び低残渣の3つの特性を同時に必要とする。これは、長期安定性は一般に高濃度の構造化剤を必要とするが、噴霧及び低残渣特性は低濃度の構造化剤を必要とする点で、未だ解決されていない矛盾を確立する。次いで、本明細書中で具現化される仕様内で第1の多糖類と第2の多糖類とをブレンドすると、3つの基準の全てを同時満たす組成物が得られることは驚くべきことであった。理論に束縛されるものではないが、第1の多糖類及び第2の多糖類は、3つの特性全てを同時に提供するために低濃度の構造化剤における安定性を可能にする分子を架橋する独自の分子間結合を提供すると考えられる。本明細書に含まれる組成物、パラメータ、及び性能は、これらの関係を一意的に捕え、予測する。
【0099】
使用方法
本発明のフレッシュニング組成物は、散布することによって、例えば、スプレーディスペンサのような分配手段の中に本発明の水溶液を入れ、有効量を空気中、又は所望の表面若しくは物品上にスプレーすることによって、使うことができる。有効量とは、本明細書において定義されるとき、空気若しくは表面をフレッシュにする、及び/又はヒトの嗅覚によって認識できないが、物品若しくは表面に液体が染みこんだり、液体の水溜りができたりして、乾いたときに容易に認識可能な目に見える堆積物ができるほどではない点まで悪臭を中和するのに十分な量を意味する。散布は、スプレー装置、ローラー、パッドなどを使用することにより達成される。
【0100】
本開示は、家庭内表面の悪臭を低減する及び/又は家庭内表面をフレッシュニングするために、家庭内表面上に有効量のフレッシュニング組成物を散布する方法を包含する。家庭内表面は、カウンタートップ、キャビネット、壁、床、浴室の表面、ゴミ箱及び/又はリサイクル容器、電化製品、並びにキッチンの表面からなる群から選択される。
【0101】
本開示は、布地及び/又は布地物品の悪臭を低減する及び/又は布地及び/又は布地物品をフレッシュニングするために、当該布地及び/又は布地物品上に有効量のフレッシュニング組成物のミストを散布する方法を包含する。布地及び/又は布地物品としては、衣類、カーテン、掛け布、布張りの家具、カーペット、ベッド用リネン、浴室用リネン、テーブルクロス、寝袋、テント、車内装飾、例えば、車用カーペット、車の布地製シート、シャワーカーテンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
本開示は、悪臭の印象を低減する及び/又はフレッシュニングするために、靴の上又は靴の中に有効量のフレッシュニング組成物のミストを散布する方法であって、靴に染み込むまでは噴霧しない方法を包含する。
【0103】
本開示は、フレッシュニングする及び/又は悪臭を中和するために、空気中に有効量のフレッシュニング組成物のミストを散布する方法に関する。
【0104】
本開示は、フレッシュニングする及び/又は悪臭を中和するために、ネコ用トイレ、ペットの寝具、及びペットの小屋上に有効量のフレッシュニング組成物のミストを散布する方法に関する。
【0105】
本開示は、フレッシュニングする及び/又は悪臭を中和するために、家庭のペット上に有効量のフレッシュニング組成物のミストを散布する方法に関する。
【0106】
方法
メラミン−ホルムアルデヒド又はポリアクリレート粒子中の封入香料混合物を定量するための試験方法
非極性又はわずかに極性のカラムを用いて実施される、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS/FID)の分析クロマトグラフィー技術を用いる溶媒−抽出物の液体分析を介して、有益剤送達粒子中の各封入香料原料(PRM)混合物を同定し、定量する。GC−MS/FID分析用の溶媒抽出物を調製する前に、有益剤送達粒子及びその中に封入されたPRM混合物を、濾過を介してフレッシュニング組成物の残りから物理的に分離する。抽出されたサンプル及び既知の較正標準についてのGC−MS/FID結果に加えて、既知の重量のサンプルを共に用いて、有益剤送達粒子中の封入PRM混合物の絶対濃度及び重量パーセント(wt%)を推定する。この手順は、フレッシュニング組成物中に更なる遊離(封入されていない)香料原料が存在するにもかかわらず、メラミン−ホルムアルデヒド又はポリアクリレート壁材料に封入されたPRM混合物の定量に好適である。主にメラミン−ホルムアルデヒド又はポリアクリレート化学物質ではない壁材料を含む有益剤送達粒子は、封入香料の少なくとも95%という抽出効率を得るために、この方法を一部改変することを必要とする場合がある。このような改変には、別の溶媒又は加熱及び抽出時間の延長を挙げることができる。
【0107】
これらのGC−MS/FID分析を実施するのに好適な機器としては、例えば、以下の装置が挙げられる:Hewlett Packard/Agilent Gas Chromatograph model 7890シリーズGC(Hewlett Packard/Agilent Technologies Inc.(Santa Clara,California,U.S.A.));Hewlett Packard/Agilent Model 5977N Mass Selective Detector(MSD)透過型四重極質量分析計(Hewlett Packard/Agilent Technologies Inc.(Santa Clara(California,U.S.A.));多目的オートサンプラーMPS2(GERSTEL Inc.(Linthicum,Maryland,U.S.A);及び5%−フェニル−メチルポリシロキサンカラムJ&W DB−5(長さ30mm×内径0.25um×膜厚0.25μm)(J&W Scientific/Agilent Technologies Inc.(Santa Clara,California,U.S.A.)。
【0108】
当業者は、有益剤送達粒子中のPRM混合物を同定及び定量するために、分析工程が、外部参照標準の使用;平均機器応答係数を作成するための一点多PRM較正の作製;並びに参照データベース及びライブラリから得られる保持時間及び質量スペクトルピークに対する測定結果の比較、を含むことを理解する。
【0109】
サンプル調製:シリンジフィルタアセンブリを用いて試験サンプルから有益剤送達粒子を分離する。フィルタメンブレンが破損する可能性を低減するために、平たく丸い先端を備えるピンセットのみを用いてフィルタメンブレンを慎重に取り扱う。脱イオン水(DI水)を用いて、孔径1.2μm、直径25mmのニトロセルロースフィルタメンブレン(例えば、EMD Millipore Corporation/Merck(Billerica,Massachusetts,USA)製の商品番号RAWP−02500)を慎重に湿らせ、湿ったフィルタをSwinnexシリンジフィルタ装着アセンブリ(例えば、EMD Millipore Corporation/Merck(Billerica,Massachusetts,USA)製の商品番号SX0002500)の支持グレート上に置く。フィルタを支持グレートの中央に置き、フィルタの縁部とホルダとを揃える。次いで、封止Oリングをフィルタアセンブリに付加し、フィルタ及びOリングを確実に正確に揃えながら、2つの部分を慎重に螺合する。Swinnexアセンブリに装着した24時間以内にフィルタを用いる。
【0110】
試験されるフレッシュニング組成物のサンプル2gを少なくとも50mLの容量のビーカーに量り入れ、試験サンプルの重量を記録する。20〜40mLのDI水を試験サンプルに添加し、溶液を十分に撹拌して混合する。60ccのシリンジ(ルアーロックが好ましい)を用いて、フィルタを備えるSwinnexアセンブリでサンプルを濾過する。フィルタメンブレンが詰まり、希釈した試験サンプルの総体積を濾過することができない場合、濾過できるサンプル質量が見出されるまで、又は0.45gの最低重量を試し、その濾過が失敗するまで、繰り返しサンプル重量を減少させて(1回当たり0.5gずつ減少)繰り返し試す。0.45gの最低重量のサンプルを濾過することができない場合、以下に更に説明する別の調製方法を用いてその試験サンプルを調製する。2g〜0.45gのサンプル質量の濾過に成功した場合、次いで、10mLのヘキサンすすぎ液をフィルタ及びシリンジアセンブリに通し、得られたメンブレンフィルタを装着アセンブリから慎重に取り外し、円錐形のシールを備える20mLのシンチレーションバイアルに移す。フィルタを慎重に観察して、フィルタに裂け目も穴も存在しないことを確かめる。裂け目又は穴が観察された場合、フィルタを廃棄し、新たなフィルタを用いて試験サンプルを再度調製する。フィルタが無傷であることが観察された場合、10mLのエタノールをバイアルに添加し、フィルタをこの溶媒に浸漬する。フィルタ及びエタノールを収容しているバイアルを60℃で1時間加熱し、次いで、1時間で室温に冷却する。バイアルの内容物を穏やかに回転させて混合し、エタノール溶液をバイアルから除去し、孔径0.45μmのPTFEシリンジフィルタで濾過して粒子を除去する。この試験サンプルのエタノール濾液をGCバイアルに回収し、キャップで密閉し、ラベルを付ける。
【0111】
