(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の組成物について、「0.1ラジアン/秒、190℃でのタンデルタ」から「100ラジアン/秒、190℃でのタンデルタ」を引いた差が、≧0.4である、請求項1に記載の第1の組成物。
前記第1のインターポリマーおよび前記第2のインターポリマーが、前記第1の組成物の全重量の95重量%以上を構成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の第1の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の様々な実施形態は、第1のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーおよび第2のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーを含む第1の組成物に関し、第1の組成物は以下の特性、
a)3.5より大きい、または3.75、または4.0の分子量分布(Mw/Mn)と、
b)次のように定義されるタンデルタ勾配の絶対値と、を含む。
【0009】
3.5〜40、さらに4.0〜35、さらに4.5〜30、さらに5.0〜25である。
【0010】
一実施形態では、第1のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーと第2のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーとの合計重量は、第1の組成物の重量に基づいて、≧95重量%、または≧96重量%、または≧97重量%、≧98重量%、または≧99重量%である。
【0011】
一実施形態では、第1のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーと第2のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーとの合計重量は、第1の組成物の重量に基づいて、≧60重量%、または≧65重量%、または≧70重量%、≧75重量%、または≧80重量である。
【0012】
一実施形態では、第1の組成物は、第1および第2のインターポリマーの重量に基づいて、40〜70重量%、または45〜65重量%、または50〜60重量%の量のエチレンを含む。
【0013】
一実施形態では、第1の組成物は、第1および第2のインターポリマーの重量に基づいて、6重量%超、または7重量%超、または8重量%超、または9重量%超、最大12重量%、または最大15重量%の量のポリエンを含む。一実施形態では、ポリエンは、ジエンである。一実施形態では、ジエンは、ENB(5−エチリデン−2−ノルボルネン)である。
【0014】
一実施形態では、第1の組成物は、第1および第2のインターポリマーの重量に基づいて、6〜20重量%、または7〜15重量%、または8〜12重量%、または9〜11重量%の量のポリエンを含む。
【0015】
一実施形態では、第1のインターポリマーはEPDMであり、第2のインターポリマーはEPDMである。
【0016】
一実施形態では、第1の組成物は、≧150,000、または≧160,000、または≧170,000、または≧180,000、または≧190,000、または≧200,000、または≧210,000、または≧220,000、または≧230,000g/molの重量平均分子量(Mw(conv))を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦600,000、または≦500,000、または≦400,000、または≦350,000、または≦300,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有する。
【0017】
一実施形態では、第1の組成物は、≧3.50、または≧3.70、または≧3.90、または≧4.00、または≧4.20、または≧4.40、または≧4.50の分子量分布(Mw(conv)/Mn(conv))を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦6.50、または≦6.20、≦6.10、または≦6.00の分子量分布(Mw(conv)/Mn(conv))を有する。
【0018】
一実施形態では、第1の組成物は、≧700,000、または≧720,000、または≧740,000、または≧760,000、または≧780,000、または≧800,000、または≧820,000、または≧840,000、または≧860,000g/molのz平均分子量(Mz(conv))を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦1,600,000、または≦1,400,000、または≦1,200,000、または≦1,000,000、または≦990,000g/molのz平均分子量(Mz)を有する。
【0019】
一実施形態では、第1の組成物は、13C NMR(プロピレンタクティシティマーカー)によって決定される、≧12、または≧13、または≧14、または≧15、または≧16、または≧17、または≧18、または≧19、または≧20の「21.3〜2.8ppmのピーク面積」を有する。一実施形態では、第1の組成物は、13C NMR(プロピレンタクティシティマーカー)によって決定される、≦25、または≦26、または≦27、または≦28、または≦29、または≦30の「21.3〜2.8ppmのピーク面積」を有する。
【0020】
実施形態では、第1の組成物は、次の関係:タンデルタ(0.1ラジアン/秒)≧−(6.054×10
−7mol/g)×Mz+1.25を満たすタンデルタ(0.1ラジアン/秒での)およびMzを有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、次の関係:タンデルタ(0.1ラジアン/秒)≧−(6.054×10
−7mol/g)×Mz+1.43を満たすタンデルタ(0.1ラジアン/秒での)およびMzを有する。
【0021】
一実施形態では、第1の組成物は、≧0.5、または≧0.6、または≧0.7、または≧0.8のg’値を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦1.5、または≦1.4、または≦1.3、または≦1.2、または≦1.1、または≦1.0、または≦0.9のg’値を有する。
【0022】
一実施形態では、第1の組成物は、≧10、または≧15、または≧20、または≧25、または≧30、または≧35のムーニー粘度(125℃でのML(1+4))を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦100、または≦90、または≦80、または≦70のムーニー粘度(125℃でのML(1+4))を有する。
【0023】
一実施形態では、第1の組成物は、40〜100、または50〜90、または60〜80の(125℃でのML(1+4))を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、≧95重量%、または≧98重量%、または≧99重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含む。
【0024】
一実施形態では、第1の組成物は、10〜50、または15〜40、または20〜30の(125℃でのML(1+4))を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、5〜35重量%、または10〜30重量%、または15〜25重量%の量の油を含む。
【0025】
ムーニー粘度は、特記しない限り、充填剤を含まない組成物のものである。第1の組成物のムーニー粘度は、油を含んで、または含まずに測定することができる。
【0026】
一実施形態では、第1の組成物は、≦1.5、または≦1.25、または≦1.00、かつ>0、または≧0.20、または≧0.50、または≧0.70、または≧0.90のタンデルタ(0.1ラジアン/秒、190℃)値を有する。
【0027】
一実施形態では、第1の組成物は、≧0.50、または≧0.60、または≧0.70、または≧0.80のタンデルタ(0.1ラジアン/秒、190℃)値を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦1.40、または≦1.30、または≦1.20、または≦1.10のタンデルタ(0.1ラジアン/秒、190℃)値を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、≧95重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含むか、または≧98重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含むか、または≧99重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含む。
【0028】
一実施形態では、第1の組成物は、≧0.70、または≧0.80、または≧0.90、または≧1.0のタンデルタ(0.1ラジアン/秒、190℃)値を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦1.50、または≦1.45、または≦1.40、または≦1.35のタンデルタ(0.1ラジアン/秒、190℃)値を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、5〜35重量%、または10〜30重量%、または15〜25重量%の量の油を含む。
【0029】
一実施形態では、第1の組成物は、>0、または≧0.10、または≧0.20、または≧0.30、または≧0.40、かつ≦1.0、または≦0.75、または≦0.60、または≦0.50のタンデルタ(100ラジアン/秒、190℃)値を有する。
【0030】