上記した特定の調製方法に従ったときにサンプルの濾過が成功しなかった場合にのみ、下記別の調製方法を実施する。別の調製方法は、時間依存性であり、試験サンプルに有機溶媒を添加した30秒以内にサンプルを濾過することを必要とする。この方法では、試験されるフレッシュニング組成物のサンプル2gを少なくとも50mLの容量のビーカーに量り入れ、試験サンプルの重量を記録する。5mLのDI水を試験サンプルに添加し、溶液を十分に撹拌して混合する。20mLのイソプロピルアルコールの予め測定しておいたアリコート、次いで、20mLのヘキサンを試験サンプル溶液に速やかに添加し、十分に混合し、次いで、Swinnexフィルタアセンブリを用いて溶液を直ちに濾過する。この溶液は、有機溶媒の添加後30秒以内に濾過しなければならない。希釈した試験サンプルを濾過した後、得られたメンブレンフィルタを装着アセンブリから慎重に取り外し、円錐形のシールを備える20mLのシンチレーションバイアルに移す。フィルタを慎重に観察して、フィルタに裂け目も穴も存在しないことを確かめる。裂け目又は穴が観察された場合、フィルタを廃棄し、新たなフィルタを用いて試験サンプルを再度調製する。フィルタが無傷であることが観察された場合、10mLのエタノールをバイアルに添加し、フィルタをこの溶媒に浸漬する。フィルタ及びエタノールを収容しているバイアルを60℃で1時間加熱し、次いで、冷却し、室温で1時間静置する。バイアルの内容物を穏やかに回転させて混合し、エタノール溶液をバイアルから除去し、孔径0.45μmのPTFEシリンジフィルタで濾過して粒子を除去する。この試験サンプルのエタノール濾液をGCバイアルに回収し、キャップで密閉し、ラベルを付ける。
【0112】
機器の操作:GCバイアルからの試験サンプルのエタノール濾液のアリコートをGC−MS/FID機器に注入する。スプリット比10:1の1μLの注入を用いる。シグナル又はカラム飽和が生じた場合、30:1以下のスプリット比が許容可能である。注入した全てのサンプルについて、針をすすぎ、注入と注入との間の物質の持ち越しを防ぐために、サンプルの注入と注入との間に最低2回溶媒ですすぐ必要がある。分析条件としては、以下が挙げられる:入口温度:270℃、カラム:J&W DB−5、長さ30m×内径0.25mm×膜厚0.25μm
【0113】
気体:1.5mL/分の一定流量のHeガス、オーブン温度:50℃(0分)、12℃/分の速度、280℃(2分)、MDS:40〜300m/zの最小レンジでのフルスキャンモード(より広いレンジを使用してもよい)。
【0114】
試験サンプルのエタノール濾液中に存在する香料物質の全てを溶出するのに十分であるように、システムの最終温度を選択することが重要である。
【0115】
香料標準:3つの既知の香料参照標準を利用して、香料原材料の同定及び定量のためのFIDの応答係数を求める。これら3つの参照標準は、芳香剤アレルゲン標準:A、B、及びCを含有する、Restek Corporation(Bellefonte,Pennsylvania,USA)(商品番号33105)から入手可能なFragrance Allergen Standards Kitに含まれている。これら3つの既知のFragrance Allergen Standards Kit香料参照標準のそれぞれに由来するサンプルを、全く希釈せずに直接別々のGCバイアルに移し、密閉し、それぞれ標準A、標準B、及び標準Cとラベルを付ける。試験サンプルのエタノール濾液の分析中に使用される、同じ機器構成及び設定を使用して、これら既知の参照標準を注入し、分析する。Restek Fragrance Allergen Standards Kitが入手できない場合、以下に指定する個々の香料原料化合物(PRM)(括弧内にCAS番号を記載)の以下のリストから少なくとも20種の化合物(各個々の香料原料の濃度は500μg/mLを超えない)を合わせることによって代替物を作製してもよい。芳香剤アレルゲン標準A:α−アミルシンナムアルデヒド(122−40−7)、シンナマール(104−55−2)、シトラール(5392−40−5)、3,7−ジメチル−7−ヒドロキシオクタナール(107−75−5)、α−ヘキシルシンナムアルデヒド(101−86−0)、リリアール(80−54−6)、リラール(31906−04−4)、フェニルアセトアルデヒド(122−78−1)。芳香剤アレルゲン標準B:α−アミル桂皮酸アルコール(101−85−9)、ベンジルアルコール(100−51−6)、シンナミルアルコール(104−54−1)、シトロネロール(106−22−9)、オイゲノール(97−53−0)、ファルネソール(4602−84−0)、ゲラニオール(106−24−1)、イソオイゲノール(97−54−1)、リナロール(78−70−6)、4−メトキシベンジルアルコール(105−13−5)、メチルオイゲノール(93−15−2)。芳香剤アレルゲン標準C:4−アリルアニソール(140−67−0)、安息香酸ベンジル(120−51−4)、桂皮酸ベンジル(103−41−3)、サリチル酸ベンジル(118−58−1)、カンファー(76−22−2)、1,8−シネオール(470−82−6)、クマリン(91−64−5)、リモネン(138−86−3)、イソ−α−メチルイオノン(127−51−5)、メチル2−ノニノエート(111−80−8)、メチル2−オクチノエート(111−12−6)、サフロール(94−59−7)。
【0116】
データ解析:GC−MS保持時間及び化合物の質量スペクトルの多くのライブラリ及びデータベースが広く利用可能であり、試験される特定のPRMを同定するために用いられる。このようなライブラリ及びデータベースとしては、以下を挙げることができる:NIST14ガスクロマトグラフィーデータベース及びNIST/EPA/NIH質量スペクトルライブラリバージョンNIST14(U.S.Department of Commerce,National Institute of Standards and Technology,Standard Reference Data Program(Gaithersburg,Maryland,U.S.A.)、Wiley Registry of Mass Spectral Data第10版(John Wiley & Sons,Inc.(Hoboken,New Jersey,U.S.A.))、並びにAroma Office 2Dソフトウェア(GERSTEL Inc.(Linthicum,Maryland,U.S.A))。実施した分析から作成されたデータ内で、保持時間及びMS結果に基づいて香料原材料(PRM)と同定されたFIDピークを積分し(すなわち、積分を介して各ピーク下面積を求めて、各ピークの単一積分値を得る)、これら値を各所与のピークの「IPRM」値と呼ぶ。以下に更に指定する追加のデータ計算において使用するためにこれらIPRM値を記録する。
【0117】
得られたデータ結果を、参照標準物質と共に供給される情報と比較することによって、各標準中の各PRMが検出され、正確に同定されたことを確認するために、参照標準の結果を用いる。供給された標準参照物質が複数の異性体に言及している場合、両異性体の同定及び積分を行い、記録しなければならない。
【0118】
3つの既知の香料参照標準の平均相対応答係数(RRFavg)を以下の等式に従って計算し、次いで、この値を利用して、試験サンプル中の封入された香料の濃度を求める。封入された香料の量を求めるのに必要なデータ計算は、以下の6つの等式に従って値を計算することを含む:
各香料標準(Cstd)の濃度(単位:g/L)は、3つの参照標準のそれぞれについてCstd値が計算されるように、以下の式に従って各参照標準(標準A;標準B;標準C)中の個々のPRMの濃度(Cprm)を全て合計したものである:
Cstd(単位:g/L)=(Cprm1+Cprm2=Cprm3+...+Cprm
(式中、Cprm1〜Cprm=参照標準物質の供給元によって提供される情報に基づく、参照標準中の各PRMの濃度であり、g/Lの単位で表される)。
【0119】
全積分(Itotal)は、所与のサンプル中の個々のPRM積分値(IPRM)の全ての合計であり、以下の等式に従って計算される:
Itotal=(IPRM1+IPRM2+IPRM3+...+IPRM
(式中、IPRM1〜IPRM=(試験サンプル及び参照標準サンプルの両方について)所与のサンプル中の各PRMピークについてのピーク面積である)。
【0120】
3つの香料参照標準のそれぞれについての相対応答係数(RFE)(濃度g/L、面積で除する)は、以下の等式に従って計算される。
RFF=Cstd/Itotal
【0121】
平均相対応答係数(RFFavg)は、以下の等式に従って計算される。
RFFavg=(標準AのRFF+標準BのRFF+標準CのRFF)/3
【0122】
分析した試験サンプルのアリコート中の封入された香料の重量(グラム)(Wencap)は、以下の等式に従って計算される:
Wencap(単位:グラム)=RFFavg×Itotal×0.01
(式中、は、乗法の数学演算子である)。
【0123】
香料が封入されている所与の試験サンプルの重量パーセント(封入香料%)は、以下の等式に従って計算される:
封入香料%=(Wencap/サンプル重量(グラム)×100)
(式中、は、乗法の数学演算子である)。
【0124】
最低3つの反復サンプルを調製し、試験した各物質について測定する。
【0125】
試験した各物質について報告する最終的な値は、その試験物質の反復サンプルにおいて測定された封入香料値%の平均である。
【0126】
クリープ回復比性能方法
クリープ回復比を求めるための測定は、TA Discovery HR−2 Hybrid Rheometer(TA Instruments(New Castle,Delaware,U.S.A.))及び添付のTRIOSソフトウェアバージョン3.2.0.3877又は等価物を用いて行われる。この機器には、Double Gap Cup(TA Instrument、カタログ番号546050.901)、Double Gap Rotor(TA Instruments、カタログ番号546049.901)、及びSplit Cover(TA Instruments、カタログ番号545626.001)が装備されている。製造業者の推奨に従って較正を行う。25℃に設定された冷却循環水浴をConcentric Cylinderに取り付ける。Concentric Cylinderの温度を25℃に設定する。機器が設定温度に達するまでControl Panel内で温度を監視し、次いで、更に5分間放置して確実に平衡化した後、サンプル材料をDouble Gap Cupにロードする。