一実施形態では、第1の組成物は、>0.30、または≧0.35、または≧0.40、または≧0.45のタンデルタ(100ラジアン/秒、190℃)値を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦0.65、または≦0.60、または≦0.55、または≦0.50のタンデルタ(100ラジアン/秒、190℃)値を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、≧95重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含むか、または≧98重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含むか、または≧99重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含む。
【0031】
一実施形態では、第1の組成物は、>0.35、または≧0.40、または≧0.45、または≧0.50のタンデルタ(100ラジアン/秒、190℃)値を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦0.75、または≦0.70、または≦0.65、または≦0.60のタンデルタ(100ラジアン/秒、190℃)値を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、5〜35重量%、または10〜30重量%、または15〜25重量%の量の油を含む。
【0032】
一実施形態では、第1の組成物は、≧50,000、または≧60,000、または≧70,000、または≧80,000、または≧90,000、または≧150,000、または≧175,000、または≧200,000の粘度(V0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦500,000、または≦450,000、、または≦400,000、または≦350,000、または≦300,000、または≦200,000、または≦150,000、または≦120,000、または≦110,000の粘度(V0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。
【0033】
一実施形態では、第1の組成物は、≧150,000、または≧175,000、または≧190,000、または≧200,000の粘度(V0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦400,000、または≦375,000、または≦350,000、または≦325,000、または≦300,000の粘度(V0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、≧95重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含むか、または≧98重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含むか、または≧99重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含む。
【0034】
一実施形態では、第1の組成物は、≧50,000、または≧60,000、または≧65,000、または≧70,000の粘度(V0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦130,000、または≦120,000、または≦115,000、または≦110,000の粘度(V0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、5〜35重量%、または10〜30重量%、または15〜25重量%の量の油を含む。
【0035】
一実施形態では、第1の組成物は、20〜115、または25〜110、または30〜105、または35〜100、または40〜95の粘度比(V0.1ラジアン/秒、190℃/V100ラジアン/秒、190℃)を有する。
【0036】
一実施形態では、第1の組成物は、45〜115、または50〜110、または60〜100、または65〜95の粘度比(V0.1ラジアン/秒、190℃/V100ラジアン/秒、190℃)を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、≧95重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含むか、または≧98重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含むか、または≧99重量%の第1のインターポリマーと第2のポリマーとの合計を含む。
【0037】
一実施形態では、第1の組成物は、20〜95、または25〜85、または30〜80、または35〜75、または40〜70の粘度比(V0.1ラジアン/秒、190℃/V100ラジアン/秒、190℃)を有する。さらなる実施形態では、第1の組成物は、第1の組成物の重量に基づいて、5〜35重量%、または10〜30重量%、または15〜25重量%の量の油を含む。
【0038】
一実施形態では、第1の組成物は、≧1.0、または≧2.0、または≧3.5、または≧4.0の「m」値(タンデルタ勾配の絶対値)を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦20.0、または≦15.0、または≦12.0、または≦10.0、または≦8.0の「m」値を有する。タンデルタ勾配の絶対値は、下記のように定義される。
【0040】
一実施形態では、第1の組成物は、≦0.890、または≦0.880、または≦0.875、または≦0.870、または≦0.865、または≦0.860g/ccの密度を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≧0.850g/cc、または≧0.855g/ccの密度を有する(1cc=1cm
3)。
【0041】
一実施形態では、第1の組成物は、20/80〜50/50、または25/75〜45/55、または30/70〜40/60、または32/68〜38/62である第1のインターポリマーと第2のインターポリマーとの重量比を有する。一実施形態では、第1の組成物は、25/75〜55/45、または30/70〜50/50、または35/65〜30/70の第1のインターポリマーと第2のインターポリマーとの重量比を有する。
【0042】
第1の組成物は、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0043】
組成物
第1の組成物を含む組成物は、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0044】
一実施形態では、本発明の組成物は、第1および第2のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーからなる第1の組成物を、本発明の組成物の重量に基づいて、20〜80重量%、または30〜70重量%の量で含む。
【0045】
一実施形態では、第2の組成物は、少なくとも1つの充填剤、少なくとも1つの油、および/または少なくとも1つの架橋剤/加硫剤を含む。
【0046】
一実施形態では、本発明の組成物は、1つ以上の架橋剤/加硫剤をさらに含む。一実施形態では、本発明の組成物は、組成物の重量に基づいて、0.1〜5重量%、または0.5〜4重量%の量で架橋剤/加硫剤を含む。
【0047】
一実施形態では、組成物は、油をさらに含む。一実施形態では、組成物は、組成物の重量に基づいて、30重量%未満、または25重量%未満、または20重量%未満、または15重量%未満、または10重量%未満の量の油を含む。
【0048】
一実施形態では、組成物は発泡剤をさらに含み、これは単独でまたは他の物質と組み合わせて、組成物を発泡性にして気泡構造を生成することができる。一実施形態では、本発明の組成物は、組成物の重量に基づいて、0.1〜3.0重量%、または0.5〜2.0重量%の量で1つ以上の発泡剤を含む。
【0049】
本発明は、本明細書に記載の任意の実施形態の本発明の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む物品も提供する。
【0050】
一実施形態では、ポリエンは、発泡体である。一実施形態では、物品は、異形材、射出成形部品、ガスケット、自動車部品、建築および建設材料、靴構成要素、ならびに管からなる群から選択される。
【0051】
本発明の物品は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0052】
本発明はまた、本明細書に記載の任意の実施形態の組成物を調製するためのプロセスを提供する。一実施形態では、このプロセスは、溶液中で、少なくとも以下のもの、すなわち、エチレン、アルファ−オレフィン(α−オレフィン)、および非共役ポリエンを重合することを含む。さらなる実施形態では、エチレン、α−オレフィンおよび非共役ポリエンは、連続溶液重合法で重合される。
【0053】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、第1および第2の反応器中で製造される。一実施形態では、第1の反応器と第2の反応器との間の温度差は、40℃を超えるか、または50℃を超えるか、または60℃を超える。一実施形態では、第2の反応器に対する第1の反応器の反応器温度の比は、0.9未満、または0.75未満、または0.65未満である。一実施形態では、第2の反応器に対する第1の反応器の反応器温度の比は、0.55より大きいか、または0.60より大きいか、または0.62より小さい。
【0054】
一実施形態では、第1の反応器と第2の反応器との間のエチレン転化の差は、20%以上、または25%以上、または30%以上である。一実施形態では、第1の反応器内および第2の反応器内のエチレンの転化率は、0.75未満、または0.65未満、または0.6未満である。一実施形態では、第1の反応器内および第2の反応器内のエチレンの転化率は、0.50超、または0.55超、または0.6超である。