【0127】
Double Gap Cupのパラメータは、以下のとおりである:カップの内径は30.2mmであり;ボブの内径は32mmであり;ボブの外径は35mmであり;カップの外径は37mmであり;内筒の高さは55mmであり;浸漬高さは53mmであり;オペレーティングギャップは2,000.0μmであり;ローディングギャップは90,000.0μmであり;環境システムは、ペルチェであり;サンプル体積の容量は11.4mL〜15.0mLである。
【0128】
この組成物を噴霧散布することなく、試験用サンプルを得る。サンプルをロードするために、3mLのプラスチックシリンジを使用して最低12mLの試験サンプルをDouble Gap Cupに添加する。次いで、サンプルを15分間静置する。任意の捕捉された気泡を表面に浮かび上がらせるか又は他の方法で追い出し、除去する。次いで、Double Gap Rotorを指定のオペレーティングギャップ距離まで下降させ、以下の設定及び手順に従ってデータを収集する。
【0129】
試験サンプルを、以下に指定する順序で正確に実施される工程シリーズに供し、指定される機器の設定に従ってこの工程中のデータを収集する。このシリーズで指定される全ての工程は、最終パラメータ値が任意の所与の工程から得られたかどうかにかかわらず、指定のとおり、本明細書に記載される順序で実施されなければならない。これらシリーズにおいて指定される全ての工程の厳守が重要であるが、その理由は、任意の所与の工程によって試験サンプルにおいてレオロジー履歴が作成されることがあるので、後続の工程及びデータに影響を及ぼす可能性があるためである。
【0130】
サンプルのコンディショニング工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは10.0sに設定し;Wait for Temperatureはオンを選択し;Wait For Axial Forceはオフを選択し;Preshear Optionsは、Perform Preshearをオフに選択して設定し;Equilibriumは、Perform Equilibrationをオンに選択して設定し;Durationは600.0sに設定する。
【0131】
第1の遷移クリープ工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは0.0sに設定し;Wait For Temperatureはオフを選択し;Test Parametersは、Durationを600.0sに設定し;Stressを選択し、1.0e−2Paに設定し;Steady State Sensingはオフを選択し;Data Acquisitionは、Save Imageをオフに選択して設定し;Fast Samplingはオンを選択し;Step TerminationはLimit Checking Enabledをオンに選択して設定し;Equilibrium Enabledはオフを選択する。
【0132】
第2の遷移クリープ工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは0.0sに設定し;Wait For Temperatureはオフを選択し;Test Parametersは、Durationを1800.0sに設定し;Stressを選択し、0.0Paに設定し;Creep Brakingはオフを選択し;Steady State Sensingはオフを選択し;Data Acquisitionは、Save Imageをオフに選択して設定し;Fast Samplingはオンを選択し;Step TerminationはLimit Checking Enabledをオフに選択して設定し;Equilibrium Enabledはオフを選択する。
【0133】
クリープ回復比を計算するために、「最大歪み」を第1の遷移クリープ工程における最終歪み値として規定し;「平均歪み回復」を第2の遷移クリープ工程における150〜200秒の平均歪みとして規定し;クリープ回復比の値を、以下の式に従って計算された無単位の10進値として報告する:
クリープ回復比=(最大歪み−平均歪み回復)/最大歪み
【0134】
降伏応力及びスプレー剪断粘度性能方法
降伏応力及びスプレー剪断粘度を求めるための測定はTA Discovery HR−2 Hybrid Rheometer(TA Instruments(New Castle,Delaware,U.S.A.))及び添付のTRIOSソフトウェアバージョン3.2.0.3877又は等価物を用いて行われる。この機器には、Double Gap Cup(TA Instrument、カタログ番号546050.901)、Double Gap Rotor(TA Instruments、カタログ番号546049.901)、及びSplit Cover(TA Instruments、カタログ番号545626.001)が装備されている。製造業者の推奨に従って較正を行う。25℃に設定された冷却循環水浴をConcentric Cylinderに取り付ける。Concentric Cylinderの温度を25℃に設定する。機器が設定温度に達するまでControl Panel内で温度を監視し、次いで、更に5分間放置して確実に平衡化した後、サンプル材料をDouble Gap Cupにロードする。
【0135】
Double Gap Cupのパラメータは、以下のとおりである:カップの内径は30.2mmであり;ボブの内径は32mmであり;ボブの外径は35mmであり;カップの外径は37mmであり;内筒の高さは55mmであり;浸漬高さは53mmであり;オペレーティングギャップは2,000.0μmであり;ローディングギャップは90,000.0μmであり;環境システムは、ペルチェであり;サンプル体積の容量は11.4mL〜15.0mLである。
【0136】
この組成物を噴霧散布することなく、試験用サンプルを得る。サンプルをロードするために、プラスチック製の3mLのシリンジを使用して最低12mLの試験サンプルをDouble Gap Cupに添加する。次いで、サンプルを15分間静置する。任意の捕捉された気泡を表面に浮かび上がらせるか又は他の方法で追い出し、除去する。次いで、Double Gap Rotorを指定のオペレーティングギャップ距離まで下降させ、以下の設定及び手順に従ってデータを収集する。
【0137】
試験サンプルを、以下に指定する順序で正確に実施される工程シリーズに供し、指定される機器の設定に従ってこの工程シリーズ中のデータを収集する。このシリーズで指定される全ての工程は、最終パラメータ値が任意の所与の工程から得られたかどうかにかかわらず、指定のとおり、本明細書に記載される順序で実施されなければならない。これらシリーズにおいて指定される全ての工程の厳守が重要であるが、その理由は、任意の所与の工程によって試験サンプルにおいてレオロジー履歴が作成されることがあるので、後続の工程及びデータに影響を及ぼす可能性があるためである。
【0138】
サンプルの初期コンディショニング工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは0.0sに設定し;Wait for Temperatureはオンを選択し;Wait For Axial Forceはオフを選択し;Preshear Optionsは、Perform Preshearをオフに選択して設定し;Equilibriumは、Perform Equilibrationをオンに選択して設定し;Durationは600.0sに設定する。
【0139】
フローピーク保持工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは0.0sに設定し;Wait for Temperatureはオフを選択し;Test Parametersは、Durationを600.0sに設定し;Shear Rateを選択し、0.01s−1に設定し;Inherit initial valueはオフを選択し;Sampling intervalを選択し、3.0s/ptに設定し;Controlled Rate Advancedは、MotorモードをAutoに選択して設定し;Data acquisitionは、End of stepをZero torqueに選択して設定し;Fast samplingはオフを選択し;Save imageはオフを選択し;Step TerminationはLimit checking Enabledをオンに選択して設定し;Terminate stepは、Strain(%)に設定されたとき、>を選択し、500%に設定し;Equilibrium Enabledはオフを選択する。
【0140】
サンプルのコンディショニング工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは10.0sに設定し;Wait for Temperatureはオンを選択し;Wait for axial forceはオフを選択し;Preshear Optionsは、Perform Preshearをオフに選択して設定し;Equilibriumは、Perform Equilibrationをオンに選択して設定し;Durationは600.0sに設定する。
【0141】
遷移クリープ工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは0.0sに設定し;Wait For Temperatureはオフを選択し;Test Parametersは、Durationを600.0sに設定し;Stressを選択し、1.0e−3Paに設定し;Steady State Sensingはオフを選択し;Data Acquisitionは、Save Imageをオフに選択して設定し;Fast Samplingはオンを選択し;Step TerminationはLimit Checking Enabledをオンに選択して設定し;Terminate Stepは、Strain(%)に設定されたとき、>を選択し、500%に設定し;Equilibrium Enabledはオフを選択する。
【0142】
サンプルの第2のコンディショニング工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは10.0sに設定し;Wait for Temperatureはオンを選択し;Wait For Axial Forceはオフを選択し;Preshear Optionsは、Perform Preshearをオフに選択して設定し;Equilibriumは、Perform Equilibrationをオンに選択して設定し;Durationは600.0sに設定する。
【0143】
振動振幅工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは0.0sに設定し;Wait For Temperatureはオフを選択し;Test Parametersは、Frequencyを選択し、1.0Hzに設定し;Logarithmic Sweepを選択し、Stressを選択し、3.0e−3Pa〜100.0Paに設定し;Points Per Decadeは10に設定し;Controlled Stress Advancedは、Controlled Stress TypeをStandardに選択して設定し;Data Acquisitionは、Acquisition Mode Correlationをオンに選択して設定し、Transientはオフを選択し;Conditioning TimeはTimeを選択し、3.0sに設定し;Sampling TimeはTimeを選択し、3.0sに設定し;Save Waveform(Point Display)はオンを選択し;Number of Points In Waveformは64に設定し;Save Imageはオフを選択し;Use Additional Harmonicsはオフを選択し;Controlled Flowは、Torqueを選択して設定し、0.0μN.mに設定し;Step TerminationはLimit Checking Enabledをオンに選択して設定し;Terminate Stepは、Oscillation Strain(%)に設定されたとき、>を選択し、500.0%に設定し;Equilibrium Enabledはオフを選択する。
【0144】
サンプルの第3のコンディショニング工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは10.0sに設定し;Wait for Temperatureはオンを選択し;Wait For Axial Forceはオフを選択し;Preshear Optionsは、Perform Preshearをオフに選択して設定し;Equilibriumは、Perform Equilibrationをオンに選択して設定し;Durationは600.0sに設定する。
【0145】
フロースウィープ工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Environmental Controlは温度25℃に設定し;Inherit Set Pointはオフを選択し;Soak Timeは0.0sに設定し;Wait For Temperatureはオフを選択し;Test Parametersは、Logarithmic Sweepを選択して設定し;Shear Rateを選択し、1.0e−3s−1〜1000.0s−1に設定し;Points Per Decadeは5に設定し;Steady State Sensingはオンを選択し;Max Equilibration Timeは45.0sに設定し;Sample Periodは5.0sに設定し;% Toleranceは5.0に設定し;Consecutive Withinは3に設定し;Scaled Time Averageはオフを選択し;Controlled Rate Advancedは、MotorモードをAutoに選択して設定し;Data Acquisitionは、Save Point Displayをオフに選択して設定し;Save Imageはオフを選択し;Step TerminationはLimit Checking Enabledをオフに選択して設定し;Equilibrium Enabledはオフを選択する。
【0146】
試験の最後のコンディショニング工程は、以下の機器設定を使用して実施される:Set Temperatureはオフを選択し;(軸力制御がアクティブの場合にのみ)Set Temperature System Idleはオンを選択する。
【0147】
試験サンプルを指定されたレオロジー工程の全てに供しながらデータを収集した後、次いで、以下の方法でフローピーク保持工程中に収集されたデータから降伏応力値(単位Pa)を計算する:データ点を、x軸上の工程時間(s)に対してy軸上に応力(Pa)としてプロットする。「Analysis」タブを選択し、次いで、Functionドロップダウンリストから「Signal max」を選択し、最後に、Commandsカテゴリにおける「Analyse」を選択することによって降伏応力を求める。
【0148】
プロットにおける全ての点において応力がゼロよりも大きく、かつ「Max Y」における時間が250秒未満である場合、降伏応力値は「Max Y」の値に等しく;プロットにおける全ての点において応力がゼロよりも大きいが「Max Y」における時間が250秒以上である場合、降伏応力値は「ゼロ」の値に等しく;プロットにおける任意の点において応力がゼロ以下である場合、降伏応力値は「ゼロ」の値に等しい。
【0149】
フロースウィープ工程中に収集されたデータからスプレー剪断粘度値を計算する。1μN・m未満の適用された回転子トルクで取得された任意のデータ点を廃棄し;300%未満の歪みで取得された任意のデータ点も破棄する。残りのデータ点を、x軸上にs−1単位で表されるlog(剪断速度)及びy軸上にPa.s単位で表されるlog(粘度)としてプロットする。プロットの最後の5点(すなわち、5つの最も高い剪断速度において得られた5つのデータ点)を通るようにベストフィット直線を引く。スプレー剪断粘度値は、1000s−1におけるこの線の粘度値である。
【0150】
残渣値試験方法
試験されるスプレーディスペンサ及びフレッシュニング組成物の組み合わせについて、HunterLab LabScan XE Spectrophotometer及び添付のEasyMatch QCオペレーティングソフトウェア(全てHunter Lab/Hunter Associates Laboratory Inc.(Reston,Virginia,U.S.A.)から入手可能)又は等価物を使用して、残渣値を求めるための測定を行う。この機器は、400nm〜700nmの波長範囲及び10nm間隔の分解能を有するフルスキャニング分光光度計である。この機器は、波長の範囲において表面から反射された光の量を測定することによって、数値目盛色空間システムにおいて物質の色及び輝度を示す。CIELAB色空間内において、3本の軸はそれぞれL、a、bスケール軸として知られている。明度はL軸上で定量され、L値は0〜100の範囲であり、ゼロの値は黒を表し、100の値は白を表す。試験組成物の残渣値を求めるために、試験されるサンプル組成物で濃いネイビーブルーのウール生地の材料見本を噴霧処理する前後に、当該生地の材料見本からL色測定値を得る。次いで、得られたL測定値から残渣値を計算する。
【0151】
分光光度計は、試験サンプルをキセノンフラッシュランプで照らし、15ステーション光ファイバーリングを介して反射光を収集する、0°/45°の光学的形状で構成される。IlluminantをD65に設定し、Observerを10°に設定した、CIELAB三軸色空間の観点で測定値が得られるように、HunterLab LabScan XEの構成設定を選択する。Mode Setは0/45を選択し;Area Viewは1.75に設定し;Port Sizeは2.00に設定し;選択したサンプルカップポートプレートに1.75〜2.00(最大開口)のラベルを付け;UV FilterをNominalに設定し;Average Methodは4番に設定し;Timed Read Methodは4番に設定し;Read Intervalは6秒に設定する。測定を実施する各日に清浄な標準参照白色タイル及び清浄な標準参照黒色タイルを使用することによって機器を較正(標準化)し、当該較正は、試験サンプルの測定を実施する前に行う。
【0152】
生地の材料見本は、試験組成物がこの試験方法の目的のための散布される表面基材として機能する。生地の材料見本は、各寸法が約20.3cmの正方形である。生地の材料見本は、100%ウールの梳毛ギャバジンの男性用服地材料である生地から切り出され、濃いネイビーブルーの色である(例えば、Style# 541−Navy Worsted Gabardine、Test Fabrics Inc.(415 Delaware Avenue,P.O.Box 26,West Pittston,PA 18643)から入手可能)。試験される各フレッシュニング組成物とスプレーディスペンサとの組み合わせについて、4回の機会のそれぞれにおいて各2枚の反復試験用材料見本を測定する。測定が行われる4回の機会は、以下を含む:任意の噴霧処理前の初期測定(すなわち、初期未噴霧);次いで、第1の処理(すなわち、5噴霧用量)後に再測定し;次いで、第2の処理(すなわち、15噴霧累積用量)後に再度再測定し;次いで、第3の処理(すなわち、25噴霧累積用量)後に最後に再度再測定する。