【0055】
一実施形態では、第1のインターポリマーと第2のインターポリマーとの重量比は、20/80〜50/50、または25/75〜45/55、または30/70〜40/60、または32/68〜38/62である。
【0056】
本発明のプロセスは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0057】
第1および第2のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマー
本明細書に記載される本発明の組成物のための第1のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーおよび第2のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは、それぞれ、重合形態で、エチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンを含む。
【0058】
α−オレフィンは、脂肪族化合物または芳香族化合物のいずれかであってもよい。一実施形態では、α−オレフィンは、C
3−C
20脂肪族化合物、好ましくは、C
3−C
16脂肪族化合物、およびより好ましくは、C
3−C
10脂肪族化合物である。好適なC
3−C
10脂肪族α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンからなる群から選択され、より好ましくは、プロピレンである。
【0059】
非共役ポリエンの適切な例としては、C
4−C
40非共役ジエンが挙げられる。例示的な非共役ポリエンとしては、1,4−ヘキサジエンおよび1,5−ヘプタジエンなどの直鎖非環式ジエン;5−メチル−1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、およびジヒドロミルセンの混合異性体などの分岐鎖非環式ジエン;1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン、および1,5−シクロドデカジエンなどの単環脂環式ジエン;テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなどの多環脂環式縮合および架橋環ジエン;5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、および5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネンなどのアルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル、およびシクロアルキリデンノルボルネンが挙げられる。一実施形態では、ポリエンは、ENB、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンからなる群から選択される非共役ジエンである。実施形態では、ポリエンは、ENBである。
【0060】
一実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは、インターポリマーの重量に基づいて、過半量の重合エチレンを含む。さらなる実施形態では、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは、エチレン/α−オレフィン/ジエンターポリマー(EAODM)である。さらなる実施形態では、インターポリマーは、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態において、ジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)である。
【0061】
一実施形態では、第1のインターポリマーの重量平均分子量(Mw)は、第2のインターポリマーの重量平均分子量(Mw)よりも大きい。
【0062】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧380,000、または≧390,000、または≧400,000、または≧410,000、または≧420,000、または≧430,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有する。一実施形態では、第1のインターポリマーは、≦500,000、または≦490,000、または≦480,000、または≦470,000、または≦460,000、または≦450,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有する。
【0063】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧1.50、または≧1.70、または≧1.90、または≧2.00、または≧2.30、または≧2.50の、または≧2.70のMw/Mnを有する。一実施形態では、第1のインターポリマーは、≦4.00、または≦3.50、または≦3.20、または≦3.00のMw/Mnを有する。
【0064】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧800,000、または≧840,000、または≧860,000、または≧880,000、または≧900,000、または≧930,000のz平均分子量(Mz)を有する。一実施形態では、第1のインターポリマーは、≦950,000、または≦1,000,000、または≦1,200,000、または≦1,400,000、または≦1,500,000以下のMzを有する。
【0065】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、第1のインターポリマーの重量に基づいて、40〜70重量%、または45〜65重量%、または50〜60重量%のエチレン含有量を有する。
【0066】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、第1のインターポリマーの重量に基づいて、6重量%超、または7重量%超、または8重量%超、または9重量%超、最大12重量%、または最大15重量%のポリエン含有量を有する。さらなる実施形態では、ポリエンは、ジエンであり、さらにはENBである。
【0067】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧0.50、または≧0.60、または≧0.70、または≧0.80のg’値を有する。一実施形態では、第1のインターポリマーは、≦1.50、または≦1.20、または≦1.00、または≦0.90のg’値を有する。
【0068】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧0、または≧0.20、または≧0.50、または≧0.70、または≧0.90、または≧1.00のタンデルタ(0.1ラジアン/秒での)を有する。一実施形態では、第1のインターポリマーは、≦1.50、または≦1.25、または≦1.20のタンデルタ(0.1ラジアン/秒での)を有する。
【0069】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧0、または≧0.05、または≧0.10、または≧0.15、または≧0.20のタンデルタ(100ラジアン/秒、190℃での)を有する。一実施形態では、第1のインターポリマーは、≦0.50、または≦0.35、または≦0.30、または≦0.25のタンデルタ(100ラジアン/秒、190℃での)を有する。
【0070】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧2.0、または≧4.0、または≧6.0、または≧8.0、または≧9.0の「m」値(タンデルタ勾配の絶対値)を有する。一実施形態では、第1のインターポリマーは、≦25.0、≦20.0、または≦15.0、または≦12.0、または≦10.0の「m」値を有する。タンデルタ勾配の絶対値は、下記のように定義される。
【0072】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧625,000、または≦650,000、または≧675,000、または≧700,000の粘度(V0.1ラジアン/秒、190℃での)を有する。一実施形態では、第1の組成物は、≦800,000、または≦775,000、または≦750,000、または≦730,000の粘度(V0.1ラジアン/秒、190℃)を有する。
【0073】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧75.0、または≧80.0、または≧85.0、または≧90.0、または≧95.0の粘度比(V0.1ラジアン/秒、190℃/V100ラジアン/秒、190℃)を有する。一実施形態では、第1のインターポリマーは、≦130.0、≦125.0、または≦120.0、または≦115.0、または≦110.0の粘度比(V0.1ラジアン/秒、190℃/V100ラジアン/秒、190℃)を有する。
【0074】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、≧50、または≧55、または≧60、または≧65、または≧70、または≧75のムーニー粘度(125℃でのML(1+4))を有する。一実施形態では、第1のインターポリマーは、≦150、≦145、または≦140、または≦135、または≦130、または≦125のムーニー粘度(125℃でのML(1+4))を有する。
【0075】
一実施形態では、第1のインターポリマーは、13C NMR(プロピレンタクティシティマーカー)によって決定される、≧12、≧13、または≧15、または≧17、または≧20の「21.3〜2.8ppmのピーク面積」を有する。一実施形態では、第1の組成物は、13C NMR(プロピレンタクティシティマーカー)によって決定される、≦30、または≦28、または≦26、または≦24の「21.3〜2.8ppmのピーク面積」を有する。
【0076】
一実施形態では、第1のインターポリマーの粘度(190℃でのV0.1)と第1の組成物の粘度(V0.1、190℃)との比は、1.2〜16、または1.4〜15、または1.6〜14、または1.8〜13、または2.0〜12、または2.2〜11、または2.4〜10である。
【0077】
一実施形態では、第1のインターポリマーの粘度比(190CでのV0.1/V100)と第1の組成物の粘度比(V0.1/V100、190C)との比は、1.01〜7.00、または1.02〜6.00、または1.03〜5.00である。
【0078】
一実施形態では、第1のインターポリマーのタンデルタ(190Cでの0.1ラジアン/秒)と第1の組成物のタンデルタ(190Cでの0.1ラジアン/秒)との比は、0.5〜3.0、または0.6〜2.5、または0.7〜2.0、または0.8〜1.5である。
【0079】
一実施形態では、第1のインターポリマーの「m」値(タンデルタ勾配の絶対値)と第1の組成物のm値との比は、0.5〜9.0、または0.7〜6.0、または1.0〜3.0、または1.1〜2.0、または1.2〜2.4である。タンデルタ勾配の絶対値は、下記のように定義される。
【0081】
一実施形態では、第1のインターポリマーのMw(conv)と第1の組成物のMw(conv)との比は、1.3〜3.0、または1.4〜2.5、または1.5〜2.2である。
【0082】
一実施形態では、第1のインターポリマーのMWD(conv)と第1の組成物のMWD(conv)との比は、0.20〜0.95、または0.25〜0.90、または0.30〜0.85、または0.40〜0.80、または0.50〜0.70である。
【0083】
一実施形態では、第1のインターポリマーのMz(conv)と第1の組成物のMz(conv)との比は、0.7〜1.3、または0.8〜1.4、または0.9〜1.2である。
【0084】
エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。エチレン/α−オレフィン/非共役ジエンインターポリマーは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。EPDMターポリマーは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0085】
添加剤
組成物は、とりわけ油、架橋剤/加硫剤、充填剤、酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤、安定剤、難燃剤、着色剤または顔料、ならびに熱可塑性ポリマーなどの1つ以上の添加剤を含むことができる。
【0086】
例示的な油としては、芳香油およびナフテン油などの石油:ポリアルキルベンゼン油;アルキルおよびアルコキシアルキルオレエートおよびステアレートなどの有機酸モノエステル;ジアルキル、ジアルコキシアルキル、およびアルキルアリールフタレート、テレフタレート、セバケート、アジペート、およびグルタレートなどの有機酸ジエステル;トリ−、テトラ−、およびポリエチレングリコールジアルカノエートなどのグリコールジエステル;トリアルキルトリメリテート;トリアルキル、トリアルコキシアルキル、アルキルジアリール、およびトリアリールホスフェート;塩素化パラフィン油;クマロン−インデン樹脂;松のタール;ヒマシ油、トール油、菜種油、大豆油などの植物油、ならびにそれらのエステルおよびエポキシ化誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、油は、非芳香族油、パラフィン油、ナフテン油、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。好適な油としては、SUNPAR 2280、PARALUX 6001、HYDROBRITE 550、およびCALSOL 5550が挙げられるが、これらに限定されない。油は、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0087】
例示的な架橋剤/加硫剤としては、とりわけ、元素イオウ、4,4’−ジチオジモルホリン、チウラムジ−およびポリスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、および2−モルホリノ−ジチオベンゾチアゾールなどの硫黄含有化合物;過酸化ジ−tertブチル、過酸化tertブチルクミル、過酸化ジクミル、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tertブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−(tertブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、tertブチルペルオキシベンゾエート、および1,1−ジ−(tertブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの過酸化物;アゾ化合物;ビニルトリ−エトキシシランまたはビニルトリ−メトキシシランなどのシラン;亜鉛、マグネシウム、および鉛酸化物などの金属酸化物;p−キノン−ジオキシムおよびp,p’−ジベンゾイルキノン−ジオキシムなどのジニトロソ化合物;ヒドロキシメチル官能基またはハロメチル官能基を含有するフェノール−ホルムアルデヒド樹脂;ならびに他のタイプのラジカル発生剤(例えば、N−O破断タイプおよびC−C破断タイプ)などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明における使用のためのこれらの架橋剤/加硫剤のいずれかの適合性は、配合技術分野の当業者には周知である。一実施形態では、架橋剤/加硫剤は、イオウ含有化合物を含む。
【0088】
添加剤としては、充填剤、酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤、安定剤、難燃剤、着色剤または顔料、熱可塑性ポリマー、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。このような添加剤は、それらの所望の効果を達成するために所望の量で使用することができる。典型的には、このような添加剤は、組成物の総体積に基づいて、0.01〜50重量%未満の範囲の量で使用することができる。
【0089】
一実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1つの充填剤をさらに含む。好適な充填剤としては、数ある充填剤の中でも、粘土、タルク、カーボンブラック、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムの各ケイ酸塩、およびこれらの混合物;カルシウム、マグネシウムの各炭酸塩、およびこれらの混合物;ケイ素、カルシウム、亜鉛、鉄、チタン、およびアルミニウムの各酸化物;カルシウム、バリウム、鉛の各硫酸塩;アルミナ三水和物;水酸化マグネシウム;天然繊維、合成繊維、および鉱物繊維などが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、本発明の充填剤は、本発明の組成物の重量に基づいて、5〜30重量%の量で存在する。
【0090】
一実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1つの酸化防止剤および/またはオゾン劣化防止剤をさらに含む。例示的な酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ビスフェノール、およびチオビスフェノール、ならびに置換ヒドロキノンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
一実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1つの安定剤をさらに含む。好適な安定剤としては、酸化防止剤およびUV安定剤が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、安定剤は、本発明の組成物の重量に基づいて、0.05〜20重量%の量で存在する。
【0092】
一実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1つの難燃剤をさらに含む。例示的な難燃剤としては、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
一実施形態では、本発明の組成物は、熱可塑性ポリマーをさらに含む。例示的なポリマーとしては、プロピレン系ポリマー、エチレン系ポリマー、およびオレフィンマルチブロックインターポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。好適なエチレン系ポリマーとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、均質に分岐した直鎖状エチレンポリマー、および均質に分岐した実質的直鎖状エチレレンポリマー(すなわち、均質に分岐した長鎖分岐状エチレンポリマーである)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
例示的な発泡剤としては、とりわけ、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムなどの無機発泡剤;および有機発泡剤、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロテレフタルアミドなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウムなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などのヒドラジド化合物、アジ化カルシウム、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド、4,4−オキシベンゼンスルホニルセミカルバジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジドなどのアジド化合物など、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