【0153】
噴霧処理前後に、全てのL測定を所与の材料見本の同じ平面上で行う。所与の材料見本の逆側の平面には噴霧処理せず、分光光度計によって測定しない。生地の縁部近傍において材料見本の片面に付された識別ラベル又は番号は、試験表面を識別するのに役立つことから、最初に測定される表面が、次いで処理され、次いで、処理後に再度再測定される表面と確実に同じになる。任意の材料見本を測定するとき、任意の測定時において、生地は常に半分に折られ、次いで再度半分に折られており、その結果、折り畳まれた材料見本は測定中4層の厚みを有し、各寸法が約10cmである正方形状である。試験される表面が折り畳み後に外側に見えるように生地を折り畳む。測定を実施するために、4層に折り畳まれた材料見本を、露出している試験表面が下向きになるように分光光度計のサンプル入口の上方に固定する。次いで、この機器を用いて試験表面のL分析を1回実施する。1回測定した後、材料見本を取り外し、ひっくり返して及び/又は必要に応じて再度折り畳んで、各測定間で材料見本を再配向し、その結果、材料見本の試験表面の異なる角部の象限(corner-quadrant)で4回の測定がそれぞれ実施される。任意の所与の測定時における各反復試験用材料見本について、得られた4つのL値を使用して平均L値を計算し、これをその測定におけるその材料見本のL値として記録する。第1の反復試験用材料見本についてはコードL、第2の反復試験用材料見本についてはコードLを使用して、各材料見本についての平均初期L値を記録する。
【0154】
初期L測定値を取得した後、各材料見本の試験表面を噴霧処理する。噴霧処理は、平坦なプラスチック板(少なくとも30cm×30cmの寸法)を必要とし、これは45°の角度で固定される(すなわち、垂直と水平との間の中間の傾斜)。当該板の上平面に対して垂直に散布されるスプレージェットによって、傾斜した板の上向き平面に噴霧できるように配置する。紙タオルを置いて、当該板の上面を覆い、所定の位置に固定する。処理される生地材料見本を紙タオルの上に広げ、生地の試験表面が上向きに露出して、噴霧しやすいように板に固定する。
【0155】
試験されるサンプル組成物を、当該フレッシュニング組成物を伴うスプレーディスペンサ装置から生地材料見本に噴霧する。試験される各生地材料見本を板上に置き、スプレーノズルを材料見本から20cmの距離に配置しながら、また、スプレージェットを板の平面に対して垂直な方向に散布しながら、必要な数のスプレーを噴霧することによって材料見本の試験表面を試験組成物で処理する。必要な数のスプレーの5分の1を材料見本の中心に向ける。等しい数のスプレーを異なる角部の象限の各中心に向けることによって、スプレーの他の5分の4を材料見本上に等距離に広げる。第1の処理用量は、合計5スプレーを必要とするので、1スプレーを中心に散布し、4スプレーを角部の象限の中心に散布する(角部の象限あたり1スプレー)。材料見本を乾燥させ、第2の処理に進む前に測定する。第2の処理は、第1ラウンドの処理中に既に散布された5スプレーを含む累積用量15スプレーを行う。したがって、第2の処理は、10スプレーの追加を必要とし、そのうちの2スプレーを材料見本の中心に散布し、8スプレーを角部の象限の中心に散布する。材料見本を乾燥させ、第3の処理に進む前に測定する。第3の処理は、第1及び第2の処理中に既に散布された15スプレーを含む累積用量25スプレーを行う。したがって、第3の処理は、10スプレーの追加を必要とし、そのうちの2スプレーを中心に散布し、8スプレーを角部の象限の中心に散布する。
【0156】
残渣分析中に、噴霧器セットを介してスプレープルームとして各試験サンプル組成物をボトルから「噴霧」位置に散布する。分析される各反復試験用サンプル毎に、新しいトリガー噴霧器及び新しいノズルを備える新しいボトルを使用する。1〜2秒間噴霧器からサンプルに第1の試験噴霧を行って、生地の任意の処理前にノズルが自由に流動し、目詰まりしていないことを保証する。この試験方法の目的上、試験されるフレッシュニング製品のスプレーディスペンサからの1スプレーは、その全動作範囲にわたるトリガーの1回の十分に完全な作動として定義され、作動は約0.7秒の期間にわたって行われ、アクチュエータは一貫した力で展開される。分析されるサンプルは、本発明によって実施可能なサンプルであり、本明細書の「実施例」の部分に指定されている詳細に従って調製される「実施例品」を含んでいた。「市販品」であるサンプルは、十分に振盪して、購入したボトルから取り出し;「特許品」であるサンプルは、それぞれの特許に提供されている指示に従って調製した。
【0157】
この処理時に必要とされる必要な数のスプレーを各反復試験用材料見本に噴霧した後、それぞれの処理された材料見本を実験室内のラックから垂直に吊り下げて、直射日光及び埃から保護しながら少なくとも2時間空気乾燥させる。
【0158】
3回の各処理時において各噴霧処理及び乾燥プロセスが完了した後、各反復試験用材料見本についてのL値を得るために、処理された材料見本をそれぞれ再度折り畳み、初期測定について指定された折り畳み及び測定手順に従って分光光度計で再測定する。
【0159】
以下の式に従って、3回の各処理後(すな、5スプレー、15スプレー、及び25スプレーの用量)に各試験サンプルについて残渣値を計算する:
残渣5=SQRT((L−L)^2+(L−L)^2);
残渣15=SQRT((L−L15)^2+(L−L15)^2);
残渣25=SQRT((L−L25)^2+(L−L25)^2);
(式中、L及びLは、それぞれ、未処理材料見本から、第1及び第2の反復試験用材料見本から計算された平均初期L値であり;
及びLは、それぞれ、第1の処理(5スプレー)後、第1及び第2の反復試験用材料見本から計算された平均L値であり;
15及びL15は、それぞれ、第2の処理(累積的に15スプレー)後、第1及び第2の反復試験用材料見本から計算された平均L値であり;
25及びL25は、それぞれ、第3の処理(累積的に25スプレー)後、第1及び第2の反復試験用材料見本から計算された平均L値であり;
SQRTは、数学関数「平方根」であり;
^2は、数学関数「二乗」である)。
【0160】
試験サンプルの全ての残渣値を、適用された最小数の累積スプレーから適用された最大数の累積スプレーへの順序で逐次評価する。残渣値が20以下である場合、その値を報告し、次に大きな用量から得られた残渣値に評価を進める。試験サンプルの残渣値が20超である場合、実施例の表において、この残渣値及び適用されたより大きな数のスプレーで得られた全ての残渣値に「検出不可」の値を割り当てる。
【0161】
噴霧されたときに試験サンプルが流れを形成した場合、実施例の表において、噴霧不可能であるとみなされ、その試験サンプルについての全ての残渣値に「流れ」の値を割り当てる。
【0162】
25℃における相安定性等級試験方法
以下の指示に従って、2週間保存した後のサンプルの目視観測によって相安定性等級を判定した。サンプルの調製後1時間以内に、150mLの生成物のサンプルを清浄な8ozジャー(例えば、VWR、カタログ番号16195−805又は等価物)に入れ、金属キャップ(例えば、VWR、カタログ番号89204−934又は等価物)できつく密閉する。ジャーを、25℃及び相対湿度60%に設定された、制御された温度/制御された湿度の室内に置いた。次いで、密閉されたサンプルジャーを2週間静置した(例えば、振盪も混合もせずに)。
【0163】
2週間後、エージングされた生成物を目視評価し、安定化について等級付けした。サンプルを評価及び等級付けするために、観察者は、サンプル内に任意の層又は濁りの不均一性が存在するかどうかを判定するために最大限の努力を行った。この努力は、観察の方向の変更だけでなく、明るい光の使用及び照明方向の調整を含んだ。層は、より濁っている(より白い)領域として観察され得る。層は、生成物の最上面の近傍に発生し得、層は非常に薄い場合がある。観察及び評価プロセスの前又は間に、生成物がいかなる方法によっても決して振盪も混合もされないように注意を払った。以下の相安定性等級付け尺度で相安定性を等級付けした:
層も相分離も観察されず、サンプルが全体にわたって均質な濁度であるとみなされたので、サンプルが安定であると考えられる場合、等級2を与え;
区別が困難である起こり得る相分離層が観察され、サンプル中の濁度が2週間の保存中に大きくは変化しなかったので、サンプルが中等度に安定であると考えられる場合、等級1を与え;
サンプル内に明らかな層若しくは分離が観察されたか、又は2週間の保存中に濁度が著しく変化したので、サンプルが不安定であると考えられる場合、等級0を与えた。
【0164】
新たに作製された全てのサンプルを、その調製の1時間以内に保存室に入れた。この組成物を噴霧散布することなく、試験用サンプルが得られた。分析されるサンプルは、本発明によって実施可能なサンプルであり、かつ本明細書の「実施例」の項に指定されている詳細に従って調製される「実施例品」を含んでいた。「市販品」であるサンプルは、十分に振盪して、購入したボトルから取り出し;「特許品」であるサンプルは、それぞれの特許に提供されている指示に従って調製した。
【0165】
スプレー液滴サイズ試験方法
150mmの焦点距離を有する300mmレンズを備えるMalvern Spraytec 2000レーザー回折スプレー液滴体積サイジング機器(Malvern Instruments(Worcestershire,UK)によって供給)及びAir Purge System(100.0kPa(14.5psi)以下)を使用して、正規化されたスプレーD(90)及び正規化されたD(4,3)の値を含むスプレー液滴体積サイズ分布測定値を求めた。ミー理論及びフラウンホーファー近似光学理論を利用して、コンピュータ及びSpraytecソフトウェアバージョン3.20又は等価物などの機器に添付されているソフトウェアを使用してこのシステムを制御した。50〜70L/分の空気流速(60L/分が標的速度であった)で、飽和を防ぐために作動スプレープルーム軌道に直接対向してシステムを配置するように注意しながら、大気制御用のドラフト内に当該システムを配置した。測定中の散布ノズルのオリフィスからレーザーまでの距離は15cmであった。スプレー液滴分析中、トリガーを1回引く毎に1.3mLを送達するアクチュエータ及びノズル選択型のFine Mistセット(全てWestrock Company/Silgan(Norcross,Georgia,USA)によって供給)を備えるTS−800トリガー噴霧器を介してスプレープルームとしてボトルから「噴霧」位置に各サンプルを散布した。分析される各サンプル複製物毎に、新しいトリガー噴霧器及び新しいノズルを備える新しいボトルを使用した。バックグラウンド制御及び試験サンプルデータ収集期間中又はこれらの間に照明条件を変更しなかった。95%未満の光遮蔽値を、正確な結果を提供するのに好適であるとみなした。
【0166】
分析されるサンプルは、本発明によって実施可能なサンプルであり、かつ本明細書の「実施例」の項に指定されている詳細に従って調製される「実施例品」を含んでいた。「市販品」であるサンプルは、十分に振盪して、購入したボトルから取り出し;「特許品」であるサンプルは、それぞれの特許に提供されている指示に従って調製した。調製の3時間以内に全ての新たに作製したサンプルを試験し、20〜22℃の温度で測定した。脱イオン水を標準参照スプレーとして使用し、「対照品」とラベルを付けた。この液滴サイズ分析方法によって分析される各サンプルを、本明細書において指定されるノズル及びアクチュエータを備える新たな噴霧ボトルに入れた。
【0167】
以下のスプレーSOP機器構成を使用してスプレー測定を実施した:Rapid SOP型を選択し、以下の設定を選択した:Hardware Configurationを「Default」に設定し、Measurement Typeを「Rapid」に設定し、Data Acquisition Rateを「250Hz」に設定し、Lens Typeを「300」に設定した。Measurementメニュー内の:Backgroundは「2秒」に設定し、Inspectionを選択し、Output Triggerの下のボックスのチェックを外した。Measurementタブの下は、「Rapid」を選択し、Events Numberは「1」に設定し、Duration Per Eventは「4000.0」に設定し、Unitsは「ms」に設定した。Measurement TriggerではTrigger Typeを「Transmission drops to level」に設定し、Transmissionを「96」に設定し、Data CollectionではStartを「0.0」に設定し、Unitsを「ms」に設定し、ドロップダウンメニューから「before the trigger」を選択した。Advancedタブウインドウメニューでは、全てのボックスのチェックを外し、Groupingを「no grouping」に設定した。Background Alarmsは「default values」に設定した。Analysisタブ及びOptical Propertiesの下は、Particle Setを「Water」に設定し、Dispersantを「Air」に設定し、Multiple Scattering Analysisを「Enable」に設定した。Data Handling及びDetector Rangeの下は「first −8 and last」に設定し、「No extinction analysis」ボックスを選択し、Scattering thresholdを「1」に設定した。Data Handling/Spray Profileでは、Path Lengthを「100.0」に設定し、Alarmを選択し、「Use default values」ボックスにチェックを入れた。Additional Propertiesタブでは、Curve Fitを「no fit」に設定し、User Sizeを「enable box」に設定し、ドロップダウンメニューを「Default」に設定した。Additional Properties/Advancedタブでは、Particle Diameterを最低「0.10」及び最高「900」に設定し、Result Typeを「Volume Distribution」に設定した。Outputタブでは、Export Optionを「not selected」に設定し、Derived Parameterを選択し、Use Averaging Periodボックスを選択し、「0.0」及び「ms」に設定した。Averageメニューでは、「Average scatter data」を選択した。以下の噴霧手順を使用してスプレー測定を実施した:まず1〜2秒間ボトル噴霧器からサンプルを試験噴霧して、ノズルが自由に流動し、目詰まりしていないことを保証し;TS800噴霧器のボトル内のサンプルを、Spraytec 2000システムの前の保持装置にロードした。完全な作動ストーク時間の長さが約1秒間になるようにスプレートリガーアクチュエータを一定の力及び速度で引っ張った。スプレー液滴サイズのデータを見て、「Average Scatter Data」として保存した。
【0168】
指定の機器構成手順を使用し、各サンプル散布ボトルにおけるトリガーアクチュエータが全てのサンプルについて確実に同じ速度で引っ張られるように注意しながら、全ての測定を実施した。各実施例サンプルの測定から得られた値を、以下の計算式に従って対照サンプル値に対して正規化した:
正規化されたスプレーD(90)の値=D(90)実施例/D(90)対照
正規化されたスプレーD(4,3)の値=D(4,3)実施例/D(4,3)対照
(式中、
D(90)及びD(4,3)は、実施例及び対照のサンプルの両方について別々に機器のソフトウェアから得られた値であり、
実施例の表中の各サンプルについて報告された正規化されたスプレーD(90)及び正規化されたスプレーD(4,3)の値はそれぞれ、1サンプルあたり5回の反復噴霧から計算された平均値である)。
【0169】
多糖類重量平均分子量試験方法
複数角度光散乱検出(Multi-Angle Light Scattering Detection、GPC−MALS)を使用するゲル透過クロマトグラフィーを用いて、キサンタンガムの重量平均分子量(Mw)を測定する。好適な機器は、直列に接続されたDAWN EOS 18−angle LS及びOptilab REX差動RI検出器(Wyatt Technology)を備えるWaters 2695 Separation Module(Waters Associates)又は等価物である。
【0170】
約10mgのガム材料を5mLの精製HPLCグレード水に分散させることによって、ガムの溶液を調製した。サンプル溶液を混合し、一晩膨潤させた。各サンプルを0.1M NaNO3バッファで0.2mg/mLの濃度に希釈した後、GPC−MALS分析を行った。任意のマイクロゲル又は微粒子物質を除去するために、サンプルを0.45μmのNylon 66フィルタ(Thermo Fisher Scientific)を通してHPLCバイアルに直接濾過した。
【0171】
40℃で維持された、直列に接続されたWaters 7.8×300mm Ultrahydrogel 2000及び7.8×300mm Ultrahydrogel 250などの2本のGPCカラム又は等価なカラムにおいて分離を実施する。1.00mL/分の定組成の流速の0.1M NaNO3の移動相で成分を溶出する。分析のために50μLのサンプルを注入する。
【0172】
2つの検出器からのデータを、好適なソフトウェア(例えばWyatt Astraソフトウェア)を使用してデジタル的に収集する。Zimm式を使用して、重量平均分子量(Mw)を計算する。典型的には水溶液中のキサンタンガムについての、0.145mL/gの屈折率増分(dn/dc)を計算に用いた。
【0173】
ポリマーアセチル化試験方法
フローインジェクションエレクトロスプレーイオン化四重極飛行時間型質量分析(Flow Injection Electrospray Ionization Quadrupole Time-Of-Flight Mass Spectrometry、FI−QTOF−MS)を用いて、アセチル化糖フラグメントの非アセチル化糖フラグメントに対する比を測定し、それによって、試験される多糖ポリマー材料における相対的アセチル化修飾度を決定する。このタンデム質量分析では、エレクトロスプレーイオン化によって発生した全てのイオンが特定の前駆体イオンを選択することなくこの第1の質量フィルタを通過するように、第1の四重極質量分析装置をRF専用(広帯域)モードに設定する。第1の四重極を通過した後の全てのイオンは、次いで、第2の四重極においてフラグメント化される。最終的に全てのフラグメントイオンを質量分離し、その質量対電荷比(m/z)に従ってTOF質量分析装置によって検出する。ポリマー又はガム材料については、多糖類をフラグメント化して構造シグネチャーイオンm/z 205(アセチル化糖)及び構造シグネチャーイオンm/z 163(非アセチル化糖)を与える。これら2つの質量フラグメント由来のピーク強度値の比は、試験される物質中に存在するアセチル化度を示し、より高い比がより高いアセチル化度を示す。
【0174】