用途
本発明の組成物は、様々な物品もしくは製品、またはそれらの構成部品または部分を調製するために使用することができる。本発明の組成物は、いくつかの従来のプロセスおよび装置のうちのいずれか1つによって完成品に変換することができる。例示的な方法としては、押出し、カレンダー加工、圧縮成形、および他の典型的な熱硬化性材料形成方法が挙げられるが、これらに限定されない。物品としては、シート、発泡体、成形品、および押出部品が挙げられるが、これらに限定されない。追加の物品としては、自動車部品、ウェザーストリップ、ベルト、ホース、建築異形材、電線およびケーブル外被、床材、ガスケット、タイヤおよびタイヤ部品、コンピュータ部品、建築材料、および履物構成要素が挙げられる。当業者は、過度の実験を行わずにこのリストを容易に増補することができる。本発明の組成物は、自動車用シーラント用の発泡体としての使用に特に適している。例えば、本発明の組成物は、ドアシーラント、例えば一次ドアシーラントに使用して、キャビンを空気及び水の侵入から絶縁することができる。一次ドアシーラントは、良好な表面品質、高い耐崩壊性、良好な引張強度、低発泡体密度、および低吸水性を有しなければならない。
【0096】
定義
別途記載がない限り、文脈から暗黙的に、または本技術分野において慣習的でない限り、全ての部分および割合は重量に基づき、全ての試験方法は本開示の出願日の時点で現行のものである。米国特許慣行のため、参照されるいかなる特許、特許出願、または刊行物の内容は、特に合成技術、製品および加工設計、ポリマー、触媒、定義(本開示に具体的に提供されるいかなる定義とも矛盾しない程度まで)の開示、および当該技術分野における一般的知識に関して、参照により組み込まれる(またはその米国版に相当するものの全体が、参照によりそのように組み込まれる)。
【0097】
本明細書で使用される場合、用語「組成物」は、組成物を含む2つ以上の材料の混合物又はブレンドを意味し、ならびに組成物の材料から形成された反応製品および分解製品を含む。
【0098】
「〜を含む(comprising)」、「〜を含む(including)」、「〜を有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、または手順の存在を除外することを意図するものではない。疑義が生じないようにするために、「含む」という用語の使用を通じて主張されるすべての組成物は、相反する記載がない限り、ポリマーであるか、ポリマーでないかに関わらない、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含むことができる。対照的に、「から本質的になる」という用語は、実施可能性に不可欠でないものを除き、任意の次に続く詳説の範囲から、任意の他の構成要素、ステップ、または手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に規定または列挙されていない任意の構成要素、ステップ、または手順を除外する。
【0099】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、同じまたは異なる種類に限らずモノマーを重合することによって調製されたポリマー化合物を指す。したがって、一般的な用語のポリマーは、用語のホモポリマー(微量の不純物がポリマー構造に取り込まれ得るという理解の下に、唯一の種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、および本明細書において以下に定義されるような用語のインターポリマーを包含する。触媒残渣などの微量の不純物をポリマー中および/またはポリマー内に取り込むことができる。本明細書で使用される場合、「インターポリマー」などの用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されたポリマーを意味する。したがって、インターポリマーという一般的な用語は、コポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すために用いられる)、および3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを含む(例えば、ターポリマー(3つの異なるモノマーの種類)およびテトラポリマー(4つの異なるモノマーの種類))。
【0100】
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」などの用語は、50重量%または主要重量パーセントのエチレンモノマー(ポリマーの重量に基づく)を重合形態で含むポリマーを指し、任意に1つ以上のコモノマー含んでもよい)。
【0101】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマー」などの用語は、重合形態で、エチレン、α−オレフィン、および非共役ポリエンを含むポリマーを指す。一実施形態では、「エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマー」は、過半重量パーセントのエチレンを含む(インターポリマーの重量に基づく)。
【0102】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマー」などの用語は、重合形態で、エチレン、α−オレフィン、およびジエンを含むポリマーを指す。一実施形態では、「エチレン/α−オレフィン/ジエンインターポリマー」は、過半重量パーセントのエチレンを含む(インターポリマーの重量に基づく)。
【0103】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α−オレフィン/ジエンターポリマー」などの用語は、重合形態で、エチレン、α−オレフィン、およびジエンを唯一のモノマー種類として含むポリマーを指す。一実施形態では、「エチレン/α−オレフィン/ジエンターポリマー」は、過半重量パーセントのエチレンを含む(ターポリマーの重量に基づく)。
【0104】
試験方法
ムーニー粘度
インターポリマー(例えば、エチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーのムーニー粘度(ML1+4、125℃)を、1分間の予熱時間および4分間のロータ動作時間で、大型ロータを使用して、ASTM 1646−04に準拠して測定した。この器具は、Alpha Technologies Mooney Viscometer 2000である。
【0105】
従来のゲル浸透クロマトグラフィー(conv.GPC)
赤外線濃度/組成検出器(IR−5)、PDI 2040レーザー光散乱(Precision Detector、現在Agilent)、および四毛細管ブリッジ粘度計(Viscotek、現在Malvern)からなるPolymer Char(Valencia,Spain)高温ゲル浸透クロマトグラフィーシステムを、MWおよびMWDの決定に使用した。担体溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)であった。溶媒送出ポンプ、オンライン溶媒脱ガス器、オートサンプラー、およびカラムオーブンは、Agilent製であった。オートサンプラーおよび検出器区画を160℃で操作し、カラム区画を150℃で操作した。カラムは、4本のPLgel Mixed−A LS、20ミクロンカラム(Agilent)であった。クロマトグラフィー溶媒および試料調製溶媒は、250ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有しており、両溶媒供給源ともに窒素散布を行った。コンピュータ制御天秤により試料を秤量し、計算量の溶媒をオートサンプラーシステムにより供給することにより、ポリマー試料を2mg/mLの目標濃度で調製した。試料を穏やかに撹拌しながら160℃で2時間溶解した。注入量は200μlであり、流量は1.0mL/分であった。
【0106】
GPCカラムセットの較正は、21の狭い分子量分布のポリスチレン標準物を用いて実施された。標準物の分子量は、580〜8,400,000g/molの範囲であり、個々の分子量の間に少なくとも10進数の分離間隔を置いて6つの「カクテル」混合物中に配置した。ポリスチレン標準ピーク分子量は、以下の方程式を使用してポリエチレン分子量に変換された(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.、6,621(1968))に記載されているように):M
PE=A×(M
PS)
B(式1)、式中、Mは分子量であり、Aは、既知の分子量を参照して、ダウ線形基準を用いて決定された約0.42の実験値を有し、Bは1に等しい。対数分子量較正を、溶離体積の関数として5次多項式フィットを用いて生成する。TCB中の希釈デカンの流量マーカーを使用して、全ての試料について流量を直線的に補正した。
【0107】
質量検出器定数、レーザー光散乱検出器定数、および粘度計検出器定数を、重量平均分子量の既知の値(120,000g/mol、dn/dc=−0.104mL/g)および固有粘度(1.873dL/g)を用い、ダウ内部線形HDPE基準を使用して決定した。クロマトグラフィー濃度は、第2のビリアル係数効果(分子量に対する濃度効果)への対処を排除するのに十分に低いと仮定された。
【0108】
検出器オフセットの決定のための体系的手法は、Balke,Moureyらによって公開されたもの(Mourey and Balke,Chromatography Polym.Chpt 12,(1992))(Balke,Thitiratsakul,Lew,Cheung,Mourey,Chromatography Polym.Chpt 13,(1992))に一致する様式で実行された。広い直鎖状ポリエチレンホモポリマー(120,000g/mol)および狭いポリスチレン標準のダウ基準を分析しながら、2つの検出器から得られたデータを使用した。体系的手法を用いて各検出器オフセットを最適化し、従来のGPC法を用いて観察されたものにできるだけ近い分子量結果を得た。