試験される任意の個々のポリマー原材料のサンプル(例えば、コンニャク粉又はキサンタンガム)を、0.5mgのポリマー濃度で1mLの水に溶解させる。水性ポリマーサンプル溶液を混合し、一晩水和させる。一晩水和させた後、孔径0.8μmのフィルタ(例えば、Pall Corporation(Port Washington New York USA)製のVersaporアクリルコポリマーメンブレンディスクフィルタ又は等価物)で濾過する。濾過された溶液を、分析のためにHPLCサンプルバイアルに入れる。
【0175】
エレクトロスプレーイオン化を備える好適なタンデム四重極質量分析システム(例えば、Waters Corporation(Milford Massachusetts USA)製のQ−Tof 2機器又は等価物)を使用してフローインジェクション−QTOF−MS分析を実施する。機器の製造業者によって供給される添付ソフトウェア(例えば、Waters Corporation製のMass Lynx NTバージョン4.1データ取得及び処理ソフトウェア、又は等価物)を使用して、機器を制御し、分析を実施する。この機器システムは、40μL/分の速度の、水中5mM酢酸アンモニウム/10%アセトニトリルの送達溶媒を用いて構成される。機器の構成にカラムは使用しない。エレクトロスプレーキャピラリ電圧を3.5kVに設定する。第1の四重極質量分析装置をRF専用(広帯域)モードに設定する。ポリマー材料をフラグメント化するために、両シグネチャーフラグメントイオン、すなわち:m/z205及びm/z163が発生するように、第2の四重極衝突セルエネルギーを70Vに設定する。各フローインジェクションランにつき5分間のデータ取得時間で、TOF質量分析装置を50Da〜3000Daでスキャンする。m/z205フラグメント(すなわち、アセチル化糖)のピーク強度及びm/z163フラグメント(すなわち、非アセチル化糖)のピーク強度を取得する。これら2つのピーク強度値の比を計算し、アセチル化対非アセチル化糖フラグメント比を表す。この比は、試験されるガム又は多糖ポリマー材料中の相対的アセチル化度を示す。
【実施例】
【0176】
微粒子含有製剤を調製するための材料
脱イオン水(M1)
逆浸透脱イオン(DI)水は、100コロニー形成単位(CFU)/mL以下を含有し、少なくとも50k−オームの固有抵抗を有しなければならない。
【0177】
1% K−ガム溶液(M2)
100グラムの1%K−ガム溶液を、表1に示す以下の組成になるように調製する。
【0178】
【表2】
【0179】
まず、清浄な250mLの混合ビーカー(Pyrex、Amazon部品番号574090又は等価物)に98.95gの脱イオン水を添加する。次いで、殺生物剤製品(メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)及び1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)の5%組み合わせ物、Thor Specialties,Inc.(50 Waterview Drive,Shelton,CT 06484,USA))であるActicide MBS 0.015gを水に添加し、インペラミキサ(IKA RW20、部品番号AO−50705−00又は等価物)で混合する。次いで、混合物をRoss Millベンチトップミキサ内に入れ、混合速度を徐々に3000rpmまで増加させる。次いで、粉末を直接水表面上に注ぐことによって、コンニャクガム(Nutricol(登録商標)XP 3464、FMC Corporation(1735 Market Street,Philadelphia,PA 19103))を添加する。次いで、溶液の粘度が高くなるにつれて、ミル速度を徐々に8000rpmまで増加させる。ビーカーを上下に動かしてミルを溶液の上部及び底部に接触させながら、完全に均質になるまで少なくとも10分間混合する。得られる原液を、使用するまでガラスびんに保存する。明らかなアミンの臭いなどの細菌増殖の何らかの指標が存在するか又は50%超粘度が減少する場合、通常約4週間、原液を使用しない。
【0180】
1%キサンタンガム溶液(M3)
100グラムの1%キサンタンガムガム溶液を、表2に示す以下の組成になるように調製する。
【0181】
【表3】
【0182】
まず、清浄な250mLの混合ビーカー(Pyrex、Amazon部品番号574090又は等価物)に98.95gの脱イオン水を添加する。次いで、0.015gのActicide MBS、殺生物剤製品(メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)及び1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)の5%組み合わせ物、Thor Specialties,Inc.(50 Waterview Drive,Shelton,CT 06484,USA))を水に添加し、インペラミキサ(IKA RW20、部品番号AO−50705−00又は等価物)で混合する。次いで、混合物をRoss Millベンチトップミキサ内に入れ、混合速度を徐々に3000rpmまで増加させる。次いで、粉末を直接水表面上に注ぐことによって、1.00gのキサンタンガム(x−ガム起源、表)を添加する。次いで、溶液の粘度が高くなるにつれて、ミル速度を徐々に8000rpmまで増加させる。ビーカーを上下に動かしてミルを溶液の上部及び底部に接触させながら、完全に均質になるまで少なくとも10分間混合する。得られる原液を、使用するまでガラスびんに保存する。明らかなアミンの臭いなどの細菌増殖の何らかの指標が存在するか又は50%超粘度が減少する場合、通常約4週間、原液を使用しない。
【0183】
ENCAPSYS(登録商標)ポリアクリレート香料マイクロカプセルスラリー、Voyager Zen(M4)
(合計香油19〜23%、Encapsys,LLC(1401 N.Rankin Street,Appleton,WI 54911))
【0184】
【表4】
【0185】
無水塩化マグネシウム、30%溶液(M5)
(30%塩化マグネシウム溶液、Mineral Research & Development(5910 Pharr Mill Road,Harrisburg,NC 28075))
【0186】
ポリアクリル酸(M6)
(KemEcal 142 PG、100%,Kemira Chemicals,Inc.(1000 Parkwood Circle,Suite 500,Atlanta,GA 30339))
【0187】
ジエチレングリコール(M7)
(ジエチレングリコール、99.6%(100%)、Indorama Ventures LLC(9502 Bayport Boulevard,Pasadena,TX 77507))
【0188】
Silwet L−7600(M8)
(ポリアルキレンオキシドメチルシロキサンコポリマー、60〜100%(100%)、Momentive(商標)、3500 South State Route 2,Friendly,WV 26146)
【0189】
ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(CD)スラリー(M9)
(Cavasol W7 HP TL、40%、Wacker Biosolutions(Hanns−Seidel−Platz 4,81737 Munchen,Germany))
【0190】
エタノール(M10)
(SDA40B/190PF/DNB TBA/137600、94.3%、Equistar Chemicals,LP(LyondellBasell Tower,1221 McKinney Street,Houston,TX 77252))
【0191】
KoraloneB119溶液(M11)
(Koralone(商標)B−119防腐剤、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、19%、The Dow Chemical Company(100 Independence Mall West,Philadelphia,PA 19106))
【0192】
クエン酸溶液(M12)
(クエン酸、50%、Univar USA Inc.(17425 NW Union Hill Road,Redmond,WA 98052))
【0193】
カラギーナン(M13)
(カタログ番号J60603、100%、Alfa Aesar,Thermo Fisher Scientific Chemicals,Inc.(30 Bond Street,Ward Hill,MA 01835−8099))
【0194】
ジェランガム(M14)
(Kelcogel、食品等級、物質番号10040280,CP Kelco,Inc.(3100 Cumberland Boulevard,Atlanta,GA 30339))
【0195】
ローカストビーンガム(M15)
(カタログ番号L1135、100%、Spectrum Chemical Mfg.Corp.(14422 S.San Pedro Street,Gardena,CA 90248))
【0196】
微粒子含有製剤を調製するためのプロトコール
以下のプロトコールによって記載されているとおり、全ての実施例を調製した。
【0197】
リストの最も上の材料で開始し、続いて、2番目の材料、続いて、3番目の材料(以下同様)と、全ての材料が添加されるまで、各実施例について表中に列挙された上から下まで全ての材料(M1〜M12)を合わせる。
【0198】
具体例としては、250mLのガラスビーカー(Pyrex、Amazon部品番号574090又は等価物)を取得する。第1の材料−DI水(M1)を、実施例に指定されている重量添加する。
【0199】
混合エレメント(4枚のブレードを有するIKAプロペラ攪拌機又は等価物)をビーカーに挿入する。エレメントを作動させて、材料の添加時にバランスをとっている間、過剰に発泡することなく確実にボルテックス混合するのに十分な速度にする。
【0200】
第2の材料を、実施例に指定されている重量添加する。サンプルを少なくとも1分間、完全に混合されるまで混合する。
【0201】
第3の材料を、実施例に指定されている重量添加する。サンプルを少なくとも1分間、完全に混合されるまで混合する。
【0202】
最後の材料であるクエン酸(M12)が添加されるまで、順番に1つずつ、残りの材料の添加及び混合を繰り返す。
【0203】
最後に、最終的に所望のpHが得られるまで、クエン酸(M12)を段階的に添加する。
【0204】
【表5】
【0205】
【表6】
「流れ」として報告される残渣値は、生成物が分離した液滴として噴霧されず、連続又は半連続な流れとして噴霧されたことを示す。これは、消費者にとって許容できない噴霧パターンである。
【0206】
【表7】
【0207】
【表8】
「流れ」として報告される残渣値は、生成物が別個の液滴として噴霧されず、連続又は半連続な流れとして噴霧されたことを示す。これは、消費者にとって許容できない噴霧パターンである。
【0208】
降伏応力は、構造化剤系の強度の絶対尺度である。上述のように、粒子の安定な懸濁液を提供するフレッシュニング組成物は、降伏応力性能方法によって測定したときゼロ超かつ1.0Pa未満の降伏応力を有し得る。図1は、構造化剤系の総重量に基づいて、コンニャクガム(「K−ガム」)の重量%の関数として実施例A〜Qのフレッシュニング組成物の降伏応力を示す。また、図1は、実施例A〜Qのフレッシュニング組成物を安定又は不安定に分類する。図1では、白四角は安定な実施例であり、黒四角は不安定な実施例である。図1に示すように、構造化剤系の総重量に基づいて10重量%超〜90重量%未満の範囲のコンニャクガムの重量%及びゼロ超かつ1.0未満の降伏応力を有するフレッシュニング組成物は、安定である。各多糖類の量が不十分であると(領域A〜B)、構造化剤系は安定ではなく、多糖類濃度が高すぎると、系は安定しているが、噴霧されない(領域C)。
【0209】
クリープ回復比は、構造化剤系の強度の相対尺度である。上述のように、粒子の安定な懸濁液を提供するフレッシュニング組成物は、クリープ回復比性能方法によって測定したとき、少なくとも約0.1のクリープ回復比を有し得る。図2は、構造化剤系の総重量に基づいて、コンニャクガムの重量%の関数として実施例A〜Qのフレッシュニング組成物のクリープ回復比を示す。図2では、白四角は安定な実施例であり、黒四角は不安定な実施例である。図2に示すように、構造化剤系の総重量に基づいて10重量%超かつ90重量%未満の範囲のコンニャクガムの重量%(十分な量の各多糖類)及び0.1超のクリープ回復比を有する組成物は、安定である(領域A)。他の組成物は不安定である(領域B)。
【0210】
図3は、構造化剤系の総重量に基づいて、多糖類の総濃度及びコンニャクガムの重量%の両方の関数として実施例A〜Qの相安定性性能を示す。図3では、白四角は、25℃における相安定性性能方法によって測定したとき相安定性製剤を表し、一方、黒四角は不安定な製剤を表す。図3は、上の図面に示したデータを考慮したとき、安定かつ噴霧可能であり、生じる残渣が最小限であるフレッシュニング組成物を実現するために、構造化剤系の総重量に基づいて、フレッシュニング組成物は0.5重量%未満の多糖類の総濃度を有し、コンニャクガムは10重量%超〜90重量%未満の濃度で存在することを示す(領域A−安定;領域B−不安定)。理論に束縛されるものではないが、各多糖類の量がほぼ均一であるとき、全体的により低濃度の多糖類で安定性が可能である(点C)が、ある多糖類が過剰に多いとき、安定性は全体的に高濃度の多糖類でのみ可能である(点D)。
【0211】
また、上述のように、噴霧可能なフレッシュニング組成物は、スプレー剪断粘度性能方法によって測定したとき、約0.025Pa−s未満のスプレー剪断粘度を有し得る。図4は、組成物の総重量に基づいて、総多糖類濃度の関数として実施例A〜Qの組成物のスプレー剪断粘度を示す。図3では、四角は噴霧可能な実施例であり、「X」は、消費者パネルに従って噴霧不可能な実施例である。図4に示すように、0.2重量%未満の総多糖類濃度及び約0.025Pa−s未満のスプレー剪断粘度を有する組成物は、多数の消費者によって噴霧可能である(領域A)。したがって、全体的な濃度が低い方が、剪断粘度がより低くなり、消費者によるスプレーの許容性が高まるので好ましい。
【0212】
図5は、多糖類の総濃度の関数として実施例A〜Qのフレッシュニング組成物の残渣性能を示す。上述のように、残渣が最小限であるフレッシュニング組成物は、0.5重量%未満の総多糖類濃度を有し得る。図5は、組成物の総重量に基づいて0.2重量%未満の総多糖類濃度を有する組成物が、残渣値試験方法に従って測定したとき8未満の残渣値を有し、組成物の総重量に基づいて0.1重量%未満の多糖類の総濃度を有する組成物が、25回噴霧したとき、残渣値試験方法に従って測定したとき6未満の残渣値を有し得る(領域A)ことを示す。対照的に、組成物の総重量に基づいて約0.2重量%超の多糖類の総濃度を有する組成物は、25回噴霧したとき、又は場合によっては更に少ない回数噴霧したとき、約5超の残渣値を有し得る。残渣は、多糖類の総濃度に対してほぼ直線的に増加するので(線B)、より低い総濃度が良好な残渣スコアにとって好ましい。
【0213】
【表9】
【0214】
【表10】
【0215】
表9は、第1の多糖類及び第2の多糖類としての様々なガムの性能を示す。
【0216】
理論に束縛されるものではないが、良好な構造化剤系は、第1の多糖類及び第2の多糖類が互いに強く結合することを必要とすると考えられ、これは特定のブレンドでのみ可能である。表4〜7のデータは、仕様において確立された組成の限度内であるとき、キサンタンガムとコンニャクガムとが強く結合することを示す。表8〜9のデータは、ゼロではない降伏応力、大きなクリープ回復比、及び低いスプレー剪断粘度によって証明されるように、キサンタンガム及びローカストビーンガムは強く結合し、フレッシュニング組成物にとって好適であることを示す。表8〜9のデータは、降伏応力が欠如し、クリープ回復比が負の数であることによって証明されるように、キサンタンガム及びカラギーナン並びに/又はキサンタンガム及びジェランガムは強く結合しないことを示す。
【0217】
【表11】
www.hero−clean.com;www.amazon.com;又はwww.target.comで入手可能
**www.bedbathandbeyond.comで入手可能
【0218】
HERO(商標)Clean、WONDER FRESH(商標)−Sky、及びWONDER FRESH(商標)−Spring製品を含む、有益剤送達粒子の形態の粒子を有する市販の噴霧可能な組成物を購入した。市販製品の性能を試験し、その結果を表10に示す。更に、国際公開第2013/034871号は、粒子を含む噴霧可能な組成物について教示している。国際公開第2013/034871号の実施例I及びIIを再現した。表10に示すように、粒子を含む市販組成物も国際公開第2013/034871号の実施例IIも、0Pa超の降伏応力も少なくとも0.1のクリープ回復比も有しない。これに対応して、これら市販製品は、25℃における相安定性等級性能方法による相安定性等級によって示されるように、組成物中に存在する粒子を懸濁させない。国際公開第2013/034871号の実施例Iは、約0.1超のクリープ回復比及び剪断粘度を有するが、残渣値試験方法に従って測定したとき、15及び25スプレー後に約5超の残渣値を有する、すなわち、濃い色の生地に噴霧したとき、残渣が消費者にとって許容できないことを意味する。更に、国際公開第2013/034871号の実施例Iは、スプレー剪断粘度性能方法によって測定したとき0.025Pa−s超のスプレー剪断粘度を有し、これは、この製品が、トリガー型噴霧器において許容可能な噴霧パターンを与えないことを示す。
【0219】
【表12】
【0220】
【表13】
【0221】
【表14】
【0222】
【表15】
【0223】
本明細書において範囲の両端として開示される値は、列挙される正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、特に明記しない限り、各数値範囲は、列挙された値、明記された範囲内の、及び明記された範囲を有する任意の範囲内の任意の整数の両方を意味するよう意図されている。例えば、「1〜10」として開示される範囲は、「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10」を意味するものとする。
【0224】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。
【0225】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0226】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用をも、本明細書中で開示又は特許請求されている任意の発明に関する先行技術であるとは認められず、あるいは上記の引用は、単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせて、そのような任意の発明を教示、示唆又は開示するとは認められない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に割り当てられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0227】
本開示の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3
図4
図5