【0109】
試料の絶対重量平均分子量Mwは、以下の式:
【0115】
は、IR−5検出器の応答面積であり、K
LSは、既知の濃度および120,000g/molの重量平均分子量を用い、ダウ内部基準を使用して決定された機器定数である)を用いてLS検出器およびIR−5濃度検出器によって特徴付けられた。各溶離容量の絶対分子量は、以下:
【0117】
(式3)によって計算された。試料の固有粘度は、以下の式:
【0123】
は、IR−5検出器の応答面積であり、K
IVは、既知の濃度および1.873dL/gの固有粘度を用い、ダウ内部基準を使用して決定された機器定数である)を用いて粘度計検出器およびIR−5濃度検出器によって特徴付けられた。各溶離容量の固有粘度は、以下:
【0125】
によって計算された。g’値は、以下のように計算される:g
i’=(IV
試料、i/IV
線形参照、i)(式6)、式中、IV
線形参照、iは、試料の絶対分子量およびダウの線形参照のMark−Houwinkプロットを用いて計算される。試料のg’は、以下のように計算される:
【0127】
EPDM組成物分析のためのFTIR方法
エチレン、プロピレン、および5−エチリデン−2−ノルボルネンを含有するターポリマーを、そのエチレン含有量についてはASTM D3900を用い、そのエチリデン−ノルボルネンまたはジシクロペンタジエン含有量についてはASTM D6047を用いて分析した。
【0128】
EPDM組成物分析およびタクティシティ(%mm)のための13C NMR方法
クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中「0.025M」である「テトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物」約「2.6g」を、10mmのNMR管内の「試料0.2g」に添加することによって、試料を調製した。チューブおよびその含有物を150℃に加熱することによって、試料を溶解し、均質化した。データは、Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えた、Bruker 400MHz分光計を使用して収集した。データを、データファイル当たり160回のスキャン、6秒のパルス繰り返し遅延を用いて、120℃の試料温度で取得した。その取得は、25,000Hzのスペクトル幅および32Kデータポイントのファイルサイズを使用して実行した。
【0129】
実施例の各組成のNMRスペクトル分析を、以下の分析方法を用いて実行した。EPDM中に存在するモノマーの定量はまた、以下の式(1〜9)を用いて計算することもできる。エチレンのモルの計算は、55.0〜5.0ppmのスペクトル領域を1000の積分単位に正規化する。正規化された積分面積の下の寄与は、ENB炭素のうちの7つのみを占める。二重結合が高温で反応する可能性があるため、111および147ppmのENBジエンピークを計算から除外する。
【0131】
プロピレンタクティシティ%mm面積の13C NMR
タクティシティのレベル%mmを定量化するためのEPDMSの13C NMR分光分析は、上記に記載したとおり、「テトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物」中で実施された。
【0132】
本発明のEPDMのNMRスペクトル分析(上記参照)は、19.5〜22.0ppmの総積分面積の3.5%より大きい21.3〜21.8ppmのピーク面積を表示した。比較EPDMの同様のスペクトル分析は、19.5ppm〜22.0ppmの総積分面積の3.5%未満を示した。スペクトルデータは、30ppmでのEEE骨格を基準とした。この領域におけるピーク応答は、典型的には、EPDMに組み込まれたプロピレンタクティシティ(%mm)の差異に関連する。別の種類のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーについても同様の分析を行うことができる。
【0133】
動的機械分光法(DMS)
小角振動せん断(溶融DMS)を、窒素パージ下で、「25mm平行板」を備えたTA Instruments ARESを使用して行った。試料の装填から試験の開始までの時間は、全ての試料について5分に設定した。実験は、0.1〜100ラジアン/秒の周波数範囲にわたって、190℃で実行した。ひずみ振幅は、試料の応答に基づいて、1〜3%に調整した。応力応答を、振幅および位相の観点から分析し、その分析から、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、動的粘度η*、およびタンデルタを計算した。動的機械分光法のための試験片は、「直径25mm×厚さ3.3mm」の圧縮成形ディスクであって、180℃および10MPaの成形圧力で5分間形成され、次いで冷却プラテン(15〜20℃)間で2分間急冷された。100ラジアン/秒での粘度に対する0.1ラジアン/秒での粘度(190℃でのV0.1/V100;「RR」とも称される)のレオロジー比を記録した。直鎖状分子(検出可能な長鎖分岐はない)は典型的には8以下のRRを有する。ポリマー中の油の存在は、観察されるRRを減少させる可能性があることが認められているので、ポリマー含有油(RR
OE_
ポリマー)のRR値からポリマー(RR
ポリマー)のRRを推定するために以下の式を用いた:RR
ポリマー=RR
OE_
ポリマー/(重量%油*(−0.01988)+1.0321)。
【0134】
圧縮永久歪み
圧縮永久歪みを、23℃および100℃で、ASTM D395に準拠して測定した。直径が「29mm(±0.5mm)」、厚さが「12.7(±0.5mm)」のディスクを、圧縮成形の項で説明したように調製した圧縮成形プラークから打ち抜いた(実験の項を参照)。各ボタン試料を、ノッチ、不均一な厚さ、および不均質性について検査し、選択されたボタン(それらの欠陥なし)を試験した。指定された温度で、各試料について2つの試験片において圧縮永久歪みを行い、2つの試験片の平均結果を報告した。ボタン試料を、一緒に押圧することができる2つの金属板を有する圧縮装置に入れ、ボタン試料の元の高さの75%の所定位置に固定した。圧縮装置は、圧縮された試料と共に、次いでオーブンに置かれ、指定された時間、適切な温度で(23℃または100℃で22時間)、平衡化された。この試験において、応力は試験温度で解放され、試料の厚さは30分の平衡期間後に室温で測定された。圧縮永久歪みは、圧縮後の試料の回復度の測定値であり、式CS=(H0−H2)/(H0−H1);(式中、H0は、試料の元の厚さであり、H1は、使用したスペーサーバーの厚さであり、H2は圧縮力を除去した後の試料の最終的な厚さである)に従って計算される。
【0135】
引張り応力−歪み特性
引張り特性を、ASTM D−1708に記載されている寸法を有する小さな「ドッグボーン」形状のマイクロ引張りダイを用いて、打ち抜きされた試験片を用いて測定した。打ち抜き試験片を、圧縮成形プラークから切り出し、これらを圧縮成形の項に記載されているように調製した(実験の項を参照されたい)。引張り特性(引張り強さおよび伸び)を、INSTRU−METによって作製されたINSTRON MODEL 1122の機械方向において、方法ASTM D−412に従って室温で測定した。
【0136】
比重
発泡試料の比重は、ASTM D792に準拠して測定した。
【0137】
真空法による吸水率(質量変化)
吸水率の測定は、ASTM D1056に準拠して測定した。この試験方法は、特定の浸漬期間後の重量の変化(質量)を測定することによって、独立気泡発泡体の吸水特性を決定する。この試験方法は間接的に、試料の気泡構造/独立気泡含有量の尺度である。
【0138】
硬化した発泡体試料を、少なくとも1日間室温に調節した。試験前に、真空オーブンキャビティ内の温度計を読書室に維持した。硬化した発泡体試料を、1インチのロッドまたは1インチのストリップに切断した。1つの試料につき3組の1インチの切片を切断した。各試料を小数点以下3桁まで秤量し、その初期重量を記録した。脱イオン水を含むプラスチック容器を使用して試料を浸した。プラスチックメッシュをプラスチック容器の口の上に置いて、プラスチックメッシュが容器の底に触れるまで試料をメッシュ上に置いた。試料は、水面より少なくとも2インチ下にあった。試料容器を真空オーブン(VWR Oven Model 1410)に入れ、真空にして、25水銀柱インチまで下げた。「25水銀柱インチ」の真空に達するとすぐに試験開始のタイミングとなった。3分後に真空ポンプを止めた。ポンプを止め、オーブンチャンバーを大気に開放することによってオーブンのキャビティを大気圧に戻した。試料をプラスチック容器から取り出す前に、容器をさらに3分間オーブン内に置いた。試験試料を秤量する前に、各試料から過剰な表面水を除去した。蒸発による水分の損失を避けるために、試験した各試料をできるだけ迅速に秤量し、その最終重量を記録した。次のように質量のパーセント変化を計算した:
【0140】
式中、Wは質量の変化、%であり、Aは空気中の試料の最終質量、gであり、Bは空気中の試料の初期質量、gである。
【0141】
伸び粘度固定具(EVF)による一軸伸び特性
過渡一軸伸び粘度は、TA Instruments社製の回転式レオメーターARESに接続された伸張性粘度固定具、EVFによって測定される。約厚さ0.8mm、幅10mm、および長さ18mmの平らな長方形試料を、中心間距離L
0=12.7mmを有する2つの平行なシリンダーの間で一定の伸長速度で延伸させる。シリンダーの回転機構の詳細は、Franck,Aly,“The ARES−EVF:Option for measuring extensional viscosity of polymer melts,”TA Instruments Report PN002(2005)(http://www.tainstruments.com/wp−content/uploads/APN002_V2_ARES_EVF_to_measure_elongation_viscosity.pdf)に記載されている。
【0144】
と定義され、式中、Rは、シリンダの半径であり、オメガは、それらの角速度である。測定されたトルクT(t)と伸長力F(t)は、式T(t)=2RF(t)(2)によって関係付けられる。伸び粘度は次のように計算され、
【0148】
として定義される伸び応力であり、瞬間面積は、式、
【0150】
によって与えられ、式中、A
0は、試料の初期面積であり、ρは、固形物および溶解物としてのポリマー密度であり、および
【0153】
室温から試験温度までの熱膨張を補償するために、試料を0.005s
−1の一定速度で予備延伸する。機器ソフトウェアのOrchestratorは、予備延伸の長さと時間を自動的に計算する。使用濃度は、室温で0.922g/cm
3で、150℃で0.762g/cm
3である。60秒の緩和時間は、予備延伸工程の後で、伸び粘度測定の直前に許容される。試験は150℃および10s
−1の一定の伸長速度で行われる。
【0156】
においてEVF試験から報告され、これらは、最大ヘンキー歪み、および式:
【0158】
を用いて計算された伸び粘度比であり、式中、η
Eは、t=0.01秒で測定された伸び粘度であり、この時間tは、試料の破断が発生する時間である。
【0159】
GOETTFERT RHEOTENS装置による溶融強度
溶融強度測定を、キャピラリーレオメーターRHEOTESTER 2000と直列に接続されたRHEOTENS装置で実施した。ペレットを直径12mmのバレルに手動で圧縮充填して、気泡のない試料をキャピラリーレオメーターに装填した。パッキング後の浸漬時間は、190℃の試験温度で10分である。ポリマーストランドを、長さ30mm、直径2mm、および入射角180°のキャピラリーダイを用いて、38.2s
−1の剪断速度で押し出した。ストランドは、加速係数a=2.4mm/s
2によって定義される速度で、一対の逆回転する車輪によって伸ばされた。車輪の初速度を調整して、ほぼゼロに等しい始動力を測定した。ドローダウンに対する材料の抵抗は、ドローダウン速度vに対する力Fの拡張プロットに記録される。試験は、ストランドの破断で終了する。溶融強度は、ビーク時の最大力として、またはストランドが破断する前にプラトーが得られた場合には最後の40個の記録データポイントを用いて計算された平均引張り力として報告される。伸張性は、破断時に測定された最大速度である。
【0160】
実験
I.第1の組成物の代表的な合成(FC EPDM 1およびFC EPDM 2)
連続重合
本発明の第1の組成物を、CSTRに続くループ反応器を用いた連続溶液重合法によって製造した。エチレンを、ISOPAR E(ExxonMobilから入手可能なC8〜C10飽和炭化水素の混合物)の溶媒、プロピレン、および5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)の混合物に導入して、反応器供給流を形成した。同じ触媒を別々に各反応器に供給し、共触媒1および共触媒2を使用してその場で活性化した。結果として、反応器の出口は、ポリマー、溶媒、および低下したレベルの初期モノマー流の混合物であった。ポリマーの分子量は、反応器温度、モノマー転化、および/または水素等の連鎖停止剤の添加を調整することによって制御してもよい。重合反応は、定常状態条件下、すなわち一定の反応物濃度ならびに溶媒、モノマーおよび触媒の連続的な投入、ならびに未反応のモノマー、溶媒、およびポリマーの取出しの下で行われた。反応器系を冷却および加圧して気相の形成を防止した。第1の反応器からの反応生成物を、第2の反応器に移し、さらなる触媒を第2の反応器に添加した。
【0161】
触媒1{[[[2’、2’”−[1,3−プロパンジイルビス(オキシ−kO)]ビス[3−[3,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−9H−カルバゾール−9−イル]−5’−フルオロ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−kO]](2−)]−ハフニウムジメチル}を別々に反応器に供給し、共触媒1および共触媒2を使用してその場で活性化した。共触媒−1は、米国特許第5,919,988号(実施例2)に実質的に開示されているように、長鎖トリアルキルアミン(Akzo−Nobel,Inc.から入手可能なARMEEN M2HT)の反応によって調製されたテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのメチルジ(C
14〜18アルキル)アンモニウム塩と、HClと、Li[B(C
6F
5)
4]との混合物であった。共触媒−1は、Boulder Scientificから購入し、さらに精製することなく使用した。共触媒−2(変性メチルアルモキサン(MMAO))は、Akzo Nobelから購入し、さらに精製することなく使用した。
【0162】
重合後、少量の水を触媒失活剤として反応器出口流(排出口流)に導入し、反応器出口流を、固形分濃度が少なくとも100%まで増加したフラッシュ容器に導入した。次いで、未反応モノマーの一部分、すなわちENB、エチレン、およびプロピレン、ならびに未使用の希釈剤を回収し、必要に応じて反応器供給量に再循環させた。またある場合には、エキステンダー油(例えばPARALUX 6001)を反応器出口流の後に注入し、かつ特定量で添加した。結果として、反応器の出口流は、ポリマー、溶媒、および低下したレベルの初期モノマー流の混合物であった。次いで、生成物流を、脱揮の前に熱交換器を通過することによって加熱した。ポリマー生成物を、脱揮押出機および水冷ペレタイザーを用いた押出によって回収した。
【0163】
表1Aおよび1Bは、本発明の実施例のいくつかを製造するために使用された反応条件を要約する。インペラを装備したCSTRの反応器容積は20.1ガロンUSであり、ループ反応器の反応器容積は30.6ガロンであった。連続反応器構成の選択肢は柔軟であり、すなわち、ループまたはCSTRの単一モード運転、およびループ−CSTR、CSTR−ループなどの連続反応器運転である。表2Aは、この研究のために製造された実験用の第1のインターポリマーの特性を要約している。表2Bは、この研究のために製造された実験用の第1の組成物の特性を要約している。表3は、比較用の第1の組成物(市販の樹脂)のいくつかの特性を要約している。
【0164】
本発明のインターポリマーは、第1の反応器と第2の反応器との間のエチレン転化率および反応器温度の差を使用する溶液重合法によって製造された。第1の反応器内で比較的低温(100℃)で50%のエチレンを変換して高分子量および線状ポリマーを製造するため、および第2の反応器内でより高温で(160℃)80%のエチレンを変換してより低い分子量の分岐ポリマー鎖を製造するために、異なるプロセス条件を第1および第2の反応器で使用した。加えて、第1の反応器中のポリマー鎖の分子量をより高く押し上げるために、ほぼゼロの停止剤(水素)を第1の反応器に送った。効果的には、反応器は、同じ触媒がポリマー鎖を構築するのと同時に所望のコモノマーおよびターモノマーの組み込みを維持しながら、2つの大きく異なる環境を作り出すことができた。二重触媒パッケージに対して両方の反応器において単一の触媒を使用することは、所望の生成物を達成するための反応器制御を非常に単純化する。
【0165】
タンデルタ(第1の組成物または第1のインターポリマー)
図1は、第1のインターポリマー(矢印で示す)、および本発明の(第1の)組成物ならびに比較化合物についてのGPC Z平均分子量(g/mol)に対するタンデルタ(TD)(0.1ラジアン/秒)のプロットを示す。この図では、第1インターポリマーのデータは、表2AからのEPDM−1またはEPDM−2の値であり、本発明の(第1の)組成物のデータは、表2Bに列挙され、比較化合物のデータは、表3に列挙される。表2B中の油(FC EPDM1/油およびFC EPDM2/油)を用いて製造された第1の組成物の2つの発明例については、
図1では平均タンデルタを用いた。
【0166】
全体として、本発明の実施例のTD勾配およびタンデルタ0.1対GPC Z Mzの比較は、分岐トポロジーが比較例とは非常に異なり、本質的により直線的であり、そのZ平均分子量についてより高いタンデルタ値をもたらすことを示す。本発明において報告されている線状の高分子量画分(Mz)の設計は、高度に分岐した性質、および時にはこの応用分野に関与する既存のポリマーのよりも低いMzと対照的である。
【0172】
伸長レオロジー(第1の組成物)
伸び粘度固定具(EVF)測定から、伸び粘度曲線は伸び粘度比(EVR)および最大ヘンキー歪みによって定量化することができる。EVRは、最大伸び粘度を最低測定伸び粘度で割った比として定義される。これらの測定では、EVRは150℃および10s
−1伸び率で測定される。表4(下記)は、本発明の(第1の)組成物および比較化合物の伸び粘度固定具(EVF)データを提供する。
図3は、EVF試験下の本発明の(第1の)組成物および比較化合物の挙動を示す。
【0174】
EVRの結果は、本発明のFC EPDM 1/油およびFC EPDM 2/油(第1の)組成物が、それぞれ581および475のより浅いEVR値を有することを示す。比較例、ポリマーAは、147のEVR値を示す。物理的には、これは、本発明の実施例が伸びると低レベルの応力を発生し、それ故に材料がほぐれてEVRと最大ヘンキー歪みの両方によって示されるように高レベルの変形に達することを可能にすることを示す。ポリマー構造内で、観察された結果は、本発明の実施例に存在する直鎖状および分枝状ポリマー鎖の独特の相互作用であり、その移動度を高め、それらをより簡単に解きほぐして、加工することを可能にする。伸張流の特徴付けはこれらの材料間の違いを検出することができ、それらの挙動は、ポリマー構造、鎖の移動度、また低分子量と高分子量の分子の相互作用にも起因し得る。
【0175】
溶解強度(第1の組成物)
溶融強度測定から、変形挙動は試験中に達成された最大力および最大速度によって定量化することができる。材料の変形は、溶融状態において所与の伸長速度で延伸するその能力に関連するその弾性の指標である。これらの測定では、溶融強度は190℃にて、2.4mm/s2の一定加速速度で測定される。表5(下記)は、本発明及び比較用組成物の溶融強度データを提供する。
図4は、本発明および比較用のEPDM組成物の溶融強度を比較している。
【0177】
溶融強度の結果は、本発明のFC EPDM 2/油およびFC EPDM 1/油(第1の)組成物が、それぞれ16.7および15.1cNの最大力を有し、73.8および87.4mm/sの最大速度に達することを示す。比較例のポリマーAは、同様の最大力(15.5cN)を示すが、31.7mm/sの著しく低い速度を示す。物理的には、これは、本発明の実施例が破断する前により大きな速度に拡張され得ることを示している。ポリマー構造内で、観察された結果は、本発明の実施例に存在する直鎖状および分枝状ポリマー鎖の独特の相互作用からのものであり、その移動度を高め、それらをより簡単に解きほぐし、さらに延伸させることを可能にする。
【0178】
伸張流の特徴付けはこれらの材料間の違いを検出することができ、それらの挙動は、ポリマー構造、鎖の移動度、また低分子量と高分子量の分子の相互作用にも起因し得る。全体的にそして独特に、本発明のEPDM 01およびEPDM 02(第1の)組成物は、より高い溶融強度を有し、発泡剤の存在下で発泡気泡がより自由に膨張すると仮定される。高いジエンレベルを有することと組み合わせることで、泡のサイズ分布および独立気泡構造をもたらすように気泡の成長を制御することができ、それは高度に分岐した、あまり伸びないポリマー(ポリマーA)を超えて改善されると期待される。本発明の実施例の弾性がより少なくそして伸張性がより高いために、配合および混合における他の改良が観察され、材料が流動しそしてより低い剪断力で配合成分を組み込むことが可能になる。
【0179】
II.配合物(調合混合物)
ポリマー性能を評価するために、本発明および比較用(第1の)組成物の両方を表6に示す添加剤と調合した。ゴム硬化パッケージは、発泡剤を含む、または含まない、イオウ促進剤、カーボンブラック、無機充填剤、酸化亜鉛、油、活性剤、および安定剤を含んでいた。表6に示される特定の非発泡体配合物は、「第1次通過」組成物を表す。本発明の(第1の)組成物は、それぞれ油を含むEPDM 01またはEPDM 02を含有した。比較例も油を含んでいた。
【0180】
混合は2段階で行った(第1次通過および第2次通過)。第2次通過では、感温添加剤を添加した。本発明および比較用の「第1次通過」組成物は、充填剤、オイルおよびカーボンブラックを1.5Lのファレルバンバリーに添加し、続いてポリマーを添加し(75%の充填率)そして50rpmのローター速度で混合する逆さまの方法を用いて調製した。ミキサーは2翼タンジェンシャルローターを備えており、混合時間は3分であった。「第2次通過組成物」は、翌日、第1次通過化合物と硬化剤を30rpmで約3分間混合(約80℃の滴下温度)させることによって実施した。混合は6インチの2ロールミルで完了し、配合物をシート状にして機械的試験用のブランケットを調製した。結果(ムーニー(ML(1+4)125℃))を表8に示す。
【0182】
スポンジウェザーストリップに使用される代表的な配合物である、特定の発泡体配合物を表7に示す。硬化した調合物の特性を、圧縮成形プラーク(下記参照)として、または発泡押出テープ(下記参照)として評価した。表7の第2次通過組成物に関する結果(t3、t5、ML、MH、MH−ML、およびt95)を表8に示す。
【0184】
固体圧縮成形プラーク
非発泡組成物(第2次通過組成物であるが、プレスされ、かつ発泡されていないもの)の物理的特性は、圧縮成形機中で硬化されたプラークから測定された(引張、圧縮永久歪試験のため)。試料を、PHI(100トンプレス)を用いてASTM D3182に準拠して圧縮成形した。
【0185】
試験の前に、試料を室温で24時間調節した。所望の型(6インチ×6インチ×1/8インチのプラークまたは圧縮ボタン)をプラテンに入れた。試料(未硬化ブランケット)を、個々の成形型キャビティの寸法よりわずかに小さく切断した。ミル方向に印を付け、試料にラベルを付けた。ブラシにシリコーンの希薄溶液を軽くスプレーして、成形型に塗布した。ミル方向に適切に配置するように注意しながら、試料を予熱した(200℃で)成形型に配置した。プラテンを閉じた。「通常の」操作圧力は、200℃で100トン、またはゲージに表示されたように200,000ポンドであった。試料を加硫するために、プラークに対してt95データ(表8参照)+3分、および圧縮永久歪みボタンに対してt95データ(表8参照)+15分を用いて、試料を200℃でプレスした。硬化時間が終了すると、底部プラテンは自動的に開かれた。試料を取り出し、直ちに水中に置いて硬化を止めた。結果(100%Mod、破断点引張、極限引張での伸び率、引裂強度および圧縮永久歪み)を表8に示す。
【0186】
調合物の押出し
発泡試験のために、未硬化配合物(第2次通過組成物)をロールミルで混合して未硬化配合物のブランケットを形成した。未硬化EPDMブランケットをストリップに切断し、次いで、1インチテープダイを取り付けた単軸スクリュー押出機を備えたCW Brabender Intelli−Torque Plasti−Corderを使用してテープに押出した。ダイの温度プロファイルは、70℃、80℃、および90℃であった。押出機は50rpmで運転した。本発明の組成物で製造されたテープは、滑らかな外観を有し、目に見える欠陥はないことが観察された。
【0187】
発泡。テープを次の寸法:20cm×2.54cm×1.5mm厚さに切断し、得られたテープを熱風オーブン中に水平に置いた。得られたテープを熱風オーブン中で240℃で4分間硬化させた。熱処理後、発泡した架橋テープを、−20℃に設定した冷凍庫で冷却した。発泡架橋テープを、試験(比重および吸水量の質量変化)の前に室温で24時間コンディショニングした。結果を表8に示す。
【0189】
硬化挙動に関して、表8は、本発明のポリマーが、それぞれt3/t5およびt95によって示されるように、比較例と比較して同様のスコーチ性能および硬化速度を有することを示す。MDRから強調すべき重要な点は、本発明の実施例が、より柔軟なマトリックス(低ML)からの架橋開始および完全硬化ならびに緊密なネットワークの形成(MHに匹敵する)の結果として、比較ポリマーAと比較して同等またはより高い硬化度(MH−ML)を示すことである。
【0190】
発泡物品に関して、表8は、本発明の実施例が、比較例に匹敵する、水中に試料を浸漬した後の最終密度および質量の変化を呈することを示し、ポリマー構造の違いにもかかわらず両方が同様に発泡することを示す。各調合物の発泡特性は実験室規模で評価されたものであり、適切な発泡のための全ての条件を提供するものではないことに留意されたい。この種の用途では、密度および吸水率は、それぞれ0.6および<3%の典型的な値を有する。目標値と測定された値との間の違いは、対流式オーブンで経験する温度プロファイルと、物品の表面の硬化速度が遅い工業環境での違いによって説明される。対流式オーブンでは、調合物が硬化する前に発泡剤から発生したガスが逃げるため、材料の膨張が制限され、水が発泡構造体に入るのを好む不良な表皮を助ける。表皮の硬化条件がよりよく制御されている工業施設での発泡は、この問題を排除する。
【0191】
圧縮成形プラークの物理的性質は、引裂強度と圧縮永久歪みとの両方が、本発明で網羅されている線形構造から利益を得ることを示している。高度に分岐した構造に対する線状の性質の利点は、同程度の架橋に対して、線状分子が架橋間(Mc)でより高い分子量を有することである。圧縮永久歪みはウェザーストリップにとって特に重要であり、なぜなら、変形後に物品がその元の厚さに戻る能力が、より少ない材料の使用につながるからである。硬化後の目標厚さは、騒音や水が車内に伝わるための漏れ箇所をシールして排除するのに重要である。本明細書に開示された本発明の実施例の場合、比較例(46%)と比較して、本発明の実施例のより低い圧縮(40%)の結果として、材料体積の節約は10%に近い。表8の結果を参照されたい。
本願は以下の態様にも関する。
(1) 第1のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーおよび第2のエチレン/α−オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーを含む第1の組成物であって、
前記第1の組成物が、以下の特性、
a)3.5より大きい分子量分布(Mw/Mn、MWD(conv))と、
b)次のように定義されるタンデルタ勾配の絶対値
【数24】
とを含み、mが、3.5〜40秒/ラジアンである、第1の組成物。
(2) 前記第1の組成物が、0.1ラジアン/秒および190℃で1.00より大きいタンデルタを有する、前記(1)に記載の第1の組成物。
(3) 前記第1の組成物について、「0.1ラジアン/秒、190℃でのタンデルタ」から「100ラジアン/秒、190℃でのタンデルタ」を引いた差が、≧0.4である、前記(1)に記載の第1の組成物。
(4) 前記第1の組成物が、油をさらに含む、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の第1の組成物。
(5) 前記第1の組成物が、≧25のムーニー粘度(ML1+4、125℃)を有する、前記(1または前記(2)に記載の第1の組成物。
(6) 前記第1の組成物が、≦0.870g/ccの密度を有する、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の第1の組成物。
(7) 前記第1のインターポリマーおよび前記第2のインターポリマーが、前記第1の組成物の全重量の95重量%以上を構成する、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の第1の組成物。
(8) 前記第1のインターポリマーが、EPDMであり、前記第2のインターポリマーがEPDMである、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の第1の組成物。
(9) 前記(1)〜(8)のいずれかに記載の第1の組成物を含む組成物。
(10) 前記(9)に記載の組成物から形成された少なくとも1つの構成成分を含む、物品。